JPH09243518A - 車両車軸の疲労監視装置 - Google Patents

車両車軸の疲労監視装置

Info

Publication number
JPH09243518A
JPH09243518A JP5318896A JP5318896A JPH09243518A JP H09243518 A JPH09243518 A JP H09243518A JP 5318896 A JP5318896 A JP 5318896A JP 5318896 A JP5318896 A JP 5318896A JP H09243518 A JPH09243518 A JP H09243518A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stress
value
fatigue
axle
cumulative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5318896A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Minami
裕二 南
Hideaki Ishii
秀明 石井
Kenichi Yoshikawa
賢一 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP5318896A priority Critical patent/JPH09243518A/ja
Publication of JPH09243518A publication Critical patent/JPH09243518A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】車軸疲労状態の評価、疲労損傷発生に至るまで
の余寿命推定、及び定期検査時の保守実施判定を行うこ
とが可能となる車両車軸の疲労監視装置を得る。 【解決手段】走行中の車両の車軸1の応力をセンサ2で
計測した中から1の疲れ限界より大きいデータを抽出す
るフィルタリング手段31、該抽出データを所定期間入
力し、該入力毎に抽出した応力振幅値を累積加算する計
算手段32、1と同類の車軸に関する過去の走行で生じ
た疲労損傷の発生確率と前記疲労損傷が発生するまでに
作用した応力振幅値累積値の疲労損傷の発生確率データ
を格納したデータベース33、該疲労損傷の発生確率デ
ータ上での許容不可能な疲労損傷の発生確率の下限値を
与える応力振幅値の累積値から、32で計算した応力振
幅値の累積値を減算し、該減算値が零又は負値である場
合、1の疲労余裕はなしと評価する評価手段34を具備
したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両等の走行
中の車軸に作用した変動応力(ストレス)の時間累積を
監視することで車軸疲労の程度の評価、疲労損傷発生に
至るまでの余寿命推定、及び定期検査時の保守実施判定
を行うことが可能な車両車軸の疲労監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道車両車軸の保守は時間基準保
全が主である。保全周期が車両の走行距離、走行時間で
あらかじめ定められ、その周期で保守検査を行ってい
る。車両の保守検査では、解体検査(台車からの車軸の
取り外し)で疲労による損傷を検査するための非破壊検
査技術として超音波や磁気を使用した探傷検査(超音波
探傷検査、磁気探傷検査など)が行われている。
【0003】この時間基準保全の保守検査周期は車軸の
疲労状態に関わらず、定めた周期で検査を行うので、異
常がないのに検査時間を費やすことが多い。すなわち、
異常有無に関わらず検査するという過剰検査が多くなる
ので、不要な検査コストがかかるとともに、保守時間も
長くなる。
【0004】この時間基準保全の欠点を改善する保全方
式に状態基準保全の考えがある。状態基準保全は、設備
の状態(機能、特性など)を監視し、その状態監視から
設備異常の兆候を早期に検知し、設備の故障を回避する
ための保全を事前に行う(予防保全とも言う)。
【0005】この状態基準保全では、異常の兆候を検知
して、はじめて保守を実施するので、過剰な保守がなく
なり、検査コストの低減及び車両稼働率の向上を図るこ
とができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】鉄道車両車軸の疲労破
壊は車軸に疲労損傷(疲れ亀裂)が発生し、それが成長
して破壊に至るものである。車軸に疲労損傷が発生すれ
ば早急に補修するか交換しなければならない。よって、
車軸の疲労破壊に対しては、疲労損傷を早期に検知し、
予防保全を実施することが重要である。
【0007】通常、状態基準保全では、設備異常のシグ
ナルが物理的に現れる設備内部信号または外部出力信号
を状態監視の対象とする。これを車軸の疲労保全に適用
しようとすると監視対象となる状態量は車軸の振動信号
などが考えられる。
【0008】しかし、微少な疲労損傷を振動データなど
から検知する精度が得られない現状において、状態監視
するために他の状態量(監視指標)が必要になる。そこ
で本発明は、走行中の車軸に作用する変動応力(ストレ
ス)に着目し、このストレスの累積作用状態を監視(監
視指標)し、疲労損傷発生を発生確率でとらえ、車軸疲
労状態の評価、疲労損傷発生に至るまでの余寿命推定、
及び定期検査時の保守実施判定を行うことが可能となる
車両車軸の疲労監視装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に対応する発明は、走行中の車両の車軸に作用
する応力振幅値のデータを計測する応力計測手段と、前
記応力計測手段で計測した応力振幅値の中から前記車軸
の疲れ限界より大きい応力振幅値を持つ応力データを抽
出するフィルタリング手段と、前記フィルタリング手段
で抽出した応力データを所定期間入力し、該入力毎に、
前記抽出した応力振幅値を累積加算して応力振幅値の累
積値データを計算する累積応力計算手段と、前記車軸と
同類の車軸に関する「過去の走行で生じた疲労損傷の発
生確率と前記疲労損傷が発生するまでに作用した応力振
幅値の累積値」の発生確率データを格納した疲労損傷デ
ータベースと、前記疲労損傷データベースからの疲労損
傷の発生確率データを入力し、前記疲労損傷の発生確率
データ上での許容不可能な疲労損傷の発生確率の下限値
を与える応力振幅値の累積値と、前記累積応力計算手段
で計算した前記応力振幅値の累積値とを比較して前記車
軸の疲労度を評価する疲労余裕評価手段とを具備した車
両車軸の疲労監視装置である。
【0010】請求項1に対応する発明によれば、車軸に
作用するストレスの累積状況(応力振幅値の累積値)を
監視することにより、任意の累積走行距離における「車
軸疲労の程度」を評価することが可能になる。
【0011】前記目的を達成するため請求項2に対応す
る発明は、走行中の車両の車軸に作用する応力振幅値の
データを計測する応力計測手段と、前記応力計測手段で
計測した応力振幅値の中から前記車軸の疲れ限界より大
きい応力振幅値を持つ応力データを抽出するフィルタリ
ング手段と、前記フィルタリング手段で抽出した応力デ
ータを所定期間入力し、該入力毎に、前記抽出した応力
振幅値を累積加算して応力振幅値の累積値データを計算
する累積応力計算手段と、前記車軸と同類の車軸に関す
る「過去の走行で生じた疲労損傷の発生確率と前記疲労
損傷が発生するまでに作用した応力振幅値の累積値」の
発生確率データを格納した疲労損傷データベースと、前
記疲労損傷データベースからの疲労損傷の発生確率デー
タを入力し、前記疲労損傷の発生確率データ上での許容
不可能な疲労損傷の発生確率の下限値を与える応力振幅
値の累積値と、前記累積応力計算手段で計算した前記応
力振幅値の累積値とを比較して前記車軸の疲労度を評価
する疲労余裕評価手段と、前記累積応力計算手段で計算
した応力振幅値の累積値の履歴データを格納する応力履
歴データベースと、前記応力履歴データベースに格納さ
れた前記履歴データと、前記疲労余裕評価手段で評価し
た結果とを入力し、前記履歴データの増加率を計算し、
該履歴データの増加率に伴って前記車軸の応力振幅値の
累積値が増加していくと仮定し、該仮定により、現在の
前記車軸の疲労余裕がなくなるまでの前記車軸の余寿命
を推定する余裕寿命推定手段とを具備した車両車軸の疲
労監視装置である。
【0012】請求項2に対応する発明によれば、車軸に
作用するストレスの累積状況(応力振幅値の累積値)を
監視することで、任意の累積走行距離において、「車軸
疲労損傷の余寿命」を推定することが可能になる。
【0013】前記目的を達成するため、請求項3に対応
する発明は、前記疲労余裕評価手段は、前記疲労損傷デ
ータベースからの疲労損傷の発生確率データを入力し、
前記疲労損傷の発生確率データ上での許容不可能な疲労
損傷の発生確率の下限値を与える応力振幅値の累積値か
ら、前記累積応力計算手段で計算した前記応力振幅値の
累積値を減算し、該減算値が正値の場合、「前記車軸は
前記減算値分の疲労余裕がある」とし、前記減算値が零
又は負値である場合、「前記車軸の疲労余裕はなし」と
評価するものである請求項1または請求項2記載の車両
車軸の疲労監視装置である。
【0014】請求項3に対応する発明によれば、車軸に
作用するストレスの累積状況(応力振幅値の累積値)を
監視することにより、任意の累積走行距離における「車
軸疲労の程度」を評価することが可能になる。
【0015】前記目的を達成するため、請求項4に対応
する発明は、前記余寿命推定手段で推定した前記車両車
軸の定期検査時における余寿命データを入力し、前記定
期検査時から次回定期検査時までの推定余寿命を前記余
寿命から減算した値が負値である場合、「前記車両車軸
の保守が必要」と判定し、前記余寿命から前記推定余寿
命を減算した値が零または正値である場合、「前記車両
車軸の保守が不必要」と判定する保守判定手段とを具備
した請求項2記載の車両車軸の疲労監視装置である。
【0016】請求項4に対応する発明によれば、定期検
査時における余寿命データを入力し、定期検査時から次
回定期検査時までの例えば推定累積走行距離から前記余
寿命を減算した値を計算するので、定期検査時での車軸
の余寿命を推定できる。また、請求項4に対応する発明
によれば、前記減算値が負値である場合、「前記車軸の
保守が必要」と判定し、前記減算した値が零または負値
である場合、「前記車軸の保守は不必要」と判定するの
で、車軸に作用するストレスの累積状況(応力振幅値の
累積値)を監視することで、定期検査時での疲労寿命の
推定値から保守実施の有無の判定ができる。
【0017】前記目的を達成するため、請求項5に対応
する発明は、走行中の車両の車軸に作用する応力振幅値
のデータを計測する応力計測手段と、前記応力計測手段
で計測した応力振幅値の中から前記車軸の疲れ限界より
大きい応力振幅値を持つ応力データを抽出するフィルタ
リング手段と、前記フィルタリング手段で抽出した応力
データの応力振幅値が前記車両車軸に繰り返し作用した
場合に前記車両車軸が疲労破壊するまでの前記繰り返し
回数であるサイクル寿命を求め、該サイクル寿命と前記
「抽出した応力データ」の応力振幅値と前記車軸の疲れ
限界の応力振幅値と前記疲れ限界を与える限界繰り返し
回数とから応力振幅値の重み値を演算し、前記重み値と
前記「抽出した応力データ」の応力振幅値との積値を計
算(重み付け)する重み付け手段と、前記重み付け手段
で重み付けした応力振幅値の累積値を計算する累積応力
計算手段と、前記車軸と同類の車軸に関する「過去の走
行で生じた疲労損傷の発生確率と前記疲労損傷が発生す
るまでに作用した重み付けした応力振幅値の累積値」の
発生確率データを格納した疲労損傷データベースと、前
記累積応力計算手段で計算した重み付けした応力振幅値
の累積値データと前記疲労損傷データベースから疲労損
傷の発生確率データとを入力し、前記疲労損傷の発生確
率データ上での許容不可能な「疲労損傷の発生確率」の
下限値を与える「重み付けした応力振幅値の累積値」と
前記「応力累積計算手段で計算した重み付けした応力振
幅値の累積値」とを比較して前記車軸の疲労度を評価す
る疲労余裕評価手段とを具備した車両車軸の疲労監視装
置である。
【0018】請求項5に対応する発明よれば、累積応力
計算手段において、重み付け手段で重み付けした応力振
幅値を逐次入力し、入力毎に、「重み付けした応力振幅
値」を逐次加算することで、重み付けした応力振幅値の
累積値を計算するので、重み付けしない場合より、車軸
疲労損傷に与える影響因子としては強い相関を与える指
標(重み付けした応力振幅値の累積値)を提供でき、車
軸と同類の車軸に関する「過去の走行で生じた疲労損傷
の発生確率と疲労損傷が発生するまでに作用した重み付
けした応力振幅値の累積値」の確率統計データ(フィー
ルド統計データ)を格納した疲労損傷データベースを装
備することで、フィールドで過去発生した車軸の疲労損
傷事例をデータとして使用でき、累積応力計算手段で計
算した重み付けした応力振幅値の累積値データを入力
し、疲労損傷データベースから疲労損傷の発生確率デー
タを入力し、前記疲労損傷の発生確率データ上での許容
不可能な「疲労損傷の発生確率」の下限値を与える「重
み付けした応力振幅値の累積値」から前記「応力累積計
算手段で計算した重み付けした応力振幅値の累積値」を
減算するので、疲労損傷するまでに(設定した発生確率
に至るまでに)、受けることが可能なストレス総量(残
「重み付けした応力振幅値の累積量」)を定量化するこ
とが可能になる。
【0019】前記目的を達成するため、請求項6に対応
する発明は、走行中の車両の車軸に作用する応力振幅値
のデータを計測する応力計測手段と、前記応力計測手段
で計測した応力振幅値の中から前記車軸の疲れ限界より
大きい応力振幅値を持つ応力データを抽出するフィルタ
リング手段と、前記フィルタリング手段で抽出した応力
データの応力振幅値が前記車両車軸に繰り返し作用した
場合に前記車両車軸が疲労破壊するまでの前記繰り返し
回数であるサイクル寿命を求め、該サイクル寿命と前記
「抽出した応力データ」の応力振幅値と前記車軸の疲れ
限界の応力振幅値と前記疲れ限界を与える限界繰り返し
回数とから応力振幅値の重み値を演算し、前記重み値と
前記「抽出した応力データ」の応力振幅値との積値を計
算(重み付け)する重み付け手段と、前記重み付け手段
で重み付けした応力振幅値の累積値を計算する累積応力
計算手段と、前記車軸と同類の車軸に関する「過去の走
行で生じた疲労損傷の発生確率と前記疲労損傷が発生す
るまでに作用した重み付けした応力振幅値の累積値」の
発生確率データを格納した疲労損傷データベースと、前
記累積応力計算手段で計算した重み付けした応力振幅値
の累積値データと前記疲労損傷データベースから疲労損
傷の発生確率データとを入力し、前記疲労損傷の発生確
率データ上での許容不可能な「疲労損傷の発生確率」の
下限値を与える「重み付けした応力振幅値の累積値」と
前記「応力累積計算手段で計算した重み付けした応力振
幅値の累積値」とを比較して前記車軸の疲労度を評価す
る疲労余裕評価手段と、前記累積応力計算手段で計算し
た「重み付けした応力振幅値の累積値」の履歴データを
格納する応力履歴データベースと、前記応力履歴データ
ベースに格納された前記履歴データと前記疲労余裕評価
手段で評価した結果とを入力し、前記車両車軸の余寿命
を推定する余寿命推定手段とを具備した車両車軸の疲労
監視装置である。
【0020】請求項6に対応する発明によれば、請求項
5の作用に加えて次のような作用が得られる。すなわ
ち、応力履歴データベースを装備するので、応力履歴を
データとして随時使用できる。余寿命推定手段を装備す
るので、未来の累積走行距離でのストレス累積状況(重
み付けした応力振幅値の累積値)の予測が過去の傾向の
みから容易に決定できる。この結果、監視する「重み付
けした応力振幅値の累積値」が重み付けしない場合よ
り、車軸疲労損傷発生と強い相関があるので、請求項2
の車軸余寿命推定装置より精度の高い余寿命推定が可能
になる。
【0021】前記目的を達成するため、請求項7に対応
する発明は、前記疲労余裕評価手段は、前記累積応力計
算手段で計算した重み付けした応力振幅値の累積値デー
タを入力し、前記疲労損傷データベースから疲労損傷の
発生確率データを入力し、前記疲労損傷の発生確率デー
タ上での許容不可能な「疲労損傷の発生確率」の下限値
を与える「重み付けした応力振幅値の累積値」から前記
「応力累積計算手段で計算した重み付けした応力振幅値
の累積値」を減算し、該減算値が正値の場合、「前記車
軸は前記減算値分の疲労余裕がある」とし、前記減算値
が零又は負値である場合、「前記車軸の疲労余裕はな
し」と評価するものである請求項5または請求項6記載
の車両車軸の疲労監視装置である。
【0022】請求項7に対応する発明によれば、前記疲
労余裕評価手段の出力である減算値が正値の場合、「前
記車軸は前記減算値分の疲労余裕がある」とし、減算値
が零又は負値である場合、「前記車軸の疲労余裕はな
し」と評価するので、車軸に作用するストレスの累積状
況(重み付けした応力振幅値の累積値)を監視すること
で、任意の累積走行距離における「車軸疲労の程度」を
評価することが可能になる。
【0023】前記目的を達成するため、請求項8に対応
する発明は、前記余寿命推定手段で推定した前記車両車
軸の定期検査時における余寿命データを入力し、前記定
期検査時から次回定期検査時までの推定累積走行距離を
前記余寿命から減算した値が負値である場合、「前記車
両車軸の保守が必要」と判定し、前記余寿命から前記推
定累積走行距離を減算した値が零または正値である場
合、「前記車両車軸の保守が不必要」と判定する保守判
定手段とを具備した請求項6記載の車両車軸の疲労監視
装置。
【0024】請求項8に対応する発明によれば、請求項
6の作用に加えて次のような作用が得られる。すなわ
ち、保守判定手段を装備するので、監視する「重み付け
した応力振幅値の累積値」が重み付けしない場合より、
車軸疲労損傷発生と強い相関があるので、請求項3の車
軸保守支援装置より精度の高い保守判定が可能になる。
【0025】前記目的を達成するため、請求項9に対応
する発明は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のフ
ィルタリング手段として、前記応力計測手段で計測した
応力振幅値の中であって予め設定した前記入力データ数
毎に、前記データ数分の中で最大の応力振幅値を持ち、
且つ、前記車軸の疲れ限界より大きい応力のデータを抽
出するものを用いるようにした車両車軸の疲労監視装置
である。
【0026】請求項9に対応する発明によれば、請求項
1〜8のいずれかに記載のフィルタリング手段を変更す
ることにより、請求項1〜8の作用に加えて次のような
作用が得られる。すなわち、該フィルタリング手段に置
き換えるので、車軸疲労損傷に最も影響力の大きい応力
にだけを抽出し、車軸の疲労評価、車軸の余寿命の推
定、車軸の保守判定のいずれかを行うことができる。
【0027】前記目的を達成するため、請求項10に対
応する発明は、請求項5、請求項6、請求項8のいずれ
かに記載の重み付け手段として、車軸の疲れ限界を与え
る限界繰り返し回数を前記車軸疲労評価装置のフィルタ
リング手段で抽出し応力振幅値のサイクル寿命で除算
し、前記除算した値を前記「抽出した応力振幅値」の重
み値とし、前記重み値と前記「抽出した応力振幅値」と
の積値を計算(重み付け)するものを用いるようにした
車両車軸の疲労監視装置である。
【0028】請求項10に対応する発明によれば、請求
項5、請求項6、請求項8のいずれかに記載の重み付け
手段を変更することにより、請求項5,6,8の作用に
加えて次のような作用が得られる。すなわち、サイクル
寿命で重み付けした応力振幅値を監視し、車軸の疲労評
価、車軸の余寿命の推定、車軸の保守判定のいずれかを
行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明するが、始めに実施形態の説明に使用する用語「疲
れ限界」、「疲労余裕」、「同類の車軸」についてその
意味する点を明らかにしておく。
【0030】「疲れ限界」の意味 車軸に繰り返し応力が生じると、車軸は疲労し、最終的
には疲労破壊に至る。この場合、いくら繰り返し作用し
ても疲労破壊しない応力振幅値の上限値を疲れ限界と言
う。
【0031】「疲労余裕」の意味 変動応力が作用した車軸に疲労破壊初期現象である疲労
損傷(疲れ亀裂)が発生するまでに、今後、作用するこ
とが可能な応力振幅値の累積値を「疲労損傷するまでの
疲労の余裕」と定義し、これを該明細書では車軸の疲労
余裕と呼ぶ。
【0032】「車軸と同類の車軸」の意味 車軸の構成材料,寸法,用途が同じ種類の車軸のことで
ある。 <第1の実施形態> (第1の実施形態の構成)図1に示すように、走行中の
例えば鉄道車両の車軸1に作用する応力振幅値のデータ
を逐次計測する応力計測手段例えばセンサ2、センサ2
で計測した応力振幅値を入力し、概略以下のような構成
の車軸疲労評価装置で車軸の評価を行う。すなわち、セ
ンサ2で計測した応力振幅値の中から車軸1の疲れ限界
より大きい応力振幅値を持つ応力データを抽出するフィ
ルタリング手段31と、該フィルタリング手段31で抽
出した応力データを所定期間入力し、該入力毎に、前記
抽出した応力振幅値を累積加算して応力振幅値の累積値
データを計算する累積応力計算手段32と、車軸1と同
類の車軸に関する「過去の走行で生じた疲労損傷の発生
確率と前記疲労損傷が発生するまでに作用した応力振幅
値の累積値」の発生確率データを格納した疲労損傷デー
タベース33と、疲労損傷データベース33からの疲労
損傷の発生確率データを入力し、疲労損傷の発生確率デ
ータ上での許容不可能な疲労損傷の発生確率の下限値を
与える応力振幅値の累積値から、累積応力計算手段32
で計算した応力振幅値の累積値を減算し、該減算値が正
値の場合、「前記車軸は前記減算値分の疲労余裕があ
る」とし、前記減算値が零又は負値である場合、「前記
車軸の疲労余裕はなし」と評価する疲労余裕評価手段3
4とを具備した構成されている。
【0033】すなわち、車軸疲労評価装置3は車両車軸
1に設置したセンサ2で逐次計測した車軸1に作用する
応力データ(a)を逐次入力し、入力した応力データ
(a)の中から車軸1の材料種別により決まる疲れ限界
より大きい応力振幅を持つ応力データ(b)を抽出する
フィルタリング手段31と、フィルタリング手段31で
抽出した応力データ(b)を逐次入力し、入力毎に、応
力(b)の応力振幅値を逐次加算することで、応力振幅
値の累積値(c)を計算する累積応力計算手段32と、
車軸1と同類の車軸(後述する)において、過去の走行
で生じた疲労損傷の発生確率データ(d)を格納した疲
労損傷データベース33と、累積応力計算手段32で計
算した応力振幅値の累積値(c)データを入力し、疲労
損傷データベース33から応力振幅値の累積値に対する
疲労損傷発生の確率データ(d)を入力し、疲労損傷の
発生確率データ(d)上での許容不可能な「疲労損傷の
発生確率」の下限値を与える応力振幅値の累積値から応
力振幅値の累積値(c)を減算し、前記減算値が正値の
場合、「車軸1は前記減算値分の疲労余裕がある」と
し、前記減算値が零又は負値である場合、「車軸1の疲
労余裕はなし」と評価する疲労余裕評価手段34とから
構成されている。
【0034】このように構成されているので、以下の作
用効果が得られる。すなわち、センサ2で逐次計測され
る車軸1に作用する応力(垂直方向に作用する力)のデ
ータは、フィルタリング手段31において逐次入力さ
れ、ここで応力振幅値(フィールド統計データ)の中か
ら車軸1の疲れ限界より大きい応力振幅値を持つデータ
を抽出する。この抽出された応力振幅値のデータは、累
積応力計算手段32で逐次加算される。この結果、走行
中の車軸1に作用する変動応力(発生時間、大きさにお
いて不確実なストレス)に対し、車軸1の疲労損傷に影
響を与える大きさを持つ応力のみを監視し、ストレスの
累積度合いを把握することが可能になる。
【0035】疲労損傷データベースでは、車軸1と同類
の車軸に関する「過去の走行で生じた疲労損傷の発生確
率と、疲労損傷が発生するまでに作用した応力振幅値の
累積値」の確率統計データが格納されており、このため
フィールドで過去発生した車軸1の疲労損傷事例をデー
タとして使用できる。
【0036】また、疲労余裕評価手段34では、累積応
力計算手段32で計算した応力振幅値の累積データを入
力し、該疲労損傷データベース33から疲労損傷の発生
確率データを入力し、疲労損傷の発生確率データ上での
許容不可能な「疲労損傷の発生確率」の下限値を与える
応力振幅値の累積値から該累積応力計算手段32で計算
した応力振幅値」を減算するので、疲労損傷するまでに
(設定した発生確率に至るまでに)、受けることが可能
なストレス総量(残「応力振幅値の累積量)を定量化す
ることが可能になる。疲労余裕評価手段34は、該減算
値が正値の場合、「車軸1は前記減算値分の疲労余裕が
ある」とし、前記減算値が零または負値である場合、
「前記車軸1の疲労余裕はなし」と評価するので、車軸
1に作用するストレスの累積状況(圧力振幅値の累積
値)を監視することで、任意の累積走行距離における
「車軸疲労の程度」を評価することが可能になる。
【0037】しかして、前記累積応力計算手段32で計
算した応力振幅値の累積値(c)の履歴データを格納す
る応力履歴データベース42と、応力履歴データベース
42に格納された車軸1の応力振幅値の累積値(c)の
履歴データ(f)を入力し、疲労余裕評価手段34で評
価した結果(e)を入力し、履歴データ(f)の回帰近
似により、前記鉄道車両の累積走行距離に対する履歴デ
ータ(f)の増加率を計算し、前記増加率で未来の累積
走行距離における車軸1の応力振幅値の累積値が増加す
ると仮定し、前記仮定により、現在の車軸1の疲労余裕
が零値になるまでの前記鉄道車両の累積走行距離(余寿
命)(g)を推定する余寿命推定手段41と、余寿命推
定手段41で推定した前記鉄道車両の定期検査時におけ
る余寿命(g)を入力し、前記定期検査時から次回定期
検査時までの推定累積走行距離から余寿命(g)を減算
した値が正値である場合、「車軸1の保守が必要」と判
定し、前記定期検査時から次回定期検査時までの推定累
積走行距離から余寿命(g)を減算した値が零又は負値
である場合、「車軸1の保守は不必要」と判定(h)
し、判定(h)を外部へ出力する保守判定手段43とが
連動して動作する車軸保守支援装置4を備えている。
【0038】(第1の実施形態の作用)以上のように構
成した第1の実施形態の作用について、図2のフローチ
ャートを参照して説明する。走行中の鉄道車両の車軸1
には、車体,台車から受ける変動荷重により、変動応力
(a)が生じる。この応力の応力振幅値(a)を鉄道車
両に設置したセンサ2より逐次計測し、この逐次計測し
た応力振幅値(a)をフィルタリング手段31へ入力す
る。
【0039】ここで、応力(a)を計測するための応力
計測手段例えばセンサ2について具体例を1つ述べる。
図3は鉄道車両の台車の概略図を示す。図3では、車体
Aと台車台枠Cが枕ばね(空気バネ)Bで接続され、車
輪Eは台車台枠Cの内側にあり、車軸1の両端には軸箱
Fがあり、車軸1への衝撃緩和のため台車台枠Cに軸バ
ネGが設置されている。
【0040】この場合、車軸1は軸バネGを通して車体
A,台車から変動荷重を受ける。この変動荷重は軸バネ
Gより車軸1に垂直に作用する。応力計測の一例とし
て、この変動荷重により車軸1に作用する垂直応力をセ
ンサ2より計測する方法を述べる。
【0041】この変動荷重は軸バネGから受けるので、
軸バネGのたわみ(バネ伸縮の変位)Xを計測すれば、
バネ定数により荷重を計算することができる。いま、こ
の変位Xを変位変換器21で計測し、変換値(a1)を
応力計算手段22が入力し、応力(a)を計算する。こ
の応力(a)のデータは車軸疲労評価装置3に出力され
る。
【0042】変位変換器21は変位を電気,光の信号に
変換し、応力計算手段22では、この変換を逆変換し
て、変位を求め、この変位から荷重を換算し、応力を計
算する。
【0043】以上の応力計測方法で、変位変換器21と
して差動変圧器Iを使用した例を図4に基づき、説明す
る。図4は軸箱Fに金属棒(測定棒)Hを固定し、その
測定棒Hの先端に磁性体コアJを接続し、この磁性体コ
アJの変位を台車台枠Cに固定した差動変圧器Iで電圧
に変換し、この変換電圧(a1)を応力計算手段22へ
出力する構成を示している。
【0044】軸バネGの変位は磁性体コアJの変位であ
るので、この磁性体コアJの変位を測定すればよい。差
動変圧器Iは入力電圧側の1次コイル,出力電圧側の2
次コイルの間で磁性体コアJを動かすことで、出力電圧
が磁性体コアJの位置に依存して変化することを利用し
た変位変換器21である。差動変圧器Iでは、磁性体コ
アJの位置と出力電圧(a1)の関係(出力特性)が仕
様として与えられている。この出力特性を応力計算手段
22にテーブルとして装備させておく。
【0045】応力計算手段22はこの出力特性仕様に従
い、差動変圧器Iの出力電圧(a1)を変位に変換す
る。例えば、差動変圧器Iの出力特性が出力電圧V,磁
性体コアJの位置Xに対し、次の直線特性を示すとする
と、 V=α×X …(1) 但し、αは比例定数で仕様で与えられる。
【0046】よって、 X=V/a …(2) この(2)式により、出力電圧Vから変位の絶対値Xが
逆変換できる。
【0047】ここで、逆変換した変位の絶対値Xによ
り、軸バネGにかかる荷重Wは(3)式で計算できる。 W=K×X …(3) 但し、K:バネ定数、X:変位の絶対値 いま、軸バネGを通して荷重が車軸1に作用する接触面
の面積をMとすると、応力σは(4)式で与えられる。
【0048】 σ=W/M …(4) 差動変圧器I以外の変位変換器(可変抵抗など)でも同
様の手順で使用できる。また、測定棒Hを使用せず、非
接触で変位Xを光センサで測定する方法もある。
【0049】さらに、図3の車体に設置した振動計で、
車体振動の加速度を測定し、枕バネB上の重量と前記加
速度の積をとると、この積値は枕バネBが車体Aから受
ける荷重となる。
【0050】枕バネBにかかる荷重が車軸1にどの程度
作用するか、その比率を実験等で明らかにしておけば、
枕バネBにかかる荷重とその比率から車軸1にかかる荷
重が推定できる。このように応力を推定する方法もあ
る。
【0051】(ステップS1)図5はフィルタリング手
段31で、フィルタリングする様子を示している。図5
では、鉄道車両の累積走行距離Dに対して、計測された
と想定した応力振幅σW の値(図中の白丸点)をプロッ
トし、折れ線グラフで表示した応力振幅波形σである。
同図中の疲れ限界σL は車軸の材料強度から決まる値で
あり、通常、疲労破壊試験(車軸材料が疲労破壊するま
で、一定の応力振幅を繰り返し車軸材料に作用させる試
験)より決定される。フィルタリング手段31では、こ
の疲れ限界σL より大きい応力振幅値を抽出する。
【0052】図5では、累積走行距離D1 ,D2 ,D
3 ,D4 ,D5 に対するプロット点P1 ,P2 ,P3
4 ,P5 の各応力振幅値σ1 ,σ2 ,σ3 ,σ4 ,σ
5 が疲れ限界σL より大きい。よって、 (累積走行距離,応力振幅値):(D1 ,σ1 ),(D
2 ,σ2 ),(D3 ,σ3 ),(D4 ,σ4 ),(D
5 ,σ5 ) の各応力データ(b)が、計測毎に抽出される。(ステ
ップS2) 累積応力計算手段32では、フィルタリング手段31で
抽出した応力データ(b)を逐次加算する。すなわち、
各累積走行距離で車軸1に作用した疲れ限界σL より大
きい応力振幅値の累積値を計算する。この応力振幅値の
累積値(c)を図5に基づき、具体的に示すと、累積走
行距離の初期値DO 〜現在の累積走行距離DN までの間
の応力振幅値の累積値Sは、 応力振幅値の累積値S=σ1 +σ2 +σ3 +σ4 +σ5 …(5) で与えられる。(ステップS3) 累積応力計算手段32では、計算した「任意の累積走行
距離での応力振幅値の累積値」(c)を応力履歴データ
ベース42に格納する。(ステップS4)以上ステップ
S1〜ステップS4はセンサ2で応力(a)が逐次計測
される毎に繰り返される。(プロセスP1) 疲労余裕評価手段34では、車軸1の疲労余裕を計算・
評価する。
【0053】以下、疲労余裕の計算とその評価方法を図
6に基づき説明する。疲労損傷データベース33には、
車軸1と同類の車軸に関し、過去の走行で生じた疲労損
傷の発生頻度とそのときの応力振幅値の累積値との実績
値より、統計上推定される疲労損傷の発生確率密度関数
データ(d)が格納されている。
【0054】この疲労損傷データベース33の構築方法
を簡単に述べる。日常運転において、車軸に作用する応
力振幅値の累積値をカウントし、定期検査時の非破壊検
査(超音波探傷検査など)で車軸疲労損傷を発見した
ら、その損傷車軸に対してカウントした応力振幅値の累
積値を調べる。
【0055】そして、この応力振幅値の累積値と損傷発
生頻度から頻度グラフを作成し、その頻度グラフの分布
形状から発生確率密度関数を推定すればよい。ここで、
前述の車軸1と同類の車軸とは、車軸の構成材料,寸
法,用途が同じ種類の車軸である。
【0056】疲労余裕評価手段34は疲労損傷データベ
ース33に格納されている車軸1と同類の車軸に関する
疲労損傷の発生確率密度関数データ(d)を入力する。
(ステップS5) この疲労損傷の発生確率密度関数データ(d)より、許
容不可能な「疲労損傷の発生確率」の下限値(以後、限
界疲労発生確率と呼ぶ)を与える応力振幅値の累積値
(以後、限界累積応力と呼ぶ)を計算する。但し、限界
疲労発生確率は本実施形態の装置使用者が設定する値で
ある。
【0057】図6では、応力振幅値の累積値Sに対する
疲労損傷の発生確率密度関数Fを略図として示してい
る。いま、限界累積応力をSMAX 点とすると、このS
MAX 点より左へ超過した発生確率密度関数Fの面積(図
中の斜線部分)が限界疲労発生確率PS となる。逆に、
図中の斜線部分の面積PS が決まればSMAX が与えられ
る。
【0058】このSMAX 点の計算方法は次の2通りあ
る。 (方法1)疲労損傷の発生確率密度関数Fの「応力振幅
値の累積値S」に関する積分値FP (疲労損傷の発生確
率の分布関数)を計算し、その逆関数FP -1に限界疲労
発生確率PS を代入して(6)式のSMAX を得る。
【0059】
【数1】
【0060】(方法2)疲労損傷の発生頻度を正規分布
で近似すれば、統計学上よく使われている正規分布表
(確率変数値とその値をとる確率値の一覧表)をテーブ
ルとして装備し、限界疲労発生確率PS に対する確率変
数である応力振幅値の累積値Sを参照すればよい。な
お、一覧表中になければ補間で計算すれば求めることが
できる。
【0061】また、他の分布で近似した場合も統計学
上、用意されている分布表をテーブルとして装備し、そ
れを参照すればよい。 (ステップS
6) このようにして計算した限界累積応力SMAX を使用し
て、疲労余裕MS を(7)式で計算する。
【0062】 疲労余裕MS =SMAX −S1 …(7) 但し、S1 :車軸1に作用した応力振幅値の累積値
(c) (ステップS7) ここで、 疲労余裕MS ≦0である場合 車軸1の疲労損傷の発生確率が限界疲労発生確率PS
等しいか又は大きいので、「車軸1の疲労余裕はない」 疲労余裕MS >0である場合 車軸1の疲労損傷の発生確率が限界疲労発生確率PS
り小さいので、「車軸1はMS (>0)の疲労余裕があ
る」と評価する。(ステップS8) 余寿命推定手段41では、疲労余裕評価手段34で評価
した結果に基づき、次の処理1又は処理2を行う。(ス
テップS9) (処理1)「車軸1はMS (>0)の疲労余裕がある」
と評価された場合 「応力履歴データ(f)を回帰近似し、過去から現在ま
での累積走行距離に対する応力振幅値の累積値の増加率
を計算する」以下、作用を述べる。
【0063】「疲労余裕評価手段34において、疲労余
裕MS の計算に使用した限界累積応力SMAX と車軸1に
作用した応力振幅値の累積値S1 及び、評価した結果」
(e)を入力し、さらに、応力振幅値がS1 となった累
積走行距離より一定距離数だけ過去にさかのぼって、そ
の間に受けた任意の累積走行距離での応力振幅値の累積
値の履歴データ(f)を応力履歴データベース42から
入力する。(ステップS10) 図7を例に、応力振幅値の累積値の増加率を計算する方
法を説明する。
【0064】同図では、車軸1の鉄道車両の累積走行距
離DA (初期値)から現在の累積走行距離DB までの応
力振幅値の累積値の履歴データを白丸点で図示(説明の
ために簡略化した略図)している。
【0065】現在の累積走行距離DB で車軸1の疲労余
裕MSB(=SMAX −SB )は正値である。いま、累積走
行距離DA での「応力振幅値の累積値SA 」の点PA
ら累積走行距離DB の点PB 間での履歴データを回帰近
似する。回帰近似は最小二乗法で計算する。ここで、回
帰近似した回帰線(又は回帰曲線)より、累積走行距離
Dに対する増加率が決定できる。
【0066】例えば、一次の回帰近似を行った場合を例
に説明する。一次の回帰近似では、最小二乗法により、
(8)式のパラメータβ,γが決定される。
【0067】 一次近似の回帰線FS :S=β×D+γ …(8) 但し、S:応力振幅値の累積値 D:累積走行距離 このときのβが累積走行距離に対する応力振幅値の累積
値の増加率となる。
【0068】回帰近似の近似次数に関しては、近似誤差
が実用上、許容できる範囲に入る次数で近似すればよ
い。これは履歴データ(f)の実績値のトレンドにより
決まる。(ステップS11) 回帰近似で計算した「累積走行距離に対する応力振幅値
の増加率」より、未来の累積走行距離での「車軸1に作
用する応力振幅値の累積値」を予測する。
【0069】この予測にあたり、本実施形態では次の仮
定を導入する。 (仮定)未来の累積走行距離での「車軸1に作用する応
力振幅値の累積値」の増加率は過去の「車軸1に作用し
た応力振幅値の累積走行距離に対する増加率」と同じ大
きさと見なす。
【0070】上記仮定の根拠は次の通りである。 (根拠)通常、鉄道車両は同じ走行区間を同じ速度で走
行し、区間内での停車駅も変わらないことから、発進・
停止回数,積載重量も平均して同じとみなせ、さらに、
走行区間内での停車駅間で不用意に起こる減速,加速,
非常停止回数などもランダム現象と判断できるので、車
軸に生じる応力振幅値の大きさ,回数の平均は累積走行
距離に依存せず、一定と考えられる。よって、過去から
現在までの増加率を現在から未来への予測に使用しても
よい。
【0071】以上の仮定の下、未来の累積走行距離での
「車軸1に作用する応力振幅値の累積値」を一次近似の
回帰線より決定した増加率βを使用して具体的に説明す
る。未来の累積走行距離での「車軸1に作用する応力振
幅値の累積値」の予測推移をグラフFS1(図7参照)で
示す。このFS1は(9)式で表せる。
【0072】 FS1:S=β×D+δ δ=SB −β×DB …(9) 余寿命推定手段41では、疲労余裕MS =0となるまで
の累積走行距離を車軸の寿命と定義する。この定義によ
り、FS1が限界累積応力SMAX と等しくなる点PC での
累積走行距離DC が寿命点となる。
【0073】このとき、現在の累積走行距離DB から見
た車軸1の余寿命(g)は(10)式で計算される。 車軸1の余寿命=DC −DB …(10) (10)式からも分かるように、余寿命(g)は限界疲
労発生確率に至るまでの累積走行距離の残数で与えられ
る。
【0074】同様にして、未来の累積走行距離での「車
軸1に作用する応力振幅値の累積値」を2次以上で近似
した回帰曲線の増加率を使用した場合の予測推移FS2
図7に略図で示した。
【0075】この場合は点PD での累積走行距離DD
寿命点となる。このとき、現在までの累積走行距離DB
から見た車軸1の余寿命(g)は(11)式で計算され
る。
【0076】 車軸1の余寿命=DD −DB …(11) (ステップS12) (処理2)「車軸1の疲労余裕はない」と評価された場
合 疲労余裕がないので、余寿命もなしと見なし、ステップ
S10,ステップS11を行わない。
【0077】ステップS12では、何の計算もせず、余
寿命=0と判定する。(ステップS12) 保守判定手段43では、鉄道車両の定期検査時に、車軸
1を保守検査する必要があるか判定する。
【0078】この場合、鉄道車両の定期検査時での余寿
命を余寿命推定手段41で推定し、その推定結果(g)
に基づき、保守判定する。これを図7を例に説明する。
【0079】保守判定手段43の作用の説明のため、図
7中の累積走行距離DB は、定期検査時での累積走行距
離とする。すなわち、前回の定期検査時(過去)での累
積走行距離がDA ,今回の定期検査時(現在)での累積
走行距離がDB ,次回の定期検査時(未来)までの推定
累積走行距離がDE とする。
【0080】この次回の定期検査時のDE は、保守計画
により検査周期を一定の累積走行距離D* で決めている
場合は、 DE =DB +D* …(12) とし、保守検査周期が累積走行距離で決めていない場合
は、 DE =(DB +DA )+DB …(13) とする。
【0081】保守判定は次の通りである。今回の定期検
査時(現在)に寿命推定手段41で推定した車軸1の余
寿命DLが次回の定期検査時(未来)まである場合、す
なわち DE −DB ≦DL …(14) のとき、「車軸1の保守検査は必要なし」と判定する。
【0082】今回の定期検査時(現在)に寿命推定手段
41で推定した車軸1の余寿命DLが次回の定期検査時
(未来)までない場合、すなわち DE −DB >DL …(15) のとき、「車軸1の保守検査が必要」と判定する。
【0083】以上の判定結果(h)を外部の画面装置等
に表示出力する。ここで、保守検査とは、車軸1の未使
用車軸との交換または補修,補強を意味する。保守検査
が実施され、車軸の交換,補強,補修を実施した場合、
車軸1に現在まで生じた応力振幅値の累積値を0にリセ
ットする。
【0084】(ステップS13) (第1の実施形態の効果)本実施形態では、車軸疲労評
価装置3において、走行中の鉄道車両の車軸に作用する
変動応力(ストレス)の累積値(ストレスの累積値)を
監視し、「その累積値と車軸疲労損傷頻度」との過去の
実績統計データ(フィールドデータ)を参照して、任意
の累積走行距離までに応力振幅値の累積値(ストレスの
累積)が作用した車軸の疲労余裕を計算・評価するの
で、フィールドでのストレス環境(鉄道車両の車軸に種
々の変動荷重が繰り返し作用する環境)が原因で疲労す
る車軸材料の疲労余裕を、作用するストレス(応力振幅
値)の累積量で定量化することが可能になる。
【0085】車軸疲労評価装置3と連動して動作する余
寿命評価手段41において、車軸疲労評価装置3で監視
している変動応力の累積値を履歴データとして参照し、
車軸疲労評価装置3での評価結果を受けて、疲労余裕が
あると評価された車軸に対し、現在までの「変動応力の
累積値」の履歴データの回帰近似から得られる「累積走
行距離に対する変動応力の累積値」の増加率により、未
来の寿命時点を予測し、余寿命を推定するので、フィー
ルドでのストレス環境(鉄道車両の車軸に種々の変動荷
重が繰り返し作用する環境)が原因で疲労する車軸材料
の余寿命(限界疲労発生確率に至るまでの累積走行距離
の残数)を、車軸の検査(解体検査)をせずに、走行中
の車軸に作用するストレス(応力振幅値)の累積状況を
監視するだけで、疲労程度の推定可能になる。
【0086】車軸疲労評価装置3と余寿命評価手段41
と連動して動作する保守判定手段43において、鉄道車
両の定期検査時における車軸の余寿命を車軸疲労評価装
置3と余寿命評価手段41が連動して動作することを推
定し、この推定余寿命と次回定期検査までの推定累積走
行距離を比較し、次回定期検査まで車軸に寿命がなけれ
ば現定期検査時での保守実施が必要と判定するので、フ
ィールドでのストレス環境(鉄道車両の車軸に種々の変
動荷重が繰り返し作用する環境)が原因で疲労する車軸
が、定期検査以後、次回定期検査前に疲労損傷する危険
性を回避する保守が可能になる。
【0087】<第2の実施形態> (第2の実施形態の構成)図8の機能ブロックに示すよ
うに、図1の機能ブロック(第1の実施形態)と異なる
点はフィルタリング手段31と累積応力計算手段32の
間に、以下のような機能を有する重み付け手段35を挿
入した点であり、これ以外の点は第1の実施形態と同一
である。
【0088】重み付け手段35は、走行中の鉄道車両に
おいて、フィルタリング手段31から車軸1の疲れ限界
より大きい応力振幅値(b)を逐次入力し、応力振幅値
(b)が繰り返し作用した場合の疲労破壊するまでの前
記繰り返し回数(以下サイクル寿命と呼ぶ)を、車軸1
と同類の車軸の疲労破壊試験から得られた「一定の繰り
返し応力振幅値とサイクル寿命」の関係データから決定
し、前記決定した「応力振幅値(b)が繰り返し作用し
た場合のサイクル寿命」と応力振幅値(b)との積値を
計算し、車軸1の材料種別により決まる疲れ限界の応力
振幅値と前記疲れ限界を与える限界繰り返し回数の積値
を前記計算した積値で除算し、該除算した値を応力振幅
値(b)の重み値とし、該重み値と応力振幅値(b)と
の積値(i)を計算(重み付け)するものである。
【0089】重み付け手段35で重み付けした応力振幅
値(i)を逐次入力し、入力毎に、重み付けした応力振
幅値(i)を逐次加算することで、重み付けした応力振
幅値の累積値(c)を計算する累積応力計算手段32
と、疲労損傷データベース33と、疲労余裕評価手段3
4とが連動する構成に変更した車軸疲労評価装置3と、
余寿命推定手段41と、重み付けした応力振幅値の累積
値(c)を格納する応力履歴データベース42と、保守
判定手段43とが連動して動作する車軸保守支援装置4
を具備している。
【0090】(第2の実施形態の作用)以上のように構
成した第2の実施形態実施の作用について図9のフロー
チャートを参照して説明する。図9は図2のプロセスP
1部分が異なるだけであり、変更点はステップS2とス
テップS3の間に2つの処理ブロック(ステップS1
4,S15)を挿入したことである。
【0091】以下、ステップS14,S15について説
明する。ステップS14,S15は重み付け手段35で
行う処理であり、車軸1の応力振幅値(b)の重み付け
を行う。
【0092】この重み値は作用する変動応力が車軸1の
疲労損傷発生に与える影響の強さを以下に説明する手順
で数値化したものである。この重み付け方法を図10を
例に説明する。
【0093】同図は、車軸1と同類の車軸に対して疲労
破壊試験を実施して得られた結果の略図である。同図は
車軸に一定の応力振幅値σW を繰り返し作用させたと
き、車軸が疲労破壊するまでの繰り返し回数N(サイク
ル寿命)を、各応力振幅値につき図示した応力−寿命曲
線SN(S−N曲線と言う)である。
【0094】このS−N曲線に基づき、以下の手順1〜
3で重み値を決定する。 手順1:応力−寿命曲線SNから、疲れ限界σL (曲線
SNが水平になる応力振幅値)になるサイクル寿命Nf
(曲線SNが水平になる最初の点PSfにおけるサイクル
寿命で、これを限界繰り返し回数と言う)までに、疲れ
限界の応力振幅値σL が繰り返し作用した場合の応力振
幅値の累積値SσL を(16)式で計算する。
【0095】 SσL =σL ×Nf …(16) 手順2:フィルタリング手段31から入力した車軸1の
応力振幅値(b)に対し、この応力振幅値(b)が繰り
返し作用した場合のサイクル寿命Nを応力−寿命曲線S
Nから求める。そして、手順1と同様に、応力振幅値
(b)の一定の応力振幅が繰り返し作用した場合の応力
振幅値の累積値を計算する。
【0096】例えば、図10において、車軸1の応力振
幅値(b)がσA である場合、曲線SN上の点はPSA
サイクル寿命がNA である。この応力振幅値σA が繰り
返し作用した場合の応力振幅値の累積値SσA は(1
7)式で計算できる。
【0097】 SσA =σA ×NA …(17) 手順3:SσL に対するSσA の比率を計算する。この
比率の逆数を応力振幅値(b)の重み値とする。
【0098】例えば、手順2で示した振幅応力値σA
重み値は次の(18)式の通りである。 振幅応力値σA の重み値WσA =SσL ÷SσA …(18) 同様にして、図10に示す応力振幅値σB ,σC に対す
る重み値は(19),(20)式で計算できる。
【0099】 振幅応力値σB の重み値WσB =SσL ÷SσB …(19) 振幅応力値σC の重み値WσC =SσL ÷SσC …(20) ただし、応力振幅値の弾性範囲が小さく、上記手順1,
2で計算した応力振幅値の累積値の比率(SσL :Sσ
A )が近似的にサイクル寿命の比率で与えて実用上有意
差がない場合、重み値をサイクル寿命比で与えてもよ
い。
【0100】例えば、 SσL :SσA ≒Nf :NA …(21) と見なせる場合、 振幅応力値σA の重み値WσA =Nf ÷NA …(22) として、重み値を計算してもよい。
【0101】(ステップS14) フィルタリング手段31から入力した「各累積走行距離
における各応力振幅値(b)」に対して、上記手順で逐
次計算した重み値と応力振幅値(b)の積算(重み付
け)を行う。
【0102】例えば、3点の累積走行距離において、車
軸1に作用した応力振幅値が図10中のσA ,σB ,σ
C とすると、重み付けした応力振幅値σAW,σBW,σCW
は、 σAW=σA ×WσA σBW=σB ×WσB σCW=σC ×WσC …(23) となる。
【0103】以上、重み付け手段35で重み付けした応
力振幅値の累積値(i)を累積応力計算手段32で計算
する。以後のステップに関する説明は、図2で説明した
作用(本文中、図2〜図7を含めて)とほぼ同一であ
り、ただ異なる点は、応力振幅値が「重み付けした応力
振幅値」に変更される点であるので、ここではその説明
を省略する。
【0104】また、第2の実施形態の疲労損傷データベ
ース33では、車軸1と同類の車軸に関し、過去の走行
で生じた疲労損傷の発生頻度と、その疲労損傷発生まで
に作用した「重み付けした応力振幅値の累積値」の実績
値より、統計上推定される疲労損傷の発生確率密度デー
タが格納されている。
【0105】さらに、疲れ限界σL の重み値(これは常
に1と見なす)と応力振幅値の弾性範囲での上限値の重
み値との差が極端に大きく、疲れ限界より大きい「作用
した応力振幅値」すべてに対て、重み付けし、累積値を
とった結果と、疲れ限界より大きい応力振幅値のデータ
に対し、設定した前記データ数間で最大となる応力振幅
値のみフィルタリングし、重み付けした最大応力振幅値
の累積値との間に、実用上有意差がない場合、最大応力
振幅値の累積値を監視対象として、本実施形態1を適用
してもよい。
【0106】この場合、例えば、図5において、設定デ
ータ数を8個としたとすると、最初の入力データ8点
(図中の白丸点)では、疲れ限界超過点P1 〜P3 の中
の最大応力振幅値を与える点P3 (D3 ,σ3)、次の
入力データ8点では、疲れ限界超過点P4 〜P5 の中の
最大応力振幅値を与える点P5 (D5 ,σ5 )、がフィ
ルタリング手段31で抽出されることになる。
【0107】(第2の実施形態の効果)第2の実施形態
では、作用する変動応力が車軸の疲労損傷発生に与える
影響を重み値として与え、その重みで重み付けした応力
の累積を監視する。
【0108】「応力振幅値の累積値と疲労損傷の発生頻
度」の相関より、「重み付けした応力振幅値の累積値と
疲労損傷の発生頻度」の相関の方が相関度が大きいと考
えられるので、重み付けしない場合よりも重み付けした
場合の方が精度の高い車軸疲労評価,車軸余寿命推定及
び保守判定を行うことができる。
【0109】<変形例>前述の第1及び第2の実施形態
では、余寿命推定手段41において、余寿命推定を累積
走行距離で行っている場合について説明したが、該累積
走行距離に代えて累積走行時間を用いることにより、余
寿命推定および保守判定を行うことができる。この場
合、作用説明は、前述の第1及び第2の実施形態の作用
説明文とほぼ同一で、異なる点は同作用説明文中で「累
積走行距離」が「累積走行時間」に変更(置き換えて)
読み直せばよいだけであるので、その説明を省略する。
【0110】また、本発明は、前述した実施形態の鉄道
車両の車軸に限らず、これ以外にも、台車を構成する他
の機構部(車体支持装置,けん引装置,歯車装置など)
にも、作用する変動応力を計測することにより同様に適
用できる。
【0111】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、以下のよう
な作用効果が得られる。 (1)走行中の車軸に作用する変動応力(発生時間、大
きさにおいて不確定なストレス)に対し、車軸の疲労損
傷に影響を与える大きさを持つ応力の累積状況を監視す
ることで、車軸疲労の程度を疲労余裕として定量化する
ことが可能になる。
【0112】(2)車軸に作用するストレスの累積状況
(応力振幅値の累積値)を監視することで、任意の累積
走行距離における(又は累積走行時間)において、「車
軸疲労損傷の余寿命」を推定することが可能になる。
【0113】車軸に作用するストレスの累積状況(応力
振幅値の累積値)を監視することで、定期検査時での疲
労寿命の推定値から保守実施の有無の判定ができる。 (3)疲労破壊試験で得られた「応力振幅値−サイクル
寿命」の関係から、作用応力が車軸疲労損傷に与える影
響を相対的数値で表現した重み値を使用するので、重み
付けしない場合より、車軸疲労破壊に与える影響因子と
しては強い相関を与える指標(重み付けした応力振幅値
の累積値)が得られる。そのため、車軸に作用するスト
レスの累積状況(重み付けした応力振幅値の累積値)を
監視することで、重み付けしない場合より、精度の高い
車軸疲労余裕の評価、余寿命推定及び保守判定が可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す機能ブロック
図。
【図2】図1の実施形態の作用を説明するためのフロー
チャート。
【図3】図1のセンサと車両車軸の関係を説明するため
の図。
【図4】図1のセンサとして差動変圧器を使用した場合
の概略構成を示す図。
【図5】図1のフィルタリング手段の機能を説明するた
めの図。
【図6】図1の疲労余裕を説明するための図。
【図7】図1の応力履歴データの回帰近似と予測を説明
するための図。
【図8】本発明の第2の実施形態を示す機能ブロック
図。
【図9】図8の実施形態の作用を説明するためのフロー
チャート。
【図10】図8の実施形態の重み付け手段の機能を説明
するための応力振幅値−寿命曲線を示す図。
【符号の説明】
1:走行中の鉄道車両車軸、 2:応力計測センサ、 21:変位変換器、 22:応力計算手段、 3:車軸疲労評価装置、 31:フィルタリング手段、 32:累積応力計算手段、 33:疲労損傷データベース、 34:疲労余裕評価手段、 35:重み付け手段、 4:車軸保守支援装置、 41:余寿命推定手段、 42:応力履歴データベース、 43:保守判定手段、 A:車体、 B:枕バネ、 C:台車台枠、 E:車輪、 F:軸箱、 G:軸バネ、 H:測定棒、 I:差動変圧器、 J:磁性体コア、 X:軸バネのたわみ(伸縮変位)、 σW :応力振幅値、 σL :疲れ限界、 Fσ:応力振幅波形、 D:累積走行距離、 P1 〜P5 :疲れ限界超過点、 D1 〜D5 :P1 〜P5 点での累積走行距離、 DO :累積走行距離の初期値、 DN :現在の累積走行距離、 σ1 〜σ5 :P1 〜P5 点での応力振幅値、 P:疲労損傷発生確率密度、 S:応力振幅値の累積値、 Fd:疲労損傷発生確率密度関数、 MS :疲労余裕、 SMAX :限界累積応力、 M:限界累積応力SMAX の疲労損傷発生確率密度関数F
上の点、 PS :限界疲労発生確率、 DA :累積走行距離の初期値(または前回定期検査時の
累積走行距離)、 DB :現在までの累積走行距離(または今回定期検査時
の累積走行距離)、 FS1:1次回帰近似による予測線、 FS2:2次以上の回帰近似による予測線、 DC :1次回帰近似による予測線FS1から推定した寿命
(累積走行距離)、 DD :2次以上の回帰近似による予測線FS2から推定し
た寿命(累積走行距離)、 DE :次回定期検査時の累積走行距離、 FS :回帰近似直線、 SA :DA における応力振幅値の累積値、 SB :DB における応力振幅値の累積値、 PA :点(DA ,SA )、 PB :点(DB ,SB )、 PC :点(DC ,SMAX )、 PD :点(DD ,SMAX )、 MSB:DB での疲労余裕、 N:サイクル寿命(繰り返し回数)、 SN:応力−寿命曲線、 PSA〜PSC:応力−寿命曲線SN上の点、 NA 〜NC :PSA〜PSC点のときのサイクル寿命(繰り
返し回数)、 σA 〜σC :PSA〜PSC点のときの応力振幅値、 Nf :限界繰り返し回数、 PSf:限界繰り返し回数Nf を与える応力−寿命曲線S
N上の点。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行中の車両の車軸に作用する応力振幅
    値のデータを計測する応力計測手段と、 前記応力計測手段で計測した応力振幅値の中から前記車
    軸の疲れ限界より大きい応力振幅値を持つ応力データを
    抽出するフィルタリング手段と、 前記フィルタリング手段で抽出した応力データを所定期
    間入力し、該入力毎に、前記抽出した応力振幅値を累積
    加算して応力振幅値の累積値データを計算する累積応力
    計算手段と、 前記車軸と同類の車軸に関する「過去の走行で生じた疲
    労損傷の発生確率と前記疲労損傷が発生するまでに作用
    した応力振幅値の累積値」の発生確率データを格納した
    疲労損傷データベースと、 前記疲労損傷データベースからの疲労損傷の発生確率デ
    ータを入力し、前記疲労損傷の発生確率データ上での許
    容不可能な疲労損傷の発生確率の下限値を与える応力振
    幅値の累積値と、前記累積応力計算手段で計算した前記
    応力振幅値の累積値とを比較して前記車軸の疲労度を評
    価する疲労余裕評価手段とを具備した車両車軸の疲労監
    視装置。
  2. 【請求項2】 走行中の車両の車軸に作用する応力振幅
    値のデータを計測する応力計測手段と、 前記応力計測手段で計測した応力振幅値の中から前記車
    軸の疲れ限界より大きい応力振幅値を持つ応力データを
    抽出するフィルタリング手段と、 前記フィルタリング手段で抽出した応力データを所定期
    間入力し、該入力毎に、前記抽出した応力振幅値を累積
    加算して応力振幅値の累積値データを計算する累積応力
    計算手段と、 前記車軸と同類の車軸に関する「過去の走行で生じた疲
    労損傷の発生確率と前記疲労損傷が発生するまでに作用
    した応力振幅値の累積値」の発生確率データを格納した
    疲労損傷データベースと、 前記疲労損傷データベースからの疲労損傷の発生確率デ
    ータを入力し、前記疲労損傷の発生確率データ上での許
    容不可能な疲労損傷の発生確率の下限値を与える応力振
    幅値の累積値と、前記累積応力計算手段で計算した前記
    応力振幅値の累積値とを比較して前記車軸の疲労度を評
    価する疲労余裕評価手段と、 前記累積応力計算手段で計算した応力振幅値の累積値の
    履歴データを格納する応力履歴データベースと、 前記応力履歴データベースに格納された前記履歴データ
    と、前記疲労余裕評価手段で評価した結果とを入力し、
    前記履歴データの増加率を計算し、該履歴データの増加
    率に伴って前記車軸の応力振幅値の累積値が増加してい
    くと仮定し、該仮定により、現在の前記車軸の疲労余裕
    がなくなるまでの前記車軸の余寿命を推定する余裕寿命
    推定手段とを具備した車両車軸の疲労監視装置。
  3. 【請求項3】 前記疲労余裕評価手段は、前記疲労損傷
    データベースからの疲労損傷の発生確率データを入力
    し、前記疲労損傷の発生確率データ上での許容不可能な
    疲労損傷の発生確率の下限値を与える応力振幅値の累積
    値から、前記累積応力計算手段で計算した前記応力振幅
    値の累積値を減算し、該減算値が正値の場合、「前記車
    軸は前記減算値分の疲労余裕がある」とし、前記減算値
    が零又は負値である場合、「前記車軸の疲労余裕はな
    し」と評価するものである請求項1または請求項2記載
    の車両車軸の疲労監視装置。
  4. 【請求項4】 前記余寿命推定手段で推定した前記車両
    車軸の定期検査時における余寿命データを入力し、前記
    定期検査時から次回定期検査時までの推定余寿命を前記
    余寿命から減算した値が負値である場合、「前記車両車
    軸の保守が必要」と判定し、前記余寿命から前記推定余
    寿命を減算した値が零または正値である場合、「前記車
    両車軸の保守が不必要」と判定する保守判定手段とを具
    備した請求項2記載の車両車軸の疲労監視装置。
  5. 【請求項5】 走行中の車両の車軸に作用する応力振幅
    値のデータを計測する応力計測手段と、 前記応力計測手段で計測した応力振幅値の中から前記車
    軸の疲れ限界より大きい応力振幅値を持つ応力データを
    抽出するフィルタリング手段と、 前記フィルタリング手段で抽出した応力データの応力振
    幅値が前記車両車軸に繰り返し作用した場合に前記車両
    車軸が疲労破壊するまでの前記繰り返し回数であるサイ
    クル寿命を求め、該サイクル寿命と前記「抽出した応力
    データ」の応力振幅値と前記車軸の疲れ限界の応力振幅
    値と前記疲れ限界を与える限界繰り返し回数とから応力
    振幅値の重み値を演算し、前記重み値と前記「抽出した
    応力データ」の応力振幅値との積値を計算(重み付け)
    する重み付け手段と、 前記重み付け手段で重み付けした応力振幅値の累積値を
    計算する累積応力計算手段と、 前記車軸と同類の車軸に関する「過去の走行で生じた疲
    労損傷の発生確率と前記疲労損傷が発生するまでに作用
    した重み付けした応力振幅値の累積値」の発生確率デー
    タを格納した疲労損傷データベースと、 前記累積応力計算手段で計算した重み付けした応力振幅
    値の累積値データと前記疲労損傷データベースから疲労
    損傷の発生確率データとを入力し、前記疲労損傷の発生
    確率データ上での許容不可能な「疲労損傷の発生確率」
    の下限値を与える「重み付けした応力振幅値の累積値」
    と前記「応力累積計算手段で計算した重み付けした応力
    振幅値の累積値」とを比較して前記車軸の疲労度を評価
    する疲労余裕評価手段とを具備した車両車軸の疲労監視
    装置。
  6. 【請求項6】 走行中の車両の車軸に作用する応力振幅
    値のデータを計測する応力計測手段と、 前記応力計測手段で計測した応力振幅値の中から前記車
    軸の疲れ限界より大きい応力振幅値を持つ応力データを
    抽出するフィルタリング手段と、 前記フィルタリング手段で抽出した応力データの応力振
    幅値が前記車両車軸に繰り返し作用した場合に前記車両
    車軸が疲労破壊するまでの前記繰り返し回数であるサイ
    クル寿命を求め、該サイクル寿命と前記「抽出した応力
    データ」の応力振幅値と前記車軸の疲れ限界の応力振幅
    値と前記疲れ限界を与える限界繰り返し回数とから応力
    振幅値の重み値を演算し、前記重み値と前記「抽出した
    応力データ」の応力振幅値との積値を計算(重み付け)
    する重み付け手段と、 前記重み付け手段で重み付けした応力振幅値の累積値を
    計算する累積応力計算手段と、 前記車軸と同類の車軸に関する「過去の走行で生じた疲
    労損傷の発生確率と前記疲労損傷が発生するまでに作用
    した重み付けした応力振幅値の累積値」の発生確率デー
    タを格納した疲労損傷データベースと、 前記累積応力計算手段で計算した重み付けした応力振幅
    値の累積値データと前記疲労損傷データベースから疲労
    損傷の発生確率データとを入力し、前記疲労損傷の発生
    確率データ上での許容不可能な「疲労損傷の発生確率」
    の下限値を与える「重み付けした応力振幅値の累積値」
    と前記「応力累積計算手段で計算した重み付けした応力
    振幅値の累積値」とを比較して前記車軸の疲労度を評価
    する疲労余裕評価手段と、 前記累積応力計算手段で計算した「重み付けした応力振
    幅値の累積値」の履歴データを格納する応力履歴データ
    ベースと、 前記応力履歴データベースに格納された前記履歴データ
    と前記疲労余裕評価手段で評価した結果とを入力し、前
    記車両車軸の余寿命を推定する余寿命推定手段とを具備
    した車両車軸の疲労監視装置。
  7. 【請求項7】 前記疲労余裕評価手段は、前記累積応力
    計算手段で計算した重み付けした応力振幅値の累積値デ
    ータを入力し、前記疲労損傷データベースから疲労損傷
    の発生確率データを入力し、前記疲労損傷の発生確率デ
    ータ上での許容不可能な「疲労損傷の発生確率」の下限
    値を与える「重み付けした応力振幅値の累積値」から前
    記「応力累積計算手段で計算した重み付けした応力振幅
    値の累積値」を減算し、該減算値が正値の場合、「前記
    車軸は前記減算値分の疲労余裕がある」とし、前記減算
    値が零又は負値である場合、「前記車軸の疲労余裕はな
    し」と評価するものである請求項5または請求項6記載
    の車両車軸の疲労監視装置。
  8. 【請求項8】 前記余寿命推定手段で推定した前記車両
    車軸の定期検査時における余寿命データを入力し、前記
    定期検査時から次回定期検査時までの推定累積走行距離
    を前記余寿命から減算した値が負値である場合、「前記
    車両車軸の保守が必要」と判定し、前記余寿命から前記
    推定累積走行距離を減算した値が零または正値である場
    合、「前記車両車軸の保守が不必要」と判定する保守判
    定手段とを具備した請求項6記載の車両車軸の疲労監視
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の
    フィルタリング手段として、前記応力計測手段で計測し
    た応力振幅値の中であって予め設定した前記入力データ
    数毎に、前記データ数分の中で最大の応力振幅値を持
    ち、且つ、前記車軸の疲れ限界より大きい応力のデータ
    を抽出するものを用いるようにした車両車軸の疲労監視
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項5、請求項6、請求項8のいず
    れかに記載の重み付け手段として、車軸の疲れ限界を与
    える限界繰り返し回数を前記車軸疲労評価装置のフィル
    タリング手段で抽出し応力振幅値のサイクル寿命で除算
    し、前記除算した値を前記「抽出した応力振幅値」の重
    み値とし、前記重み値と前記「抽出した応力振幅値」と
    の積値を計算(重み付け)するものを用いるようにした
    車両車軸の疲労監視装置。
JP5318896A 1996-03-11 1996-03-11 車両車軸の疲労監視装置 Pending JPH09243518A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5318896A JPH09243518A (ja) 1996-03-11 1996-03-11 車両車軸の疲労監視装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5318896A JPH09243518A (ja) 1996-03-11 1996-03-11 車両車軸の疲労監視装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09243518A true JPH09243518A (ja) 1997-09-19

Family

ID=12935908

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5318896A Pending JPH09243518A (ja) 1996-03-11 1996-03-11 車両車軸の疲労監視装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09243518A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005518520A (ja) * 2000-07-20 2005-06-23 ボルボ アーティキュレイテッド ホーラーズ アーベー 物体の損傷を見積る手順ならびに物体の使用を制御する手順およびシステム
US7369966B1 (en) * 2007-02-12 2008-05-06 Honeywell International Inc. Methods and apparatus to design a wheel of a multiple-axle vehicle
JP2009501912A (ja) * 2005-07-19 2009-01-22 ツェットエフ フリードリヒスハーフェン アクチエンゲゼルシャフト 自動車向け測定装置
JP2011191120A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Ntn Corp 打切り寿命または打切り強度の試験における試験の設計・解釈方法,装置,プログラム
JP2011191121A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Ntn Corp 転動疲労寿命打切り試験の設計・解釈方法,装置,プログラム
JP2014157022A (ja) * 2013-02-14 2014-08-28 Nippon Steel & Sumitomo Metal スピンドルの疲労度評価方法
WO2015132838A1 (ja) * 2014-03-03 2015-09-11 株式会社日立製作所 機械の材料疲労の表示方法、及びその装置
JP2017167082A (ja) * 2016-03-18 2017-09-21 株式会社Ihi 異常判定装置及び異常判定方法
JP2018017557A (ja) * 2016-07-26 2018-02-01 プレス工業株式会社 アクスルケースの亀裂検知システム
JP2018017556A (ja) * 2016-07-26 2018-02-01 プレス工業株式会社 デッドアクスルケースの亀裂検知システム
WO2020054579A1 (ja) * 2018-09-14 2020-03-19 三菱重工エンジニアリング株式会社 荷重推定装置、荷重推定方法及びプログラム
CN114577461A (zh) * 2022-03-22 2022-06-03 浙江吉利控股集团有限公司 一种转向拉杆剩余寿命的检测系统及汽车

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005518520A (ja) * 2000-07-20 2005-06-23 ボルボ アーティキュレイテッド ホーラーズ アーベー 物体の損傷を見積る手順ならびに物体の使用を制御する手順およびシステム
JP2009501912A (ja) * 2005-07-19 2009-01-22 ツェットエフ フリードリヒスハーフェン アクチエンゲゼルシャフト 自動車向け測定装置
US7369966B1 (en) * 2007-02-12 2008-05-06 Honeywell International Inc. Methods and apparatus to design a wheel of a multiple-axle vehicle
JP2011191120A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Ntn Corp 打切り寿命または打切り強度の試験における試験の設計・解釈方法,装置,プログラム
JP2011191121A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Ntn Corp 転動疲労寿命打切り試験の設計・解釈方法,装置,プログラム
JP2014157022A (ja) * 2013-02-14 2014-08-28 Nippon Steel & Sumitomo Metal スピンドルの疲労度評価方法
US10620082B2 (en) 2014-03-03 2020-04-14 Hitachi, Ltd. Method and device displaying material fatigue of machine
WO2015132838A1 (ja) * 2014-03-03 2015-09-11 株式会社日立製作所 機械の材料疲労の表示方法、及びその装置
JPWO2015132838A1 (ja) * 2014-03-03 2017-03-30 株式会社日立製作所 機械の材料疲労の表示方法、及びその装置
JP2017167082A (ja) * 2016-03-18 2017-09-21 株式会社Ihi 異常判定装置及び異常判定方法
US11156516B2 (en) 2016-03-18 2021-10-26 Ihi Corporation Abnormality determination device and abnormality determination method
JP2018017556A (ja) * 2016-07-26 2018-02-01 プレス工業株式会社 デッドアクスルケースの亀裂検知システム
JP2018017557A (ja) * 2016-07-26 2018-02-01 プレス工業株式会社 アクスルケースの亀裂検知システム
WO2020054579A1 (ja) * 2018-09-14 2020-03-19 三菱重工エンジニアリング株式会社 荷重推定装置、荷重推定方法及びプログラム
JP2020046204A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 三菱重工エンジニアリング株式会社 荷重推定装置、荷重推定方法及びプログラム
US20210231533A1 (en) * 2018-09-14 2021-07-29 Mitsubishi Heavy Industries Engineering, Ltd. Load estimation apparatus, load estimation method, and program
CN114577461A (zh) * 2022-03-22 2022-06-03 浙江吉利控股集团有限公司 一种转向拉杆剩余寿命的检测系统及汽车

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3783356A1 (en) Train component crack damage monitoring method and system
Wang et al. Real-time defect detection of high-speed train wheels by using Bayesian forecasting and dynamic model
CN110222436B (zh) 列车零部件健康状态的评估方法、装置及存储介质
JPH09243518A (ja) 車両車軸の疲労監視装置
WO2017159701A1 (ja) 軌道状態評価方法、装置、及びプログラム
CN110132511B (zh) 一种基于动挠度衰减规律的桥梁结构监测评估方法
JP6458055B2 (ja) 損傷推定装置
EP3235705A1 (en) Railway vehicle state monitoring device
Dumitriu Fault detection of damper in railway vehicle suspension based on the cross-correlation analysis of bogie accelerations
CN111417846A (zh) 监视铁路车辆的轮轴
EP3751249B1 (en) Device and method for detecting abnormality in railroad vehicle
Yusufov et al. Prediction of the stress-strain state of the bogie frames of shunting locomotives using the finite element method
Abdullah et al. The needs of power spectral density in fatigue life prediction of heavy vehicle leaf spring
Zwetsloot et al. Remaining useful life modelling with an escalator health condition analytic system
JP2020012733A (ja) 軌道の状態評価方法及び評価装置
CN115452282A (zh) 一种基于数据融合的铁路桥梁结构健康监测方法
Singh et al. Prognosis and Health Management using Energy Activity.
Altmann et al. Theoretical development of localized pseudo damage
Iwnicki et al. Assessing railway vehicle derailment potential using neural networks
Alfelor et al. Track degradation assessment using gage restraint measurements
Leander Fatigue life prediction of steel bridges using a small scale monitoring system
Haardt et al. Monitoring during life cycle of bridges to establish performance indicators
CN115358012B (zh) 一种铁道车辆转向架疲劳载荷系数评价方法
JPH0664664B2 (ja) 故障予知装置
CN117367845B (zh) 一种陆军装备维修设备健康诊断方法