JPH09232598A - サージ防護デバイスとその作製方法 - Google Patents

サージ防護デバイスとその作製方法

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JPH09232598A
JPH09232598A JP6163196A JP6163196A JPH09232598A JP H09232598 A JPH09232598 A JP H09232598A JP 6163196 A JP6163196 A JP 6163196A JP 6163196 A JP6163196 A JP 6163196A JP H09232598 A JPH09232598 A JP H09232598A
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JP
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region
semiconductor
impurity concentration
semiconductor region
impurity
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Application number
JP6163196A
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English (en)
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Masaaki Sato
正明 佐藤
Kenichi Kuroishi
憲一 黒石
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OPT TECHNO KK
Sankosha Corp
Citizen Watch Co Ltd
Sankosha Co Ltd
Original Assignee
OPT TECHNO KK
Sankosha Corp
Citizen Watch Co Ltd
Sankosha Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 半導体ウエハ上に構築されるサージ防護デバ
イスごとに、降伏電圧に偏差が生ずるのを抑える。 【解決手段】 第二半導体領域20との間で第二半導体領
域20への少数キャリア注入接合を形成し得る第三領域30
を第一半導体領域10と対向するように設ける。これによ
り、第二半導体領域20の表面と第三領域30の表面とを短
絡する第一オーミック電極E1と、第四半導体領域に接続
した第二オーミック電極E2との間にサージが印加される
と上記のpn接合が逆バイアスされ、降伏動作の開始に至
るように構成する。その上で、上記のpn接合を形成する
一方の領域である第一半導体領域10の一部であって第二
半導体領域に接する領域部分は、面内方向不純物濃度分
布の偏差が半導体ウエハにおけるそれより小さくなるよ
うに、半導体ウエハに対し外部から半導体ウエハと同じ
導電型の不純物が導入された不純物濃度均一化領域11と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は雷やスイッチングサ
ージ等、各種サージ要因に基づく異常高電圧ないし異常
大電流から電気回路系を保護するサージ防護デバイスに
関する。
【0002】
【従来の技術】サージ防護デバイスに関しては、二端子
型に限定してもこれまで種々考案されてきたが、中でも
好ましくは、サージの印加によって降伏したとき、単に
素子両端電圧をある一定の降伏電圧にクランプするだけ
ではなく(すなわち単なる定電圧ダイオードではなく)、
素子が降伏して素子電流が流れ始めた後、それが絶対値
においてブレークオーバ電流値以上にまで増加すると負
性特性を呈してブレークオーバし、素子両端電圧が降伏
電圧よりも低いクランプ電圧に遷移することで大電流の
サージを吸収可能としたタイプである。
【0003】こうしたタイプのサージ防護デバイスに
は、最初の降伏開始メカニズムに雪崩降伏ないしツェナ
降伏を利用するものと、そうではなくパンチスルー現象
を利用するものとがある。本発明は後述の通り、そのい
ずれにも適用可能なものであるが、一般的な比較で言う
限り、相当程度の幅で設計性良く任意の降伏電圧が得ら
れる点、接合容量や抵抗等、種々の電気的特性を独立に
設計可能な点においてパンチスルー現象を利用するもの
の方が有利である。こうしたことから、本出願人におい
てもこれまでに、 公知文献1:特開昭61−259501号公報, 公知文献2:特開昭62− 65382号公報, 公知文献3:特開昭62− 65383号公報, 公知文献4:特開昭62−154476号公報, 公知文献5:特開平 4−196358号公報, 公知文献6:特開平 4−199577号公報, 公知文献7:特開平 4−320066号公報, 公知文献8:特開平 4−320067号公報, 公知文献9:特開平 5− 55554号公報, 公知文献10:特開平 6−314781号公報, 等を通じ、主としてパンチスルーを利用したブレークオ
ーバ型のサージ防護デバイスに適用すると有効な種々の
観点からの改良提案をなして来た(ただし、上記公知文
献5〜9に認められる改良点は雪崩降伏型やツェナ降伏
型にも有利に適用し得る)。
【0004】そこでまず、図9に即し、当該パンチスル
ー型サージ防護デバイスのそもそもの基本的な構造例と
動作につき、説明すると、同図(A) の断面構造図に示す
ように、一般に半導体ウエハないし半導体基板として提
供される第一の半導体領域10があり、その導電型は p,n
のいずれかに選択される。しかし、パンチスルー型とす
る場合、他の各領域の種々の製造条件等にも鑑みると、
図示のように n型の方が良い。第一半導体領域10の一方
の主面側には第二半導体領域20、第三領域30が一般に不
純物の二重拡散技術やイオン打ち込み技術等、適当なる
不純物導入技術を利用して順次形成される。第二半導体
領域20は第一半導体領域10と整流性接合(pn接合)を形
成する必要があるので図示の場合は p型に選ばれるが、
特にデバイスをパンチスルー型とするときには少し低濃
度の p型、つまりp-型とするのが望ましい。第三領域30
は第二半導体領域20に対し第二半導体領域20にとっての
少数キャリアを注入できる物性の領域、すなわち第二半
導体領域20と相まって少数キャリア注入接合を形成し得
る領域であれば良く、例えば第二半導体領域20が図示の
ように n型の場合にはホール注入可能なシリサイド、そ
うではなく p型の場合には電子注入可能な金属等で作製
することもできる。この点は、後述する本発明に従った
素子においても同様である。しかし、一般的なのはこの
第三領域30も半導体領域とすることで、図示の場合もそ
のような例が示されており、当該第三領域30は第二半導
体領域20とは逆導電型で第二半導体領域20との間で整流
性接合(pn接合)を形成する n型半導体領域となってい
る。ただ、後述のように、この第三半導体領域30はブレ
ークオーバ後の素子内の主電流線路の一端部をも形成す
るので、望ましくは高導電率の半導体領域、すなわち高
濃度 n型(n+)半導体領域とするのが良い。
【0005】第一半導体領域10の他方の主面側(図中、
下側)には、第二半導体領域20と対向し、第一半導体領
域10に対して少数キャリアを注入可能な物性の第四領域
40が設けられる。従って既述の第三領域30におけると同
様、第一半導体領域10が図示のように p型半導体の場合
には金属、 n型半導体の場合にはシリサイド等でこの第
四領域を作製することも可能であり、後述の本発明素子
においても原理的にはそのようにして差し支えないが、
これも一般的には半導体領域とし、第一半導体領域10と
の間で整流性の接合(pn接合)を形成させるのが普通で
ある。そこで図示の場合も、第一半導体領域10との間で
少数キャリア注入接合を形成すべきこの第四領域40は p
型半導体領域40となっている。
【0006】もっとも、図中で仮想線で示すように、こ
の第四領域40内には後述の理由により第五の領域50も設
けられることがある。このような第五領域50を設ける場
合には第四領域40は半導体領域である必要があり、逆に
第五領域50が第四半導体領域40の導電型に応じ、当該第
四半導体領域40に対して少数キャリアを注入可能な物性
の材料で作られていれば良い。つまり、この第五領域50
は、第四半導体領域40の導電型が n型の場合にはシリサ
イド、 p型の場合には金属等によって作られているか、
先と同様、より一般的には第四半導体領域40と逆導電型
で当該第四半導体領域40との間で少数キャリア注入接合
の一代表例である整流性接合(pn接合)を形成し得る半
導体領域であれば良い。ただし、半導体領域とする場
合、上述した第三領域30に関してと同様、これも後述の
動作例から理解されるように、印加されるサージの極性
の如何によってはこの第五半導体領域50の方がブレーク
オーバ後の素子内の主電流線路の一端部を形成すること
になるので、望ましくは高導電率の半導体領域、すなわ
ち高濃度 n型(n+)半導体領域とするのが望ましい。これ
らの点を踏まえた上で、本書では以下、図示する各半導
体領域10,20,30,40(及び50)を簡単のため、単に
「領域」と呼ぶ。
【0007】引き続き図9(A) に即し、さらに構造的に
見てみると、第二領域20の表面と第三領域30の表面とに
対しては絶縁膜61に開けた開口を介し、共通にオーミッ
ク接触する第一のオーミック電極E1が設けられ、第四領
域40に対しては絶縁膜62に開けた開口を介しオーミック
接触する第二のオーミック電極E2が設けられている。第
五領域50が設けられる場合には、第二のオーミック電極
E2は当該第五領域50と第四領域40の表面とに共に接触
し、それら両領域40,50をその表面において短絡する。
これら第一、第二の各オーミック電極E1,E2からはそれ
ぞれ、図中では模式的に単なる線路記号で示すように第
一、第二の素子端子T1,T2が取り出され、これを介して
被保護回路を含む回路系(図示せず)への接続が採られ
る。換言すれば、サージもこれらの端子T1,T2を介し、
第一、第二オーミック電極E1,E2間に印加される。ま
た、図示のサージ防護デバイスでは全ての領域10,20,
30,40(,50)が第一領域10の厚味方向に沿って上下の
積層関係となっており、後述の動作からも明らかなよう
に、サージを吸収した結果としての素子電流も第三、第
四領域30,40間(または第二、第五領域20,50間)の第
一領域10中を当該第一領域10の厚味方向に流れるため、
ヴァーティカル型ないし縦型と呼ばれる。これに対し、
図示していないが第四領域40が第二領域20と並設の関係
で第一領域10の同じ主面側に設けられたラテラル型ない
し横型もある。しかし、動作原理上においては大きな相
違がないので、ここでは縦型構造について説明する。
【0008】しかるに、今はまず、図9(A) 中で仮想線
で示されている第五領域50はないものとして図示デバイ
スの動作を説明する。この場合、既述のように第四領域
10は第一領域10に対し少数キャリアを注入できる物性の
領域であれば良く、必ずしもpn接合を形成する半導体領
域である必要はないが、望ましくは半導体領域とする場
合でも、その不純物濃度は後述のように第五領域50を設
けるときに望ましいp-型でなく、通常の程度の濃度であ
っても良い。
【0009】さて、上記のようなデバイス断面構造の下
で、第一、第二素子端子T1,T2(第一,第二オーミック
電極E1,E2)間にサージ電圧が印加され、それが第一領
域10と第二領域20との間のpn接合(整流性接合)に逆バ
イアスを印加する位相(各領域が図示の導電型関係であ
る場合には第一素子端子T1側が負となる位相)で、か
つ、所定の大きさ以上のものであると、当該第一、第二
領域間のpn接合における空乏層の上方端部が第三領域30
に達してパンチスルー状態が生起する。第二領域20を低
濃度p-型の領域とするのが望ましいと言うのは、このと
きの空乏層の伸びを主として第三領域30に向けるためで
ある。
【0010】このようなパンチスルーメカニズムが生ず
る一方では、順バイアスとなっている第四、第一領域4
0,10間の少数キャリア注入接合(この場合はpn接合)
を介して第四領域40から第一領域10中に当該第一領域10
にとっての少数キャリアが注入されるので、これが第二
領域20で収集されて素子電流の流れ始めとなる。こうし
た動作の開始電圧が、図示のサージ防護デバイスの電圧
対電流(V−I)特性例を示す図9(B) において電圧軸上で
「降伏電圧VBR」と示された点に相当する。降伏電圧は
「動作電圧」と呼ばれることもある。
【0011】このようにして少数キャリア流が発生した
後に、例え第二領域20と第三領域30とが第一オーミック
電極E1により、それらの表面では互いに電気的に短絡さ
れていても、図9(B) 中、電流軸の正方向に急に立ち上
がる特性曲線部分に示されるように、第二領域20を介し
て流れ始めて以降、増加して行く素子電流の電流値と当
該素子電流の第二領域20内における電流経路に沿った抵
抗値との積である電圧値(電圧降下)が、第二領域20と
第三領域30とにより構成される少数キャリア注入接合
(図示の場合はpn接合)の順方向電圧に等しくなった部
位からこの接合がターンオンして行き、第三領域30から
第二領域20に対し、第二領域20にとっての少数キャリア
注入が起こる。そして、この第二領域20への少数キャリ
アの注入は結果として第一、第二素子端子T1,T2間に流
れる素子電流のさらなる増大を招くため、これがまた第
四領域40から第一領域10への少数キャリア注入を促進
し、第二、第三領域20,30間の少数キャリア注入接合の
ターンオンする部位を広げて行くという正帰還現象を招
き、やがてこの少数キャリア注入接合が実質的に少なく
ともほぼ全面のターンオンに至ると第三、第四領域30,
40間にて大電流を吸収し得るようになる。
【0012】従って図9(B) に示されている特性図で見
ると、第一、第二素子端子T1,T2間に「ブレークオーバ
電流IBO」として示されたある特定の値以上の大きさの電
流が流れた場合、正帰還現象が素子内部で生じたことの
表れとして負性抵抗特性が生じ、第一、第二素子端子T
1,T2間に表れる素子両端電圧はブレークオーバを開始
した時の電圧値である「ブレークオーバ電圧VBO」よりも
低く、さらには最初に降伏を開始した時の既述の降伏電
圧VBR よりも低い「クランプ電圧(単にオン電圧とも言
う)VP」に移行することができ、これにより、素子の発熱
を抑えながら大きなサージ電流の吸収が可能となる。
【0013】そして、こうしたサージ防護デバイスによ
り、第一、第二素子端子T1,T2を介して吸収可能な最大
電流値が一般に「サージ耐量IPP」と呼ばれ、また、ター
ンオンした素子がそのオン状態を維持するに必要な最小
の素子電流値が一般に「保持電流IH」と呼ばれる。換言
すれば、サージが消失し、保持電流IH以上の電流が素子
内に流れなくなると素子は自己復帰(ターンオフ)し、
本説明以前の初期状態に戻る。そのため、保持電流IH
また、「ターンオフ電流IH」とも呼ばれる。
【0014】なお、第二領域20と第三領域30とを第一オ
ーミック電極E1にてそれらの表面で短絡するのではな
く、それらからそれぞれ独立に端子を取出し、素子の外
部にて短絡した場合にも上記の動作は基本的には生起す
るが、そのようにすると当該短絡線路ないし短絡手段に
見込まれる抵抗値やインダクタンス値の如何に応じ、印
加されるサージの立ち上がり時の電圧の時間微分値(dV
/dt)の大きさによって降伏電圧VBR(ひいてはブレーク
オーバ電圧VBO)がかなり変動する可能性が高い。換言す
ると、図示のように第二領域20と第三領域30とが第一オ
ーミック電極E1によってそれらの表面において短絡され
ていれば、そのような恐れは低減され、降伏電圧VBR(ブ
レークオーバ電圧VBO)の安定化を図ることができる。後
述するように、上記とは逆極性のサージも吸収可能とす
るべく第五領域50を設ける場合に当該第五領域50と第四
領域40の表面を第二のオーミック電極E2にて短絡するの
は同じ理由による。
【0015】以上のように、第五領域50がないものとし
た上述の説明は、吸収の対象となるサージの極性が特定
されている素子に関するものである。つまり、各領域10
〜40に関する図示の導電型関係では第二の素子端子T2の
側が正となる極性のサージでなければ吸収することがで
きず、その意味で図示のサージ防護デバイスは吸収し得
るサージの極性に関して片極性ないし「ユニポーラ」な
サージ防護デバイスと言える。これに対し、サージの極
性の如何にかかわらず、すなわち第一、第二素子端子T
1,T2のいずれが正となる極性のサージであっても共に
吸収可能な「バイポーラ」サージ防護デバイスとするに
は、第四領域40を第二領域20と実質的に同様の半導体領
域として構成し(従って望ましくはその不純物濃度も図
9(A) に示しているように少し低濃度のp-型にし)、その
中に第三領域30と実質的に同様の領域として仮想線で示
されているように第五領域50を形成し、第二のオーミッ
ク電極E2により、それら第四、第五領域40,50の表面を
短絡する構造とする。なお、本書で言う「ユニポーラ」
とか「バイポーラ」とは、上述の通り、吸収の対象とす
るサージの極性に関しての表現である。この約束の下、
以下では特に強調のための括弧書きをすることなく、所
定の極性のサージをのみ吸収可能なサージ防護デバイス
はユニポーラサージ防護デバイスと呼び、いずれの極性
のサージをも共に吸収可能なものはバイポーラサージ防
護デバイスと呼ぶ。
【0016】しかるに、第五領域50をも設けたバイポー
ラサージ防護デバイス構造では、これまで述べてきた所
定の極性のサージをのみ吸収するためのユニポーラサー
ジ防護デバイスに対して印加されるサージの極性が反転
し、図中、第一素子端子T1の方が正となる極性では第三
領域30が実質的にないに等しいものとなり、これに代わ
り第五領域50がこれまでの説明における第三領域30の機
能を果たし、また第四領域40が第二領域20の機能を、第
二領域20が第四領域40の機能を果たす。そのため、その
電圧対電流特性も、図9(B) において第一象限に描かれ
ている特性が、当該図9(B) 中の原点0に関し点対象で
第三象限に仮想線により描かれている履歴特性を示すも
のとなる。第二領域20と第四領域40、第三領域30と第五
領域50がそれぞれ幾何的にも物性的にも、また電気特性
的にも互いに同様の領域として作られているならば、こ
のときの降伏電圧-VBR, ブレークオーバ電圧-VBO, ブレ
ークオーバ電流-IBO, 保持電流-IH,そしてクランプ電圧
-VP は、それぞれ絶対値において第一象限におけるそれ
らの値と同じになる。
【0017】こうした説明は、図示した縦形構造のサー
ジ防護デバイスに限ることなく、第二領域20と第四領域
40とが第一領域10の同一主面において横方向に離間して
設けられている横型ないしラテラル型のサージ防護デバ
イスにもほぼそのまま援用することができる。さらに実
用的な構造では、例えばサージ耐量IPP を増す等の目的
で、第二領域20内に設けられる第三領域30は複数個を並
設することがある。既述したバイポーラサージ防護デバ
イスとする場合には、第四領域40内の第五領域50もその
ようにする。同様の目的で、図9(A) に示す構造を複数
並設し、電気的に全てを並列接続して用いたり、ユニポ
ーラサージ防護デバイスの場合には第四領域40は面積の
大きな単一領域であるが、第一領域10を挟んでこれに対
向する第二、第三領域20,30の組は複数個を並設し、互
いに電気的に並列な関係として構成することもある。ま
た、もちろんのことであるが、図中における断面寸法の
相対的な関係は、図面を見易くするため、第二領域、第
三領域、第四領域、第五領域に関し現実のデバイスにお
けるよりも相当に厚く示してあり、実際には第二領域と
第四領域間の第一半導体領域10の部分の厚味は当該第
二、第四領域の各厚味に対し、一般には十倍程度以上、
厚くなる。この点は、後に述べる本発明に関与する図面
中においても同様である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】以上のようなサージ防
護デバイスは、冒頭に掲げた公知文献1〜10に認められ
る各種の工夫を含め、開発過程において種々の検討が重
ねられた結果、その特性制御性、信頼性等はかなり高ま
ってきた。また、降伏の開始から特定極性のキャリア流
を必要とする場合には当該キャリア流が素子内の予定の
流路をできるだけ均一に流れる程、さらにブレークオー
バ後のサージ電流も素子内をできるだけ均一に流れる
程、結果としてサージ耐量IPP が増すことも分かってき
たし、事実、既述のような各領域の複数個並設化を始
め、既掲の公報群中にも認められるような様々な均一化
対策をとることでそれなりにサージ耐量IPP も徐々に高
めることに成功してはきた。しかしその一方で、半導体
ウエハとして提供される第一領域10に対し第二、第三領
域20,30を作り込んだり、さらにバイポーラサージ防護
デバイスとする場合には第四、第五領域40,50を作り込
むに際し、かなり高精度な不純物導入手法を採ったにも
かかわらず、個々のサージ防護デバイスが第一領域10で
ある半導体ウエハのどの位置に作られたものであるかに
よってその降伏電圧VBR が相当に変動することがあっ
た。
【0019】つまり、初期降伏現象に上述したパンチス
ルー現象を利用する場合、当該パンチスルー電圧である
降伏電圧VBR は第二領域20の不純物濃度や厚味(すなわ
ち第一領域10と第三領域30間の距離)によって決定され
る。例えば第二領域20の不純物濃度が低かったり厚味が
薄ければ、第一、第二領域10,20間のpn接合の逆バイア
スで生じた空乏層は当該第二領域20を通じて第三領域30
に到達し易くなり、降伏電圧VBR は低目になる。逆であ
れば逆になる。ところが、同一ウエハ内に作り込む複数
のサージ防護デバイスを全て同一の降伏電圧VBR に設定
するべく、第二領域20の厚味や不純物濃度を当該目標降
伏電圧VBR を得るために相当高精度に均質に制御しなが
ら作製しても、完成した個々のサージ防護デバイスで見
るとその降伏電圧VBR にはかなりなバラ付きが認められ
ることが多かった。
【0020】そこでその原因を追及した所、それは半導
体ウエハとして提供される第一領域10における面内方向
の不純物濃度分布(面内方向の抵抗率の分布とほぼ線形
に反比例する)が支配的に影響していることが分かっ
た。すなわち、現実にこの種のサージ防護デバイスを合
理的な価格範囲で市場に提供することを考えると、部材
のコストや製造コストは無視できず、第一領域10となる
べき半導体ウエハにも安価に提供される市販の半導体
(シリコン)ウエハ、それも特にチョクラルスキ法(略
称CZ法)により作製されたシリコンウエハを使いたい場
合が多い。しかし、こうした市販ウエハには、理解のた
めに代表的な例を挙げれば、ウエハ中心付近での抵抗率
がほぼ 9Ω-cm であるのに対し、周辺付近では11Ω-cm
程度ある等、面内方向の抵抗率分布(以下、単に面内抵
抗率分布)においてかなりな偏差が認められることが殆
どであった。面内方向の不純物濃度の分布(以下、単に
面内不純物濃度分布)で言えば、上記の例ではウエハ中
心付近での不純物濃度Nsubは周辺部に比して濃く、周辺
部ではほぼ 3.8×1014個/cm3 であるのに対し、中心付
近では 5×1014個/cm3 程度である等、抵抗率とは略ゞ
反比例の関係でやはり偏差が認められた。従って、抵抗
率ρの偏差Dρという概念を導入し、同一ウエハ内にあ
っても抽出された最低の抵抗率をρmin、最大の抵抗率を
ρmax とし、当該抵抗率偏差Dρを Dρ(%)={(ρmax-ρmin)/(ρmin)} ×100 ・・・・・・・・・・ (1) と定義して計算すると、上述のウエハの抵抗率偏差Dρ
は22%強にもなる。同様に、ウエハ中に認められる最大
の不純物濃度をNsubmax、最小のそれをNsubmin とし、不
純物濃度Nsubに関しての偏差Dn を Dn(%)={(Nsubmax-Nsubmin)/(Nsubmin)} ×100 ・・・・・・ (2) と定義して計算すると、上述のウエハの不純物濃度偏差
Dn は31%を越える。
【0021】さらに、こうしたウエハに対し、第二、第
三領域の作製パラメータは全て同一として、実際にウエ
ハ各部位に図9(A) に示した構造のサージ防護デバイス
を複数個構築した所、第二領域20として均一な不純物濃
度、均一な厚味となるような不純物導入処理を為したの
に、ウエハの面内不純物濃度分布の影響を受け、ウエハ
中心付近では周辺付近よりも不純物濃度が濃いために、
そこに不純物拡散等の不純物導入手法により作り込まれ
る第二領域の厚味は周辺部より薄くなった。そのため、
パンチスルーが早めに起き易い状況となり、実際、当該
ウエハ中心付近に作製された素子群中において得られた
最低の降伏電圧VBRminが51V であるのに対し、ウエハ周
辺付近の素子群中において得られた最大の降伏電圧VBRm
axは73Vもあった。従って、ウエハ全体で考えて、そこ
に作られた複数のサージ防護デバイスの中で最大の降伏
電圧VBRmaxを呈したものと最低の降伏電圧VBRminを呈し
たものとの降伏電圧偏差DvBR を同様に DvBR(%)={(VBRmax-VBRmin)/(VBRmin)}×100 ・・・・・・・・ (3) と定義して計算すると、当該偏差DvBR は43%にもなっ
た。
【0022】これらのサンプル群は、第二領域20の p型
不純物濃度がほぼ 2×1015cm-3、厚味(つまり第一領域
10と第三領域30との間の離間距離)が約 2.5μm になる
ように設定し、比較的低い降伏電圧VBR を狙ったもので
あり、実際に作製された第二領域20の不純物濃度自体は
中心部と周辺部とでそれ程変わりがなく、概ね目標値に
整合していたが(事実、不純物濃度の場合には一桁程度
変わらないと大きく変わったとは言えない場合も多い)、
厚味についてはかなり相違し、中心部での厚味は約 2.4
μm、周辺部では約 2.6μm となった。このオーダでの
0.2μm の相違は大きいと言わねばならない。また、第
二領域20の目標不純物濃度を高めにしながら目標厚味も
厚くし、3μm 弱にすることで140V程度の降伏電圧VBR
目指したサンプル群でも同様の測定を行なった所、作製
された多数のサージ防護デバイスの降伏電圧は最低140V
から最大200V程度までバラ付き、降伏電圧偏差DvBR
してはやはり38%にもなった。
【0023】これらのことから、ウエハの抵抗率の偏差
Dρないし不純物濃度偏差Dn は最終的に作製されるサ
ージ防護デバイスの降伏電圧の偏差DvBR として直接に
悪影響を及ぼし、しかも抵抗率の偏差の大きさ以上に降
伏電圧の偏差を大きくすることが分かった。他の実験結
果をも加味すると、用いたウエハに大体25%程度の抵抗
率偏差Dρがあると、作製されたサージ防護デバイスに
おける降伏電圧の偏差DvBR は少なくとも40%程度にな
ると言える。
【0024】しかるに、抵抗率と不純物濃度とは既述の
ようにほぼ線形反比例するから、ウエハの面内方向にお
ける抵抗率の偏差Dρの存在を論ずることは結局、当該
ウエハにおける面内方向の不純物濃度の偏差Dn の存在
を論ずることと同じである。逆もまた然りである。従っ
て以降、本書においては片方についてのみ着目すること
がある。もっとも、何故にそのような偏差が生ずるのか
は、ウエハの製造工程に鑑みると理解される。例えば上
述したCZ法の場合、単結晶引き上げ時にウエハの中心部
となる所から固化して行くため、固相、液相界面におけ
る偏析が不純物濃度分布上の偏差を生むのである。しか
し実際上、このような不純物濃度偏差ないし抵抗率偏差
が、作製されるサージ防護デバイスの降伏電圧VBR に対
しこれ程の偏差を生むとはこれまで想像されたこともな
く、本件発明者により始めて得られた知見である。
【0025】もちろん、このようにデバイスごとに降伏
電圧が異なることは望ましくない。ただ単に設計仕様値
通りのものが得られず、結果として歩留まりが低減する
と言う問題だけにも留まらない。例えば既述のように、
単一のデバイスの中に第二、第三領域の組を複数設け、
バイポーラ型の場合には第四、第五領域の組も複数個設
けてそれらを並列に動作させようとした時、どれかが早
く降伏を開始するようなことがあってそれらの「並列同
時動作性」が崩れると素子内部においてどこかの部分に
電流の集中が生じ易く、結局はサージ耐量IPP が低下す
ると言う欠陥を招く。また降伏開始時の均一なキャリア
流を保証することも難しくなり、ひいてはブレークオー
バ電流IBO や保持電流IHにも偏差が生ずる。さらに、複
数個のデバイスを用いて線間保護を図ろうとしたとき、
デバイスごとに降伏電圧が異なると線間電圧が発生し易
くなり、保護すべき回路系にも悪影響を与える。
【0026】そうかと言って、このような問題を避ける
ために面内不純物濃度を意図的に極めて低く製作した市
販の高価な半導体ウエハを出発ウエハとして用いるとい
う手当ては、コスト的にも現実的ではないし、入手自体
も困難である。仮にコスト的には許容されたにしても、
必ずしも出発ウエハとして望ましい抵抗率のものが入手
し得るとは限らず、設計自由度に制約が生まれる。
【0027】こうした問題は、上述してきたようにパン
チスルーを初期降伏開始メカニズムとするサージ防護デ
バイスに限らず、初期降伏に雪崩降伏やツェナ降伏を利
用するものにおいても同様に生ずる。例えば、模式的に
示される断面構造は図9(A)に示されている構造とほと
んど変わらなくても、本出願人の知見によれば、第二領
域20や第三領域30に関し(バイポーラ型とする時には第
四領域40や第五領域50にも関し)それらの厚さを厚くす
る等の外、各領域の幾何的パラメータや不純物濃度パラ
メータ等を適当に選択すると、降伏開始の当初のメカニ
ズムには雪崩降伏やツェナ降伏を利用し、ブレークオー
バに関しては上記したパンチスルー型と同様のメカニズ
ムとなるサージ防護デバイスも作製できることが分かっ
ている。しかるに、そのようなサージ防護デバイスにお
ける雪崩降伏やツェナ降伏は第一領域10と第二領域20と
によるpn接合の逆バイアスがその生起要因であるため、
明らかなように、上記した出発ウエハにおける不純物濃
度分布に起因してこれら第一領域10や当該第一領域10内
に作られた第二領域20の不純物濃度(抵抗率)が異なれ
ば降伏電圧は同様に変動してしまう。
【0028】もっとも、雪崩降伏やツェナ降伏は、一般
に「ポイント・フェノメノン(局所現象)」と呼ばれて
いる通り、降伏をし始める個所、ないしは降伏後も電界
の集中する個所が局所的になり易いがため、サージ耐量
を大きく取るのが難しく、上記してきたパンチスルー型
デバイスに比べると不利である外、設計自由度も小さ
く、製造パラメータに対する許容度も乏しい等、やや劣
った側面を見せる。しかし、そうした優劣の比較をせ
ず、ここで問題にしたウエハの面内不純物濃度分布につ
いてだけ考えるならば、そのような雪崩降伏型やツェナ
降伏型のサージ防護デバイスにおいても上記してきた議
論はほぼそのまま適用することができる。
【0029】本発明は以上に鑑みて成されたもので、出
発半導体ウエハには面内方向の不純物濃度分布における
偏差の大きなものを用いざるを得なかったにしても、当
該ウエハ内に複数個作製された個々のサージ防護デバイ
ス間においては降伏電圧の偏差を小さくせんとするもの
である。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、図9に即して既に詳しく説明したような二
端子ブレークオーバ型で、まずはユニポーラ型のサージ
防護デバイス、ただし初期降伏動作にはパンチスルーに
限らず雪崩降伏やツェナ降伏を利用するものをも含めた
そのようなサージ防護デバイスとして、後述の図1(A)
に示される本発明の実施形態を通じて導出されるよう
に、半導体ウエハとして提供される第一領域10の一部で
あって第二領域20との間でpn接合を形成する領域部分11
を、面内不純物濃度分布の偏差が半導体ウエハ自体のそ
れよりも小さくなるように、当該半導体ウエハ(第一領
域10)の外部から意図的に半導体ウエハの導電型と同じ
導電型の不純物が導入された不純物濃度均一化領域11と
したユニポーラサージ防護デバイスを提案する。なお、
本項中において用いる各符号は、後に本発明のそれぞれ
の実施形態を説明する図1,3〜8中で用いられている
符号に対応し、また、本発明により新たに加えられる重
要な構成要素である不純物濃度均一化領域に付す符号を
除いては、既に説明した図9中で用いられている符号に
も対応する。この点は、本書において以下の説明で用い
る符号に関しても同様である。
【0031】本発明の別な態様によると、同じくユニポ
ーラサージ防護デバイスとして、後述の図3に示される
実施形態に代表されるように、上記の基本構成に加え、
第四領域40が第一領域10内に作り込まれた半導体領域で
ある場合には、第一領域10の一部であって第四領域40と
の間で上記した少数キャリア注入接合の一つとしての整
流性接合を形成する領域部分13も、面内不純物濃度分布
の偏差が半導体ウエハのそれよりも小さくなるように、
半導体ウエハの外部から当該半導体ウエハに対して意図
的に半導体ウエハの導電型と同じ導電型の不純物が導入
された不純物濃度均一化領域13となっているユニポーラ
サージ防護デバイスも提案する。
【0032】さらに、既述のようにサージの印加に伴う
初期降伏動作に雪崩降伏やツェナ降伏ではなく、それら
を利用するものに比べて優れた特性の素子を作り易いパ
ンチスルーを利用するものに限定して考えた場合には、
本発明は後述の図4に示す実施形態に示されるように、
第一、第二のオーミック電極E1,E2間に印加された特定
の極性のサージに伴って生ずる空乏層を伸ばさせるべき
パンチスルー生成用領域21と、逆にこの空乏層の伸びを
抑えるパンチスルー抑制用領域22とから第二領域20を構
成し、パンチスルー抑制用領域22が第三領域30の角部を
覆うか、または第三領域30の側部に沿って伸びて不純物
濃度均一化領域11の側部にまで至るように設けられてい
る一方で、パンチスルー生成用領域21は、第三領域30と
不純物濃度均一化領域11とが対向し合い、均一なパンチ
スルーを起こし得る平坦な部分同志の間にのみ設けられ
ているユニポーラサージ防護デバイスも提案する。
【0033】その外にも、本発明の構成と共に先掲の各
公報中に記載のような各種の工夫をも加味し、後述の各
実施形態にて示されるような種々優れたサージ防護デバ
イスを提案することができるが、本発明ではまた、もう
一つの基本的な構成として、前述した意味でのバイポー
ラサージ防護デバイスに対する改良も提案する。
【0034】すなわち、本発明の目的を達成するバイポ
ーラサージ防護デバイスを得るためには、後述の図1
(B) に示される実施形態に代表されるように、上述した
第四領域40を半導体領域に限定し、これを実質的に第二
領域20と機能的、構造的に等価な領域とした上で、第二
領域20と少数キャリア注入接合を形成する第三領域30と
同じように、第四領域40との間で少数キャリア注入接合
を形成する一つまたは互いに並設関係にある複数個の第
五の領域50を設け、第二オーミック電極E2をこれら第四
領域40の表面と第五領域50の表面とに共にオーミック接
触するように設ける。そして、第一領域10にあって第四
領域40との間でpn接合を形成する領域部分も、面内不純
物濃度分布偏差が半導体ウエハのそれよりも小さくなる
ように、半導体ウエハの外部から意図的に半導体ウエハ
の導電型と同じ導電型の不純物が導入された第二の不純
物濃度均一化領域12とする。
【0035】このようにすると、第二領域20と第一領域
10とで構成される上述のpn接合を第一のpn接合と呼び、
新たに第四領域40と第一領域10とで構成されるpn接合を
第二のpn接合と呼ぶとすると、第一のpn接合が逆バイア
スとなる第一の極性のサージ印加時には第二のpn接合は
順バイアスとなり、第一のpn接合が順バイアスとなる第
二の極性のサージの印加時には第二のpn接合が逆バイア
スとなる。従って、既に説明したメカニズムに従い、サ
ージ印加に伴う降伏の開始からブレークオーバを経て第
一の極性のサージを吸収する時には新たに設けられた第
五領域50は実質的にないに等しいものであり、順バイア
スされる第二のpn接合も単なる電流通路と考えて良いた
め、これまで述べたユニポーラサージ防護デバイスにお
けると同様の動作となるが、第二極性の印加時には逆に
第三領域30が実質的に設けられていないのに等しいこと
になり、第一のpn接合の方が単なる電流通路となって、
第四領域40が第一極性のサージ印加時に第二領域20のな
した働きと同じ働きし、第五領域50が同じく第一極性の
サージ印加時に第三領域30のなした働きと同じ働きをな
す。
【0036】このバイポーラサージ防護デバイスにおい
ても、やはりサージの印加に伴う初期降伏動作にはパン
チスルーを利用することを限定した場合には、上述した
第二領域20のみではなく、第四領域40にも第二領域20に
おけるパンチスルー生成用領域21に相当する領域とパン
チスルー抑制用領域22に相当する領域とを設けることが
でき、その場合にはこの第四領域40のパンチスルー抑制
用領域が第五領域50の角部を覆うか、または第五領域50
の側部に沿って伸びて不純物濃度均一化領域12の側部に
まで至るように設けられている一方で、パンチスルー生
成用領域は第三領域50と不純物濃度均一化領域12とが対
向し合い、均一なパンチスルーを起こし得る平坦な部分
同志の間にのみ設けられているようにすることができ
る。
【0037】本発明は、上述した本発明による二端子ブ
レークオーバ型サージ防護デバイスの作製方法としても
幾つかの手法を提案する。一つは、第一領域10中にまず
は第二領域20を形成し、その後、第二領域20よりも深い
位置に半導体ウエハの導電型と同じ導電型の不純物を適
当なる不純物導入手法、例えばイオン注入により導入す
ることで上記の不純物濃度均一化領域11を形成してから
第三領域30をセルフアラインで形成する方法である。本
発明によるバイポーラサージ防護デバイスに対してもこ
の手法を適用する場合には、上記の工程に加えて、第一
領域10中に最初第四領域40を形成し、その後、第四領域
40よりも深い位置に半導体ウエハの導電型と同じ導電型
の不純物をこれも適当なる不純物導入手法、例えばイオ
ン注入により導入することで上記の不純物濃度均一化領
域12を形成してから第五領域50をセルフアラインで形成
する工程を付加する。
【0038】こうした手法に代えて、本発明ではまた、
第二領域20及び第三領域30を形成する前に、第一領域10
中において第二領域20及び第三領域30を形成するべき領
域に上記の不純物濃度均一化領域11を形成しておき、そ
の後、当該不純物濃度均一化領域11中に第二領域20及び
第三領域30を順にセルフアラインで形成する方法も提案
する。先と同様、本発明によるバイポーラサージ防護デ
バイスに対しこの手法を適用する場合には、上記の工程
に加えてさらに、第一領域10中において第四領域40及び
第五領域50を形成するべき領域に上記の不純物濃度均一
化領域12を形成しておき、その後、当該不純物濃度均一
化領域12中に第四領域40及び第五領域50を順にセルフア
ラインで形成する工程を加える。
【0039】また、上述した本発明のサージ防護デバイ
スであって初期降伏原理にパンチスルーを利用し、なお
かつパンチスルー生成用領域とパンチスルー抑制用領域
とを有するものを作る時には、本発明は、第一領域10中
に第二領域20の一部となるパンチスルー抑制用領域22を
形成し、その後、第二領域20の残りの一部となるパンチ
スルー生成用領域21及び第三領域30を形成する前に、第
一領域10中においてパンチスルー抑制用領域22に囲まれ
たパンチスルー生成用領域21及び第三領域30を形成する
べき領域に先に不純物濃度均一化領域11を形成し、この
不純物濃度均一化領域11中にパンチスルー生成用領域21
と第三領域30を順にセルフアラインで形成する手法も提
案する。この手法ももちろん、本発明のバイポーラサー
ジ防護デバイスに対して同様に適用することができ、そ
の場合には上記の工程とは別に、第一領域10中に第四領
域40の一部となるパンチスルー抑制用領域を形成し、そ
の後、第四領域40の残りの一部となるパンチスルー生成
用領域及び第五領域50を形成する前に、第一領域10中に
おいてパンチスルー抑制用領域に囲まれたパンチスルー
生成用領域及び第五領域50を形成するべき領域に不純物
濃度均一化領域12を形成し、この不純物濃度均一化領域
12中にパンチスルー生成用領域と第五領域50を順にセル
フアラインで形成する工程を付加すれば良い。
【0040】このような本発明による上述の各作製方法
はまた、以下に述べるように、それぞれ複数の工程群か
ら成る、より下位の方法として、限定的に定義すること
もできる。ただし、下記工程群の説明中においてそれぞ
れ括弧書きされている部分については、ユニポーラサー
ジ防護デバイスを作る方法として読む時には読まないで
飛ばし、バイポーラユニポーラサージ防護デバイスを作
る方法として読む時には括弧を外して読むものとする。
【0041】まず第一の下位方法は、半導体ウエハとし
て提供される第一領域10に対して第二領域20(及び第四
領域40)の形成用平面パタンに従って第一領域10の導電
型とは逆導電型の不純物を例えばイオン注入または不純
物拡散等の適当な不純物導入手法によって導入し、最終
的に第二領域20(及び第四領域40)となるべき不純物導
入領域11(及び12)を形成する工程と;不純物濃度均一
化領域11(及び12)の形成用平面パタンに従って第一領
域10の導電型と同じ導電型の不純物を適当なる不純物導
入手法、例えばイオン注入により第二領域20(及び第四
領域40)となるべき不純物領域よりも深く導入し、最終
的に不純物濃度均一化領域11(及び12)となるべき領域
であって半導体ウエハの不純物濃度よりも濃い不純物濃
度を有し、その面内不純物濃度分布においてはより小さ
な偏差を有する不純物導入領域を形成する工程と;上記
の不純物濃度均一化領域11(及び12)の形成用平面パタ
ンと同じ平面パタンに従って第一領域10の導電型と同じ
導電型の不純物を例えばイオン注入または不純物拡散等
の適当な不純物導入手法により浅く導入し、不純物濃度
均一化領域11(及び12)とセルフアラインの関係で最終
的に第三領域30(及び第五領域50)となるべき不純物導
入領域を形成する工程と;を含むことを特徴とする方法
である。なお、各領域の最終的な厚味をどれ位にするの
かによっては、具体的に用いた不純物導入手法が何であ
るのかにもよるが、後述の実施例中にも認められるよう
に、このこと自体は公知のドライブイン手法をも要すれ
ば適所で援用することができる。このことはまた、以下
に述べる本発明の他の下位の作製方法においても同様で
ある。
【0042】第二の下位方法は、半導体ウエハとして提
供される第一領域10に対し不純物濃度均一化領域11(及
び12)の形成用平面パタンに従って第一領域10の導電型
と同じ導電型の不純物をイオン注入等、適当な不純物導
入手法により導入し、最終的に不純物濃度均一化領域11
(及び12)となるべき領域であって半導体ウエハの不純
物濃度よりも濃い不純物濃度を有し、その面内不純物濃
度分布においてはより小さな偏差を有する不純物導入領
域を形成する工程と;上記の不純物濃度均一化領域11
(及び12)の形成用平面パタンと同じ平面パタンに従っ
て第一領域10の導電型とは逆導電型の不純物をやはりイ
オン注入等、適当な不純物導入手法により導入し、不純
物濃度均一化領域11(及び12)とセルフアラインの関係
で最終的に第二領域20(及び第四領域40)となるべき不
純物導入領域を形成する工程と;不純物濃度均一化領域
11(及び12)の形成用平面パタンと同じ平面パタンに従
い第一領域10の導電型と同じ導電型の不純物をこれもイ
オン注入等、適当な不純物導入手法により導入し、不純
物濃度均一化領域11(及び12)とセルフアラインの関係
で最終的に第三領域(及び第五領域50)となるべき不純
物導入領域を形成する工程と;を含むことを特徴とする
方法である。
【0043】さらに、パンチスルー現象を初期降伏開始
に利用する場合の本発明サージ防護デバイスの作製に関
する下位方法としては、半導体ウエハとして提供される
第一領域10に対して第二領域20(及び第四領域40)の一
部を構成するパンチスルー抑制用領域22(及び第四領域
用のそれ)の形成用平面パタンに従って第一領域10の導
電型とは逆導電型の不純物をイオン注入等、適当なる不
純物導入手法により導入し、最終的にパンチスルー抑制
用領域となるべき不純物導入領域を形成する工程と;パ
ンチスルー抑制用領域の形成用平面パタンと連続する平
面パタンであって不純物濃度均一化領域11(及び12)の
形成用平面パタンに従って第一領域10の導電型と同じ導
電型の不純物をやはりイオン注入等の適当なる不純物導
入手法により導入し、最終的に不純物濃度均一化領域11
(及び12)となるべき領域であって半導体ウエハの不純
物濃度よりも濃い不純物濃度を有し、その面内不純物濃
度分布においてはより小さな偏差を有する不純物導入領
域を形成する工程と;不純物濃度均一化領域11(及び1
2)の形成用平面パタンと同じ平面パタンに従い第一領
域10の導電型とは逆導電型の不純物をこれもイオン注入
等、適当なる不純物導入手法により導入し、不純物濃度
均一化領域11(及び12)とセルフアラインの関係で、か
つパンチスルー抑制用領域と接続した関係で、最終的に
第二領域20(及び第四領域40)の一部を構成するパンチ
スルー生成用領域21(及び第四領域用のそれ)となるべ
き不純物導入領域を形成する工程と;不純物濃度均一化
領域11(及び12)の形成用平面パタンと同じ平面パタン
に従い第一領域10の導電型と同じ導電型の不純物をこれ
もまたイオン注入等、適当なる不純物導入手法により導
入し、不純物濃度均一化領域及びパンチスルー生成用領
域とセルフアラインの関係で最終的に第三領域30(及び
第五領域50)となるべき不純物導入領域を形成する工程
と;を含むことを特徴とする方法も提案する。
【0044】ただし、パンチスルー抑制用領域とパンチ
スルー生成用領域とを本発明の基本的な構成と共に用い
ることに主眼を置く場合には、本発明のまた別な下位の
態様による方法として、半導体ウエハとして提供される
第一領域10に対し、まずは不純物濃度均一化領域11(及
び12)の形成用平面パタンに従って第一領域10の導電型
と同じ導電型の不純物をイオン注入または不純物拡散等
の適当な不純物導入手法により導入し、最終的に不純物
濃度均一化領域11(及び12)となるべき領域であって半
導体ウエハの不純物濃度よりも濃い不純物濃度を有し、
その面内方向の不純物濃度分布においてはより小さな偏
差を有する不純物導入領域を形成する工程と;不純物濃
度均一化領域11(及び12)の形成用平面パタンよりも広
い開口の第二領域20(及び第四領域40)の形成用平面パ
タンに従って第一領域10の導電型とは逆導電型の不純物
をイオン注入または不純物拡散等の適当なる不純物導入
手法により導入し、最終的に第二領域20(及び第四領域
40)となるべき不純物導入領域を形成する工程と;不純
物濃度均一化領域11(及び12)の形成用平面パタンより
も広いが第二領域20(及び第四領域40)の形成用平面パ
タンよりも狭い開口の第三領域30(及び第五領域50)の
形成用平面パタンに従って第一領域10の導電型と同じ導
電型の不純物をやはりイオン注入または不純物拡散等の
適当なる不純物導入手法により導入する工程と;を含
み、第二領域20(及び第四領域40)にあって第三領域30
(及び第五領域50)の角部を覆う部分を相対的に厚味の
厚いパンチスルー抑制用領域とし、第三領域30(及び第
五領域50)と不純物濃度均一化領域11(及び12)とが平
面的に対向し合う部分を相対的に厚味の薄いパンチスル
ー生成用領域とすること;を特徴とする方法も提案でき
る。
【0045】
【発明の実施の形態】図1(A) にはユニポーラサージ防
護デバイスとして、図1(B) にはバイポーラサージ防護
デバイスとして、それぞれ本発明の趣旨を実現した基本
的な実施の形態が示されている。図1(A) に示される本
発明サージ防護デバイスは、図9(A)に即して既に説明
した従来の基本的な構成のサージ防護デバイスにおいて
仮想線で示されている第五領域50のないもの、すなわち
ユニポーラサージ防護デバイスの改良に対応し、同様に
図1(B) に示されている本発明サージ防護デバイスは、
第五領域50のあるもの、すなわちバイポーラサージ防護
デバイスの改良に対応する。従って他の符号において
も、図9(A) 中におけるのと同じ符号の付されているも
のは同じ構成要素を示している。これはまた、以下に述
べる本発明の他の実施の形態間においても同様である。
【0046】従ってまた、図1(A) の本発明のユニポー
ラサージ防護デバイスでも、既に図9に即して説明した
ブレークオーバメカニズムを生ずるために必要な複数の
領域10,20,30,40に関する説明は同じ様に適用でき、
図1(B) に示される本発明のバイポーラサージ防護デバ
イスでは、さらに第五領域50に関しての既説明を同様に
適用できる。念のため、構造的説明を若干繰返しておく
と、半導体ウエハとして提供される第一の半導体領域10
(以下、単に第一領域10)があり、その導電型は p,nの
いずれかに選択される。また、サージの印加に伴う初期
降伏動作は雪崩降伏、ツェナ降伏によっても良いが、こ
こではパンチスルーを利用するデバイスであるとして説
明する。さらに、既に述べたように、他の各領域の種々
の製造条件等にも鑑みると半導体ウエハないし第一領域
10の導電型は n型の方が良い。ただし、本発明のデバイ
スでは後述するように、本発明に従って追加的に設けら
れる不純物濃度均一化領域11(及び12)の不純物濃度が
従来のデバイスにおける第一領域10の不純物濃度と同程
度になるようにする必要上、出発ウエハとしての半導体
ウエハの不純物濃度は従来のデバイスにおけるより低濃
度な n型、すなわちn-型とする。
【0047】第一領域10の一方の主面側には第二領域2
0、第三領域30が一般に不純物の二重拡散技術やイオン
打ち込み技術を利用して順次形成される。第二領域20は
第一領域10と整流性接合(pn接合)を形成する必要があ
るので図示の場合は p型半導体領域とされるが、特に初
期降伏の開始にここで想定しているパンチスルーを利用
するデバイスを作製するときには、当該第二領域20は少
し低濃度の p型、つまりp-型とするのが望ましい。
【0048】第三領域30は第二領域20に対し第二領域20
にとっての少数キャリアを注入できる物性の領域、すな
わち第二領域20との間で少数キャリア注入接合を形成し
得る領域であれば良く、例えば第二領域20が図示のよう
に p型の半導体領域の場合には電子注入可能な金属、そ
うではなく n型の半導体領域の場合にはホール注入可能
なシリサイド等で作製することもできる。しかし、図示
の場合はより一般的な構成例としてこの第三領域30も半
導体により構成されており、従って第二領域20と逆導電
型で第二領域20との間で少数キャリア注入接合の一代表
例である整流性接合(pn接合)を形成する n型半導体領
域となっている。こうした場合には、既に図9に即して
説明したように、この第三領域30はブレークオーバ後の
素子内の主電流線路の一端部をも形成するので、望まし
くは高導電率の半導体領域、すなわち高濃度 n型(n+)半
導体領域とするのが良い。
【0049】図1(A) のユニポーラサージ防護デバイス
では、第一領域10の他方の主面、つまり図中で下側の主
面側には第二領域20と対向し、第一領域10に対して少数
キャリアを注入可能な物性の領域である第四領域40が設
けられている。従って既述の第三領域30におけると同
様、第一領域10が p型半導体の場合には金属、 n型半導
体の場合にはシリサイド等でこの第四領域40を作製する
ことも可能であり、そのようにして差し支えないが、こ
れも一般的には半導体領域とし、第一領域10との間で少
数キャリア注入接合の一代表例である整流性の接合(pn
接合)を形成させる。そこで図示の場合も、この第四領
域40は p型の半導体領域となっている。
【0050】一方、図1(B) のバイポーラサージ防護デ
バイスでは、第四領域40は半導体領域である必要があ
り、印加されるサージの極性によっては第二領域20に代
わって初期降伏に係わる領域となるので、第一領域10と
整流性接合(pn接合)を形成する導電型の半導体領域
(従って図示の場合は p型半導体領域)とされるが、や
はり初期降伏の開始にここで想定しているパンチスルー
を利用するデバイスを作製するときには、この第四領域
40は少し低濃度の p型半導体領域、つまりp-型半導体領
域とするのが望ましい。
【0051】しかし、同じく図1(B) のようにバイポー
ラサージ防護デバイスとするために追加される第五領域
50については、先の第三領域30に関しての説明が適用で
き、第四領域20が p型の半導体領域の場合には電子注入
可能な金属、そうではなくてn型の半導体領域の場合に
はホール注入可能なシリサイド等でこれを作製すること
もできる。が、図示の場合はより一般的な構成としてこ
の第五領域50も半導体により構成されており、従って第
四領域40との間で整流性接合(pn接合)を形成する n型
半導体領域となっている。このようにした場合には、こ
れも同じく、この第五領域50はブレークオーバ後の素子
内の主電流線路の一端部をも形成するので、望ましくは
高導電率の半導体領域、すなわち高濃度 n型(n+)半導体
領域とするのが良い。
【0052】なお、第一、第二のオーミック電極E1,E2
についても本発明においても特に変更を要せず、図9
(A) に即して既に説明した通りに設けられていれば良
い。従ってサージ吸収動作についても、基本的に図1
(A) のユニポーラサージ防護デバイス、図1(B) のバイ
ポーラサージ防護デバイスのいずれ共、図9に即し説明
した所と何等変わりないため、ここでの繰返しを避けて
先の説明を援用する。
【0053】本発明の特徴が表れている部分は下記の通
りである。まず、図1(A) に示す本発明のユニポーラサ
ージ防護デバイスにおいては、本発明の趣旨に従い、半
導体ウエハとしてそもそも提供される第一領域10の一部
であって第二領域20との間でpn接合を形成する領域部分
が、当該領域部分における不純物濃度分布の偏差が出発
ウエハにおけるそれより小さくなるように、当該半導体
ウエハの外部から半導体ウエハに対して意図的に半導体
ウエハの導電型と同じ導電型の不純物が導入された不純
物濃度均一化領域11となっている点である。当然、意図
的に外部から不純物が導入されたこの不純物濃度均一化
領域11における不純物濃度は、平均的に見ると出発半導
体ウエハの不純物濃度に比し、高いものとなる。換言す
れば、図9に即して説明した従来のサージ防護デバイス
において第一領域10に要求されていた特定の導電型(図
示の場合はn型)の不純物濃度のオーダがこの不純物濃
度均一化領域11において実現されるように、出発ウエハ
の不純物濃度はそれよりも低め(図示の場合はn-)に選
ばれるのである。
【0054】一方、図1(B) に示す本発明のバイポーラ
サージ防護デバイスでは、図1(A)における第一の不純
物濃度均一化領域11に加え、半導体ウエハとしてそもそ
も提供される第一領域10の他の一部であって第四領域40
との間で第二のpn接合(第一のpn接合は第一領域10と第
二領域20とにより構成されるpn接合である)を形成する
領域部分も、当該領域部分における不純物濃度分布の偏
差が出発ウエハにおけるそれより小さくなるように、当
該半導体ウエハの外部から半導体ウエハに対して意図的
に半導体ウエハの導電型と同じ導電型の不純物が導入さ
れた第二の不純物濃度均一化領域12となっている。
【0055】従って、先に述べたように、出発ウエハと
して提供される半導体ウエハに安価に提供される市販の
半導体(シリコン)ウエハ、それも特に先述のCZ法によ
り作製されたシリコンウエハを使ったがために、その面
内方向の不純物濃度分布の偏差が大きく、ウエハ上の場
所ごとにそこに作製されるサージ防護デバイスの降伏電
圧VBR が変動するという従来の欠点は解消ないし緩和さ
れる。つまり、既に述べたように、こうした市販ウエハ
には、例えば中心付近での抵抗率(不純物濃度に対しほ
ぼ線形に反比例する)がほぼ 9Ω-cm であるのに周辺付
近では11Ω-cm程度もある等、面内抵抗率分布において
かなりな偏差が認められた。ところが、本発明では、少
なくとも第二領域20とpn接合を形成する第一領域部分11
や、図1(B) のバイポーラサージ防護デバイスではさら
に第四領域40と第二のpn接合を形成する第一領域部分12
が、出発ウエハとして提供されたままの第一領域10その
ものではなく、当該領域部分における不純物濃度分布の
偏差が出発ウエハにおけるそれより小さくなるように、
外部から意図的に半導体ウエハの導電型と同じ導電型の
不純物が導入された不純物濃度均一化領域11(,12) とな
っているため、ウエハのどの位置に作製されるサージ防
護デバイスも、その降伏電圧VBR は大きくバラ付くこと
がない。降伏電圧VBR には、これも既述した通り、初期
降伏の開始に係るpn接合の特性が大きく影響し、従って
pn接合自体の均一性が保証されれば同じウエハ上に形成
される複数のサージ防護デバイス間の特性均一性も大き
く向上する。
【0056】図2は、実際に本発明の考え方に即した場
合、どの程度、面内抵抗率分布偏差の解消効果が認めら
れるのかを示したものである。本発明による場合、図1
(A)のユニポーラサージ防護デバイスでは第一、第二領
域10,20により形成されるpn接合の片方の導電型領域で
ある n型半導体領域が第一領域10に対して後から不純物
を導入された領域11であり、また図1(B) のバイポーラ
サージ防護デバイスではさらに加えて第四、第一領域4
0,10により形成される第二のpn接合の n型半導体領域
も第一領域10に対して後から不純物を導入された領域12
であるため、既述の通り、まず出発ウエハの不純物濃度
は従来用いられていたものよりも低くなければならない
(抵抗率で言えば高くなければならない)。一方、現に
提供されている市販のシリコンウエハでは、最大50Ω-c
m 程度のものまでが得られる。
【0057】そこで、最終的に不純物濃度均一化領域11
(,12) における抵抗率が、上記した従来の実例における
バラ付き範囲の中央値、すなわち 9Ω-cm と11Ω-cm の
間の10Ω-cm となるように、出発ウエハとして公称抵抗
率が30Ω-cm のものを選んだ所、やはりこれにも面内抵
抗率分布上、かなりな偏差があり、図2中に併示するウ
エハ直径上の各位置における測定結果として、ウエハ中
央付近(位置8,9)における28Ω-cm 程度からウエハ周辺
付近(位置1,2 や15,16)における35Ω-cm 程度まで、
相当にバラ付いた。先掲の (1)式に従う抵抗率偏差Dρ
として計算すると、概ね25%である。また、不純物濃度
では中央付近の1.65×1014個/cm3 から周辺付近の1.32
×1014個/cm3 までの偏差Dn があった。これもやはり
25%である。
【0058】ところが、具体的な一例を挙げて説明する
と、ドーズ量を 3.5×1014個/cm3一定とし、拡散時間
を調整して導入深さがほぼ 7.5μm となるようにこのよ
うなシリコンウエハに対し n型不純物を拡散、導入した
所、図2中に「不純物導入処理後」として示されている
ように、目標抵抗率10Ω-cm に対し、ウエハ周辺付近で
は9.82Ω-cm、中央付近では9.19Ω-cm と、抵抗率偏差D
ρは 7%弱にまで低減した。これをさらに不純物濃度分
布上の偏差Dn で見ても、ウエハ中央付近における5.15
×1014個/cm3 に対し、ウエハ周辺付近でも4.82×1014
個/cm3 と、やはり 7%弱にまでに小さくなった。
【0059】このようにして、予め不純物濃度均一化領
域11に相当する領域を作った上で、その後、従前の工程
に従い第二領域20を始め他の領域を作製してサージ防護
デバイスを完成させた所、降伏電圧VBR の面内分布偏差
DvBR は20%以内にまで改善された。このように優れた
結果は、従来のように出発ウエハを第二領域20との間で
(バイポーラ型の場合にはさらに第四領域40との間で
も)pn接合を形成する片方の領域としてそのまま用いて
いた場合には決して得ることのできなかったものであ
る。
【0060】そしてこの結果は、上記のように不純物濃
度均一化領域11(及び12)の抵抗率を種々に変えて様々
な降伏電圧VBR のものを作製した場合についても言え、
逆に例えば 5Ω-cm の抵抗率になるように半導体ウエハ
に対する外部からの不純物導入で不純物濃度均一化領域
11(及び12)を作製した場合、その厚味を変更すること
で最終的に作製されるサージ防護デバイスの降伏電圧V
BR は約60V から300V程度の範囲で任意所望のものを小
さな偏差DvBR で得ることができた。
【0061】同じ条件で300V以上の降伏電圧を得る時に
は、パンチスルーよりも雪崩降伏の方が起き易くなるこ
とがある。しかし、これも逆に言うと、雪崩降伏やツェ
ナ降伏を利用するサージ防護デバイスを構築する場合
も、本発明は有効なことが分かる。雪崩降伏でもツェナ
降伏でも、降伏を生起するpn接合の片方の領域の不純物
濃度がその降伏電圧を支配することは知られているから
である。従って第二領域と不純物濃度均一化領域11によ
るpn接合や、バイポーラサージ防護デバイスとする場合
にはさらに第四領域40と不純物濃度均一化領域12とで構
成されるpn接合において、当該不純物濃度均一化領域1
1,12の不純物濃度の面内分布における偏差が解消ない
し低減することは、雪崩降伏電圧ないしツェナ降伏電圧
のバラ付きをも解消ないし緩和することを意味してい
る。
【0062】図3から図6までは、本発明の他の望まし
い実施形態を示している。まず図3に示す実施形態は、
ユニポーラサージ防護デバイスに限定しての改変である
が、降伏開始に伴う第一領域10への少数キャリアを注入
するための第四領域と当該第一領域の少数キャリア注入
接合(ここでは既述のように第四領域40は p型半導体領
域であるのでpn接合)に関しても、ウエハの各位置ごと
に作製されるサージ防護デバイス間で特性差が大きくな
らないように図ったものである。すなわち、第一領域10
の一部であって第四領域40との間で当該少数キャリア注
入接合を形成する領域部分13は、その面内方向の不純物
濃度分布偏差が出発半導体ウエハにおけるそれよりも小
さくなるように、半導体ウエハの外部から当該半導体ウ
エハに対して意図的に半導体ウエハの導電型と同じ導電
型の不純物が導入された不純物濃度均一化領域13となっ
ている。
【0063】次に、図4に示される実施形態は、初期降
伏の開始に第二領域20を通じ第三領域30と第一領域10
(本発明の適用を受けた結果、実際にはその一部である
不純物濃度均一化領域11)間のパンチスルーを利用する
サージ防護デバイスに限定しての改変であって、当該パ
ンチスルーを制御性良く安定に生じさせるための工夫を
含んでいる。すなわち、パンチスルーを利用するタイプ
のサージ防護デバイスでは、本来、その降伏電圧(パン
チスルー電圧)等の諸特性の規定は当該パンチスルーが
生ずる領域の厚味や不純物濃度が一定となるものとして
設計されている。従って、第二領域20と第三領域30(バ
イポーラ型の場合にはさらに第四領域40と第五領域50)
との関係において、第二領域20(または第四領域40)の
方に断面で見て幾何的な段差ないしは凹凸が生じている
と、そうした設計予定条件から外れるため、サージ吸収
に伴う素子電流の流れにも乱れが生じ、サージ耐量IPP
等も大きくは採れなくなる。これについては既掲の公知
文献10(特開平 6−314781号公報)に詳しい。
【0064】そこで、図4に示すように、第二領域20を
パンチスルーのための空乏層を伸ばさせるべきパンチス
ルー生成用領域21と、逆に当該空乏層の伸びを抑えるパ
ンチスルー抑制用領域22とから構成し、パンチスルー抑
制用領域22が図4に示すように第三領域30の角部を覆う
か、または後述する本発明によるサージ防護デバイス作
製工程例の一つである図7中、図7(E) に示されている
ように第三領域30の側部に沿って伸びて不純物濃度均一
化領域11の側部にまで至る(ただし図示の場合は側部の
高さの途中までであるが)一方、パンチスルー生成用領
域21は第三領域30と不純物濃度均一化領域11とが対向し
合って均一なパンチスルーを起こし得る平坦な部分同志
の間にのみ設けられているようにすると、上記のような
段差部の存在に起因するサージ耐量IPP の低下を防止
し、素子内の電流の流れの均一化を図り、ひいてはデバ
イスごとの特性差の発生を抑えることができる。
【0065】なお、パンチスルー生成領域21にてパンチ
スルー抑制用領域22よりもパンチスルーを生起させ易く
するためには、パンチスルー生成用領域21とパンチスル
ー抑制用領域22は相まって第二領域20を形成する都合
上、当然に同じ導電型ではあるが、パンチスルー抑制用
領域22の方をパンチスルー生成用領域21に比べて相対的
に高不純物濃度な領域として構成するか、パンチスルー
抑制用領域22の方を該パンチスルー生成用領域21に比べ
て相対的に厚味の厚い領域として構成するか、あるいは
それら両者の条件を共に導入すれば良い。図4には最後
の場合が示されている。また、図4はユニポーラサージ
防護デバイスの断面構造を借りてこのパンチスルー生成
用領域21とパンチスルー抑制用領域22とで構成された第
二領域20につき説明するものであるが、当然、図1(B)
に示す本発明のバイポーラサージ防護デバイスにおいて
第四領域40に関しても同様の構成を採用し、当該第四領
域40をパンチスルー生成用領域とパンチスルー抑制用領
域とから構成して、パンチスルー生成用領域を第五領域
50と不純物濃度均一化領域12とが対向し合って均一なパ
ンチスルーを起こし得る平坦な部分同志の間にのみ設け
ることができる。
【0066】図5に示されている実施形態は、いわゆる
dV/dt耐性を高める工夫の一つをも取り込んだ場合を示
している。すなわち、先掲の公知文献2(特開昭62− 6
5382号公報)やその改良を開示する公知文献5(特開平
4−196358号公報)、公知文献8(特開平 4−320067号
公報)等に詳しいように、第一領域10と第二領域20とに
より形成され、サージが印加された時に逆バイアスされ
るpn接合には、通常、接合容量Cjが見込まれるので、第
一、第二オーミック電極E1,E2間に立ち上がりの電圧時
間微分値がdV/dtのサージが印加されると、その当初、
この接合容量Cjを充電する過渡的な電流として、 it=(dV/dt)Cj ・・・・・・・・ (4) なる式で表される変位電流itが流れる。
【0067】しかるに、接合容量Cjは、サージ耐量IPP
を十分大きく取るために各領域を面積的に大きくすると
それに連れてかなり大きくなる場合が多く、例えば 100
pF程度からそれ以上の値も普通に考えられる。一方、種
々のサージの性質や振舞いについてはすでに従来からも
詳しい考察、研究が多岐に亙って為されており、その結
果からすれば、例えば電話通信線路への雷サージ印加時
等にあっては、回路系への誘導ノイズ電圧値の波高値こ
そ、よしんば低くても、dV/dt値としてみると100V/μ
S 程度位までの値が十分に考えられる。そのため、上記
(4)式により計算すると、接合容量Cjを充電する過渡的
な電流の値itは10mA程度になり得、サージのdV/dt値が
高くなれば当然、もっと大きくなり、いずれにしても結
構大きな値の変位電流itが瞬時ではあるが流れ得る。そ
の結果、時としてブレークオーバ電流IBO 以上の大きさ
の電流が流れ、尖頭電圧値こそ、設計上のブレークオー
バ電圧VBO には至らない、従って特に吸収する必要もな
い「小さなサージ」であるにもかかわらず、デバイスが
誤ってブレークオーバすることがあった。図9(B)に示
した特性図上で言えば、そのような誤動作が起きたとき
の実効的なブレークオーバ電圧VBOは、当該特性図上に
示されている値よりかなり小さい方(左側)に移行した
に等価となる。
【0068】これに対し、図5に示されているように、
第四領域40に電気的に接続している第二オーミック電極
E2が、同時にまた、第四領域40のすぐ横、ないし近傍に
おいて第一領域10の主面にも部分71で示すようにオーミ
ック接触していると、第一領域10と第二領域20とにより
構成されるpn接合を逆バイアスする極性のサージが印加
され、従って第一領域10と第四領域40との接合が順バイ
アスされる関係となる時にも、当該pn接合がターンオン
する前に第二オーミック電極E2からオーミック接触領域
71を介し第一領域10中に当該第一領域10にとっての多数
キャリア(図示の導電型関係では電子)を流し込むこと
ができ、これによって第一領域10と第二領域20とで構成
されるpn接合の接合容量Cjを速やかに充電することがで
きるようになって、吸収を予定していない「小さなサー
ジ」には応答し難いサージ防護デバイス、いわゆるdV/
dt耐性の高いサージ防護デバイスを得ることができる。
【0069】もちろん、このように第一領域10に対し第
二オーミック電極E2が直接に接触するオーミック接触領
域71を作り、サージ印加の当初、逆バイアスされるpn接
合の接合容量充電のために第一領域10に多数キャリアの
注入を行なうようにしても、すでに説明した降伏現象の
開始以後はその基本的な動作自体に悪影響を及ぼすこと
はない。第一領域10と第三領域30間がパンチスルーした
後に上記の多数キャリアによる電流が増し、第四領域40
の主として厚味方向(深さ方向)の電圧降下が当該第四
領域40と第一領域10との間の接合の順方向電圧に等しく
なると、そのときからは第一領域10にとっての少数キャ
リアが第四領域40から注入され始めるため、以降、すで
に述べたメカニズムにより、デバイスの降伏からブレー
クオーバに至ることができる。そして、ブレークオーバ
した後は、デバイス中の主電流通路は最早第二オーミッ
ク電極E2と第一領域10とのオーミック接触領域71を介し
てではなく、第三領域30と第四領域40を介する経路とな
るため、これまで説明してきた、このようなオーミック
接触領域71を有さないデバイスにおける状態とほぼ等価
となる。なお、このような構成は、当然のことながら、
本発明の図3,4に示した実施形態においても併せて採
用することができる。
【0070】しかし、本発明の図1(B) に示した基本的
なバイポーラサージ防護デバイスに対しては、このよう
なオーミック接触領域71を設ける訳には行かない。第一
オーミック電極E1には第二領域20と第一領域10とに共に
オーミック接触する領域を、また第二オーミック電極E2
には第四領域40と第一領域10とにそれぞれオーミック接
触する領域を設けたのでは、デバイスは単なる抵抗線路
になってしまう。そこで先掲の公知文献5(特開平 4−
196358号公報)に開示されているように、そのようなバ
イポーラサージ防護デバイスにおいて同様の理屈でdV/
dt耐性を高めるためには、オーミック接触領域71をショ
ットキ接合領域72に変えれば良い。もちろん、図4に併
示の通り、ユニポーラサージ防護デバイスにおいても、
オーミック接触領域71をショットキ接合領域72に代えて
何等問題なく同等の効果が得られるが、ユニポーラサー
ジ防護デバイスの場合にはそれは必須のことではなく、
接合容量充電という意味からは単なる置換、選択の問題
に過ぎない。オーミック接触領域71ではなくショットキ
接合領域72でも満足なdV/dt耐性の向上効果が得られる
と言うである。
【0071】ところが、バイポーラサージ防護デバイス
では、上述の通り、ショットキ接合領域72であることが
重要である。第一領域10の多数キャリアで動作し、か
つ、逆耐圧を持つ接合でなければならないからである。
つまり、ショットキ接合として逆耐圧を持たせ、第一極
性のサージ印加時には一方のショットキ接合が逆バイア
スされて順バイアスされたショットキ接合からのみ第一
領域10に第一領域10とっての多数キャリアが注入され、
第二極性のサージ印加時には他方のショットキ接合が逆
バイアスされて順バイアスされるショットキ接合からの
み、第一領域10にとっての多数キャリアが注入される関
係にならなければならない。従って、図1(B) に示され
た本発明のバイポーラサージ防護デバイスに対し、この
ショットキ接合によるdV/dt耐性向上効果を持たせよう
とするならば、第二領域20と第一領域10間、及び第四領
域40と第一領域10間の双方に、図4にて第四領域40側の
片方についてのみ例示されているのと同じショットキ接
合領域72をそれぞれ設ける必要がある。
【0072】ただし、第一領域10との間でショットキ接
合領域72を形成するためのショットキメタルは、オーミ
ック電極E1,E2それ自体である場合はもちろん、図示は
していなが専用のメタル材料であって、これが第一領域
10とオーミック電極E1,E2との間に挟まれるようにして
両者に接触することでショットキ接合領域72が形成され
るようになっていても良い。
【0073】さらに、本発明のサージ防護デバイスに加
え得る改変例としては、第二領域20と第三領域30の組、
及びバイポーラサージ防護デバイスの場合にはさらに第
四領域40と第五領域50の組をそれぞれ複数組設けて、そ
れらを互いに並列接続することにより電流ないしキャリ
ア流の均一化を図り、諸特性やサージ耐量IPP を向上さ
せる等の他、同様の目的でも、第二領域20やバイポーラ
サージ防護デバイスの場合の第四領域40は一つである
が、その中に形成される第三領域30あるいはまた第五領
域50を複数個にする等の工夫もある。
【0074】また、ユニポーラサージ防護デバイスであ
って、特に図示のように縦型デバイスの場合、つまり第
二領域20と第三領域30が第一領域10の表裏両主面の一方
の主面側に設けられているならば第四領域40は第一領域
10の表裏両主面の他方の主面側にあって第二領域20と対
向するように設けられているデバイスの場合には、第三
領域30を互いに並設関係にある複数個から構成すると共
に、その各々は当該並設方向に沿っては相対的に短寸法
であり、並設方向と直交する方向には相対的に長寸法の
平面形状(つまりは長方形形状)を有するように形成
し、一方、第四領域40も互いに並設関係にある複数個か
ら構成し、かつ、その各々も、当該並設方向に沿っては
相対的に短寸法であり、並設方向と直交する方向には相
対的に長寸法の平面形状を有するように形成した上で、
複数個の第三領域30の並設方向と複数個の第四領域40の
並設方向とを平面投影的に見て互いに角度を置いて交叉
するようにし、それら複数個の第三領域30と複数個の第
四領域40とが平面投影的に見て互いに重なり合う部分を
有するように構成することができる。このような交叉構
造がどのような構造かは、以下のようにしてもう少し詳
しく説明できる。
【0075】例えば、図1(A) の断面構造において第三
領域30の今見えている断面が短寸法方向の断面であると
する。換言すれば、図1(A) 中において第三領域30は図
面紙面を表裏に抜ける方向に長寸法であるとする。こう
した場合、まず、このような第三領域30を一つではな
く、図面で左右方向に適宜離間させながら第二領域20内
に複数個並設する。一方、同じく図1(A) 中では、第四
領域40の短寸法方向の断面が見えているとすると、ここ
で問題にしている交叉構造を実現するためには、まず図
中では一つしか示されていない第四領域を図面紙面上で
左右方向に適宜離間した複数個から構成した上で、図面
で見て長寸法の断面が見えるように、それら複数の第四
領域40を平面上で一括して任意角度、代表的には例えば
90°捻った状態にする。こうすると、デバイスの上から
平面投影的に見て(透視的に見て)第三領域30と第四領
域40は互いに重なる部分を有するようになり、第四領域
40から注入される第一領域10にとっての少数キャリア流
が、あたかもスプリンクラのように万遍なく拡散するよ
うになって、当該少数キャリア流のデバイス内における
均一化に寄与する。これはもちろん、ブレークオーバ電
圧VBO ないしはブレークオーバ電流IBO や保持電流I
H等、設計上重要な各仕様値の安定化、均一化を生む。
【0076】そして、第四領域40から第一領域10への少
数キャリア注入を伴う降伏動作開始以降においても、第
一、第二オーミック電極E1,E2間を通じてブレークオー
バ電流IBO 以上の大きさの電流が流れた結果、本サージ
防護デバイスが正帰還現象を呈してブレークオーバし、
第一、第二オーミック電極E1,E2間の電圧を相対的に低
いクランプ電圧Vpに移行させながら当該サージ電流を吸
収するときにも、デバイス中を素子電流として流れるこ
のサージ電流はこの時に主たる電流通路の一端部を構成
するようになった各第三領域30から平面投影的に交叉関
係にある各第四領域40に対し万遍なく注がれるようにな
り、その結果、サージ耐量IPP もかなり高めることがで
きる。
【0077】当然、このような「交叉構造」は、図1
(B) に示したバイポーラサージ防護デバイスに対しても
組み込むことができ、上記と同様の効果を得ることがで
きる。つまり、それぞれ短寸法と長寸法とを有する矩形
形状の第三領域30と第五領域50をそれぞれ共に横方向に
離間した複数個から構成し、その上で複数個の第三領域
30の並設方向と複数個の第五領域50の並設方向が平面投
影的に見て互いに角度を置いて交叉するようにすること
で、それら複数個の第三領域30と複数個の第五領域50が
平面投影的に見て互いに重なり合う部分を有するように
すれば良い。もっとも、このような「交叉構造」と言う
考え方自体は、先掲の公知文献9(特開平5-55554号公
報)に詳しい。
【0078】図6には、本発明によるサージ防護デバイ
スの作製方法の好適な一例が示されている。ただし、特
徴ある工程部分を説明する必要上、第一領域10に設けら
れる第四領域40は省略してある。また、簡単のために、
一応はユニポーラサージ防護デバイスを念頭において説
明するが、バイポーラサージ防護デバイスの作製にも図
6の工程は応用でき、その場合には図中で第二領域20と
して示されている領域は第四領域40でもあるとして読
み、第三領域30として示されている領域は第五領域50で
あるとしても読む外、本発明により追加される不純物濃
度均一化領域11は不純物濃度均一化領域12でもあると読
む。
【0079】まず、図6(A) に示すように、シリコンウ
エハとして提供されたn-型の第一領域10の一主面上に表
面酸化膜63を形成し、さらにその上にレジスト64を塗布
してから、第二領域20の形成用平面パタンに従ってレジ
スト64をパターニングし、これをマスクとして公知既存
のエッチング手法で酸化膜63に開口を開ける。開口上に
はその後、自然酸化膜が残るかも知れないが、次いで第
一領域10の導電型とは逆導電型の不純物をイオン注入に
よって導入し、最終的にp-型の第二領域20となるべきp-
不純物導入領域23を形成する。ただし、イオン注入に代
えて、第一領域に開けられた開口の自然酸化膜を除去し
た状態での不純物拡散によっても、同じくp-不純物導入
領域23を形成することができる。以下に述べる他の領域
の形成に関与する不純物導入手法についても、記載され
ているのは望ましいものの例示であって限定的なもので
はなく、原則として適当な手法を採用すれば良い。この
点はまた、後に触れる図7,8の方法でも同様である。
【0080】次に図6(B) に示すように、新たに第一領
域10上に酸化膜65を形成した後、レジスト66を塗布し、
今度は最終的に図1(A) 中の不純物濃度均一化領域11と
なるべき領域の形成用平面パタンに従って第一領域10の
導電型と同じ導電型の不純物(従ってこの場合は n型不
純物)を均一なイオン注入によって第二領域20となるべ
きp-不純物導入領域23よりも深く導入する。これによ
り、最終的に当該不純物濃度均一化領域11となるべき領
域であって出発半導体ウエハの不純物濃度よりも濃い不
純物濃度を有し、その面内不純物濃度分布においてはよ
り小さな偏差を有する n型不純物導入領域15が形成され
る。もちろん、不純物導入領域15の不純物濃度は、作製
するサージ防護デバイスの目標降伏電圧を満たし得る値
に選ばれ、換言すると出発半導体ウエハの不純物濃度
は、不純物導入時(イオン注入時)のドーズ量に応じた
不純物濃度の高濃度化を見込んで薄めのものを選ぶ。
【0081】この後、図6(C) に示すように適当な温度
環境で適当な時間に亙りドライブイン工程を施し、実質
的にp-不純物導入領域23と n不純物導入領域15の厚味を
適当な厚さに増してから、上述の不純物濃度均一化領域
形成用の平面パタン(パタン化されたレジスト66)をそ
のまま用いてセルフアラインの関係で第三領域30となる
べきn+型不純物をイオン注入または不純物拡散により導
入し、n+不純物導入領域31を形成する。
【0082】こうした後、適当なる温度で適当な時間に
亙るドライブイン工程を付加することで、図6(D) に示
すように最終的に各領域の厚味が確定した状態で、第二
領域20を間に挟んで第三領域30と不純物濃度均一化領域
11とが対向し合い、かつ第三領域30と不純物濃度均一化
領域11とがセルフアラインの関係で作製された構造を得
ることができる。換言すると、第二領域20の全周に沿っ
てではなく、第三領域30と対向する部分にのみ不純物濃
度均一化領域11を設けると言う思想は、従前の不純物濃
度均一化領域11のないサージ防護デバイスの作製工程例
と比べてもマスクの増加がなく、極めて合理的である
し、特性的に見ても第三領域30と不純物濃度均一化領域
11とがセルフアラインにより形成されることで各特性値
に関し設計仕様値に近い値を得ることができ、デバイス
ごとのバラ付きを抑えることができる。なお、図示の場
合、第二領域20中に二つの第三領域30を形成する場合を
示しているが、第三領域30は一つでも良いし、既述した
目的のために複数個とする場合にも、その数は任意であ
る。このような領域の数の問題については、次に示す他
の作製工程例においても同様で、本来的に任意である。
さらに、最終的に形成される第三領域30の幅の方が不純
物均一化領域11の幅よりも広くなるように配慮して第三
領域形成用の不純物を導入し、処理すれば、第三領域30
の角部は厚味の厚い第二半導体領域20により覆われるこ
とになるので、第二半導体領域は図4に即して既述した
パンチスルー抑制領域21と生成領域22とを有するものと
なる。
【0083】図7は、本発明のサージ防護デバイス、特
に初期降伏の開始にパンチスルーを利用するタイプのサ
ージ防護デバイスを得るに好適な他の作製工程例を示し
ている。図6に即する説明と同様、特徴ある工程部分を
説明する必要上、第一領域10に設けられる第四領域40は
省略してあり、第二、第三領域20,30側についてしか示
していない。また、一連の本工程も、図1(A) に示した
ユニポーラサージ防護デバイスに限らず、図1(B) に示
したバイポーラサージ防護デバイスを作製する時もやは
り同様に適用することができる。その場合には、これも
先と同様、図中で第二領域20として示されている領域は
第四領域40でもあるとして読み、第三領域30として示さ
れている領域は第五領域50であるとしても読む外、本発
明により追加される不純物濃度均一化領域11は不純物濃
度均一化領域12でもあると読む。また、第二領域20のそ
れぞれ一部をなすパンチスルー生成用領域21は第四領域
40の対応するパンチスルー生成用領域としても読み、パ
ンチスルー抑制用領域22は同じく第四領域40のそれに対
応するパンチスルー抑制用領域としても読む。そしてこ
の点は、後に触れる図8に関しても同様とし、さらに当
該図8に示されている酸化膜61は酸化膜62としても、ま
た第一のオーミック電極E1は第二のオーミック電極E2と
しても読む。
【0084】まず、図7(A) に示すように、出発ウエハ
としてのシリコンウエハの一主面上にバッファ酸化膜6
7、シリコン窒化膜68を順次形成し、その上にフォトレ
ジスト層を形成してから将来第三領域30を形成するべき
面積領域を残すようにしてレジストパタン81を形成し、
このレジストパタン81をエッチングマスクとしてシリコ
ン窒化膜68をエッチングする。
【0085】次いで図7(B) に示すように、再度フォト
レジストを塗布してから図4に示した断面構造における
第二領域20の一部を構成するパンチスルー抑制用領域22
の形成用平面パタンに従って開口を開け、この開口を介
し第一領域10の導電型とは逆導電型の不純物、従ってこ
の場合はp型不純物をイオン注入により望ましくは高濃
度p+になるよう導入し、p+型不純物導入領域24を形成す
る。
【0086】この状態で適当なる温度で適当なる時間に
亙りドライブイン工程を施すと、図7(C) に示すように
p+型不純物導入領域24の厚味が増し、当該ドライブイン
条件の如何によって所望の厚味のパンチスルー抑制用領
域22を形成することができ、同時にまた、その表面のバ
ッファ酸化膜67の酸化膜厚は増すが、第三領域30の形成
用平面パタンに相当する部分に残っているシリコン窒化
膜68の下の酸化膜厚は一般に殆ど増さないようにでき
る。
【0087】次に、シリコン窒化膜68をその上に残って
いた酸化膜と共に除去すると、図7(D) に示すように、
上記のパンチスルー抑制用領域22の形成用平面パタンと
連続する平面パタンであって不純物濃度均一化領域11の
形成用平面パタンに相当する開口が表れる(この開口は
また、セルフアラインの関係で第二領域20のパンチスル
ー生成用領域21及び第三領域30の形成用開口ともな
る)。そこで、この開口を介し、第一領域10の導電型と
同じ導電型の不純物、従ってこの場合は n型不純物をイ
オン注入により導入してから好ましくは窒素雰囲気中で
ドライブインし、最終的に不純物濃度均一化領域11とな
るべき領域であって出発シリコン半導体ウエハの不純物
濃度よりも濃い不純物濃度を有し、その面内不純物濃度
分布においてはより小さな偏差を有する n不純物導入領
域15を形成する。
【0088】その後、図7(E) に示すように、同じ開口
パタン(平面パタン)に従って第一領域10の導電型とは
逆導電型の不純物、従ってこの場合はp型不純物をイオ
ン注入により望ましくは低濃度p-となるように導入して
から好ましくは窒素雰囲気中でドライブインし、不純物
濃度均一化領域11とセルフアラインの関係で、かつパン
チスルー抑制用領域22と接続した関係で、最終的に第二
領域20の一部を構成するパンチスルー生成用領域21とな
るべきp-不純物導入領域を形成する。
【0089】さらに引き続いて、同じく図7(E) に示さ
れているように、これも同一の開口パタンないし平面パ
タンに従い第一領域10の導電型と同じ導電型の不純物、
従ってこの場合は n型不純物をイオン注入により望まし
くは高濃度n+となるように導入して最終的に第三領域30
となるべき不純物導入領域を形成してから、好ましくは
窒素雰囲気中でドライブインすると、最終的にそれぞれ
の厚味が確定した状態で、不純物濃度均一化領域11及び
パンチスルー生成用領域21とセルフアラインの関係で第
三領域30が形成された、実質的に図4に示した断面構造
に相当するパンチスルー利用型のサージ防護デバイスが
作製される。ただし、この作製工程は、第二領域20が特
にパンチスルー抑制用領域22とパンチスルー生成用領域
22とから分かたれていないデバイスを作製する時にも、
上記の工程中でパンチスルー抑制用領域22となるべきp+
不純物導入領域22を形成する工程を省くことで適用する
ことができ、この場合にも結局、当該第二領域20と不純
物濃度均一化領域11及び第三領域30は、これら三者の間
で互いにセルフアラインの関係となる。
【0090】図8は、初期降伏の開始にパンチスルーを
利用するタイプの本発明サージ防護デバイスを作製する
に適当な、また別の工程例を示している。まず、図8
(A) に示すように、半導体ウエハとして提供される第一
領域10の表面上に酸化膜83とレジスト84の積層構造を形
成し、最終的に不純物濃度均一化領域11となるべき領域
の形成用平面パタン(図示の場合は二個所に並設の関係
にある)に従って公知既存のエッチング技術により開口
を開け、第一領域10の導電型と同じ導電型の不純物(従
って図示の場合は n型)をイオン注入(または図示しな
いが不純物拡散)により導入し、最終的に不純物濃度均
一化領域11となるべき領域であって半導体ウエハ10の不
純物濃度よりも濃い不純物濃度を有し、その面内方向の
不純物濃度分布においてはより小さな偏差を有するn+
の不純物導入領域15を形成する。
【0091】次いで、ドライブイン工程を経てから、図
8(B) に示すように新たに酸化膜85とレジスト86の積層
構造を形成し、この積層構造に対し、先に述べた不純物
濃度均一化領域の形成用平面パタンよりも広い開口であ
る第二領域20の形成用平面パタンを形成し、このパタン
に従って第一領域10の導電型とは逆導電型の不純物をイ
オン注入(または図示しないが不純物拡散)により導入
してからドライブインし、最終的に第二領域20となるべ
き不純物導入領域23を形成する。この部分の不純物濃度
は好ましくは低濃度とし、従って図示の場合はp-型とす
る。
【0092】その後、図8(C) に示すように、再度酸化
膜87とレジスト89の積層構造を形成し、この積層構造に
対し、上記した不純物濃度均一化領域11の形成用平面パ
タンよりも広いが第二領域20の形成用平面パタンよりも
狭い開口である第三領域形成用平面パタンを形成し、こ
のパタンに従って第一領域10の導電型と同じ導電型の不
純物で、より望ましくは高濃度な、すなわちこの場合は
n+型の不純物をイオン注入(やはり図示しないが不純物
拡散でも良い)により導入する。
【0093】その上でドライブイン処理を施すと、図8
(D) に示されているように、第二領域20にあって第三領
域30の角部を覆う部分を相対的に厚味の厚いパンチスル
ー抑制用領域22とし、第三領域30と不純物濃度均一化領
域11とが平面的に対向し合う部分を相対的に厚味の薄い
パンチスルー生成用領域21として、当該第二領域20のパ
ンチスルー生成用領域21とパンチスルー抑制用領域22、
不純物濃度均一化領域11、及び第三領域30の各々を、そ
れらのそれぞれの厚味を確定することで最終的に形成す
ることができる。
【0094】その後は、図8(D) に併示されているよう
に、公知既存の手法に従い、表面酸化膜61に適当な面積
のコンタクト開口を開け、これに第一オーミッ電極E1を
形成すれば良い。なお、先掲の図6,7中では、このオ
ーミック電極E1の作製についてまでは図示していない
が、それらにおいてももちろん、全く同様に、公知既存
の適当なる手法により、オーミック電極E1を形成するこ
とができる。
【0095】なお、図6,7に示されるように、また既
述もしたように、n+不純物濃度均一化領域11を第三領域
30と対向する部分にのみ設けることは、単にマスクの増
加を招かないで済むという利点の外、第二領域20と第一
領域10とで構成されるpn接合の耐圧を増すという効果も
生み(一般に拡散深さも深くできるので、この点でも耐
圧の向上効果が見込まれる)、その結果、平面的に見て
第二、第三領域20,30の周囲を囲んで耐圧を向上させる
ために一般に設けられてきた、第一領域10とは逆導電型
で高濃度な不純物領域であるガードリングは形成しない
で良い場合もあるという利点も生む。もちろん、図8に
示す工程に即して作製されたサージ防護デバイスでも、
同様に耐圧向上効果は得ることができ、ガードリングも
不要とし得ることが多い。
【0096】また、以上の説明は、先に述べた縦型、横
型の中、専ら縦型のサージ防護デバイスに関するものと
してなされてきたが、本発明サージ防護デバイスの基本
的な構造やその作製工程例は、第二領域20と第四領域40
とが第一領域10の一主面上において互いに並設の関係に
ある横型デバイスにも適用できる。さらに、本発明デバ
イスに必要な領域群中にあってどれかの領域の厚味が薄
くても良いとか、浅い位置にのみ設けられていれば良い
ような場合(動作電圧が低いデバイスを作製する時にこ
のようになり易い)には、上記で例示したそれぞれの作
製工程例中、当該領域の厚味を増すためとか、当該領域
形成用の不純物を深さ方向に深く拡散するために用いら
れたドライブイン工程等は不要になることもある。
【0097】
【発明の効果】本発明によると、出発半導体ウエハには
面内方向の不純物濃度分布における偏差の大きなものを
用いざるを得なかったにしても、当該ウエハ内に複数個
作製された個々のサージ防護デバイス間においては降伏
電圧の偏差を小さくすることができる。その結果また、
個々のデバイス内に降伏に関与する領域が複数個並設さ
れている場合にはそれらの間においての、また複数のデ
バイスを並列接続して用いる時にはそれらデバイス間で
の動作均一性、並列同時動作性を高めることができるた
め、結果としてサージ耐量IPP も増すことができるし、
デバイスごとの諸特性値のバラ付きも少なくし得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成されたサージ防護デバイス
の概略的断面構成図である。
【図2】本発明において採用する第一領域の面内不純物
濃度分布の偏差解消に関する説明図である。
【図3】本発明の他の実施形態に関する概略的断面構造
図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態に関する概略的断
面構造図である。
【図5】本発明のまた別な実施形態に関する概略的断面
構造図である。
【図6】本発明のサージ防護デバイスの作製に係る要部
工程例の説明図である。
【図7】本発明のサージ防護デバイスの作製に係る別な
要部工程例の説明図である。
【図8】本発明のサージ防護デバイスの作製に係るさら
に別な要部工程例の説明図である。
【図9】本発明が改良の対象とするサージ防護デバイス
の基本的な断面構造とサージ吸収動作に係る電流対電圧
特性に関する説明図である。
【符号の説明】
10 第一半導体領域, 11(第一)不純物濃度均一化領域, 12(第二)不純物濃度均一化領域, 13 不純物濃度均一化領域, 15 n不純物導入領域, 20 第二半導体領域, 21 第二半導体領域中のパンチスルー生成用領域, 22 第二半導体領域中のパンチスルー抑制用領域, 23 p-不純物濃度均一化領域, 24 p+不純物濃度均一化領域, 30 第三領域, 31 n+不純物濃度均一化領域, 40 第四領域, 50 第五領域, 71 オーミック接触領域, 72 ショットキ接合領域, E1 第一オーミック電極, E2 第二オーミック電極 T1 第一素子端子, T2 第二素子端子.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒石 憲一 埼玉県所沢市下富840番地 シチズン時計 株式会社技術研究所LSI開発センター内

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウエハとして提供される第一半導
    体領域と,該第一半導体領域中に作り込まれ、該第一半
    導体領域の導電型とは逆導電型で該第一半導体領域との
    間でpn接合を形成する第二の半導体領域と,該第二半導
    体領域中に少数キャリアを注入するために該第二半導体
    領域との間で少数キャリア注入接合を形成する領域であ
    って、該第一半導体領域と対向して該第二半導体領域に
    接触する一つの、または互いに並設された複数個の第三
    領域と,該第一半導体領域中に少数キャリアを注入する
    ために該第一半導体領域との間で少数キャリア注入接合
    を形成する領域であって、該第一半導体領域に接触する
    一つの、または互いに並設された複数個の第四領域と,
    該第二半導体領域の表面と該第三領域の表面とに共にオ
    ーミック接触する第一のオーミック電極と,該第四領域
    にオーミック接触する第二のオーミック電極と,を有
    し、該第一、第二のオーミック電極間に上記pn接合を逆
    バイアスする極性で降伏電圧以上の電圧のサージが印加
    されると降伏し、該第一、第二のオーミック電極間にて
    サージ電流を吸収し始めると共に、該降伏後、上記第四
    領域から上記第一半導体領域への少数キャリアの注入と
    上記第三領域から上記第二半導体領域への少数キャリア
    の注入との相乗効果により、該降伏後に吸収し始めたサ
    ージ電流の大きさがブレークオーバ電流以上になると正
    帰還現象を呈してブレークオーバし、該第一、第二のオ
    ーミック電極間の電圧を該降伏電圧より低いクランプ電
    圧に移行させながら該サージ電流を吸収する二端子ブレ
    ークオーバ型のサージ防護デバイスであって;上記半導
    体ウエハとして提供される上記第一半導体領域の一部で
    あって上記第二半導体領域との間で上記pn接合を形成す
    る領域部分は、面内方向の不純物濃度分布の偏差が該半
    導体ウエハにおけるそれよりも小さくなるように、該半
    導体ウエハの外部から該半導体ウエハに対し意図的に該
    半導体ウエハの導電型と同じ導電型の不純物が導入され
    た不純物濃度均一化領域となっていること;を特徴とす
    るサージ防護デバイス。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のサージ防護デバイスであ
    って;上記第四領域は上記第一半導体領域内に作り込ま
    れた半導体領域であり;該第一半導体領域の一部であっ
    て該第四領域との間で上記少数キャリア注入接合を形成
    する領域部分は、不純物濃度分布偏差が小さくなるよう
    に、該半導体ウエハの外部から該半導体ウエハに対して
    意図的に該半導体ウエハの導電型と同じ導電型の不純物
    が導入された不純物濃度均一化領域となっていること;
    を特徴とするサージ防護デバイス。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のサージ防護デバイスであ
    って;上記pn接合を逆バイアスする極性のサージの印加
    に基づく上記降伏は、該逆バイアスにより上記第二半導
    体領域を介してその厚味方向に空乏層が伸び、該空乏層
    が上記第三領域に到達することにより上記不純物濃度均
    一化領域と該第三領域間がパンチスルーすることで開始
    されるものであり;上記第二半導体領域は、上記空乏層
    を伸ばさせるべきパンチスルー生成用領域と、該空乏層
    の伸びを抑えるパンチスルー抑制用領域とから構成さ
    れ;該パンチスルー抑制用領域は、該第三領域の角部を
    覆うか、または該第三領域の側部に沿って伸びて上記不
    純物濃度均一化領域の側部にまで至るように設けられて
    いる一方;該パンチスルー生成用領域は、該第三領域と
    上記不純物濃度均一化領域とが対向し合い、均一なパン
    チスルーを起こし得る平坦な部分同志の間にのみ設けら
    れていること;を特徴とするサージ防護デバイス。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のサージ防護デバイスであ
    って;上記パンチスルー生成用領域と上記パンチスルー
    抑制用領域は共に同じ導電型であるが、該パンチスルー
    抑制用領域の方が該パンチスルー生成用領域に比べ、相
    対的に高不純物濃度な領域として構成されていること;
    を特徴とするサージ防護デバイス。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のサージ防護デバイスであ
    って;上記パンチスルー生成用領域と上記パンチスルー
    抑制用領域は共に同じ導電型であるが、該パンチスルー
    抑制用領域の方が該パンチスルー生成用領域に比べ、相
    対的に厚味の厚い領域として構成されていること;を特
    徴とするサージ防護デバイス。
  6. 【請求項6】 請求項3記載のサージ防護デバイスであ
    って;上記パンチスルー生成用領域と上記パンチスルー
    抑制用領域は共に同じ導電型であるが、該パンチスルー
    抑制用領域の方が該パンチスルー生成用領域に比べ、相
    対的に高不純物濃度で、かつ、相対的に厚味の厚い領域
    として構成されていること;を特徴とするサージ防護デ
    バイス。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のサージ防護デバイスであ
    って;上記第二のオーミック電極は上記第一半導体領域
    に対してもオーミック接触していること;を特徴とする
    サージ防護デバイス。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のサージ防護デバイスであ
    って;上記第二のオーミック電極に対して電気的に接続
    したショットキメタルを上記第一半導体領域に接触させ
    ることで構成され、該第一半導体領域にとっての多数キ
    ャリアで動作するショットキ接合を有すること;を特徴
    とするサージ防護デバイス。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のサージ防護デバイスであ
    って;上記ショットキメタルは上記第二のオーミック電
    極自体により構成されていること;を特徴とするサージ
    防護デバイス。
  10. 【請求項10】 請求項8記載のサージ防護デバイスで
    あって;上記ショットキメタルは上記第二のオーミック
    電極とは異なる材料で構成されていること;を特徴とす
    るサージ防護デバイス。
  11. 【請求項11】 請求項1記載のサージ防護デバイスで
    あって;上記不純物濃度均一化領域は、上記第三領域と
    対向する平坦な面積部分においてのみ、上記第二半導体
    領域と接触するように設けられていること;を特徴とす
    るサージ防護デバイス。
  12. 【請求項12】 請求項1記載のサージ防護デバイスで
    あって;上記第二半導体領域及び上記第三領域は上記第
    一半導体領域の表裏両主面の一方の主面側に設けられ;
    上記第四領域は該第一半導体領域の表裏両主面の他方の
    主面側にあって該第二半導体領域と対向するように設け
    られていると共に;上記第三領域は互いに並設関係にあ
    る複数個から構成され;該複数個の第三領域の各々は該
    並設方向に沿っては相対的に短寸法であり、該並設方向
    と直交する方向には相対的に長寸法の平面形状を有し;
    上記第四領域も互いに並設関係にある複数個から構成さ
    れ;該複数個の第四領域の各々も該並設方向に沿っては
    相対的に短寸法であり、該並設方向と直交する方向には
    相対的に長寸法の平面形状を有する一方で;上記複数個
    の第三領域の上記並設方向と上記複数個の第四領域の上
    記並設方向が平面投影的に見て互いに角度を置いて交叉
    することにより、該複数個の第三領域と該複数個の第四
    領域は該平面投影的に見て互いに重なり合う部分を有す
    ること;を特徴とするサージ防護デバイス。
  13. 【請求項13】 請求項1記載のサージ防護デバイスで
    あって;上記第三領域は、上記不純物濃度均一化領域と
    セルフアラインの関係で作製された領域であること;を
    特徴とするサージ防護デバイス。
  14. 【請求項14】 請求項1記載のサージ防護デバイスで
    あって;上記第三領域は、上記不純物濃度均一化領域及
    び上記第二半導体領域とセルフアラインの関係で作製さ
    れた領域であること;を特徴とするサージ防護デバイ
    ス。
  15. 【請求項15】 請求項3記載のサージ防護デバイスで
    あって;上記第三領域は、上記不純物濃度均一化領域及
    び上記第二半導体領域の一部を構成する上記パンチスル
    ー生成用領域とセルフアラインの関係で作製された領域
    であること;を特徴とするサージ防護デバイス。
  16. 【請求項16】 半導体ウエハとして提供される第一半
    導体領域と,該第一半導体領域中に作り込まれ、該第一
    半導体領域の導電型とは逆導電型で該第一半導体領域と
    の間で第一のpn接合を形成する第二の半導体領域と,該
    第二半導体領域中に少数キャリアを注入するために該第
    二半導体領域との間で少数キャリア注入接合を形成する
    領域であって、該第一半導体領域と対向して該第二半導
    体領域に接触する一つの、または互いに並設された複数
    個の第三領域と,該第一半導体領域中に作り込まれ、該
    第一半導体領域の導電型とは逆導電型で該第一半導体領
    域との間で第二のpn接合を形成する第四の半導体領域
    と,該第四半導体領域中に少数キャリアを注入するため
    に該第四半導体領域との間で少数キャリア注入接合を形
    成する領域であって、該第一半導体領域と対向して該第
    四半導体領域に接触する一つの、または互いに並設され
    た複数個の第五領域と,該第二半導体領域の表面と該第
    三領域の表面とに共にオーミック接触する第一のオーミ
    ック電極と,該第四半導体領域の表面と該第五領域の表
    面とに共にオーミック接触する第二のオーミック電極
    と,を有し、該第一、第二のオーミック電極間に上記第
    一のpn接合を逆バイアスする第一の極性で降伏電圧以上
    の電圧のサージが印加されると降伏し、該第一、第二の
    オーミック電極間にてサージ電流を吸収し始めると共
    に、該降伏後、上記第四半導体領域から上記第一半導体
    領域への少数キャリアの注入と上記第三領域から上記第
    二半導体領域への少数キャリアの注入との相乗効果によ
    り、該降伏後に吸収し始めたサージ電流の大きさがブレ
    ークオーバ電流以上になると正帰還現象を呈してブレー
    クオーバし、該第一、第二のオーミック電極間の電圧を
    該降伏電圧より低いクランプ電圧に移行させながら該第
    一の極性のサージ電流を吸収する一方;該第一、第二の
    オーミック電極間に上記第二のpn接合を逆バイアスする
    第二の極性で降伏電圧以上の電圧のサージが印加される
    と降伏し、該第一、第二のオーミック電極間にてサージ
    電流を吸収し始めると共に、該降伏後、上記第二半導体
    領域から上記第一半導体領域への少数キャリアの注入と
    上記第五領域から上記第四半導体領域への少数キャリア
    の注入との相乗効果により、該降伏後に吸収し始めたサ
    ージ電流の大きさがブレークオーバ電流以上になると正
    帰還現象を呈してブレークオーバし、該第一、第二のオ
    ーミック電極間の電圧を該降伏電圧より低いクランプ電
    圧に移行させながら該第二の極性のサージ電流も吸収す
    る二端子ブレークオーバ型のサージ防護デバイスであっ
    て;上記半導体ウエハとして提供される上記第一半導体
    領域の一部であって上記第二半導体領域との間で上記第
    一のpn接合を形成する領域部分は、面内方向の不純物濃
    度分布の偏差が該半導体ウエハにおけるそれよりも小さ
    くなるように、該半導体ウエハの外部から該半導体ウエ
    ハに対し意図的に該半導体ウエハの導電型と同じ導電型
    の不純物が導入された第一の不純物濃度均一化領域とな
    っており;同じく該第一半導体領域の他の一部であって
    上記第四半導体領域との間で上記第二のpn接合を形成す
    る領域部分も、面内方向の不純物濃度分布の偏差が該半
    導体ウエハにおけるそれよりも小さくなるように、該半
    導体ウエハの外部から該半導体ウエハに対し意図的に該
    半導体ウエハの導電型と同じ導電型の不純物が導入され
    た第二の不純物濃度均一化領域となっていること;を特
    徴とするサージ防護デバイス。
  17. 【請求項17】 請求項16記載のサージ防護デバイスで
    あって;上記第一のpn接合を逆バイアスする第一の極性
    のサージの印加に基づく上記降伏は、該第一のpn接合の
    逆バイアスにより上記第二半導体領域を介してその厚味
    方向に空乏層が伸び、該空乏層が上記第三領域に到達す
    ることにより上記第一の不純物濃度均一化領域と該第三
    領域間がパンチスルーすることで開始されるものである
    と共に;上記第二のpn接合を逆バイアスする第二の極性
    のサージの印加に基づく上記降伏も、該第二のpn接合の
    逆バイアスにより上記第四半導体領域を介してその厚味
    方向に空乏層が伸び、該空乏層が上記第五領域に到達す
    ることにより上記第二の不純物濃度均一化領域と該第五
    領域間がパンチスルーすることで開始されるものであ
    り;上記第二半導体領域は、上記空乏層を伸ばさせるべ
    きパンチスルー生成用領域と、該空乏層の伸びを抑える
    パンチスルー抑制用領域とから構成され;該第二半導体
    領域の該パンチスルー抑制用領域は、上記第三領域の角
    部を覆うか、または該第三領域の側部に沿って伸びて上
    記第一の不純物濃度均一化領域の側部にまで至るように
    設けられている一方;該第二半導体領域の該パンチスル
    ー生成用領域は、該第一の不純物濃度均一化領域と該第
    三領域とが対向し合い、均一なパンチスルーを起こし得
    る平坦な部分同志の間にのみ設けられ;上記第四半導体
    領域も、上記空乏層を伸ばさせるべきパンチスルー生成
    用領域と、該空乏層の伸びを抑えるパンチスルー抑制用
    領域とから構成され;該第四半導体領域の該パンチスル
    ー抑制用領域は、上記第五領域の角部を覆うか、該第五
    領域の側部に沿って伸びて上記第二の不純物濃度均一化
    領域の側部にまで至るように設けられている一方;該第
    四半導体領域の該パンチスルー生成用領域は、該第二の
    不純物濃度均一化領域と該第五領域とが対向し合い、均
    一なパンチスルーを起こし得る平坦な部分同志の間にの
    み設けられていること;を特徴とするサージ防護デバイ
    ス。
  18. 【請求項18】 請求項17記載のサージ防護デバイスで
    あって;上記パンチスルー生成用領域と上記パンチスル
    ー抑制用領域は共に同じ導電型であるが、該パンチスル
    ー抑制用領域の方が該パンチスルー生成用領域に比べ、
    相対的に高不純物濃度な領域として構成されているこ
    と;を特徴とするサージ防護デバイス。
  19. 【請求項19】 請求項17記載のサージ防護デバイスで
    あって;上記パンチスルー生成用領域と上記パンチスル
    ー抑制用領域は共に同じ導電型であるが、該パンチスル
    ー抑制用領域の方が該パンチスルー生成用領域に比べ、
    相対的に厚味の厚い領域として構成されていること;を
    特徴とするサージ防護デバイス。
  20. 【請求項20】 請求項17記載のサージ防護デバイスで
    あって;上記パンチスルー生成用領域と上記パンチスル
    ー抑制用領域は共に同じ導電型であるが、該パンチスル
    ー抑制用領域の方が該パンチスルー生成用領域に比べ、
    相対的に高不純物濃度で、かつ、相対的に厚味の厚い領
    域として構成されていること;を特徴とするサージ防護
    デバイス。
  21. 【請求項21】 請求項16記載のサージ防護デバイスで
    あって;上記第二のオーミック電極に対して電気的に接
    続したショットキメタルを上記第一半導体領域に接触さ
    せることで構成され、該第一半導体領域にとっての多数
    キャリアで動作する第一のショットキ接合と;上記第一
    のオーミック電極に対して電気的に接続したショットキ
    メタルを上記第一半導体領域に接触させることで構成さ
    れ、該第一半導体領域にとっての多数キャリアで動作す
    る第二のショットキ接合と;を有することを特徴とする
    サージ防護デバイス。
  22. 【請求項22】 請求項21記載のサージ防護デバイスで
    あって;上記第一のショットキ接合を構成する上記ショ
    ットキメタルは上記第二のオーミック電極自体により構
    成されていると共に;上記第二のショットキ接合を構成
    する上記ショットキメタルは上記第一のオーミック電極
    自体により構成されていること;を特徴とするサージ防
    護デバイス。
  23. 【請求項23】 請求項21記載のサージ防護デバイスで
    あって;上記第一のショットキ接合を構成するショット
    キメタルは上記第二のオーミック電極とは異なる材料で
    構成されていると共に;上記第二のショットキ接合を構
    成するショットキメタルは上記第一のオーミック電極と
    は異なる材料で構成されていること;を特徴とするサー
    ジ防護デバイス。
  24. 【請求項24】 請求項16記載のサージ防護デバイスで
    あって;上記第一の不純物濃度均一化領域は、上記第三
    領域と対向する平坦な面積部分においてのみ、上記第二
    半導体領域と接触するように設けられている一方;上記
    第二の不純物濃度均一化領域は、上記第五領域と対向す
    る平坦な面積部分においてのみ、上記第四半導体領域と
    接触するように設けられていること;を特徴とするサー
    ジ防護デバイス。
  25. 【請求項25】 請求項16記載のサージ防護デバイスで
    あって;上記第二半導体領域及び上記第三領域は上記第
    一半導体領域の表裏両主面の一方の主面側に設けられ;
    上記第四半導体領域及び上記第五領域は該第一半導体領
    域の表裏両主面の他方の主面側にあって該第二半導体領
    域と対向するように設けられていると共に;上記第三領
    域は互いに並設関係にある複数個から構成され;該複数
    個の第三領域の各々は該並設方向に沿っては相対的に短
    寸法であり、該並設方向と直交する方向には相対的に長
    寸法の平面形状を有し;上記第五領域も互いに並設関係
    にある複数個から構成され;該複数個の第五領域の各々
    も該並設方向に沿っては相対的に短寸法であり、該並設
    方向と直交する方向には相対的に長寸法の平面形状を有
    する一方で;上記複数個の第三領域の上記並設方向と上
    記複数個の第五領域の上記並設方向が平面投影的に見て
    互いに角度を置いて交叉することにより、該複数個の第
    三領域と該複数個の第五領域は該平面投影的に見て互い
    に重なり合う部分を有すること;を特徴とするサージ防
    護デバイス。
  26. 【請求項26】 請求項16記載のサージ防護デバイスで
    あって;上記第三領域は、上記第一の不純物濃度均一化
    領域とセルフアラインの関係で作製された領域であり;
    上記第五領域は、上記第二の不純物濃度均一化領域とセ
    ルフアラインの関係で作製された領域であること;を特
    徴とするサージ防護デバイス。
  27. 【請求項27】 請求項16記載のサージ防護デバイスで
    あって;上記第三領域は、上記第一の不純物濃度均一化
    領域及び上記第二半導体領域とセルフアラインの関係で
    作製された領域であり;上記第五領域は、上記第二の不
    純物濃度均一化領域及び上記第四半導体領域とセルフア
    ラインの関係で作製された領域であること;を特徴とす
    るサージ防護デバイス。
  28. 【請求項28】 請求項17記載のサージ防護デバイスで
    あって;上記第三領域は、上記第一の不純物濃度均一化
    領域及び上記第二半導体領域の一部を構成する上記パン
    チスルー生成用領域とセルフアラインの関係で作製され
    た領域であり;上記第五領域は、上記第二の不純物濃度
    均一化領域及び上記第四半導体領域の一部を構成する上
    記パンチスルー生成用領域とセルフアラインの関係で作
    製された領域であること;を特徴とするサージ防護デバ
    イス。
  29. 【請求項29】 請求項1記載のサージ防護デバイスの
    作製方法であって;上記第一半導体領域中にまずは上記
    第二半導体領域を形成し;その後、該第二半導体領域よ
    りも深い位置に上記半導体ウエハの導電型と同じ導電型
    の不純物を導入することで上記不純物濃度均一化領域を
    形成してから上記第三領域をセルフアラインで形成する
    こと;を特徴とするサージ防護デバイスの作製方法。
  30. 【請求項30】 請求項1記載のサージ防護デバイスの
    作製方法であって;上記第二半導体領域及び上記第三領
    域を形成する前に、上記第一半導体領域中において該第
    二半導体領域及び該第三領域を形成するべき領域に上記
    不純物濃度均一化領域を形成しておき;該不純物濃度均
    一化領域中に該第二半導体領域及び該第三領域を順にセ
    ルフアラインで形成すること;を特徴とするサージ防護
    デバイスの作製方法。
  31. 【請求項31】 請求項3記載のサージ防護デバイスの
    作製方法であって;上記第一半導体領域中に上記第二半
    導体領域の一部となる上記パンチスルー抑制用領域を形
    成し;その後、上記第二半導体領域の残りの一部となる
    上記パンチスルー生成用領域及び上記第三領域を形成す
    る前に、上記第一半導体領域中において上記パンチスル
    ー抑制用領域に囲まれた該パンチスルー生成用領域及び
    該第三領域を形成するべき領域に上記不純物濃度均一化
    領域を形成し;該不純物濃度均一化領域中に該パンチス
    ルー生成用領域と該第三領域を順にセルフアラインで形
    成すること;を特徴とするサージ防護デバイスの作製方
    法。
  32. 【請求項32】 請求項16記載のサージ防護デバイスの
    作製方法であって;上記第一半導体領域中に上記第二半
    導体領域を形成し;その後、該第二半導体領域よりも深
    い位置に上記半導体ウエハの導電型と同じ導電型の不純
    物を導入することで上記第一の不純物濃度均一化領域を
    形成してから上記第三領域をセルフアラインで形成する
    と共に;同じく上記第一半導体領域中に上記第四半導体
    領域を形成し;その後、該第四半導体領域よりも深い位
    置に上記半導体ウエハの導電型と同じ導電型の不純物を
    導入することで上記第二の不純物濃度均一化領域を形成
    してから上記第五領域をセルフアラインで形成するこ
    と;を特徴とするサージ防護デバイスの作製方法。
  33. 【請求項33】 請求項16記載のサージ防護デバイスの
    作製方法であって;上記第二半導体領域及び上記第三領
    域を形成する前に、上記第一半導体領域中において該第
    二半導体領域及び該第三領域を形成するべき領域に上記
    第一の不純物濃度均一化領域を形成しておき;該第一の
    不純物濃度均一化領域中に該第二半導体領域と該第三領
    域を順にセルフアラインで形成すると共に;上記第四半
    導体領域及び上記第五領域を形成する前に、上記第一半
    導体領域中において該第四半導体領域及び該第五領域を
    形成するべき領域に上記第二の不純物濃度均一化領域を
    形成しておき;該第二の不純物濃度均一化領域中に該第
    四半導体領域と該第五領域を順にセルフアラインで形成
    すること;を特徴とするサージ防護デバイスの作製方
    法。
  34. 【請求項34】 請求項17記載のサージ防護デバイスの
    作製方法であって;上記第一半導体領域中に上記第二半
    導体領域の一部となる上記パンチスルー抑制用領域を形
    成し;その後、上記第二半導体領域の残りの一部となる
    上記パンチスルー生成用領域及び上記第三領域を形成す
    る前に、上記第一半導体領域中において上記パンチスル
    ー抑制用領域に囲まれた該パンチスルー生成用領域及び
    該第三領域を形成するべき領域に上記第一の不純物濃度
    均一化領域を形成し;該第一の不純物濃度均一化領域中
    に該第二半導体領域の該パンチスルー生成用領域と該第
    三領域を順にセルフアラインで形成する一方;上記第一
    半導体領域中に上記第四半導体領域の一部となる上記パ
    ンチスルー抑制用領域を形成し;その後、上記第四半導
    体領域及び上記第五領域を形成する前に、上記第一半導
    体領域中において上記パンチスルー抑制用領域に囲まれ
    た該第四半導体領域の残りの一部となる上記パンチスル
    ー生成用領域及び該第五領域を形成するべき領域に上記
    第二の不純物濃度均一化領域を形成し;該第二の不純物
    濃度均一化領域中に該第四半導体領域の該パンチスルー
    生成用領域と該第五領域を順にセルフアラインで形成す
    ること;を特徴とするサージ防護デバイスの作製方法。
  35. 【請求項35】 請求項1記載のサージ防護デバイスの
    作製方法であって;上記半導体ウエハとして提供される
    上記第一半導体領域に対し、上記第二半導体領域の形成
    用平面パタンに従って該第一半導体領域の導電型とは逆
    導電型の不純物を導入し、最終的に該第二半導体領域と
    なるべき不純物導入領域を形成する工程と;上記不純物
    濃度均一化領域の形成用平面パタンに従って該第一半導
    体領域の導電型と同じ導電型の不純物を上記第二半導体
    領域となるべき不純物導入領域よりも深く導入し、最終
    的に該不純物濃度均一化領域となるべき領域であって上
    記半導体ウエハの不純物濃度よりも濃い不純物濃度を有
    し、その面内方向の不純物濃度分布においてはより小さ
    な偏差を有する不純物導入領域を形成する工程と;上記
    不純物濃度均一化領域の形成用平面パタンと同じ平面パ
    タンに従って上記第一半導体領域の導電型と同じ導電型
    の不純物を浅く導入し、該不純物濃度均一化領域とセル
    フアラインの関係で最終的に上記第三領域となるべき不
    純物導入領域を形成する工程と;を含むことを特徴とす
    るサージ防護デバイスの作製方法。
  36. 【請求項36】 請求項1記載のサージ防護デバイスの
    作製方法であって;上記半導体ウエハとして提供される
    上記第一半導体領域に対し、上記不純物濃度均一化領域
    の形成用平面パタンに従って該第一半導体領域の導電型
    と同じ導電型の不純物を導入し、最終的に上記不純物濃
    度均一化領域となるべき領域であって上記半導体ウエハ
    の不純物濃度よりも濃い不純物濃度を有し、その面内方
    向の不純物濃度分布においてはより小さな偏差を有する
    不純物導入領域を形成する工程と;上記不純物濃度均一
    化領域の形成用平面パタンと同じ平面パタンに従って該
    第一半導体領域の導電型とは逆導電型の不純物を導入
    し、該不純物濃度均一化領域とセルフアラインの関係で
    最終的に上記第二半導体領域となるべき不純物導入領域
    を形成する工程と;上記不純物濃度均一化領域の形成用
    平面パタンと同じ平面パタンに従って該第一半導体領域
    の導電型と同じ導電型の不純物を導入し、該不純物濃度
    均一化領域とセルフアラインの関係で最終的に上記第三
    領域となるべき不純物導入領域を形成する工程と;を含
    むことを特徴とするサージ防護デバイスの作製方法。
  37. 【請求項37】 請求項3記載のサージ防護デバイスの
    作製方法であって;上記半導体ウエハとして提供される
    上記第一半導体領域に対し、上記第二半導体領域の一部
    を構成する上記パンチスルー抑制用領域の形成用平面パ
    タンに従って該第一半導体領域の導電型とは逆導電型の
    不純物を導入し、最終的に該パンチスルー抑制用領域と
    なるべき不純物導入領域を形成する工程と;上記パンチ
    スルー抑制用領域の形成用平面パタンと連続する平面パ
    タンであって上記不純物濃度均一化領域の形成用平面パ
    タンに従って該第一半導体領域の導電型と同じ導電型の
    不純物を導入し、最終的に上記不純物濃度均一化領域と
    なるべき領域であって上記半導体ウエハの不純物濃度よ
    りも濃い不純物濃度を有し、その面内方向の不純物濃度
    分布においてはより小さな偏差を有する不純物導入領域
    を形成する工程と;上記不純物濃度均一化領域の形成用
    平面パタンと同じ平面パタンに従って該第一半導体領域
    の導電型とは逆導電型の不純物を導入し、上記不純物濃
    度均一化領域とセルフアラインの関係で、かつ上記パン
    チスルー抑制用領域と接続した関係で、最終的に上記第
    二半導体領域の一部を構成する上記パンチスルー生成用
    領域となるべき不純物導入領域を形成する工程と;上記
    不純物濃度均一化領域の形成用平面パタンと同じ平面パ
    タンに従って該第一半導体領域の導電型と同じ導電型の
    不純物を導入し、該不純物濃度均一化領域及び該パンチ
    スルー生成用領域とセルフアラインの関係で最終的に上
    記第三領域となるべき不純物導入領域を形成する工程
    と;を含むことを特徴とするサージ防護デバイスの作製
    方法。
  38. 【請求項38】 請求項3記載のサージ防護デバイスの
    作製方法であって;上記半導体ウエハとして提供される
    上記第一半導体領域に対し、上記不純物濃度均一化領域
    の形成用平面パタンに従って該第一半導体領域の導電型
    と同じ導電型の不純物を導入し、最終的に上記不純物濃
    度均一化領域となるべき領域であって上記半導体ウエハ
    の不純物濃度よりも濃い不純物濃度を有し、その面内方
    向の不純物濃度分布においてはより小さな偏差を有する
    不純物導入領域を形成する工程と;上記不純物濃度均一
    化領域の形成用平面パタンよりも広い開口の第二半導体
    領域形成用平面パタンに従って該第一半導体領域の導電
    型とは逆導電型の不純物を導入し、最終的に上記第二半
    導体領域となるべき不純物導入領域を形成する工程と;
    上記不純物濃度均一化領域の形成用平面パタンよりも広
    いが上記第二半導体領域形成用平面パタンよりも狭い開
    口の第三領域形成用平面パタンに従って該第一半導体領
    域の導電型と同じ導電型の不純物を導入する工程と;を
    含み、上記第二半導体領域にあって上記第三領域の角部
    を覆う部分を相対的に厚味の厚い上記パンチスルー抑制
    用領域とし、該第三領域と該不純物濃度均一化領域とが
    平面的に対向し合う部分を相対的に厚味の薄い上記パン
    チスルー生成用領域とすること;を特徴とするサージ防
    護デバイスの作製方法。
  39. 【請求項39】 請求項16記載のサージ防護デバイスの
    作製方法であって;上記半導体ウエハとして提供される
    上記第一半導体領域に対し、上記第二半導体領域の形成
    用平面パタンに従って該第一半導体領域の導電型とは逆
    導電型の不純物を導入し、最終的に該第二半導体領域と
    なるべき不純物導入領域を形成する工程と;上記第一の
    不純物濃度均一化領域の形成用平面パタンに従って該第
    一半導体領域の導電型と同じ導電型の不純物を上記第二
    半導体領域となるべき不純物導入領域よりも深く導入
    し、最終的に上記第一の不純物濃度均一化領域となるべ
    き領域であって上記半導体ウエハの不純物濃度よりも濃
    い不純物濃度を有し、その面内方向の不純物濃度分布に
    おいてはより小さな偏差を有する不純物導入領域を形成
    する工程と;上記第一の不純物濃度均一化領域の形成用
    平面パタンと同じ平面パタンに従って上記第一半導体領
    域の導電型と同じ導電型の不純物を浅く導入し、該第一
    の不純物濃度均一化領域とセルフアラインの関係で最終
    的に上記第三領域となるべき不純物導入領域を形成する
    工程と;同じく上記半導体ウエハとして提供される上記
    第一半導体領域に対し、上記第四半導体領域の形成用平
    面パタンに従って該第一半導体領域の導電型とは逆導電
    型の不純物を導入し、最終的に該第四半導体領域となる
    べき不純物導入領域を形成する工程と;上記第二の不純
    物濃度均一化領域の形成用平面パタンに従って該第一半
    導体領域の導電型と同じ導電型の不純物を上記第四半導
    体領域となるべき不純物導入領域よりも深く導入し、最
    終的に上記第二の不純物濃度均一化領域となるべき領域
    であって上記半導体ウエハの不純物濃度よりも濃い不純
    物濃度を有し、その面内方向の不純物濃度分布において
    はより小さな偏差を有する不純物導入領域を形成する工
    程と;上記第二の不純物濃度均一化領域の形成用平面パ
    タンと同じ平面パタンに従って上記第一半導体領域の導
    電型と同じ導電型の不純物を浅く導入し、該不純物濃度
    均一化領域とセルフアラインの関係で最終的に上記第五
    領域となるべき不純物導入領域を形成する工程と;を含
    むことを特徴とするサージ防護デバイスの作製方法。
  40. 【請求項40】 請求項16記載のサージ防護デバイスの
    作製方法であって;上記半導体ウエハとして提供される
    上記第一半導体領域に対し、上記第一の不純物濃度均一
    化領域の形成用平面パタンに従って該第一半導体領域の
    導電型と同じ導電型の不純物を導入し、最終的に該第一
    の不純物濃度均一化領域となるべき領域であって上記半
    導体ウエハの不純物濃度よりも濃い不純物濃度を有し、
    その面内方向の不純物濃度分布においてはより小さな偏
    差を有する不純物導入領域を形成する工程と;該第一の
    不純物濃度均一化領域の形成用平面パタンと同じ平面パ
    タンに従って該第一半導体領域の導電型とは逆導電型の
    不純物を導入し、該第一の不純物濃度均一化領域とセル
    フアラインの関係で最終的に該第二半導体領域となるべ
    き不純物導入領域を形成する工程と;上記第一の不純物
    濃度均一化領域の形成用平面パタンと同じ平面パタンに
    従って該第一半導体領域の導電型と同じ導電型の不純物
    を導入し、該不純物濃度均一化領域とセルフアラインの
    関係で最終的に上記第三領域となるべき不純物導入領域
    を形成する工程と;上記半導体ウエハとして提供される
    上記第一半導体領域に対し、上記第二の不純物濃度均一
    化領域の形成用平面パタンに従って該第一半導体領域の
    導電型と同じ導電型の不純物を導入し、最終的に該第二
    の不純物濃度均一化領域となるべき領域であって上記半
    導体ウエハの不純物濃度よりも濃い不純物濃度を有し、
    その面内方向の不純物濃度分布においてはより小さな偏
    差を有する不純物導入領域を形成する工程と;該第二の
    不純物濃度均一化領域の形成用平面パタンと同じ平面パ
    タンに従って該第一半導体領域の導電型とは逆導電型の
    不純物を導入し、該第二の不純物濃度均一化領域とセル
    フアラインの関係で最終的に該第四半導体領域となるべ
    き不純物導入領域を形成する工程と;上記第二の不純物
    濃度均一化領域の形成用平面パタンと同じ平面パタンに
    従って該第一半導体領域の導電型と同じ導電型の不純物
    を導入し、該不純物濃度均一化領域とセルフアラインの
    関係で最終的に上記第五領域となるべき不純物導入領域
    を形成する工程と;を含むことを特徴とするサージ防護
    デバイスの作製方法。
  41. 【請求項41】 請求項17記載のサージ防護デバイスの
    作製方法であって;上記半導体ウエハとして提供される
    上記第一半導体領域に対し、上記第二半導体領域の一部
    を構成する上記パンチスルー抑制用領域の形成用平面パ
    タンに従って該第一半導体領域の導電型とは逆導電型の
    不純物を導入し、最終的に上記第二半導体領域のパンチ
    スルー抑制用領域となるべき不純物導入領域を形成する
    工程と;該第二半導体領域の上記パンチスルー抑制用領
    域の形成用平面パタンと連続する平面パタンであって該
    第一の不純物濃度均一化領域の形成用平面パタンに従っ
    て該第一半導体領域の導電型と同じ導電型の不純物を導
    入し、最終的に該第一の不純物濃度均一化領域となるべ
    き領域であって上記半導体ウエハの不純物濃度よりも濃
    い不純物濃度を有し、その面内方向の不純物濃度分布に
    おいてはより小さな偏差を有する不純物導入領域を形成
    する工程と;該第一の不純物濃度均一化領域の形成用平
    面パタンと同じ平面パタンに従って該第一半導体領域の
    導電型とは逆導電型の不純物を導入し、該第一の不純物
    濃度均一化領域とセルフアラインの関係で、かつ該第二
    半導体領域のパンチスルー抑制用領域と接続した関係
    で、最終的に該第二半導体領域の一部を構成する上記パ
    ンチスルー生成用領域となるべき不純物導入領域を形成
    する工程と;上記第一の不純物濃度均一化領域の形成用
    平面パタンと同じ平面パタンに従って該第一半導体領域
    の導電型と同じ導電型の不純物を導入し、該第一の不純
    物濃度均一化領域及び該パンチスルー生成用領域とセル
    フアラインの関係で最終的に上記第三領域となるべき不
    純物導入領域を形成する工程と;上記半導体ウエハとし
    て提供される上記第一半導体領域に対し、上記第四半導
    体領域の一部を構成する上記パンチスルー抑制用領域の
    形成用平面パタンに従って該第一半導体領域の導電型と
    は逆導電型の不純物を導入し、最終的に上記第四半導体
    領域のパンチスルー抑制用領域となるべき不純物導入領
    域を形成する工程と;該第四半導体領域の上記パンチス
    ルー抑制用領域の形成用平面パタンと連続する平面パタ
    ンであって該第二の不純物濃度均一化領域の形成用平面
    パタンに従って該第一半導体領域の導電型と同じ導電型
    の不純物を導入し、最終的に該第二の不純物濃度均一化
    領域となるべき領域であって上記半導体ウエハの不純物
    濃度よりも濃い不純物濃度を有し、その面内方向の不純
    物濃度分布においてはより小さな偏差を有する不純物導
    入領域を形成する工程と;該第二の不純物濃度均一化領
    域の形成用平面パタンと同じ平面パタンに従って該第一
    半導体領域の導電型とは逆導電型の不純物を導入し、該
    第二の不純物濃度均一化領域とセルフアラインの関係
    で、かつ該第四半導体領域のパンチスルー抑制用領域と
    接続した関係で、最終的に該第四半導体領域の一部を構
    成する上記パンチスルー生成用領域となるべき不純物導
    入領域を形成する工程と;上記第二の不純物濃度均一化
    領域の形成用平面パタンと同じ平面パタンに従って該第
    一半導体領域の導電型と同じ導電型の不純物を導入し、
    該第二の不純物濃度均一化領域及び該パンチスルー生成
    用領域とセルフアラインの関係で最終的に上記第五領域
    となるべき不純物導入領域を形成する工程と;を含むこ
    とを特徴とするサージ防護デバイスの作製方法。
  42. 【請求項42】 請求項17記載のサージ防護デバイスの
    作製方法であって;上記半導体ウエハとして提供される
    上記第一半導体領域に対し、上記第一の不純物濃度均一
    化領域の形成用平面パタンに従って該第一半導体領域の
    導電型と同じ導電型の不純物を導入し、最終的に上記第
    一の不純物濃度均一化領域となるべき領域であって上記
    半導体ウエハの不純物濃度よりも濃い不純物濃度を有
    し、その面内方向の不純物濃度分布においてはより小さ
    な偏差を有する不純物導入領域を形成する工程と;上記
    第一の不純物濃度均一化領域の形成用平面パタンよりも
    広い開口の第二半導体領域形成用平面パタンに従って該
    第一半導体領域の導電型とは逆導電型の不純物を導入
    し、最終的に該第二半導体領域となるべき不純物導入領
    域を形成する工程と;上記第一の不純物濃度均一化領域
    の形成用平面パタンよりも広いが上記第二半導体領域形
    成用平面パタンよりも狭い開口の第三領域形成用平面パ
    タンに従って該第一半導体領域の導電型と同じ導電型の
    不純物を導入する工程と;を含み、上記第二半導体領域
    にあって上記第三領域の角部を覆う部分を相対的に厚味
    の厚い上記パンチスルー抑制用領域とし、該第三領域と
    上記第一の不純物濃度均一化領域とが平面的に対向し合
    う部分を相対的に厚味の薄い上記パンチスルー生成用領
    域とすると共に;上記第一半導体領域に対し、上記第二
    の不純物濃度均一化領域の形成用平面パタンに従って該
    第一半導体領域の導電型と同じ導電型の不純物を導入
    し、最終的に上記第二の不純物濃度均一化領域となるべ
    き領域であって上記半導体ウエハの不純物濃度よりも濃
    い不純物濃度を有し、その面内方向の不純物濃度分布に
    おいてはより小さな偏差を有する不純物導入領域を形成
    する工程と;上記第二の不純物濃度均一化領域の形成用
    平面パタンよりも広い開口の第四半導体領域形成用平面
    パタンに従って該第一半導体領域の導電型とは逆導電型
    の不純物を導入し、最終的に該第四半導体領域となるべ
    き不純物導入領域を形成する工程と;上記第二の不純物
    濃度均一化領域の形成用平面パタンよりも広いが上記第
    四半導体領域形成用平面パタンよりも狭い開口の第五領
    域形成用平面パタンに従って該第一半導体領域の導電型
    と同じ導電型の不純物を導入する工程と;を含み、上記
    第四半導体領域にあって上記第五領域の角部を覆う部分
    を相対的に厚味の厚い上記パンチスルー抑制用領域と
    し、該第五領域と上記第二の不純物濃度均一化領域とが
    平面的に対向し合う部分を相対的に厚味の薄い上記パン
    チスルー生成用領域とすること;を特徴とするサージ防
    護デバイスの作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005117134A1 (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 Shindengen Electric Manufacturing Co., Ltd. ダイオード及びサイリスタ
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