JPH09234623A - 剪断加工機械の替え刃装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、刃物の角部稜線の面取り幅が１ｍ
ｍ以下の刃物での加工と３〜４ｍｍ程度の刃物での加工
の２種類の加工に対応できる押し刃物を提供し、また、
押し刃物を有効活用し、長く使用できるようにすること
である。 【解決手段】 ノッチャ金型２の押し刃物６と押し刃物
７は、それぞれ付け替えができるようにボルト８で固定
し、押し刃物６に幅が１ｍｍの面取り６ａと幅３〜４ｍ
ｍ程度の面取り６ｂを配設している。押し刃物６と押し
刃物７をそれぞれ付け替えることにより、面取り６ａ、
面取り６ｂの位置が変わり、角部稜線の面取り６ａの下
部の位置も変わる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、剪断加工機械の替
え刃装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図２に示すようなアングル材の平面部を
直角形状に切欠くノッチャ金型２を有する剪断加工機械
において、アングル材を直角形状に切欠く方法として、
図７のようにアングル材１４の端部を長方形に切欠く
（以下、この加工をコーナーカットという）場合と、次
工程で図９のような曲げ加工を行うために図１０のよう
にアングル材１４を三角形に切欠く（以下、この加工を
９０°Ｖ形ノッチという）場合がある。コーナーカット
の場合、図８のようにコーナーカットしたアングル材１
４と他のアングル材１７とをすきまなく組み合わせるた
めには、アングル材１４の面取りの隅が小さくなるよう
に、角部稜線の面取り６ａの幅が１ｍｍ以下の押し刃物
６を使用していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、９０°Ｖ形
ノッチの場合は、厚さが６ｍｍを越える厚いアングル材
や材質がステンレスのアングル材を面取り６ａの幅が１
ｍｍ以下の押し刃物６で剪断加工したあと曲げ加工を行
うと、図１１に示すように角部１４ｃ付近の辺が先に接
触して、９０°に曲がらない場合があった。前記不具合
を解決するためには、面取り６ａが３〜４ｍｍ程度の押
し刃物６に交換し、図１３のような９０°Ｖ形ノッチを
行っていた。

【０００４】上記したように、ノッチャ金型２でアング
ル材１４を直角形状に切欠く場合、図２に示す面取り６
ａの幅が１ｍｍ以下の押し刃物を使用したほうが良い加
工と、面取り６ａの幅を３〜４ｍｍ程度にしたほうが良
い加工があるため、使用者は２種類の押し刃物を用意す
る必要があり、負担額が高額となっていた。また、押し
刃物６は加工時、先端部分の面取り６ａ下部が他の部分
と比べ最も面圧が高くなるため早く摩耗し、他の部分が
あまり摩耗していなくても押し刃物６を交換しなければ
ならず不経済であった。

【０００５】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
点を解消し、前記した２種類の加工に対応できる押し刃
物を提供することにある。また、刃物を有効活用し、長
く使用できるようにすることである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的は、２つの刃物
で直角形状を形成した雄型と、該雄型に対向し直角形状
の切欠き部のある雌型を設け、油圧等の動力により前記
雄型を移動し材料を剪断する剪断加工機械において、直
角形状を形成する一方の面は前記２個の刃物のうち一方
の刃物の平面部で構成し、他方の面は他の刃物の平面部
で構成し、前記雄型に前記２個の刃物を取り付ける取付
け面を設けるとともに、取り付け面に固定する固定手段
を設けることより達成される。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図１〜図６を
用いて説明する。図１はノッチャ金型の平面断面図、図
３はノッチャ金型を有する剪断加工機械の斜視図、図５
はコーナーカット加工時のノッチャ金型の平面図、図６
は９０°Ｖ形ノッチ加工時のノッチャ金型の平面図であ
る。

【０００８】図３において、中央部が開口したＣ形形状
のフレーム１の開口部の下側にアングル材１４を剪断加
工するノッチャ金型２を設け、開口部の上側にノッチャ
金型２の可動部分を押し下げるラム４を設け、ラム４は
本体に接続したフットスイッチ３を踏むことによりフレ
ーム１内の図示しない油圧ポンプで下降する。

【０００９】図２と図４を用いてノッチャ金型２の構成
を説明する。図２はノッチャ金型の斜視図、図４はノッ
チャ金型の一部断面側面図である。図２において、ベー
ス５上に雄型となるホルダ９を上下自在に案内するサポ
ート１０を設け、サポート１０上端にはホルダ９が上方
へ抜けないようプレート１１が取り付けられている。ホ
ルダ９の下端には、押し刃物６と押し刃物７がボルト８
により挾持固定され、図４において、ベース５とホルダ
９間には複数個のスプリング１２，１２・・が介在し、
ホルダ９がプレート１１に突き当たるまで上方に付勢し
ている。また、図２において、ベース５上には押し刃物
６と押し刃物７に対向し、直角形状に切欠かれた雌型と
なる受け刃１３が設けられている。また、ノッチャ金型
２にはアングル材１４を押える回転自在な押え板１５及
び押え板１５の位置を固定するクランプスクリュ１６を
設けている。押え板１５にはコーナーカット時のアング
ル材１４の案内面１５ａ及び９０°Ｖ形ノッチ時のアン
グル材１４の案内面１５ｂがある。

【００１０】図１（ａ）に示すように、押し刃物６の両
端には面取り幅１ｍｍの面取り６ａと、面取り幅４ｍｍ
の面取り６ｂの２つの異なる面取りが設けてある。押し
刃物６は面取り６ａが先端となるようにホルダ９の取り
付け面９ａにボルト８で挾持固定し、押し刃物７は取り
付け面９ｂにボルト８で挾持固定することで、この２つ
の押し刃物６，７で直角形状を形成している。押し刃物
６と押し刃物７のボルト８の取り付け穴の径、間隔は同
じで、また、押し刃物６の刃物の端からボルト８が通る
穴の中心までの長さａとｂ、押し刃物７の刃物の端から
ボルト８が通る穴の中心までの長さｃとｄはそれぞれ同
じ長さであるので、図１（ｂ）に示すように、面取り６
ｂが先端になるように押し刃物６を取り付け面９ｂに固
定し、押し刃物７を取り付け面９ａに付け替えることが
できる。これにより、角部稜線を構成する位置が変わ
り、角部稜線部の面取り幅が変わる。

【００１１】上記構成において、図７に示すコーナーカ
ットを行う場合、図１（ａ）に示すように面取り６ａを
先端にして押し刃物６と押し刃物７を配置し、ホルダ９
にボルト８で挾持固定する。次に、図５のようにアング
ル材１４を押え板１５の案内面１５ａで支持し、クラン
プスクリュ１６にて押え板１５を挾持固定する。この状
態で、図３に示すフットスイッチ３を踏むとラム４が下
降し、ラム４に押されてホルダ９が下降して押し刃物６
と押し刃物７によりアングル材１４を図７のように剪断
加工する。これで、図８に示すようにアングル材１４と
コーナーカットしたアングル材１４ｂをすきまなく組み
合わせることができる。

【００１２】また、図１０に示すような厚さが６ｍｍ以
上のアングル材や材質がステンレスのアングル材を次工
程で曲げ加工を行う場合は、図１（ｂ）に示すように面
取り６ｂが先端となるように押し刃物６と押し刃物７を
付け替えて、ホルダ９にボルト８で挾持固定する。図６
のように、押え板１５を回転させ、アングル材１４を押
え板１５の案内面１５ｂで支持し、クランプスクリュ１
６にて押え板１５を挾持固定する。この状態でフットス
イッチ３を踏むとラム４が下降し、ラム４に押されてホ
ルダ９が下降して押し刃物６と押し刃物７によりアング
ル材１４を図１０のように剪断加工する。次工程で曲げ
加工機械により曲げ加工を行うと、図１２のように角部
１４ｃ付近の辺が隙間Ａにより接触することがないの
で、確実に９０°に曲げることができる。

【００１３】また、押し刃物６と押し刃物７の取り付け
位置を図１（ａ）の位置から図１（ｂ）の位置へ変える
と、角部稜線を構成する位置が面取り６ａから面取り６
ｂへと位置が変わる。よって、押し刃物６で最も摩耗す
る角部稜線の下端の位置が変わるので、面取り６ａの下
部が先に摩耗し寿命となっても、面取り６ｂの下部はあ
まり摩耗していないので、押し刃物６と押し刃物７の取
り付け位置を図１（ｂ）の位置へと変えることにより、
押し刃物６を交換せず続けて加工することができる。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、２個の押し刃物がそれ
ぞれの取り付け位置に付け替え可能としたので、最も摩
耗する角部稜線の下部を構成する押し刃物の位置が変わ
るため刃物を有効に活用でき、刃物寿命を向上させるこ
とができる。

【００１５】また、２種の面取り幅をもつ押し刃物で押
し刃物の直角形状を構成する角部稜線の面取りの位置を
変えることで、２種類の加工が１つの押し刃物ででき、
押し刃物を２種類用意する必要がなく安価に提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】ノッチャ金型の平面断面図である。

【図２】本発明の一実施例を示すノッチャ金型の斜視図
である。

【図３】ノッチャ金型を有する剪断加工機械の斜視図で
ある。

【図４】ノッチャ金型の一部断面側面図である。

【図５】コーナーカット加工時のノッチャ金型の平面図
である。

【図６】９０°Ｖ形ノッチ加工時のノッチャ金型の平面
図である。

【図７】コーナーカットの加工例の図である。

【図８】アングル材により組み立てられた枠の斜視図で
ある。

【図９】曲げ加工を行ったアングル鋼材の斜視図であ
る。

【図１０】９０°Ｖ形ノッチの加工例の図である。

【図１１】９０°に曲がらないアングル材の図である。

【図１２】９０°に曲がったアングル材の図である。

【図１３】９０°Ｖ形ノッチの加工例の平面図である。

【符号の説明】

２…ノッチャ金型、６，７…押し刃物、６ａ，６ｂ…面
取り、９…ホルダ、９ａ，９ｂ…取り付け面、１４…ア
ングル材。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２つの刃物で直角形状を形成した雄型
   と、該雄型に対向し直角形状の切欠き部のある雌型を設
   け、油圧等の動力により前記雄型を移動し材料を剪断す
   る剪断加工機械において、直角形状を形成する一方の面
   は前記２個の刃物のうち一方の刃物の平面部で構成し、
   他方の面は他の刃物の平面部で構成し、前記雄型に前記
   ２個の刃物を取り付ける取付け面を設けるとともに、取
   り付け面に固定する固定手段を設けたことを特徴とする
   剪断加工機械の替え刃装置。
2. 【請求項２】 前記２個の刃物はそれぞれ直方体の形状
   をなし、前記雄型の取付面は、直角形状の２面を有し、
   それぞれの刃物は直角形状の２面の取付面のいずれにも
   取り付け自在に固定手段を設けたことを特徴とする請求
   項１記載の剪断加工機械の替え刃装置。
3. 【請求項３】 前記雌型の直角形状の刃物の角部稜線
   は、前記２個の直方体形状の刃物のいずれか一方の角部
   稜線により構成され、前記角部稜線が面取りされている
   ことを特徴とする請求項１又は２記載の剪断加工機械の
   替え刃装置。
4. 【請求項４】 前記２個の刃物を直角形状の２面の取り
   付け面に取り付け替えることにより、前記直角形状の刃
   物の角部稜線を構成する直方体形状の刃物の角部稜線の
   位置が変わるとともに、前記刃物の角部稜線の面取りの
   大きさをそれぞれ異なるように配設したことを特徴とす
   る請求項１，２又は３記載の剪断加工機械の替え刃装
   置。