JPH09249572A

JPH09249572A - 止痒液

Info

Publication number: JPH09249572A
Application number: JP8058710A
Authority: JP
Inventors: 純子 ▲高▼橋; Junko Takahashi
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1996-03-15
Filing date: 1996-03-15
Publication date: 1997-09-22

Abstract

(57)【要約】【課題】安全でしかも止痒効果に優れた止痒液、また
安全でしかも止痒効果、皮膚の保護・再生効果に優れた
止痒液を提供する。【解決手段】エタノール、グリセリン、ほう酸、１
（エル）−メントール及び液状フェノールを含有する止
痒液、並びに、エタノール、グリセリン、ほう酸、１
（エル）−メントール、液状フェノール及びコラーゲン
を含有する止痒液。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は止痒液に関し、詳し
くは、安全でしかも止痒効果に優れた止痒液、また安全
でしかも止痒効果、皮膚の保護・再生効果に優れた止痒
液に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】止痒液
とは局所に使用してかゆみを減ずるのを目的としたもの
で、従来、木タール、ツメノール、イオウ華や、抗ヒス
タミン、副腎皮質ホルモン等の止痒物質を各種基剤に加
えたものが用いられてきた。

【０００３】しかし、これらの止痒液は安全性や止痒効
果の点で問題があった。

【０００４】従って、本発明の目的は、安全でしかも止
痒効果に優れた止痒液を提供することにある。また、本
発明の目的は、安全でしかも止痒効果、皮膚の保護・再
生効果に優れた止痒液を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、エタノール、
グリセリン、ほう酸、１（エル）−メントール及び液状
フェノールを含有することを特徴とする止痒液である。

【０００６】また本発明は、エタノール、グリセリン、
ほう酸、１（エル）−メントール、液状フェノール及び
コラーゲンを含有することを特徴とする止痒液である。

【０００７】また更に本発明は、エタノール２０〜８０
重量％、グリセリン６〜２０重量％、ほう酸２〜１０重
量％、１（エル）−メントール１〜４重量％、液状フェ
ノール１〜３重量％、１０％コラーゲン１〜２０重量％
及び滅菌精製水３７０〜０重量％からなることを特徴と
する止痒液である。

【０００８】皮膚（ｓｋｉｎｉｎｔｅｇｕｍｅｎｔ）
は、身体の外表を覆う組織で表皮、皮下組織等から成
り、毛、爪、汗腺、脂腺等が付属する。皮膚の最も重要
な働きは身体の内部の保護である。その他、分泌及び排
泄（汗腺、脂腺、乳腺）、体温調節（皮膚血管）、栄養
貯蔵（脂肪層）、各種の感覚（神経終末）、呼吸等の機
能を司る部位に、本発明の止痒液は有効に作用してい
る。

【０００９】本発明においては、揮発性の高い速乾性エ
タノールを使用し、グリセリン、ほう酸の薬効により皮
膚軟化及び保護をし、ｌ（エル）−メントールから醸し
出される爽快な芳香で、塗布直後より体温を放散昇華さ
せることで、掻痒時における特有の体熱感を除去し、速
やかにかゆみから解放している。

【００１０】エタノールには消毒、殺菌剤として、液状
フェノールは消毒用として、皮膚消毒も兼ねることがで
きる。但し、引っ掻き傷等の皮膚損傷がある場合は刺激
痛があるので使用に注意を要する。また、コラーゲンを
配合することにより皮膚の老化防止、若返りの効果も期
待される。本剤は軽度の粘質を有するために皮膚に心地
よい「しっとり感」を与えている。

【００１１】

【発明の実施の形態】使用薬品類の一般的効能について
も触れておく。・Ａ．局方エタノール（ｅｔｈａｎｏｌ）無色透明の揮発性液体で、水に易溶、多くの有機溶媒に
可溶であり、蛋白質凝固作用があるために除蛋白剤、消
毒、殺菌剤（７０％のとき最大効果を示す）等に使用さ
れる他、ローション等の化粧品等にも使用される。

【００１２】・Ｂ．グリセリン（ｇｌｙｃｅｒｉｎ）８
４〜８７％無色透明の粘性液体で、匂いは無く、味は甘く、エーテ
ルに極めて溶けにくく、クロロホルム、二酸化炭素、石
油ベンジンまたはオリーブ油には殆ど溶けない。水また
はエタノールと混和する。吸湿性である。

【００１３】希釈溶液の刺激は穏和で、局所を軟化す
る。また、局所を包摂保護し外部刺激を穏和にし、ある
いは有毒物の侵入を防止する目的で外用する。

【００１４】塗布薬の基剤として用いる。

【００１５】・Ｃ．ほう酸（ｂｏｒｉｃａｃｉｄ）無色または白色の結晶あるいは粉末で、匂いは無く、わ
ずかに特異な味がある。グリセリン、熱湯または沸騰エ
タノールに溶け易く、水またはエタノールにやや溶け易
い。皮膚の保護及び軟化剤として用いる。

【００１６】・Ｄ．ｌ（エル）−メントール（ｌ−ｍｅ
ｎｔｈｏｌ）無色の結晶で、特異で爽快な芳香があり清涼感がある。
エタノール、エーテルまたはクロロホルムには極めて溶
け易いが、水には極めて溶けにくい。室温で徐々に昇華
する。皮膚の鎮痒に効能がある。

【００１７】・Ｅ．フェノール（ｐｈｅｎｏｌ）フェノールは無色〜僅かに赤色の結晶または結晶性の塊
で、特異な臭いがあり、エタノール、グリセリン、エー
テルまたはハッカ油に極めて溶け易く、オリーブ油、ゴ
マ油、ダイズ油等に溶け易い。流動パラフィンにやや溶
けにくい。１０ｍｌに水１ｍｌを加えるとき液状とな
る。光または空気によって徐々に赤色を経て暗赤色とな
る。皮膚を通して白くする。凝固点は約７０℃である。
皮膚掻痒症の鎮痒を目的として使用するフェノールは液
状フェノール（８８％）を希釈して使用する。

【００１８】・Ｆ．コラーゲン（膠原繊維）（ｃｏｌｌ
ａｇｅｎｆｉｂｅｒ）膠原質ともいい、結合組織を構成する主要蛋白質成分で
ある、コラーゲンは形態を形成する骨格構造の主成分な
ので、機能的には構造蛋白質、骨格蛋白質として分類さ
れる。医薬品、化粧品等に使用した場合、主として皮膚
の老化防止や若返りに効果があるとされている。

【００１９】・Ｇ．滅菌精製水（ａｑｕａｐｕｒｉｆ
ｉｃａｔａｓｔｅｒｉｌｉｓ）精製水を滅菌したものである。ｐＨ値は通常５．０〜
７．０である。

【００２０】

【実施例】

［薬剤配合例］本発明の止痒液の薬剤配合例を表１に示
す。

【００２１】 ※夏季はエタノールを増量しグリセリンを減量することが好ましい。

【００２２】冬季はその反対で１０％コラーゲンより１
００％コラーゲンが望ましいが、価格アップにつながる
ので、その点を考慮した。

【００２３】［臨床例］次に、本発明の薬品の臨床例を
示す。透析患者の場合一般に、透析により徐々に発汗減
少状態となり、皮膚乾燥状態となる傾向がある。

【００２４】（１）透析患者９２人中、掻痒症状の強い
患者４５人を対象に昭和６３年６月２週間にわたり実施
した臨床例で、ほぼ全員に鎮痒効果があり、うち６０％
以上の患者に４〜５時間の持続効果が得られた。

【００２５】イ）Ｍ．Ｓ氏４７才透析歴２０年尿毒症による掻痒症状が強く二次性副甲状腺機能亢進症
の結果Ｃａ沈着等からも強い掻痒症状があった。グリセ
リン量を増量することにより、皮膚の湿潤性を得て、４
〜５時間の鎮痒効果が得られた。

【００２６】ロ）Ｋ．Ｍ氏７８才透析歴４年透析による皮膚症状に加え老人性乾皮症による強い掻痒
症状であったが、この止痒液使用により３〜４時間の鎮
痒効果が得られた。

【００２７】（２）原因不明の皮膚掻痒にて、複数の病
・医院に受診、軟膏により皮膚のベタツキが有り痒みも
治らず、内服液では眠気、倦怠感が強く服用できない状
態であったが、掻痒症状発作時、止痒液使用によりかな
りの効果が見られた。

【００２８】（３）虫刺されの時、丘状発疹時に使用す
ることで症状が消滅する。但し、掻きこわし状態の時は
一過性刺激痛がある。

【００２９】［本発明の薬品の使用形態］次に、本発明
の薬品の使用形態例を示す。

【００３０】（１）専用ボトルに入れガーゼ等に浸し患
部に塗擦する。

【００３１】（２）専用容器でローラーもしくはスポン
ジ等から滲み出る形態にしてキャップを開けて、直接肌
に塗擦する。

【００３２】（３）専用ボトルを用いたスプレー式によ
り噴霧塗布する方法により塗擦する。

【００３３】

【発明の効果】

（１）本発明の止痒液は慢性、アレルギー性及び老人性
等の皮膚掻痒症、即ち、皮膚に何ら変化も見られないの
に全身の「かゆみ」、皮膚乾燥により、角化し粉状また
は鮫肌状に皮膚落屑を伴うかゆみ、肝硬変及び慢性腎不
全等により起こる皮膚掻痒症等に有効な医薬品である。

【００３４】（２）本発明の止痒液はこれまでの各種止
痒液と異なり、安全な各種の薬剤成分を巧みに配合した
医薬品である。

【００３５】（３）本発明の止痒液に近年その薬効能が
期待されているコラーゲンを配合することにより、劣化
した皮膚の保護再生を促し、直接または間接的に皮膚を
健康状態に戻すことができる。

【００３６】（４）本発明の止痒液は長期間の冷所保存
が可能な医薬品である。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】エタノール、グリセリン、ほう酸、１
（エル）−メントール及び液状フェノールを含有するこ
とを特徴とする止痒液。
【請求項２】エタノール、グリセリン、ほう酸、１
（エル）−メントール、液状フェノール及びコラーゲン
を含有することを特徴とする止痒液。
【請求項３】局方エタノール２０〜８０重量％、グリ
セリン６〜２０重量％、ほう酸２〜１０重量％、１（エ
ル）−メントール１〜４重量％、液状フェノール１〜３
重量％、１０％コラーゲン１〜２０重量％及び滅菌精製
水３７０〜０重量％からなることを特徴とする止痒液。