JPH09237677A - 電磁誘導発熱用複合材及びその製造方法 - Google Patents

電磁誘導発熱用複合材及びその製造方法

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JPH09237677A
JPH09237677A JP6938496A JP6938496A JPH09237677A JP H09237677 A JPH09237677 A JP H09237677A JP 6938496 A JP6938496 A JP 6938496A JP 6938496 A JP6938496 A JP 6938496A JP H09237677 A JPH09237677 A JP H09237677A
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aluminum plate
aluminum
magnetic metal
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JP6938496A
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Masaya Nishi
雅也 西
Yoshiya Nishimura
佳哉 西村
Yasunori Nagaoka
康範 長岡
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性金属板とアルミニウム板との間の接合強
度が顕著に改善された電磁誘導発熱用複合材及びその製
造方法を提供すること。 【解決手段】 磁性金属板とアルミニウム板とを各々の
片面に設けた金属メッキ層を介して接合してなる電磁誘
導発熱用複合材において、(1)アルミニウム板がマグ
ネシウム成分の含有量が0.6%未満のアルミニウム合
金板であり、かつ、(2)各金属メッキ層がニッケルメ
ッキ下地層とその上に施された銅メッキ層とからなるこ
とを特徴とする電磁誘導発熱用複合材。磁性金属板とア
ルミニウム板とを各々の片面に設けた金属メッキ層を介
して接合する電磁誘導発熱用複合材の製造方法におい
て、(1)アルミニウム板として、マグネシウム成分の
含有量が0.6%未満のアルミニウム合金板を用い、か
つ、(2)各金属板の片面に、ニッケルメッキ下地層を
形成し、その上に銅メッキ層を形成した後、磁性金属板
とアルミニウム板とを銅メッキ層を介して接合すること
を特徴とする電磁誘導発熱用複合材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、電磁誘導加熱用
複合材に関し、更に詳しくは、電磁誘導加熱式調理器具
に用いられる器物の成形用に有用な複合材とその製造方
法に関する。本発明の電磁誘導発熱用複合材は、層間の
接合強度が極めて高く、プレス成型性に優れ、電磁加熱
式炊飯器ジャー内釜や電磁調理器用鍋などの用途に好適
である。
【0002】
【従来の技術】従来、電磁加熱式調理器具に用いられる
電磁加熱式炊飯ジャー内釜や電磁調理器用鍋等の器物
は、発熱を受け持つ鉄、ステンレス等の磁性金属板と導
熱を受け持つアルミニウム板との複合材を基材とし、ア
ルミニウム板を内側として深絞り等のプレス成型加工に
より製造されている。アルミニウム板としては、一般
に、種々の化学成分を含有するアルミニウム合金からな
る板材が用いられている。また、アルミニウム板の外表
面側には、炊飯等のこびりつきを防ぐために、通常、フ
ッ素樹脂被覆層が設けられている。
【0003】電磁調理器では、トッププレートの下側に
コイルを配置し、コイルで生じた磁力線によりトッププ
レート上の鍋の底板内に渦電流を起こして発熱させるよ
うになっている。したがって、電磁加熱式炊飯ジャー内
釜や電磁調理器用鍋等の器物は、鉄、ステンレス、ニッ
ケル等の磁性金属により作成されている。しかし、磁性
金属は、熱伝導率が小さいため、内釜や鍋などの器物の
底部は加熱されるものの、側面の温度が低く、内容物の
均一加熱が困難である。そこで、近年、磁性金属板とア
ルミニウム板とを複合化(クラッド化)した複合材を用
いて、深絞り等のプレス成型加工により、外面を磁性金
属により形成し、内面を熱伝導率の良いアルミニウム合
金により形成した電磁調理器用器物が開発されている。
【0004】ところで、従来、このような構造の複合材
は、ロール圧延によって磁性金属板とアルミニウム板と
を複合化する方法により製造されていた(特公昭54−
3468号公報、特公昭54−9985号公報)。ロー
ル圧延法によれば、複合材を大量に生産することができ
るものの、アルミニウム板を圧縮して接合するため、板
厚のバラツキが大きく、このため、プレス成形時にしわ
や割れが生じやすいという欠点がある。また、ロール圧
延法では、磁性金属板とアルミニウム板との複合材を製
作した後、所定の形状に打ち抜き加工するが、このとき
に多量に発生する打ち抜きロスもむろん複合材であり、
金属単体ではないためリサイクルが不可能で、それが高
コストにつながっていた。この打ち抜きロスは、産業資
源の有効利用の観点からも好ましいことではない。
【0005】このようなロール圧延法による欠点を克服
する方法として、熱間等方向加圧法や熱間一軸加圧法
(特開平6−15465号公報、特開平6−17908
3号公報)により、磁性金属板とアルミニウム板とを接
合する複合材の製造方法が提案されている。特に、熱間
一軸加圧法によれば、分離材を用いることにより、基材
となる複数組を同時に加熱・加圧(ホットプレス)して
複合化することができるため、大量生産が可能であり、
しかもプレス成型時における器物のしわや割れ、層間剥
離等の不良率の発生が少ない複合材を得ることができ
る。
【0006】この熱間一軸加圧法によれば、磁性金属板
とアルミニウム板とを、中間層を介在させることなく直
接にホットプレスして接合することができるが、中間層
として、Cu、Al、Ni、Agまたはこれらの合金な
どの金属層を介在させると、接合条件を低温、低圧側に
シフトさせることができる。そこで、前記各公開公報に
は、磁性金属板及び/またはアルミニウム板の接合面
に、これらの金属層を、メッキ、蒸着、イオン蒸着、溶
融金属浸漬などの方法により設けた後、熱間一軸加圧法
によりホットプレスする方法が開示されている。
【0007】このホットプレス法によれば、各金属板を
圧縮して接合していないため、ロール圧延法に比べて、
板厚のバラツキが小さく、板厚のバラツキに起因するプ
レス成型工程でのしわや割れの発生が少ない複合材を得
ることができる。しかも、ホットプレス法では、各金属
板の打ち抜き加工は、ホットプレスによる複合化工程の
前に行われるため、打ち抜きロスのリサイクルがロール
圧延法に比較して容易である。しかしながら、ホットプ
レス法により得られる複合材のプレス成型工程での不良
品の発生率を低下させ、あるいは成形品の耐久性を向上
させるには、磁性金属板とアルミニウム板との間の接合
強度を更に向上させることが望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、磁性
金属板とアルミニウム板との間の接合強度が顕著に改善
された電磁誘導発熱用複合材及びその製造方法を提供す
ることにある。従来、熱間一軸加圧法などのホットプレ
ス法において、磁性金属板とアルミニウム板とを金属メ
ッキを介して接合することにより、接合強度の良好な複
合材の得られることが知られている。金属メッキは、多
くの場合銅メッキである。すなわち、磁性金属板及びア
ルミニウム板のそれぞれの接合面に、銅メッキを施し、
これら銅メッキ層同士を重ね合わせて積層し、ホットプ
レスして接合すると、接合強度の良好な複合材を得るこ
とができる。
【0009】しかしながら、この方法では、接合強度の
向上効果が十分ではなく、特にホットプレス条件が比較
的低温、低圧領域で行われる場合に、接合強度が不十分
となる傾向が見られる。すなわち、磁性金属板やアルミ
ニウム板の表面に直接銅メッキを施す従来の方法では、
銅メッキ層の各金属板に対する密着強度の改善効果に限
界があることが判明した。そこで、本発明者らは、鋭意
研究を重ねた結果、磁性金属板とアルミニウム板との各
接合面に、ニッケルメッキを施して下地層を形成してお
き、その上に銅メッキを施すと、各金属板に対する銅メ
ッキ層の密着強度が高まること、さらに、アルミニウム
板として、マグネシウム成分の含有量が0.6%未満の
アルミニウム合金板を用いると、これらの金属メッキ層
を介して接合した複合材の接合強度が顕著に向上するこ
とを見いだした。本発明は、これらの知見に基づいて完
成するに至ったものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、磁性金
属板とアルミニウム板とを各々の片面に設けた金属メッ
キ層を介して接合してなる電磁誘導発熱用複合材におい
て、(1)アルミニウム板がマグネシウム成分の含有量
が0.6%未満のアルミニウム合金板であり、かつ、
(2)各金属メッキ層がニッケルメッキ下地層とその上
に施された銅メッキ層とからなることを特徴とする電磁
誘導発熱用複合材が提供される。また、本発明によれ
ば、磁性金属板とアルミニウム板とを各々の片面に設け
た金属メッキ層を介して接合する電磁誘導発熱用複合材
の製造方法において、(1)アルミニウム板として、マ
グネシウム成分の含有量が0.6%未満のアルミニウム
合金板を用い、かつ、(2)各金属板の片面に、ニッケ
ルメッキ下地層を形成し、その上に銅メッキ層を形成し
た後、磁性金属板とアルミニウム板とを銅メッキ層を介
して接合することを特徴とする電磁誘導発熱用複合材の
製造方法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明では、磁性金属板として、
鉄板、ステンレス板、ニッケル板などを使用するが、特
にフェライト系ステンレス板を用いると、電磁誘導加熱
方式での発熱が可能となるため好ましい。磁性金属板の
厚みは、通常、0.3〜1.0mm程度である。多くの
場合、0.5mm厚程度のステンレス板が用いられる。
本発明では、アルミニウム板として、マグネシウム成分
の含有量が0.6%未満のアルミニウム合金を用いる。
各金属板の片面に、ニッケルメッキ下地層を形成し、そ
の上に銅メッキ層を形成した後、磁性金属板とアルミニ
ウム板とを銅メッキ層を介して接合する方法によれば、
単に銅メッキ層のみを介して接合した場合に比べて、ア
ルミニウム板の種類を問わず、接合強度の高い複合材を
得ることができるが、マグネシウム成分が0.6%未満
のアルミニウム合金の板を用いると、接合強度が飛躍的
に高まり、接合強度のバラツキも小さくなることが見い
だされた。
【0012】本発明の電磁誘導発熱用複合材は、磁性金
属板とアルミニウム板の各片面にニッケルメッキ下地層
を有する銅メッキ層を形成した後、各銅メッキ層同士を
重ね合わせるようにして磁性金属板とアルミニウム板と
を積層し、次いで、ホットプレス法などにより各層を接
合する方法により製造する。ホットプレスする方法とし
ては、熱間等方向加圧法や熱間一軸加圧法などがある。
熱間等方向加圧法は、加熱機構を内蔵した高圧容器を使
用し、超高圧の不活性ガス雰囲気中で高圧加熱すること
により、磁性金属板とアルミニウム板とを接合する方法
である。
【0013】本発明では、熱間一軸加圧法によりホット
プレスすることが好ましい。この熱間一軸加圧法は、従
来よりセラミックス等の無機質粉末原料を高密度に燒結
するための方法として知られており、臼と杵よりなる型
内に原料粉末を入れ、加熱炉と油圧プレスを備えた装置
で、温度と一軸圧力を同時に加える方法である。本発明
の複合材を製造する場合には、粉末原料が入る型内に各
素材板を重ね合わせて入れ、これを熱間一軸加圧して、
接合する。各素材板(磁性金属板とアルミニウム板)の
組は、分離材を介して多数組を積層して型内に入れ、同
時にホットプレスすれば、複合材の大量生産が可能であ
る。
【0014】熱間一軸加圧法の条件は、通常、温度18
0〜600℃、圧力200〜1000kg/cm2、及
び加圧時間10分間〜3時間である。熱間一軸加圧法に
おける雰囲気としては、大気中、非酸化性ガス中でもよ
いが、接合界面へのガス分子の介在を低減し、接合金属
同士の拡散を促進するためには、減圧または10tor
r以下の真空にすることが好ましい。熱間一軸加圧法に
よれば、加熱下に、積層した板素材の上下から加圧し金
属拡散によって各層を接合することができ、従来のロー
ル圧延による製造方法にくらべて、板厚のバラツキが
小さい、材料ロスが少ない等の利点が得られる。分離
材としては、アルミナ等のセラミックシート、カーボン
シートなどのシート状のもの、ガラスクロスなどの織物
や布状のもの、粉末状のものなどが使用できる。分離材
の材質は、磁性金属やアルミニウム合金よりも融点の高
いものが使用される。加圧時の温度を300℃以下にす
れば分離材は必ずしも必要としない。
【0015】磁性金属板とアルミニウム板の各接合面側
には、予めニッケルメッキを施した後、その上に銅メッ
キを施す。これによって、銅メッキ層の各金属板に対す
る密着強度が飛躍的に増大する。また、これらのメッキ
層を設けることにより、ホットプレスした場合、比較的
穏やかな条件で、各層間の接合が可能となる。具体的に
は、銅メッキを施すことにより、ホットプレス温度が2
00〜300℃、好ましくは240〜260℃程度の比
較的低温で強固な接合が可能となる。この場合は、分離
材を必要としない。
【0016】アルミニウム板の接合面側には、亜鉛置換
メッキ処理を行った後、その上にニッケルメッキを施
し、さらにその上に銅メッキを施すと、ニッケルメッキ
及び銅メッキの密着力が増大するため、より好ましい。
亜鉛置換では、通常、0.1μm未満の層が形成され
る。ニッケルメッキの場合、通常、0.1〜5.0μ
m、好ましくは0.1〜1.0μm、より好ましくは
0.1〜0.5μm程度の薄いメッキ層を形成すること
が望ましい。銅メッキでは、通常、1〜20μm、好ま
しくは5〜15μm程度のメッキ層を形成することが望
ましい。磁性金属板とアルミニウム板は、メッキ処理を
施す前に、十分に洗浄処理を行ったり、電解エッチング
処理やサンドブラスト処理等による粗面化処理を行うこ
とが好ましい。本発明では、片面にそれぞれニッケルメ
ッキの下地層を有する銅メッキが施された磁性金属板と
アルミニウム板の各銅メッキ層が重なるようにして、磁
性金属板とアルミニウム板を積層し、次いで、熱間一軸
加圧法などによりホットプレスして各層を接合し、電磁
誘導発熱用複合材を製造する。
【0017】本発明の電磁誘導発熱用複合材は、アルミ
ニウム板の側を器物の内面にして、電磁加熱式炊飯ジャ
ー内釜、電磁調理器用鍋等の器物にプレス成形加工され
る。この場合、器物内面に非粘着性を持たせるために、
アルミニウム板の接合面とは反対側の面に、フッ素樹脂
の被覆層を形成することが好ましい。本発明の複合材へ
のフッ素樹脂の被覆層は、予めフッ素樹脂を被覆したア
ルミニウム板を用いるか、あるいは各層を接合した後、
該面にフッ素樹脂を被覆することにより形成することが
できる。フッ素樹脂被覆層は、場合によっては、複合材
を各種器物の形状にプレス成形加工した後、その内面に
フッ素樹脂のコーティングを施すことによって、形成し
てもよい。予めフッ素樹脂を被覆したアルミニウム板を
用いると、接合時の加圧によってフッ素樹脂被覆層の表
面がより平滑になり、非粘着性が向上するので好まし
い。フッ素樹脂被覆層の厚みは、通常、5〜50μm、
好ましくは10〜30μm程度である。
【0018】また、本発明の複合材を炊飯器内釜などの
耐食性が要求される用途に用いる場合には、磁性金属板
の非接合面に、クロムメッキやクロメート処理被膜、あ
るいは亜鉛メッキ等の耐食性金属層を形成することが好
ましい。特に、磁性金属として、鉄系合金やニッケル系
合金を用いる場合には、クロム及びクロム酸化物を含有
する被膜処理を施すことが望ましい。また、使用温度に
もよるが、磁性金属板の非接合面に、フッ素樹脂やアラ
ミド、アミド、イミド系の耐熱樹脂を被覆してもよい。
【0019】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。
【0020】[実施例1]アルミニウム板として、材質
(JIS合金番号)が3003で、板厚1.5mm、径
360mmφのアルミニウム合金板(サークル板)を用
いた。アルミニウム合金板の表面には、NaCl水溶液
中、20クーロン/cm2の電気量で電解エッチングを
施し、表面に微細な凹凸を設けた後、その片面に、四フ
ッ化エチレン樹脂分散液を2層にコートし、焼き付けて
フッ素樹脂被覆層(厚み20μm)を形成した。フッ素
樹脂被覆層を形成したアルミニウム合金板の他面には、
亜鉛置換メッキ処理(厚み0.1μm未満)を行った
後、その上にニッケルメッキ(厚み0.5μm)を施
し、さらにその上に銅メッキ(厚み8μm)を施した。
一方、磁性金属板として、材質がSUS430で、板厚
0.5mm、径360mmφのステンレス板(サークル
板)を用いた。このステンレス板の片面に、ニッケルメ
ッキ(厚み0.5μm)を施した後、その上に銅メッキ
(厚み8μm)を施した。
【0021】上記のアルミニウム板とSUS板とを、そ
れぞれの銅メッキ面を合わせて積層した。この積層品を
1セットとし、各セット間には、カーボン薄板を分離材
として配置して、100セットを積み重ねた。この10
0セットの積層品をカーボン製の型の臼に入れ、杵を入
れて、型全体を熱間一軸加圧装置の真空炉にセットし
た。そして、圧力600kg/cm2、温度240℃、
真空度1torrにて1時間加圧し、100セットの複
合材を得た。アルミニウム板/SUS板間の接合強度の
測定結果を表1に示す。このようにして得られた複合材
を、深絞り成型加工により、フッ素樹脂被覆層を内面側
にして電磁加熱(IH)ジャー炊飯器内釜(底面の径約
230mmφ、側面の高さ約140mm)に成型加工し
た。この際の成型性の評価結果を表1に示す。
【0022】[実施例2]熱間一軸加圧装置を用いたホ
ットプレス時の温度(接合温度)を240℃から260
℃に変えたこと以外は、実施例1と同様にして複合材を
製造し、同様に、深絞り成型加工して、ジャー炊飯器内
釜を作製した。結果を表1に示す。
【0023】[実施例3]アルミニウム板を、材質(J
IS合金番号)が1100で、板厚1.5mm、径36
0mmφのアルミニウム合金板(サークル板)に変更し
たこと以外は、実施例1と同様にして複合材を製造し、
同様に、深絞り成型加工して、ジャー炊飯器内釜を作製
した。結果を表1に示す。
【0024】[実施例4]熱間一軸加圧装置を用いたホ
ットプレス時の温度(接合温度)を240℃から260
℃に変えたこと以外は、実施例3と同様にして複合材を
製造し、同様に、深絞り成型加工して、ジャー炊飯器内
釜を作製した。結果を表1に示す。
【0025】[実施例5]アルミニウム板を、材質(J
IS合金番号)が3004相当材(Mg、Mnの各成分
量を低く調整した特殊材)で、板厚1.5mm、径36
0mmφのアルミニウム合金板(サークル板)に変更し
たこと以外は、実施例1と同様にして複合材を製造し、
同様に、深絞り成型加工して、ジャー炊飯器内釜を作製
した。結果を表1に示す。
【0026】[実施例6]熱間一軸加圧装置を用いたホ
ットプレス時の温度(接合温度)を240℃から260
℃に変えたこと以外は、実施例5と同様にして複合材を
製造し、同様に、深絞り成型加工して、ジャー炊飯器内
釜を作製した。結果を表1に示す。
【0027】[比較例1]アルミニウム板を、材質(J
IS合金番号)が3004で、板厚1.5mm、径36
0mmφのアルミニウム合金板(サークル板)に変更し
たこと以外は、実施例1と同様にして複合材を製造し、
同様に、深絞り成型加工して、ジャー炊飯器内釜を作製
した。結果を表1に示す。
【0028】[比較例2]熱間一軸加圧装置を用いたホ
ットプレス時の温度(接合温度)を240℃から260
℃に変えたこと以外は、比較例1と同様にして複合材を
製造し、同様に、深絞り成型加工して、ジャー炊飯器内
釜を作製した。結果を表1に示す。
【0029】[比較例3]実施例1において、アルミニ
ウム板として、フッ素樹脂被覆層を形成したアルミニウ
ム合金板の他面には、亜鉛置換メッキ処理及びニッケル
メッキを施さず、銅メッキのみを施したものを用いたこ
と以外は、実施例1と同様にして複合材を製造し、同様
に、深絞り成型加工して、ジャー炊飯器内釜を作製し
た。結果を表1に示す。
【0030】[比較例4]熱間一軸加圧装置を用いたホ
ットプレス時の温度(接合温度)を240℃から260
℃に変えたこと以外は、比較例3と同様にして複合材を
製造し、同様に、深絞り成型加工して、ジャー炊飯器内
釜を作製した。結果を表1に示す。これらの実施例及び
比較例で用いたアルミニウム合金のマグネシウム成分の
含有量、複合材の接合温度、接合強度、腐食試験結果
(被覆耐食性)、プレス成型性などの結果を一括して表
1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】(*1)接合強度:複合材を10mm幅に
切断し、アルミニウム板/SUS板の界面から180度
方向に剥離し、その時の剥離強度を測定した。 (*2)被覆耐食性:ハウスおでんの素2.5%溶液
(90℃)に、複合材のフッ素樹脂被覆面にキズをつけ
て浸漬し、フッ素樹脂被覆面に腐食による膨れが発生す
るまでの時間を測定した。 ◎:膨れが発生するまでの時間が100時間以上、 ○:膨れが発生するまでの時間が50時間以上、100
時間未満、 △:膨れが発生するまでの時間が50時間未満。 (*3)成型性:500枚の複合材を深絞り成型加工し
てジャー炊飯器内釜にする際のプレス剥離数を測定し、
以下の基準で評価した。なお、比較例3及び4の複合材
は、接合強度が低いため、プレス成型性は測定しなかっ
た。 ◎:プレス剥離数が10枚以下、 ○:プレス剥離数が11〜20枚、 △:プレス剥離数が21枚以上。
【0033】表1の結果から明らかなように、磁性金属
板とアルミニウム板の各々に、ニッケルメッキの下地層
の上に銅メッキを施し、かつ、アルミニウム板として、
マグネシウム成分の含有量が0.6%未満のアルミニウ
ム合金の板を用いると、極めて高い接合強度の複合材が
得られる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、磁性金属板とアルミニ
ウム板との間の接合強度が顕著に改善された電磁誘導発
熱用複合材及びその製造方法が提供される。本発明の電
磁誘導発熱用複合材は、層間の接合強度が高く、プレス
成型性に優れるため、耐久性が求められる電磁加熱式炊
飯器ジャー内釜や電磁調理器用鍋などの用途に好適であ
る。また、本発明の製造方法によれば、比較的低温のホ
ットプレス条件でも層間の接合強度に優れた複合材を得
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 15/08 102 7148−4F B32B 15/08 102B // A47J 27/00 103 A47J 27/00 103A B32B 15/01 B32B 15/01 B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性金属板とアルミニウム板とを各々の
    片面に設けた金属メッキ層を介して接合してなる電磁誘
    導発熱用複合材において、(1)アルミニウム板がマグ
    ネシウム成分の含有量が0.6%未満のアルミニウム合
    金板であり、かつ、(2)各金属メッキ層がニッケルメ
    ッキ下地層とその上に施された銅メッキ層とからなるこ
    とを特徴とする電磁誘導発熱用複合材。
  2. 【請求項2】 アルミニウム板の接合面とは反対側の面
    に、フッ素樹脂層が更に形成されている請求項1記載の
    電磁誘導発熱用複合材。
  3. 【請求項3】 磁性金属板とアルミニウム板とを各々の
    片面に設けた金属メッキ層を介して接合する電磁誘導発
    熱用複合材の製造方法において、(1)アルミニウム板
    として、マグネシウム成分の含有量が0.6%未満のア
    ルミニウム合金板を用い、かつ、(2)各金属板の片面
    に、ニッケルメッキ下地層を形成し、その上に銅メッキ
    層を形成した後、磁性金属板とアルミニウム板とを銅メ
    ッキ層を介して接合することを特徴とする電磁誘導発熱
    用複合材の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム板の接合面とは反対側の面
    に、フッ素樹脂層を形成したアルミニウム板を用いる請
    求項3記載の電磁誘導発熱用複合材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000312979A (ja) * 1999-04-30 2000-11-14 Sumitomo Special Metals Co Ltd アルミニウム・ステンレス鋼クラッド材およびその製造方法
KR100730061B1 (ko) * 2006-04-10 2007-06-20 웅진쿠첸 주식회사 마그네슘합금 재질의 전기압력밥솥용 탑 플레이트와 록킹링, 그리고 이들을 제조하는 방법
JP2017224171A (ja) * 2016-06-15 2017-12-21 パナソニックIpマネジメント株式会社 調理支援方法および調理支援システム
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