JPH09236799A - 反射型表示装置 - Google Patents

反射型表示装置

Info

Publication number
JPH09236799A
JPH09236799A JP8067371A JP6737196A JPH09236799A JP H09236799 A JPH09236799 A JP H09236799A JP 8067371 A JP8067371 A JP 8067371A JP 6737196 A JP6737196 A JP 6737196A JP H09236799 A JPH09236799 A JP H09236799A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
liquid crystal
layer
display
display device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8067371A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3386096B2 (ja
Inventor
Naoki Hiji
直樹 氷治
Taketo Hikiji
丈人 曳地
Shigeru Yamamoto
滋 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP06737196A priority Critical patent/JP3386096B2/ja
Publication of JPH09236799A publication Critical patent/JPH09236799A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3386096B2 publication Critical patent/JP3386096B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラー表示が可能な反射型表示装置におい
て、白色表示時の明度が十分高く、かつ黒色表示時の明
度が十分低くなるとともに、カラー表示時の明度および
彩度が十分高くなるようにする。 【解決手段】 上部支持基板10の内面に透明電極20
を形成する。下部支持基板30の内面に光反射層40を
形成する。光反射層40上に透明層50を形成する。透
明層50上に透明電極61,62,63を形成する。透
明電極20と透明電極61,62,63との間に、液晶
層71,72,73を、隔壁81,82,83によって
互いに分離して挟持させる。液晶層71,72,73
は、それぞれ、電圧が印加されないときには赤、緑、青
の色光のみを透過させる光吸収状態となり、電圧が印加
されるときには全波長領域の光を透過させる光透過状態
となるようにする。透明層50は、液晶層71〜73の
光反射層40による反射像を得るためのものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カラー表示が可
能な、反射型液晶表示装置などの反射型表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】反射型表示装置は、バックライトのよう
な専用の光源を必要とせず、消費電力が少ないととも
に、偏平小型に構成できることから、小型情報機器や携
帯情報端末などの表示装置として注目されている。
【0003】図9は、従来の反射型表示装置の一例とし
ての反射型液晶表示装置の一例で、内面にカラーフィル
タ321,322,323および透明電極330を積層
形成した上部支持基板310と、内面に反射電極35
1,352,353を形成した下部支持基板340との
間に、表示体としての液晶層360を挟持させたもので
ある。
【0004】上部支持基板310および下部支持基板3
40は、ガラスやポリカーボネート樹脂などからなる透
明絶縁基板とし、透明電極330はITO膜などによ
り、反射電極351,352,353はアルミニウム膜
などにより、それぞれ形成する。
【0005】カラーフィルタ321,322,323
は、例えば、それぞれ赤、緑、青の色光を透過させるも
のとし、周期的に配列する。反射電極351,352,
353は、カラーフィルタ321,322,323に対
応して分割して形成する。すなわち、1つの表示画素2
00は、カラーフィルタ321,322,323および
反射電極351,352,353によって、3つの副画
素201,202,203に分けられる。
【0006】液晶層360は、例えば黒色の二色性色素
を溶解した液晶材料により形成して、電圧が印加されな
いときには、可視光中の全波長領域の光を吸収する光吸
収状態となり、閾値以上の電圧が印加されるときには、
可視光中の全波長領域の光を透過させる光透過状態とな
るようにする。
【0007】この場合、電圧が印加されないときの液晶
分子の配列を規定するために、液晶材料中にカイラル剤
を添加して相転移ゲストホストモードとし、または高分
子マトリクス中に液晶材料の微小液滴を分散させた高分
子分散型とするなどの方法をとる。または、二色性色素
を含む液晶層を液晶分子が基板面に平行に配列されるホ
モジニアス配向とするとともに、上部支持基板の外側に
偏光子を設けた、いわゆるHeilmeir modeとしてもよ
い。
【0008】図9に示す従来の反射型液晶表示装置で
は、カラーフィルタ321,322,323が、それぞ
れ赤、緑、青の色光を透過させるものである場合、反射
電極351,352,353と透明電極330との間に
印加する電圧を個別に制御することによって、副画素2
01を光透過状態とし、副画素202,203を光吸収
状態とするときには、室内光や太陽光などの外光中の赤
の色光のみが、カラーフィルタ321および液晶層36
0を透過し、反射電極351で反射され、再び液晶層3
60およびカラーフィルタ321を透過して、観察者の
目に入り、赤色が表示される。同様に、副画素202ま
たは203のみが光透過状態とされるときには、緑色ま
たは青色が表示される。
【0009】また、白色を表示する場合には、副画素2
01〜203をすべて光透過状態とし、黒色を表示する
場合には、副画素201〜203をすべて光吸収状態と
する。さらに、反射電極351〜353に印加する電圧
や印加時間などを調整して、副画素201〜203の透
過率を制御することによって、加法混色により、任意の
色を表示することができる。
【0010】図11は、従来の反射型表示装置の他の例
としての反射型液晶表示装置の他の例で、内面に透明電
極330を形成した上部支持基板310と、内面に反射
電極351,352,353を形成した下部支持基板3
40との間に、表示体としての液晶層371,372,
373を、隔壁381,382,383によって互いに
分離して、挟持させたものである。
【0011】上部支持基板310、下部支持基板34
0、透明電極330、および反射電極351〜353
は、それぞれ図9の反射型液晶表示装置のそれと同様の
材料で形成する。
【0012】液晶層371,372,373は、例え
ば、それぞれ二色性色素を溶解した液晶材料により形成
して、電圧が印加されないときには、可視光中の特定波
長の光を吸収して、他の波長の光を透過させる光吸収状
態となり、閾値以上の電圧が印加されるときには、可視
光中の全波長領域の光を透過させる光透過状態となると
ともに、光吸収状態での光吸収スペクトルが互いに異な
るものとする。
【0013】例えば、液晶層371は、光吸収状態で
は、緑および青の色光を吸収して、赤の色光のみを透過
させ、液晶層372は、光吸収状態では、青および赤の
色光を吸収して、緑の色光のみを透過させ、液晶層37
3は、光吸収状態では、赤および緑の色光を吸収して、
青の色光のみを透過させるものとする。
【0014】液晶層371,372,373は、周期的
に配列し、反射電極351,352,353は、液晶層
371,372,373に対応して分割して形成する。
すなわち、1つの表示画素200は、3つの液晶層37
1,372,373によって、3つの副画素201,2
02,203に分けられる。
【0015】図11に示す従来の反射型液晶表示装置で
は、上記のように液晶層371,372,373が、そ
れぞれ光吸収状態のときに、それぞれ赤、緑、青の色光
を透過させる場合、反射電極351,352,353と
透明電極330との間に印加する電圧を個別に制御する
ことによって、液晶層371を光吸収状態とし、液晶層
372,373を光透過状態とするときには、室内光や
太陽光などの外光中の赤の色光が、液晶層371を透過
し、反射電極351で反射され、再び液晶層371を透
過して、観察者の目に入り、赤色が表示される。同様
に、液晶層372または373のみが光吸収状態とされ
るときには、緑色または青色が表示される。
【0016】また、白色を表示する場合には、液晶層3
71〜373をすべて光透過状態とし、黒色を表示する
場合には、液晶層371〜373をすべて光吸収状態と
する。さらに、反射電極351〜353に印加する電圧
や印加時間などを調整して、液晶層371〜373の透
過率を制御することによって、加法混色により、任意の
色を表示することができる。
【0017】図9または図11のような反射型液晶表示
装置で、反射電極351〜353の代わりに透明電極を
形成し、下部支持基板340の外側に反射板を設けるこ
ともできる。しかし、この場合には、液晶層360また
は371〜373と反射板が下部支持基板340の厚み
分だけ隔てられるので、特開昭63−121822号公
報などでも指摘されているように、像のだぶりを生じ
て、解像度およびコントラストの低下をきたす。
【0018】また、液晶層360または371〜373
を挟むように2枚の偏光子を設けて、液晶の複屈折効果
または旋光効果を利用することにより、液晶層360ま
たは371〜373の透過光量を変化させることも可能
である。しかし、この場合、一方の偏光子を液晶層36
0または371〜373と反射電極351〜353との
間に形成するのは、製造上容易でない。
【0019】そのため、実際上は、反射電極351〜3
53の代わりに透明電極を形成するとともに、下部支持
基板340の外側に反射板を設け、その反射板と下部支
持基板340との間に偏光子を設けるようにしている。
もう一方の偏光子は、上部支持基板310の外側に設け
るのが普通である。
【0020】この構成によれば、TN(TwistedNemat
ic)モード、STN(SuperTwistedNematic)モー
ド、ECB(Electrically Controlled Birefringen
ce)モード、FLC(FerroelectricLiquid Crysta
l)モードなどの表示モードを利用できる。
【0021】しかしながら、このように偏光子を用いる
場合には、偏光子での光吸収によって外光の半分以上が
失われるため、高明度の表示を得ることができないとと
もに、上述したように液晶層360または371〜37
3と反射板が下部支持基板340の厚み分だけ隔てられ
るので、像のだぶりを生じる。
【0022】なお、特開昭59−57275号公報に
は、上部支持基板の外面に一方の偏光板を形成し、内面
に透明電極を形成し、下部支持基板の内面に光反射層を
形成し、光反射層上に他方の偏光板を形成し、他方の偏
光板上に透明層を形成し、透明層上に透明電極を形成し
て、上部支持基板側の透明電極と下部支持基板側の透明
電極との間に液晶層を挟持させるとともに、下部支持基
板側の他方の偏光板を互いに波長選択性が異なる3つの
着色偏光層によって形成した反射型液晶表示装置が示さ
れている。この場合、透明層は、その下層を保護するも
ので、その厚みは、その上層の透明電極のピッチより小
さくされる。
【0023】しかし、この特開昭59−57275号公
報に示された反射型液晶表示装置も、偏光板での光吸収
によって外光の半分以上が失われるため、高明度の表示
を得ることができない。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】図9に示した従来の反
射型液晶表示装置は、液晶層360の赤、緑、青の色光
が透過する部分が、それぞれ液晶層360全体の33%
以下に過ぎないため、明度の低い表示となり、カラー表
示のときに彩度が低く感じられるとともに、白色表示の
ときにはグレーに見える欠点がある。
【0025】すなわち、副画素201を光透過状態と
し、副画素202,203を光吸収状態として、赤色を
表示する場合、副画素201の面積率は最高でも33%
であるため、図10(B)に示すように、赤の色光の反
射率は最高でも33%に過ぎない。そのため、極めて暗
い赤色にしか見えず、彩度が低く感じられる。緑色また
は青色の表示時も、同様である。
【0026】また、副画素201,202を光透過状態
とし、副画素203を光吸収状態として、黄色を表示す
る場合、副画素201,202の面積率は、それぞれ最
高でも33%であるため、図10(C)に示すように、
赤、緑の色光の反射率は、それぞれ最高でも33%に過
ぎない。そのため、極めて暗い黄色にしか見えず、彩度
が低く感じられる。マゼンタまたはシアンの表示時も、
同様である。
【0027】さらに、副画素201〜203をすべて光
透過状態として、白色を表示する場合、副画素201〜
203の面積率は、それぞれ最高でも33%であるた
め、図10(D)に示すように、赤、緑、青の色光の反
射率は、それぞれ最高でも33%に過ぎない。この値
は、上質紙の反射率が約80%、新聞紙の反射率が約5
0%であることと比較すると、かなり低い。そのため、
白色ではなく、グレーに見える。
【0028】なお、図10(A)は、黒色表示時の反射
スペクトルを示したもので、理想的には全波長領域で反
射率がゼロとなる。
【0029】上記のような欠点は、特開平5−2411
43号公報でも指摘されている。そのため、同公報で
は、図9のカラーフィルタ321,322,323を、
それぞれイエロー、マゼンタ、シアンに透過スペクトル
を有するものとすることによって、高明度の表示にする
ことが示されている。しかしながら、この方法では、白
色表示のときの明度は高くなるが、赤、緑、青などのカ
ラー表示のときの彩度はむしろ低くなってしまう欠点が
ある。
【0030】図11に示した従来の反射型液晶表示装置
では、液晶層371,372,373中の二色性色素の
二色比が十分に大きければ、白色表示時、図12(D)
に示すように、理想的には100%に近い反射率とな
る。しかしながら、この反射型液晶表示装置は、黒色表
示のときに反射率が十分低くならずにグレーに見えると
ともに、カラー表示のときには彩度が低くなる欠点があ
る。
【0031】すなわち、液晶層371,372,373
をすべて光吸収状態として、黒色を表示する場合、赤、
緑、青の色光が、それぞれ液晶層371,372,37
3で反射され、液晶層371,372,373の面積率
は、それぞれ33%であるため、図12(A)に示すよ
うに、全波長領域で33%の反射を生じる。そのため、
黒色ではなく、グレーに見える。
【0032】また、液晶層371を光吸収状態とし、液
晶層372,373を光透過状態として、赤色を表示す
る場合、液晶層372,373では、それぞれ白色の反
射光を生じて、これが液晶層371からの赤色の反射光
に重畳される。そして、液晶層372,373の面積率
は合わせて67%にもなるため、このとき、図12
(B)に示す反射スペクトルとなり、表示色は赤色とい
うより、むしろ薄い桃色に近くなる。緑色または青色の
表示時も、同様である。
【0033】さらに、液晶層371,372を光吸収状
態とし、液晶層373を光透過状態として、黄色を表示
する場合、液晶層373では白色の反射光を生じて、こ
れが液晶層371,372からの黄色の反射光に重畳さ
れる。そして、液晶層373の面積率は33%であるた
め、このとき、図12(C)に示す反射スペクトルとな
り、表示色は淡い黄色となる。マゼンタまたはシアンの
表示時も、同様である。
【0034】そこで、この発明は、カラー表示が可能
な、反射型液晶表示装置などの反射型表示装置におい
て、白色表示時の明度が十分高く、かつ黒色表示時の明
度が十分低くなるとともに、カラー表示時の明度および
彩度が十分高くなるようにしたものである。
【0035】
【課題を解決するための手段】この発明では、図1に示
して後述する実施例の参照符号を引用すると、それぞ
れ、外部からの刺激の有無または程度に応じて、可視光
中の特定波長の光を吸収する光吸収状態と、可視光中の
全波長領域の光を透過させる光透過状態との、いずれか
をとりうる複数の表示体71,72,73が平面状に配
置され、その後方に光反射層40が配置された反射型表
示装置において、前記表示体71〜73の互いに光吸収
スペクトルが異なる複数のものによって表示画素200
を構成するとともに、前記表示体71〜73と前記光反
射層40との間に、前記表示体71〜73の前記光反射
層40による反射像を得るための透明層50を設ける。
【0036】この場合、図3の実施例に示すように、外
部光源から、前記表示体71〜73を透過し、前記光反
射層40で反射し、再び前記表示体71〜73を透過し
て観察者に至る光路上に、光散乱体90を設けることが
望ましい。
【0037】また、図6の実施例に示すように、前記表
示画素200を互いに光吸収スペクトルが異なる複数種
類の副画素71x,72x,73xによって構成し、そ
の同一種類の副画素は前記表示体の互いに光吸収スペク
トルが同一の複数のものによって構成するとともに、前
記表示体の隣接するものは互いに光吸収スペクトルが異
なるように前記表示体を配置することが望ましい。
【0038】さらに、図7の実施例に示すように、前記
透明層50を、前記それぞれの表示画素200ごとに、
光反射性隔壁100によって分割することが望ましい。
【0039】
【作用】上記のように構成した、この発明の反射型表示
装置においては、ある表示体73を光吸収状態とし、そ
の両側の表示体71,72を光透過状態としたとき、図
2に示すように、表示体73の近傍に入射した外光1
は、一方で、色光2で示すように光反射層40で反射し
た後に表示体73を透過して観察者に到達するととも
に、他方で、色光3で示すように表示体73を透過した
後に光反射層40で反射して観察者に到達する。
【0040】そして、表示体71,72,73と光反射
層40との間には透明層50が存在するので、観察方向
を適切にすることによって、観察者は、その光反射層4
0で反射した後に表示体73を透過した色光2による、
表示体73の直接像と、表示体73を透過した後に光反
射層40で反射した色光3による、表示体73の光反射
層40からの反射像74とを、互いに重なり合わない状
態で、同時に観察することができる。
【0041】そして、見掛け上、表示体73の面積率
は、直接像と反射像74との合成像の面積率と考えられ
るので、表示体73の見掛け上の面積率は、最大で実際
の面積率の2倍となる。したがって、カラー表示時の明
度および彩度が十分高くなる。
【0042】黒色を表示する場合には、表示体71,7
2,73をすべて光吸収状態とする。この場合、表示体
71,72,73の光吸収状態における透過スペクトル
の透過ピークは、互いに重なり合わないので、ある表示
体を透過して光反射層40で反射した色光は、他の表示
体を透過することがない。したがって、理想的には0%
の反射率となって、黒色表示時の明度が十分低くなる。
【0043】また、白色を表示する場合には、表示体7
1,72,73をすべて光透過状態とする。この場合、
理想的には100%に近い反射率となって、白色表示時
の明度が十分高くなる。
【0044】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態…図1、図2〕図1は、この発明の反
射型表示装置の一例で、基本的な請求項1の発明の一例
としての反射型液晶表示装置の場合である。
【0045】この例の反射型液晶表示装置は、上部支持
基板10の内面に透明電極20を形成し、下部支持基板
30の内面に光反射層40を形成し、光反射層40上に
透明層50を形成し、透明層50上に透明電極61,6
2,63を形成して、上部支持基板10側の透明電極2
0と下部支持基板30側の透明電極61,62,63と
の間に、表示体としての液晶層71,72,73を、隔
壁81,82,83によって互いに分離して、挟持させ
たものである。
【0046】上部支持基板10は、ガラスやポリカーボ
ネート樹脂などからなる透明絶縁基板とし、下部支持基
板30は、上部支持基板10と同様にガラスやポリカー
ボネート樹脂などからなる透明絶縁基板とし、またはセ
ラミック板、乳白色もしくはその他の色に着色した樹脂
板、または金属板などにより形成する。
【0047】透明電極20および61,62,63は、
ITO膜などにより形成し、光反射層40は、銀やアル
ミニウムなどの高反射率の金属の圧延フィルム、蒸着
膜、メッキ膜などにより形成する。
【0048】液晶層71,72,73は、例えば、それ
ぞれ二色性色素を溶解した液晶材料により形成して、電
圧が印加されないときには、可視光中の特定波長の光を
吸収して、他の波長の光を透過させる光吸収状態とな
り、閾値以上の電圧が印加されるときには、可視光中の
全波長領域の光を透過させる光透過状態となるととも
に、光吸収状態での光吸収スペクトルが互いに異なるも
のとする。
【0049】例えば、液晶層71は、光吸収状態では、
緑および青の色光を吸収して、赤の色光のみを透過さ
せ、液晶層72は、光吸収状態では、青および赤の色光
を吸収して、緑の色光のみを透過させ、液晶層73は、
光吸収状態では、赤および緑の色光を吸収して、青の色
光のみを透過させるものとする。
【0050】液晶層71,72,73は、周期的に配列
し、透明電極61,62,63は、液晶層71,72,
73に対応して分割して形成する。すなわち、1つの表
示画素200は、3つの液晶層71,72,73によっ
て、3つの副画素201,202,203に分けられ
る。
【0051】透明層50は、ガラスや、ポリカーボネー
ト樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂などの樹脂など
からなる透光性絶縁体により形成する。そして、透明層
50の厚みdは、液晶層71,72,73のピッチpの
1〜3倍の範囲内に選定する。後述するように、厚みd
がその範囲より大きい場合には、解像度の低下が著しく
なり、逆にその範囲より小さい場合には、彩度向上の効
果が十分に得られなくなる。
【0052】なお、透明層50の機械的強度が十分で、
かつ表示装置の製造過程における取扱い上も問題がなけ
れば、下部支持基板30はなくてもよい。例えば、透明
層50の厚みdが50μm以上、望ましくは100μm
以上であれば、下部支持基板30はなくてもよい。
【0053】隔壁81,82,83は、液晶層71,7
2,73の液晶材料の混合を防止するもので、アクリル
樹脂などの樹脂やガラスなどの無機材料などにより形成
する。
【0054】この例の反射型液晶表示装置では、上記の
ように液晶層71,72,73が、それぞれ光吸収状態
のときに、それぞれ赤、緑、青の色光を透過させる場
合、青色を表示するときには、透明電極61,62,6
3と透明電極20との間に印加する電圧を個別に制御す
ることによって、液晶層73を光吸収状態とし、液晶層
71,72を光透過状態とする。
【0055】このとき、図2に示すように、上部支持基
板10側から液晶層73の近傍に入射した外光1は、一
方で、色光2で示すように光反射層40で反射した後に
液晶層73を透過して観察者に到達するとともに、他方
で、色光3で示すように液晶層73を透過した後に光反
射層40で反射して観察者に到達する。
【0056】そして、液晶層71,72,73と光反射
層40との間には透明層50が存在するので、白い壁の
事務室などのように照明が拡散光線と見なせる場合に
は、観察方向を適切にすることによって、観察者は、そ
の光反射層40で反射した後に液晶層73を透過した色
光2による、液晶層73の直接像と、液晶層73を透過
した後に光反射層40で反射した色光3による、液晶層
73の光反射層40からの反射像74とを、互いに重な
り合わない状態で、同時に観察することができる。
【0057】そして、見掛け上、液晶層73の面積率
は、直接像と反射像74との合成像の面積率と考えられ
るので、液晶層73の見掛け上の面積率は、最大で実際
の面積率の2倍となる。したがって、液晶層73の見掛
け上の面積率は67%に達し、観察者は高明度および高
彩度の青色を観察することができる。
【0058】赤色を表示する場合には、液晶層71を光
吸収状態とし、液晶層72,73を光透過状態とする。
また、緑色を表示する場合には、液晶層72を光吸収状
態とし、液晶層71,73を光透過状態とする。いずれ
の場合も、青色を表示する場合と同様に高明度および高
彩度の表示色が得られる。
【0059】黒色を表示する場合には、液晶層71,7
2,73をすべて光吸収状態とする。この場合、液晶層
71,72,73の光吸収状態における透過スペクトル
の透過ピークは、互いに重なり合わないので、ある液晶
層を透過して光反射層40で反射した色光は、他の液晶
層を透過することがない。したがって、理想的には0%
の反射率となって、黒色表示時の明度が十分低くなる。
【0060】白色を表示する場合には、液晶層71,7
2,73をすべて光透過状態とする。この場合、液晶層
71,72,73中の二色性色素の二色比が十分に大き
ければ、理想的には100%に近い反射率となって、白
色表示時の明度が十分高くなる。
【0061】以上から明らかなように、透明層50は、
光反射層40による反射像74を得るためのもので、そ
の厚みdは、上述したように、液晶層71,72,73
のピッチpの1〜3倍の範囲内に選定する。厚みdが、
その範囲より大きい場合には、直接像と反射像74が大
きくずれて見えるようになって、解像度の低下が著しく
なる。逆に、厚みdが、その範囲より小さい場合には、
直接像と反射像74が互いに重なり合うようになって、
彩度向上の効果が十分に得られなくなる。
【0062】図1の例の反射型液晶表示装置の具体例
を、実際に行った製造方法とともに示す。
【0063】まず、上部支持基板10を構成する厚さ
1.lmmのガラス基板上に、ITOを蒸着して透明電
極20を形成した。一方、透明層50を構成する厚さ
1.lmmのガラス基板上に、ITOを蒸着し、フォト
エッチングして、透明電極61,62,63を構成する
0.5mmピッチのストライプ電極を形成し、その裏面
に、アルミニウムを蒸着して光反射層40を形成した。
【0064】次に、赤色の二色性色素(三井東圧製M−
370)を含むネマチック液晶(メルク社製ZLI−1
840)を用意し、PVA(ポリビニルアルコール)と
ともに水中に懸濁し、印刷法で透明電極61を構成する
ストライプ電極上に約10μmの厚みで塗布し、乾燥さ
せて液晶層71を得た。同様に、緑色の二色性色素(三
井東圧製のM−361とM−403の1:2混合物)、
青色の二色性色素(三井東圧製M−412)を含む液晶
を用意し、それぞれ印刷法で透明電極62,63を構成
するストライプ電極上に塗布し、乾燥させて液晶層7
2,73を得た。
【0065】次に、上部支持基板10を構成するガラス
基板と、透明層50を構成するガラス基板とを貼り合わ
せて、図1に示した反射型液晶表示装置を得た。下部支
持基板30およぴ隔壁81,82,83は、省略した。
【0066】この例では、透明電極20を上部支持基板
10の全面に被着したが、これを透明電極61,62,
63を構成するストライプ電極の延長方向に分割したス
トライプ電極として形成して、いわゆる単純マトリクス
駆動バネルとしてもよい。または、透明電極61,6
2,63の1つ1つにTFT(薄膜トランジスタ)、T
FD(薄膜ダイオード)、MIM(MetalInsulatorM
etal)素子などの能動素子を設けて、いわゆるアクティ
ブマトリクス駆動バネルとしてもよい。
【0067】また、この例では、透明電極20を上部支
持基板10の全面に形成し、透明電極61,62,63
をストライプ状に形成したため、液晶層71,72,7
3は、図8(A)に示すように長方形形状のものがスト
ライプ状に配列されたものとなるが、これを正方形形状
とし、またその配列を図8(B)に示すような千鳥状と
してもよい。
【0068】上述したように、図1の例の反射型液晶表
示装置によれば、白色表示時の明度が十分高く、かつ黒
色表示時の明度が十分低くなるとともに、カラー表示時
の明度および彩度が十分高くなる。
【0069】しかし、この例では、液晶層71,72,
73の直接像と、その光反射層40からの反射像74と
が重ならない方向、すなわち液晶層71,72,73の
法線方向に対して斜めの方向から観察しないと、カラー
表示時の明度および彩度の向上の効果が得られず、観察
方向に制約を受ける。
【0070】また、照明光が平行光線の場合、観察方向
を光反射層40の正反射方向とする必要があるが、照明
がまぶしい、上部支持基板10の外面での反射光が表示
像に重畳されて表示が見ずらい、観察者から見た照明の
視角が十分大きくないと表示画面全体が照明されない、
という問題がある。さらに、光反射層40が鏡面である
ため、周囲が映り込み、視認性が悪い。
【0071】〔第2の実施形態…図3〜図5〕図3は、
このような問題を解決した、この発明の反射型表示装置
の他の例で、請求項2の発明の一例としての反射型液晶
表示装置の場合である。
【0072】この例は、図1の例の反射型液晶表示装置
に対して、透明電極61,62,63と透明層50との
間に光散乱層90を設けたものである。
【0073】光散乱層90は、(1)屈折率の異なる微
粒子を含む系、例えば、酸化チタン、酸化鉛、硫酸バリ
ウムなどの白色無機顔料、樹脂または有機低分子材料な
どの有機微粒子や、繊維などを樹脂などのバインダに分
散させた塗料、気泡を含む樹脂、セラミック板、微結晶
を含む結晶性高分子、微結晶を含むガラスや、(2)屈
折率の異なる複数の材料が相互に入り組んだ系、例え
ば、複数の樹脂またはそれらのモノマー同士をいったん
均一に混ぜ合わせ、次に相分離させて得た複合樹脂材
料、カルコゲンガラスなどの相分離可能なガラスや、
(3)複屈折性のマルチドメインを有する材料、例え
ば、液晶性高分子、液晶性高分子と結晶性高分子または
非結晶性高分子との複合相分離材料、液晶性高分子材料
中に無機顔料、有機微粒子、繊維を分散させた複合材
料、高分子マトリクス中に低分子液晶を分散させた複合
材料、などにより形成する。
【0074】ここで、解像度の低下を最小限とするため
には、光散乱層90による光散乱の度合いは、ある液晶
層を透過した光が光反射層40で反射した後、この液晶
層と隣り合う液晶層には入射するが、さらに隣りの液晶
層には入射しない程度に設定するのが望ましい。
【0075】さらに、出射光4は上部支持基板10の外
面で反射されるが、このとき、全反射による光の閉じ込
めが生じないようにするのが望ましく、そのため、例え
ば上部支持基板10の屈折率が1.5の場合には、出射
光4と上部支持基板10の法線とのなす角θが41゜を
超えないようにするのが望ましい。
【0076】この例の反射型液晶表示装置では、例え
ば、液晶層73を光吸収状態とし、液晶層71,72を
光透過状態として、青色を表示する場合、図3に示すよ
うに、上部支持基板10の法線方向から上部支持基板1
0に入射した外光中の液晶層73に入射した光5,6
は、液晶層73を透過して光反射層40で反射し、光散
乱層90で散乱した後、液晶層73の両側の液晶層7
1,72を透過して、観察者に到達するとともに、図4
に示すように、上部支持基板10の法線方向から上部支
持基板10に入射した外光中の液晶層71,72に入射
した光7,8は、液晶層71,72を透過して光反射層
40で反射し、光散乱層90で散乱した後、液晶層7
1,72の間の液晶層73を透過して、観察者に到達す
る。
【0077】すなわち、上部支持基板10に入射した外
光は、液晶層73に入射した光5,6も、液晶層71,
72に入射した光7,8も、光反射層40で反射する
前、または反射した後に、液晶層73を透過して、観察
者に到達する。そのため、液晶層71,72,73は、
すべて青色に観察され、液晶層73の見掛け上の面積率
が増加して、観察者は高明度および高彩度の青色を観察
することができる。
【0078】例えば、上部支持基板10の法線方向から
観察する場合、図1の例では、直接像と反射像74が完
全に重なり合って、見掛け上の面積率は増加しないが、
図3ないし図4の例では、液晶層71,72,73から
観察者側に出射する光は、光散乱層90によって発散光
となるので、観察方向の違いによる見え方の違いは、図
1の例よりも、はるかに小さくなる。また、光散乱層9
0の作用によって、入射光の入射角に依存した見え方の
変化も抑制できる。したがって、図3ないし図4の例で
は、図1の例のように観察方向が制約されるということ
がない。
【0079】光散乱層90による光散乱の度合いが上記
のように適切に設定された場合、液晶層73の見掛け上
の面積率は、次のように計算される。
【0080】まず、往路で液晶層73を透過する割合
は、液晶層73の実際の面積率と等しい33%である。
液晶層73を往路で透過しないで復路で透過する割合
は、67%×0.33=22%である。したがって、入
射光のうち、これらの和である33%+22%=56%
の割合の光が、少なくとも一度は液晶層73を透過する
ことになり、液晶層73の見掛け上の面積率は、56%
になる。
【0081】この値は、図1の例の67%よりは低いも
のの、図9に示した従来の反射型液晶表示装置の33%
と比較すると、約1.7倍となる。このときの反射スペ
クトルは図5(B)のようになり、上記のように明度お
よび彩度の高い表示が得られる。赤色または緑色を表示
する場合も、全く同様である。
【0082】黒色を表示する場合には、液晶層71,7
2,73をすべて光吸収状態とする。液晶層71,7
2,73の光吸収状態における透過スペクトルの透過ピ
ークは、互いに重なり合わないので、入射光は往路と復
路で異なる液晶層を透過して観察者に到達することはで
きない。すなわち、往路と復路で同じ液晶層を透過した
光だけが反射光として観察される。
【0083】例えば、青の色光の33%が液晶層73を
透過し、その後、光散乱層90で散乱した光の33%が
再び液晶層73を透過して観察される。したがって、青
の色光の反射率は、33%×0.33=11%である。
赤および緑の色光も同様に11%反射するので、黒色表
示時の反射スペクトルは図5(A)のようになり、その
最大値は11%となる。
【0084】この値は、図1の例における理想的な値で
ある0%よりは高いものの、実用上十分に低い値と言え
る。また、図1の例のように黒色表示を観察する際に観
察方向が制約されるということがない。
【0085】白色を表示する場合には、液晶層71,7
2,73をすべて光透過状態とする。この場合、液晶層
71,72,73中の二色性色素の二色比が十分に大き
ければ、図5(D)に示すように、理想的には100%
に近い反射率となって、白色表示時の明度が十分高くな
る。
【0086】なお、黄色を表示する場合には、液晶層7
1,72を光吸収状態とし、液晶層73を光透過状態と
する。この場合、反射スペクトルは図5(C)のように
なる。
【0087】以上のように、図3の例によれば、光散乱
層90の作用によって、照明光が平行光線の場合でも、
図1の例のように光反射層40の正反射方向から観察す
る必要はない。そのため、照明がまぶしい、上部支持基
板10の外面での反射光が表示像に重畳されて表示が見
ずらい、観察者から見た照明の視角が十分大きくないと
表示画面全体が照明されない、という問題は生じない。
【0088】さらに、光散乱層90の作用によって、光
反射層40が鏡面であることによる周囲の映り込みが防
止され、図1の例より視認性がよくなる。
【0089】なお、光散乱層90は、透明電極61,6
2,63と透明層50との間に限らず、室内光や太陽光
などの外部光源から、液晶層71,72,73を透過
し、光反射層40で反射し、再び液晶層71,72,7
3を透過して観察者に至る光路上の、いずれかの位置に
設ければよい。
【0090】例えば、上部支持基板10の外面上、上部
支持基板10と透明電極20と間、透明電極20と液晶
層71,72,73との間、液晶層71,72,73と
透明電極61,62,63との間、または透明層50と
光反射層40との間に設けてもよい。または、透明層5
0に光散乱層を兼ねさせたり、例えば光反射層40の反
射面を凹凸形状に加工するなどして、光反射層40に光
散乱機能を持たせるようにしてもよい。
【0091】また、上部支持基板10と透明電極20と
の間に別の透明層を設け、この透明層と上部支持基板1
0との間に光散乱層を設けてもよい。さらに、光散乱層
を上記の配置可能な位置のうちの複数箇所に配置しても
よい。
【0092】図3の例の反射型液晶表示装置の具体例
を、実際に行った製造方法とともに示す。
【0093】まず、上部支持基板10を構成する厚さ
1.lmmのガラス基板上に、ITOを蒸着して透明電
極20を形成した。一方、透明層50を構成する厚さ
1.lmmのガラス基板上に、アクリル系液晶性高分子
の溶液を塗布し、成膜してマルチドメイン構造を有する
光散乱層90を形成した。
【0094】次に、光散乱層90上に、ITOを蒸着
し、フォトエッチングして、透明電極61,62,63
を構成する0.5mmピッチのストライプ電極を形成
し、裏面に、アルミニウムを蒸着して光反射層40を形
成した。
【0095】次に、赤色の二色性色素(三井東圧製M−
370)を含むネマチック液晶(メルク社製ZLI−1
840)を用意し、PVAとともに水中に懸濁し、印刷
法で透明電極61を構成するストライプ電極上に約10
μmの厚みで塗布し、乾燥させて液晶層71を得た。同
様に、緑色の二色性色素(三井東圧製のM−361とM
−403の1:2混合物)、青色の二色性色素(三井東
圧製M−412)を含む液晶を用意し、それぞれ印刷法
で透明電極62,63を構成するストライプ電極上に塗
布し、乾燥させて液晶層72,73を得た。
【0096】次に、上部支持基板10を構成するガラス
基板と、透明層50を構成するガラス基板とを貼り合わ
せて、図3に示した反射型液晶表示装置を得た。下部支
持基板30およぴ隔壁81,82,83は、省略した。
【0097】上述したように、図3の例の反射型液晶表
示装置によれば、光反射層40の正反射方向から観察す
る必要がなく、照明がまぶしいなどの問題を生じないと
ともに、視認性がよくなる。
【0098】しかし、この例では、ある液晶層を透過し
た光が隣接する液晶層を透過するように、光散乱層90
が光を散乱させるため、隣接する表示画素との望ましく
ない混色を生じて、空間周波数の高い表示画像に対して
は色再現性がよくないという問題がある。
【0099】この場合、ある表示画素200と、これに
隣接する表示画素との混色は、両者の表示画素にまたが
って両隣りとなる、2つの液晶層の間で生じる。そし
て、1つの表示画素を構成する液晶層の数と、隣接する
表示画素と混色する液晶層の数との比は、3:1であ
る。
【0100】〔第3の実施形態…図6〕図6は、このよ
うな問題を解決した、この発明の反射型表示装置の他の
例で、請求項3の発明の一例としての反射型液晶表示装
置の場合である。
【0101】この例では、1つの表示画素200を互い
に光吸収スペクトルが異なる3種類の副画素71x,7
2x,73xによって構成し、その同一種類の副画素を
互いに光吸収スペクトルが同一の3つの液晶層によって
構成し、すなわち、例えば、副画素71xは、光吸収状
態で赤の色光を透過させる液晶層71a,71b,71
cによって構成し、副画素72xは、光吸収状態で緑の
色光を透過させる液晶層72a,72b,72cによっ
て構成し、副画素73xは、光吸収状態で青の色光を透
過させる液晶層73a,73b,73cによって構成
し、さらに隣接する液晶層は互いに光吸収スペクトルが
異なるように配置する。
【0102】これに対応して、上記の透明電極61,6
2,63も、それぞれ透明電極61a,61b,61
c、透明電極62a,62b,62c、透明電極63
a,63b,63cに分割して形成する。
【0103】そして、この例では、透明層50の厚み
は、副画素ではなく、副々画素というべき、それぞれの
液晶層のピッチの1〜3倍の範囲内に選定する。
【0104】この例でも、基本的な動作は、図1または
図3の例と同じである。ただし、この例では、ある表示
画素200と、これに隣接する表示画素との混色は、両
者の表示画素にまたがって両隣りとなる、2つの液晶層
の間で生じる。そして、1つの表示画素を構成する液晶
層の数と、隣接する表示画素と混色する液晶層の数との
比は、9:1である。したがって、混色の度合いは、図
3の例の1/3に減少する。
【0105】なお、1つの副画素を2つまたは4つ以上
の液晶層によって構成してもよい。一般に、1つの副画
素を構成する液晶層の数をNとするとき、混色の度合い
は、図3の例の1/Nに減少する。
【0106】図6の例の反射型液晶表示装置の具体例
を、実際に行った製造方法とともに示す。
【0107】まず、上部支持基板10を構成する厚さ
1.lmmのガラス基板上に、ITOを蒸着して、透明
電極20を形成した。一方、下部支持基板30を構成す
る厚さ1.lmmのガラス基板上に、アルミニウムを蒸
着して光反射層40を形成し、その上に、透明層50を
構成する厚さ0.2mmのガラス基板を接着剤を介して
接着した。
【0108】次に、その透明層50を構成するガラス基
板上に、ITOを蒸着し、フォトエッチングして、透明
電極61a,62a,63a,61b,62b,63
b,61c,62c,63cを構成する0.lmmピッ
チのストライブ電極を形成した。
【0109】次に、赤色の二色性色素(三井東圧製M−
370)を含むネマチック液晶(メルク社製ZLI−1
840)を用意し、PVAとともに水中に懸濁し、印刷
法で透明電極61a,61b,61cを構成するストラ
イプ電極上に約10μmの厚みで塗布し、乾燥させて液
晶層71a,71b,71cを得た。同様に、緑色の二
色性色素(三井東圧製のM−361とM−403の1:
2混合物)、青色の二色性色素(三井東圧製M−41
2)を含む液晶を用意し、それぞれ印刷法で透明電極6
2a,62b,62cおよび63a,63b,63cを
構成するストライプ電極上に塗布し、乾燥させて液晶層
72a,72b,72cおよび73a,73b,73c
を得た。
【0110】次に、上部支持基板10を構成するガラス
基板と、下部支持基板30を構成するガラス基板とを貼
り合わせて、図6に示した反射型液晶表示装置を得た。
各液晶層間の隔壁は、省略した。
【0111】〔第4の実施形態…図7〕図7は、この発
明の反射型表示装置のさらに他の例で、請求項4の発明
の一例としての反射型液晶表示装置の場合である。
【0112】この例では、図1の例の反射型液晶表示装
置において、透明層50を、それぞれの表示画素200
ごとに、光反射性隔壁100によって分割する。
【0113】このように透明層50が、光反射性隔壁1
00によって表示画素200ごとに分割されるので、図
7の例では、隣接する表示画素との混色を生じない。な
お、光反射性隔壁100を光反射層40と一体に形成し
てもよい。
【0114】図7の例の反射型液晶表示装置の具体例
を、実際に行った製造方法とともに示す。
【0115】まず、上部支持基板10を構成する厚さ
1.lmmのガラス基板上に、ITOを蒸着して、透明
電極20を形成した。一方、厚さ3mmのアルミニウム
基板に、マイクロフライス加工を施して、幅1.3m
m、深さlmmの溝を1.5mmピッチで加工すること
により、光反射性隔壁100、光反射層40および下部
支持基板30を一体に形成した。
【0116】次に、熱硬化アクリル樹脂中に白色顔料で
あるTi0を分散させた白色塗料を、上記の溝を埋め
るようにブレード塗布し、熱硬化後に表面を研磨して、
光散乱層を兼ねた透明層50を形成し、その上に、IT
Oを蒸着し、フォトエッチングして、透明電極61,6
2,63を構成する0.5mmピッチのストライプ電極
を形成した。
【0117】次に、赤色の二色性色素(三井東圧製M−
370)を含むネマチック液晶(メルク社製ZLI−1
840)を用意し、PVAとともに水中に懸濁し、印刷
法で透明電極61を構成するストライプ電極上に約10
μmの厚みで塗布し、乾燥させて液晶層71を得た。同
様に、緑色の二色性色素(三井東圧製のM−361とM
−403の1:2混合物)、青色の二色性色素(三井東
圧製M−412)を含む液晶を用意し、それぞれ印刷法
で透明電極62,63を構成するストライプ電極上に塗
布し、乾燥させて液晶層72,73を得た。
【0118】次に、上部支持基板10を構成するガラス
基板と、下部支持基板30などを構成するアルミニウム
基板とを貼り合わせて、図7に示した反射型液晶表示装
置を得た。隔壁81,82,83は、省略した。
【0119】〔他の実施形態〕図1、図3、図6および
図7の実施形態は、いずれも1つの表示画素を3種類の
副画素で構成する場合であるが、1つの表示画素を2種
類または4種類以上の副画素で構成することもできる。
【0120】また、上述した実施形態は、いずれも反射
型液晶表示装置の場合であるが、この発明は、反射型液
晶表示装置に限らず、表示体として液晶材料以外のエレ
クトロクロミック材料、針状吸収体を分散した溶液、フ
ォトクロミック材料、サーモクロミック材料などを用い
て、その表示体を、電圧または電流、磁気、光、熱、圧
力などの外部からの刺激の有無または程度に応じて、可
視光中の特定波長の光を吸収する光吸収状態と、可視光
中の全波長領域の光を透過させる光透過状態との、いず
れかをとりうるようにした他の反射型表示装置にも広く
適用することができる。
【0121】
【発明の効果】上述したように、この発明によれば、カ
ラー表示が可能な反射型表示装置において、白色表示時
の明度が十分高く、かつ黒色表示時の明度が十分低くな
るとともに、カラー表示時の明度および彩度が十分高く
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の反射型表示装置の第1の例を示す図
である。
【図2】図1の反射型表示装置の動作の説明に供する図
である。
【図3】この発明の反射型表示装置の第2の例を示す図
である。
【図4】図3の反射型表示装置の動作の説明に供する図
である。
【図5】図3の反射型表示装置の黒色、赤色、黄色およ
び白色の表示時の反射スペクトルを示す図である。
【図6】この発明の反射型表示装置の第3の例を示す図
である。
【図7】この発明の反射型表示装置の第4の例を示す図
である。
【図8】この発明の反射型表示装置における表示体の形
状および配置の例を示す図である。
【図9】従来の反射型表示装置の一例を示す図である。
【図10】図9の反射型表示装置の黒色、赤色、黄色お
よび白色の表示時の反射スペクトルを示す図である。
【図11】従来の反射型表示装置の他の例を示す図であ
る。
【図12】図11の反射型表示装置の黒色、赤色、黄色
および白色の表示時の反射スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
10 上部支持基板 20 透明電極 30 下部支持基板 40 光反射層 50 透明層 61〜63 透明電極 61a〜63a,61b〜63b,61c〜63c 透
明電極 71〜73 液晶層(表示体) 71a〜73a,71b〜73b,71c〜73c 液
晶層(表示体) 74 反射像 81〜83 隔壁 90 光散乱層 100 光反射性隔壁 200 表示画素 201〜203 副画素

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれ、外部からの刺激の有無または程
    度に応じて、可視光中の特定波長の光を吸収する光吸収
    状態と、可視光中の全波長領域の光を透過させる光透過
    状態との、いずれかをとりうる複数の表示体が平面状に
    配置され、その後方に光反射層が配置された反射型表示
    装置において、 前記表示体の互いに光吸収スペクトルが異なる複数のも
    のによって表示画素を構成するとともに、 前記表示体と前記光反射層との間に、前記表示体の前記
    光反射層による反射像を得るための透明層を設けた、 ことを特徴とする反射型表示装置。
  2. 【請求項2】請求項1の反射型表示装置において、 外部光源から、前記表示体を透過し、前記光反射層で反
    射し、再び前記表示体を透過して観察者に至る光路上
    に、光散乱層を設けた、 ことを特徴とする反射型表示装置。
  3. 【請求項3】請求項1の反射型表示装置において、 前記表示画素を互いに光吸収スペクトルが異なる複数種
    類の副画素によって構成し、 その同一種類の副画素は前記表示体の互いに光吸収スペ
    クトルが同一の複数のものによって構成するとともに、 前記表示体の隣接するものは互いに光吸収スペクトルが
    異なるように前記表示体を配置した、 ことを特徴とする反射型表示装置。
  4. 【請求項4】請求項1の反射型表示装置において、 前記透明層を、前記それぞれの表示画素ごとに、光反射
    性隔壁によって分割した、 ことを特徴とする反射型表示装置。
JP06737196A 1996-02-28 1996-02-28 反射型表示装置 Expired - Fee Related JP3386096B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06737196A JP3386096B2 (ja) 1996-02-28 1996-02-28 反射型表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06737196A JP3386096B2 (ja) 1996-02-28 1996-02-28 反射型表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09236799A true JPH09236799A (ja) 1997-09-09
JP3386096B2 JP3386096B2 (ja) 2003-03-10

Family

ID=13343099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06737196A Expired - Fee Related JP3386096B2 (ja) 1996-02-28 1996-02-28 反射型表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3386096B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002023201A (ja) * 2000-06-30 2002-01-23 Stanley Electric Co Ltd 反射型エレクトロクロミック表示素子

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002023201A (ja) * 2000-06-30 2002-01-23 Stanley Electric Co Ltd 反射型エレクトロクロミック表示素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP3386096B2 (ja) 2003-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0173824B1 (ko) 액정 표시 소자
US6433843B1 (en) Liquid crystal reflective display
JP3112393B2 (ja) カラー表示装置
EP0543658B1 (en) Liquid-crystal color display device
KR100385691B1 (ko) 반사형 액정표시소자
US5541749A (en) Electro-optical device
KR100314392B1 (ko) 액정표시장치
JP3482737B2 (ja) 反射型液晶表示装置
JP3386096B2 (ja) 反射型表示装置
KR19990023861A (ko) 반사형 액정표시소자
JPH0829811A (ja) 液晶表示装置
US20020171789A1 (en) Layered type reflective full-color liquid crystal display element and display device having the element
JPH0961854A (ja) カラー液晶表示素子
JPH05216057A (ja) 液晶表示装置
JP2003029301A (ja) 反射型フルカラー液晶表示素子及び該素子を備えた表示装置
JP4123294B2 (ja) 液晶表示装置
JP3900189B2 (ja) 液晶表示装置及び液晶表示装置の製造方法
KR100210651B1 (ko) 컬러액정표시소자
JPH0915591A (ja) 反射型表示装置
JPH10274780A (ja) 反射型液晶表示装置およびその駆動方法
JPH08248449A (ja) 液晶表示装置
JP3449829B2 (ja) 液晶表示素子
JPH09281482A (ja) 液晶表示素子
JPH07152029A (ja) 表示素子
JP3894217B2 (ja) 液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080110

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090110

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100110

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110110

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120110

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120110

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130110

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130110

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140110

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees