JPH09239040A - マイクロ波治療器 - Google Patents

マイクロ波治療器

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JPH09239040A
JPH09239040A JP5209696A JP5209696A JPH09239040A JP H09239040 A JPH09239040 A JP H09239040A JP 5209696 A JP5209696 A JP 5209696A JP 5209696 A JP5209696 A JP 5209696A JP H09239040 A JPH09239040 A JP H09239040A
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義弘 内藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より効果的且つ安全にマイクロ波治療の実施
が可能であるマイクロ波治療器を提供する。 【解決手段】 マグネトロン15a、15bがマイクロ
波を発振し、SSR12a、12bはマグネトロンが発
振するマイクロ波を各々断続させ、アンテナ部17a、
17bがマイクロ波を照射する。同期制御回路24は、
SSR12aによる断続比または断続周期、あるいは断
続比および断続周期を制御するパルス発生回路23a
と、SSR12bによる断続比または断続周期、あるい
は断続比および断続周期を制御するパルス発生回路23
bとの断続比および断続周期を同期させる。またモード
スイッチ4a、4bによって、パルス発生回路23aに
よる断続比または断続周期とパルス発生回路23bによ
る断続比または断続周期とを同期させるか否かを選択
し、アンテナ部から交互にマイクロ波を照射させるか、
同時に照射させ得るかを選択し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マイクロ波(お
よそ1GHz以上の電磁波)を患部に照射し、治療する
マイクロ波治療器であって、特に効果的且つ安全にマイ
クロ波を照射できるマイクロ波治療器に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波帯(およそ1GHz以上)の
電磁波は、水の分子を振動させ、この結果水分の温度を
上昇させる作用があることは、周知の通りである。ま
た、この原理を利用した加熱器具も数多く開発され、広
く用いられている。
【0003】医療分野においても、マイクロ波を用いた
検査器具や治療器具が数多く実用化されている。その中
でも、マイクロ波を照射することにより、胃などの生体
深層部に位置する内臓器官の患部を加熱治療するマイク
ロ波治療器は、構造が比較的簡単で安価に構成すること
が可能なこともあり、需要が多い。
【0004】さて、上述のようなマイクロ波治療器にあ
っても、その詳細な用途は多様化しつつあり、その一例
として生体深層部に位置する患部をより効果的に治療す
ることを目的とするマイクロ波治療器がある。
【0005】例えば、腕部や脚部(肘部や膝部を含む)
等の深層部を加熱治療する場合には、1箇所の患部に対
して、その周囲の多方からマイクロ波を照射することに
よって、より効果的な治療が可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、1箇所
の患部に同時に照射し得るエネルギー量には限界がある
ので、このような治療に際しては、1箇所の患部に与え
るエネルギー量が所定量以下となるように、細心の注意
を要する。
【0007】ところが、例えば2台のマイクロ波治療器
を用いて、2つのアンテナ部から同時に1箇所の患部に
マイクロ波を照射した場合には、照射するエネルギー量
が上述の限界を超えてしまう。
【0008】また、1人の患者に対して同時に2箇所の
マイクロ波治療を実施する場合等には、2台のマイクロ
波治療器を並べなければならず、非常に不便であった。
【0009】この発明は、このような背景の下になされ
たもので、より効果的且つ安全にマイクロ波治療の実施
が可能であるマイクロ波治療器を提供することを目的と
している。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1に記載の発明にあっては、マイクロ波
を発振する第1および第2のマイクロ波発振手段と、前
記マイクロ波を照射する第1および第2のマイクロ波照
射手段と、前記第1および第2のマイクロ波発振手段が
発振するマイクロ波を各々断続させる第1および第2の
断続手段とを具備することを特徴とする。
【0011】また、請求項2に記載の発明にあっては、
請求項1に記載のマイクロ波治療器では、前記第1およ
び第2の断続手段による断続比または断続周期の何れ
か、あるいは断続比および断続周期の両方を各々制御す
る第1および第2の断続制御手段と、前記第1の断続制
御手段による断続比または断続周期と前記第2の断続制
御手段による断続比または断続周期とを同期させる同期
制御手段とを具備することを特徴とする。
【0012】また、請求項3に記載の発明にあっては、
請求項2に記載のマイクロ波治療器では、前記第1の断
続制御手段による断続比または断続周期と前記第2の断
続制御手段による断続比または断続周期とを同期させる
か否かを選択し、前記第1および第2のマイクロ波照射
手段から交互にマイクロ波を照射させる第1の照射モー
ドか前記第1および第2のマイクロ波照射手段から同時
にマイクロ波を照射させ得る第2の照射モードかを選択
する照射モード選択手段(4a、4b、22)を具備するこ
とを特徴とする。
【0013】また、請求項4に記載の発明にあっては、
請求項1ないし請求項3の何れかに記載のマイクロ波治
療器では、前記第1および第2のマイクロ波発振手段等
を格納する本体は一側面に水平回動自在の第1および第
2の支持部を有し、前記第1および第2の支持部の各々
には俯仰可能な第1の関節部を介してアームの一端部が
支持され、前記アームの各々は中間部に軸方向に回動自
在な連接部を有し、前記アームの他端部には第2の関節
部を介して各々前記第1あるいは第2のマイクロ波照射
手段が支持されていることを特徴とする。
【0014】また、請求項5に記載の発明にあっては、
請求項4に記載のマイクロ波治療器では、前記第1のマ
イクロ波照射手段が有する開口部と前記第2のマイクロ
波照射手段が有する開口部とは、前記照射対象物を挟ん
で対向することを特徴とする。
【0015】また、請求項6に記載の発明によれば、請
求項5に記載のマイクロ波治療器では、前記第1のマイ
クロ波照射手段が有する開口部と前記第2のマイクロ波
照射手段が有する開口部との距離は、前記第1および第
2の支持部ならびに前記第1および第2の関節部ならび
に連接部によって任意に調整可能であることを特徴とす
る。
【0016】この発明によれば、第1および第2のマイ
クロ波発振手段がマイクロ波を発振し、第1および第2
の断続手段は第1および第2のマイクロ波発振手段が発
振するマイクロ波を各々断続させ、第1および第2のマ
イクロ波照射手段がマイクロ波照射対象物にマイクロ波
を照射する。
【0017】同期制御手段は、第1の断続手段による断
続比または断続周期の何れか、あるいは断続比および断
続周期の両方を制御する第1の断続制御手段と、第2の
断続手段による断続比または断続周期の何れか、あるい
は断続比および断続周期の両方を制御する第2の断続制
御手段との断続比または断続周期を同期させる。
【0018】またモード選択手段によって、第1の断続
制御手段による断続比または断続周期と第2の断続制御
手段による断続比または断続周期とを同期させるか否か
を選択し、第1および第2のマイクロ波照射手段から交
互にマイクロ波を照射させるか第1および第2のマイク
ロ波照射手段から同時にマイクロ波を照射させ得るかを
選択し得る。
【0019】また、第1および第2のマイクロ波発振手
段等を格納する本体は一側面に水平回動自在の第1およ
び第2の支持部を有し、第1および第2の支持部の各々
には俯仰可能な第1の関節部を介してアームの一端部が
支持され、アームの各々は中間部に軸方向に回動自在な
連接部を有し、アームの他端部には第2の関節部を介し
て各々第1あるいは第2のマイクロ波照射手段が支持さ
れている。
【0020】このとき、第1のマイクロ波照射手段の開
口部と第2のマイクロ波照射手段の開口部とは、マイク
ロ波照射対象物を挟んで対向させ、且つその間の距離を
任意に調整することが可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
A.構成 以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説
明する。図1は、本実施の形態にかかるマイクロ波治療
器の一例における、操作パネル1の構成を示す外観図で
ある。
【0022】図1に示す操作パネル1において、2aお
よび2bはタイマー設定スイッチであり、本実施の形態
のマイクロ波治療器による治療時間(マイクロ波照射時
間)を設定するものである。
【0023】なお、上述のタイマー設定スイッチ2aを
押下することにより治療時間が長くなり、一方タイマー
設定スイッチ2bを押下することにより治療時間が短く
なる。さらにタイマー設定スイッチ2aはスタートスイ
ッチを兼ねており、このタイマー設定スイッチ2aを押
下することによりマイクロ波治療器の電源がオンにな
る。
【0024】3は、例えば1つあるいは複数の7セグメ
ントLEDにより構成された表示部であり、治療が終了
するまでの所要時間を「分」または「秒」単位(本実施
の形態では「分」単位)で表示する。
【0025】なお、表示部3に表示される数字は、表示
された「分」または「秒」単位で減ぜられ、この数字が
「0」になった時点で治療が終了(マイクロ波の照射が
停止)されるとともに、本マイクロ波治療器の電源がオ
フになる。
【0026】4aおよび4bはモードスイッチであり、
このモードスイッチ4aを押下することで同期モード
(後述)が選択され、一方モードスイッチ4bを押下す
ることで独立モード(後述)が選択される。
【0027】5aおよび5bは、それぞれモードスイッ
チ4aあるいは4bに埋め込まれたLEDであり、同期
モードが選択された場合にはLED5aが点灯し、独立
モードが選択された場合にはLED5bが点灯する。
【0028】6aおよび6bは、各々マイクロ波の照射
時間を調整するつまみであり、つまみ6aは後述する照
射時間1の長さを調整し、つまみ6bはやはり後述する
照射時間2の長さを調整するものである。
【0029】なお、これらつまみ6aおよび6bは、操
作パネル1の内面に取り付けられたそれぞれVR(可変
抵抗器)7aあるいはVR7bのシャフトを回すもので
ある。
【0030】また、これらつまみ6aおよび6bは、時
計方向に回されることによって照射時間が長くなり、反
時計方向に回されることによって照射時間が短くなる構
成になっている。
【0031】図2は、同実施の形態におけるマイクロ波
治療器内部の電気的構成を示すブロック図である。図2
において、交流電力入力端子から入力された交流電力
は、電源回路11と、各々SSR(ソリッドステートリ
レー)12aあるいは12bを介してトランス13aお
よび13bとに供給される。
【0032】SSR12aおよびSSR12bは、各々
後述するパルスP1あるいはP2が“H(ハイレベル)”
になることでオンになる無接点形のリレーである。
【0033】電源回路11は、タイマー設定スイッチ2
aを構成する一方の接点回路2a-1と、後述する制御信
号Soffによってオン/オフが制御され、直流電力を生
成して後述する各部回路に供給する。即ち、接点回路2
-1がオンになることで直流電力の供給を開始し、制御
信号Soffが入力されることで直流電力の供給を停止す
る。
【0034】トランス13aによって昇圧されて2次側
巻線に発生する高圧は、整流回路14aによって整流さ
れた後、マグネトロン15aのプレート(陽極)に供給
される。
【0035】なお、マグネトロン15aはヒータ電極を
有しており、この電極にヒータ電力を供給して用いる
が、本発明の主旨とは関連がないので、本実施の形態で
は図示ならびに詳細な説明を省略する。
【0036】上述のマグネトロン15aから出力される
マイクロ波の電磁波は、給電線16aを介してアンテナ
部17aに供給され、ここから照射される。なお、図2
に示すSSR12b、トランス13b・・・給電線16
b、アンテナ部17bの構成は、上述したSSR12
a、トランス13a・・・給電線16a、アンテナ部1
7aの構成と同一であるので、ここでは説明を省略す
る。
【0037】21は、一定周期(例えば1秒周期)のク
ロックパルスを発生するパルスジェネレータやカウンタ
等(何れも図示省略)から構成されるタイマー回路であ
る。このカウンタは、クロックパルスあるいはタイマー
設定スイッチ2bが押下されることによってカウントダ
ウンされるとともに、タイマー設定スイッチ2a(タイ
マー設定スイッチ2aの接点回路2a-2)が押下される
ことによりカウントアップされる。
【0038】また、タイマー回路21を構成するカウン
タの出力が表示部3によって表示されるとともに、この
カウンタの計数値が“0”になると、制御信号Soffが出
力される。
【0039】22はSRタイプのFF(フリップ・フロ
ップ)であり、このFF22のR入力端子にはモードス
イッチ4aが接続され、S入力端子にはモードスイッチ
4bが接続されている。またFF22は、出力Qによっ
てLED5bを駆動し、Qの反転出力によってLED5
aを駆動する。
【0040】23aおよび23bはパルス発生回路であ
り、各々VR7aあるいはVR7bのシャフトの位置
(抵抗値)によって決定される波形の矩形波パルスを出
力する。
【0041】上述のパルス発生回路23aおよび23b
の各々は、sync(同期)入力端子を有しており、こ
のsync入力端子が連続して“H”の場合は、VR7
aあるいはVR7bによって決定される周期(一例とし
て、最大概ね1秒)ならびにデューティー比(“H”の
時間と、パルス1周期時間との比率)のパルスP1、ある
いはP2を連続して出力する。
【0042】一方パルス発生回路23aあるいは23b
のsync入力端子にパルス波が入力された場合には、
sync入力端子の立ち上がり時からVR7aあるいは
VR7bによって決定される時間だけ“H”となる波形
のパルスP1、あるいはP2を出力する。
【0043】24は同期制御回路であり、パルス発生回
路23aとパルス発生回路23bとのパルスの出力タイ
ミングを制御する回路である。この同期制御回路24に
はパルスP1およびP2が入力されるとともに、出力S1
およびS2は各々パルス発生回路23aあるいは23b
のsync入力端子に供給される。
【0044】ここで同期制御回路24は、パルスP1
立ち下がりを検出すると出力S2にパルス状の信号を出
力し、パルスP2の立ち下がりを検出すると出力S1にパ
ルス状の信号を出力する。また同期制御回路24は、I
NH端子を有している。このINH端子が“H”になる
と、出力S1およびS2がともに“H”になる。
【0045】B.独立モード 図3は、本実施の形態における各部の信号の様子を示す
タイミングチャートである。まず初めは、一例としてモ
ードスイッチ4bによって独立モードが選択された。こ
のとき同期制御回路24のINH端子は“H”であるの
で、出力S1、2もともに“H”である。
【0046】図3における時刻t1において、つまみ6
aが操作された。この結果、パルスP1のデューティー比
が変化した。また時刻t2において、つまみ6bが操作
された。この結果、パルスP2のデューティー比が変化し
た。
【0047】このように独立モードにおいては、パルス
1の波形とパルスP2の波形とには関連がない。したが
って、アンテナ部17aあるいは17bから照射される
マイクロ波のパルス波形は、各々つまみ6aあるいは6
bによって独立して任意に設定することができる。
【0048】C.同期モード 図3における時刻t3において、モードスイッチ4aに
よって、新たに同期モードが選択された。これによって
FF22の出力Q端子が“L”になり、同期制御回路2
4のINH端子が“L”になった。
【0049】INH端子が“L”になると同期制御回路
24は、パルスP1の立ち下がりを検出すると出力S2
パルス状の信号を出力し、パルスP2の立ち下がりを検
出すると出力S1にパルス状の信号を出力する。
【0050】例えば時刻t31においては、パルスP1
“H”から“L”に変わった。同期制御回路24は、こ
れを検出して出力S2にパルス状の信号を出力してい
る。
【0051】また時刻t32においては、パルスP2
“H”から“L”に変わった。同期制御回路24は、こ
れを検出して出力S1にパルス状の信号を出力してい
る。この結果、アンテナ部17aおよび17bからは、
交互にマイクロ波が照射される。
【0052】ところで、時刻t4においてつまみ6aが
操作された。この結果、パルスP1が“H”である時間
が変化した。また、時刻t5 においてつまみ6bが操作
され、パルスP2が“H”である時間が変化した。
【0053】このような場合にあっても、パルスP1
“H”である時間の変化に対してはパルスP2が“L”
である時間が変化し、パルスP2が“H”である時間の
変化に対してはパルスP1が“L”である時間が変化す
る。
【0054】このため、パルスP1とパルスP2との同期
状態(アンテナ部17aおよび17bによるマイクロ波
の照射タイミングの同期状態)が崩れることはない。
【0055】D.アンテナの外観 以上のように本実施の形態では、独立モードにおいては
2つのアンテナ部の各々から照射されるマイクロ波のパ
ルス波形を、各々独立して調整することができる。一方
の同期モードにおいては、2つのアンテナ部から常に交
互にマイクロ波が照射される。このため、効果的且つ安
全にマイクロ波治療を行うことができる。
【0056】上述のような理由から本実施の形態では、
2つのアンテナ部によって患部を挟み込んで使用するこ
とが可能である。図4は、本実施の形態の外観構成を示
す図であり、特に2つのアンテナ部の外観構成を示す上
面図である。
【0057】図4において、30はマイクロ波治療器本
体であり、その上面に操作パネル1が形成されている。
また下部には、マイクロ波治療器本体30を容易に移動
可能とするためのキャスター31、31・・・が取り付
けられている。
【0058】マイクロ波治療器本体30の一側面上部に
は、2つのアーム支持部32、32が設けられている。
このアーム支持部32には、アーム33が水平方向に回
動自在に取り付けられている。
【0059】アーム33には、末端側(マイクロ波治療
器本体30側)と先端側に、各々関節33a、33bを
有している。これら関節33aはアーム33を俯仰可能
とし、関節33bはアーム33の先端部に取り付けられ
たアンテナ部17a、あるいはアンテナ部17bを一方
向(図4では平面方向)に回動自在とする構成になって
いる。
【0060】またアーム33の略中央部に位置するジョ
イント部33cにおいては、アーム33の先端部を軸中
心に任意の方向に捻ることができる。
【0061】即ち、アンテナ部17aの開口部18aと
アンテナ部17bの開口部18bとを対向させ、且つそ
の間の距離を任意に調整することが可能な構成となって
おり、何処の患部であってもこれら開口部18aと開口
部18bとの間に挟み込むことができる。
【0062】本実施の形態では、マイクロ波治療器本体
30が同期モードの時、アンテナ17a、17bからは
交互にマイクロ波が照射される。従って、アンテナ部1
7a、17bの各々の開口部18a、18bの間に患部
を挟み込んで使用することで、より安全で効果的な治療
が可能となる。
【0063】なお本実施の形態においては、2つのパル
ス発生回路が出力するパルスのタイミングを、同期制御
回路によって制御する例を挙げて説明した。しかしなが
ら例えば、同期モードにおいて2つのアンテナ部からの
マイクロ波の照射を交互に切り換えるための発振回路を
備える構成であってもよい。
【0064】また、マイクロ波治療器本体に取り付けら
れるアームの構成は一例であって、2つのアンテナ部の
各々の開口部を対向させ、且つその間の距離を任意に調
整可能な構成であれば、本実施の形態に示すものに限定
されない。
【0065】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
第1および第2のマイクロ波発振手段がマイクロ波を発
振し、第1および第2の断続手段は第1および第2のマ
イクロ波発振手段が発振するマイクロ波を各々断続さ
せ、第1および第2のマイクロ波照射手段がマイクロ波
照射対象物にマイクロ波を照射する。
【0066】同期制御手段は、第1の断続手段による断
続比または断続周期の何れか、あるいは断続比および断
続周期の両方を制御する第1の断続制御手段と、第2の
断続手段による断続比または断続周期の何れか、あるい
は断続比および断続周期の両方を制御する第2の断続制
御手段との断続比または断続周期を同期させる。
【0067】またモード選択手段によって、第1の断続
制御手段による断続比または断続周期と第2の断続制御
手段による断続比または断続周期とを同期させるか否か
を選択し、第1および第2のマイクロ波照射手段から交
互にマイクロ波を照射させるか第1および第2のマイク
ロ波照射手段から同時にマイクロ波を照射させ得るかを
選択し得る。
【0068】また、第1および第2のマイクロ波発振手
段等を格納する本体は一側面に水平回動自在の第1およ
び第2の支持部を有し、第1および第2の支持部の各々
には俯仰可能な第1の関節部を介してアームの一端部が
支持され、アームの各々は中間部に軸方向に回動自在な
連接部を有し、アームの他端部には第2の関節部を介し
て各々第1あるいは第2のマイクロ波照射手段が支持さ
れている。
【0069】このとき、第1のマイクロ波照射手段の開
口部と第2のマイクロ波照射手段の開口部とはマイクロ
波照射対象物を挟んで対向させ、且つその間の距離を任
意に調整することが可能であるので、より効果的且つ安
全にマイクロ波治療の実施が可能であるマイクロ波治療
器が実現可能であるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるマイクロ波治療
器における、操作パネル1の構成を示す外観図である。
【図2】同実施の形態におけるマイクロ波治療器内部の
電気的構成を示すブロック図である。
【図3】同実施の形態における各部の信号の様子を示す
タイミングチャートである。
【図4】本実施の形態の外観構成を示す図であり、特に
2つのアンテナ部の外観構成を示す上面図である。
【符号の説明】
4a、4b モードスイッチ(照射モード選択手段) 12a、12b SSR(ソリッドステートリレー:断
続手段) 15a、15b マグネトロン(マイクロ波発振手段) 17a、17b アンテナ部(マイクロ波照射手段) 18a、18b 開口部 22 FF(フリップ・フロップ:照射モード選択手
段) 23a、23b パルス発生回路(断続制御手段) 24 同期制御回路(同期制御手段) 30 マイクロ波治療器本体(本体) 32、32 アーム支持部(支持部) 33、33 アーム 33a、33a 関節(第1の関節部) 33b、33b 関節(第2の関節部) 33c、33c 連接部(ジョイント部)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波を発振する第1および第2の
    マイクロ波発振手段(15a、15b)と、 前記マイクロ波をマイクロ波照射対象物に照射する第1
    および第2のマイクロ波照射手段(17a、17b)と、 前記第1および第2のマイクロ波発振手段が発振するマ
    イクロ波を各々断続させる第1および第2の断続手段
    (12a、12b)とを具備することを特徴とするマイク
    ロ波治療器。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2の断続手段による断
    続比または断続周期の何れか、あるいは断続比および断
    続周期の両方を各々制御する第1および第2の断続制御
    手段(23a、23b)と、 前記第1の断続制御手段による断続比または断続周期と
    前記第2の断続制御手段による断続比または断続周期と
    を同期させる同期制御手段(24)とを具備することを特
    徴とする請求項1に記載のマイクロ波治療器。
  3. 【請求項3】 前記第1の断続制御手段による断続比ま
    たは断続周期と前記第2の断続制御手段による断続比ま
    たは断続周期とを同期させるか否かを選択し、前記第1
    および第2のマイクロ波照射手段から交互にマイクロ波
    を照射させる第1の照射モードか前記第1および第2の
    マイクロ波照射手段から同時にマイクロ波を照射させ得
    る第2の照射モードかを選択する照射モード選択手段
    (4a、4b、22)を具備することを特徴とする請求項2
    に記載のマイクロ波治療器。
  4. 【請求項4】 前記第1および第2のマイクロ波発振手
    段等を格納する本体(30)は一側面に水平回動自在の
    第1および第2の支持部(32、32)を有し、 前記第1および第2の支持部の各々には俯仰可能な第1
    の関節部(33a)を介してアーム(33)の一端部が
    支持され、 前記アームの各々は中間部に軸方向に回動自在な連接部
    (33c)を有し、 前記アームの他端部には第2の関節部(33b)を介し
    て各々前記第1あるいは第2のマイクロ波照射手段が支
    持されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3
    の何れかに記載のマイクロ波治療器。
  5. 【請求項5】 前記第1のマイクロ波照射手段が有する
    開口部(18a)と前記第2のマイクロ波照射手段が有
    する開口部(18b)とは、 前記照射対象物を挟んで対向することを特徴とする請求
    項4に記載のマイクロ波治療器。
  6. 【請求項6】 前記第1のマイクロ波照射手段が有する
    開口部と前記第2のマイクロ波照射手段が有する開口部
    との距離は、 前記第1および第2の支持部ならびに前記第1および第
    2の関節部ならびに連接部によって任意に調整可能であ
    ることを特徴とする請求項5に記載のマイクロ波治療
    器。
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