JPH09241240A - ヒンダードアミン誘導体 - Google Patents

ヒンダードアミン誘導体

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JPH09241240A
JPH09241240A JP4919496A JP4919496A JPH09241240A JP H09241240 A JPH09241240 A JP H09241240A JP 4919496 A JP4919496 A JP 4919496A JP 4919496 A JP4919496 A JP 4919496A JP H09241240 A JPH09241240 A JP H09241240A
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JP
Japan
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dimer acid
acid
dimer
ester
solvent
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Withdrawn
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JP4919496A
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English (en)
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Noriaki Hata
憲明 畑
Hiroyuki Suzuki
弘之 鈴木
Hiroyuki Morikawa
博之 森川
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Harima Chemical Inc
Original Assignee
Harima Chemical Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い界面活性効果、耐酸化安定性、紫外線劣
化防止効果を有する改質剤。 【解決手段】 ダイマー酸を水素添加して後ポリアルキ
ル−4−ヒドロキシピペリジンとエステル交換して得ら
れる新規なダイマー酸エステル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイマー酸と呼ば
れている不飽和脂肪酸から合成される重合脂肪酸または
その水素化物のヒンダードアミン誘導体に関するもので
あり、さらに詳しくは、一般に言うダイマー酸の外に、
トリマー酸、テトラマー酸とも言われる重合脂肪酸およ
びそれらを水素添加して得られた還元体から合成される
新規なダイマー酸のエステル体、言い替えればヒンダー
ドアミンエステルまたはアミドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】いわゆるダイマー酸を含む脂肪酸重合体
の一群は合成潤滑油およびポリアミド樹脂、ポリエステ
ル樹脂等の原料として広く生産されている。一般的には
ダイマー酸が主に利用されており、このものは米国特許
2664429号、2731481号、2746979
号、2793219号、2793220号、27940
17号、2894939号、2955121号、296
4545号、2978468号等の特許においてその製
造方法などが記載されている既知物質であるが、その製
法はそれらに記載されているものには限定されない。ま
たこのものは炭素数18の不飽和脂肪酸の重合によって
得られる炭素数36のジカルボン酸であるが、その構造
は単一ではなく非環式、単環式、または多環式化合物か
らなる混合物であり、さらにこれらの各構造についても
不飽和度の違いなど多くの異性体が存在する。しかし、
このものの特徴としては反応性に富むことにあり、工業
的に有用な二塩基酸であり、大きな側鎖の疎水性部分と
水溶性のカルボン酸基を同一分子内に有することから高
い界面活性効果も有する。このものは沸点が250〜3
00℃(3x10ー3torr)と非常に高いことから低
揮発性に優れている化合物である。また多くの異性体を
含むことから一般的に非晶性を有し、柔軟性に富み低温
特性に優れている。これらの特性より、主用途としては
塗料、インキ、接着剤用のポリアミド樹脂原料に用いら
れ、また合成潤滑油の添加剤、ポリウレタン、ポリエス
テルの改質成分および製紙用薬品の原料等として多方面
に利用されている。また不飽和脂肪酸重合体の水素化物
は分子内の不飽和結合が還元されているので、酸化に対
する安定性が増大している。
【0003】一方、ヒンダードアミン誘導体が紫外線劣
化防止剤としての効果が認められており、その各種誘導
体が光安定剤として上市されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は新しい
タイプの紫外線劣化防止剤を提供することにある。ま
た、低揮発性で各種樹脂との相溶性の高い実用性に富む
新しいタイプの光安定剤としての添加剤を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決するためにダイマー酸等の不飽和脂肪酸重合体とヒ
ンダードアミン誘導体との付加反応の開発を行い、次の
一般式(I)
【0006】
【化1】 [式中、Rは炭素数16〜22の不飽和脂肪酸の重合体
(2〜4量体)またはその水素化物を示し、nは2〜4
の整数を示す。またXは酸素原子またはNR1を示し、
1およびR2は水素原子またはアルキル基またはアシル
基を示す。]で示される構造を有するヒンダードアミン
誘導体を得た。
【0007】ダイマー酸等の不飽和脂肪酸重合体、また
はその水素化物とヒンダードアミン誘導体との付加物で
あれば紫外線劣化防止効果を有し、またヒンダードアミ
ンと高い界面活性効果を有する不飽和脂肪酸重合体また
はその水素化物との付加物ならば非常に優れた物性を示
す化合物であろうと考え、また低揮発性で各種樹脂との
相溶性の高い新しいタイプの光安定剤として市場のニー
ズに対応し実用性に富んでいるであろうと考えた。
【0008】
【発明の実施の形態】ダイマー酸とは不飽和脂肪酸を重
合して製造され、とうもろこし油、綿実油、大豆油、オ
リーブ油、ナタネ油、サフラワー油、ひまし油、トール
油等の植物油、牛脂、豚脂、チキン油等の動物油脂、タ
ラ油、イカ油、イワシ油、サバ油、マグロ油等の魚油、
またはリノール酸、オレイン酸などの精製不飽和脂肪酸
を用いて合成を行ない、市販されている。これらの天然
脂肪酸はパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リ
ノール酸、リノレン酸が主成分である。原料の不飽和脂
肪酸を公知の方法に従つて重合させて得られる重合物、
あるいはこの重合物を更に蒸留、カラムクロマトグラフ
イー等の公知の方法で精製して、2量体、3量体または
4量体の純度を高めたものも本発明に使用することがで
きる。
【0009】不飽和脂肪酸重合体の水素添加反応は特に
限定されることはない。一般に接触還元反応に用いられ
るニツケル、銅、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、
または白金等の塩類または錯体を触媒として用いる公知
の方法で行うことができる。この反応は好ましくは1〜
10%のパラジウム炭素を用いて無溶媒、あるいはトル
エン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、t−ブタノール、テトラヒドロフラン、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、イソオクタン、酢酸エチル等の溶剤
の存在下、50℃から300℃、好ましくは120℃か
ら250℃の範囲内で行う。このような反応条件で通常
は、反応系内の不飽和結合は殆ど還元されてしまう。
【0010】さらに不飽和脂肪酸重合体とヒンダードア
ミンのエステル化反応およびアミド化反応は不飽和脂肪
酸重合体またはその水素化物を公知の方法でメチルまた
はエチルエステルとした後に式II
【0011】
【化2】 [R2の置換基は前に説明の通りである。]で示される
アルコール体または式III
【0012】
【化3】 [R2の置換基は前に説明の通りである。]で示される
アミン体とともに無溶媒、あるいはn−ヘキサン、イソ
オクタン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、ジメチルホルムアミドなどの溶剤の存在
下、触媒として水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、またはリチウム,ナトリウム,カリウム
などの金属とメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、t−ブタノールなどのアルコキシドを用いて0℃か
ら300℃、好ましくは120℃から250℃に加熱す
ることにより行う。
【0013】なお一般式Iの化合物についてピペリジル
環に結合しているメチル基については格別これに限定さ
れることなく本発明の効果を得るであろうことは当業者
には容易に考え得ることである。低級アルキル基例えば
炭素数1〜6のアルキル基であればその化合物は後に記
す実施例3と同様に取り扱うことが出来る。
【0014】
【実施例】一般式(I)で表される化合物の製法の一例
を下記に示す。以下の実施例においては、原料として蒸
留ダイマー酸または水素添加ダイマー酸を用いた。
【0015】実施例1 蒸留ダイマー酸の水素添加反応 トール油より合成し、蒸留にて精製した蒸留ダイマー酸
(ハリマ化成(株)、商品名 ハリダイマー300)3
00.0gを加圧反応釜に入れ、釜内を窒素ガスで置換
する。次に含水5%パラジウム炭素(水分50.0%)
1.5gを加え、反応釜を密閉する。続いて水素ガスを
導入し、釜内を完全に置換したのち、水素圧を100k
g/cm2とし、200℃にて3時間攪拌を行う。反応
終了後、120℃まで冷却し、加圧ろ過器にて触媒をろ
過することにより不飽和結合がすべて還元されたダイマ
ー酸水素添加物が得られた。
【0016】実施例2 水素添加ダイマー酸のメチルエ
ステル化反応 実施例1で得られたダイマー酸水素添加物500.0g
(酸価195.0)をメタノール500gに溶解させ硫
酸10.0gを反応釜に入れ、酸価が1以下になるまで
加熱還流を行う。反応終了後、pHが中性になるまで水
洗を繰り返したのち、残存する水および溶剤を減圧下留
去することにより水素添加ダイマー酸のカルボン酸がす
べてメチルエステルとなった酸価が1以下のメチルエス
テル体が得られた。
【0017】実施例3 水素添加ダイマー酸メチルエス
テル体のエステル交換反応 実施例2で得られた水素添加ダイマー酸メチルエステル
体200gをキシレン200gに溶解させ2,2,6,
6−テトラメチルー4−ヒドロキシピペリジン115g
および28%ナトリウムメトキサイド溶液12.9gを
反応釜に入れ3時間加熱還流を行う。反応終了後、pH
が中性になるまで水洗を繰り返したのち、残存する水お
よび溶剤を減圧下留去することによりメチルエステルが
すべてピペリジルエステルに交換された水素添加ダイマ
ー酸4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)
ジエステルが得られた。このことは下に示す物性値から
明らかである。
【0018】水素添加ダイマー酸4−(2,2,6,6
−テトラメチルピペリジル)ジエステル(化合物1) IR(KBr)(cmー1) 3329,2956,2926,2855,1734,
1622,1563,1461,1377,1365,
1311,1240,1169,1014,979,7
96,723,697,646,4781 H−NMR(CDCl 3 )δ(ppm) 0.8−1.0(CH23 ),1.16(CC
3),1.24(CCH3),1.1−1.4(C
2,CHaxCHOCO),1.5−1.7(CH,
2 CH2COO,C2 CH2Ar),1.94(d
d,J=4.4,12.2Hz,CHeqCHOC
O),2.2(t,CH2COO),2.4−2.6
(C2 Ar),5.22(tt,J=4.4,11.
2Hz,CHOCO),6.7−7.0(Ar).13 C−NMR(CDCl3)δ(ppm) 14.1(CH 23),22−38(CH2),2
8.9(C3),34.7(C3),40−51
H,),43.8(2CHOCO),51.
4(CNH),68.4(HOCO),123−13
9(Ar),173.3(C=0) 沸点 300℃以上(1x10-3torr) 粘度 5980cps(25℃) 比重 0.970(25℃) 溶解性(25℃) 易溶 トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレ
ン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン、酢酸
エチル、ジクロロメタン、クロロホルム等の脂溶性溶
剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−
ブタノール、t−ブタノール、テトラヒドロフラン、ア
セトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルフォキシド等の親水性溶剤 微溶 水(0.3g/100ml,25℃)
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によりダイ
マー酸等の不飽和脂肪酸重合体およびその水素化物とヒ
ンダードアミンの付加物の合成により、低揮発性で相溶
性のきわめて良好なヒンダードアミン化合物を得ること
に成功した。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイマー酸に含まれる不飽和結合に水素
    添加して得られた水素添加ダイマー酸のアルキルエステ
    ルを無溶媒叉は有機溶媒の存在下、2,2,6,6−ポ
    リ低級アルキルー4ーヒドロキシピペリジンとエステル
    交換反応を行って得られた反応物から水及び有機溶媒を
    分離除去したことを特徴とする新規なダイマー酸のエス
    テル体。
  2. 【請求項2】 ダイマー酸は、不飽和脂肪酸の2量体、
    3量体または4量体を少なくとも90%含むことを特徴
    とする請求項1に記載のダイマー酸のエステル体。
  3. 【請求項3】 水素添加ダイマー酸のアルキルエステル
    は、酸価が10以下であることを特徴とする請求項1に
    記載のダイマー酸のエステル体。
  4. 【請求項4】 4−(2,2,6,6−テトラメチルピ
    ペリジル)ダイマー酸ジエステル。
  5. 【請求項5】 4−(2,2,6,6−テトラメチルピ
    ペリジル)水素添加ダイマー酸ジエステル。
  6. 【請求項6】 ダイマー酸に含まれる不飽和結合に水素
    添加して水素添加ダイマー酸とし、次にこれを一旦アル
    キルエステル体として後これを、無溶媒叉は有機溶媒の
    存在下、2,2,6,6−ポリ低級アルキルー4ーヒド
    ロキシピペリジンとエステル交換反応を行って、得られ
    た反応物から水及び有機溶媒を分離除去することを特徴
    とする新規なダイマー酸のエステル体の製造方法。
  7. 【請求項7】 ダイマー酸は、不飽和脂肪酸の2量体、
    3量体または4量体を少なくとも90%含むことを特徴
    とする請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 水素添加ダイマー酸のアルキルエステル
    は、酸価が10以下であることを特徴とする請求項6に
    記載の方法。
JP4919496A 1996-03-06 1996-03-06 ヒンダードアミン誘導体 Withdrawn JPH09241240A (ja)

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