JPH0925102A - 塩素の濃縮方法 - Google Patents

塩素の濃縮方法

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JPH0925102A
JPH0925102A JP7178362A JP17836295A JPH0925102A JP H0925102 A JPH0925102 A JP H0925102A JP 7178362 A JP7178362 A JP 7178362A JP 17836295 A JP17836295 A JP 17836295A JP H0925102 A JPH0925102 A JP H0925102A
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JP
Japan
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chlorine
adsorption
temperature
desorption
adsorbent
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JP7178362A
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English (en)
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Satoshi Tsuruta
智 鶴田
Hiroyuki Ito
洋之 伊藤
Hideaki Hashimoto
秀明 橋本
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸着時の吸着剤層の極端な温度上昇が吸着剤
の吸着能力の低下、及び脱着時の吸着剤層の極端な温度
低下が吸着剤の脱着能力の低下を来すことを解決し、吸
着剤の能力を十分に引き出す操作条件を提供する。 【解決手段】 圧力スイング吸着法を用い、塩素を含む
ガスより塩素を濃縮する方法において、吸着剤層の脱着
時の温度を−10℃〜30℃の範囲で運転する塩素の濃
縮方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧力スイング吸着法
を利用する塩素の濃縮方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩素は、非常に重要な工業中間原料で多
くの化学産業で使用されており、各所に塩素分離のため
の設備が存在する。塩素を含むガスより塩素を分離する
方法としては、ガスを加圧・冷却して液体塩素として分
離する深冷分離法や、塩素系有機溶剤に塩素を吸収させ
た溶剤をストリッピングすることにより塩素を分離させ
る方法が知られている。さらに近年、特開平4−367
504号公報に示す圧力スイング吸着法を用いた塩素の
濃縮方法が検討されている。圧力スイング吸着法による
塩素の分離濃縮法に関する一般的な説明を図1により説
明する。
【0003】圧力スイング吸着法による塩素の分離濃縮
法は、以下の5つの工程により、塩素の分離・濃縮が行
われる。圧力数kg/cm2の加圧下にて塩素を含むガ
ス(原料ガスとする)を塩素を選択的に吸着する吸着剤
が充填された吸着塔に装入し、原料ガス中の塩素を選択
的に吸着させ、その結果、吸着塔からは塩素をほとんど
含まないガス(排ガスとする)が得られる吸着工程。吸
着工程終了後の加圧状態から、常圧まで脱圧され、濃縮
された塩素が得られる均圧脱着工程。均圧脱着後、吸着
剤層を真空ポンプで塔内圧力を常圧から真空まで減圧す
ることにより吸着した塩素を脱着させ、濃縮塩素を得る
真空脱着工程。さらに、真空状態にて排ガスを少量通気
させ、より塩素脱着を促進させる真空パージ脱着工程。
減圧状態から吸着準備の為に、吸着層内の圧力を吸着圧
まで昇圧する昇圧工程。以上5つの工程により、塩素を
含むガスから、圧力スイング吸着法により、塩素を含ま
ない排ガス及び、濃縮された塩素を得ることができる。
また、この5つの工程の連続的な組み合わせにより、原
料ガスから、濃縮された塩素と、塩素を含まない排ガス
を連続的に得られることが知られている。
【0004】すなわち、圧力スイング吸着法は、より高
い圧力状態で原料ガス中の塩素を選択的に吸着させ、引
き続いて圧力の低い状態で塩素分圧を下げ、吸着剤に吸
着された塩素を脱着させるという圧力の振幅により塩素
の吸脱着を行っている。しかし、塩素を分離・濃縮する
圧力スイング吸着法においては、吸着塔内の温度変化が
大きな問題となることがわかった。一般に、吸着剤に対
する吸着質の吸着量は吸着時の温度が低い程大きく、反
対に高い程小さくなる。つまり、吸着時にはより低い温
度が望ましく、脱着時にはより高い温度が望ましいこと
になる。しかしながら、塩素を分離・濃縮する圧力スイ
ング吸着法の場合には一般的な酸素や水素を分離・濃縮
する圧力スイング吸着法と比べ、特に高濃度の塩素を吸
着分離する場合には、その吸着・脱着する際に発生する
吸脱着熱(吸着時は発熱、脱着時は吸熱)が大きい為、
吸着時には発熱の為、吸着剤層の温度が大きく上昇し、
脱着時には吸熱の為、吸着剤層の温度が大きく低下す
る。この吸着時の温度上昇が大きい場合には、吸着剤層
の温度が、80℃を越える場合があり、結果として吸着
能力の低下が起こる。一方、脱着時の降温が激しい場
合、吸着剤層の温度が−10℃以下となる場合があり、
塩素の脱着が不完全となり、結果として能力の低下を来
す問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】圧力スイング吸着法に
よる塩素の分離・濃縮において、吸脱着時の吸着剤層の
温度振幅の吸着能力に及ぼす影響の低減、すなわち吸着
時の吸着剤層の極端な温度上昇が吸着剤の吸着能力の低
下、及び脱着時の吸着剤層の極端な温度低下が吸着剤の
脱着能力の低下を来すことを解決し、吸着剤の能力を十
分に引き出す操作条件を提供することにある。
【0006】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らは、鋭意検
討の結果、圧力スイング吸着法による塩素の分離・濃縮
において、吸着剤の性能を十分に引き出す方法として、
吸着時における吸着剤層の温度及び脱着時の吸着剤層の
温度をある特定の温度範囲に制御、運転することによ
り、吸着剤の能力を最大限に引き出すことを見出し発明
を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、圧力スイング吸着法を用
い、塩素を含むガスより塩素を濃縮する方法において、
吸着剤層の脱着時の温度を−10℃〜30℃の範囲で運
転することを特徴とする塩素の濃縮方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】通常、吸着剤層内の温度は、吸着
時に温度上昇するが、本発明方法においては、吸着時に
は温度上昇が最高70℃以下、好ましくは30℃〜70
℃、特に好ましくは50℃〜70℃の範囲となるように
制御すればよい。吸着時の温度上昇が70℃を越える
と、塩素の吸着能力の低下の為、排ガス中へ塩素の漏洩
が起こり、不都合が生じる。一方、吸着剤層内の温度
は、脱着時に温度低下するが、脱着時には温度低下が最
低−10℃以上、好ましくは−10℃〜30℃、特に好
ましくは−10℃〜10℃となるように制御すればよ
い。脱着時の温度が−10 ℃未満となると、塩素の脱
着能力の低下の為、吸着剤層からの塩素の脱離が不十分
となり、吸着能力の低下を来す。
【0009】従って、吸着・脱着を通して吸着剤層の温
度変化を、−10℃〜70℃、より好ましくは0℃〜6
0℃の範囲で運転することにより、吸着剤の能力を最大
限に引き出すことを見出した。吸着剤層の温度変化を、
−10℃〜70℃、より好ましくは0℃〜60℃の範囲
で制御する方法としては、原料ガスに必要なエンタルピ
を保持させる方法、すなわち原料ガスの温度を調節する
方法が、最も簡便な操作として挙げられる。その他、吸
着剤層に熱交換器を設置し、強制的に吸着剤層の温度を
制御する方法が考えられる。
【0010】
【実施例】4塔式塩素圧力スイング吸着設備を例に取
り、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。図2
では塩素を含む昇圧された原料ガスは、管1より弁7を
経て、塩素を選択的に吸着する吸着剤、例えば合成及び
天然ゼオライト、非ゼオライト系多孔質酸性酸化物、活
性炭又は分子ふるいカーボン等で満たされた4基の吸着
塔6A、6B、6C、6Dの内の第一の吸着塔6Aに送
り込まれる。この時、原料ガスは任意の温度に調節でき
るように、熱交換器2を経由し、吸着塔へ供給される。
吸着塔6Aへ加圧状態で導入された原料ガス中の塩素
は、選択的に吸着剤へ吸着され、吸着塔6Aの出口から
は塩素をほとんど含まないガスが得られる(吸着工
程)。この排ガスは弁11、圧力調節弁4を経て系外へ
排出される。吸着塔6Bでは、吸着塔6Aより得られた
塩素をほとんど含まないガスにより、弁20を経て吸着
圧力まで昇圧される(昇圧工程)。吸着塔6Cでは、真
空下にて塩素を含まない排ガス,すなわち吸着塔Aの出
口ガスを弁21を経て少量通気することにより、弁17
から真空ポンプ3を経て、完全な塩素の吸着剤からの脱
着を行う(真空パージ脱着工程)。吸着塔6Dでは、吸
着工程の終了した後、常圧までの脱着,さらには真空脱
着圧力までの減圧が弁18を経て実行される(均圧脱着
工程,真空脱着工程)。この、均圧脱着工程,真空脱着
工程、真空パージ脱着工程にて得られるガスが濃縮塩素
ガスとなる。
【0011】この一連の操作を所定時間にて、切り換え
ることにより、連続的に塩素を含むガスからの塩素の分
離・濃縮操作が可能となる。吸着剤、吸着塔は、吸着
剤;Y型ゼオライト(30kg/塔)、吸着塔;ステン
レス製(φ200mm×高さ2000mm)を用いた。
原料ガスは塩素(20vol.%)、二酸化炭素(15
vol.%)、その他(窒素+酸素+アルゴン;65v
ol.%)の組成をした原料ガスを圧力7kg/cm2
まで昇圧した後、流量35Nm3/hrで10分間のサ
イクルで通気し、定常状態にて、排ガス及び精製ガス,
さらに吸着剤層の温度を計測した。表1に、原料ガス温
度を変化させた場合の、吸着時の吸着剤層の最高温度、
脱着時の吸着剤層の最低温度、排ガス塩素濃度,精製ガ
ス塩素濃度を示した。 原料ガス 塩素 20% 原料ガス供給量 35Nm3/h 二酸化炭素 15% 切替え時間 10min その他 65%
【0012】
【表1】
【0013】原料ガス温度を室温にて供給した場合は、
脱着時の最低温度が、−20℃となり、脱着不十分の為
に、吸着能力[容量]が低下し、結果として、排ガスへ
の顕著な塩素リークが認められた。原料ガスを熱交換器
にて、90℃に調節し供給した場合、吸着剤層の吸着時
の最高温度60℃、なおかつ脱着時の最低温度0℃とな
り、排ガスへの塩素リークは実用上問題無く、さらに6
5%まで濃縮された塩素が得られた。さらに、原料ガス
温度150℃として、吸着塔へ供給した場合には、吸着
剤層の吸着時の最高温度80℃、なおかつ脱着時の最低
温度35℃となり、排ガス中への顕著な塩素リークが認
められた。これは、吸着温度が高い為に、塩素の吸着能
力が低下した為である。
【0014】これらの結果から、圧力スイング吸着法を
用い、塩素を含むガスより連続的に塩素を濃縮する方法
において、吸着剤層内の温度変化を−10℃〜70℃の
範囲、より好ましくは0℃〜70℃の範囲で運転するこ
とにより、吸着剤の能力を十分に引き出すことが可能で
あり、その吸着剤層内の温度を制御する方法としては、
原料ガスの温度を調節する方法や、吸着層内に熱交換器
を設置する方法が挙げられる。
【0015】
【発明の効果】圧力スイング吸着法を用い、塩素を含む
ガスより連続的に塩素を濃縮する方法において、従来の
温度制御を施さない場合には塩素の脱着熱により塔内温
度が−10℃以下となったり、あるいは塩素の吸着熱の
為に吸着層内の温度が70℃以上になった場合、吸着能
力の低下を招いていたが、吸着剤層温度を−10℃〜7
0℃の範囲、より好ましくは0℃〜60℃の範囲に制御
することにより、吸着剤の能力を最大限に発揮できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧力スイング吸着法を用い、塩素を含むガスよ
り連続的に塩素を濃縮する方法の概念図である。
【図2】実施例で使用した4塔式の塩素圧力スイング吸
着設備の模式図である。
【符号の説明】
1 原料ガス供給管 2 加熱器 3 真空ポンプ 4 圧力調節弁 6A,6B,6C,6D 吸着塔 7〜23b 自動切替弁 24 ブロアー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力スイング吸着法を用い、塩素を含む
    ガスより塩素を濃縮する方法において、吸着剤層の脱着
    時の温度を−10℃〜30℃の範囲で運転することを特
    徴とする塩素の濃縮方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の制御方式が塩素を含むガ
    スを温度調節することにより運転することを特徴とする
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の制御方式が、吸着塔内に
    加熱・冷却設備を有し、運転することを特徴とする方
    法。
JP7178362A 1995-07-14 1995-07-14 塩素の濃縮方法 Pending JPH0925102A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101935020A (zh) * 2010-09-15 2011-01-05 重庆天原化工有限公司 甲烷氯化物副产氯化氢的提纯方法
WO2022270439A1 (ja) * 2021-06-24 2022-12-29 Jfeスチール株式会社 ガス分離設備およびガス分離方法

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Effective date: 20040622