JPH09229315A - 高温炉用酸素ガスバーナ - Google Patents

高温炉用酸素ガスバーナ

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JPH09229315A
JPH09229315A JP5852496A JP5852496A JPH09229315A JP H09229315 A JPH09229315 A JP H09229315A JP 5852496 A JP5852496 A JP 5852496A JP 5852496 A JP5852496 A JP 5852496A JP H09229315 A JPH09229315 A JP H09229315A
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Yuuichi Ichiraku
祐一 一楽
Katsutoshi Nakayama
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸素二段燃焼式ガスバーナのNOx濃度等を
改善する。 【構成】 炉内壁面1に開口した円錐形の燃焼室2の後
端に燃料ノズル3を設けると共に、燃料ノズル3の周囲
に同心状に一次酸素供給口4を設け、更に燃焼室2を環
状に取り囲むように複数の二次酸素噴出口5を炉内壁面
1に配設した酸素ガスバーナにおいて、一次酸素を所要
酸素量の1/10以下とし、且つその定格流速を10m
/s以下とすると共に、二次酸素の定格流速を50m/
s以上とし、二次酸素噴出口5の位置を燃焼室2の周縁
よりその半径の長さL以上離間せしめた。 【効果】 バーナタイル内での燃焼を抑制して、炉内で
すすの多い輝炎を発生させると共に、二次酸素と炉内排
ガスとを十分混合させたのちに火炎に接触させることに
より、火炎ボリュームの増大とNOx濃度の低減を図る
ことができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温炉用酸素ガスバーナ
の低NOx化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃焼用空気の代わりに酸素を使用する酸
素ガスバーナは、排熱が低減されるために熱効率を向上
することができる上に、近年オンサイト用酸素発生装置
(PSA)が開発されて酸素が比較的安価に得られるよ
うになったために、ガラス溶解炉等の高温炉用として普
及しつつある。しかし酸素による燃焼は火炎が高温であ
る上に、PSAで得られる酸素に若干含まれている窒素
分や、炉材の耐熱性の点で炉圧を高くできないため炉壁
の隙間から空気(窒素)が侵入すること等の理由で、酸
素ガスバーナといえどもNOxを多量に発生するという
問題があり、その対策として酸素を二段階に供給する酸
素二段燃焼方式が試みられている。
【0003】図6は従来の酸素二段燃焼型ガスバーナの
構造を示したもので、炉内壁面1に開口した燃焼室2の
後方に酸素室6を設け、燃焼室6の周囲のバーナタイル
内に設けられた二次酸素供給管8の後端を酸素室6に連
通させると共に、燃焼室2の後端面に開口した燃料ノズ
ル3の先端炎孔の周囲に同心状に一次酸素供給口4を設
けたものである。この構成によれば、燃焼室2内では燃
料リッチの状態で燃焼し、燃焼室6の外側で二次酸素に
より完全燃焼するために、燃焼が緩慢となってNOxの
発生量を低減できる上に、火炎の輝度を高くすることが
できるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の従
来構成は、空気燃焼バーナに比し熱効率を著しく向上さ
せることができる反面、酸化剤として酸素を使用してい
るために燃焼速度が速くなり、NOx低減率及び輝度が
空気二段燃焼の場合と比較してかなり低下するという欠
点があった。図3は酸素二段燃焼方式において、後述の
テスト方法により一次酸素量とNOx発生率の関係を測
定した結果を示したものであるが、図6の従来方式では
一次酸素量はせいぜい35%程度(図のP点)で、NO
x濃度は約500ppm(O2 0%換算)が限度であっ
た。これは空気二段燃焼方式(例えば100ppm)に
比しかなり悪く、また燃焼を抑制できない分だけ輻射強
度も低下する。ここでもし一次酸素量を更に低減して、
例えば10%程度まで下げることができるならば、図3
に見られるように、NOx濃度を200ppm程度まで
下げることも可能であるが、上記従来例の構造では、一
次酸素噴出口4をもっと小さくして一次酸素の割合を下
げようとすると、燃焼室2内の火炎が不安定になった
り、消えてしまったりするという問題があった。そこで
本発明は上記の問題点に鑑み、一次酸素量を十分低い値
(10%以下)まで下げても燃焼が不安定にならず、従
ってNOx濃度及び輻射強度を著しく改善することがで
きるような酸素ガスバーナを提供することを目的とする
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による高温炉用酸
素ガスバーナは、図1に示すように、炉内壁面1に開口
した円錐形の燃焼室2の後端に燃料ノズル3を設けると
共に、燃料ノズル3の周囲に同心状に一次酸素供給口4
を設け、更に燃焼室2を環状に取り囲むように複数の二
次酸素噴出口5を炉内壁面1に配設した酸素ガスバーナ
において、一次酸素を所要酸素量の1/10以下とし、
且つその定格流速を10m/s以下とすると共に、二次
酸素の定格流速を50m/s以上とし、二次酸素噴出口
5の位置を燃焼室2の周縁よりその半径の長さL以上離
間せしめた点に特徴を有するものであって、従来に比し
一次酸素の流速を極端に遅くすることにより、燃料と一
次酸素との接触面における反応層の厚みを小さくして、
燃焼をできるだけ遅らせ、それによって未燃焼炭素成分
を多くして輝度を高くすると共に、割合が多くなった二
次酸素の噴出速度を大きくし、その一次火炎との距離を
十分離して、炉内排ガスの巻き込み量を多くすることに
より、火炎長の増大による輻射量の増加と、NOx発生
量の低減を図ったものである。
【0005】また請求項2の発明は、燃焼室2の後方に
酸素発生装置より酸素が供給される酸素室6を設け、燃
焼室2の周囲のバーナタイル内に設けられ且つ後端が酸
素室6に開口した二次酸素供給管7の前端を上記二次酸
素噴出口5とすると共に、酸素室6を貫通する燃料ノズ
ル3の外周に同軸状に一次酸素供給筒8を設け、この一
次酸素供給筒8の後端開口面積を所定値に設定したもの
である。これは一次酸素量を下げる手段として、単に酸
素室6の前面の一次酸素供給口4の面積を小さくする
と、酸素の層流が乱れて却って燃料との反応が促進され
るために、酸素が不足して燃焼が不安定になるので、燃
料ノズル3の周囲に一次酸素供給筒7を設けることによ
って、一次酸素流を整流すると共に、その後端の開口面
積を加減することにより、一次酸素流を乱すことなく一
次酸素の流量を所定値まで下げることができるようにし
たものである。
【0005】
【発明の実施の形態】図1は本発明による酸素ガスバー
ナの一実施例を示したもので、前端面が炉内壁面1に開
口したほぼ円錐形の燃焼室2の後方に酸素室6が連設さ
れ、この酸素室6を貫通して前端が燃焼室2の後端面に
開口した燃料ノズル3が設けられている。燃料ノズル3
の外周には同軸状に一次酸素供給筒7が設けられ、その
前端が一次酸素供給口4として燃焼室2の後端面に開口
している。この一次酸素供給筒7の後端と酸素室6の後
端面との隙間を十分狭くすることによって、筒内におけ
る酸素の流速が10m/sとなるように酸素取入れ口の
面積と酸素室6内の圧力が設定されている。燃焼室2の
周囲のバーナタイル内には後端が酸素室6に連通した4
本の二次酸素供給管8が穿設され、各二次酸素供給管8
の先端が炉内壁面1に二次酸素噴出口5として開口して
おり、これらの二次酸素噴出口5は、燃焼室2と同心で
且つ燃焼室2の開口の2倍以上の半径の円上に等角度間
隔で配設されている。また酸素室6の圧力は二次酸素の
噴出速度が50m/s以上となるように設定されてい
る。
【0006】
【実施例】図3に示したグラフは、上記のように構成さ
れた酸素ガスバーナにおいて、一次酸素供給筒7の後端
の酸素取入れ口の面積を種々に変化させることにより、
一次酸素量とNOx濃度との関係を測定したものであ
り、同図に見られるように、本発明の構成によって、一
次酸素量の割合が所定酸素量の1/10以下でもバーナ
タイル内の燃焼が安定し、そのときのNOx濃度も20
0ppm以下と十分満足できる値を得ることができた。
【0007】図2は、本発明の構成による動作状態を説
明するためのもので、一次酸素量は燃料ガスのほぼ20
%程度であるが、これが一次酸素供給筒7で整流され、
十分遅い速度で燃料ガスの周囲に流出して、燃料ガスの
周面を覆い、燃料ガスに引きずられながら円錐形の燃焼
室2内で緩やかに拡大するために、一次酸素と燃料との
接触面における相互の拡散がきわめて少なく、従って反
応層の厚みが小さく燃焼がきわめて局部的なものとな
る。その結果燃焼室2から炉内へ噴出した一次火炎内に
は未燃焼部分が多く残留し、その中で熱分解された炭素
成分が火炎の輝度を向上させる。更に一次火炎は炉内で
二次酸素と反応して完全燃焼するのであるが、二次酸素
噴出口5が燃焼室2から十分離れている上に、その噴出
速度が大きいために、一次火炎と二次酸素がそれぞれ炉
内の排ガスを十分巻き込んだのちに互いに接触して反応
する。その結果二次燃焼が緩慢となって火炎のボリュー
ムが増大し、輻射強度の増大と相まって全輻射量を増加
させると共に、NOx発生量を顕著に低減させることが
できるのである。
【0008】図4は本発明の構成によるNOx発生量
を、図5は火炎長をそれぞれ従来例と比較して示したも
のであり、いずれも本発明による顕著な改善が見られ
る。なお熱効率においても、従来例に比し若干の改善が
見られた。
【0009】
【発明の効果】本発明は上述のように、一次酸素の流速
を小さくすると共に燃焼室2をほぼ円錐形に形成して、
一次火炎を燃焼室2内で緩やかに拡大させることによ
り、一次酸素量の割合を所要酸素量の1/10に低減
し、しかも燃焼を安定させることができたものであり、
それによってバーナタイル内での燃焼をきわめて限定さ
れたものとして、炉内ですすの多い輝炎を発生させると
共に、二次酸素噴出口5を一次火炎から十分離間させ且
つその流速を大きくすることにより、二次酸素と炉内排
ガスとを十分混合させたのちに火炎に接触させるように
したものであるから、火炎ボリュームの増大とNOx濃
度の低減を図ることができという利点があり、また燃焼
室2内での燃焼温度を低く抑えることができるので、バ
ーナタイルの損耗を低減できるという利点がある。なお
本発明方式においては、一次酸素量が少ないために、タ
ーンダウン比を大きくとると一次火炎が不安定になると
いう欠点がある。従って従来の酸素二段燃焼方式(5:
1程度)に比しTDRは3:1程度が限度であるが、ガ
ラス溶解炉等の用途では、燃焼量の変化が比較的少ない
ので、この程度でも十分である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、(a)は正面
図、(b)は縦断面図。
【図2】本発明の動作状態説明図。
【図3】本発明バーナにより一次酸素量とNOx低減率
の関係を測定したグラフ。
【図4】本発明によるNOx濃度の測定結果を示すグラ
フ。
【図5】本発明による火炎長の測定結果を示すグラフ。
【図6】従来例を示すもので、(a)は正面図、(b)
は縦断面図。
【符号の説明】
1 炉内壁面 2 燃焼室 3 燃料ノズル 4 一次酸素供給口 5 二次酸素噴出口 6 酸素室 7 一次酸素供給筒 8 二次酸素供給管
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、(a)は正面
図、(b)は縦断面図。
【図2】本発明の動作状態説明図。
【図3】本発明バーナにより一次酸素量とNOx低減率
の関係を測定したグラフ。
【図4】本発明によるNOx濃度の測定結果を示すグラ
フ。
【図5】本発明による火炎長の測定結果を示すグラフ。
【図6】従来例を示す正面図及び縦断面図。
【符号の説明】 1 炉内壁面 2 燃焼室 3 燃料ノズル 4 一次酸素供給口 5 二次酸素噴出口 6 酸素室 7 一次酸素供給筒 8 二次酸素供給管

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉内壁面に開口した円錐形の燃焼室の後
    端に燃料ノズルを設けると共に、燃料ノズルの周囲に同
    心状に一次酸素供給口を設け、燃焼室の周囲の炉内壁面
    に複数の二次酸素噴出口を配設した酸素ガスバーナにお
    いて、一次酸素量を所要酸素量の1/10以下に、且つ
    その定格流速を10m/s以下に設定すると共に、二次
    酸素の定格流速を50m/s以上に設定し、更に二次酸
    素噴出口の位置を燃焼室の周縁よりその半径の長さ以上
    離間せしめたことを特徴とする高温炉用酸素ガスバー
    ナ。
  2. 【請求項2】 燃焼室の後方に酸素が供給される酸素室
    を設け、燃焼室の周囲のバーナタイル内に設けられ且つ
    後端が上記酸素室に開口した二次酸素供給管の前端を上
    記二次酸素噴出口とすると共に、酸素室を貫通する燃料
    ノズルの外周に同軸状に一次酸素供給筒を設け、該一次
    酸素供給筒の後端開口面積と酸素室内の圧力とにより、
    一次及び二次酸素量と各定格流速を所定の値に設定した
    ことを特徴とする請求項1記載の高温炉用酸素ガスバー
    ナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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