JPH09250939A - 超音波流量計 - Google Patents

超音波流量計

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Publication number
JPH09250939A
JPH09250939A JP8056620A JP5662096A JPH09250939A JP H09250939 A JPH09250939 A JP H09250939A JP 8056620 A JP8056620 A JP 8056620A JP 5662096 A JP5662096 A JP 5662096A JP H09250939 A JPH09250939 A JP H09250939A
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JP
Japan
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wave
measurement
receiver
transmitter
received wave
Prior art date
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Application number
JP8056620A
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English (en)
Inventor
Isao Mizowaki
功 溝脇
Noriyuki Nabeshima
徳行 鍋島
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Aichi Tokei Denki Co Ltd
Original Assignee
Aichi Tokei Denki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気体用の超音波流量計で、受信波検知部が流
体の温度・圧力の変化で伝搬時間を間違って検知するの
を防ぐ。二つの送受波器間の特性の差があっても計測精
度に悪影響を与えないようにする。低電圧、小電力で作
動できるようにする。 【解決手段】 温度センサ11と圧力センサ12は、そ
れぞれ流体の温度と圧力を測定して電気信号に変換し、
コントロール部6に入力する。コントロール部6は温度
・圧力の信号に応じて、受信波検知部8のしきい値VTH
を適値に変える。さらに順方向計測時と逆方向計測時と
で受信波検知部8のしきい値VTHを適値に変える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波流量計の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】図7において、静止流体中の音速をC、
流体の流れの速さをVとすると、音波の伝搬方向が流れ
に沿った方向(以下順方向と言う)と一致すればその伝
搬速度は(C+V)となり、流れに逆らった方向(以下
逆方向と言う)の場合には(C−V)となる。
【0003】距離Lを隔てて1組の送受波器2,3を流
管1の上流と下流に離して配設し、送波器2から順方向
に超音波パルスを送信したとき、受波器3に超音波が到
達するに要する時間をt、送波器3から逆方向に超音波
パルスを送信したときに、受波器2に超音波が到達する
に要する時間をt′とすれば、 t =L/(C+V) ・・・(1) t′=L/(C−V) ・・・(2) となる。
【0004】順方向と逆方向の超音波の上記伝搬時間を
t,t′を測定し、これから流体の流速Vを算出して、
さらに流量や積算流量(体積)を求めていた。流速Vは
上記(1),(2)式から音速Cに無関係に、 V=L〔(1/t)−(1/t′)〕/2 ・・・(3) として求められる。
【0005】なお、実際には、伝搬時間計測の分解能を
上げるために、順方向又は逆方向の伝搬時間を計測する
のに、1回ずつの送受信ではなく、受信と同時に次の送
信を行い、同一方向の送受信を複数回(n回)連続して
繰り返し、第1回目の送信から第n回目の受信までの時
間を、順方向と逆方向についてそれぞれ求め、これらの
時間に基づいて流速や流量又は積算流量を求めていた。
【0006】順方向又は逆方向で、超音波の送受信を複
数回(n回)連続して繰り返すには、前述のように受信
と同時に次の送信を行う。送波器から超音波パルスを送
信し、これを受波器で受信すると図8に示す波形の電気
信号(以下受信波と言う)が得られる。
【0007】受信波は図8に示すように、その先頭
「イ」から、第1波,第2波,第3波,…と次第に振幅
が成長して、例えば第7波をピークとして、その後第8
波,第9波,…と次第に振幅が減衰する波形となる。
【0008】送波器から送信された超音波パルスが受波
器に到達する時点の検知には一般にゼロクロス法が用い
られている。ゼロクロス法では、受信波の波のうちの特
定の波、例えば図8では第3波が、一定のしきい値VTH
を超えた後、最初のGNDレベル(零レベル)を横切る
点「ハ」を到達時点としている。「ロ」は第3波がしき
い値VTHと合致した点である。到達時点「ハ」をゼロク
ロスポイントと呼んでいる。
【0009】そして、順方向や逆方向で、超音波の送受
信を複数回(n回)連続して繰り返すには、送波器から
の超音波が受波器に受信されると、そのときの受信波の
特定の波(図8では第3波)のゼロクロスポイント
「ハ」を検知すると同時に送波器から次の超音波パルス
を送信するようにしている。
【0010】そして一方向、例えば順方向でn回受信波
を検知すると、送受波器を切り替えて、他方向、例えば
逆方向に超音波を送信することをn回繰り返すようにし
ている。
【0011】流量計は順方向における第1回目の超音波
パルスの送信から第n回目の超音波の受信までの時間の
計測の後、送受波器を切り替えて逆方向の計測に移り第
1回目の超音波パルスの送信から第n回目の超音波の受
信までの時間を計測する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の超音波流量
計では、特に流体が気体の場合、流体の温度又は圧力が
変化すると受信波の振幅が変化して、しきい値VTHを越
えるゼロクロスポイント「ハ」を検知するための特定の
波、例えば図8の第3波が、ずれてしまって、超音波の
到達時点(受信時点)の認識に間違いが生じてしまうこ
とがある。
【0013】受信波の振幅が小さくなって、最初にしき
い値VTHを越えるのが第5波になってしまうと、1回の
伝搬時間t又はt′を超音波のほぼ1周期だけ長く計測
することになる。また、受信波の振幅が大きくなって、
最初にしきい値VTHを超えるのが第1波になってしまう
と、1回の伝搬時間t又はt′を超音波のほぼ1周期だ
け小さく計測することになる。
【0014】そのために、温度や圧力の変化で順方向又
は逆方向の計測における第1回目の送信から第n回目の
受信までの時間にも誤差が生じ、結果的に流量計として
の流速、流量又は積算流量の計測誤差が大きくなるとい
う第1の問題点があった。
【0015】また、1組(2個)の超音波送受波器2,
3の個体差及び流れに対する超音波の進行方向の違いに
より、順方向と逆方向の計測における受信波の振幅が異
なり、その相違が大きいと、順方向と逆方向の計測にお
けるゼロクロスポイントを検知する特定の波が、決めら
れた特定の波(例えば図8の第3波)からずれて、食い
違ってしまうことになり、順方向計測時と逆方向計測時
との間に伝搬時間の測定に違いが生じ、結果的に流量計
の流速、流量又は積算流量の計測誤差が大きくなるとい
う第2の問題点があった。
【0016】さらに又、順方向計測時と逆方向計測時を
一つのしきい値VTHで安定して正しく行うために、送波
器を駆動する電圧を高くすることで受信波の振幅を大き
くし、しきい値VTHに対する特定の波(例えば第3波)
の検出余裕度を大きくしていたので大きな電力を消費す
るという第3の問題点があった。
【0017】そこで、本発明はかかる問題点を解消でき
る気体用の超音波流量計を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るために、請求項1の発明は、送波器と受波器に切替可
能の1組の超音波送受波器(2)(3)を有し、順方向
に一定の複数(n)回連続して超音波の送受を繰り返す
と共に、送受波器を切り替えて逆方向に一定の複数
(n)回連続して超音波の送受を繰り返して、順方向に
おける第1回の送信から一定の複数(n)回目の受信ま
での時間と、逆方向における第1回の送信から一定の複
数(n)回目の受信までの時間とから気体の流速、流量
又は積算流量を求める超音波流量計において、流体の温
度を測定する温度センサ(11)と圧力を測定する圧力
センサ(12)を具備し、受波器の受信波をゼロクロス
法で検知するに当り、受信波の特定の波のゼロクロスポ
イントを検知するためのしきい値(VTH)を前記温度セ
ンサ(11)と圧力センサ(12)の信号に応じて変え
ることを特徴とする超音波流量計である。
【0019】そして、前記第1〜第3の目的を達成する
ために、請求項2の発明は、請求項1の超音波流量計に
おいて、しきい値(VTH)を、更に順方向計測時と逆方
向計測時とで異なる値に切り替えることを特徴とするも
のである。
【0020】また、前記第1の目的を達成するために、
請求項3の発明は、流体の流れの中を流れと同方向ある
いは斜め方向に超音波の送受をする1組の超音波送受波
器(2)(3)と、後述するコントロール部(6)の送
受切替信号により、順方向計測時には上流側の送受波器
(2)を送波器駆動部(4)に接続すると共に逆方向計
測時には下流側の送受波器(3)を送波器駆動部(4)
に接続する第1の切替器(5)と、順方向計測時には下
流側の送受波器(3)を受信波検知部(8)に接続する
と共に逆方向計測時には上流側の送受波器(2)を受信
波検知部(8)に接続する第2の切替器(7)と、受信
器として作用する側の送受波器(3又は2)が接続さ
れ、受信波の特定の波に続くゼロクロスポイントを検知
すると受信波検知信号を出力する受信波検知部(8)
と、前記特定の波を検知するためのしきい値(VTH)を
決める手段と、測定ON・OFF信号がOFF側からO
N側になる毎に、送信器として作用する側の送受波器
(2又は3)を駆動し、その後は受信波検知信号毎に、
送波器として作用する側の送受波器(2又は3)を第n
波検知信号が入力されるか測定ON・OFF信号がOF
F側になるまで駆動する送波器駆動部(4)と、受信波
検知部(8)からの受信波検知信号を受け、測定ON・
OFF信号がON側になる毎に零にリセットされて受信
波検知信号の計数を開始し、n番目の受信波検知信号を
検知して第n受信波検知信号を出力する第1のカウンタ
(9)と、測定ON・OFF信号がON側になってから
第n受信波検知信号までの時間を測定する第2のカウン
タ(10)と、一定のタイミングで前記両切替器(5)
(7)を操作して順方向計測と逆方向計測の切り替えを
行い、その都度測定ON・OFF信号をOFF側からO
N側にし、第n波検知信号を受けると第2のカウンタ
(10)のカウント値を読み取って流速・流量等の演算
を行うコントロール部(6)と、流体の温度を測定する
温度センサ(11)と圧力を測定する圧力センサ(1
2)とを具備し、温度センサ(11)と圧力センサ(1
2)からの信号に基づき、コントロール部(6)が受信
波検知部(8)の前記しきい値(VTH)を変えることを
特徴とする気体用の超音波流量計。
【0021】そして、前記第1〜第3の目的を達成する
ために、請求項4の発明は、請求項3の気体用超音波流
量計において、しきい値(VTH)を、更に順方向計測時
と逆方向計測時とで異なる値に切り替えることを特徴と
するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明の好ましい第1の実
施の形態で、図2はそのタイミングチャート、図3と図
4は超音波送波器から流体中への超音波エネルギーの透
過率を説明する図、図5は流体の温度又は圧力に応じて
受信波検知部のコンパレータのしきい値を変える電気回
路の具体例である。
【0023】これらの図において、2,3は1組の超音
波送受波器で、従来技術と同様に流体の流れ中を流れと
同方向あるいは斜め方向に超音波の送受をする。一方の
超音波送受波器を送波器として他方の超音波送受波器を
受波器として使用することで、一方の送受波器から他方
の送受波器に向けて超音波を送信し、送受波器2,3を
送受切り替えて使用することで、超音波を逆方向に送信
する。
【0024】4は送波器駆動部、5は第1の切替器、6
はコントロール部で、コントロール部6からの送受切替
信号で第1の切替器5を操作し、順方向計測時には上流
側の送受波器2を送波器駆動部4に図1のように接続
し、逆方向計測時には第1の切替器5を図1の状態から
切り替えて下流側の送受波器3を送波器駆動部4に接続
する。
【0025】7は第2の切替器、8は受信波検知部で、
コントロール部6からの送受切替信号で第2の切替器7
を操作し、順方向計測時には下流側の送受波器3を受信
波検知部8に図1のように接続し、逆方向計測時には第
2の切替器7を図1の状態から切り替えて上流側の送受
波器2を受信波検知部8に接続する。
【0026】送波器駆動部4はコントロール部6からの
測定ON・OFF信号がON側になる毎に送波器として
の送受波器2又は3を駆動し、その後は受信波検知部8
からの受信波検知信号毎に送波器としての送受波器2又
は3を駆動し、第n受信波検知信号が入力されるか測定
ON・OFF信号がOFF側になると駆動を停止する。
【0027】受信波検知部8は切替器7によって選択さ
れた受波器側の送受波器3又は2からの受信波を入力
し、受信波を検知するとその都度受信波検知信号を出力
する。例えば図1に示すように、上流側の送受波器2が
第1の切替器5によって送波器駆動部4に接続され、下
流側の送受波器3が第2の切替器7によって受信波検知
部8に接続されている順方向計測時には、コントロール
部6からの測定ON・OFF信号がON側になると送波
器駆動部4が送受波器2を駆動し、送受波器2から超音
波パルスが他方の送受波器3に向けて送信される。
【0028】他方の送受波器3はこの超音波パルスを受
信して電気信号に変換し、その受信波が受信波検知部8
で検知され、図8で説明したようにしきい値VTHを符号
「ロ」で示す時点で受信波の第3波が超えると、その次
のGNDレベル(零レベル)を横切る点「ハ」で受信波
検知信号が出力される。
【0029】このように、いわゆるゼロクロス法で受信
波を検知して、その都度受信波検知部8が受信波検知信
号を出力し、1回の順方向又は逆方向の計測期間の間に
これを所定の複数回(n回)行う。
【0030】送波器駆動部4はこれらの受信波検知信号
を受け、その都度送受波器2を駆動して超音波パルスを
送信するため、1回の順方向計測期間内では、図2に示
すように測定ON・OFF信号がON側になった時点つ
まり第1回目の送信時点から第1の受信波検知信号まで
の時間(伝搬時間)がt1 、この第1の受信波検知信号
から第2の受信波検知信号までの時間(伝搬時間)がt
2 というように、n回の伝搬時間t1 ,t2 ,…,tn
が順に並ぶことになる。
【0031】なお図では1回の順方向計測期間のうち、
第1,第2,第3,…,第n-1 及び第nの各受信波検知
信号にそれぞれ1,2,3,…,n−1及びnの各符号
を付けている。
【0032】なお図2で、Τはn回の伝搬時間t1 ,t
2 ,t3 ,…tnの総和で、 T=t1 +t2 +t3 +…+tn である。
【0033】9は第1のカウンタで、コントロール部6
からの測定ON・OFF信号がそのリセット端子Rに入
力されていて、測定ON・OFF信号がON側になる毎
に零にリセットされ、その後の受信波検知部8からの受
信波検知信号の数を計数し、順方向計測時と逆方向計測
時のそれぞれの間において、n番目の受信波検知信号を
検知して第n受信波検知信号を出力する。
【0034】10は第2のカウンタで、そのリセット端
子Rに測定ON・OFF信号が入力されていて、測定O
N・OFF信号がON側になる毎に零にリセットされ、
その後の、図示されてない基準クロックの数を第1のカ
ウンタ9からの第n受信波検知信号までの間計数する。
【0035】従って、第2のカウンタ10のカウント値
は、順方向計測時と逆方向計測時のとき、測定ON・O
FF信号がON側になってから第n受信波検知信号まで
の時間の基準クロックの数のカウント値であり、順方向
計測時では、このカウント値は図2の時間Tに相当す
る。
【0036】11は流体の温度を検出して電気信号に変
換する温度センサ、12は流体の圧力を検出して電気信
号に変換する圧力センサで、両センサは何れも流管内を
流れる気体中に配設され、気体の温度と圧力に対応する
電気信号をそれぞれコントロール部6に入力する。
【0037】コントロール部6は送受切替信号を一定の
タイミングで順方向計測と逆方向計測に切り替えると共
に、切り替えの都度測定ON・OFF信号をOFF側か
らON側にし、第n受信波検知信号が入力されるとその
ときの第2のカウンタ10のカウント値を読み取って流
速、流量又は積算流量等の演算を行う。
【0038】ところが、送波器としての超音波送受波
器、例えば2から音波の伝搬媒体である流体(気体)へ
超音波エネルギーが伝わる割合、つまり超音波透過率
は、マッチング層がなくて図3のように送受波器2から
矢印のように気体中へ超音波が送信される場合、透過率
をKとすると、 K=4Z1 ・Z2 /(Z1 +Z2 2 ≒4Z2 /Z1 ・・・(1) となる。
【0039】但し、Z1 は送受波器2の音響インピーダ
ンスで、送受波器2の材料の密度をρ1 、送受波器2内
の音速をC1 とすると、 Z1 =ρ1 ・C1 である。
【0040】また、Z2 は伝搬媒体である気体の音響イ
ンピーダンスで、気体の密度をρ、気体内の音速をCと
すると、 Z2 =ρ・C である。
【0041】更にまた、前記(1)式では、 Z1 ≫Z2 としている。
【0042】そして、送受波器2が図4のように、マッ
チング層(整合層)13で1/4波長整合がされている
場合には、超音波透過率Kは、 K=4Z1 ・Z2 2・Z3 /(Z1 ・Z3 +Z2 2 2 ≒4Z2 2 /(Z1・Z3) ・・・(2) となる。
【0043】但し、Z3 はマッチング層13の材料の音
響インピーダンスで、その密度をρ 3 、マッチング層1
3内の音速をC3 とすると、 Z3 =ρ3 ・C3 である。
【0044】また、式(2)では、 Z2≪Z12≪Z3 としている。
【0045】ところで、気体中の音速Cは、γ・R・T
/Mの平方根で示される。 C=√(γ・R・T/M) ・・・(3) 但し、 γ:気体の定圧比熱と定積比熱との比 R:気体定数 T:気体の絶対温度 M:気体分子のモル質量 である。
【0046】更にまた、気体の圧力をP、気体1モルの
体積をVとするとボイルシャールの法則で、 P・V=R・T の関係があり、これと前述のことから、 P・M/(R・T)=ρ ・・・(4) の関係がある。
【0047】上述の(1)〜(4)式が意味する事柄か
ら、気体の温度や圧力が変わると、気体中の音速並びに
気体の密度が変化し、その結果、伝搬媒体である流体
(気体)の音響インピーダンスZ2 が変化して、送波器
としての送受波器2又は3から気体へ伝わる超音波エネ
ルギーが変化し、受信波の振幅が変化する。
【0048】その他にも、温度による気体中の音波の減
衰率の変化や、温度による送受波器2又は3の特性の変
化も受信波の振幅に影響を与える。さらに又、一方の送
受波器2と他方の送受波器3の間の個体差及び順方向計
測時と逆方向計測時の流れに対する超音波の進行方向の
違いによって、順方向計測時と逆方向計測時とでは受信
波の振幅が異なる。
【0049】そこで、図1の実施態様では、受信波検知
部8のしきい値VTHを、温度センサ11や圧力センサ1
2からの信号と順方向計測時か逆方向計測時かに基づ
き、コントロール部6によって最適値に自動的に変化さ
せてやることで、温度・圧力による受信波の振幅変化や
送受波器2,3の個体差などがあっても安定して正しい
ゼロクロスポイント「ハ」を検出できるようにし、音波
の到達時点を正確に検知できるようにした。
【0050】温度センサ11や圧力センサ12からの信
号や順方向か逆方向かに基づき、コントロール部6によ
って受信波検知部8のしきい値VTHを自動的に変化させ
る具体的な電気回路の一例を図5に示す。
【0051】図5において、14はコンパレータで、そ
のマイナス入力には受波器として選択されている一方の
送受波器3又は2からの受信波が入力される。プラス入
力にはしきい値VTHが入力される。R1 ,R2 ,R3
4 はそれぞれ互いに異なる抵抗値の固定抵抗で、それ
らの各一端(図示下端)は選択スイッチS1 ,S2 ,S
3 ,S4 を介して何れか一つの固定抵抗が接地される。
【0052】選択スイッチS1 ,S2 ,S3 ,S4 は、
前記温度センサ11と圧力センサ12の信号に基づいて
コントロール部6がどの選択スイッチを閉じたらよいか
を決めて、該当する一つの選択スイッチS1 ,S2 ,S
3 又はS4 を閉じる信号を出力し、この信号によって一
つのスイッチが閉じられる。
【0053】R5 ,R6 はそれぞれ異なる抵抗値に設定
された半固定抵抗器で、それらの下端は前記固定抵抗R
1 ,R2 ,R3 及びR4 の他端(図示上端)に接続され
ている。また半固定抵抗器R5 ,R6 の各上端はそれぞ
れスイッチS5 とS6 を介して電源電圧VDDに接続され
ている。
【0054】スイッチS5 とS6 は、コントロール回路
6からの送受切替信号により操作される。送受切替信号
により順方向計測時には一方のスイッチS5 が閉じて他
方のスイッチS6 が開く。そして逆方向計測時にはスイ
ッチS5 が開いてスイッチS 6 が閉じる。
【0055】このようにして、送受切替信号によってス
イッチS5 とS6 の何れか一方が閉じられるので、例え
ば順方向計測時には電源電圧VDDを半固定抵抗器R5
固定抵抗R1 〜R4 のうち流体の温度・圧力信号に基づ
いて選択された選択スイッチS1 〜S4 のうちの一つで
接地された固定抵抗とで分圧した電圧がしきい値VTH
してコンパレータ14のプラス入力に印加される。
【0056】例えば、順方向計測時で、温度・圧力信号
に基づいてコントロール部6が選択スイッチS2 を閉じ
ているとすると、そのときのしきい値VTHは、 VTH=VDD・R2 /(R5 +R2 ) となる。
【0057】半固定抵抗器R5 ,R6 や固定抵抗R1
4 は、順方向計測とか逆方向計測のときに温度・圧力
が変化した場合、それらの条件に最適なしきい値VTH
コンパレータ14のプラス入力に印加されるように決め
られる。
【0058】半固定抵抗器R5 ,R6 は、その最適値が
送受波器2と3の個々の特性などを考慮して決める必要
がある。そのためこれらの抵抗値を設定するときは、流
量計の組立を完了してから、流体を順方向や逆方向に流
す実験を行って調整・設定するものである。
【0059】こうして、上述の実施態様では、順方向計
測時と逆方向計測時のためにそれぞれ四つずつのしきい
値VTHを用意して、これらの中から最適のものをコント
ロール部6が選択するように働くもので、請求項2と4
の発明に対応する。
【0060】なお、図5における選択スイッチS1 〜S
4 の選択は、図1ではコントロール部6から出力されて
受信波検知部8に入力されているS1234信号で行われ
る。また、図5におけるスイッチS5 ,S6 の選択は、
図1ではコントロール部6から出力されて受信波検知部
8に入力されている送受切替信号によって行われる。
【0061】
【実施例】図6は、請求項1と3の発明に対応する受信
波検知部8の電気回路の一部であって、その他の部分の
構成は殆ど前記実施態様の場合と同じである。
【0062】この実施例では、前記実施態様のように、
順方向計測時と逆方向計測時にスイッチS5 とS6 をそ
れぞれ選択的に閉じて異なるしきい値VTHを選ぶことを
せず、順方向計測時も逆方向計測時も同じしきい値VTH
を使用する。
【0063】従って、図6の回路では、半固定抵抗器R
5 ,R6 とスイッチS5 ,S6 を使用する代わりに、一
つの半固定抵抗器R7 を設け、この半固定抵抗器R7
一つの固定抵抗器R1 ,R2 ,R3 又はR4 で電源電圧
DDを分圧した電圧がしきい値VTHとしてコンパレータ
14のプラス入力へ印加される。
【0064】例えば、固定抵抗器R2 が選択スイッチS
2 で選択された場合には、しきい値VTHは、 VTH=VDD・R2 /(R7 +R2 ) となる。
【0065】
【発明の効果】本発明の気体用超音波流量計は上述のよ
うに構成されているので、流体の温度・圧力が変わって
も、受信波検知部(8)のしきい値(VTH)が自動的に
適正値に変えられるから、安定して正しい伝搬時間を計
測でき、結果的に流速、流量又は積算流量の計測精度が
向上する。
【0066】また、請求項2と4の発明では、1組の送
受波器を構成する二つの送受波器に特性の違う超音波振
動子を使用しても、安定して正しい伝搬時間を計測でき
る。また、順方向計測時と逆方向計測時にしきい値(V
TH)を変えて最適値を選ぶようにしたから、しきい値
(VTH)の余裕度の面から送波器を高い電圧で駆動する
必要がなくなり、低い電圧で駆動しても安定して正しい
伝搬時間を計測できる。その結果、2個の送受波器の特
定をそれ程揃えなくても、低い電圧電力で送波器を駆動
して、安定して正しい流速、流量又は積算流量を計測で
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の態様のブロック図である。
【図2】図1の実施態様のタイムチャートである。
【図3】超音波送波器から流体中へ超音波エネルギーの
透過率を説明する図で、送波器がマッチング層を備えて
いない場合の図である。
【図4】超音波送波器から流体中への超音波エネルギー
の透過率を説明する図で、送波器がマッチング層を備え
ている場合の図である。
【図5】図1の実施態様に用いる受信波検知部の電気回
路の要部を示す図である。
【図6】本発明に用いる受信波検知部の電気回路の要部
を示す図で、図5とは異なる実施例の図である。
【図7】超音波流量計の原理を説明する略図である。
【図8】従来技術の受信波検知部の動作を説明するため
の電気信号波形を示す線図である。
【符号の説明】
2,3 超音波送受波器 4 送波器駆動部 5 第1の切替器 6 コントロール部 7 第2の切替器 9 第1のカウンタ 10 第2のカウンタ 11 温度センサ 12 圧力センサ VTH しきい値

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送波器と受波器に切替可能の1組の超音
    波送受波器(2)(3)を有し、順方向に一定の複数
    (n)回連続して超音波の送受を繰り返すと共に、送受
    波器を切り替えて逆方向に一定の複数(n)回連続して
    超音波の送受を繰り返して、順方向における第1回の送
    信から一定の複数(n)回目の受信までの時間と、逆方
    向における第1回の送信から一定の複数(n)回目の受
    信までの時間とから気体の流速、流量又は積算流量を求
    める超音波流量計において、 流体の温度を測定する温度センサ(11)と圧力を測定
    する圧力センサ(12)を具備し、 受波器の受信波をゼロクロス法で検知するに当り、受信
    波の特定の波のゼロクロスポイントを検知するためのし
    きい値(VTH)を前記温度センサ(11)と圧力センサ
    (12)の信号に応じて変えることを特徴とする超音波
    流量計。
  2. 【請求項2】 しきい値(VTH)を、更に順方向計測時
    と逆方向計測時とで異なる値に切り替えることを特徴と
    する請求項1記載の超音波流量計。
  3. 【請求項3】 流体の流れの中を流れと同方向あるいは
    斜め方向に超音波の送受をする1組の超音波送受波器
    (2)(3)と、 後述するコントロール部(6)の送受切替信号により、
    順方向計測時には上流側の送受波器(2)を送波器駆動
    部(4)に接続すると共に逆方向計測時には下流側の送
    受波器(3)を送波器駆動部(4)に接続する第1の切
    替器(5)と、順方向計測時には下流側の送受波器
    (3)を受信波検知部(8)に接続すると共に逆方向計
    測時には上流側の送受波器(2)を受信波検知部(8)
    に接続する第2の切替器(7)と、 受信器として作用する側の送受波器(3又は2)が接続
    され、受信波の特定の波に続くゼロクロスポイントを検
    知すると受信波検知信号を出力する受信波検知部(8)
    と、 前記特定の波を検知するためのしきい値(VTH)を決め
    る手段と、 測定ON・OFF信号がOFF側からON側になる毎
    に、送信器として作用する側の送受波器(2又は3)を
    駆動し、その後は受信波検知信号毎に、送波器として作
    用する側の送受波器(2又は3)を第n波検知信号が入
    力されるか測定ON・OFF信号がOFF側になるまで
    駆動する送波器駆動部(4)と、 受信波検知部(8)からの受信波検知信号を受け、測定
    ON・OFF信号がON側になる毎に零にリセットされ
    て受信波検知信号の計数を開始し、n番目の受信波検知
    信号を検知して第n受信波検知信号を出力する第1のカ
    ウンタ(9)と、 測定ON・OFF信号がON側になってから第n受信波
    検知信号までの時間を測定する第2のカウンタ(10)
    と、 一定のタイミングで前記両切替器(5)(7)を操作し
    て順方向計測と逆方向計測の切り替えを行い、その都度
    測定ON・OFF信号をOFF側からON側にし、第n
    波検知信号を受けると第2のカウンタ(10)のカウン
    ト値を読み取って流速・流量等の演算を行うコントロー
    ル部(6)と、 流体の温度を測定する温度センサ(11)と圧力を測定
    する圧力センサ(12)とを具備し、 温度センサ(11)と圧力センサ(12)からの信号に
    基づき、コントロール部(6)が受信波検知部(8)の
    前記しきい値(VTH)を変えることを特徴とする気体用
    の超音波流量計。
  4. 【請求項4】 しきい値(VTH)を、更に順方向計測時
    と逆方向計測時とで異なる値に切り替えることを特徴と
    する請求項3記載の超音波流量計。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100797128B1 (ko) * 2000-12-27 2008-01-22 사파스고교 가부시키가이샤 유량 측정 방법, 초음파 유량계, 유속 측정 방법, 온도또는 압력의 측정 방법 및 초음파 온도·압력계
JP2008122103A (ja) * 2006-11-08 2008-05-29 Osaka Gas Co Ltd 超音波式メータ装置
JP2011257435A (ja) * 2011-10-03 2011-12-22 Osaka Gas Co Ltd 超音波式メータ装置

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