JPH09241392A - 高吸水性ポリマーの製造方法 - Google Patents

高吸水性ポリマーの製造方法

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JPH09241392A
JPH09241392A JP5187396A JP5187396A JPH09241392A JP H09241392 A JPH09241392 A JP H09241392A JP 5187396 A JP5187396 A JP 5187396A JP 5187396 A JP5187396 A JP 5187396A JP H09241392 A JPH09241392 A JP H09241392A
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JP5187396A
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Yoshifumi Shimokawa
慶史 下川
Masakazu Nakao
雅一 中尾
Kazuo Matsuyama
一雄 松山
Jun Shida
純 志田
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶剤を用いることなく、安全に且つ生産
性良く高吸水性ポリマーを製造する方法を提供するこ
と。 【解決手段】 本発明は、カルボキシル基を有するポリ
マーに、該カルボキシル基と反応し得る官能基を2以上
有する架橋剤を加え、架橋反応を行わせて高吸水性ポリ
マーを製造するに際し、上記カルボキシル基を有するポ
リマーと上記架橋剤とを含有する水溶液を気相中に噴霧
して架橋反応を行わせることを特徴とする高吸水性ポリ
マーの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙オムツ、生理用
ナプキン、成人用シーツ、タンポン、及び衛生綿等の吸
収性物品における吸収体を構成する高吸水性ポリマーの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】高吸水
性ポリマーの製造方法は、カルボキシル基を有する重
合性単量体に、架橋剤あるいは重合の際に自己架橋を伴
う重合開始剤を添加し、加熱することで、重合と架橋と
を同時に進行させて高吸水性ポリマーを製造する方法
と、重合性単量体を重合させて線状のポリマーを合成
し、その後に適当な架橋剤等を用い、架橋させて高吸水
性ポリマーを製造する方法との2つに大別される。
【0003】上記の方法では、重合の進行と共に架橋
が進むので、ポリマーのゲル化が急激に進み、重合によ
る発熱(重合熱)も大きい。このため、重合及び架橋の
反応中に、反応液が突沸状態となり、反応の制御が困難
であるばかりでなく危険でもある。これに対し、上記
の方法では、重合の際における重合熱は上記の方法と
同様に大きいが、反応液の粘度が比較的低いため突沸状
態にはならず、重合後の架橋の際にポリマーがゲル状に
なるときには反応による発熱はほとんどない。このた
め、安全に高吸水性ポリマーの製造を行うことができる
ものの製造面において、なお下記のような課題を有して
いる。
【0004】特開昭58−79006号公報及び特公昭
59−45695号公報において、水溶性ポリマーを架
橋することにより、高吸水性ポリマーを製造する方法が
開示されている。しかしながら、これらの公報に開示さ
れている方法は、ポリマー水溶液中に架橋剤を添加混合
し、その後シート状あるいはブロック状にして加熱する
ことにより架橋を行わせる方法である。一般に、衛生材
料として用いられる高吸水性ポリマーは吸水速度を向上
させるために、粉体状で使用されるのが通常であるが、
この方法によると、上記シート状あるいはブロック状の
ポリマーから水分を除去し、粉砕するという後の工程が
必要となる。しかも、水分を除去して乾燥したポリマー
を機械的に粉砕するには多大なエネルギーが必要とな
る。
【0005】また、特開昭62−230813号公報に
おいて、非水性溶媒中で第1モノマーから形成された水
溶性又は水膨潤性ポリマー粒子に架橋剤及び水溶性エチ
レン性不飽和の第2モノマーを加えて、架橋及び重合を
行うことにより粒子径の制御された水溶性又は水膨潤性
ポリマー粒子の製造方法が開示されている。この製造方
法によると、粉砕を行うことなく粒子状の高吸水性ポリ
マーが得られるが、有機溶剤を使用するため、危険性や
作業環境上の問題が残る。また、上記有機溶剤を大量に
使用するため、コストの上昇を招いたり、有機溶剤の回
収再利用のための設備が必要となる。
【0006】従って、本発明の目的は、有機溶剤を用い
ることなく、安全に且つ生産性良く高吸水性ポリマーを
製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、特定の水溶性ポリマーと特定の架橋剤とを含有
する水溶液を気相中に噴霧して、架橋反応を行わせるこ
とにより、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0008】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、カルボキシル基を有するポリマーに、該カルボキシ
ル基と反応し得る官能基を2以上有する架橋剤を加え、
架橋反応を行わせて高吸水性ポリマーを製造するに際
し、上記カルボキシル基を有するポリマーと上記架橋剤
とを含有する水溶液を気相中に噴霧して架橋反応を行わ
せることを特徴とする高吸水性ポリマーの製造方法を提
供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の高吸水性ポリマー
の製造方法について詳細に説明する。本発明に用いられ
るカルボキシル基を有するポリマーとしては、不飽和カ
ルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、イタコン酸、マレイン酸、及びこれらの中和物か
らなる群より選択された1種以上を含む単量体の組成物
を用いて該単量体を重合してなるポリマーを用いること
ができる。また、上記カルボキシル基を有するポリマー
としては、上記単量体と、該単量体と共重合し得る他の
単量体との共重合体を用いることもできる。この場合、
上記の他の単量体としては、例えば、ビニルスルホン
酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ジメチルアミ
ノエチルアクリレート等が挙げられ、該共重合体におけ
る該他の単量体の含有量が25重量%となるまで、該他
の単量体を用いることができる。
【0010】上記カルボキシル基を有するポリマーを得
る際には、重合開始剤を用いることができる。該重合開
始剤としては、公知の水溶性ラジカル開始剤を使用する
ことができ、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、t
−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオ
キシド等のハイドロパーオキシド、2,2’−アゾビス
−2’−アミジノプロパン二塩酸塩等のアゾ化合物等を
挙げることができる。これらの重合開始剤は、単独で又
は2種類以上を混合して使用することができる。更に、
上記重合開始剤と、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリ
ウム、亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩、第二鉄塩、L−ア
スコルビン酸等の還元剤とを組み合わせたレドックス開
始剤を用いることもできる。これらの中でも、自己架橋
を起こしにくい水溶性のアゾ化合物を用いるのが好まし
い。
【0011】上記カルボキシル基を有するポリマーの分
子量(重量平均分子量)は、好ましくは20,000〜
3,000,000、更に好ましくは50,000〜
1,000,000である。該分子量が20,000未
満であると、水に対して不溶化できなかったり、不溶化
できても水への可溶分が高く、吸水時のゲルがべとつい
た状態となる場合がある。また、該分子量が3,00
0,000を超えると、高粘度となり、架橋反応を行わ
せる際に粘度が高くなりすぎ、架橋が不均一になりやす
い。この場合、希釈してポリマーの濃度を小さくするこ
とで低粘度にできるが、単位ポリマー当たりの蒸発すべ
き水の量が多くなり、装置の効率が低くなる。
【0012】本発明に用いられるカルボキシル基と反応
し得る官能基を2以上有する架橋剤としては、多価グリ
シジルエーテル、多価アルコール、多価イソシアネー
ト、多価アジリジン、ハロエポキシ化合物、多価アルデ
ヒド、多価アミン、多価金属塩類等が挙げられる。
【0013】ここで、上記多価グリシジルエーテルとし
ては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グ
リセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポ
リグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジ
ルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペ
ンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、プロピレ
ングリコールグリシジルエーテル、ポリプロピレングリ
コールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0014】また、上記多価アルコールとしては、例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、プ
ロピレングリコール、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン、ポリオキシプロピル、オキシエチエンオキ
シプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトー
ル、ソビトール等が挙げられる。
【0015】また、上記多価イソシアネートとしては、
例えば、2,4−トルイレンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート等が挙げられる。また、上記
多価アジリジンとしては、例えば、2,2−ビスヒドロ
キシメチルブタノール−トリス〔3−(1−アシリジニ
ル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンジエチ
レンウレア、ジフェニルメタン−ビス−4,4’−N,
N’−ジエチレンウレア等が挙げられる。また、上記ハ
ロエポキシ化合物としては、例えば、エピクロルヒドリ
ン、α−メチルクロルヒドリン等が挙げられる。
【0016】また、上記多価アルデヒドとしては、例え
ば、グルタルアルデヒド、グリオキサール等が挙げられ
る。また、上記多価アミンとしては、例えば、エチレン
ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキ
サミン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。また、上
記多価金属塩類としては、例えば、塩化アルミニウム、
塩化マグネシウム、塩化カルボキシル、硫酸アルミニウ
ム、硫酸マグネシウム、硫酸カルボキシル等が挙げられ
る。
【0017】上記架橋剤の使用量は、上記カルボキシル
基を有するポリマーに対して、好ましくは0.005〜
5重量%、更に好ましくは0.01〜0.5重量%であ
る。該架橋剤の使用量が0.005重量部%未満である
と、上記ポリマーを水に対して不溶化できなくなる場合
があり、また5重量%を超えると、吸水倍率が低下する
場合がある。
【0018】また、上記架橋剤は、上記カルボキシル基
を有するポリマーを得る際の重合が終了した後に添加さ
れる。上記架橋剤を上記重合と同時に添加すると、重合
時に架橋が形成されることになる。
【0019】本発明に用いられる上記カルボキシル基を
有するポリマーと上記架橋剤とを含有する水溶液におけ
る該カルボキシル基を有するポリマー濃度は、好ましく
は30〜95重量%であり、更に好ましくは40〜70
重量%である。該濃度が30重量%未満であると、実際
の処理量が小さくなるため、経済的に不利となる場合が
あり、95重量%を超えると、架橋剤が内部まで浸透し
にくく、架橋が不均一となる場合がある。
【0020】また、上記架橋反応を行わせる際に、重合
性単量体及び重合開始剤を加え、同時に該重合性単量体
を重合させることにより、同等の飽和吸水量で、膨潤時
のベタツキのより少ない、即ち、ゲル強度の大きなポリ
マーを得ることができる。この理由は、上記架橋反応と
上記重合性単量体の重合とが同時に起こり、該重合性単
量体が重合しつつ、該架橋反応によりできた上記カルボ
キシル基を有するポリマー(線状のポリマー)の網目と
絡み合うことにより、分子相互貫入網目構造を形成する
為と考えられる。
【0021】ここで用いられる上記重合性単量体として
は、上述した上記カルボキシル基を有するポリマーの水
溶液を得る際に用いられるものと同様のもの、即ち、不
飽和カルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、及びこれらの中
和物からなる群より選択された1種以上を含む単量体を
用いることができ、また、該単量体と、該単量体と共重
合し得るビニルスルホン酸、2−ヒドロキシエチルアク
リレート、ジメチルアミノエチルアクリレート等の他の
単量体との混合物でもよく、更に、該単量体と、N,
N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の重合性
不飽和二重結合を2以上含む単量体との混合物でもよ
い。上記重合性単量体の使用量は、上記カルボキシル基
を有するポリマーに対して50重量%未満である。該重
合性単量体の使用量が50重量%を超えると、架橋反応
時に同時に起こる重合反応による発熱が大きくなり、突
沸が起こったり、温度制御が困難になったりする。
【0022】また、上記重合開始剤としては、ラジカル
重合開始剤等の公知のものを用いることができる。
【0023】本発明においては、上記カルボキシル基を
有するポリマーに、上記架橋剤を加え、架橋反応を行わ
せて高吸水性ポリマーを製造するに際し、上記カルボキ
シル基を有するポリマーと上記架橋剤とを含有する水溶
液を気相中に噴霧して架橋反応を行わせることにより、
従来方法よりも効率良く粉体状の高吸水性ポリマーを得
ることができる。この理由は、ポリマーの架橋が全く進
んでいない水溶液の状態で気相中に噴霧することにより
細分化が行われ、その後架橋反応及び乾燥が進行するの
で、完全に架橋及び乾燥が終了してポリマー強度が非常
に大きくなってから粉砕する場合に比べて、非常に少な
いエネルギーで粉体状にすることが可能になる為であ
る。
【0024】上記水溶液を気相中に噴霧して架橋反応を
行わせる方法としては、例えば、上記カルボキシル基を
有するポリマーの水溶液に、上記架橋剤を溶解させ、気
相中に噴霧し、加熱して架橋を行わせる方法や、上記カ
ルボキシル基を有するポリマーの水溶液と上記架橋剤と
の水溶液を、それぞれ気相中に噴霧して、気相中で液滴
状で混合した後に加熱架橋させる方法等が挙げられる。
【0025】上記水溶液を気相中に噴霧するには、市販
の噴霧ノズル、例えば、回転円盤式、加圧ノズル式、2
流体ノズル、3流体ノズル等を用いて行なうことができ
る。
【0026】また、上記水溶液を気相中に噴霧する際に
は、噴霧液滴の径が100〜500μm、特に200〜
400μmとなるように噴霧するのが好ましい。該噴霧
液滴の径が100μm未満になると、得られる高吸水性
ポリマーが微粒子となり、吸水時にままこ状になる為に
十分な吸水物性が得られない場合があり、また、500
μmを超えると、気相中で安定に分散されない上に、乾
燥に多大な時間を要する場合がある。
【0027】上記の噴霧液滴の径は、噴霧ノズルの形
状、噴霧流量、圧力等で変化するが、これらの条件は所
望の径が得られる範囲内あれば特に限定されない。
【0028】上記架橋反応を行わせる際の加熱温度は、
好ましくは50〜200℃、更に好ましくは70〜15
0℃である。該加熱温度が50℃未満であると、架橋速
度が遅いだけでなく、水分の乾燥に時間を要する傾向に
あり、200℃を超えると、架橋が充分に進む前に乾燥
され、充分な架橋反応の効果が得られない傾向にある。
【0029】また、上記架橋反応を行わせる際の時間
は、好ましくは5分〜5時間、更に好ましくは20分〜
2時間である。
【0030】また、上記架橋反応を行わせると同時に、
水分除去(乾燥)及び造粒を行うのが好ましい。上記水
分除去は、上記の加熱温度及び時間で、適当な圧力及び
操作方式により実施される。ここで、上記圧力は、常圧
でも減圧でもよいが、好ましくは100〜500tor
rであり、上記操作方式は、回分式でも連続式でもよ
い。上記造粒は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸塩等のアニオン性界面活性剤、第四級アルキルアン
モニウム塩等のカチオン性界面活性剤、ソルビタン脂肪
酸エステル等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤
や、二酸化ケイ素粉末、酸化アルミニウム粉末、酸化チ
タン粉末等の反応に不活性な無機粉体を加えることによ
り実施される。上記造粒により、ポリマーの再凝集を少
なくして、小粒径の高吸水性ポリマーを得ることができ
る。
【0031】本発明の製造方法によれば、平均粒径が1
00〜400μmで、且つ最大粒径が800μm以下の
高吸水性ポリマーを容易に得ることができる。
【0032】本発明の製造方法により得られた高吸水性
ポリマーは、紙オムツ、生理用ナプキン、成人用シー
ツ、タンポン、及び衛生綿等の吸収性物品における吸収
体を構成する吸収ポリマーとして用いられ、その他、従
来の吸収ポリマーと同様の用途に用いられる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限される
ものではない。
【0034】〔実施例1〕80重量%のアクリル酸水溶
液102重量部を、30重量%の水酸化ナトリウム水溶
液108.8重量部で中和させた後に、3重量%の2,
2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩水
溶液10重量部を加えて、均一になるように攪拌した。
その後、窒素気流下で攪拌しながら75℃に昇温し、重
合させて、2時間後に線状のポリアクリル酸部分中和物
を得た。水溶液中のポリアクリル酸部分中和物の濃度は
45重量%であった。このポリマーの重量平均分子量
は、65万であった(GPC法で測定、以下同じ)。こ
のポリマー水溶液に、架橋剤として30重量%のエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル水溶液2重量部を加
え、5分間均一に攪拌した。その後、φ3m×H6mの
塔内に、温度100℃、相対湿度20%の空気を300
L/分で鉛直上向きに流した。上記塔の上部より、上記
ポリマー水溶液及び上記架橋剤の混合物を、(株)いけ
うち製空円錐ノズル1/4FKP006S316Wを用
いて100g/分で鉛直下向きに噴霧して、架橋反応を
行った。上記塔内での平均滞留時間は約10秒であり、
滞留後、上記塔の下部において、粉体状の高吸水性ポリ
マーを得た。得られた高吸水性ポリマーの平均粒径は2
30μmであり、飽和吸水量は57、6g/gであり、
膨潤時のゲル強度は37.1g/cm2 であった。
【0035】ここで、飽和吸水量は、ポリマー約1gに
大過剰の生理食塩水中に分散させ、充分膨潤させ、次い
で、80メッシュの金網で濾過し、得られた膨潤ポリマ
ーの重量(W)を測定し、この値を初めの(膨潤前の)
ポリマーの重量(W0)で割り、その値から1引いて得ら
れる値で表した。即ち、飽和吸水量(g/g)=W/W
0 −1とした。また、膨潤時のゲル強度は、ポリマー2
gに生理食塩水60gを吸収させ、膨潤ゲルを作成し、
ネオカードメーター(飯尾電気(株)製)にかけ、ゲル
が破断に至るまでの弾性力を測定し、その値を膨潤時の
ゲル強度(g/cm2 )とした。
【0036】〔実施例2〕3重量%の2,2’−アゾビ
ス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩水溶液を4.5
重量%の過硫酸カリウム水溶液に変えた以外は実施例1
と同様の操作を行い、高吸水性ポリマーを得た。この場
合、架橋前のポリマー(ポリアクリル酸部分中和物)の
重量平均分子量は、47万であった。また、架橋後のポ
リマー(得られた高吸水性ポリマー)の平均粒径は19
0μmであり、飽和吸水量は59.3g/gであり、膨
潤時のゲル強度は36.2g/cm2 であった。
【0037】〔実施例3〕80重量%のアクリル酸水溶
液102重量部を、30重量%の水酸化ナトリウム水溶
液108.8重量部で中和させた後に、3重量%の2,
2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩水
溶液10重量部を加えて、均一になるように攪拌した。
その後、窒素気流下で攪拌しながら75℃に昇温し、重
合させて、2時間後に線状のポリアクリル酸部分中和物
を得た。このポリマーの重量平均分子量は、65万であ
った。このポリマー水溶液に、架橋剤としての30重量
%のエチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液
2.5重量部、並びに80重量%のアクリル酸水溶液2
0.4重量部及び30重量%の水酸化ナトリウム水溶液
21.8重量部加え、該アクリル酸を中和させた。次い
で、過硫酸アンモニウム2.0重量部を加え、5分間均
一に攪拌した。その後、φ2m×H10mの塔内に、温
度100℃、相対湿度20%の空気を300L/分で鉛
直上向きに流した。上記塔の上部より、上記ポリマー水
溶液及び上記架橋剤を含有する混合物を、(株)いけう
ち製噴霧ノズルLuminaUA−1を用いて200g
/分で鉛直下向きに噴霧して、架橋反応を行った。上記
塔内での平均滞留時間は約20秒であり、滞留後、上記
塔の下部において、粉体状の高吸水性ポリマーを得た。
得られた高吸水性ポリマーの平均粒径は180μmであ
り、飽和吸水量は55.2g/gであり、膨潤時のゲル
強度は45.6g/cm2 であった。なお、飽和吸水量及
び膨潤時のゲル強度は、実施例1と同様に測定して求め
た値である。
【0038】〔実施例4〕エチレングリコールジグリシ
ジルエーテルをトリエチレンテトラミンに変えた以外は
実施例3と同様の操作を行い、高吸水性ポリマーを得
た。この場合、架橋前のポリマー(ポリアクリル酸部分
中和物)の重量平均分子量は、65万であった。また、
架橋後のポリマー(得られた高吸水性ポリマー)の平均
粒径は210μmであり、飽和吸水量は52.3g/g
であり、膨潤時のゲル強度は49.3g/cm2 であっ
た。
【0039】
【発明の効果】本発明の高吸水性ポリマーの製造方法に
よれば、有機溶剤を用いることなく、安全に且つ生産性
良く高吸水性ポリマーを製造することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志田 純 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基を有するポリマーに、該
    カルボキシル基と反応し得る官能基を2以上有する架橋
    剤を加え、架橋反応を行わせて高吸水性ポリマーを製造
    するに際し、上記カルボキシル基を有するポリマーと上
    記架橋剤とを含有する水溶液を気相中に噴霧して架橋反
    応を行わせることを特徴とする高吸水性ポリマーの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 上記架橋反応を行わせる際に、重合性単
    量体及び重合開始剤を加え、同時に該重合性単量体を重
    合させることを特徴とする請求項1記載の高吸水性ポリ
    マーの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008521951A (ja) * 2004-11-30 2008-06-26 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 吸水性ポリマー粒子を後架橋する方法

Cited By (2)

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JP2008521951A (ja) * 2004-11-30 2008-06-26 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 吸水性ポリマー粒子を後架橋する方法
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