JPH09250936A - 包囲空間が形成されたセラミック基体 - Google Patents

包囲空間が形成されたセラミック基体

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JPH09250936A
JPH09250936A JP8317326A JP31732696A JPH09250936A JP H09250936 A JPH09250936 A JP H09250936A JP 8317326 A JP8317326 A JP 8317326A JP 31732696 A JP31732696 A JP 31732696A JP H09250936 A JPH09250936 A JP H09250936A
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liquid
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space
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JP8317326A
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Masahiko Namekawa
政彦 滑川
Kazuyoshi Shibata
和義 柴田
Yukihisa Takeuchi
幸久 武内
Hidemasa Okumura
英正 奥村
Kenji Watanabe
健二 渡辺
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部空間(13)等の包囲空間が形成された
セラミック基体(10)では、空気などが包囲空間にト
ラップされ、液体等の流体が包囲空間に侵入し難い場合
があった。 【解決手段】 包囲空間(13)に流体を充填すること
を目的として、包囲空間の少なくとも一部に、流体と混
合する液体、流体に溶解する固体(14)若しくは気
体、流体と反応する液体若しくは固体、又は界面活性剤
を有するセラミック基体。セラミック基体(10)と、
圧電膜(22)及び一対の電極(24a、24b)を有
する圧電素子(20)とを有するセンサ素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、包囲空間が形成
されたセラミック基体に関し、かかる基体は、圧電素子
を担持したセンサ素子に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】 圧電素子などを有するセンサ素子は、
流体の粘度測定、流体中の固体粒子の検出、振動の検出
などに用いられている。流体の粘度測定としては、例え
ば、特願平7−112128号では、圧電膜及び振動部
を振動させ、圧電膜の損失係数、電気抵抗、リアクタン
ス等の変化により、粘度を測定する。圧電膜又は振動部
が流体に接触するので、流体の粘度が大きい場合には、
圧電膜及び振動部の振幅が小さくなり、流体の粘度が小
さい場合には、圧電膜及び振動部の振幅が大きくなる。
そして、圧電膜に電圧を印加した場合には、振幅などに
対応する電流を検出する。また、流体の粘度が、流体の
密度又は流体中の成分の濃度と相関を有する場合には、
流体の密度、濃度も検出することができる。例えば、硫
酸水溶液では、粘度と密度とが一定の相関があり、ま
た、粘度と硫酸の濃度とも一定の相関がある。
【0003】 また、流体中の固体粒子の検出として
は、例えば、特願平6−304579号は、圧電膜を有
する粒子センサについて記載する。流体中の粒子が、圧
電膜を有する検出部又は検出部を固定する振動部に衝突
することにより、振動部及び検出部が振動し、圧電膜が
この振動を電気信号に変換し、圧電膜を挟む電極がこの
電気信号を出力する。センサ素子としては、振動を検出
することを目的とするものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 流体の粘度を測定す
る場合などでは、流体を振動部の表面に接触させるため
に、セラミック基体に、流体を導くことができる内部空
間又は凹部が形成される。しかし、セラミック基体を液
体等の流体に浸すときに、セラミック基体の内部空間又
は凹部の空気が流体と置換せず、流体が包囲空間に侵入
し難い場合があった。例えば、流体が、水溶液、硫酸等
の粘度が大きい液体の場合、グリース等の流動体の場合
では、空気と流体とが置換し難い。また、セラミック基
体の内部空間が導入孔等の狭い孔でセラミック基体の外
部空間と連通する場合も、流体が導入孔等から流入し難
い。さらに、導入孔がセラミック基体で形成されている
場合には、水溶液等の流体はセラミックスと濡れ性が悪
いため、流体が流入し難い。そこで、本発明は、流体を
包囲空間に充填することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明によれば、包囲
空間が形成されたセラミック基体であって、当該包囲空
間に流体を充填することを目的として、当該包囲空間の
少なくとも一部に、流体と混合する液体、流体に溶解す
る固体若しくは気体、流体と反応する液体若しくは固
体、又は界面活性剤を有することを特徴とするセラミッ
ク基体が提供される。また、本発明のセラミック基体に
おいては、前記包囲空間を被包するように配設された多
孔体を有することが好ましい。更に、前記の包囲空間の
少なくとも一部に、流体と混合する当該液体、流体に溶
解する当該固体又は当該界面活性剤が充填されることが
好ましい。
【0006】 更にまた、当該包囲空間が、当該セラミ
ック基体の内部に形成された内部空間と、当該内部空間
に連通する連通孔を有することが好ましい。また、当該
セラミック基体の外表面に凹部が形成され、当該包囲空
間が当該凹部で包囲されることが好ましい。更に、当該
界面活性剤が、当該セラミック基体の内表面であって当
該内部空間及び当該連通孔に面するものの少なくとも一
部を被覆することを特徴とすることが好ましい。
【0007】 また、流体と混合する当該液体、流体に
溶解する当該固体若しくは当該気体、流体と反応する当
該液体若しくは当該固体、又は当該界面活性剤を当該包
囲空間に保持するための保持部材を有し、当該保持部材
は、当該流体に溶解する当該固体から構成されているこ
とが好ましい。更に、本発明によれば、上記のセラミッ
ク基体と、圧電膜と当該圧電膜に接触する一対の電極と
を有する圧電素子とを有するセンサ素子であって、当該
セラミック基体は振動部を有し、当該振動部の一方の表
面に当該圧電素子が固定され、当該振動部の他方の表面
が当該包囲空間に面することを特徴とするセンサ素子が
提供される。なお、本発明において、流体とは、主に液
体であり、流動体の場合もある。
【0008】
【発明の実施の形態】 図1は、本発明のセラミック基
体10を有するセンサ素子の説明断面図である。図2
は、図1のセンサ素子の正面説明図である。ただし、図
2では、所定の固体14が省略されている。図3は、図
1のセンサ素子の分解斜視図である。セラミック基体
は、2枚以上のセラミックシートが積層して一体化した
積層構造を有することが好ましく、本発明のセラミック
基体10は、セラミックスシート10a、10b、10
cが一体的に積層された構造を有する。セラミック基体
の形状は、包囲空間を有する限り、特に限定されず、用
途に応じて適宜選ばれる。セラミック基体の形状は、板
状が好ましいが、棒状、パイプ状であってもよい。
【0009】 セラミック基体10には、振動部12が
肉薄になるように、包囲空間として、内部空間13が形
成されている。セラミック基体10には、内部空間13
に連通し、流体を内部空間13に導入するための連通孔
16a、16bが形成される。流体が内部空間に導入す
ることができる限り、連通孔は1個であってもよいし、
2個以上であってもよい。連通孔が2個以上の場合に
は、各々の連通孔の形状は同一であってもよいし、異な
ってもよい。
【0010】 振動部12は一対の表面12s、12t
を有し、一方の表面12sには、圧電素子20が固定さ
れる。振動部12の反対側の他方の表面12tは、セラ
ミック基体10の内部空間13に面する。振動に好適な
形状のため、振動部12は、板形状であることが好まし
く、この場合、板の厚さは、1〜100μmであること
が好ましく、3〜50μmが更に好ましく、5〜20μ
mが更になお好ましい。厚さが100μmより大きいと
きには、感度が低下し、厚さが1μmより小さいときに
は機械的強度が低下するからである。
【0011】 図1では、セラミック基体10に突起部
18が固定されている。ただし、突起部18は、必須の
要件ではない。突起部18は、連通孔16a、16bの
外側に流体が滞留しうる空間を形成するためのものであ
り、図1では、突起部18が、連通孔16a、16bに
連通する凹部19を形成する。しかし、突起部18がセ
ラミック基体10の周囲を連続的に囲む必要はなく、一
部が突起しているだけでもよい。また、突起部の高さが
一定である必要もない。突起部18がセラミックスから
構成される場合には、セラミック基体10と共に焼結し
て一体化してもよい。あるいは、突起部18は、これら
の材質にかかわらず、エポキシ樹脂等の合成樹脂、ガラ
ス等からなる接着層により突起部をセラミック基体10
に固定してもよい。突起部としては、例えば、金属、合
成樹脂等であってもよい。
【0012】 図1では、所定の固体14が、内部空間
13、連通孔16a、16b、凹部19の一部分を連続
的に又は不連続的に充填等する。ここで、所定の固体1
4とは、流体に溶解する固体、流体と反応する固体又は
界面活性剤をいい、それぞれ紛状物、粒状物であっても
よいし、ペースト状、多結晶の塊などであってもよい。
「流体に溶解する固体」が流体、例えば、液体に溶解す
ることにより、流体が当該固体と置換して、内部空間に
充填し易くなる。また、「流体と反応する固体」が流体
と反応することにより、流体が当該固体と置換して、内
部空間に充填し易くなる。更に、界面活性剤は、流体、
例えば液体の表面活性を変化させ、内部空間に充填し易
くする。
【0013】 「流体に溶解する固体」としては、10
0gの流体に対する溶解度が、25℃又はセラミック基
体が用いられる動作温度において0.01g以上である
ことが好ましく、0.1g以上であることが更に好まし
く、0.5g以上であることが更になお好ましく、1g
以上であることが更になお好ましい。溶解度が高い方
が、流体が固体を溶解して、内部空間に侵入し易いから
である。例えば、流体が水の場合には、塩化ナトリウム
(溶解度は、35.9g(25℃))、塩化カリウム
(溶解度は、35.9g(25℃))、臭化ナトリウム
等の塩、グルコース、スクロース等の糖が挙げられる。
【0014】 また、流体が硫酸、塩酸等の酸である場
合には、弱酸及び強塩基からなる塩が、一般に溶解度が
高いので、好ましい。例えば、炭酸水素ナトリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。一方、
流体が水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液
等の塩基である場合には、強酸及び弱塩基からなる塩
は、一般に溶解度が高いので好ましい。例えば、塩化ア
ンモニウム、硫酸アンモニウム等が挙げられる。
【0015】 「流体に溶解する固体」は、「流体と反
応する固体」と重複する場合がある。例えば、流体が硫
酸等の酸であり、かつ、流体に溶解する固体が、炭酸水
素ナトリウム等の「弱酸と強塩基からなる塩」である場
合には、「弱酸と強塩基からなる塩」は、流体と反応し
中和される。同様に、「流体と混合する液体」も、「流
体と反応する液体」と重複する場合がある。「流体と反
応する固体」とは、例えば、流体と上記中和反応を行う
塩、流体が水である場合に加水分解反応を行うものが挙
げられる。例えば、ナトリウムメトキシド等のアルカリ
アルコキシドが挙げられる。
【0016】 なお、「流体に溶解する固体」、「流体
と反応する固体」又は固体の「界面活性剤」には、気孔
が存在しないことが好ましい。例えば、図1に示すよう
なセラミック基体において、一方の連通孔16bは流体
中にあるが、他方の連通孔16aが大気中に開放されて
いる場合、若しくは該気孔内の気体が「流体に溶解する
気体」等でない限り、該気孔内の気体は排出されず、流
体と置換されないためである。従って、センサの精度に
影響がない限りにおいては気孔14a、14bが存在し
てもよいが、例えば紛状物又は粒状物等を包囲空間に充
填し、又は所定の固体を溶解した溶液、若しくは該固体
を分散した溶媒を包囲空間に満たした後、溶媒除去によ
り前記固体を充填してセラミック基体を製造する場合に
は、できる限り気孔が生じないように製造することが好
ましい。
【0017】 「界面活性剤」は、紛状物、粒状物、ペ
ースト状等の固体又は液体として、包囲空間を充填して
もよい。また、界面活性剤が、包囲空間に面する表面の
少なくとも一部を被覆してもよい。「界面活性剤」と
は、水などの液体に対して強い表面活性を示し、溶液内
において臨界ミセル濃度以上でミセルのような会合体を
形成する物質をいう。「界面活性剤」としては、陰イオ
ン活性剤、陽イオン活性剤、非イオン活性剤、両性界面
活性剤等が挙げられる。陰イオン活性剤としては、一般
の石鹸として用いられる高級脂肪酸アルカリ塩の他、ア
ルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩等が挙げられる。
陽イオン活性剤としては、高級アミンハロゲン酸塩、ハ
ロゲン化アルキルピリジニウム等が挙げられる。非イオ
ン活性剤としては、ポリエチレングリコールアルキルエ
ーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等が挙
げられる。
【0018】 なお、被検液体が電解液等の場合には、
界面活性剤としては、非イオン活性剤が好ましい。「界
面活性剤」は、液体であっても固体であってもよく、例
えば液体洗剤のように、液体の界面活性剤が同時に「流
体と混合する液体」である場合や石鹸のように、固体の
界面活性剤が同時に「流体に溶解する固体」である場合
も有り得る。
【0019】 本発明においては、前記の「所定の固
体」が充填された包囲空間を被包するように多孔体を配
設することが好ましい。当該固体が流体に置換され包囲
空間が流体で満たされた状態においても、包囲空間近傍
に気泡が存在した場合には、当該気泡により包囲空間内
の流体が再び置換されるおそれがある。しかし、包囲空
間の前面に多孔体を予め密着させて配置すれば前記の気
泡による置換を防止でき、包囲空間から流体がなくなる
のも防ぐことができる。
【0020】 なお、通常、多孔体とは、多数の細孔を
有する固体をいうが、本発明においては軽石、素焼き粘
土、ジルコニア、チタニア、炭化珪素、窒化珪素等の天
然若しくは人工のセラミックスの他、天然繊維、合成繊
維又は無機繊維等よりなる織布、若しくは不織布等も用
いることができる。なお、包囲空間を被包する多孔体
を、包囲空間に充填すべき流体で予め満たしておき、当
該流体と包囲空間の少なくとも一部に充填された、当該
流体と混合する液体、当該流体に溶解する固体又は界面
活性剤とを置換することが好ましい。さらに、多孔体の
孔部に「所定の固体」を充填することが好ましい。こう
することにより、多孔体ひいては包囲空間内に確実に流
体を導入することが可能となり、また孔部に存在する空
気が包囲空間に侵入することを防止できる。
【0021】 図1のように、内部空間13が直方体形
状を有する場合には、その直方体のサイズとしては、厚
さが10μm〜500μmであり、幅が50μm〜3m
mであり、かつ、長さが0.5mm〜10mmであるこ
とが好ましい。図1のように連通孔がある場合には、連
通孔の直径が5mm以下であり、かつ、連通孔の軸方向
の長さが2mm以下であることが好ましく、連通孔の直
径が2mm以下であり、かつ、連通孔の軸方向の長さが
0.5mm以下であることが更に好ましい。このように
小さい連通孔には、従来、流体が内部空間に流入し難か
った。しかし、本発明では、小さい連通孔であっても、
流体が内部空間に流入できる。
【0022】 図1のセンサ素子は、セラミック基体1
0と、圧電素子20とを有する。圧電素子20は、圧電
膜22と、圧電膜22を挟む一対の電極24a、24b
を有する。一対の電極24a、24bを介して、電圧を
圧電膜22に印加すると、誘電分極を生じ、圧電素子2
0が振動部12と共に圧電膜22及び振動部12の厚さ
方向に屈曲振動する。圧電膜の厚さは、1〜100μm
であることが好ましく、5〜50μmが更に好ましく、
5〜30μmが更になお好ましい。厚さが100μmよ
り大きいときには、感度が低下し、厚さが1μmより小
さいときには信頼性が確保し難いからである。
【0023】 圧電膜は、緻密であっても、多孔質であ
ってもよく、多孔質のとき、気孔率は40%以下である
ことが好ましい。また、圧電膜22は、1層であっても
よければ、2層以上の積層構造であってもよい。2層以
上の積層構造であるとき、各層は横設してもよいし、ま
た、立設してもよい。電極は、用途に応じて適宜な厚さ
とするが、0.1〜50μmの厚さであることが好まし
い。
【0024】 図1では、セラミック基体10にカバー
17が固定されている。ただし、カバー17は、必須の
要件ではない。カバー17は、圧電素子20を保護する
ためのものであり、蓋部材17a及び枠17bを有し、
圧電素子20がカバー17で覆われている。硫酸等の強
酸、水酸化ナトリウム水溶液等の強塩基の流体を用いる
場合に、カバー17により圧電素子とこれらの液体とを
更に隔離することができる。枠17bは、蓋部材17a
を支持しうる形状であれば制限されない。図3で、枠1
7bは、圧電素子20の回りを囲むように、四辺を有す
る。しかし、枠はこれらの何れかの一辺が欠けている形
状等を有しても良い。かかる形状であっても、枠は蓋部
材17aを支持することができるからである。
【0025】 枠は、電気絶縁材料であることが好まし
い。セラミック基体10の表面を被覆するリードと短絡
を防止するためである。枠としては、例えば、セラミッ
クス、有機樹脂等の板状態の打ち抜き体が用いられる。
有機樹脂の場合には、フィルムであってもよい。また、
枠は、セラミック基体10の表面に塗布した接着剤、ペ
ースト等から構成されてもよい。カバー17がセラミッ
クスから構成される場合には、セラミック基体10と共
に焼結して一体化してもよい。あるいは、カバー17
は、これらの材質にかかわらず、エポキシ樹脂等の合成
樹脂、ガラス等からなる接着層によりカバー17をセラ
ミック基体10に固定してもよい。カバー17は、金
属、合成樹脂等であってもよい。
【0026】 ただし、圧電素子20の表面を振動部1
2の表面12sに接触させて固定する場合には、即ち、
圧電素子20及び振動部12の間に接着剤等を介在させ
ない場合には、枠とセラミック基体10とはエポキシ樹
脂等の合成樹脂、ガラス等からなる接着層で接合するこ
とが好ましい。接着層を用いる場合には、接着層は、セ
ンサ素子が検出する流体に接触することになるので、接
着層がかかる流体に対する耐性が必要になることはいう
までもない。また、基体、カバー等も被検流体に接触す
ることになるので、基体、カバー等の材質も流体に対す
る耐性が要求される。
【0027】 圧電素子20の電極24a、24bは、
基体10の表面を被覆するリードに接続し、リードとリ
ード線26a、26bが基体10の表面のコネクション
で接続する。即ち、電極24a、24bがそれぞれリー
ド線26a、26bに接続する。リードとリード線との
コネクションは、半田、導電体ペースト等の導通部材を
介して、又はリード線26a、26bとリードとの機械
的な接触等で行われる。リード線26a、26bは、有
機樹脂で被覆されたワイヤであってもよいし、絶縁フィ
ルムで挟持される金属層であってもよい。あるいは、リ
ードとリード線との間に更に他の電気伝導部材を介して
コネクションで接続してもよい。
【0028】 以下、図1〜図3に示す部材、表面、部
分等と実質的に同一のものは、同一の引用番号を付し、
適宜説明を省略する。図4では、包囲空間として、セラ
ミック基体10に凹部15が形成され、振動部12の他
方の表面12tが包囲空間に面する。凹部15の一部を
所定の固体14が充填する。
【0029】 図5では、界面活性剤32が、セラミッ
ク基体10の内表面であって内部空間13及び連通孔1
6a、16bに面する部分を被覆し、更に、突起部18
の内表面19の一部を被覆する。界面活性剤32は、内
部空間13、連通孔16a、16bに面するセラミック
基体10の内表面を全て被覆する必要はなく、不連続で
あってもよい。界面活性剤32の表面に更に所定の固体
が被覆、充填等されていてもよい。例えば、石鹸水のよ
うに界面活性剤を溶媒に溶解又は分散させたものを注入
し、乾燥させて溶媒を除去することにより、界面活性剤
を被覆することができる。
【0030】 図6は、図5のAに相当する部分の拡大
図である。界面活性剤32aは、連通孔16aに面する
表面を被覆し、連通孔16aの一対の端面16c、16
dの回りも連続して被覆する。流体を連通孔16aを通
過させるためには、界面活性剤32aが被覆する表面は
これで十分である。図6のように、界面活性剤が更に内
部空間に面する表面を被覆することが好ましい。
【0031】 しかし、界面活性剤32aが不連続に連
通孔16aに面する表面を被覆しても、界面活性剤が存
在しないときに比べると、流体が連通孔16aを通過し
易くなる。また、連通孔16a、16bに面する表面に
界面活性剤を被覆するためには、例えば、細い筆などで
界面活性剤を塗布すればよい。界面活性剤32cは、突
起部18の縁18aの回りを被覆する。突起部18の凹
部19に流体を導入するためには、界面活性剤が被覆す
る表面はこれで十分である。界面活性剤が突起部18の
内表面19を更に連続して被覆することが好ましい。
【0032】 図7では、所定の固体14がセラミック
基体10に形成された凹部15を充填し、かつ、多孔体
49が所定の固体14の表面全体に密着して被包するよ
うに、突起部18により形成された凹部19を充填す
る。所定の固体14が流体に置換され、凹部15が流体
で満たされた状態においても、凹部15近傍に気泡が存
在した場合には、当該気泡により内部空間内の流体が再
び置換されるおそれがある。しかし、凹部15の前面に
多孔体49を予め密着させて配置すれば前記の気泡によ
る置換を防止でき、凹部15から流体がなくなるのも防
ぐことができる。なお、図8に示すように、包囲空間が
連通孔16a、16bを有する内部空間13である場合
にも多孔体49で被包することにより、同様の効果を得
ることが可能である。
【0033】 図9は、図7に示したセラミック基体1
0を含むセンサ素子48を別の多孔体50に設置した断
面図である。前記の多孔体49の設置は、図9に示すよ
うな別の多孔体50中に染み込んでいる流体を内部空間
13に侵入させる時に特に好適に用いられる。例えば、
セラミック基体10と別の多孔体50との界面に大きな
隙間が存在した場合、一旦は内部空間13内の所定の固
体14が別の多孔体50から滲み出た流体に置換される
が、当該流体は前記の隙間から侵入した空気に再び置換
され、内部空間13からは流体がなくなってしまう。
【0034】 しかし、予め多孔体49を所定の固体1
4に密着させた状態で、別の多孔体50に設置すること
で、前記のような隙間の発生を抑制でき、内部空間13
から流体が再び置換されることを防止できる。さらに
は、多孔体49の孔部に所定の固体14を充填すること
が好ましい。こうすることにより、多孔体49と別の多
孔体50とが全面で接触しないような形で設置された場
合でも空気の流入経路が遮断され、内部空間13から流
体がなくなる事態を防ぐことができる。なお、所定の固
体14は、内部空間13に充填されたものと同質でも異
質でも構わない。
【0035】 図10では、所定の液体36が、凹部1
9、連通孔16a、16b及び内部空間13の一部を充
填する。所定の液体とは、「流体と混合する液体」、
「流体と反応する液体」、又は液体の「界面活性剤」を
いう。「流体と混合する液体」としては、例えば、流体
が、硫酸、塩酸等の酸、水酸化ナトリウム水溶液等の塩
基性水溶液、塩が溶解する水溶液の場合には、水を用い
ることができる。また、この逆に、流体が水の場合に
は、硫酸、塩酸等の酸、水酸化ナトリウム水溶液等の塩
基性水溶液、塩が溶解する水溶液等を用いることができ
る。また、流体が液体である場合には、「流体と混合す
る液体」としてその流体を用いることが好ましい。流体
と容易に均一に混合するからである。
【0036】 また、ペンタン、ヘキサン等の炭化水素
系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶媒、メタノ
ール、エタノール、グリセリン等のアルコール系溶媒、
ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチ
ルエチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸、酢酸等のカル
ボン酸系溶媒、酢酸メチル等のエステル系溶媒、ジクロ
ロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶
媒、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、ジメチル
スルホキサイド等のスルホキサイド系溶媒等の有機溶媒
を用いることもできる。これらの溶媒を単独で用いても
よいし、任意の溶媒を混合したものを用いてもよい。
【0037】 流体が水の場合であっても、微量の界面
活性剤が存在するとき等には、セラミック基体の包囲空
間に油が充填されていてもよい。界面活性剤により、油
が水に分散することにより、水と油が混合するからであ
る。「流体と反応する液体」としては、例えば、流体が
酸の場合には、炭酸水素ナトリウム水溶液のように、弱
酸と強塩基からなる塩の水溶液等が挙げられる。液体の
「界面活性剤」としては、例えば、石鹸水などが挙げら
れる。液体36を内部空間13等に保持するために、保
持部材34が設けられている。保持部材34は、流体と
反応する物質又は流体に溶解する物質から構成され、流
体と保持部材とが反応した後、又は、保持部材が流体に
溶解した後に、内部空間の液体と流体とが混合又は反応
する。所定の液体が内部空間にない場合と比べて、流体
が内部空間に侵入しやすくなる。
【0038】 保持部材34がない場合であっても、所
定の液体がその表面張力で包囲空間に面する表面に付着
していてもよい。「流体に溶解する気体」が包囲空間に
充填されていてもよい。例えば、流体が硫酸等の酸であ
る場合のアンモニアガス、流体が塩基性水溶液の場合の
塩化水素ガス等が挙げられる。空気等は水、有機溶媒等
の流体に溶解し難いため、包囲空間にトラップされ、流
体が包囲空間に侵入し難くなる。これに対して、包囲空
間の気体が流体に溶解する場合には、包囲空間にトラッ
プされず、流体が包囲空間に侵入することができる。
【0039】 図11、図12では、本発明を利用した
鉛蓄電池等の基本単位である単電池を示す。電池40
は、一対の電極42a、42bと、これらに挟まれた多
孔体44とを有する。電極42a、42bは何れも板形
状を有する。多孔体44の気孔には、硫酸等の電解液が
充填され、流体として作用する。多孔体44には、圧電
素子及び基体を有するセンサ素子48を埋設するため
に、内部空間46が形成されている。センサ素子48と
しては、例えば、図1、図2及び図3に記載したものが
用いられ、突起部18を有する。
【0040】 図11では、多孔体44の内部空間46
がセンサ素子48の形状に適合するように形成され、セ
ンサ素子48が内部空間46にはめ込まれることにより
固定されてもよい。一方、センサ素子48は、エポキシ
樹脂等の接着剤により多孔体44の内部空間46に固定
されてもよい。
【0041】 図11では、セラミック基体10の凹部
19がある側が多孔体44に接触し、セラミック基体1
0の表面であって凹部19の反対側が電極42aに接触
する。一方、図12では、セラミック基体10の凹部1
9がある側が電極42aに接触し、セラミック基体10
の表面であって凹部19の反対側が多孔体44に接触す
る。図11及び図12は、ほぼ板形状のセラミック基体
10が伸びる方向が電極42a、42bが伸びる方向と
ほぼ平行に配置されている。しかし、セラミック基体1
0が伸びる方向が電極42a、42bが伸びる方向と交
わるように配置されてもよい。
【0042】 以下、各要素の材料、材質について記載
する。振動部12は、電気絶縁材料であることが好まし
い。振動部12の少なくとも一部を被覆する電極が導電
性だからである。振動部12は、高耐熱性の金属であっ
て、その金属表面をガラス等のセラミックスで被覆した
ものであってもよい。しかし、振動部12は、セラミッ
クスからなることが好ましい。振動部を構成するセラミ
ックスとしては、例えば、安定化された酸化ジルコニウ
ム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ムライト、
窒化アルミニウム、窒化珪素、ガラス等を用いることが
できる。安定化された酸化ジルコニウムは、振動部が薄
くても機械強度が高いこと、靱性が高いこと、圧電膜及
び電極と化学反応性が小さいこと等のため好ましい。
【0043】 安定化された酸化ジルコニウムとは、安
定化ジルコニア及び部分安定化ジルコニアを包含する。
安定化された酸化ジルコニウムでは、立方晶等の結晶構
造をとるので、相転移を起こさない。一方、酸化ジルコ
ニウムは、1000℃前後で、単斜晶と正方晶とで相転
移し、この相転移のときクラックが発生したりする。安
定化された酸化ジルコニウムは、酸化カルシウム、酸化
マグネシウム、酸化イットリウム、酸化スカンジウム、
酸化イッテルビウム、酸化セリウム又は希土類金属の酸
化物等の安定化剤を、1〜30モル%含有する。
【0044】 振動部の機械強度を高めるため、安定化
剤が、酸化イットリウムを含有することが好ましい。こ
のとき、酸化イットリウムは、好ましくは1.5〜6モ
ル%含有し、更に好ましくは2〜4モル%含有する。更
に主なる結晶相は、正方晶、正方晶及び立方晶の混合
相、立方晶及び単斜晶の混合相、正方晶及び単斜晶の混
合相、又は、立方晶、正方晶及び単斜晶の混合相であっ
てもよい。この中でも、主なる結晶相が、正方晶、又
は、正方晶及び立方晶の混合相であるときが、機械強
度、靱性及び耐久性の観点から好ましい。
【0045】 振動部12を構成するセラミックスが、
0.5〜5重量%の酸化珪素を含有することが好まし
く、1〜3重量%の酸化珪素を含有することが更に好ま
しい。これは、圧電素子20を熱処理して形成すると
き、酸化珪素が、振動部12と圧電素子20との過剰な
反応を避けて、良好な圧電体特性を得ることができるか
らである。また、振動部12がセラミックスからなると
き、多数の結晶粒が振動部を構成するが、振動部の機械
強度を高めるため、結晶粒の平均粒径は、0.05〜2
μmであることが好ましく、0.1〜1μmであること
が更に好ましい。
【0046】 圧電膜には、好適には、圧電性セラミッ
クスを用いることができるが、電歪セラミックス又は強
誘電体セラミックスであってもよい。分極処理が必要な
材料であっても、必要がない材料であってもよい。圧電
膜に用いるセラミックスは、例えば、ジルコン酸鉛、マ
グネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオ
ブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、チ
タン酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ
酸鉛、チタン酸バリウム等、又はこれらの何れかを組み
合わせた成分を含有するセラミックスが挙げられる。こ
れらの化合物が50重量%以上をしめる主成分であって
もよいことはいうまでもない。また、ジルコン酸鉛を含
有するセラミックスは、好ましく用いれる。
【0047】 上記セラミックスに、更に、ランタン、
カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステ
ン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン等の
酸化物、若しくはこれらの何れかの組み合わせ、又は他
の化合物を、適宜、添加したセラミックスを用いてもよ
い。例えば、マグネシウムニオブ酸鉛と、ジルコン酸鉛
と、チタン酸鉛とからなる成分を主成分とし、更にラン
タンやストロンチウムを含有するセラミックスを用いる
ことが好ましい。
【0048】 電極24aは、室温で固体であって、導
電性の金属で構成されていることが好ましい。例えば、
アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジ
ウム、銀、スズ、タンタル、タングステン、イリジウ
ム、白金、金、鉛等を含有する金属単体又は合金が挙げ
られる。これらの元素が任意の組み合わせで含有してい
てもよいことはいうまでもない。また、白金、ロジウ
ム、パラジウム等の白金族金属、又はこれらの白金族金
属を含有する、銀−白金、白金−パラジウム等の合金を
主成分とする電極材料が好適に用いられる。また、銅、
銀及び金は耐久性があるので、より好ましい。
【0049】 電極24bは、白金、ルテニウム、ロジ
ウム、パラジウム、イリジウム、チタン、クロム、モリ
ブデン、タンタル、タングステン、ニッケル、コバルト
等の高融点の金属を含有する単体又は合金からなること
が好ましい。また、これらの高融点金属が任意の組み合
わせで含有していてもよいことはいうまでもない。ま
た、白金、ロジウム、パラジウム等の白金族金属、又は
これらの白金族金属を含有する、銀−白金、白金−パラ
ジウム等の合金を主成分とする電極材料が好適に用いら
れる。電極24bは、圧電膜の熱処理の時に高温に晒さ
れる場合があるので、高温酸化雰囲気に耐えられる金属
であることが好ましいからである。また、これらの高融
点金属と、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、
ガラス等のセラミックスとを含有するサーメットであっ
てもよい。
【0050】 次に、本発明のセンサ素子の製造方法を
説明する。基体は、グリーンシート又はグリーンテープ
である成形層を、熱圧着等で積層して、次いで、焼結す
ることで一体化できる。例えば、図1のセラミック基体
10では、3層のグリーンシート又はグリーンテープを
積層するが、その第二層に、包囲空間となるように所定
形状の貫通孔を積層前に予め設けておけばよい。また、
成形型を用いる加圧成形、鋳込み成形、射出成形等によ
って、成形層を作成し、切削、研削加工、レーザー加
工、プレス加工による打ち抜き等の機械加工により、包
囲空間等を設けてもよい。成形層は、互いに同一の厚さ
である必要はないが、焼結による収縮が同じ程度になる
ようにしておくことが好ましい。また、焼結前のグリー
ンシート又はグリーンテープであるときに包囲空間に対
応する形状に成形していてもよいし、また、焼結後に機
械加工を施してもよい。
【0051】 振動部12に、圧電素子20を形成する
方法を記載する。金型を用いたプレス成形法又はスラリ
ー原料を用いたテープ成形法等によって圧電体を成形
し、この焼結前の圧電体を、焼結前の基板における振動
部に、熱圧着で積層し、同時に焼結して、基板と圧電体
とを形成する方法がある。この場合には、電極は後述す
る膜形成法により、基板又は圧電体に予め形成しておく
必要がある。圧電膜の焼結温度は、これを構成する材料
によって適宜定められるが、一般には、800℃〜14
00℃であり、好ましくは、1000℃〜1400℃で
ある。この場合、圧電膜の組成を制御するために、圧電
膜材料の蒸発源の存在下に焼結することが好ましい。
【0052】 一方、膜形成法では、振動部12に、電
極24b、圧電膜22、及び電極24aをこの順序に積
層して、圧電素子20を形成する。公知の膜形成法、例
えば、スクリーン印刷のごとき厚膜法、ディッピング等
の塗布法、イオンビーム、スパッタリング、真空蒸着、
イオンプレーティング、化学蒸着法(CVD)、メッキ
等の薄膜法等が適宜用いられるが、これらに何等限定さ
れるものではない。この中では、スクリーン印刷法が安
定に製造することができるので好ましい。電極24b及
びリードは、スクリーン印刷によって、同時に印刷塗布
することができる。
【0053】 また、圧電膜22は、好ましくは、スク
リーン印刷、ディッピング、塗布等によって形成する。
これらの手法は、圧電膜の材料からなるセラミック粒子
を主成分とするペーストやスラリーを用いて、基板上に
膜形成することができ、良好な圧電体特性が得られる。
また、このように圧電膜を膜形成法によって形成する
と、接着剤を用いることなく、圧電素子と振動部とを一
体的に接合することができるため、信頼性、再現性に優
れ、更に、集積化し易いことから、特に好ましい。ま
た、そのような膜の形状は、適当なパターンを形成して
もよい。スクリーン印刷法、フォトリソグラフィ法等に
よって、パターン形成してもよく、また、レーザー加工
法、スライシング、超音波加工等の機械加工法を用い、
不必要な部分を除去してパターン形成してもよい。
【0054】 また、作成される圧電膜及び電極の形状
は、何等限定されるものではなく、用途に応じて如何な
る形状を採用してもよい。例えば、三角形、四角形等の
多角形、円、楕円、円環等の曲線形状、櫛形状、格子状
又はこれらを組み合わせた特殊形状であってもよい。ま
た、圧電素子20は振動部12の全面に設ける必要はな
く、振動により発生する歪みが最も大きい部分に設ける
ことが好ましい。そして、このようにして基板状に形成
されたそれぞれの膜(22、24a、24b)は、各膜
の形成の都度、熱処理して、基板と一体構造となるよう
にしてもよく、又は、これらの膜を形成した後に、これ
らの膜を同時に熱処理して、各膜が基板に一体的に接合
せしめてもよい。なお、薄膜法により電極を形成する場
合には、これらの電極を一体化するためには、必ずしも
熱処理を必要としない。
【0055】
【発明の効果】 本発明のセラミック基体では、包囲空
間に所定の固体、液体等を有するので、流体が包囲空間
に容易に侵入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のセラミック基体を用いたセンサ素子
の断面説明図である。
【図2】 図1の正面説明図である。
【図3】 図1の分解斜視図である。
【図4】 本発明のセラミック基体の他の実施態様の断
面説明図である。
【図5】 本発明のセラミック基体の他の実施態様の断
面説明図である。
【図6】 本発明のセラミック基体の他の実施態様の断
面説明図である。
【図7】 本発明のセラミック基体の他の実施態様の断
面説明図である。
【図8】 本発明のセラミック基体の他の実施態様の断
面説明図である。
【図9】 本発明のセラミック基体の他の実施態様の断
面説明図である。
【図10】 本発明のセラミック基体の他の実施態様の
断面説明図である。
【図11】 本発明を利用した電池の一の実施態様の断
面説明図である。
【図12】 本発明を利用した電池の他の実施態様の断
面説明図である。
【符号の説明】
10・・・セラミック基体、10a、10b、10c・・・セ
ラミックスシート、12・・・振動部、12s、12t・・・
振動部の表面、13・・・内部空間、14・・・所定の固体、
15・・・凹部、16a、16b・・・連通孔、17・・・保護
カバー、17a・・・蓋部材、17b・・・枠、18・・・突起
部、19・・・凹部、20・・・圧電素子、22・・・圧電膜、
24a、24b・・・電極、26a、26b・・・リード線、
32・・・界面活性剤、34・・・保持部材、36・・・液体、
40・・・電池、42a、42b・・・電極、44・・・多孔
体、46・・・内部空間、48・・・センサ素子、49・・・多
孔体、50・・・別の多孔体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥村 英正 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 渡辺 健二 東京都目黒区中目黒2−2−1 目黒独身 寮2号室

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 包囲空間が形成されたセラミック基体で
    あって、 当該包囲空間に流体を充填することを目的として、当該
    包囲空間の少なくとも一部に、流体と混合する液体、流
    体に溶解する固体若しくは気体、流体と反応する液体若
    しくは固体、又は界面活性剤を有することを特徴とする
    セラミック基体。
  2. 【請求項2】 当該包囲空間を被包するように多孔体を
    配設した請求項1に記載のセラミック基体。
  3. 【請求項3】 当該包囲空間の少なくとも一部に、流体
    と混合する当該液体、流体に溶解する当該固体又は当該
    界面活性剤が充填される請求項1又は2に記載のセラミ
    ック基体。
  4. 【請求項4】 当該包囲空間が、当該セラミック基体の
    内部に形成された内部空間と、当該内部空間に連通する
    連通孔を有する請求項1〜3の何れかに記載のセラミッ
    ク基体。
  5. 【請求項5】 当該セラミック基体の外表面に凹部が形
    成され、当該包囲空間が当該凹部で包囲される請求項1
    〜4の何れかに記載のセラミック基体。
  6. 【請求項6】 当該界面活性剤が、当該セラミック基体
    の内表面であって当該内部空間及び当該連通孔に面する
    ものの少なくとも一部を被覆する請求項4に記載のセラ
    ミック基体。
  7. 【請求項7】 流体と混合する当該液体、流体に溶解す
    る当該固体若しくは当該気体、流体と反応する当該液体
    若しくは当該固体、又は当該界面活性剤を当該包囲空間
    に保持するための保持部材を有し、当該保持部材は、当
    該流体に溶解する当該固体から構成される請求項1〜6
    の何れかに記載のセラミック基体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7に記載のセラミック基体
    と、圧電膜と当該圧電膜に接触する一対の電極とを有す
    る圧電素子とを有するセンサ素子であって、当該セラミ
    ック基体は振動部を有し、当該振動部の一方の表面に当
    該圧電素子が固定され、当該振動部の他方の表面が当該
    包囲空間に面することを特徴とするセンサ素子。
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