JPH09239484A - 遠心圧縮機用羽根車の製造方法及び製造用治具 - Google Patents
遠心圧縮機用羽根車の製造方法及び製造用治具Info
- Publication number
- JPH09239484A JPH09239484A JP4501096A JP4501096A JPH09239484A JP H09239484 A JPH09239484 A JP H09239484A JP 4501096 A JP4501096 A JP 4501096A JP 4501096 A JP4501096 A JP 4501096A JP H09239484 A JPH09239484 A JP H09239484A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- disk
- blades
- manufacturing
- impeller
- centrifugal compressor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
- Forging (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 羽根が３次元形状をなしている場合にあって
も、その影響を低減しながら、大型化への対応を容易に
するとともに、製造コストの低減、羽根車の精度向上を
図る。 【解決手段】 ディスクを鍛造するとともに、複数の羽
根を精密鋳造により成形し、複数の羽根をディスクに組
み合わせて羽根の位置を設定した後、複数の羽根とディ
スクとを溶接し、熱処理により所定の機械的性質を付与
した状態としてから、羽根及びディスクを精密仕上げし
て所望形状及び寸法に仕上げる技術が採用される。
も、その影響を低減しながら、大型化への対応を容易に
するとともに、製造コストの低減、羽根車の精度向上を
図る。 【解決手段】 ディスクを鍛造するとともに、複数の羽
根を精密鋳造により成形し、複数の羽根をディスクに組
み合わせて羽根の位置を設定した後、複数の羽根とディ
スクとを溶接し、熱処理により所定の機械的性質を付与
した状態としてから、羽根及びディスクを精密仕上げし
て所望形状及び寸法に仕上げる技術が採用される。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠心圧縮機用羽根
車の製造方法及び製造用治具に係り、特に、精度向上と
製造の容易化とを図るものである。
車の製造方法及び製造用治具に係り、特に、精度向上と
製造の容易化とを図るものである。
【０００２】
【従来の技術】図５は、遠心圧縮機の羽根車（インペ
ラ）の構造例を示すものである。該羽根車（インペラ）
は、傘状のディスク１に、例えば２種類の長さを有する
長羽根２と短羽根３とが一体に複数配されたものであ
り、両羽根２，３が、薄い板を捻ったような３次元形状
とされるとともに、厚さを徐々に変化させたものとなっ
ている。
ラ）の構造例を示すものである。該羽根車（インペラ）
は、傘状のディスク１に、例えば２種類の長さを有する
長羽根２と短羽根３とが一体に複数配されたものであ
り、両羽根２，３が、薄い板を捻ったような３次元形状
とされるとともに、厚さを徐々に変化させたものとなっ
ている。
【０００３】このような構造の羽根車を製造する方法と
して、次のような手法が考えられ、形状の単純なものや
小型のものについては一部実施されている。 （１）ステンレス鋼等の所望材料を精密鋳造することに
より、一体成形する方法。 （２）マシニングセンタ等の精密切削機械を使用して円
柱または円盤状ブロックから削り出す方法。
して、次のような手法が考えられ、形状の単純なものや
小型のものについては一部実施されている。 （１）ステンレス鋼等の所望材料を精密鋳造することに
より、一体成形する方法。 （２）マシニングセンタ等の精密切削機械を使用して円
柱または円盤状ブロックから削り出す方法。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の精密鋳
造法であると、羽根の部分が３次元形状であるために
鋳造時や鋳造後に収縮及び変形し易い、ディスクの厚
さの変化が大きいために厚肉部にピンホール等の欠陥が
発生し易くなる、形状の複雑化に伴い鋳造が困難にな
り、設備費の増大を招く等の課題が残され、後者の削り
出し法であると、切削量の増大とともに切削コスト、
材料コストが大幅に増加する、機械設備の制限を受け
易い等の課題が残される。そして、これらの傾向は、羽
根車の大型化とともに顕著になる。
造法であると、羽根の部分が３次元形状であるために
鋳造時や鋳造後に収縮及び変形し易い、ディスクの厚
さの変化が大きいために厚肉部にピンホール等の欠陥が
発生し易くなる、形状の複雑化に伴い鋳造が困難にな
り、設備費の増大を招く等の課題が残され、後者の削り
出し法であると、切削量の増大とともに切削コスト、
材料コストが大幅に増加する、機械設備の制限を受け
易い等の課題が残される。そして、これらの傾向は、羽
根車の大型化とともに顕著になる。
【０００５】本発明は、これらの課題に鑑みてなされた
もので、以下の目的を達成しようとするものである。 １）羽根の部分の３次元形状による影響を受けにくし、
大型化への対応を容易にすること。 ２）製造コストの低減を図ること。 ３）羽根車の精度向上を図ること。 ４）製造設備による制限を緩和して、羽根車の大型化を
可能とすること。
もので、以下の目的を達成しようとするものである。 １）羽根の部分の３次元形状による影響を受けにくし、
大型化への対応を容易にすること。 ２）製造コストの低減を図ること。 ３）羽根車の精度向上を図ること。 ４）製造設備による制限を緩和して、羽根車の大型化を
可能とすること。
【０００６】
【課題を解決するための手段】ディスクを傘状等の所望
形状に鍛造する工程と、鍛造されたディスクを切削加工
して各部の形状及び寸法を設定する工程と、複数の羽根
を精密鋳造により成形する工程と、複数の羽根をディス
クに組み合わせて羽根の位置を設定する工程と、複数の
羽根とディスクとの接合箇所を溶接する工程と、羽根及
びディスクを熱処理して金属組織をマルテンサイト化す
る工程と、マルテンサイト化した羽根及びディスクを精
密仕上げして所望形状及び寸法に仕上げる工程とを有す
る技術が採用される。複数の羽根とディスクとの組み合
わせにより、これらの接合箇所に角度の等しい溶接開先
を形成する技術が採用される。羽根とディスクとの組み
合わせ後、複数の羽根とディスクとの接合箇所に、溶接
作業に先立って仮溶接を施して位置ずれの発生を妨げる
ことが望ましい。接合箇所の溶接作業に先立って、複数
の羽根の回りに金属リングを外嵌するとともに、金属リ
ングと複数の羽根との接触箇所を仮溶接して、溶接時の
変形及び変位の発生を妨げることが望ましい。複数の羽
根とディスクとを組み合わせる際に、ディスクの表面に
治具を配して、該治具に複数の羽根を当接させることに
より、複数の羽根とディスクの表面との間に角度の一定
な溶接開先を形成する。治具にあっては、ディスクの裏
面に半径外方向に突出した状態に当接する位置決めリン
グと、該位置決めリングに組み合わされてディスクの表
面に当接状態とされるスペーサと、該スペーサと組み合
わせ状態にディスクの表面に半径方向に沿って配される
第１の当て板と一体に立上げられる支持板と、該支持板
に支持されて第１の当て板から離間した箇所に配される
第２の当て板と、位置決めリングと第１の当て板と第２
の当て板とを着脱可能に組み付ける締結具とを具備する
ものが採用される。
形状に鍛造する工程と、鍛造されたディスクを切削加工
して各部の形状及び寸法を設定する工程と、複数の羽根
を精密鋳造により成形する工程と、複数の羽根をディス
クに組み合わせて羽根の位置を設定する工程と、複数の
羽根とディスクとの接合箇所を溶接する工程と、羽根及
びディスクを熱処理して金属組織をマルテンサイト化す
る工程と、マルテンサイト化した羽根及びディスクを精
密仕上げして所望形状及び寸法に仕上げる工程とを有す
る技術が採用される。複数の羽根とディスクとの組み合
わせにより、これらの接合箇所に角度の等しい溶接開先
を形成する技術が採用される。羽根とディスクとの組み
合わせ後、複数の羽根とディスクとの接合箇所に、溶接
作業に先立って仮溶接を施して位置ずれの発生を妨げる
ことが望ましい。接合箇所の溶接作業に先立って、複数
の羽根の回りに金属リングを外嵌するとともに、金属リ
ングと複数の羽根との接触箇所を仮溶接して、溶接時の
変形及び変位の発生を妨げることが望ましい。複数の羽
根とディスクとを組み合わせる際に、ディスクの表面に
治具を配して、該治具に複数の羽根を当接させることに
より、複数の羽根とディスクの表面との間に角度の一定
な溶接開先を形成する。治具にあっては、ディスクの裏
面に半径外方向に突出した状態に当接する位置決めリン
グと、該位置決めリングに組み合わされてディスクの表
面に当接状態とされるスペーサと、該スペーサと組み合
わせ状態にディスクの表面に半径方向に沿って配される
第１の当て板と一体に立上げられる支持板と、該支持板
に支持されて第１の当て板から離間した箇所に配される
第２の当て板と、位置決めリングと第１の当て板と第２
の当て板とを着脱可能に組み付ける締結具とを具備する
ものが採用される。
【０００７】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る遠心圧縮機用
羽根車の製造方法及び製造用治具の一実施形態につい
て、図１ないし図５に基づいて説明する。
羽根車の製造方法及び製造用治具の一実施形態につい
て、図１ないし図５に基づいて説明する。
【０００８】図１は、遠心圧縮機用羽根車の製造工程の
実施状況を示している。以下、遠心圧縮機用羽根車の製
造例について、図２ないし図４を参照しながら、工程順
に説明する。
実施状況を示している。以下、遠心圧縮機用羽根車の製
造例について、図２ないし図４を参照しながら、工程順
に説明する。
【０００９】〔ディスクの製造〕 Ｓ１：ディスク１にあっては、図２及び図３に示すよう
に、所望形状である傘状でかつ湾曲面状の表面１ａを有
する形状に、鍛造技術に基づき、ステンレス鋼等の所望
の金属材料により製造される（鍛造される）。 Ｓ２：鍛造されたディスク１は、適宜機械を利用した切
削加工により、各部の形状及び寸法が設定される。
に、所望形状である傘状でかつ湾曲面状の表面１ａを有
する形状に、鍛造技術に基づき、ステンレス鋼等の所望
の金属材料により製造される（鍛造される）。 Ｓ２：鍛造されたディスク１は、適宜機械を利用した切
削加工により、各部の形状及び寸法が設定される。
【００１０】〔羽根の製造〕 Ｓ３：長羽根２及び短羽根３（両羽根２，３）にあって
は、前述したように、薄い板を捻ったような３次元形状
で、かつ、厚さを徐々に変化させたものとする必要があ
るが、これらの両羽根２，３は、大小等の種類別に複数
の金型を用意しておいて、これに基づく精密鋳造により
成形される。両羽根２，３にあっても、ステンレス鋼等
の所望の金属材料により製造される。 Ｓ４：精密鋳造によって製造した両羽根２，３は、高い
精度で形成される。したがって、寸法調整等の仕上げ加
工を必要としない場合が多いが、必要に応じて仕上げ加
工が付加される。
は、前述したように、薄い板を捻ったような３次元形状
で、かつ、厚さを徐々に変化させたものとする必要があ
るが、これらの両羽根２，３は、大小等の種類別に複数
の金型を用意しておいて、これに基づく精密鋳造により
成形される。両羽根２，３にあっても、ステンレス鋼等
の所望の金属材料により製造される。 Ｓ４：精密鋳造によって製造した両羽根２，３は、高い
精度で形成される。したがって、寸法調整等の仕上げ加
工を必要としない場合が多いが、必要に応じて仕上げ加
工が付加される。
【００１１】〔ディスク及び羽根の組み合わせ〕 Ｓ５：個々に製造されたディスク１及び両羽根２，３
は、治具１０を使用して組み付けられる。
は、治具１０を使用して組み付けられる。
【００１２】該治具１０にあっては、ディスク１の裏面
に半径外方向に突出した状態に当接させられ両羽根２，
３の配列に合わせたピッチの位置合わせ穴（タップ穴）
１１ａとピンを立てた状態とする位置合わせ穴（ピン
穴）１１ｂとが交互に複数対形成された位置決めリング
１１と、該位置決めリング１１と組み合わされてディス
ク１の表面１ａに当接させられるスペーサ１２と、該ス
ペーサ１２と組み合わされて図２に示すようにディスク
１の半径方向に沿って配される第１の当て板１３と、該
第１の当て板１３と一体に立上げられる支持板１４と、
該支持板１４に支持されて第１の当て板１３から離間し
た箇所にディスク１の半径方向に沿って配される第２の
当て板１５と、位置決めリング１１と第１の当て板１３
と第２の当て板１５とを着脱可能に組み付けるボルト，
ナット等からなる締結具（ボルト）１６と、これらの組
み付けを補助して第１の当て板１３をスペーサ１２に固
定するボルト１７Ａ，位置決めピン（位置合わせピン）
１７Ｂ及びガイドピン１７Ｃとを具備するものが採用さ
れる。
に半径外方向に突出した状態に当接させられ両羽根２，
３の配列に合わせたピッチの位置合わせ穴（タップ穴）
１１ａとピンを立てた状態とする位置合わせ穴（ピン
穴）１１ｂとが交互に複数対形成された位置決めリング
１１と、該位置決めリング１１と組み合わされてディス
ク１の表面１ａに当接させられるスペーサ１２と、該ス
ペーサ１２と組み合わされて図２に示すようにディスク
１の半径方向に沿って配される第１の当て板１３と、該
第１の当て板１３と一体に立上げられる支持板１４と、
該支持板１４に支持されて第１の当て板１３から離間し
た箇所にディスク１の半径方向に沿って配される第２の
当て板１５と、位置決めリング１１と第１の当て板１３
と第２の当て板１５とを着脱可能に組み付けるボルト，
ナット等からなる締結具（ボルト）１６と、これらの組
み付けを補助して第１の当て板１３をスペーサ１２に固
定するボルト１７Ａ，位置決めピン（位置合わせピン）
１７Ｂ及びガイドピン１７Ｃとを具備するものが採用さ
れる。
【００１３】Ｓ６：治具１０をディスク１に取り付けた
状態として、両羽根２，３の位置決めが行なわれる。図
２及び図３に示すように、ディスク１の裏面に位置決め
リング１１を当て、ディスク１の表面にスペーサ１２を
当て、締結具１６及び位置決めピン１７Ｂを位置合わせ
穴１１ａ，１１ｂに嵌合させるとともに、これら位置決
めリング１１及びスペーサ１２を締結具１６で締結して
ディスク１を挟んだ状態とする。また、第１の当て板１
３及び第２の当て板１５をボルト１７Ａを回転中心とし
て若干回動させ、ガイドピン１７Ｃを位置決めリング１
１の外周部に接触させて、第１の当て板１３及び第２の
当て板１５の側部１３ａ，１５ａの位置を設定する。
状態として、両羽根２，３の位置決めが行なわれる。図
２及び図３に示すように、ディスク１の裏面に位置決め
リング１１を当て、ディスク１の表面にスペーサ１２を
当て、締結具１６及び位置決めピン１７Ｂを位置合わせ
穴１１ａ，１１ｂに嵌合させるとともに、これら位置決
めリング１１及びスペーサ１２を締結具１６で締結して
ディスク１を挟んだ状態とする。また、第１の当て板１
３及び第２の当て板１５をボルト１７Ａを回転中心とし
て若干回動させ、ガイドピン１７Ｃを位置決めリング１
１の外周部に接触させて、第１の当て板１３及び第２の
当て板１５の側部１３ａ，１５ａの位置を設定する。
【００１４】位置を設定した第１の当て板１３及び第２
の当て板１５の側部１３ａ，１５ａに、両羽根２，３を
立て懸けるように接触させることにより、各羽根２，３
の位置が設定される。なお、全組の羽根２，３につい
て、治具１０を取り付けることにより、同様に位置を設
定する。
の当て板１５の側部１３ａ，１５ａに、両羽根２，３を
立て懸けるように接触させることにより、各羽根２，３
の位置が設定される。なお、全組の羽根２，３につい
て、治具１０を取り付けることにより、同様に位置を設
定する。
【００１５】各羽根２，３について、取り付け位置を設
定することにより、図４に示すように、各羽根２，３と
ディスク１の表面１ａとの間に、角度αの等しい溶接開
先Ｗが形成される。ディスク１と羽根２，３との接合箇
所には、溶接開先Ｗによる溶接作業に先立って仮溶接が
施され、以下の溶接作業による位置ずれや変形の発生の
抑制がなされる。
定することにより、図４に示すように、各羽根２，３と
ディスク１の表面１ａとの間に、角度αの等しい溶接開
先Ｗが形成される。ディスク１と羽根２，３との接合箇
所には、溶接開先Ｗによる溶接作業に先立って仮溶接が
施され、以下の溶接作業による位置ずれや変形の発生の
抑制がなされる。
【００１６】さらに、各羽根２，３の回りには、各羽根
２，３の側部が図５に示すように、傾斜状態となってい
ることに基づき、複数の金属リング（補強リング）１８
が外嵌されるとともに、図２に示すように、金属リング
１８と各羽根２，３との接触箇所を仮溶接して、位置ず
れを抑制することにより、溶接時の変形及び変位の発生
を妨げることが行なわれる。なお、位置決めに使用され
た治具１０は、以下に説明する溶接作業に先立って撤去
される。
２，３の側部が図５に示すように、傾斜状態となってい
ることに基づき、複数の金属リング（補強リング）１８
が外嵌されるとともに、図２に示すように、金属リング
１８と各羽根２，３との接触箇所を仮溶接して、位置ず
れを抑制することにより、溶接時の変形及び変位の発生
を妨げることが行なわれる。なお、位置決めに使用され
た治具１０は、以下に説明する溶接作業に先立って撤去
される。
【００１７】〔溶接開先による溶接〕 Ｓ７：各羽根２，３を固定状態とした後、各羽根２，３
とディスク１の表面１ａとの接合箇所、つまり、溶接開
先Ｗに溶接を施すことにより、各羽根２，３がディスク
１の表面１ａに取り付けられる。この場合の溶接作業
は、溶接開先Ｗの角度αが全部の溶接開先Ｗについて一
定となっているため、各羽根２，３の厚さを考慮して実
施される。
とディスク１の表面１ａとの接合箇所、つまり、溶接開
先Ｗに溶接を施すことにより、各羽根２，３がディスク
１の表面１ａに取り付けられる。この場合の溶接作業
は、溶接開先Ｗの角度αが全部の溶接開先Ｗについて一
定となっているため、各羽根２，３の厚さを考慮して実
施される。
【００１８】〔熱処理〕 Ｓ８：溶接により組み付けられた羽根車は、高温状態ま
での加熱及び急冷等の熱処理により、金属組織のマルテ
ンサイト化が促進される。
での加熱及び急冷等の熱処理により、金属組織のマルテ
ンサイト化が促進される。
【００１９】各羽根２，３をディスク１に取り付けた
後、各羽根２，３の回りに取り付けた金属リング１８に
あっては、除去される。
後、各羽根２，３の回りに取り付けた金属リング１８に
あっては、除去される。
【００２０】Ｓ９：マルテンサイト化した羽根車は、精
密仕上げが施されて、ディスク１及び各羽根２，３を所
望形状及び寸法となるように加工される。この際に、溶
接歪みによる僅かな寸法の変化や、前述の金属リング１
８の取り付け痕の除去等の切削または研磨加工が行なわ
れ、精度の高い羽根車（インペラ）が製造されることに
なる。
密仕上げが施されて、ディスク１及び各羽根２，３を所
望形状及び寸法となるように加工される。この際に、溶
接歪みによる僅かな寸法の変化や、前述の金属リング１
８の取り付け痕の除去等の切削または研磨加工が行なわ
れ、精度の高い羽根車（インペラ）が製造されることに
なる。
【００２１】
【発明の効果】本発明に係る遠心圧縮機用羽根車の製造
方法及び製造用治具によれば、以下のような効果を奏す
る。 （１） ディスクの部分を鍛造するとともに、羽根の部
分を精密鋳造により成形して、これらを組み合わせる手
法を採用することにより、全体の製作性を向上させ、か
つ低コスト化を図ることができる。 （２） 羽根の部分のみを精密鋳造することにより、３
次元形状をなす場合や複雑な形状をなす場合にあって
も、高い精度で製作することができる。また、ディスク
表面と一定の角度をなすような複雑な溶接開先も作り込
むことができる。 （３） 複数の羽根とディスクとを溶接する構造とする
ことにより、羽根の大きさが複数となる場合や、形状が
異なる場合にあっても組み合わせの融通性を得て、仕様
の変更に対応することができる。 （４） 鍛造と精密鋳造との組み合わせにより、最終的
な仕上げ加工を単純化し、かつ加工代を小さくして、加
工労力を低減することができる。 （５） 複数の羽根とディスクとを組み合わ時に、治具
を使用して位置合わせをすることにより、羽根の配置精
度の向上に加えて溶接作業性を高めることができる。 （６） 複数の羽根とディスクとを個々に精密加工する
ことにより、機械設備の制限を少なくし、羽根車の大型
化を容易にすることができる。
方法及び製造用治具によれば、以下のような効果を奏す
る。 （１） ディスクの部分を鍛造するとともに、羽根の部
分を精密鋳造により成形して、これらを組み合わせる手
法を採用することにより、全体の製作性を向上させ、か
つ低コスト化を図ることができる。 （２） 羽根の部分のみを精密鋳造することにより、３
次元形状をなす場合や複雑な形状をなす場合にあって
も、高い精度で製作することができる。また、ディスク
表面と一定の角度をなすような複雑な溶接開先も作り込
むことができる。 （３） 複数の羽根とディスクとを溶接する構造とする
ことにより、羽根の大きさが複数となる場合や、形状が
異なる場合にあっても組み合わせの融通性を得て、仕様
の変更に対応することができる。 （４） 鍛造と精密鋳造との組み合わせにより、最終的
な仕上げ加工を単純化し、かつ加工代を小さくして、加
工労力を低減することができる。 （５） 複数の羽根とディスクとを組み合わ時に、治具
を使用して位置合わせをすることにより、羽根の配置精
度の向上に加えて溶接作業性を高めることができる。 （６） 複数の羽根とディスクとを個々に精密加工する
ことにより、機械設備の制限を少なくし、羽根車の大型
化を容易にすることができる。
【図１】本発明に係る遠心圧縮機用羽根車の製造方法に
よる製造工程の実施状況を示すフローチャートである。
よる製造工程の実施状況を示すフローチャートである。
【図２】本発明に係る遠心圧縮機用羽根車の製造方法の
実施状況を示す一部の記載を省略した正断面図である。
実施状況を示す一部の記載を省略した正断面図である。
【図３】本発明に係る遠心圧縮機用羽根車の製造方法の
実施状況を示す一部の記載を省略した平面図である。
実施状況を示す一部の記載を省略した平面図である。
【図４】図２に示す羽根の溶接開先の状況を示す一部の
記載を省略した斜視図である。
記載を省略した斜視図である。
【図５】遠心圧縮機用羽根車の構造例を示す斜視図であ
る。
る。
１ ディスク １ａ 表面 ２ 長羽根（羽根） ３ 短羽根（羽根） １０ 治具 １１ 位置決めリング １１ａ 位置合わせ穴（タップ穴） １１ｂ 位置合わせ穴（ピン穴） １２ スペーサ １３ 第１の当て板 １３ａ 側部 １４ 支持板 １５ 第２の当て板 １５ａ 側部 １６ 締結具（ボルト） １７Ａ ボルト １７Ｂ 位置決めピン（位置合わせピン） １７Ｃ ガイドピン １８ 金属リング（補強リング） Ｗ 溶接開先
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ０４Ｄ 29/28 Ｆ０４Ｄ 29/28 Ｒ
Claims (6)
- 【請求項１】 ディスク（１）を鍛造する工程と、鍛造
されたディスクを切削加工する工程と、複数の羽根
（２，３）を精密鋳造する工程と、複数の羽根をディス
クに組み合わせて羽根の位置を設定する工程と、複数の
羽根とディスクとの接合箇所を溶接する工程と、羽根及
びディスクを精密仕上げする工程とを有することを特徴
とする遠心圧縮機用羽根車の製造方法。 - 【請求項２】 複数の羽根（２，３）とディスク（１）
との溶接後に、羽根及びディスクを熱処理して金属組織
をマルテンサイト化する工程を付加することを特徴とす
る請求項１記載の遠心圧縮機用羽根車の製造方法。 - 【請求項３】 複数の羽根（２，３）とディスク（１）
との組み合わせにより、これらの接合箇所に角度の等し
い溶接開先（Ｗ）を形成することを特徴とする請求項１
または２記載の遠心圧縮機用羽根車の製造方法。 - 【請求項４】 接合箇所の溶接作業に先立って、複数の
羽根（２，３）の回りに金属リング（１８）を外嵌し、
金属リングと複数の羽根との接触箇所を仮溶接して固定
状態とすることを特徴とする請求項１、２または３記載
の遠心圧縮機用羽根車の製造方法。 - 【請求項５】 複数の羽根（２，３）とディスク（１）
とを組み合わせる際に、ディスクの表面（１ａ）に治具
（１０）を配して、該治具に複数の羽根を当接させて位
置決めを行なうことを特徴とする請求項１、２、３また
は４記載の遠心圧縮機用羽根車の製造方法。 - 【請求項６】 複数の羽根（２，３）とディスク（１）
とを組み合わせる際に、これらの位置決めを行なう治具
（１０）であって、ディスクの裏面に半径外方向に突出
した状態に当接する位置決めリング（１１）と、該位置
決めリングに接続されディスクの表面（１ａ）に配され
る第１の当て板（１３）と、該第１の当て板に接続され
第１の当て板から離間した箇所に配される第２の当て板
（１５）と、位置決めリングと第１の当て板と第２の当
て板とを着脱可能に組み付ける締結具（１６）とを具備
することを特徴とする遠心圧縮機用羽根車製造用治具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4501096A JPH09239484A (ja) | 1996-03-01 | 1996-03-01 | 遠心圧縮機用羽根車の製造方法及び製造用治具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4501096A JPH09239484A (ja) | 1996-03-01 | 1996-03-01 | 遠心圧縮機用羽根車の製造方法及び製造用治具 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09239484A true JPH09239484A (ja) | 1997-09-16 |
Family
ID=12707401
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4501096A Withdrawn JPH09239484A (ja) | 1996-03-01 | 1996-03-01 | 遠心圧縮機用羽根車の製造方法及び製造用治具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09239484A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002516960A (ja) * | 1998-05-27 | 2002-06-11 | 株式会社荏原製作所 | ターボ機械の羽根車 |
| CN100406348C (zh) * | 2006-12-06 | 2008-07-30 | 武汉船用机械有限责任公司 | 一种喷水推进装置导叶体的加工方法 |
| JP2010229894A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Hitachi Plant Technologies Ltd | 羽根車およびその製造方法 |
| CN102501015A (zh) * | 2011-11-04 | 2012-06-20 | 航天科工卫星技术有限公司 | 一种小型转台u型支架的集成制造方法 |
| CN103978157A (zh) * | 2014-05-27 | 2014-08-13 | 苏州市诚键法兰制造有限公司 | 一种便捷替换法兰模具 |
| CN109604965A (zh) * | 2018-12-27 | 2019-04-12 | 四川艾格瑞特模具科技股份有限公司 | 精密机械生产加工方法 |
| CN112496685A (zh) * | 2020-11-27 | 2021-03-16 | 中国航发四川燃气涡轮研究院 | 一种整体叶盘的制造方法 |
| CN114434073A (zh) * | 2022-02-21 | 2022-05-06 | 浙江华航环保科技有限公司 | 一种风机叶轮装配设备 |
-
1996
- 1996-03-01 JP JP4501096A patent/JPH09239484A/ja not_active Withdrawn
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002516960A (ja) * | 1998-05-27 | 2002-06-11 | 株式会社荏原製作所 | ターボ機械の羽根車 |
| JP4668413B2 (ja) * | 1998-05-27 | 2011-04-13 | 株式会社荏原製作所 | ターボ機械の羽根車 |
| CN100406348C (zh) * | 2006-12-06 | 2008-07-30 | 武汉船用机械有限责任公司 | 一种喷水推进装置导叶体的加工方法 |
| JP2010229894A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Hitachi Plant Technologies Ltd | 羽根車およびその製造方法 |
| CN102501015A (zh) * | 2011-11-04 | 2012-06-20 | 航天科工卫星技术有限公司 | 一种小型转台u型支架的集成制造方法 |
| CN103978157A (zh) * | 2014-05-27 | 2014-08-13 | 苏州市诚键法兰制造有限公司 | 一种便捷替换法兰模具 |
| CN109604965A (zh) * | 2018-12-27 | 2019-04-12 | 四川艾格瑞特模具科技股份有限公司 | 精密机械生产加工方法 |
| CN112496685A (zh) * | 2020-11-27 | 2021-03-16 | 中国航发四川燃气涡轮研究院 | 一种整体叶盘的制造方法 |
| CN114434073A (zh) * | 2022-02-21 | 2022-05-06 | 浙江华航环保科技有限公司 | 一种风机叶轮装配设备 |
| CN114434073B (zh) * | 2022-02-21 | 2024-05-03 | 浙江华航风机科技有限公司 | 一种风机叶轮装配设备 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4985992A (en) | Method of making stator stages for compressors and turbines, and stator vanes and vane arrays produced thereby | |
| EP1407852B1 (en) | Process for machining axial blade slots in turbine disks for jet engines | |
| US4270256A (en) | Manufacture of composite turbine rotors | |
| US8516676B2 (en) | Method of manufacture of aerofoil assemblies having datum features located in complementary fixtures | |
| EP1134358A2 (en) | Method of machining the turbine rotor shaft of a supercharger | |
| JPH09239484A (ja) | 遠心圧縮機用羽根車の製造方法及び製造用治具 | |
| JP2003507614A (ja) | タービン羽根のエアフォイルを交換する方法 | |
| US3544232A (en) | Housing for turbomachines | |
| JPH01294901A (ja) | 物品突出部の接合方法および装置 | |
| US2730795A (en) | Wire line sheave and method of fabrication | |
| EP3208032B1 (en) | Manufacture of a drum for a gas turbine engine | |
| JPH02196102A (ja) | 回転翼支持ディスクの形状修整方法 | |
| CN113385871B (zh) | 用于制造叶轮组件的方法 | |
| JP3305204B2 (ja) | 輻流羽根車の加工方法 | |
| US20230066810A1 (en) | Fan, Synchronous Machine And Methods | |
| US11319838B2 (en) | Partially-cast, multi-metal casing for combustion turbine engine | |
| JP2003531329A (ja) | カムシャフト，その製造方法及びその製造装置 | |
| JPH04223872A (ja) | 切断・研削ディスクの製造方法 | |
| JP3851094B2 (ja) | トロイダル型無段変速機及びこれに用いるローラの加工方法 | |
| JP2003328989A (ja) | 羽根車の製作方法 | |
| JP4437515B2 (ja) | タービンノズルの製造方法 | |
| JPH0235878B2 (ja) | ||
| RU2120567C1 (ru) | Способ изготовления рабочего колеса центробежного компрессора и сборочное приспособление для изготовления колеса центробежного компрессора | |
| JP2003200334A (ja) | センターレス研削機用ブレード、および、その製造方法 | |
| CN118321861A (zh) | 一种涡轮导向器排气面积的调节方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030506 |