JPH09248648A - 軸付きソケットの製造方法 - Google Patents

軸付きソケットの製造方法

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JPH09248648A
JPH09248648A JP5713996A JP5713996A JPH09248648A JP H09248648 A JPH09248648 A JP H09248648A JP 5713996 A JP5713996 A JP 5713996A JP 5713996 A JP5713996 A JP 5713996A JP H09248648 A JPH09248648 A JP H09248648A
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Masayuki Okada
正之 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の単なるソケット本体1と軸体2とを圧
入連結する圧入結合法に比べて、引っ張り破断荷重,破
壊捩りトルク共に良好な結果を示し、残留応力の発生も
少なく実用に十分供し得る秀れた軸付きソケットの製造
方法を提供すること。 【解決手段】 装着孔3内の装入パイプ材7の内側に軸
体2を挿入する際、軸体2が圧入状態に挿入されてソケ
ット本体1に残留応力が生じてしまう孔径とせずに、こ
の装着孔3並びに装入パイプ材7を軸体2の寸法に対し
てラフ寸法となる孔径に設定し、このラフ寸法に設定し
た装着孔3内の装入パイプ材7に軸体2を挿入配設し、
この装入パイプ材7に孔軸方向並びに外周方向から外圧
を加えると共に、装入パイプ材7若しくは軸体2をソケ
ット本体1に対して相対回動せしめる押圧回転力を加え
て、装入パイプ材7に塑性流動を生じせしめて軸体2を
装着孔3内に装入パイプ材7を介して圧着固定させる軸
付きソケットの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力回転工具の出
力部に着脱可能に取り付けて、ボルト,ナットを締め付
けるための軸付きソケットに関するもので、この軸とソ
ケットとを簡便な方法で強固に結合する軸付きソケット
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築或いは電気・鉄道工事などを含む一
般工事において、二つ以上の部材を結合するにはボル
ト,ナット、或いはネジとスクリューなどで締結され
る。上記ソケットはこれらを締結する際ネジ締めに用い
られ、一般的には電動・空気ドライバーなどの動力回動
工具の出力軸に着脱可能にクランプして用いられる。
【0003】ソケットの構造はソケット本体の基端に多
角形軸体(一般には六角柱)が一体に突設されている。
【0004】従来のソケットはソケット本体と軸体とが
鋼製で一体に形成されているために重量が嵩み、作業者
が疲れるばかりでなく作業能率も上がらず、またネジ締
め開始時(ソケット回転始動時)のトルク値が高く回動
工具の電池が早期に消耗し、電池の取り替え或いは充電
の時期が早まる問題がある。
【0005】また、ネジ締めするソケット本体と軸体と
では断面積が大きく異なり、このためソケット本体に作
用する捩りモーメントに対するソケット本体と軸体の耐
久性に大きな差を生じ、軸体の寿命が短くなる問題もあ
った。
【0006】そこで上記欠点を解決するため、ソケット
本体をアルミニウム化し、軸体は鋼製とする考え方が提
案されているが(実願平4−58447号)、両者の結
合は単にソケット本体の装着孔に軸体を圧入する構造で
あった。(従来例1) このような単なる圧入方法では、ソケット本体に圧入す
る時に残留応力が発生し、ソケット全体の強度低下の原
因となる。
【0007】一般に金属部材同士を結合するにあたって
は、この他に種々の方法が提案され実施されているが、
金属部材の結合の中でも、例えば駆動系におけるロッド
と、相手材との間で何等かの運動が与えられる部材との
結合などでは両部材間に極めて大きな応力を伝達しなけ
ればならず、特に強固な結合が望まれている。
【0008】従来、このような金属同士の強固な結合を
実現するための方法としては、例えば円周部材と軸との
結合を行う場合、円筒部材及び軸に夫々嵌め合い部を形
成すると共に、一方の嵌め合い部を他方の嵌め合い部に
対して偏芯させ、且つ、双方の嵌め合い部を締まり嵌め
によって結合させる方法(特開昭63−158306
号)が提案されている。(従来例2) また、結合すべき二部材の結合面に凹部を形成すると共
に両部材間に両部材よりも変形抵抗が小さく、且つ所定
の機械的強度を有する結合部材を介在させ、該結合部材
を加圧変形させることにより該結合部材を塑性流動させ
て凹部内に流入させ、この結合部材のせん断力と緊迫力
にて二部材を結合する方法(特開昭55−141340
号)などが提案されている。(従来例3)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記各方法
においては夫々下記のような不都合な点を有するもので
ある。
【0010】即ち、上記従来例1の方法ではソケット本
体に軸体を圧入する時に残留応力が発生し、ソケット全
体の強度が低下したり、使用時にアルミニウム製ソケッ
ト本体が割れてしまう欠点があった。このため、残留応
力を緩和するため、本体外側にキャップを結合し、圧縮
応力を加える必要があった(実願平4−58447
号)。
【0011】このため、キャップという余分な部品が必
要なばかりか、キャップが鋼製なので、軽量化効果が損
なわれることになる。また、圧入時に発生した残留応力
は消失した訳でなく、ソケット本体への圧入力が変化す
ると残留応力により支障をきたし、ソケット全体の強度
が低下する心配があり、寿命が短くなる心配がある。 また、上記従来例2の方法によれば、確かに通常の単純
な締まり嵌めよりも強固な結合を可能にすることがで
き、大きなトルクが負荷されるような場合にも適用する
ことができるものの、元来より厳密な寸法設定を要求さ
れる締まり嵌め結合において、円筒部材及び軸の双方に
偏芯した嵌め合い部を形成することは極めてコストがか
かる作業となり、不経済になるばかりでなく、結合後両
部材に偏った残留応力が生ずるものとなり、耐久性等の
面での不安が残る。
【0012】また、上記従来例3の方法では、結合部材
自体を塑性流動させるため、従来例1,2の方法よりも
強固な結合が望めるものの、塑性流動を生じさせる際、
二部材に一軸方向の押圧力しか加えないために部材の流
動性が低く、そのために極めて大きな加圧力を必要とす
る上、塑性流動を起こした部分が入り込むための凹部の
形状が限定されるといった問題があった。即ち、二部材
間に一軸方向の押圧力しか与えないため該押圧力によっ
て生ずる応力も一方向的なものとなり、部材の流動は一
定方向のみに生ずるものとなる。
【0013】従って、複雑な形状の凹部(溝部)に対し
ては流動部が完全には充満されにくく空隙を生ずる恐れ
があり、応力集中の原因となるため、凹部形状は流動金
属が容易に入り込むことのできる極めて単純なものに限
られる上に、回転抵抗,引き抜き抵抗などと言った所期
の結合強度を得るためには、凹部に特別に加圧を施す必
要がある等の問題が生ずるものとなる。
【0014】本発明は、上記の事請に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、単純な手段をもって容
易に、卓越した結合力と電動ソケットとしての耐久性を
有する軸付きソケットの製造方法を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。
【0016】ソケット本体1の基端に回転工具の出力部
に着脱可能に取り付けられる多角形軸体2を突設した軸
付きソケットの製造方法において、ソケット本体1はア
ルミニウム若しくはアルミニウム合金材で形成し、多角
形軸体2は鋼材で形成し、このソケット本体1に基端を
突出状態にして前記軸体2を挿入固定し得る装着孔3を
形成し、加圧することにより塑性流動し得る材質で形成
した(軸体と本体との中間硬度を有する)アルミパイプ
などの装入パイプ材7を前記装着孔3に配設し、前記装
着孔3内の装入パイプ材7の内側に前記軸体2を挿入す
る際、軸体2が圧入状態に挿入されて前記ソケット本体
1に残留応力が発生する孔径とせずに、この装着孔3並
びに装入パイプ材7を軸体2の寸法に対してラフ寸法と
なる孔径に設定し、このラフ寸法に設定した装着孔3内
の装入パイプ材7に軸体2を挿入配設し、この装入パイ
プ材7に孔軸方向並びに外周方向から外圧を加えると共
に、前記装入パイプ材7若しくは前記軸体2をソケット
本体1に対して相対回動せしめる押圧回転力を加えて、
装入パイプ材7に塑性流動を生じせしめて軸体2を装着
孔3内に装入パイプ材7を介して圧着固定させることを
特徴とする軸付きソケットの製造方法に係るものであ
る。
【0017】また、前記装着孔3を前記軸体2に合致し
た多角形孔とせず丸孔としたことを特徴とする請求項1
記載の軸付きソケットの製造方法に係るものである。
【0018】また、前記ソケット本体1は予めT6熱処
理を施し、前記装入パイプ材7にはT6熱処理を施さ
ず、残留応力の発生を抑制することを特徴とする請求項
1,2のいずれか1項に記載の軸付きソケットの製造方
法に係るものである。
【0019】
【発明の実施の形態】ここに提供する軸付きソケット
は、軸体2に比べ体積の大きいソケット本体1をアルミ
ニウム若しくはアルミニウム合金材で形成したため、ソ
ケット全体の重量が軽減され、軽量で操作性が良くな
り、電池式回転工具の場合、電池の寿命を延ばすことが
できる。
【0020】この軸付きソケットは回転動力工具に装着
され使用するが、回転動力工具の出力軸にクランプされ
る軸体2は鋼材で形成され剛性は高い。
【0021】このため、使用時に軸体2に作用する捩り
モーメントに対する軸体自体の耐久性及び回転動力工具
に繰り返して脱着する際の摩擦に対する耐久性に秀れる
こととなる。
【0022】このアルミニウム合金製ソケット本体1
と、鋼製軸体2とを結合するとき、一般的な単なる圧入
方法では、ソケット本体1に引っ張り方向の応力が残留
し、強度低下或いは耐久性の低下の原因となる。
【0023】本方法では、ソケット本体1の装着孔3並
びに装入パイプ材7をこれに挿入する軸体2に対してラ
フ寸法に仕上げ、装着孔3内に装入パイプ材7を配設
し、この装入パイプ材7内に強固に圧入することなく軸
体2を挿入する。
【0024】即ち、装着孔3内に軸体2をラフ挿入し、
このラフ間隙内に装入パイプ材7を配設する。
【0025】そして、プレス機構4などによって、例え
ば装着孔3の外側のソケット本体1を外側から支承保持
した状態で孔軸方向から装入パイプ材7を加圧する。
【0026】即ち、装入パイプ材7に孔軸方向並びに外
周方向から外圧を加える。
【0027】更に、前記装入パイプ材7若しくは前記軸
体2をソケット本体1に対して相対回動せしめる押圧回
転力も加える。
【0028】この押圧力と回転力(捩れ力)とによる加
圧(複合応力)によって、装入パイプ材7に良好な塑性
流動が生じて、装着孔3と軸体2とのラフ間隙や軸体2
の凹部にパイプ材7のアルミ合金材などが入り込むなど
して、軸体2を外側から圧迫し、軸体2が装着孔3内に
圧着固定されることとなる。
【0029】また、前記押圧力と回転力(捩れ力)とに
よる複合応力が装入パイプ材7に生じることとなるた
め、小さな荷重で充分な塑性流動を生じせしめることが
でき、これにより従来の圧入法などでは充填性の点で不
可能とされていた形状の凹部(溝)内にも確実に流入ア
ルミ材を充満させることが可能となり、残留応力の発生
も殆どない。
【0030】即ち,ソケット本体1の素材の耐久値の1
5〜30%程度の応力値で良好な塑性流動が生じ、残留
応力を生じさせることなく強固に連結固定できることと
なる。
【0031】従って、従来の単なる圧入結合法では、圧
入結合時に引っ張り方向の引っ張り応力が発生するた
め、例えば実願平4−58447号に見られる様に、特
別なキャップを装着し、圧縮応力を加えて引っ張り応力
とバランスをとる必要があったが、全くこの様な必要も
なく、また従来の圧入結合法では本体側の装着孔の内径
寸法を精密に加工しなければならず、加工コストが嵩む
が、本方法では良好な材料で形成した装入パイプ材7を
塑性流動させるので、寸法精度はラフ寸法で良く、前加
工費も極めて安価になる。
【0032】ここで提供する方法は塑性流動を生じせし
める装入パイプ材7(カラー部材)を、温間成形温度、
即ち、該金属部材の再結晶温度近傍まで加熱すれば、塑
性流動性を更に高めることができ、極めて良好な結合作
業となり、一層優れた結合力を実現することができる。
【0033】
【実施例】本実施例はAl−Zn−Mg−Cu系、高強
度アルミニウム合金押出材を使用して冷間鍛造にて、ソ
ケット本体1を図面に示す形状に成形した。
【0034】ソケット本体1の大径部先端面にボルト,
ナット,その他の多角形部材が着脱可能に嵌まるソケッ
ト係合穴5及び該係合穴5の底に該係合穴5よりも小径
の逃げ穴6が開設されている。このソケット本体1の基
端面の中央部に装着孔3が開設され、この装着孔3に軸
体2が一体結合される。
【0035】また、高強度アルミニウム合金製のソケッ
ト本体1は冷間鍛造で製造された後に470℃で3時間
加熱保持した後60℃の温水で焼き入れし、115℃で
24時間加熱保持するT6熱処理が施されている。
【0036】また軸体2は鋼製であり、断面正六角形の
六角柱状に形成され、二面幅は6.35mmである。
【0037】また、装着孔3を前記軸体2に合致した多
角形孔とせずラフな丸孔としている。
【0038】表1に示す実験結果(比較例)のように、
装着孔3の孔径が小さく、挿入される軸体外接円との孔
径の差が大きくなるに従って、圧入荷重は大きくなり、
残留応力は大きくなる。このような残留応力は引っ張り
の残留応力であり、動力回転工具に装着し、ボルト,ナ
ットなどを締める時に発生する外力で容易に破断してし
まい、使用に耐えられないことになることを確認した。
【0039】そこで、本実施例ではソケット本体1の装
着孔3をこれに挿入する軸体2に対してラフ寸法に仕上
げ、強固に圧入することなく装着孔3に軸体2を挿入す
るが、本方法においては、更にソケット本体1の装着孔
3並びに装入パイプ材7をこれに挿入する軸体2に対し
てラフ寸法に仕上げ、装着孔3内に装入パイプ材7を配
設し、この装入パイプ材7内に強固に圧入することなく
軸体2を挿入する。
【0040】即ち、装着孔3内に軸体2をラフ挿入し、
このラフ間隙内に装入パイプ材7を配設する。
【0041】そして、プレス機構4などによって、例え
ば装着孔3の外側のソケット本体1を外側から支承保持
した状態で孔軸方向から装入パイプ材7を加圧する。
【0042】即ち、装入パイプ材7に孔軸方向並びに外
周方向から外圧を加える。
【0043】更に、前記装入パイプ材7若しくは前記軸
体2をソケット本体1に対して相対回動せしめる押圧回
転力も加える。
【0044】この押圧力と回転力(捩れ力)とによる加
圧(複合応力)によって、装入パイプ材7に良好な塑性
流動が生じて、装着孔3と軸体2とのラフ間隙や軸体2
の凹部にパイプ材のアルミ合金材などが入り込むなどし
て、軸体2を外側から圧迫し、軸体2が装着孔3内に圧
着固定されることとなる。
【0045】また、前記押圧力と回転力(捩れ力)とに
よる複合応力が装入パイプ材7に生じることとなるた
め、小さな荷重で充分な塑性流動を生じせしめることが
でき、これにより従来の圧入法などでは充填性の点で不
可能とされていた形状の凹部(溝)内にも確実に流入ア
ルミ材を充満させることが可能となり、残留応力の発生
も殆どない。
【0046】即ち,ソケット本体1の素材の耐久値の1
5〜30%程度の応力値で良好な塑性流動が生じ、残留
応力を生じさせることなく強固に連結固定できることと
なる。
【0047】本実施例の装入パイプ材7は、良好な塑性
流動を生じ得るアルミニウム合金A6061−0材で形
成し、長さは装着孔3の孔長より若干長めに形成し、加
圧し易くすると共に、十分な量が塑性流動によりラフ間
隙に流入するように構成している。
【0048】また、本実施例では、前述のようにソケッ
ト本体1には強度向上のためT6熱処理を施すが、装入
パイプ材7には施さずにT5熱処理あるいは焼鈍処理
(O処理)することにより、パイプ材7を軟らかくして
塑性流動がソケット本体1の耐久値に対する小さな荷重
で良好に生じるようにしている。
【0049】このソケット本体1の装着孔3の孔径を1
1.3mm一定とし、装入パイプ材7の孔径を種々変化し
て軸体2と一体化して、破断時の捩りトルク値と残留応
力値を測定した。
【0050】この結果を表1に示す。この実験結果から
も、この方法によれば、ソケット本体1が押圧・回転と
同時に塑性変形し、ラフ間隙や軸体2に形成された凹部
(溝部)とソケット本体1の装着孔3の微細な凹凸面に
塑性流動したアルミ材が装入されて、強固に結合され、
且つ残留応力の発生が少なく、優れた結合・一体化方法
であることが確認できた。
【0051】また、ここに示した比較例はソケット本体
1に六角形状の装着孔を形成し、これに同じ鋼製の軸体
を圧入して実験したもので、比較例Aは装着孔3の二面
幅を6.10mm,軸体の二面幅を6.35mmとしたもので
あり、比較例Bはソケット本体の装着孔の孔径を6.0
0mm,軸体の二面幅を6.35mmとして、比較検討し
た。
【0052】引き抜き力は、インストロン型万能試験機
にて、ソケット本体1と軸体2を夫々チャッキングして
引っ張り試験を実施して、破断時の引っ張り応力を測定
している。
【0053】また、捩りトルクは、ソケット本体1を固
定把持し、軸体2をトルク・レンチにて回転し、固定軸
体が緩み回転する時の捩りトルク値を測定した。
【0054】残留応力は、各種押圧力で複合一体化した
軸付きソケットの本体部に小型ストレインゲージを貼り
付け、軸体2を取り除き、ソケット本体1単独にして、
フリーにした時の残留応力を歪み計で測定し、残留応力
を計測した。
【0055】ここに示した様にここに提案する方法で
は、引っ張り破断荷重,破壊捩りトルク値は大きく、十
分実用に供し得ることが確認できた。これは、一体化時
の残留応力が微かであり、塑性流動されるアルミニウム
が、十分溝部などの隙間に充填されるためである。
【0056】これに比べ、従来提案されている方法で
は、圧入後の残留応力値が高く、引っ張り破断荷重,破
壊捩りトルク値は小さく実用的でない。
【0057】また、装着孔3と軸体2の間の装入パイプ
材7に押圧回転力を加え、軸体外側近傍へ部分的に良好
な塑性流動を起こし、引っ張り破断荷重,破壊捩りトル
ク共に良好な結果を示し、残留応力の発生も少なく実用
に十分供し得ることが確認できた。
【0058】これに比べ、比較例で示すものは特性が劣
ることが判る。また、強制的に圧縮応力を加え、一体化
圧入時に発生する残留応力を緩和したものでも得られる
特性が十分でないことが確認できた。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、従来の単なる圧入結合
法に比べて、装着孔は(装入パイプ材も)ラフ寸法とす
るから、精度の高い孔加工を施す必要もなく、装入パイ
プ材に孔軸方向並びに外周方向から加える押圧力と捩れ
力とによる複合応力が生じることとなり、このため、小
さな荷重で充分な塑性流動を生じせしめることができ、
これにより従来の圧入結合法などでは充填性の点で不可
能とされていた形状の凹部(溝)内にも確実に流入アル
ミ材を充満させることが可能となり、この良好な塑性流
動が生じることで、軸体を外側から圧迫し、軸体が装着
孔内に問題となるような残留応力を生じることなく強固
に圧着固定されることとなる。
【0061】従って、従来の単なる圧入結合法に比べ
て、引っ張り破断荷重,破壊捩りトルク共に良好な結果
を示し、残留応力の発生も少なく実用に十分供し得る極
めて秀れた軸付きソケットの製造方法となる。
【0062】また請求項2記載の発明においては、一層
装着孔の加工が容易となり、塑性流動による圧着が強固
となり一層秀れた軸付きソケットの製造方法となる。
【0063】また、更に請求項3記載の発明において
は、ソケット本体に比して装入パイプ材が軟らかくな
り、塑性流動がソケット本体の耐久値に対する小さな荷
重で良好に生じることとなる極めて画期的な軸付きソケ
ットの製造方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】装着孔の孔径と圧入荷重との関係を示したグラ
フである。
【図2】本実施例の完成状態の断面図である。
【図3】本実施例のプレス機構による加圧加工工程を示
すもので、加圧加工前の説明断面図である。
【図4】図3における要部の平断面図である。
【図5】本実施例のプレス機構による加圧加工工程を示
すもので、加圧加工後の説明断面図である。
【符号の説明】
1 ソケット本体 2 軸体 3 装着孔 7 装入パイプ材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソケット本体の基端に回転工具の出力部
    に着脱可能に取り付けられる多角形軸体を突設した軸付
    きソケットの製造方法において、ソケット本体はアルミ
    ニウム若しくはアルミニウム合金材で形成し、多角形軸
    体は鋼材で形成し、このソケット本体に基端を突出状態
    にして前記軸体を挿入固定し得る装着孔を形成し、加圧
    することにより塑性流動し得る材質で形成したアルミパ
    イプなどの装入パイプ材を前記装着孔に配設し、前記装
    着孔内の装入パイプ材の内側に前記軸体を挿入する際、
    軸体が圧入状態に挿入されて前記ソケット本体に残留応
    力が発生する孔径とせずに、この装着孔並びに装入パイ
    プ材を軸体の寸法に対してラフ寸法となる孔径に設定
    し、このラフ寸法に設定した装着孔内の装入パイプ材に
    軸体を挿入配設し、この装入パイプ材に孔軸方向並びに
    外周方向から外圧を加えると共に、前記装入パイプ材若
    しくは前記軸体をソケット本体に対して相対回動せしめ
    る押圧回転力を加えて、装入パイプ材に塑性流動を生じ
    せしめて軸体を装着孔内に装入パイプ材を介して圧着固
    定させることを特徴とする軸付きソケットの製造方法。
  2. 【請求項2】前記装着孔を前記軸体に合致した多角形孔
    とせず丸孔としたことを特徴とする請求項1記載の軸付
    きソケットの製造方法。
  3. 【請求項3】前記ソケット本体は予めT6熱処理を施
    し、前記装入パイプ材にはT6熱処理を施さず、残留応
    力の発生を抑制することを特徴とする請求項1,2のい
    ずれか1項に記載の軸付きソケットの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111055231A (zh) * 2018-10-17 2020-04-24 京都机械工具株式会社 前端工具

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