JPH09242215A - 耐火被覆構造 - Google Patents

耐火被覆構造

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JPH09242215A
JPH09242215A JP8083198A JP8319896A JPH09242215A JP H09242215 A JPH09242215 A JP H09242215A JP 8083198 A JP8083198 A JP 8083198A JP 8319896 A JP8319896 A JP 8319896A JP H09242215 A JPH09242215 A JP H09242215A
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JP
Japan
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layer
coating
fireproof coating
foamable
steel
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JP8083198A
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Inventor
Yuji Tanaka
裕二 田中
Toshihiko Hanada
敏彦 花田
Eiji Sawada
英二 澤田
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Nihon Cement Co Ltd
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Nihon Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄骨柱等を被覆した発泡性耐火塗膜層の温度
上昇時の垂れ下がりを防ぎ、もって均一な厚さの多孔質
断熱層が鉄骨柱等の表面に形成されて充分な耐火性能が
得られる耐火被覆構造を提供すること。 【解決手段】 躯体を形成する鉄骨柱及び鉄骨梁の表面
に発泡性耐火塗膜層を形成すると共に、該発泡性耐火塗
膜層の表面に、少なくとも発泡性耐火塗膜層が発泡する
までの間は被覆状態を維持し、且つ発泡性耐火塗膜層の
発泡は妨げない被覆材層を形成した耐火被覆構造とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄骨柱及び鉄骨梁
からなる躯体の耐火被覆構造に関し、特に発泡性耐火塗
料を使用した耐火被覆構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物等の躯体を構成する鉄骨柱及び鉄
骨梁は、火災時等に火炎にさらされて高温になると、そ
の強度剛性が極端に低下し、該鉄骨柱及び鉄骨梁により
構築された建築物等が倒壊する恐れがある。このため、
建築物等の鉄骨柱及び鉄骨梁には、必要に応じて耐火被
覆を施すことが義務づけられている。
【0003】ここで、従来より、鉄骨柱及び鉄骨梁の耐
火被覆構造としては、該鉄骨柱及び鉄骨梁の表面に火災
時等の熱により発泡して多孔質断熱層を形成する発泡性
耐火塗料を使用した耐火被覆構造が知られている。
【0004】この発泡性耐火塗料を使用した耐火被覆構
造にあっては、形成される発泡性耐火塗膜層の厚さが1
〜3mmと薄いため、ロックウール等の非発泡性耐火被覆
材を使用した耐火被覆構造に比較して建築物等の内部空
間を狭めることが少なく、また発泡性耐火塗料の着色は
容易なことから意匠性にも優れた内部空間を提供できる
等の利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記鉄骨柱及び鉄骨梁
の表面に塗布した発泡性耐火塗料の乾燥・硬化によって
得られる発泡性耐火塗膜層は、火災等の温度上昇時に軟
化して不燃ガスを発生し、発泡して多孔質断熱層を形成
することにより被覆した鉄骨柱及び鉄骨梁を火炎から保
護するものであるため、形成される多孔質断熱層の厚さ
は厚ければ厚いほど耐火性能は高くなる。ここで、形成
される多孔質断熱層の厚さを厚くするには、発泡性耐火
塗料の塗布回数を多くして発泡性耐火塗膜層の厚さを厚
くするか、或いは発泡倍率の大きい発泡性耐火塗料を使
用する必要がある。
【0006】しかし、形成した発泡性耐火塗膜層の厚さ
が厚い場合、或いは発泡倍率の大きい発泡性耐火塗料の
乾燥・硬化によって得られた発泡性耐火塗膜層の場合に
は、該発泡性耐火塗膜層が温度上昇時に軟化して発泡前
に自重により垂れ下がる憂いが大きく、特に垂直に設置
される鉄骨柱の上端部付近、或いは鉄骨柱と鉄骨梁の下
面とにより形成される角部付近等を被覆する発泡性耐火
塗膜層は、自重により垂れ下がった場合にその上方から
の垂れ下がりがないために図8(a),(b) の○部内に示し
たようにその層厚が極端に薄くなり、形成される多孔質
断熱層の厚さも薄いものとなってその部分の耐火性能が
著しく低下するため、内部の鉄骨柱等を保護し得ない場
合が存在した。
【0007】本発明は、上述した従来の発泡性耐火塗料
を使用した耐火被覆構造が有する課題に鑑み成されたも
のであって、その目的は、鉄骨柱等を被覆した発泡性耐
火塗膜層の温度上昇時の垂れ下がりを防ぎ、もって均一
な厚さの多孔質断熱層が鉄骨柱等の表面に形成されて充
分な耐火性能が得られる耐火被覆構造を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記した
目的を達成すべく鋭意研究した結果、発泡性耐火塗膜層
の表面を多孔質断熱層の形成を妨げない被覆材層によっ
て覆うことにより、発泡性耐火塗膜層の温度上昇時の垂
れ下がりを防ぐことができ、均一な厚さの多孔質断熱層
が鉄骨柱等の表面に形成されるとの知見を得、本発明を
完成させた。
【0009】即ち、本発明は、躯体を形成する鉄骨柱及
び鉄骨梁の表面に発泡性耐火塗膜層を形成すると共に、
該発泡性耐火塗膜層の表面に、少なくとも発泡性耐火塗
膜層が発泡するまでの間は被覆状態を維持し、且つ発泡
性耐火塗膜層の発泡は妨げない被覆材層を形成した耐火
被覆構造とした。
【0010】上記した本発明にかかる耐火被覆構造によ
れば、発泡性耐火塗膜層の表面に形成した被覆材層が、
少なくとも該発泡性耐火塗膜層が温度上昇により発泡す
るまでの間はその被覆状態を維持しているため、発泡前
の軟化状態にある発泡性耐火塗膜層を該被覆材層と鉄骨
柱等の表面との間で挟持する状態で支えるため、その自
重による垂れ下がりを防止できる。また、発泡性耐火塗
膜層の表面に形成した上記被覆材層は、発泡性耐火塗膜
層の発泡は妨げない、即ち発泡性耐火塗膜層が発泡を開
始した場合にはその発泡力により破壊或いは伸びること
等により発泡を妨げないものであるため、該被覆材層に
より垂れ下がりを防止された発泡性耐火塗膜層は、その
位置で発泡して均一な厚さの多孔質断熱層を形成するた
めに充分な耐火性能が得られる。
【0011】ここで、上記被覆材層の形成位置は、躯体
を形成する鉄骨柱の上端部付近及び/又は鉄骨柱と鉄骨
梁の下面とにより形成される角部付近を被覆する上記発
泡性耐火塗膜層の表面とすることが好ましい。これは、
この様な部分の発泡性耐火塗膜層は、温度上昇時に軟化
して垂れ下がり、その層厚が極端に薄くなる憂いが大き
いためである。
【0012】また、上記被覆材層の材料としては、セメ
ントを結合材とするもの、プラスター、合成樹脂系のシ
ーリング材、或いは合成樹脂系の耐熱塗料が挙げられ、
これらの内、セメントを結合材とするもの、プラスタ
ー、或いは合成樹脂系のシーリング材を被覆材層の材料
として使用した場合には、該被覆材層の厚さは1〜3mm
とすることが好ましく、また合成樹脂系の耐熱塗料を被
覆材層の材料として使用した場合には、該被覆材層の厚
さは0.1mm以上とすることが好ましい。これは、上記
した範囲に満たない厚さの被覆材層では、強度がないた
めに火災等の温度上昇時に熱により軟化した発泡性耐火
塗膜層の垂れ下がりを防ぐことができないためであり、
また上記した範囲を越える厚さの被覆材層では、今度は
強度が有りすぎて発泡性耐火塗膜層の発泡を妨げ、形成
される多孔質断熱層の厚さが薄いものとなるため好まし
くない。なお、上記合成樹脂系の耐熱塗料を被覆材層の
材料として使用した場合の厚さの上限は、特には規定さ
れないのは、塗料の場合にはその塗布厚さには自ずと限
界があり、合成樹脂系の耐熱塗料を使用して通常の塗布
作業によって形成した被覆材層の上限厚さであれば、発
泡性耐火塗膜層の発泡を妨げる程の強度がないためであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、上記した本発明にかかる耐
火被覆構造を詳細に説明する。先ず、上記本発明におけ
る躯体を構成する鉄骨柱及び鉄骨梁としては、例えばH
型鋼、みぞ型鋼、I型鋼等の鉄骨、更には角形鋼管、丸
形鋼管等の鋼管が挙げられる。
【0014】また、上記発泡性耐火塗膜層を形成する塗
料としては、例えば以下の結合剤、発泡剤、炭化層形成
剤、無機粉末、その他の添加剤を含むものが挙げられ
る。 (1) 結合剤 メラミン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニ
ル樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂 (2) 発泡剤 第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、第
三リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、メラ
ミン、尿素、ジシアンジアミド、ジニトロソペンタメチ
レンテトラミン (3) 炭化層形成剤 モノペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、
トリペンタエリスリトール、グルコース (4) 無機粉末 酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニ
ウム、酸化ケイ素、粘土鉱物 (5) その他の添加剤 溶剤、可塑剤、分散剤、消泡剤、増粘剤、成膜助剤、難
燃剤、着色剤、硬化剤
【0015】上記発泡性耐火塗料の乾燥・硬化により形
成する発泡性耐火塗膜層の厚さは、実用性及び経済性等
を考慮して該発泡性耐火塗膜層の発泡によって得られる
多孔質断熱層の厚さが40〜50mmとなるように鉄骨柱
或いは鉄骨梁の表面に発泡性耐火塗料を塗布することが
好ましい。そのため、発泡倍率が50倍の発泡性耐火塗
料では、乾燥・硬化後の塗膜層の厚さを1mm程度に、発
泡倍率が25倍の発泡性耐火塗料では、乾燥・硬化後の
塗膜層の厚さを2mm程度にする。上記発泡性耐火塗料
は、例えばエアスプレー装置、エアレススプレー装置、
ハケ等を用いて鉄骨柱或いは鉄骨梁の表面に塗布すれば
良い。
【0016】なお、上記した発泡性耐火塗膜層の発泡倍
率とは、以下に示す方法で測定したものである。 300×300×6mmの鉄板の片面に発泡性耐火塗
料を約1mmの厚さに塗布し、乾燥・硬化によって得られ
た発泡性耐火塗膜層の厚さを測定する。 上記鉄板を発泡性耐火塗膜層が形成した面が上とな
るように水平に耐火炉に入れ、「JIS A 1304(建築構造
部分の耐火試験方法)」に規定された標準加熱曲線に準
じて60分加熱する。 冷却後、上記鉄板上に形成された多孔質断熱層の厚
さを測定する。 次式により発泡性耐火塗膜層の発泡倍率を求める。 ここで、上記式における発泡性耐火塗膜層の厚さ及び多
孔質断熱層の厚さは、鉄板の中心及び鉄板の中心から1
50mm離れた対角線上の4点の計5点で測定し、平均値
を求めたものである。また、発泡性耐火塗膜層の厚さは
電磁式膜厚計或いはマイクロメータ等で、多孔質断熱層
の厚さはノギス等で測定する。
【0017】上記発泡性耐火塗膜層の表面に形成する被
覆材層の形成位置としては、例えば図1に示す鉄骨柱及
び鉄骨梁からなる躯体においては、鉄骨柱の上端部付近
を被覆する上記発泡性耐火塗膜層の表面(図中、Aの部
分)、また図2に示す鉄骨柱及び鉄骨梁からなる躯体に
おいては、鉄骨柱と鉄骨梁の下面とにより形成される角
部付近を被覆する上記発泡性耐火塗膜層の表面(図中、
Bの部分)、さらに図3に示す鉄骨柱及び鉄骨梁からな
る躯体においては、鉄骨柱の上端部付近及び鉄骨柱と鉄
骨梁の下面とにより形成される角部付近を被覆する上記
発泡性耐火塗膜層の表面(図中、Cの部分)である。こ
れは、この様な部分の発泡性耐火塗膜層は、温度上昇時
に軟化して垂れ下がり、その層厚が極端に薄くなる憂い
が大きいためである。
【0018】なお、上記鉄骨柱の上端部付近を被覆する
発泡性耐火塗膜層の表面に形成する被覆材層は、発泡性
耐火塗膜層を囲む閉断面に形成し(図4参照)、また鉄
骨柱と鉄骨梁の下面とにより形成される角部付近を被覆
する発泡性耐火塗膜層の表面に形成する被覆材層は、角
部を挟んで連続して形成し(図5参照)、更に鉄骨梁の
下面を被覆する発泡性耐火塗膜層の表面に形成する被覆
材層は、該鉄骨梁の下面(下フランジ)の上方(下フラ
ンジの上面)にまで設ける(図6参照)ことが好まし
い。これは、この様にして形成した被覆材層は、その脱
落が生じ難いものとなり、少なくとも発泡性耐火塗膜層
が発泡するまでの間は被覆状態を維持し得るものとなる
ためである。
【0019】また、上記鉄骨柱側の発泡性耐火塗膜層の
表面に設ける被覆材層の巾(図中、aの巾)、及び鉄骨
梁の下面側の発泡性耐火塗膜層の表面に設ける被覆材層
の巾(図中、bの巾)は、それぞれ5.0〜10.0cm
とするのが好ましい。これは、5.0cmに満たない被覆
材層の巾では、コテ塗り等による形成作業性が悪いもの
となるため好ましくなく、また10.0cmを越える被覆
材層の巾では、該被覆材層を形成するのに手間がかかる
ため好ましくない。
【0020】発泡性耐火塗膜層の表面に設ける上記被覆
材層の具体的な材料としては、セメントを結合材とする
もの、プラスター、合成樹脂系のシーリング材、或いは
合成樹脂系の耐熱塗料が挙げられる。
【0021】ここで、セメントを結合材とする被覆材料
としては、ポリマーセメントペースト、ポリマーセメン
トモルタル及びセメント系耐火被覆材が挙げられる。ポ
リマーセメントペースト、ポリマーセメントモルタルを
用いる場合、セメントは普通ポルトランドセメント、早
強ポルトランドセメント等のポルトランドセメント、高
炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメント
を用いることができ、またポリマーとしては、例えばア
クリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、スチレン
−ブチレン−ゴム系樹脂等を用いることができる。ま
た、ポリマーセメントペーストの配合は、水/セメント
比が30〜50重量%、ポリマー(固形分)/セメント
比が5〜40重量%が好ましく、ポリマーセメントモル
タルの配合は、水/セメント比が40〜60重量%、砂
/セメント比が100〜300重量%、ポリマー(固形
分)/セメント比が5〜40重量%が好ましい。ポリマ
ーセメントモルタル用の砂としては、1mm以下の砂、例
えば、珪砂6号、珪砂7号等が好ましい。さらに、高性
能減水剤等のコンクリート用混和剤を添加してもかまわ
ない。セメント系耐火被覆材としては、吹付けロックウ
ール等が挙げられる。
【0022】また、上記プラスターとしては、石こうプ
ラスター、石灰プラスター、ドロマイトプラスターが挙
げられる。さらに、上記合成樹脂系のシーリング材、或
いは合成樹脂系の耐熱塗料としては、200℃まで軟化
しない、例えばシリコン樹脂系のシーリング材、或いは
シリコン樹脂系の耐熱塗料が挙げられる。
【0023】上記被覆材層の材料の内、セメントを結合
材とするもの、プラスター、或いは合成樹脂系のシーリ
ング材を使用した場合には、該被覆材層の厚さは1〜3
mmとすることが好ましく、また上記合成樹脂系の耐熱塗
料を被覆材層の材料として使用した場合には、該被覆材
層の厚さは0.1mm以上、更に好ましくは0.15〜
0.50mmとする。これは、上記した範囲に満たない厚
さの被覆材層では、強度がないために火災等の温度上昇
時に熱により軟化した発泡性耐火塗膜層の垂れ下がりを
防ぐことができないためであり、また上記した範囲を越
える厚さの被覆材層では、今度は強度が有りすぎて発泡
性耐火塗膜層の発泡を妨げ、形成される多孔質断熱層の
厚さが薄いものとなるため好ましくない。
【0024】上記被覆材料による被覆材層の形成方法と
しては、セメントを結合材とするもの、プライマー、及
び合成樹脂系のシーリング材にあっては左官施工が好ま
しく、合成樹脂系の耐熱塗料ではハケ塗り、ローラー塗
りが好ましい。
【0025】なお、上記以外の被覆材層の材料として
は、厚さ2〜3mmのパーティクルボード、ケイ酸カルシ
ウム板又は石綿フェルトを挙げることができる。これら
の被覆材料を用いる場合は、耐熱性の接着材を用いて該
被覆材料を発泡性耐火塗膜層の表面に接着するのが好ま
しい。また、鉄骨柱等と発泡性耐火塗膜層との間、或い
は発泡性耐火塗膜層と被覆材層との間に他の塗膜層、又
はプライマーを有してもかまわない。
【0026】
【試験例】以下、本発明にかかる耐火被覆構造の作用・
効果を裏付ける試験例に付き説明する。
【0027】1.使用材料 (1) 発泡性耐火塗料 使用した発泡性耐火塗料の発泡倍率を以下に示す。 A;発泡倍率10倍 B;発泡倍率20倍 C;発泡倍率50倍 D;発泡倍率70倍 (2) 被覆材料 使用した被覆材料を以下に示す。 a;ポリマーセメントペースト ・セメント:日本セメント(株)製ポルトランドセメン
ト、ポリマー:旭化成工業(株)製ポリトロン1500
A使用 ・水/セメント比=40(重量%) ・ポリマー(固形分)/セメント比=15(重量%) b;ポリマーセメントモルタル ・セメント:日本セメント(株)製ポルトランドセメン
ト、砂:日本プラスター(株)製N60、ポリマー:旭
化成工業(株)製ポリトロン1500A使用 ・水/セメント比=55(重量%) ・砂/セメント比=200(重量%) ・ポリマー(固形分)/セメント比=15(重量%) c;ポリマーセメントモルタル ・セメント:日本セメント(株)製高炉セメントB種、
砂:日本プラスター(株)製N60、ポリマー:旭化成
工業(株)製ポリトロン1500A使用 ・水/セメント比=55(重量%) ・砂/セメント比=200(重量%) ・ポリマー(固形分)/セメント比=15(重量%) d;セメント系耐火被覆材 ・日本セメント(株)製アサノスプレーコート ・アサノスプレーコート100重量部に対して水120
重量部添加 e;セメント系耐火被覆材 ・日本セメント(株)製アサノFガード ・アサノFガード100重量部に対して水70重量部添
加 f;プラスター ・日本プラスター(株)製日本ドロマイトプラスター ・日本ドロマイトプラスター100重量部に対して水3
0重量部添加 g;プラスター ・日本プラスター(株)製ボードプラスター ・ボードプラスター100重量部に対して水30重量部
添加 h;シーリング剤 ・東レ・ダウコーニイング・シリコーン(株)製SE5
007シーラント i;耐熱塗料 ・大島工業(株)製パイロジンB♯950
【0028】図7に示した様な鉄骨柱及び鉄骨梁からな
る構造体を作製し、該構造体の鉄骨柱及び鉄骨梁の全表
面に上記した発泡性耐火塗料を各々塗布し、乾燥・硬化
させて表1に示す厚さの発泡性耐火塗膜層を形成した。
その後、鉄骨柱の上端部付近、及び鉄骨柱と鉄骨梁の下
面(下フランジ)とにより形成される角部付近を被覆す
る上記発泡性耐火塗膜層の表面に、図3に示したと同様
の形状に上記被覆材料を各々塗布し、一部の発泡性耐火
塗膜層の表面に表1に示す厚さ及び巾の被覆材層が形成
された耐火被覆構造体を作製した。なお、上記発泡性耐
火塗料の塗布はグラコ(株)製のエアレススプレー装置
を用いて行った。また、被覆材料の塗布は、a〜hの被
覆材料は左官施工により、iの被覆材料はハケ塗りによ
り行った。また、鉄骨柱及び鉄骨梁の表面に形成した発
泡性耐火塗膜層及び被覆材層の厚さは、各々サンコウ電
子研究所(株)製のペンプローブ膜厚計で測定した。
【0029】
【表1】
【0030】上記耐火被覆構造を施した構造体を、各々
「JIS A 1304(建築構造部分の耐火試験方法)」に規定
された標準加熱曲線に準じて120分加熱し、その後、
鉄骨柱及び鉄骨梁の表面に形成された多孔質断熱層を目
視観察した。その結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】上記試験結果から、本発明にかかる耐火被
覆構造を施した構造体では、割れ等の存在しない均一な
厚さの多孔質断熱層が形成されることが判明した(試験
例1〜34参照)。一方、被覆材層を設けなかった耐火
被覆構造体(試験例35,36)、被覆材層の厚さが1
mm未満の耐火被覆構造体(試験例37,38)、被覆材
層が鉄骨柱と鉄骨梁の下面とにより形成される角部を挟
んで連続していない耐火被覆構造体(比較例43,4
4)では、発泡性耐火塗膜層の温度上昇時の垂れ下がり
を防ぐことができず、形成される多孔質断熱層の厚さの
薄い部分が存在することが判明した。また、被覆材層の
厚さが3mmを越える耐火被覆構造体(試験例39〜4
2)でも、多孔質断熱層の厚さの薄い部分、或いは多孔
質断熱層の全く形成されない部分が存在することが判明
した。
【0033】
【発明の効果】以上、説明した本発明にかかる耐火被覆
構造によれば、鉄骨柱等を被覆した発泡性耐火塗膜層の
温度上昇時の垂れ下がりを防ぐことができ、均一な厚さ
の多孔質断熱層が鉄骨柱等の表面に形成されるので、充
分な耐火性能が得られる構造体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる耐火被覆構造を施した躯体の斜
視図である。
【図2】本発明にかかる耐火被覆構造を施した躯体の斜
視図である。
【図3】本発明にかかる耐火被覆構造を施した躯体の斜
視図である。
【図4】本発明にかかる耐火被覆構造を施した鉄骨柱の
横断面図である。
【図5】本発明にかかる耐火被覆構造を施した鉄骨柱と
鉄骨梁とからなる躯体の縦断面図である。
【図6】本発明にかかる耐火被覆構造を施した鉄骨梁の
横断面図である。
【図7】試験に使用した構造体の斜視図である。
【図8】従来の耐火被覆構造を施した躯体の半断面図で
あって、(a)は鉄骨柱の上端部付近、(b)は鉄骨柱
と鉄骨梁との接続部付近を各々示したものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 躯体を構成する鉄骨柱及び鉄骨梁の表面
    に発泡性耐火塗膜層を形成すると共に、該発泡性耐火塗
    膜層の表面に、少なくとも発泡性耐火塗膜層が発泡する
    までの間は被覆状態を維持し、且つ発泡性耐火塗膜層の
    発泡は妨げない被覆材層を形成したことを特徴とする耐
    火被覆構造。
  2. 【請求項2】 上記被覆材層の形成位置が、躯体を構成
    する鉄骨柱の上端部付近及び/又は鉄骨柱と鉄骨梁の下
    面とにより形成される角部付近を被覆する上記発泡性耐
    火塗膜層の表面であることを特徴とする、請求項1記載
    の耐火被覆構造。
  3. 【請求項3】 上記被覆材層の材料が、セメントを結合
    材とするものであり、且つその厚さが1〜3mmであるこ
    とを特徴とする、請求項1又は2記載の耐火被覆構造。
  4. 【請求項4】 上記被覆材層の材料が、プラスターであ
    り、且つその厚さが1〜3mmであることを特徴とする、
    請求項1又は2記載の耐火被覆構造。
  5. 【請求項5】 上記被覆材層の材料が、合成樹脂系のシ
    ーリング材であり、且つその厚さが1〜3mmであること
    を特徴とする、請求項1又は2記載の耐火被覆構造。
  6. 【請求項6】 上記被覆材層の材料が、合成樹脂系の耐
    熱塗料であり、且つその厚さが0.1mm以上であること
    を特徴とする、請求項1又は2記載の耐火被覆構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013087464A (ja) * 2011-10-17 2013-05-13 Takenaka Komuten Co Ltd 耐火被覆複層構造
JP2018021373A (ja) * 2016-08-03 2018-02-08 株式会社竹中工務店 耐火構造

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