JPH09235298A - 梅毒トレポネマ融合抗原及び該融合抗原を用いた抗梅毒トレポネマ抗体の測定方法 - Google Patents

梅毒トレポネマ融合抗原及び該融合抗原を用いた抗梅毒トレポネマ抗体の測定方法

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JPH09235298A
JPH09235298A JP8355804A JP35580496A JPH09235298A JP H09235298 A JPH09235298 A JP H09235298A JP 8355804 A JP8355804 A JP 8355804A JP 35580496 A JP35580496 A JP 35580496A JP H09235298 A JPH09235298 A JP H09235298A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 複数の梅毒トレポネマ抗原を融合させた梅毒
トレポネマ融合抗原及び該融合抗原を用いた抗梅毒トレ
ポネマ抗体の測定方法。 【効果】 本発明により、抗Tp抗体との反応性の高い
Tp融合抗原が簡便な精製操作で得られ、該融合抗原を
抗Tp抗体測定方法に用いることにより、従来より高い
感度で抗Tp抗体を測定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、梅毒トレポネマの
融合抗原及び該融合抗原を用いた抗梅毒トレポネマ抗体
の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】梅毒は、梅毒トレポネマ(トレポネマ・
パリダム Treponema pallidum 、以下本明細書中ではT
pと記載することがある)により引き起こされる感染症
である。Tpはスピロヘーターの一種で、Tp抗原とし
てその細胞表面上に数種の表面抗原が存在することが確
認されている(The Journal of Immunology, Vol.129,
p.833-838, 1982; The Journal of Immunology, Vol.12
9, p.1287-1291, 1982;Journal of Clinical Microbiol
ogy, Vol.21, p.82-87, 1985; Journal of Clinical Mi
crobiology, Vol.30, p.115-122, 1992)。Tpに感染
すると、これらの表面抗原に対する抗体が血液中に産生
されるため、血液中の抗Tp抗体の有無を検査すること
によって梅毒の診断が行われている。
【0003】抗Tp抗体の有無を調べるには、Tp抗原
と患者血液中の抗Tp抗体との抗原抗体反応を応用した
免疫測定法を用いるのが一般的であるが、抗Tp抗体の
免疫測定のためには、Tp抗原が多量に必要となる。し
かしながら、Tpは生体外で大量培養できないため、従
来はTpをウサギ睾丸に接種し、Tpに感染したウサギ
睾丸からTp抗原を精製するという方法が用いられてき
た(Acta Pathol Microbiol Scand [B],Vol.83, p.157-
160, 1975 )。この方法では、ウサギ生体内でTpを培
養するため、ウサギの個体差や精製不純物の混入等の問
題があり、再現性よく大量にTp抗原を入手するのは大
変困難であった。
【0004】近年、遺伝子工学技術の進歩により、Tp
の表面抗原をコードする遺伝子をクローニングし、人工
的にTp抗原を大量生産する技術が進歩してきた(Scie
nce,Vol.216, p.522-523, 1982; Infection and Immuni
ty, Vol.36, p.1238-1241,1982; Infection and Immuni
ty, Vol.41, p.709-721, 1983; Infection and Immunit
y, Vol.42, p.435-445, 1983; Infection and Immunit
y, Vol.42, p.187-196, 1983; Journal of Bacteriolog
y, Vol.162, p1227-1237, 1985; Infection and Immuni
ty, Vol.54, p.500-506, 1986; Infection and Immunit
y, Vol.56, p.71-78, 1988; Infection and Immunity,
Vol.57, p.2612-2623, 1989; Infection and Immunity,
Vol.57, p.3708-3714, 1989; Molecular Microbiolog
y, Vol.4, p.1371-1379,1990; Infection and Immunit
y, Vol.58, p.1697-1704, 1990; Infection and Immuni
ty, Vol.61, p.1202-1210, 1993; 特表平2−5004
03)。このような遺伝子工学技術を用いれば、生きた
動物を用いることなくTp抗原を大量生産することがで
きるが、Tpの表面抗原の種類によっては、その抗原を
コードする遺伝子だけではほとんど抗原を発現しないも
のがある。そこで、このような、目的物質をコードする
遺伝子のみでは発現しにくい物質を用いる場合は、大腸
菌由来のチオレドキシン(以下本明細書中ではTRXと
記載することがある)や日本住血吸虫由来のグルタチオ
ン−S−トランスフェラーゼ(以下本明細書中ではGS
Tと記載することがある)等の遺伝子と目的物質の遺伝
子とを融合させた融合遺伝子で目的物質を発現させる方
法が提案され(特表平5−507209、特表平1−5
03441)、Tpの表面抗原の一つである17kDa
抗原や15kDa抗原にGSTを融合したGST15k
Da抗原やGST17kDa抗原は、抗Tp抗体の測定
に用いると高い感度を示すことも見いだされた(特願平
7−63365)。
【0005】しかしながら、大腸菌や日本住血吸虫はヒ
ト生体内に生息し得るため、TRXやGSTに対して反
応する因子を血液中に持つヒトが少なからず存在する。
このような場合、Tpに感染していなくても陽性反応が
生じてしまうため、診断に重大な影響を与えることは明
らかである。現在、梅毒は有効な抗生物質の開発により
充分治療可能となっており、その感染を出来るだけ早く
かつ正確に診断し、治療することが望まれている。その
ため、より高い感度と特異性を示すことの出来るTp抗
原とTp抗体の測定方法の提供が求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、従来の方法よりも高い感度と特異性を示すTp抗原
と抗Tp抗体の測定方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来の課
題を解決すべく鋭意研究した結果、融合したTpの表面
抗原をコードする遺伝子から、数種の表面抗原を融合さ
せた状態のTp融合抗原を発現させたところ、従来より
もTp抗原の発現量が増え、更に、該融合抗原を抗Tp
抗体測定方法の抗原として用いることにより表面抗原を
それぞれ単独で用いた測定系よりも抗Tp抗体を高い感
度で測定できるという驚くべき事実を見い出して、本発
明を完成した。すなわち、本発明は、Tpの融合抗原及
び該融合抗原を用いた抗Tp抗体の測定方法を提供する
ものである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。Tpの細
胞表面には種々の分子量の表面抗原が存在し、主なもの
として分子量15kDa、17kDa、42kDa、4
7kDa等の抗原が知られている(The Journal of Imm
unology, Vol.129, p.833-838, 1982; The Journal of
Immunology, Vol.129, p.1287-1291, 1982; Journal of
Clinical Microbiology, Vol.21, p.82-87, 1985; Jou
rnal of Clinical Microbiology, Vol.30, p.115-122,1
992)。これらの抗原は、ノリス等によって各々TpN
15、TpN17、TpN44.5(a)、TpN47
と命名されている(Microbiological. Reviews,Vol.57,
p.750-779 )(以下本明細書中では、TpN47を4
7K、TpN17を17K、TpN15を15Kと記載
することがある)。これらの表面抗原をコードする遺伝
子は既にクローニングされており、遺伝子工学的に抗原
が生産されている。また、これらのアミノ酸配列も決定
されている(Molecular Microbiology, Vol.4, p.1371-
1379, 1990; Infection and Immunity, Vol.61, p.1202
-1210, 1993; Journal of Bacteriology, Vol.162, p.1
227-1237, 1992; Infectionand Immunity, Vol.57, p.3
708-3714, 1989 )。
【0009】本発明の融合抗原に用いるTpの表面抗原
は、Tpの細胞表面に存在する全ての表面抗原を意味
し、例えば、47K、17K、15K等の抗原を挙げる
ことができる。また本発明に用いる表面抗原は、その抗
原性を損なわない範囲内で適宜修飾して用いることがで
きる。例えば、Tpの表面抗原をコードするDNA配列
のN末端には20アミノ酸前後のシグナルペプチドがあ
るが、ネイティブ抗原ではシグナルペプチドは削除され
ている。これは表面抗原のDNA翻訳が終了した後、シ
グナルペプチダーゼIIによってシグナルペプチドが切
断されるためと考えられている(Microbial Pathogenes
is, Vol.7, p.175-188, 1989; Infectionand Immunity,
Vol.61, p.1202-1210, 1993; Molecular Microbiology,
Vol.4, p.1371-1379, 1990; Infection and Immunity,
Vol.60, p.1568-1576, 1993)。本発明の融合抗原で
は、このようなN末端のシグナルペプチドを含む抗原で
も、シグナルペプチドを含まない抗原でも融合抗原とし
て用いることができる。また、例えば、47Kでは本体
の434アミノ酸のC末端の後ろに更に9アミノ酸が付
加している可能性が報告されている(Infection and Im
munity, Vol. 60, p1568-1576, 1992 )。このような場
合、シグナルペプチドを含まないようにデザインされた
センスプライマーと、C末端以降の9アミノ酸に対応す
るDNA配列を加えたアンチセンスプライマーを使用す
ることにより47KをコードするDNA断片を作製し、
47Kとして用いることもできる。
【0010】本発明のTp融合抗原はこれらの表面抗原
の遺伝子を互いに融合して発現させた抗原である。Tp
表面抗原の遺伝子を融合するにあたっては、その組み合
わせはTpの表面抗原であればいずれの抗原でもよく、
異なる抗原同士、同じ抗原同士等、融合する組み合わせ
に制限があるものではない。
【0011】本発明の融合抗原を発現させるには、通常
の遺伝子工学技術を用いることができる。すなわち、ウ
サギ睾丸等で増やしたTpからジェノミックDNAを抽
出し、これを鋳型とする。既知のDNA配列を元に作製
したプライマーを用いて、PCR法によりそれぞれの表
面抗原をコードするDNA断片を得、これらのDNA断
片をリコンビナントPCR法、あるいはDNAライゲー
スを用いて融合させ、融合抗原に相当するDNA断片を
得る。このDNA断片を挿入したベクターを大腸菌等の
宿主に挿入し、この菌を培養等により増やした後、融合
抗原の発現を誘導する。宿主破砕、電気泳動等の精製手
段を経て、目的の融合抗原を入手する(Molecular Clon
ing A LABORATORY MANUAL SECOND EDITION 1989 )。
【0012】DNA断片をベクターに挿入するには、例
えば、発現ベクターのマルチクローニングサイトに、N
deI、SacI、EcoRI、SalI、XhoI、
BamHI、KpnI、HindIII等の制限酵素認
識部位を用いて、融合するTp抗原のDNA断片を挿入
することができる。
【0013】また、ベクターに挿入するDNA断片は、
融合するDNA断片を別々に挿入することも、あらかじ
めリコンビナントPCR法等によりDNA断片同士を直
接結合させたものを挿入することもできる。これらの制
限酵素認識部位を用てDNA断片を挿入すると、挿入し
たDNA断片の間にリンカーとして短いアミノ酸が挟ま
れることがある。このリンカーは、リコンビナントPC
R法にてDNA断片を融合してから発現ベクターのマル
チクローニングサイトに挿入することにより除去するこ
ともできるが、リンカーを含んだまま融合抗原を発現さ
せてもよい。
【0014】本発明の融合抗原としては、例えば、N末
からC末への抗原の並びに対応して、47K、17K及
び15Kを融合した融合抗原(以下本明細書中では47
−17−15と記載する)、47K、15K及び17K
を融合した融合抗原(以下本明細書中では47−15−
17と記載する)、15K、17K及び47Kを融合し
た融合抗原(以下本明細書中では15−17−47と記
載する)、15K、47K及び17Kを融合した融合抗
原(以下本明細書中では15−47−17と記載す
る)、17K、15K及び47Kを融合した融合抗原
(以下本明細書中では17−15−47と記載する)、
17K、47K及び15Kを融合した融合抗原(以下本
明細書中では17−47−15と記載する)、47K及
び17Kを融合した融合抗原(以下本明細書中では47
−17と記載する)、47K及び15Kを融合した融合
抗原(以下本明細書中では47−15と記載する)、1
7K及び47Kを融合した融合抗原(以下本明細書中で
は17−47と記載する)、17K及び15Kを融合し
た融合抗原(以下本明細書中では17−15と記載す
る)、15K及び47Kを融合した融合抗原(以下本明
細書中では15−47と記載する)、15K及び17K
を融合した融合抗原(以下本明細書中では15−17と
記載する)、15K同士を2つ融合した融合抗原(以下
本明細書中では15−15と記載する)、15K同士を
3つ融合した融合抗原(以下本明細書中では15−15
−15と記載する)、15K同士を4つ融合した融合抗
原(以下本明細書中では15−15−15−15と記載
する)等を挙げることができる。
【0015】一般に抗Tp抗体の測定系では、47K、
17K、15K等のTp主要抗原を混合して使用するた
め、必要な抗原をそれぞれ別々に精製しなければならな
い。本発明の融合抗原を用いると、複数の抗原を含む融
合抗原を単一の抗原として精製し、簡便に入手すること
ができる。
【0016】また17K及び15Kの抗原は、該抗原を
コードする遺伝子それ自体ではほとんど発現しないた
め、TRX、GST等の蛋白との融合蛋白として発現さ
せている。しかしながら、Tp抗原以外の異種抗原の遺
伝子を含んだ融合遺伝子により発現された融合抗原は、
Tp抗原には由来しない予想外の非特異反応を引き起こ
す可能性がある。本発明の融合抗原は、Tp抗原だけを
融合させた抗原であり、発現させた融合抗原の中にはT
p抗原以外の異種抗原がないため、抗Tp抗体を特異的
に測定するための抗原として大変優れているのである。
【0017】ウイルス感染を診断する抗体測定法の場
合、既に複数の同種抗原を融合させた一つの融合抗原
を、抗体測定の抗原として用いる例が知られている(He
patology, Vol.14, p.381-387, 1991 )。しかしなが
ら、本発明の融合抗原は、各表面抗原をそれぞれ単独で
用いた場合よりはるかに抗Tp抗体との反応性が高く、
該融合抗原を抗Tp抗体の測定系に用いることで、従来
にない高い測定感度をもった抗Tp抗体測定方法が提供
できるのである。また、本発明では、主要表面抗原のう
ち17Kと15Kの表面抗原はその遺伝子だけではほと
んど発現せず、他のTp抗原と組み合わせた融合抗原と
した場合には驚異的に発現量が増えるという驚くべき事
実がある。
【0018】本発明の融合抗原は、抗Tp抗体の測定方
法に用いることができる。抗Tp抗体の測定方法とは、
該融合抗原を抗Tp抗体測定方法の抗原として用いる測
定方法で、検体中の抗Tp抗体と該融合抗原との免疫反
応に基づく測定方法であれば、その反応方法はどのよう
な方法であってもよい。種々の免疫測定方法が当業者に
とって周知であり、例えば、反応形式で分類すれば、凝
集法、比濁法、サンドイッチ法、競合法等、また標識体
で分類すれば、酵素免疫分析法、蛍光免疫分析法、発光
免疫分析法、放射免疫分析法等を挙げることができる。
これらのうち、専用の設備を必要としない凝集法、多数
検体の操作に適している酵素免疫法によるELISA
法、高感度化および自動化が進んでいる発光免疫分析法
等が特に好ましい。
【0019】本発明の融合抗原を抗Tp抗体の測定に用
いるには、例えば、凝集法の場合、本発明の融合抗原を
ラテックス、ゼラチン粒子、磁性粒子等の担体に感作
し、非特異吸着部位をブロッキングする。検体と融合抗
原感作担体とを一定時間反応させた後、免疫反応によっ
て生じた凝集を濁度、凝集像等を指標として検出するこ
とにより、検体中の抗Tp抗体量を測定できる。
【0020】またELISA法の場合は、本発明の融合
抗原をマイクロタイタープレートのウェルに感作し、非
特異吸着部位をブロッキングする。融合抗原感作プレー
トのウェルに検体を加えて一定時間反応させ、ウェル内
を洗浄後、ペルオキシダーゼ等の酵素で標識した抗ヒト
免疫グロブリン抗体を反応させる。ウェル内を洗浄後、
標識酵素に対する基質を加えて酵素反応を行い、酵素活
性を測定することにより、検体中の抗Tp抗体量を測定
できる。
【0021】尚、本技術分野においてはこのような凝集
法やELISA法は周知の技術であり、本発明の測定方
法は、これに限定されるものではない。本発明の測定方
法に供する検体としては、梅毒トレポネマの診断を行う
べきヒトや動物の血清等の体液及びその希釈物を挙げる
ことができる。
【0022】
【実施例】本発明を以下参考例及び実施例により更に詳
細に説明する。 参考例1 抗47Kモノクローナル抗体、抗17Kモノ
クローナル抗体及び抗15Kモノクローナル抗体の作製 Tpの表面抗原として47Kと、17K又は15KのN
末端にGSTを融合したGST17K又はGST15K
とをそれぞれ大腸菌により発現させ精製した。それぞれ
の組換え体抗原を免疫したマウスから採取した脾臓細胞
とマウスミエローマ細胞とを細胞融合させ、ハイブリド
ーマを作製した。各ハイブリドーマを培養し、上記の組
換え体抗原を用いたELISA及びネイティブ抗原を用
いたウェスタンブロットにより、組換え体抗原と反応
し、かつネイティブ抗原にも反応するハイブリドーマを
スクリーニングした。スクリーニングしたハイブリドー
マをクローニングしてセルラインを確立した。確立した
クローンをマウス腹腔内に注入し腹水を採取した後、そ
の腹水を精製することにより抗47Kモノクローナル抗
体(以下本明細書中では47KMabと記載する)、抗
17Kモノクローナル抗体(以下本明細書中では17K
Mabと記載する)及び抗15Kモノクローナル抗体
(以下本明細書中では15KMabと記載する)を得
た。
【0023】参考例2 発現ベクターpW6Aの作製 ファルマシア社製ベクターpGEX2Tよりtacプロ
モーターとGSTをコードする塩基配列を除去し、プロ
メガ社製pGEMEX−1のT7プロモーターからge
ne10、マルチクローニングサイト、T7トランスク
リプショナル・ターミネーターまでの塩基配列を挿入し
た。得られたベクターからgene10の塩基配列を除
去し、T7プロモーターの直後にDNA合成装置(アプ
ライドバイオシステム社製モデル381A)にて合成し
たlacオペレーターを挿入し、マルチクローニングサ
イトを一部改変した。こうしてできた発現ベクターをp
W6Aと命名した。pW6Aの詳細図を図1に示す。
【0024】参考例3 各種融合抗原発現用ベクター作
製のためのプライマーの作製 以下の実施例1から16及び参考例4で作製する各融合
抗原を発現させるベクターを作製するために、下記のよ
うなプライマーをDNA合成装置(アプライドバイオシ
ステム社製モデル381A)を用いて合成した。
【0025】 5' ------------------------------------3' Nde I 47K-5' 末端18塩基 プライマー1 TAGCC CATATG GGCTCGTCTCATCATGAG (29塩基) (センス)
【0026】 15K-5'末端17塩基 47K-3'末端側20塩基 プライマー2 ATAGAACTAAATGAACA AGACACACGGGATAGGACAC (37塩基) (アンチセンス)
【0027】 15K-5'末端側17塩基 プライマー3 TGTTCATTTAGTTCTATCCC (20塩基) (センス)
【0028】 17K-5'末端15塩基 15K-3'末端20塩基 プライマー4 TGTGCACGAGACACA CCTGCTAATAATGGCTTCCT (35塩基) (アンチセンス)
【0029】 17K-5'末端20塩基 プライマー5 TGTGTCTCGTGCACAACCGT (20塩基) (センス)
【0030】 BamH I 17K-3'末端21塩基 プライマー6 GATCC GGATCC CTA TTTCTTTGTTTTTTTGAGCAC (35塩基) (アンチセンス) 終止コドン
【0031】 Nde I 15K-5'末端18塩基 プライマー7 TAGCC CATATG TGTTCATTTAGTTCTATC (29塩基) (センス)
【0032】 Nde I 17K-5'末端18塩基 プライマー8 TAGCC CATATG TGTGTCTCGTGCACAACC (29塩基) (センス)
【0033】 BamH I 15K-3'末端17塩基 プライマー9 GATCC GGATCC CTA CCTGCTAATAATGGCTT (31塩基) (アンチセンス) 終止コドン
【0034】 BamH I 47K-3'末端17塩基 プライマー10 GATCC GGATCC CTA AGACACACGGGATAGGA (31塩基) (アンチセンス) 終止コドン
【0035】 Sal I 15K-5'末端18塩基 プライマー11 CGAGGC GTCGAC TGTTCATTTAGTTCTATC (30塩基) (センス)
【0036】 Sal I 47K-5'末端18塩基 プライマー12 GAAC GTCGAC TGTGGCTCGTCTCATCAT (28塩基) (センス)
【0037】 Xho I 47K-3'末端18塩基 プライマー13 CTTG CTCGAG AGACACACGGGATAGGAC (28塩基) (アンチセンス)
【0038】 Sal I 17K-5'末端18塩基 プライマー14 AGTA GTCGAC TGTGTCTCGTGCACAACC (28塩基) (センス)
【0039】 Xho I 17K-3'末端21塩基 プライマー15 CAGA CTCGAG TTTCTTTGTTTTTTTGAGCAC (31塩基) (アンチセンス)
【0040】 Sal I 17K-3'末端21塩基 プライマー16 CAGA GTCGAC TTTCTTTGTTTTTTTGAGCAC (31塩基) (アンチセンス)
【0041】 Sal I 15K-3'末端18塩基 プライマー17 GCTA GTCGAC CCTGCTAATAATGGCTTC (28塩基) (アンチセンス)
【0042】 Sac I 47K-3'末端20塩基 プライマー18 CGTA GAGCTC AGACACACGGGATAGGACAC (30塩基) (アンチセンス)
【0043】 Sac I 17K-5'末端20塩基 プライマー19 TAGC GAGCTC TGTGTCTCGTGCACAACCGT (30塩基) (センス)
【0044】 プライマー20 BamH I 9アミノ酸をコードする塩基 47K-3'末端18塩基 GATCC GGATCC CTA AGACACACGGGATAGGACACCCCTCTT CTGGGCCACTACCTTCGC 終止コドン (59塩基) (アンチセンス)
【0045】 Sal I 47K-3'末端18塩基 プライマー21 CTCTT GTCGAC AGACACACGGGATAGGAC (29塩基) (アンチセンス)
【0046】 BamH I 15K-3'末端18塩基 プライマー22 CCGG GGATCC CCTGCTAATAATGGCTTC (28塩基) (アンチセンス)
【0047】 BamH I 15K-5'末端18塩基 プライマー23 CCGG GGATCC TGTTCATTTAGTTCTATC (28塩基) (センス)
【0048】 Kpn I 15K-3'末端18塩基 プライマー24 CCGG GGTACC CTA CCTGCTAATAATGGCTTC (31塩基) (アンチセンス) 終止コドン
【0049】 Kpn I 15K-3'末端18塩基 プライマー25 CCGG GGTACC CCTGCTAATAATGGCTTC (28塩基) (アンチセンス)
【0050】 Kpn I 15K-5'末端18塩基 プライマー26 CCGG GGTACC TGTTCATTTAGTTCTATC (28塩基) (センス)
【0051】 Hind III 15K-3'末端15塩基 プライマー27 CCGG AAGCTT CTA CCTGCTAATAATGGC (28塩基) (アンチセンス) 終止コドン
【0052】 EcoR I 17K-3'末端21塩基 プライマー28 GACT GAATTC TTTCTTTGTTTTTTTGAGCAC (31塩基) (アンチセンス)
【0053】 EcoR I 15K-5'末端21塩基 プライマー29 GGTG GAATTC TGTTCATTTAGTTCTATCCCG (31塩基) (センス)
【0054】参考例4 Tp47K、17K、15K遺
伝子の調製 梅毒菌(Treponema pallidum, Nicols strain )を継代
培養したウサギ睾丸より菌をパーコール密度遠心により
精製(Sex. Transm. Dis., Vol.11, p.275-286, 1984)
し、SDS−プロテナーゼK/フェノール・クロロホル
ム法によりジェノミックDNAを抽出した。ポリメラー
ゼチェインリアクション(PCR)法により、センスプ
ライマーとして参考例3で作製したプライマー7を、ア
ンチセンスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー9を選択し、抽出したジェノミックDNAを鋳型と
して15K(Molecular Microbiology, Vol.4, p.1371-
1379, 1990)をコードするDNA断片を作製した。次に
センスプライマーとして参考例3で作製したプライマー
8を、又アンチセンスプライマーとして参考例3で作製
したプライマー6を選択し、17K(Infection and Imm
unity,Vol.61, p.1202-1210, 1993 )をコードするDN
A断片を作製した。更にセンスプライマーとして参考例
3で作製したプライマー1を、アンチセンスプライマー
として参考例3で作製したプライマー20を選択し、4
7K(Infection and Immunity, Vol.60, p.1568-1576,
1992) をコードするDNA断片を作製した。47Kでは
本体の434アミノ酸のC末端の後ろに更に9アミノ酸
が付加している可能性が報告されているので(Infectio
n and Immunity, Vol.60, p1568-1576, 1992)、図2に
示すように47KのDNA断片の増幅の際に、使用する
アンチセンスプライマーにこの9アミノ酸に対応する塩
基配列を加えることにより47KをコードするDNA断
片を作製し使用した。また、15K及び17Kをコード
するDNA断片を図3に示した。
【0055】実施例1 15−17融合抗原発現用ベク
ターの作製 a)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー7を、アンチセンスプライマーとして参考例3で作
製したプライマー4を選択した。各々のプライマー1μ
Mと、参考例4で作製した15K遺伝子0.1ng及び
Taqポリメラーゼ(TaKaRa社製)2.5ユニット用い
て、94℃1分−55℃2分−72℃3分、30サイク
ルの条件でPCR法を行いDNA断片1を作製した。 b)参考例3で作製したプライマー5及び6と、参考例
4で作製した17KをコードするDNA断片とを用い、
実施例1−a)と同様にPCR法を行いDNA断片2を
作製した。 c)実施例1−a)及びb)で作製したDNA断片1及
び2を各々1ng、参考例3で作製したプライマー7及
び6を各々1μM及び前記Taqポリメラーゼ2.5ユ
ニットを用いて、94℃1分−55℃2分−72℃3
分、40サイクル後、更に72℃15分、1サイクルの
条件でPCR法を行い、15−17融合抗原をコードす
るDNA断片を作製した。 d)参考例2で作製したpW6Aと実施例1−c)で作
製した15−17融合抗原遺伝子を、NdeI(NEW EN
GLAND BIOLAB社製)5ユニット及びBamHI(NEW EN
GLAND BIOLAB社製)5ユニットで37℃で1時間切断し
た。 e)実施例1−d)で調製したpW6A及び15−17
融合抗原遺伝子をTaKaRa社製Ligation Kit ver.1を用い
て、16℃2時間の条件で反応させた。反応終了後この
反応液を用いてハナハン法で作製したコンピテント細胞
である大腸菌DH5αをトランスフォームし、50μg
/mlアンピシリンを含むLB寒天培地上にその菌をま
き、37℃で一晩培養した。現れたアンピシリン耐性菌
のコロニーの中から15−17融合抗原遺伝子が組み込
まれた15−17融合抗原発現用ベクターを持つコロニ
ーを選択し、このコロニーをアンピシリンを含むLB液
体培地で37℃で一晩振盪培養し、集菌後アルカリSD
S法にて目的とするベクターを精製した。結果を図4に
示す。
【0056】実施例2 15−47融合抗原発現用ベク
ターの作製 a)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー7を、アンチセンスプライマーとしてプライマー1
7を選択した。各々のプライマー1μMと、参考例4で
作製した15K遺伝子0.1ng及び前記Taqポリメ
ラーゼ2.5ユニットを用いて、94℃1分−55℃2
分−72℃3分、30サイクルの条件でPCR法を行い
DNA断片3を作製した。 b)実施例2−a)で作製したDNA断片3と参考例2
で作製したpW6Aを、NdeI5ユニット及びSal
I(東洋紡社製)5ユニットで37℃1時間切断した。
反応終了後実施例1−e)と同一条件で参考例2で作製
したpW6AにDNA断片3を挿入した。 c)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー12を、アンチセンスプライマーとしてプライマー
10を選択した。各々のプライマー1μMと、参考例4
で得た47K遺伝子0.1ng 及び前記Taqポリメラ
ーゼ2.5ユニットを用いて、94℃1分−55℃2分
−72℃3分、30サイクルの条件でPCR法を行いD
NA断片4を得た。 d)実施例2−b)で作製したDNA断片3挿入pW6
Aと実施例2−c)で作製したDNA断片4を、各々前
記SalI5ユニット及び前記BamHI5ユニットで
37℃1時間切断した。反応終了後、実施例1−e)と
同一条件でDNA断片3挿入pW6AにDNA断片4を
挿入し、15−47融合抗原発現用ベクターを得た。結
果を図4に示す。
【0057】実施例3 17−47融合抗原発現用ベク
ターの作製 a)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー8を、アンチセンスプライマーとして参考例3で作
製したプライマー15を選択した。各々のプライマー1
μMと、参考例4で作製した17K遺伝子0.1ng 及
び前記Taqポリメラーゼ2.5ユニットを用いて、9
4℃1分−55℃2分−72℃3分、30サイクルの条
件でPCR法を行いDNA断片5を作製した。 b)実施例3−a)で得られたDNA断片5と参考例2
で作製したpW6Aを、前記NdeI5ユニット及びX
hoI(東洋紡社製)5ユニットで、37℃1時間切断
した。反応終了後、実施例1−e)と同一条件でpW6
AにDNA断片5を挿入した。 c)実施例2−c)で得られたDNA断片4は前記Sa
lI5ユニットとBamHI5ユニットで、実施例3−
b)で得られたDNA断片5挿入pW6Aは前記Xho
I5ユニット及び前記BamHI5ユニットで、37℃
1時間切断した。その後、実施例1−e)と同一条件で
DNA断片5挿入pW6AにDNA断片4を挿入し、1
7−47融合抗原発現用ベクターを作製した。結果を図
4に示す。
【0058】実施例4 17−15融合抗原発現用ベク
ターの作製 a)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー11を、アンチセンスプライマーとして参考例3で
作製したプライマー9を選択した。各々のプライマー1
μMと、参考例4で作製した15K遺伝子0.1ng及
び前記Taqポリメラーゼ2.5ユニットを用いて、9
4℃1分−55℃2分−72℃3分、30サイクルの条
件でPCR法を行いDNA断片6を得た。 b)実施例4−a)で作製したDNA断片6は前記Sa
lI5ユニットとBamHI5ユニットで、実施例3−
b)で作製したDNA断片5挿入pW6Aは前記Xho
I5ユニット及び前記BamHI5ユニットで37℃1
時間切断した。反応終了後、実施例1−e)と同一条件
でDNA断片5挿入pW6AにDNA断片6を挿入し、
17−15融合抗原発現用ベクターを作製した。結果を
図4に示す。
【0059】実施例5 47−15融合抗原発現用ベク
ターの作製 a)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー1を、アンチセンスプライマーとして参考例3で作
製したプライマー21を選択した。各々のプライマー1
μMと、参考例4で得た47K遺伝子0.1ng及び前
記Taqポリメラーゼ2.5ユニットを用いて、94℃
1分−55℃2分−72℃3分、30サイクルの条件で
PCR法を行いDNA断片7を得た。 b)実施例5−a)で作製したDNA断片7とpW6A
を、各々前記NdeI5ユニット及び前記SalI5ユ
ニットで37℃1時間切断した。反応終了後、実施例1
−e)と同一条件でpW6AにDNA断片7を挿入し
た。 c)実施例4−a)で作製したDNA断片6と実施例5
−b)で作製したDNA断片7挿入pW6Aを、各々前
記SalI5ユニット及び前記BamHI5ユニットで
37℃1時間切断した。反応終了後、実施例1−e)と
同一条件でDNA断片7挿入pW6AにDNA断片6を
挿入し、47−15融合抗原発現用ベクターを作製し
た。結果を図4に示す。
【0060】実施例6 47−17融合抗原発現用ベク
ターの作製 a)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー14を、アンチセンスプライマーとして参考例3で
作製したプライマー6を選択した。各々のプライマー1
μMと、参考例4で得た17K遺伝子0.1ng及び前
記Taqポリメラーゼ2.5ユニットを用いて、94℃
1分−55℃2分−72℃3分、30サイクルの条件で
PCR法を行いDNA断片8を作製した。 b)実施例6−a)で作製したDNA断片8と実施例5
−b)で作製したDNA断片7挿入pW6Aを、各々前
記SalI5ユニット及び前記BamHI5ユニットで
37℃1時間切断した。反応終了後、実施例1−e)と
同一条件でDNA断片7挿入pW6AにDNA断片8を
挿入し、47−17融合抗原発現用ベクターを作製し
た。結果を図4に示す。
【0061】実施例7 47−15−17融合抗原発現
用ベクターの作製 a)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー11を、アンチセンスプライマーとして参考例3で
作製したプライマー6を選択した。各々のプライマー1
μMと、実施例1で作製した15−17融合抗原発現用
ベクター0.1ng及び前記Taqポリメラーゼ2.5
ユニットを用いて、94℃1分−55℃2分−72℃3
分、30サイクルの条件でPCR法を行いDNA断片9
を得た。 b)実施例7−a)で作製したDNA断片9と実施例5
−b)で作製したDNA断片7挿入pW6Aを、各々前
記SalI5ユニット及び前記BamHI5ユニットで
37℃1時間切断した。反応終了後、実施例1−e)と
同一条件でDNA断片7挿入pW6AにDNA断片9を
挿入し、47−15−17融合抗原発現用ベクターを作
製した。結果を図5に示す。
【0062】実施例8 17−47−15融合抗原発現
用ベクターの作製 a)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー12を、アンチセンスプライマーとして参考例3で
作製したプライマー2を選択した。各々のプライマー1
μMと、参考例4で作製した47K遺伝子0.1ng及
び前記Taqポリメラーゼ2.5ユニットを用いて、9
4℃1分−55℃2分−72℃3分、30サイクルの条
件でPCR法を行いDNA断片10を作製した。 b)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー3を、アンチセンスプライマーとして参考例3で作
製したプライマー9を選択した。各々のプライマー1μ
Mと、参考例4で作製した15K遺伝子0.1ng及び
前記Taqポリメラーゼ2.5ユニットを用いて、94
℃1分−55℃2分−72℃3分、30サイクルの条件
でPCR法を行いDNA断片11を作製した。 c)実施例8−a)及びb)で作製したDNA断片10
及び11を各々1ngと、参考例3で作製したプライマ
ー12、9を各々1μM及び前記Taqポリメラーゼ
2.5ユニットを用いて、94℃1分−55℃2分−7
2℃3分、40サイクル後、更に72℃15分、1サイ
クルの条件でPCR法を行い、47−15融合抗原をコ
ードする遺伝子を作製した。 d)実施例8−c)で得られた47−15融合抗原をコ
ードする遺伝子は前記SalI5ユニットとBamHI
5ユニットで、実施例3−b)で作製したDNA断片5
挿入pW6Aは前記XhoI5ユニット及び前記Bam
HI5ユニットで37℃1時間切断した。反応終了後、
実施例1−e)と同一条件でDNA断片5挿入pW6A
に47−15融合抗原をコードする遺伝子を挿入し、1
7−47−15融合抗原発現用ベクターを作製した。結
果を図5に示す。
【0063】実施例9 17−15−47融合抗原発現
用ベクターの作製 a)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー8 を、アンチセンスプライマーとして参考例3で作
製したプライマー17を選択した。各々のプライマー1
μMと、実施例4で作製した17−15融合抗原発現用
ベクター0.1ng及び前記Taqポリメラーゼ2.5
ユニットを用いて、94℃1分−55℃2分−72℃3
分、30サイクルの条件でPCR法を行いDNA断片1
2を作製した。 b)実施例9−a)で作製したDNA断片12と参考例
2で作製したpW6Aを、各々前記NdeI5ユニット
及び前記SalI5ユニットで37℃1時間切断した。
反応終了後、実施例1−e)と同一条件でpW6AにD
NA断片12を挿入した。 c)実施例2−c)で作製したDNA断片4と実施例9
−b)で作製したDNA断片12挿入pW6Aを、各々
前記SalI5ユニット及び前記BamHI5ユニット
で37℃1時間切断した。反応終了後、実施例1−e)
と同一条件でDNA断片12挿入pW6AにDNA断片
4を挿入し、17−15−47融合抗原発現用ベクター
を作製した。結果を図5に示す。
【0064】実施例10 15−47−17融合抗原発
現用ベクターの作製 a)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー12を、アンチセンスプライマーとして参考例3で
作製したプライマー13を選択した。各々のプライマー
1μMと、参考例4で作製した47K遺伝子0.1ng
及び前記Taqポリメラーゼ2.5ユニットを用いて、
94℃1分−55℃2分−72℃3分、30サイクルの
条件でPCR法を行いDNA断片13を作製した。 b)実施例10−a)で作製したDNA断片13と参考
例2で作製したpW6Aを、各々前記SalI5ユニッ
ト及び前記XhoI5ユニットで37℃1時間切断し
た。反応終了後、実施例1−e)と同一条件でpW6A
にDNA断片13を挿入した。 c)実施例6で作製したDNA断片8は前記SalI5
ユニットとBamHI5ユニットで、実施例10−b)
で作製したDNA断片13挿入pW6Aは前記XhoI
5ユニット及び前記BamHI5ユニットで37℃1時
間切断した。反応終了後、実施例1−e)と同一条件で
DNA断片13挿入pW6AにDNA断片8を挿入し
た。(以下、DNA断片13−8挿入pW6Aと表
す。) d)実施例2−a)で作製したDNA断片3と実施例1
0−c)で作製したDNA断片13−8挿入pW6A
を、各々前記NdeI5ユニット及び前記SalI5ユ
ニットで37℃1時間切断した。反応終了後、実施例1
−e)と同一条件でDNA断片13−8挿入pW6Aに
DNA断片3を挿入し、15−47−17融合抗原発現
用ベクターを得た。結果を図5に示す。
【0065】実施例11 15−17−47融合抗原発
現用ベクターの作製 a)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー7を、アンチセンスプライマーとして参考例3で作
製したプライマー16を選択した。各々のプライマー1
μMと、実施例1で作製した15−17融合抗原発現用
ベクター0.1ng及び前記Taqポリメラーゼ2.5
ユニットを用いて、94℃1分−55℃2分−72℃3
分、30サイクルの条件でPCR法を行いDNA断片1
4を作製した。 b)実施例11−a)で作製したDNA断片14と参考
例2で作製したpW6Aを、各々前記NdeI5ユニッ
ト及び前記SalI5ユニットで37℃1時間切断し
た。反応終了後、実施例1−e)と同一条件でpW6A
にDNA断片14を挿入した。 c)実施例2−c)で作製したDNA断片4と実施例1
1−b)で作製したDNA断片14挿入pW6Aを、各
々前記SalI5ユニット及び前記BamHI5ユニッ
トで37℃1時間切断した。反応終了後、実施例1−
e)と同一条件でDNA断片14挿入pW6AにDNA
断片4を挿入し、15−17−47融合抗原発現用ベク
ターを作製した。結果を図5に示す。
【0066】実施例12 47−17−15融合抗原発
現用ベクターの作製 a)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー1を、アンチセンスプライマーとして参考例3で作
製したプライマー18を選択した。各々のプライマー1
μMと、参考例4で作製した47K遺伝子0.1ng及び
前記Taqポリメラーゼ2.5ユニットを用いて、94
℃1分−55℃2分−72℃3分、30サイクルの条件
でPCR法を行いDNA断片15を作製した。 b)実施例12−a)で作製したDNA断片15と参考
例2で作製したpW6Aを、前記SacI(東洋紡社
製)5ユニットで37℃1時間切断後、更に前記Nde
I5ユニットで1時間切断した。反応終了後、実施例1
−e)と同一条件でpW6AにDNA断片15を挿入し
た。 c)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー19を、アンチセンスプライマーとして参考例3で
作製したプライマー28を選択した。各々のプライマー
1μMと、参考例4で作製した17K遺伝子0.1ng
及び前記Taqポリメラーゼ2.5ユニットを用いて、
94℃1分−55℃2分−72℃3分、30サイクルの
条件でPCR法を行いDNA断片16を作製した。 d)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー29を、アンチセンスプライマーとして参考例3で
作製したプライマー9を選択した。各々のプライマー1
μMと、参考例4で作製した15K遺伝子0.1ng及
び前記Taqポリメラーゼ2.5ユニットを用いて、9
4℃1分−55℃2分−72℃3分、30サイクルの条
件でPCR法を行いDNA断片17を作製した。 e)実施例12−c)で得られたDNA断片16は前記
SacI5ユニットで37℃1時間切断後、更にEco
RI(東洋紡社製)5ユニットで37℃1時間切断し
た。実施例12−d)で得られたDNA断片17は前記
EcoRI5ユニット及び前記BamHI5ユニットで
37℃1時間切断した。又実施例12−b)で作製した
DNA断片15挿入pW6Aを、前記SacI5ユニッ
トで37℃1時間切断後、更に前記BamHI5ユニッ
トで37℃1時間切断した。反応終了後、実施例1−
e)と同一条件でDNA断片15挿入pW6AにDNA
断片16とDNA断片17を同時に挿入し、47−17
−15融合抗原発現用ベクターを得た。結果を図5に示
す。
【0067】実施例13 15抗原発現用ベクターの作
製 a)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー7を、アンチセンスプライマーとして参考例3で作
製したプライマー9を選択した。各々のプライマー1μ
Mと、参考例4で作製した15K遺伝子0.1ng及び
Taqポリメラーゼ(TaKaRa社製)2.5ユニット用い
て、94℃1分−55℃2分−72℃3分、30サイク
ルの条件でPCR法を行いDNA断片18を作製した。 b)DNA断片18と参考例2で作製したpW6Aを、
各々前記NdeI5ユニット及び前記BamHI5ユニ
ットで37℃1時間切断した。反応終了後、実施例1−
e)と同一条件でpW6AにDNA断片18を挿入し、
15抗原発現用ベクターを得た。結果を図6に示す。
【0068】実施例14 15−15抗原発現用ベクタ
ーの作製 a)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー11を、アンチセンスプライマーとして参考例3で
作製したプライマー9を選択した。各々のプライマー1
μMと、参考例4で作製した15K遺伝子0.1ng及
びTaqポリメラーゼ(TaKaRa社製)2.5ユニット用
いて、94℃1分−55℃2分−72℃3分、30サイ
クルの条件でPCR法を行いDNA断片19を作製し
た。 b)DNA断片19と実施例10で得られた15−47
−17融合抗原発現用ベクターを、各々前記SalI5
ユニット及び前記BamHI5ユニットで37℃1時間
切断した。反応終了後、実施例1−e)と同一条件でD
NA断片47−17を除去した15−47−17融合抗
原発現用ベクターにDNA断片19を挿入し、15−1
5融合抗原発現用ベクターを得た。結果を図6に示す。
【0069】実施例15 15−15−15抗原発現用
ベクターの作製 a)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー11を、アンチセンスプライマーとして参考例3で
作製したプライマー22を選択した。各々のプライマー
1μMと、参考例4で作製した15K遺伝子0.1ng
及びTaqポリメラーゼ(TaKaRa社製)2.5ユニット
用いて、94℃1分−55℃2分−72℃3分、30サ
イクルの条件でPCR法を行いDNA断片20を作製し
た。 b)DNA断片20と実施例10で得られた15−47
−17融合抗原発現用ベクターを、各々前記SalI5
ユニット及び前記BamHI5ユニットで37℃1時間
切断した。反応終了後、実施例1−e)と同一条件でD
NA断片47−17を除去した15−47−17融合抗
原発現用ベクターにDNA断片20を挿入した(以下、
DNA断片15−15挿入pW6Aと表す)。 c)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー23を、アンチセンスプライマーとして参考例3で
作製したプライマー24を選択した。各々のプライマー
1μMと、参考例4で作製した15K遺伝子0.1ng
及びTaqポリメラーゼ(TaKaRa社製)2.5ユニット
用いて、94℃1分−55℃2分−72℃3分、30サ
イクルの条件でPCR法を行いDNA断片21を作製し
た。 d)実施例15−c)で得られたDNA断片21と実施
例15−b)で作製したDNA断片15−15挿入pW
6Aを、KpnI(東洋紡社製)5ユニットで37℃1
時間切断後、更に前記BamHI5ユニットで37℃1
時間切断した。反応終了後、実施例1−e)と同一条件
でDNA断片15−15挿入pW6AにDNA断片21
を挿入し、15−15−15融合抗原発現用ベクターを
得た。結果を図6に示す。
【0070】実施例16 15−15−15−15抗原
発現用ベクターの作製 a)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー23を、アンチセンスプライマーとして参考例3で
作製したプライマー25を選択した。各々のプライマー
1μMと、参考例4で作製した15K遺伝子0.1ng
及びTaqポリメラーゼ(TaKaRa社製)2.5ユニット
用いて、94℃1分−55℃2分−72℃3分、30サ
イクルの条件でPCR法を行いDNA断片22を作製し
た。 b)実施例16−a)で得られたDNA断片22と実施
例15−b)で作製したDNA断片15−15挿入pW
6Aを、前記KpnI5ユニットで37℃1時間切断
後、更に前記BamHI5ユニットで37℃1時間切断
した。反応終了後、実施例1−e)と同一条件でDNA
断片15−15挿入pW6AにDNA断片22を挿入し
た(以下、DNA断片15−15−15挿入pW6Aと
表す)。 c)センスプライマーとして参考例3で作製したプライ
マー26を、アンチセンスプライマーとして参考例3で
作製したプライマー27を選択した。各々のプライマー
1μMと、参考例4で作製した15K遺伝子0.1ng
及びTaqポリメラーゼ(TaKaRa社製)2.5ユニット
用いて、94℃1分−55℃2分−72℃3分、30サ
イクルの条件でPCR法を行いDNA断片23を作製し
た。 d)実施例16−c)で得られたDNA断片23と実施
例16−b)で作製したDNA断片15−15−15挿
入pW6Aを、前記KpnI5ユニットで37℃1時間
切断後、更にHindIII(東洋紡社製)5ユニット
で37℃1時間切断した。反応終了後、実施例1−e)
と同一条件でDNA断片15−15−15挿入pW6A
にDNA断片23を挿入し、15−15−15−15融
合抗原発現用ベクターを得た。結果を図6に示す。
【0071】実施例17 各種融合抗原の発現 実施例1から12で得られた各発現ベクターを用いてハ
ナハン法で作製したコンピテント細胞である大腸菌BL
21(DE3)をトランスフォームし、50μg/ml
アンピシリンを含むLB寒天培地上にその菌をまき37
℃で一晩培養した。現れたアンピシリン耐性菌のコロニ
ーの中から各融合抗原遺伝子が組み込まれた融合抗原発
現用ベクターを持つコロニーを選択し、50μg/ml
アンピシリンを含む4mlのLB液体培地で37℃で一
晩振盪培養した。この培養した菌をさらに50μg/m
lアンピシリンを含む1LのLB液体培地で37℃で3
時間振盪培養後、終濃度として1mMIPTG( イソプ
ロピル- β-D(-)-チオガラクトピラノシド) を添加し、
更に37℃で一晩振盪培養し、各融合抗原の発現を誘導
した。
【0072】実施例18 融合抗原の精製 実施例17で発現した各融合抗原のうち47−17−1
5融合抗原、47−15−17融合抗原、15−17−
47融合抗原及び15−17融合抗原の精製を行った。
3抗原融合型の47−17−15融合抗原、47−15
−17融合抗原及び15−17−47融合抗原は、抗原
発現後の大腸菌を超音波破砕し、遠心操作後その沈渣を
尿素によって可溶化し、Superdex−200(フ
ァルマシア社製)を用いたゲルろ過クロマトグラフィ
ー、Q−セファロース(ファルマシア社製)を用いたイ
オン交換クロマトグラフィー、セラミックハイドロキシ
アパタイト(旭光学社製)を用いた吸着クロマトグラフ
ィーにて精製した。2抗原融合型の15−17融合抗原
については、抗原発現後の大腸菌を超音波破砕し、遠心
操作後その上清を尿素で変性し、Q−セファロース(フ
ァルマシア社製)を用いたイオン交換クロマトグラフィ
ー、セラミックハイドロキシアパタイト(旭光学社製)
を用いた吸着クロマトグラフィー、SP−セファロース
(ファルマシア社製)を用いたイオン交換クロマトグラ
フィーにて精製した。各抗原共に1リットルの培養液か
ら純度95%以上で、47−17−15融合抗原は7m
g、47−15−17融合抗原は10mg、15−17
−47融合抗原は20mg、15−17融合抗原は10
mgを得た。精製後の各融合抗原を還元SDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動後クマシー染色した。結果を
図7に示す。3抗原融合型の抗原はアミノ酸配列から7
5Kの分子量を有し15−17融合抗原は29Kの分子
量を有するものと予想されたが、電気泳動の結果から精
製した抗原がそれぞれ予想された分子量をもっているこ
とが確認された。また参考例1で作製した47KMa
b、17KMab及び15KMabを用いてウェスタン
ブロットを行ったところ、融合抗原中の各抗原に対応し
て、各モノクローナル抗体が反応することが認められ
た。
【0073】実施例19 融合抗原感作プレートの作製 96ウェルELISAプレート(BECTON DICKINSON社
製)の各ウェルに、実施例18で精製した各融合抗原を
10mMPBSで希釈して0.66pmol/ウェルで
分注し一晩4℃に放置することにより感作した。感作後
1%スキムミルクを含む10mMPBSで37℃2時間
ブロッキングした。
【0074】参考例5 単独抗原感作プレートの作製 大腸菌で発現させ精製した組み換え体の単独抗原47K
抗原、N末端にシグナルペプチドを含む17K抗原(以
下本明細書中ではS17K抗原と記載する)及びGST
15K抗原を各々又は全てを別のウェルに0.66pm
ol/ウェルで感作した。感作後1%スキムミルクを含
む10mMPBSで37℃2時間ブロッキングした。
【0075】実施例20 融合抗原とモノクローナル抗
体との反応性試験 参考例1で作製した47KMab、17KMab、15
KMabのそれぞれまたは混合物の各モノクローナル抗
体終濃度が10μMとなるように1%スキムミルク及び
0.05%Tween20(商品名)を含む10mMP
BS(以下含スキムミルクPBSTと記載する)で希釈
し、実施例19及び参考例5で作製した抗原感作プレー
トの洗浄後の各ウェルに50μl加え、室温1.5時間
インキュベートした。洗浄後、含スキムミルクPBST
で1/1000に希釈したペルオキシダーゼ標識抗マウ
スIg(DAKO社製)を50μl加え、室温1.5時間イ
ンキュベートした。洗浄後、過酸化水素水とABTSの
混合溶液を50μl加えて3分間発色させた。反応を停
止させた後、分光光度計で405nmの吸光度を測定し
た。結果を表1に示す。表1に示されるように、融合抗
原は単独抗原である47K、S17K、GST15Kと
比べ同等以上の活性を示した。
【0076】
【表1】
【0077】実施例21 融合抗原と単独抗原との反応
性比較試験 含スキムミルクPBSTで1/1000に希釈したTp
陽性血清(Boston Biomedica Inc. 社から購入)及び陰
性血清を、実施例19及び参考例5で作製した抗原感作
プレートの洗浄後の各ウェルに50μl加え、室温1.
5時間インキュベートした。洗浄後、含スキムミルクP
BSTで1/1000に希釈したペルオキシダーゼ標識
抗ヒトIgG(BIO SOURCE社製)を50μl加え、室温
1.5時間インキュベートした。洗浄後、過酸化水素水
とABTSの混合溶液を50μl加えて3分間発色させ
た。反応を停止させた後、分光光度計で405nmの吸
光度を測定した。結果を表2に示す。融合抗原は単独抗
原及び単独抗原を混合して感作したものよりも陽性血清
との反応が高く、陰性血清とは全く反応しなかった。
【0078】
【表2】
【0079】実施例22 融合抗原と陽性血清との反応
性試験 Tp陽性血清24例(Boston Biomedica Inc. 社から購
入)及び陰性血清1例を実施例21と同様の方法で発色
時間を30分にして測定した。結果を表3に示す。融合
抗原の24例の陽性血清との反応は、陰性血清との反応
と比べ有意に高かった。
【0080】
【表3】
【0081】実施例23 15K、15K−15K、1
5K−15K−15K、15K−15K−15K−15
Kの発現 実施例13から16で得られた15K、15K−15
K、15K−15K−15K、15K−15K−15K
−15Kの発現ベクターを用いて大腸菌BL21(DE
3)をハナハン法でトランスフォームした。次に、50
μg/mlアンピシリンを含むLB寒天培地上にトラン
スフォームした菌をまき37℃で一晩培養した。現れた
アンピシリン耐性菌のコロニーの中から各融合抗原遺伝
子が組み込まれた融合抗原発現用ベクターを持つコロニ
ーを選択し、50μg/mlアンピシリンを含む2ml
のLB液体培地で37℃で一晩振盪培養した。この培養
した菌の内40μlを50μg/mlアンピシリンを含
む2mlのLB液体培地で37℃で2時間振盪培養後、
終濃度として1mMIPTG( イソプロピル- β-D(-)-
チオガラクトピラノシド) を添加し、更に37℃で一晩
振盪培養し、各融合抗原の発現を誘導した。このように
して得られた大腸菌培養液2mlの内1.5mlをマイ
クロ遠心チューブに移し、マイクロ遠心分離機(日立社
製himac CT 15D)を用いて15000回転
で30秒間遠心操作を行い集菌した。各チューブに15
0μlTEバッファー(10mMトリス−塩酸緩衝液、
pH8.0、1mM EDTA)と150μl x2サ
ンプルバッファー(1Mトリス−塩酸緩衝液、pH6.
8、20%w/vSDS、10%v/vβ−ME)を加
え、よく混合した後5分間煮沸し、更に10分間超音波
処理した。この様にして得たサンプル13μlに2μl
の50%グリセリンを加えて混合し、内10μlを15
%ポリアクリルアミドゲルを使用して、還元SDS電気
泳動した(Laemmli, U.K. 1970: Nature 227, 680 )。
電気泳動後、ゲルをクマシー染色した。その結果を図8
に示す。一晩発現誘導すると15K−15K、15K−
15K−15K、15K−15K−15K−15Kのバ
ンドが確認できた。又、一晩発現誘導した各抗原を同様
に10〜15%のポリアクリルアミドグラジエントゲル
を用いて還元SDS電気泳動を行い、ニトロセルロース
膜にエレクトロブロットしブロッキング後一次抗体とし
て参考例1で作製した15KMabを用いてウエスタン
ブロットを行った。図9に示すように15K、15K−
15K、15K−15K−15K、15K−15K−1
5K−15Kのすべてのバンドが確認できた。
【0082】実施例24 15K、15K−15K、1
5K−15K−15K、15K−15K−15K−15
Kの発現量の比較 一晩発現誘導した大腸菌を実施例23に示した様に調製
した電気泳動用サンプルと、濃度既知のBSAを含む電
気泳動用マーカー(Pharmacia LKB 製 LowMolecular We
ight Calibration Kit)を15%ポリアクリルミドゲル
を用いて還元SDS電気泳動を行い、電気泳動後ゲルを
クマシー染色した。その結果を図10に示す。次にデン
シトメーター(アトー社製AE-6900 デンシトグラフ)を
用いて染色されたバンドより発現した抗原の量を算出し
た。図10のlane1からlane6の濃度既知のB
SAのバンドの濃さをデンシトメーターを用いて測定
し、検量線を作製した。その結果を図11に示す。更に
15K、15K−15K、15K−15K−15K、1
5K−15K−15K−15Kの相当するバンドの濃さ
を同様にデンシトメーターを用いて測定し図11の検量
線を使用して発現量を算出した。その結果を表4に示
す。15Kはバンドが認められず、逆に15K−15K
−15Kではlaneあたり1μg(菌体培養液1lあ
たり23mgに相当)と最も発現量が大きかった。この
様に15Kを直列に繰り返して融合する事により、その
発現量が増加した。
【0083】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】発現ベタクーpW6Aの詳細を示した図であ
る。
【図2】47K抗原をコードする遺伝子の調製手順を示
した図である。
【図3】15K及び17K抗原をコードする遺伝子の調
製手順を示した図である。
【図4】二抗原融合抗原を発現するベクターの詳細を示
した図である。
【図5】三抗原融合抗原を発現するベクターの詳細を示
した図である。
【図6】15Kを繰り返して融合させた抗原を発現する
ベクターの詳細を示した図である。
【図7】精製した融合抗原の電気泳動図である。
【図8】15K繰り返し融合抗原の電気泳動図である。
【図9】15K繰り返し融合抗原のウエスタンブロット
の図である。
【図10】15K繰り返し融合抗原の定量を行うための
電気泳動図である。
【図11】BSAを用いて作製した電気泳動のゲル上の
バンドの定量用の検量線を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/08 9282−4B C12N 15/00 ZNAA (C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 谷本 徹二 東京都新宿区西新宿2丁目7番1号 富士 レビオ株式会社内 (72)発明者 岡田 政久 東京都新宿区西新宿2丁目7番1号 富士 レビオ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 梅毒トレポネマの表面抗原を2つ以上融
    合させた梅毒トレポネマ融合抗原。
  2. 【請求項2】 梅毒トレポネマの表面抗原を3つ以上融
    合させた梅毒トレポネマ融合抗原。
  3. 【請求項3】 梅毒トレポネマの表面抗原を2ないし3
    つ融合させた梅毒トレポネマ融合抗原。
  4. 【請求項4】 梅毒トレポネマの表面抗原の分子量が、
    47kDa、17kDa、15kDaである請求項1な
    いし3に記載の梅毒トレポネマ融合抗原。
  5. 【請求項5】 梅毒トレポネマ融合抗原がN末端側から
    C末端側へ、47kDa、17kDa、15kDaの順
    で融合された融合抗原、47kDa、15kDa、17
    kDaの順で融合された融合抗原、15kDa、17k
    Da、47kDaの順で融合された融合抗原、15kD
    a、47kDa、17kDaの順で融合された融合抗
    原、17kDa、15kDa、47kDaの順で融合さ
    れた融合抗原、17kDa、47kDa、15kDaの
    順で融合された融合抗原、47kDa、17kDaの順
    で融合された融合抗原、47kDa、15kDaの順で
    融合された融合抗原、17kDa、47kDaの順で融
    合された融合抗原、17kDa、15kDaの順で融合
    された融合抗原、15kDa、47kDaの順で融合さ
    れた融合抗原、15kDa、17kDaの順で融合され
    た融合抗原、15kDa、15kDaの順で融合された
    融合抗原、15kDa、15kDa、15kDaの順で
    融合された融合抗原、15kDa、15kDa、15k
    Da、15kDaの順で融合された融合抗原、である請
    求項4に記載の融合抗原。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5に記載の梅毒トレポネ
    マ融合抗原を用いた抗梅毒トレポネマ抗体の測定方法。
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