JPH09236486A - 焦電型赤外線センサ - Google Patents
焦電型赤外線センサInfo
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- JPH09236486A JPH09236486A JP8045896A JP4589696A JPH09236486A JP H09236486 A JPH09236486 A JP H09236486A JP 8045896 A JP8045896 A JP 8045896A JP 4589696 A JP4589696 A JP 4589696A JP H09236486 A JPH09236486 A JP H09236486A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 小型で受光効率の高い焦電素子からなる焦電
型赤外線センサを提供する。 【構成】 所定波長の赤外線を透過するフィルタ4を介
して受光し、両面に薄膜電極すなわち表電極10及び裏
電極11を配設した平板状の焦電体をセンサ素子とする
焦電型赤外線センサにおいて、PVDFフィルム平板状
の焦電体8がフィルタに可能な限り近接して配設され、
かつ表電極10及び裏電極11の面積は焦電体8の面積
とほぼ同じにしてセンサ素子を構成した。
型赤外線センサを提供する。 【構成】 所定波長の赤外線を透過するフィルタ4を介
して受光し、両面に薄膜電極すなわち表電極10及び裏
電極11を配設した平板状の焦電体をセンサ素子とする
焦電型赤外線センサにおいて、PVDFフィルム平板状
の焦電体8がフィルタに可能な限り近接して配設され、
かつ表電極10及び裏電極11の面積は焦電体8の面積
とほぼ同じにしてセンサ素子を構成した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は例えば火災報知機
や進入検知器等の防災・防犯システムの端末において使
用される焦電型赤外線センサに関するものである。
や進入検知器等の防災・防犯システムの端末において使
用される焦電型赤外線センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】誘電体の自発分極の温度変化特性(焦電
性という)を利用した焦電型赤外線センサが開発されて
以来、このタイプの赤外線センサが重用されてきてい
る。焦電性センサは感度は半導体センサに劣るものの、
検出波長領域が広く、冷却の必要がないので、装置とし
て簡単に構成できる優れた特徴がその主たる理由であ
る。焦電型赤外線センサのセンサ部は焦電性材料によっ
て構成されるが、従来の主流となっていた無機物系の焦
電(圧電)セラミックスに代って、最近は有極性高分子
を分極処理して得られる高分子系のものが注目・使用さ
れている。このようなタイプの代表的な焦電材料とし
て、ポリフッ化ビニリデン(以下PVDFという)があ
る。これは(CH2−CF2)nの分子構造をもつ極性
の強いポリマーで、α,β結晶のうちβ結晶が大きい焦
電性を示す。換言すれば周知の焦電効果が大きいので、
β結晶のPVDFを材料とする焦電フィルムが、焦電型
赤外線センサとして広く使用されるようになってきてい
る。
性という)を利用した焦電型赤外線センサが開発されて
以来、このタイプの赤外線センサが重用されてきてい
る。焦電性センサは感度は半導体センサに劣るものの、
検出波長領域が広く、冷却の必要がないので、装置とし
て簡単に構成できる優れた特徴がその主たる理由であ
る。焦電型赤外線センサのセンサ部は焦電性材料によっ
て構成されるが、従来の主流となっていた無機物系の焦
電(圧電)セラミックスに代って、最近は有極性高分子
を分極処理して得られる高分子系のものが注目・使用さ
れている。このようなタイプの代表的な焦電材料とし
て、ポリフッ化ビニリデン(以下PVDFという)があ
る。これは(CH2−CF2)nの分子構造をもつ極性
の強いポリマーで、α,β結晶のうちβ結晶が大きい焦
電性を示す。換言すれば周知の焦電効果が大きいので、
β結晶のPVDFを材料とする焦電フィルムが、焦電型
赤外線センサとして広く使用されるようになってきてい
る。
【0003】焦電フィルムの場合、熱に対する感度を上
げるために熱容量を小さくする必要上、できるだけ薄く
することが望ましいとされているが、赤外線センサとし
ては、所定の有効面積を持つ一枚の平板状のPVDFフ
ィルムで構成しているのが、通常の使用方法である。P
VDFフィルム素子の赤外線センサとしての構成・動作
は周知であるので、詳しい説明は省略するが、実際に
は、上述のように一枚のPVDFフィルムの両面に適当
な面積の膜状電極を設け、これを介して外部に電気的に
信号を導出するために、膜状電極と接続するリードを有
するセンサケースに収納しておく。そして、この状態
で、窓として設けられ所定波長の赤外線を透過するフィ
ルターを介して入射してくる赤外線(熱線ともいう)を
可能な限り効率よく受光して、PVDFフィルムの両面
に前述の焦電効果により発生する電圧を電気的に検出す
るようになっている。
げるために熱容量を小さくする必要上、できるだけ薄く
することが望ましいとされているが、赤外線センサとし
ては、所定の有効面積を持つ一枚の平板状のPVDFフ
ィルムで構成しているのが、通常の使用方法である。P
VDFフィルム素子の赤外線センサとしての構成・動作
は周知であるので、詳しい説明は省略するが、実際に
は、上述のように一枚のPVDFフィルムの両面に適当
な面積の膜状電極を設け、これを介して外部に電気的に
信号を導出するために、膜状電極と接続するリードを有
するセンサケースに収納しておく。そして、この状態
で、窓として設けられ所定波長の赤外線を透過するフィ
ルターを介して入射してくる赤外線(熱線ともいう)を
可能な限り効率よく受光して、PVDFフィルムの両面
に前述の焦電効果により発生する電圧を電気的に検出す
るようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来の赤外線センサは、一枚のPVDFフィルム
の両面に適宜の面積を有する膜状電極を設け、これを介
して外部に電気的信号を取り出している。この構成自体
に特に不都合の問題点があるわけではないが、装置の改
良は開発当初からの命題であり、焦電型赤外線センサも
小型化を要請されている現状から、小型でかつ高感度の
焦電型赤外線センサの開発は斯界の重要な課題となって
いた。
ような従来の赤外線センサは、一枚のPVDFフィルム
の両面に適宜の面積を有する膜状電極を設け、これを介
して外部に電気的信号を取り出している。この構成自体
に特に不都合の問題点があるわけではないが、装置の改
良は開発当初からの命題であり、焦電型赤外線センサも
小型化を要請されている現状から、小型でかつ高感度の
焦電型赤外線センサの開発は斯界の重要な課題となって
いた。
【0005】この発明は上述のような課題を解決するた
めになされたもので、小型で受光効率の高い焦電素子か
らなる焦電型赤外線センサを提供することを目的とする
ものである。
めになされたもので、小型で受光効率の高い焦電素子か
らなる焦電型赤外線センサを提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る焦電型赤外
線センサは、所定波長の赤外線を透過するフィルタを介
して受光し、両面に薄膜電極を配設した平板状の焦電体
をセンサ素子とする焦電型赤外線センサにおいて、平板
状の焦電体がフィルタに近接して配設され、かつ薄膜電
極の面積を焦電体面積に近付けてセンサ素子を構成した
ものである。この場合、薄膜状焦電体はPVDFフィル
ムであり、さらに薄膜電極の厚さはPVDFフィルムの
厚さより小さいものであることが望ましい。
線センサは、所定波長の赤外線を透過するフィルタを介
して受光し、両面に薄膜電極を配設した平板状の焦電体
をセンサ素子とする焦電型赤外線センサにおいて、平板
状の焦電体がフィルタに近接して配設され、かつ薄膜電
極の面積を焦電体面積に近付けてセンサ素子を構成した
ものである。この場合、薄膜状焦電体はPVDFフィル
ムであり、さらに薄膜電極の厚さはPVDFフィルムの
厚さより小さいものであることが望ましい。
【0007】本発明においては、平板状焦電体の両面が
フィルタの開口部の面積と同等面積の薄膜電極を有して
焦電素子を構成し、この焦電素子をフィルタにできるだ
け接近して配設しているから、入射赤外線による自発分
極により発生した電位差をできるだけ高効率で電気的に
取出せるようになる。
フィルタの開口部の面積と同等面積の薄膜電極を有して
焦電素子を構成し、この焦電素子をフィルタにできるだ
け接近して配設しているから、入射赤外線による自発分
極により発生した電位差をできるだけ高効率で電気的に
取出せるようになる。
【0008】また、電気的接続前のセンサ素子として可
能な限り大きい面積の薄膜電極を有する焦電素子を形成
した後、薄膜電極の内の特定の電極とプリント基板の特
定の回路線との配線接続を導電性接着材又は導線を使用
して行うから、特に薄く、かつ耐熱性の弱いPVDF等
のフィルムを形状的にも性能的にも損傷させることなく
電気的接続を可能とする。
能な限り大きい面積の薄膜電極を有する焦電素子を形成
した後、薄膜電極の内の特定の電極とプリント基板の特
定の回路線との配線接続を導電性接着材又は導線を使用
して行うから、特に薄く、かつ耐熱性の弱いPVDF等
のフィルムを形状的にも性能的にも損傷させることなく
電気的接続を可能とする。
【0009】
[実施形態1]図1は本発明による焦電型赤外線センサ
の一実施形態を原理的に示す模式断面図であり、図2は
図1の焦電型赤外線センサ素子(以下焦電素子という)
の部分のセンサや配線等の詳細構造を示す模式説明図で
ある。まず、図1に見られるように、焦電型赤外線セン
サは、端子1を備えたステム2上に設けられたプリント
基板3の上に組立て配設されたこの発明による焦電型赤
外線センサ素子(詳細は図2を用いて後述)が、所定の
波長を透過するフィルタ4を窓材として有する蓋状のキ
ャン5によって覆われて囲まれた空間に、収納された格
好で構成されている。なお、端子1は絶縁シール6によ
ってステム2とは絶縁された端子と、例えば接地用とし
てステム2と短絡した端子とからなっている。絶縁され
た端子はセンサの電気信号を外部回路(後述)に接続す
るものである。また、この焦電型赤外線センサは、中心
部に開口部7aを有する絶縁材(アルミナ、プラスチッ
ク等)からなる基台7を介してプリント基板3上に配設
されている。そして、フィルタ4はシール材9により気
密状に接着されてキャン5に設けられている。
の一実施形態を原理的に示す模式断面図であり、図2は
図1の焦電型赤外線センサ素子(以下焦電素子という)
の部分のセンサや配線等の詳細構造を示す模式説明図で
ある。まず、図1に見られるように、焦電型赤外線セン
サは、端子1を備えたステム2上に設けられたプリント
基板3の上に組立て配設されたこの発明による焦電型赤
外線センサ素子(詳細は図2を用いて後述)が、所定の
波長を透過するフィルタ4を窓材として有する蓋状のキ
ャン5によって覆われて囲まれた空間に、収納された格
好で構成されている。なお、端子1は絶縁シール6によ
ってステム2とは絶縁された端子と、例えば接地用とし
てステム2と短絡した端子とからなっている。絶縁され
た端子はセンサの電気信号を外部回路(後述)に接続す
るものである。また、この焦電型赤外線センサは、中心
部に開口部7aを有する絶縁材(アルミナ、プラスチッ
ク等)からなる基台7を介してプリント基板3上に配設
されている。そして、フィルタ4はシール材9により気
密状に接着されてキャン5に設けられている。
【0010】この発明による平板状の焦電体8は、図2
に示すように、焦電素子としてのPVDFからなる焦電
体フィルムを、プリント基板3上に基台7を介し配設
し、焦電体8をできるだけフィルタ4に近接させて配設
したものとなっている。焦電体8の両面には、膜状の表
電極10及び裏電極11が形成されていて、1個の焦電
型赤外線センサ素子を構成している。この場合、できる
だけフィルタ4に接近して配設しておくことが望まし
い。ここで、表電極とは受光側の電極であり、裏電極と
は表電極の反対側に設けた電極を指している。また、最
も重要なことは、膜状の表電極10及び裏電極11の各
面積が、焦電体8の面積と同等又はそれ以上の面積と
し、従来の表電極及び裏電極の各面積より大きくしてい
ることである。
に示すように、焦電素子としてのPVDFからなる焦電
体フィルムを、プリント基板3上に基台7を介し配設
し、焦電体8をできるだけフィルタ4に近接させて配設
したものとなっている。焦電体8の両面には、膜状の表
電極10及び裏電極11が形成されていて、1個の焦電
型赤外線センサ素子を構成している。この場合、できる
だけフィルタ4に接近して配設しておくことが望まし
い。ここで、表電極とは受光側の電極であり、裏電極と
は表電極の反対側に設けた電極を指している。また、最
も重要なことは、膜状の表電極10及び裏電極11の各
面積が、焦電体8の面積と同等又はそれ以上の面積と
し、従来の表電極及び裏電極の各面積より大きくしてい
ることである。
【0011】そして、表電極10はその脇表面に設けた
導電性接着剤12を介して、プリント基板3の回路(例
えば出力回路:後述)に接続される。また、裏電極11
はその脇表面に設けた導電性接着剤13によって、プリ
ント基板3の回路(例えば接地回路)に接続される。な
お、この導電性接着剤による接着は、PVDFフィルム
の耐熱性を考慮して行われたものであり、できるだけ低
温接着によりPVDFフィルムの損傷を防止している。
また、各電極は例えばニクロム膜を蒸着等の方法で形成
したものである。
導電性接着剤12を介して、プリント基板3の回路(例
えば出力回路:後述)に接続される。また、裏電極11
はその脇表面に設けた導電性接着剤13によって、プリ
ント基板3の回路(例えば接地回路)に接続される。な
お、この導電性接着剤による接着は、PVDFフィルム
の耐熱性を考慮して行われたものであり、できるだけ低
温接着によりPVDFフィルムの損傷を防止している。
また、各電極は例えばニクロム膜を蒸着等の方法で形成
したものである。
【0012】ここで、焦電型赤外線センサの焦電体8周
りの大きさ、間隔等の各種寸法について記載する。ま
ず、キャン5の外径は直径約10mmであり、フィルタ
が構成している窓の大きさは直径約8mmである。ま
た、PVDFフィルムからなる焦電体8の膜厚は15±
10μm程度のものである。さらに、キャン5の窓に対
して、視野角が110°となるように焦電体8が配置さ
れ、焦電体8のステム2からの高さを表電極10、裏電
極11の面の直径に合わせて調整している。
りの大きさ、間隔等の各種寸法について記載する。ま
ず、キャン5の外径は直径約10mmであり、フィルタ
が構成している窓の大きさは直径約8mmである。ま
た、PVDFフィルムからなる焦電体8の膜厚は15±
10μm程度のものである。さらに、キャン5の窓に対
して、視野角が110°となるように焦電体8が配置さ
れ、焦電体8のステム2からの高さを表電極10、裏電
極11の面の直径に合わせて調整している。
【0013】図4は実際の焦電型赤外線センサの構成を
示す回路図である。本発明による焦電型赤外線センサは
図4によって示される構成、すなわち本発明による焦電
素子(前記の焦電体8に表電極10及び裏電極11を有
するもの)とプリント基板3に形成されている作動回路
を構成する2,3の回路部品(図1の回路素子21等)
及び入出力端子とによって構成されている。
示す回路図である。本発明による焦電型赤外線センサは
図4によって示される構成、すなわち本発明による焦電
素子(前記の焦電体8に表電極10及び裏電極11を有
するもの)とプリント基板3に形成されている作動回路
を構成する2,3の回路部品(図1の回路素子21等)
及び入出力端子とによって構成されている。
【0014】図4において、31は本発明によって形成
された焦電素子であり、32はFET(電界効果トラン
ジスタ)で、そのゲート電極は焦電素子31の一方の電
極と接続されている。また、33は焦電素子31に並列
接続されるFET32のゲート抵抗、34はFET32
のドレイン電極に接続されたドレイン端子、35はFE
T32のソース電極に接続されたソース端子、36はF
ET32の他の電極と接続されたアース端子である。3
7はFET32のドレイン電極とアース間に設けられ、
供給電圧を安定させるためのコンデンサ、38はFET
32のソース電極とアース間に設けられ、高周波側の誘
導ノイズをカットするためのコンデンサである。コンデ
ンサ37,38は容量が10pF程度のものであり、原
理的な構成上はなくてもよい。FET32及びゲート抵
抗33等からなる電気回路部は、筐体内のプリント基板
3に設けられるが、点線で示されている領域部分は、フ
ィルタ4、キャン5及びステム2により外周がシールド
されており、端子の内アース端子36だけがステム2の
アース端子に直接接続されている。
された焦電素子であり、32はFET(電界効果トラン
ジスタ)で、そのゲート電極は焦電素子31の一方の電
極と接続されている。また、33は焦電素子31に並列
接続されるFET32のゲート抵抗、34はFET32
のドレイン電極に接続されたドレイン端子、35はFE
T32のソース電極に接続されたソース端子、36はF
ET32の他の電極と接続されたアース端子である。3
7はFET32のドレイン電極とアース間に設けられ、
供給電圧を安定させるためのコンデンサ、38はFET
32のソース電極とアース間に設けられ、高周波側の誘
導ノイズをカットするためのコンデンサである。コンデ
ンサ37,38は容量が10pF程度のものであり、原
理的な構成上はなくてもよい。FET32及びゲート抵
抗33等からなる電気回路部は、筐体内のプリント基板
3に設けられるが、点線で示されている領域部分は、フ
ィルタ4、キャン5及びステム2により外周がシールド
されており、端子の内アース端子36だけがステム2の
アース端子に直接接続されている。
【0015】また、焦電素子31にフィルタ4を介して
所定波長の赤外線が入射すると、焦電素子31の焦電体
の温度上昇による自発分極によって焦電素子31の一方
の電極(アース電極でない電極)の電位が上昇し、これ
に接続するFET32のゲート電圧が上昇するので、ソ
ース−ドレイン間に電流が流れる。従って、この電流を
電圧変換することにより電気的に赤外線量を計測するこ
とができるようになり、焦電素子31は赤外線センサと
しての役割を果たすことができる。すなわち、目的とす
る赤外波長を透過する例えばシリコンのフィルタ4を窓
材とし、透過してくる光を焦電体8上のできるだけ大き
な面積の表電極10及び裏電極11を有する焦電素子3
1の出力でセンサの感度をアップさせるようになってい
る。
所定波長の赤外線が入射すると、焦電素子31の焦電体
の温度上昇による自発分極によって焦電素子31の一方
の電極(アース電極でない電極)の電位が上昇し、これ
に接続するFET32のゲート電圧が上昇するので、ソ
ース−ドレイン間に電流が流れる。従って、この電流を
電圧変換することにより電気的に赤外線量を計測するこ
とができるようになり、焦電素子31は赤外線センサと
しての役割を果たすことができる。すなわち、目的とす
る赤外波長を透過する例えばシリコンのフィルタ4を窓
材とし、透過してくる光を焦電体8上のできるだけ大き
な面積の表電極10及び裏電極11を有する焦電素子3
1の出力でセンサの感度をアップさせるようになってい
る。
【0016】以下、本発明による焦電素子31の一つの
形成方法について説明する。図3は図2の実施例の一上
面図に準ずる図による説明図である。図3において、各
部品番号は図1,2の説明において用いたものと同じで
ある。なお、2つの電極すなわち表電極10及び裏電極
11は、その平面形状が図のように柄の細いラケット状
であり、ラケットの丸い部分が開口部7aの中心部に位
置し、かつ開口部7aの大きさにほぼ等しい面積になる
ように配置されている。なお、この形状はラケット状に
限定されるものではない。
形成方法について説明する。図3は図2の実施例の一上
面図に準ずる図による説明図である。図3において、各
部品番号は図1,2の説明において用いたものと同じで
ある。なお、2つの電極すなわち表電極10及び裏電極
11は、その平面形状が図のように柄の細いラケット状
であり、ラケットの丸い部分が開口部7aの中心部に位
置し、かつ開口部7aの大きさにほぼ等しい面積になる
ように配置されている。なお、この形状はラケット状に
限定されるものではない。
【0017】そして、基台7の開口部7aを中心とし
て、焦電体8の表裏に表電極10と裏電極11とが配置
されている有様が示されている。ここで、導電性接着剤
12は、図2によっても明示されているように、表電極
10をプリント基板3の図示しない回路(出力線)と接
続している。また、導電性接着剤13は、裏電極11と
プリント基板3の図示しない回路(例えばアース線)と
を接続している。なお、この導電性接着剤による接続の
代わりに、一部導電性接着剤を使用したワイヤ等の導線
で接続してもよい。
て、焦電体8の表裏に表電極10と裏電極11とが配置
されている有様が示されている。ここで、導電性接着剤
12は、図2によっても明示されているように、表電極
10をプリント基板3の図示しない回路(出力線)と接
続している。また、導電性接着剤13は、裏電極11と
プリント基板3の図示しない回路(例えばアース線)と
を接続している。なお、この導電性接着剤による接続の
代わりに、一部導電性接着剤を使用したワイヤ等の導線
で接続してもよい。
【0018】以上のように上述の実施形態によれば、平
板状の焦電体の両面に設けた電極の面積を大きくし、か
つこの焦電素子をフィルタの近くに配設して入射する赤
外線に対する視野角を大きくしたので、自発分極によっ
て発生した電荷を従来より多く取込むことができ、結果
的に、同じ材質・サイズの焦電体の場合より、感度が約
1.5倍増大するというような優れた結果が得られた。
板状の焦電体の両面に設けた電極の面積を大きくし、か
つこの焦電素子をフィルタの近くに配設して入射する赤
外線に対する視野角を大きくしたので、自発分極によっ
て発生した電荷を従来より多く取込むことができ、結果
的に、同じ材質・サイズの焦電体の場合より、感度が約
1.5倍増大するというような優れた結果が得られた。
【0019】また、電気的接続前のセンサ素子として積
層焦電体を形成した後、薄膜電極の内の特定の電極とプ
リント基板の特定の回路線との配線接続や、薄膜電極間
の電気的な直列接続を導電性接着材又は導線を使用して
行うから、特に薄くて、かつ耐熱性の弱いPVDF等の
焦電体フィルムを、形状的にも性能的にも損傷させるこ
となく電気的接続ができる効果がある。
層焦電体を形成した後、薄膜電極の内の特定の電極とプ
リント基板の特定の回路線との配線接続や、薄膜電極間
の電気的な直列接続を導電性接着材又は導線を使用して
行うから、特に薄くて、かつ耐熱性の弱いPVDF等の
焦電体フィルムを、形状的にも性能的にも損傷させるこ
となく電気的接続ができる効果がある。
【0020】[実施形態2]実施形態2においては、焦
電体の電極の大きさ(面積)を変えた場合における電極
の大きさとセンサ出力との関係について検討した結果を
説明する。図5及び図6は図1に示した焦電素子の電極
直径(横軸)を変化させた場合のセンサのそれぞれ感度
(縦軸)及び暗視ノイズ(縦軸)を示す線図である。こ
の場合の試料としては、本例の場合通常型と称する基準
の焦電体8を使用し、その両面に形成されている表電極
10及び裏電極11の各面積・厚さ(材質は当然同じ)
が等しい場合の試料について、上記の各面積の変化試料
として、電極の直径を変えた4種のものを作製した。図
5において、縦軸の感度は、所定の赤外線量に対するセ
ンサ出力として得られた生の電圧(mV)で表してい
る。また図6において、縦軸の暗視ノイズはいわゆる雑
音(バックグランド)に相当し、無光状態でのセンサ出
力として検出された電圧(μV)で表している。
電体の電極の大きさ(面積)を変えた場合における電極
の大きさとセンサ出力との関係について検討した結果を
説明する。図5及び図6は図1に示した焦電素子の電極
直径(横軸)を変化させた場合のセンサのそれぞれ感度
(縦軸)及び暗視ノイズ(縦軸)を示す線図である。こ
の場合の試料としては、本例の場合通常型と称する基準
の焦電体8を使用し、その両面に形成されている表電極
10及び裏電極11の各面積・厚さ(材質は当然同じ)
が等しい場合の試料について、上記の各面積の変化試料
として、電極の直径を変えた4種のものを作製した。図
5において、縦軸の感度は、所定の赤外線量に対するセ
ンサ出力として得られた生の電圧(mV)で表してい
る。また図6において、縦軸の暗視ノイズはいわゆる雑
音(バックグランド)に相当し、無光状態でのセンサ出
力として検出された電圧(μV)で表している。
【0021】図5及び図6の結果から明らかなように、
電極の直径(電極の面積)を大きくすると共に、感度が
上昇(図5)し、かつ暗視ノイズが低下(図6)してい
る。このことから、電極サイズを大きくすることは、セ
ンサの感度を大きくできると共にノイズを低減でき、同
一赤外線入力に対して信号として利用できる幅がより以
上に大きくなることを示すという好都合な効果が得られ
た。 [実施形態3]実施形態3においては、焦電体そのもの
の大きさを実施形態2のものとは変えた一つの場合にお
ける電極サイズの大きさとセンサ出力との関係について
検討した結果を説明する。本実施形態の試料としては、
前述の基準の通常型(図5,6の試料)の焦電体8の代
わりに拡大型と称する焦電フィルム自体のサイズを1.
8倍とした焦電体8を使用し、その両面に形成されてい
る表電極10及び裏電極11の各面積を変化した試料と
して、電極の直径を変えた3種のものを作製した。図7
及び図8はこれら3種の試料について焦電素子の電極直
径(横軸)を変化させた場合のセンサのそれぞれ感度
(縦軸)及び暗視ノイズ(縦軸)を示す線図である。
電極の直径(電極の面積)を大きくすると共に、感度が
上昇(図5)し、かつ暗視ノイズが低下(図6)してい
る。このことから、電極サイズを大きくすることは、セ
ンサの感度を大きくできると共にノイズを低減でき、同
一赤外線入力に対して信号として利用できる幅がより以
上に大きくなることを示すという好都合な効果が得られ
た。 [実施形態3]実施形態3においては、焦電体そのもの
の大きさを実施形態2のものとは変えた一つの場合にお
ける電極サイズの大きさとセンサ出力との関係について
検討した結果を説明する。本実施形態の試料としては、
前述の基準の通常型(図5,6の試料)の焦電体8の代
わりに拡大型と称する焦電フィルム自体のサイズを1.
8倍とした焦電体8を使用し、その両面に形成されてい
る表電極10及び裏電極11の各面積を変化した試料と
して、電極の直径を変えた3種のものを作製した。図7
及び図8はこれら3種の試料について焦電素子の電極直
径(横軸)を変化させた場合のセンサのそれぞれ感度
(縦軸)及び暗視ノイズ(縦軸)を示す線図である。
【0022】図7及び図8の結果から明らかなように、
電極の直径(電極の面積)を大きくすると共に、感度が
上昇(図7)し、かつ暗視ノイズが低下(図8)してい
る。このことから、電極サイズを大きくすることは、セ
ンサの感度を大きくできると共にノイズを低減でき、同
一赤外線入力に対して信号として利用できる幅がより以
上に大きくなることを示すという実施形態2の場合と同
様な好都合な効果が得られた。
電極の直径(電極の面積)を大きくすると共に、感度が
上昇(図7)し、かつ暗視ノイズが低下(図8)してい
る。このことから、電極サイズを大きくすることは、セ
ンサの感度を大きくできると共にノイズを低減でき、同
一赤外線入力に対して信号として利用できる幅がより以
上に大きくなることを示すという実施形態2の場合と同
様な好都合な効果が得られた。
【0023】[実施形態4]実施形態4においては、焦
電体の表・裏の各電極の厚さを変えた場合における電極
の厚さとセンサ出力との関係について検討した結果を説
明する。図7及び図8の測定に使用した焦電素子におい
て、表電極10及び裏電極11の膜厚を変化させた場合
の各感度を図9及び図10に示す。
電体の表・裏の各電極の厚さを変えた場合における電極
の厚さとセンサ出力との関係について検討した結果を説
明する。図7及び図8の測定に使用した焦電素子におい
て、表電極10及び裏電極11の膜厚を変化させた場合
の各感度を図9及び図10に示す。
【0024】図9に見られるように、裏電極11の膜厚
を100オングストローム(A)一定として表電極10
の膜厚を変えた場合は、膜厚が薄くなるにつれて感度が
大幅に上昇し、100A以下に薄くなっても感度が上昇
する傾向が見られる。しかし、膜厚が100Aよりも薄
くなると、電極として十分な働きをすることができず、
出力が不安定となるので、100Aが最適である。ま
た、図10に見られるように、表電極10の膜厚を10
0A一定として裏電極11の膜厚を変えた場合は、30
0Aまで変化させても、多少感度が上昇する程度で、ほ
とんど感度上昇の効果が得られない。そして、実用上は
表電極10の膜厚と同じ膜厚の100Aとすることによ
り、電極材料の蒸着条件等が同じになるので、製造面か
らメリットがあるが、実質的に裏電極の膜厚は、蒸着時
間や電極材料の使用量との関係から、150A程度が最
適である。
を100オングストローム(A)一定として表電極10
の膜厚を変えた場合は、膜厚が薄くなるにつれて感度が
大幅に上昇し、100A以下に薄くなっても感度が上昇
する傾向が見られる。しかし、膜厚が100Aよりも薄
くなると、電極として十分な働きをすることができず、
出力が不安定となるので、100Aが最適である。ま
た、図10に見られるように、表電極10の膜厚を10
0A一定として裏電極11の膜厚を変えた場合は、30
0Aまで変化させても、多少感度が上昇する程度で、ほ
とんど感度上昇の効果が得られない。そして、実用上は
表電極10の膜厚と同じ膜厚の100Aとすることによ
り、電極材料の蒸着条件等が同じになるので、製造面か
らメリットがあるが、実質的に裏電極の膜厚は、蒸着時
間や電極材料の使用量との関係から、150A程度が最
適である。
【図1】本発明の一実施形態の焦電型赤外線センサを原
理的に示す模式断面図である。
理的に示す模式断面図である。
【図2】図1の焦電型赤外線センサ素子の配線等の詳細
構造を示す模式説明図である。
構造を示す模式説明図である。
【図3】図2の実施形態の一上面図に準ずる図による説
明図である。
明図である。
【図4】実際の焦電型赤外線センサの回路を含む全構成
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図5】電極サイズを変えた時の感度を示す実施形態線
図である。
図である。
【図6】図5の測定時の暗視ノイズを示す線図である。
【図7】焦電フィルムサイズを変えた時の感度を示す実
施形態線図である。
施形態線図である。
【図8】図7の測定時の暗視ノイズを示す線図である。
【図9】図7の表電極の膜厚を変えた時の感度を示す実
施形態線図である。
施形態線図である。
【図10】図7の裏電極の膜厚を変えた時の感度を示す
実施形態線図である。
実施形態線図である。
1 端子 2 ステム 3 プリント基板 4 フィルタ 5 キャン 6 絶縁シール6 7 基台 7a 開口部 8 焦電体 9シール材 10 表電極 11 裏電極 12,13 導電性接着剤 21 回路素子 31 焦電素子 32 FET 33 ゲート抵抗 34 ドレイン端子 35 ソース端子 36 アース端子 37,38 コンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G08B 17/06 G01V 9/04 A
Claims (1)
- 【請求項1】 所定波長の赤外線を透過するフィルタを
介して受光し、両面に薄膜電極を配設した平板状の焦電
体をセンサ素子とする焦電型赤外線センサにおいて、 前記平板状の焦電体が前記フィルタに近接して配設さ
れ、かつ前記薄膜電極の面積を前記焦電体の面積に近付
けて前記センサ素子を構成したことを特徴とする焦電型
赤外線センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8045896A JPH09236486A (ja) | 1996-03-04 | 1996-03-04 | 焦電型赤外線センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8045896A JPH09236486A (ja) | 1996-03-04 | 1996-03-04 | 焦電型赤外線センサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09236486A true JPH09236486A (ja) | 1997-09-09 |
Family
ID=12732016
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8045896A Pending JPH09236486A (ja) | 1996-03-04 | 1996-03-04 | 焦電型赤外線センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09236486A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000057447A (ja) * | 1998-08-04 | 2000-02-25 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 領域侵入者検知装置 |
KR100565727B1 (ko) * | 1999-12-30 | 2006-03-29 | 엘지전자 주식회사 | 마이크로 볼로미터 |
JP2011172798A (ja) * | 2010-02-25 | 2011-09-08 | Mitsubishi Electric Corp | 電気炊飯器 |
-
1996
- 1996-03-04 JP JP8045896A patent/JPH09236486A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000057447A (ja) * | 1998-08-04 | 2000-02-25 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 領域侵入者検知装置 |
KR100565727B1 (ko) * | 1999-12-30 | 2006-03-29 | 엘지전자 주식회사 | 마이크로 볼로미터 |
JP2011172798A (ja) * | 2010-02-25 | 2011-09-08 | Mitsubishi Electric Corp | 電気炊飯器 |
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