JPH09250940A

JPH09250940A - コリオリ流量計

Info

Publication number: JPH09250940A
Application number: JP5708996A
Authority: JP
Inventors: Takashi Endo; 孝史遠藤; Kimihiro Ichinose; 公宏一瀬; Kenichi Matsuoka; 健一松岡; Osamu Futagawa; 修二川
Original assignee: Oval Corp
Current assignee: Oval Corp
Priority date: 1996-03-14
Filing date: 1996-03-14
Publication date: 1997-09-22
Anticipated expiration: 2016-03-14
Also published as: JP2966337B2

Abstract

(57)【要約】【課題】配線による振動管の振動減衰を小さくし、配
線の接続を長期安定に保つ。【解決手段】接続フランジ付き外筒１内に流体が流れ
るインナーチューブ２を両端支持し、且つ、インナーチ
ューブ２の所定区間で両端固着したアウターチューブ３
からなる同軸２重管５を構成する直管式のコリオリ流量
計において、同軸２重管５を共振駆動する駆動部６と、
駆動により生ずるコリオリの力に比例した信号を検出す
る検出部７，８および温度センサ１０を、一枚のフレキ
シブルプリント配線板９の導線に接続する。このフレキ
シブルプリント配線板９をアウターチューブ３の管壁面
に貼着し、他端を外部の端子箱１１に導出し、端子板１
２の端子１２ｂに接続する。外筒１と端子箱１１との所
定区間でフレキシブルプリント配線板９をモールド材１
４で密封固着する。さらに密閉した外筒１内に不活性ガ
スを封入する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コリオリ流量計に
関し、より詳細には、直管形状の流管を有するコリオリ
流量計の外筒内で駆動手段と検出手段とを各々電気接続
し、外部端子に導出する導線手段に関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、コリオリ流量計は、質量
流量ｍの流体が流れるフローチューブを両端支持して支
持点まわりに角速度ωで交番振動を与えたとき、フロー
チューブに質量流量ｍと角速度ωのベクトル積に比例し
たコリオリの力Ｆが作用することを利用したもので、コ
リオリの力を計測して質量流量を求める原理に基づいて
いる。すなわち、フローチューブは、このコリオリの力
Ｆにより変形され、支持位置間でコリオリの力に比例し
た位相差が生じ、この位相差を検出して直接的に質量流
量ｍを求めることができる。更に、角速度ωを支持点ま
わりの固有振動数ω₀に選ぶことにより、固有振動数ω₀
から流体の密度ρを計測することができる。このよう
に、フローチューブは、コリオリの力Ｆを発生させ、更
には、密度ρを求めるためのコリオリ流量計の要部をな
すものであり、特に形状は重要である。

【０００３】フローチューブの形状は、大別すると湾曲
形状と直管形状のものがあり、支持位置に関し、コリオ
リの力による位相差変位が大きく、ＳＮ比の優れたコリ
オリ力を検知可能な湾曲形状のものが多用されている。
その反面、湾曲形状は大型となるのに対し、直管形状の
ものは単純で小型なコリオリ流量計を得られる長所をも
っている。しかし、直管形状のフローチューブは、コリ
オリの力による変形量が小さく、ＳＮ比が低い欠点があ
る。従って、直管形状のコリオリ流量計においては、直
管のフローチューブを支持点を中心に固有振動数で駆動
することにより、小電力で駆動できる共振駆動手段がと
られる。

【０００４】直管方式のコリオリ流量計において、駆動
部およびコリオリ力の検出部は、湾曲管方式のコリオリ
流量計の場合と同様な駆動手段と、コリオリの力をフロ
ーチューブの位相差信号として検出するための一対の検
出手段を有し、その他、流体の温度変化に伴う影響を補
正するため、フローチューブの温度を検出する温度セン
サ等が取り付けられている。駆動手段は、例えば、電磁
コイルとソレノイドとからなる電磁駆動方式であり、検
出手段も、多くは検出コイルと対向して磁路を形成する
永久磁石等からなる電磁検出方式がとられている。これ
により、検出コイルと磁石とが相対運動して生ずる正弦
波電圧信号として、コリオリの力に比例した位相差が検
出される。

【０００５】駆動手段，検出手段や温度センサとの電気
接続は、電気接続部を有する同軸チューブ又は平行チュ
ーブの何れか一本のチューブに沿って固着された複数の
電線ケーブルで行われ、コリオリ流量計の外筒に設けら
れた端子箱の端子に接続され、端子箱内又は外部に設け
られた質量流量演算部に導出される。電線ケーブルは、
複数本の細い銅線を芯線とし、外部がテフロン等の樹脂
で皮膜された可撓線が用いられ、取り付けられるチュー
ブの外周に巻き付けた薄い布材上に接着剤等で固着され
て、フローチューブの振動により電源ケーブルがフロー
チューブから剥離や離間しないようにしている。

【０００６】また、コリオリ流量計は、各種の流体の質
量流量を計測する質量流量計であるから、防爆危険場所
に取り付けられることが多い。このような場合、コリオ
リ流量計は防爆規格に従った防爆構造をもっていなけれ
ばならない。例えば、コリオリ流量計の外筒内には、ア
ルゴンガス等の不活性ガスが充填され、前記駆動部，検
出部と防爆構造の外部端子との間を接続する電線ケーブ
ルは、中間位置でシール構造を介してシールされ、気密
に導出されている。

【０００７】図５は、従来の防爆構造における電線ケー
ブルの接続方法を説明するための図で、図５（Ａ）は内
部接続方式、図５（Ｂ）は外部接続方式であり、図中、
２０は流量計外筒側、２１は端子箱側、２２はモールド
材、２３，２４，２６，２７は電線ケーブル、２５は電
線、２８，２９，３０は接続部である。

【０００８】図５において、電線ケーブルの接続は、流
量計外筒側２０と端子箱側２１との間を外筒と端子箱
（図示せず）とを気密に接続する接続パイプ（図示せ
ず）内に固着された、例えば、樹脂等のモールド材２２
を介して行う。図５（Ａ）に示す内部接続方式は、電源
ケーブル２３と２４とは、被膜と複数本の芯線２３ａと
２４ａとの間で、所定長さの芯線２３ａと２４ａとを導
出して接続部２８でハンダ付け等により接続して、複数
の芯線２３ａ，２４ａ間の空間を通して外筒側２０と端
子側２１とが連通するのを防ぎ、モールド材で固定し気
密を保つ方法である。図５（Ｂ）に示す外部接続方式
は、予めモールド材２２内に単線の電線２５を複数気密
に固定し、各電線２５の流量計外筒側２０と端子箱側２
１とで各々電線ケーブル２６，２７の芯線２６ａ，２７
ａ部分を接続部２９，３０でハンダ付け等で接続する接
続方法である。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】コリオリ流量計の駆動
手段，検出手段は、所定の質量をもってフローチュブ等
の振動部材に取り付けられている。従って、これらに接
続される電線ケーブルも振動する。しかし、電線ケーブ
ルは、前述のように可撓性の樹脂被覆されてはいるが、
樹脂は可塑材であり、内部摩擦が大きく、振動に対し一
種のダンパーとなる。芯線も複数の極細の電線からな
り、それ自体は弾性体であっても隣接する電線間で振動
に伴う相対変位が生じ、これにより摩擦抵抗を生じ、そ
の結果、電線ケーブル自体は、フローチューブの共振特
性を低下させる要因となる。更に、電線ケーブルをフロ
ーチューブ等に固着するための布材や接着剤も電線ケー
ブルと同様にダンパーの作用をもたらし、できるだけ駆
動エネルギーを小さく保ち、ＳＮ比を高くとろうとする
試みに反する特性をもっている。

【００１０】また、特に、防爆構造の場合は、図５に示
したように、従来の電線ケーブルによる接続方式では、
電線の接続個所が多く、しかも接続が複雑であるから、
このために多くの工数を要し、高価になるという課題が
あった。

【００１１】本発明は、上述の実情に鑑みてなされたも
ので、フローチューブ等振動管の配線による振動減衰を
小さくし、しかも接続状態を長期安定に保ち、防爆構造
の端子接続も簡単で、しかも少ない工数で、信頼度の高
い配線接続を可能とすることを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、外筒
内に同軸または軸平行に両端支持された直管を前記両端
支持点を中心に駆動する駆動手段と、流体が流れる前記
直管に作用するコリオリの力を検出する一対の検出手段
を有する直管式のコリオリ流量計において、前記駆動手
段および前記一対の検出手段等に各々接続される電気導
線を、前記直管の何れかの管壁に接着される一枚のフレ
キシブルプリント配線板としたものである。

【００１３】請求項２の発明は、請求項１に記載のコリ
オリ流量計において、前記フレキシブルプリント配線板
の前記直管の管壁との接着面を、該直管が駆動される駆
動方向に対し平行にしたものである。

【００１４】請求項３の発明は、請求項１又は２に記載
のコリオリ流量計において、前記外筒の外部に設けられ
た端子箱の端子板にフレキシブルプリント配線板を接続
し、該フレキシブルプリント配線板の前記外筒と端子箱
との間の所定区間を気密性材料で密封したものである。

【００１５】

【発明の実施の形態】本発明によるコリオリ流量計は、
直管方式に関するもので、この方式は、同軸２重管およ
び平行直管に分類され、分類された何れの直管式コリオ
リ流量計に対しても適用される。図においては、同軸２
重管方式をとりあげ、この方式のものについて説明す
る。図１は、本発明によるコリオリ流量計の実施の形態
例を説明するための断面図で、図１（Ａ）は図１（Ｂ）
の矢視Ａ−Ａ線断面図、図１（Ｂ）は図１（Ａ）の矢視
Ｂ−Ｂ線断面図であり、図中、１は外筒、２はインナー
チューブ、３はアウターチューブ、４は連結ブロック、
５は同軸２重管、６は駆動部、７，８は検出部、９はフ
レキシブルプリント配線板、１０は温度センサ、１１は
端子箱、１２は蓋体、１３は端子板、１４はモールド材
である。なお、図１以降の図において、図１の場合と同
様の作用をする部分には、図１と同一の参照番号を付す
こととする。

【００１６】図１に示した直管方式のコリオリ流量計
は、流体が流れる外部配管（図示せず）と両端を接続フ
ランジ１ａで接続される外筒１を有し、外筒１内には、
軸心に同軸なインナーチューブ２が挿入され、インナー
チューブ２は両端で外筒１と固着され、インナーチュー
ブ２内に被測定流体が流れるようになっている。インナ
ーチューブ２の所定部分で２重管を形成するアウターチ
ューブ３が設けられ、アウターチューブ３は、両端が環
状の連結ブロック４でインナーチューブ２と同軸に支持
されている。

【００１７】同軸２重管５には、各々中央に共振駆動す
るための駆動部６と、駆動部６と対称な位置に検出部
７，８が設置されている。駆動部６は、円筒状の駆動コ
イル６ａと、該駆動コイル６ａの円筒内に挿入される鉄
心６ｂとで構成され、鉄心６ｂはインナーチューブ２に
一端が固着されている。検出部７，８は、同一な構成を
もっており、円筒状の検出コイル７ａ，８ａと円筒軸心
に永久磁石８ｂ，９ｂとで構成されている。なお、イン
ナチューブ２の一端側表面に、インナーチューブ２の温
度を測定するための温度センサ１０が貼着されている。

【００１８】駆動コイル６ａ，検出コイル７ａ，８ａ及
び温度センサ１０には、一枚の耐熱性のある樹脂、例え
ばポリイミド系樹脂内に２次元的に導線を形成したフレ
キシブルプリント配線板９の一端から各々分岐された分
岐部９ａ，９ｂ，９ｃ，９ｄの部分で接続され、アウタ
ーチューブ３とは、シリコン樹脂系の両面テープを介し
て固着される。また、フレキシブルプリント配線板９他
端側は、アウターチューブ３に周方向に巻回固着されて
いる。

【００１９】図２は、図１に示したフレキシブルプリン
ト配線板の貼着状態を説明するための要部斜視図であ
る。フレキシブルプリント配線板９は、分岐部９ａ，９
ｂ，９ｃ，９ｄを有し、分岐部９ａ，９ｂ，９ｃ，９ｄ
を除いた他の部分は、アウターチューブ３の側面に貼着
され、全体に断面積が小さく、内部には、曲げ剛性が小
さく、弾性をもった導線が形成される。

【００２０】図３は、フレキシブルプリント配線板貼着
面とアウターチューブの振動影響を説明するための図
で、フレキシブルプリント配線板９の面が、図３（Ａ）
は振動方向と平行な方向、図３（Ｂ）は振動方向と直角
な方向の場合で、矢印Ｙ−Ｙはアウターチューブ３の振
動方向を示し、線Ｘ−Ｘは矢印Ｙ−Ｙ線と直角な方向で
ある。

【００２１】図３（Ｂ）に示すように、フレキシブルプ
リント配線板９の面を振動方向線Ｙ−Ｙと直角に貼着し
た場合は、フレキシブルプリント配線板９に対し、アウ
ターチューブ３の共振振動による引張り，圧縮の繰り返
し振動が加わり、疲労破断の可能性があるが、図３
（Ａ）に示すように、振動方向Ｙ−Ｙと平行な面、すな
わちアウターチューブ３の側面に貼着することにより、
面と平行な微少振動が加わるだけであるから、フレキシ
ブルプリント配線板９に対し、大きい応力が作用するこ
とはなく、長期安定な導線接続が得られる。

【００２２】なお、フレキシブルチューブ９と各コイル
との接続は、例えば駆動部６の場合について説明する
と、分岐部９ａと駆動コイル６ａとは、図４に示すよう
に、コイル６ａの一端と、分岐部９ａの導線とをハンダ
付け等により点６ｄで接続する。

【００２３】次に、外筒１内のフレキシブルプリント配
線板９が、外筒１の外壁面側に設けられた端子箱１１の
端子板１３に接続される接続構造を説明する。図１に示
すように、外筒１内のフレキシブルプリント配線板９
は、一枚のままで外筒１の筒壁面の外部に設けられた端
子箱支持筒１ｂの中を通り、端子箱１１内に導出され
る。端子箱１１は、防爆構造のもので、パッキン１２ａ
を埋設した蓋体１２がボルト１２ｂ等により固着されて
いる。端子箱１１内には、端子箱１１と一体に形成され
た支持台１１ａ上に外部接続端子１３ａを有する端子板
１３がビス止めされている。

【００２４】フレキシブルプリント配線板９は、端子支
持筒１ｂ内で、例えば、樹脂，ガラス，セメント，セラ
ミックスの何れかからなるモールド材１４により気密に
シール固着され、外筒１内部と端子箱１１との間は完全
に封止される。端子箱１１内に導出されたフレキシブル
プリント配線板９は、端子板１３の対応した各々の端子
１３ｂにハンダ付け等により接続され、ビニールチュー
ブを被覆するなどの処理がなされる。なお、インナーチ
ューブ２と外筒１の間の空間は、気密容器となってお
り、この中にアルゴン等の不活性ガスが封入される。

【００２５】

【発明の効果】請求項１に対応する効果：外筒内に同軸
または軸平行に両端支持された直管を前記両端支持点を
中心に駆動する駆動手段と、流体が流れる前記直管に作
用するコリオリの力を検出する一対の検出手段を有する
直管式のコリオリ流量計において、前記駆動手段および
前記一対の検出手段等に各々接続される電気導線を、前
記直管の何れかの管壁に接着される一枚のフレキシブル
プリント配線板としたので、共振駆動されるフローチュ
ーブの配線による加振抗力が小さくなり、共振特性が向
上し、小さい加振力でＳＮ比の高い信号をとり出すこと
ができる。特に、小形の直管式コリオリ流量計に対して
効果が大きい。

【００２６】請求項２に対応する効果：請求項１に記載
のコリオリ流量計において、前記フレキシブルプリント
配線板の前記直管の管壁との接着面を、該直管が駆動さ
れる駆動方向に対し平行としたので、フレキシブルプリ
ント配線板に作用する繰り返し応力が小さく、耐久性の
優れた配線が可能となる。

【００２７】請求項３に対応する効果：請求項１又は２
に記載のコリオリ流量計において、前記外筒の外部に設
けられた端子箱の端子板にフレキシブルプリント配線板
を接続し、該フレキシブルプリント配線板の前記外筒と
端子箱との間の所定区間を気密性材料で密封したので、
外筒内の駆動検出部および温度センサから外部に設けら
れた端子板までを一枚のフレキシブルプリント配線板で
接続することができ、信頼度が向上する。外筒と端子箱
との間でモールド材でフレキシブルプリント配線板を密
封固着することにより、信頼度を向上させるとともに、
簡単で安価に防爆構造とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるコリオリ流量計の実施の形態例
を説明するための断面図である。

【図２】図１に示したフレキシブルプリント配線板の
貼着状態を説明するための要部斜視図である。

【図３】フレキシブルプリント配線板貼着面とアウタ
ーチューブの振動影響を説明するための図である。

【図４】図に示した駆動部の駆動コイルとフレキシブ
ルプリント配線板の接続の例を示す図である。

【図５】従来の防爆構造における電線ケーブルの接続
方法を説明するための図である。

【符号の説明】

１…外筒、２…インナーチューブ、３…アウターチュー
ブ、４…連結ブロック、５…同軸２重管、６…駆動部、
７，８…検出部、９…フレキシブルプリント配線板、１
０…温度センサ、１１…端子箱、１２…蓋体、１３…端
子板、１４…モールド材、２０…流量計外筒側、２１…
端子箱側、２２…モールド材、２３，２４，２６，２７
…電線ケーブル、２５…電線、２８，２９，３０…接続
部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者二川修東京都新宿区上落合３丁目10番８号株式会社オーバル内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】外筒内に同軸または軸平行に両端支持さ
れた直管を前記両端支持点を中心に駆動する駆動手段
と、流体が流れる前記直管に作用するコリオリの力を検
出する一対の検出手段を有する直管式のコリオリ流量計
において、前記駆動手段および前記一対の検出手段等に
各々接続される電気導線を、前記直管の何れかの管壁に
接着される一枚のフレキシブルプリント配線板としたこ
とを特徴とするコリオリ流量計。
【請求項２】前記フレキシブルプリント配線板の前記
直管の管壁との接着面を、該直管が駆動される駆動方向
に対し平行としたことを特徴とする請求項１に記載のコ
リオリ流量計。
【請求項３】前記外筒の外部に設けられた端子箱の端
子板にフレキシブルプリント配線板を接続し、該フレキ
シブルプリント配線板の前記外筒と端子箱との間の所定
区間を気密性材料で密封したことを特徴とする請求項１
または２に記載のコリオリ流量計。