JPH09228905A - 燃料の改質方法及び該装置並びに熱機関 - Google Patents

燃料の改質方法及び該装置並びに熱機関

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JPH09228905A
JPH09228905A JP3950596A JP3950596A JPH09228905A JP H09228905 A JPH09228905 A JP H09228905A JP 3950596 A JP3950596 A JP 3950596A JP 3950596 A JP3950596 A JP 3950596A JP H09228905 A JPH09228905 A JP H09228905A
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fuel
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ceramic
heat engine
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JP3950596A
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Shinkichi Nishikawa
信吉 西川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 内燃機関及びボイラー等において、燃料の燃
焼により排出する一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物及
び二酸化炭素の各排出量を大幅に減少させ、大幅な燃費
と馬力の向上を実現する燃料の改質方法と改質装置並び
に熱機関を提供する。 【解決手段】 液体燃料のタンク10内等に珪素を主成
分としたセラミックスボール16を燃料28に浸漬す
る。又必要により、微生物添加剤24を添加する添加手
段26をタンクに設け、あるいはタンクの内部に、燃料
を攪拌する攪拌手段20を設け、あるいはタンクの内表
面を珪素を主成分としたセラミックスにてコーティング
14し、あるいはタンク内に放射性物質を含有するセラ
ミックスボール18を燃料に浸漬する。又熱機関の液体
又は気体燃料の燃料供給系、吸気系及び排気系におい
て、珪素を主成分とするセラミックスによりこれら何れ
かの系の一部又は全部の内外表面を被覆し、又はこれら
の系の一部にセラミックスを充填した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は燃料の改質方法及
び該装置並びに熱機関に関し、より詳しくはたとえば自
動車用のガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の内
燃機関や、ボイラー、バーナー等の燃焼装置を含む熱機
関と、その熱機関を駆動させるための燃料を改質する方
法及び改質装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来エンジンの燃焼効
果を向上させ、排ガス中のHCやNOX を減少させる方
法として遠赤外線や放射線又は磁力線を燃料のみに放射
する方法、排ガスを強制的に強く排出する方法等が知ら
れている。しかし、遠赤外線や放射線,磁力線を燃料に
放射する方法は燃焼効率を向上させ、ディーゼルエンジ
ンなどでは黒煙が減少し、SOX の排出量が減り、排出
される未燃焼炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)も
減少する。ところが、現在問題視されているNOX につ
いては確実に排出量が増えてしまう。これは未燃焼炭化
水素の排出量とNOX の排出量は反比例して増減するた
めである。排ガスをターボファン等によって強制的に排
出する方法は、黒煙の減少や馬力の向上をもたらす。と
ころが、NOX が増加し、また馬力の向上率が大きすぎ
るため、馬力の微調整が困難であり、暴走事故を起こし
易いという問題がある。
【0003】また、燃料消費量の減少に関しては、燃料
のみに遠赤外線や放射線,磁力線を放射する方法や、吸
入される空気の通過するパイプの外側よりアルミナ系の
セラミックスが発する遠赤外線を放射する方法などがあ
る。しかし、これらの方法は乗用車や非積載時のトラッ
クが高速道路を走行したときには、燃料消費量が減少し
ている。ところが、負荷のかかる条件の中では燃料消費
量が減少していない。この理由は、燃料だけを改質した
場合、燃料は燃焼し易くなっているが、特に過負荷がか
かるときには吸入・排気が追従して増減しないため、燃
焼室内で酸素不足又は酸素過多の状態が発生するためと
考えられる。
【0004】本発明は特に内燃機関等において、燃料の
燃焼に伴って排出される二酸化炭素、一酸化炭素、炭化
水素及び窒素酸化物の各排出量を大幅に減少させること
を主たる目的にし、且つ燃料消費量の大幅な削減、馬力
の大幅な向上をも目的とし、かかる目的を達成するため
の燃料の改質方法と改質装置、並びに熱機関を提供する
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る燃料の改質
方法の要旨とするところは、珪素を主成分としたセラミ
ックスに液体燃料を接触させることにあり、かかる燃料
の改質方法において、前記液体燃料に微生物添加剤及び
酵素のいずれか一方又は双方を添加すること、あるいは
前記液体燃料を超高速で攪拌することにある。
【0006】また、本発明に係る燃料の改質装置の要旨
とするところは、液体燃料のタンク、燃料パイプ及び燃
料フィルターから選ばれる1以上の内部に珪素を主成分
としたセラミックスボールを燃料に浸漬し得るように配
設したことにある。そして、かかる燃料の改質装置にお
いて、前記燃料に微生物添加剤及び酵素のいずれか一方
又は双方を添加する微生物添加手段を該タンクに設けた
こと、あるいは燃料を攪拌する攪拌手段を設けたことに
ある。また、かかる燃料の改質装置において、前記タン
ク、燃料パイプ及び燃料フィルターから選ばれる1以上
の内表面を、珪素を主成分としたセラミックスにてコー
ティングしたことにあり、更に、前記タンク、燃料パイ
プ及び燃料フィルターから選ばれる1以上の内部に放射
性物質を少なくとも含有するセラミックスボールを燃料
に浸漬し得るように配設したことにあり、更に、前記燃
料を発火点以下で加熱することにある。
【0007】次に、本発明に係る熱機関の要旨とすると
ころは、液体又は気体燃料の燃料供給系における配管の
内外表面のうち一部又は全部を、珪素を主成分とするセ
ラミックスによりコーティングしたことにある。また、
本発明に係る熱機関の他の要旨とするところは、液体又
は気体燃料の燃料供給系における配管内の少なくとも一
部に珪素を主成分とするセラミックスボールを充填した
ことにあり、更に、液体又は気体燃料の燃料供給系にお
ける配管の一部又は全部の外表面を、珪素を主成分とす
るセラミックスボールにより覆ったこと、又は、吸気系
又は排気系のいずれか一方又は双方の内表面の一部又は
全部を、珪素を主成分とするセラミックスによりコーテ
ィングしたこと、又は、吸気系又は排気系のいずれか一
方又は双方の外表面の一部又は全部を、酸化チタンを含
有する酸化ジルコニウムを主成分とするセラミックスに
よりコーティングしたこと、又は、吸気系又は排気系の
いずれか一方又は双方の配管の曲がり部内表面に、珪素
を主成分とするセラミックスによりコーティングしたこ
とにある。更に、本発明に係る熱機関の他の要旨とする
ところは、熱機関における液体又は気体燃料の燃料供給
系、吸気系及び排気系において、該いずれの系の一部又
は全部の内外表面を、珪素を主成分とするセラミックス
によりコーティングし、又は一部内部に該セラミックス
ボールを充填したことにあり、又は、燃料の燃焼部にお
ける内表面及び外表面のいずれか一方又は双方を、酸化
チタンを含有する酸化ジルコニウムを主成分とするセラ
ミックスによりコーティングしたことにある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る燃料の改質方法及び
その装置並びに熱機関における燃料改質のシステムや燃
焼システム及び燃焼理論等は現在解明されていないた
め、今後の研究が待ち望まれている。そこで、事実に基
づいて説明すると、まず、珪素を主成分とするセラミッ
クスに液体燃料を接触させることにより、その燃料を燃
焼させた排気ガス中に含まれる一酸化炭素,炭化水素,
窒素酸化物,二酸化炭素(総量)の各排出量の減少が認
められている。
【0009】また、液体燃料に微生物添加剤及び酵素の
いずれか一方又は双方を添加することにより、その燃料
を燃焼させた排気ガス中に含まれる一酸化炭素と炭化水
素の各排出量の減少が認められているが、二酸化炭素の
排出量が若干増加しており、完全燃焼が促進されている
ものと推定される。この微生物添加剤又は酵素を、前記
珪素を主成分とするセラミックスに接触させている液体
燃料に添加することにより、その燃料を燃焼させた排気
ガス中に含まれる一酸化炭素,炭化水素,窒素酸化物,
二酸化炭素の各排出量の大幅な減少が認められている。
両者の相互作用によるものと考えられるが、理由は定か
ではない。
【0010】更に、液体燃料を超高速で攪拌すると、上
記セラミックスと液体燃料との接触作用が促進され、更
に微生物添加剤又は酵素と液体燃料との作用が促進さ
れ、上述の作用効果が更に高められる。また、放射性物
質を含有するセラミックス又はセラミックス被膜に上記
処理された液体燃料と接触させたり、あるいは上述の処
理をするのにあたり、燃料を発火点以下で加熱すること
によって、効果を高めることができる。
【0011】次に、熱機関において、液体又は気体燃料
の燃料供給系における配管の内外表面のうち一部又は全
部を、珪素を主成分とするセラミックスにより被覆し、
あるいは前記燃料供給系における配管の一部又は全部に
珪素を主成分とするセラミックスボールを充填すること
により、液体又は気体燃料を供給する過程で燃料を改質
しつつ供給することができる。
【0012】また、熱機関において、吸気系又は排気系
のいずれか一方又は双方の内外表面の一部又は全部を、
珪素を主成分とするセラミックスにより被覆し、あるい
は吸気系の一部に吸気を活性化する吸気促進手段を設け
ることにより、燃料を完全燃焼させ、有害物質の排出を
最小限に抑制することができる。更に、熱機関におい
て、液体又は気体燃料の燃料供給系、吸気系及び排気系
のいずれかの配管のうち、一部又は全部を珪素を主成分
とするセラミックスボール又はセラミックスコーティン
グにより内外表面を被覆し又は充填することにより、全
ての燃焼系を改善することができ、高効率で燃料を燃焼
させることができる。また、燃料の燃焼部の内外表面を
酸化チタンを含有する酸化ジルコニウムを主成分とする
セラミックスにより被覆することにより、同様に高効率
で燃料を燃焼させることができる。
【0013】次に、本発明の実施の形態を図面に基づい
て詳しく説明する。図1に示すように、本実施例の燃料
タンク10は密閉容器状に形成された鋼製のタンク本体
12の内面に珪素を主成分とするセラミックスコーティ
ング層14が形成されていて、このタンク本体12内の
底面上には珪素を主成分とするセラミックスボール16
と放射性元素を含有するセラミックスボール18がそれ
ぞれ層を成して配設されている。また、燃料タンク10
のタンク本体12の内部には、攪拌棒20が突設されて
いて、攪拌棒20はタンク本体12の外部に取り付けら
れた超高速モータ(攪拌手段)22によって高速度で回
転させられる。更に、タンク本体12の上部には微生物
添加剤24を添加するための添加装置26と、燃料28
をタンク本体12内に注入するための注入口30と、燃
料28の液面レベルを検出するための液面レベル計32
が配設され、一方、タンク本体12の下部には燃料28
を所定の温度に所定の時間加熱する加熱装置34が配設
されて構成されている。
【0014】ここで、珪素を主成分とするセラミックス
ボール16は二酸化珪素約68〜73%,酸化マグネシ
ウム約12〜17%,酸化アルミニウム約6〜9%,酸
化チタン約0.5〜2.0%などの他、微量成分として
酸化カルシウム,酸化カリウム,酸化第二鉄,酸化ナト
リウムなどから成るセラミックス(以下、珪素を主成分
とするセラミックスという。)により構成される。この
セラミックスボール16は燃料28との接触面積を高め
るために多孔質に形成されるのが好ましい。更に、タン
ク本体12の内面に形成される珪素を主成分とするセラ
ミックスコーティング層14はセラミックスボール16
を粉粒状に粉砕して、バインダーを用いてタンク本体1
2の内面に被着して形成される。これらセラミックスボ
ール16に燃料を浸漬させて、その燃料を燃焼させたと
ころ、排気ガス中に含まれる一酸化炭素,炭化水素,窒
素酸化物,二酸化炭素(総量)の各排出量が減少するの
が認められている。
【0015】一方、放射性元素を含有するセラミックス
ボール18は酸化アルミニウム,二酸化珪素,酸化ジル
コニウム,Rb2 O,La2 3 ,Pr6 2 ,Krな
どから成るものである。これらの各元素、化合物の内で
燃料の改質に寄与するものの特定は現在なされておら
ず、今後の研究が待たれている。但し、上記成分構成の
セラミックスボール18に浸漬させたガソリンを用いて
自動車エンジンを駆動させたところ、アイドリング回転
数が通常のガソリン使用時と比べて約50〜100rpm
程度上昇し、排気ガス中に含まれる炭化水素と二酸化炭
素の排出量の低減が認められている。
【0016】次に、超高速モータ22は毎分約4000
回転以上、より好ましくは10000回転以上、特に2
0000〜40000回転で回転するように構成された
ものが用いられる。回転数が高いほど、攪拌による燃料
の微細化と均一化を図ることができる。この超高速モー
タ22により攪拌棒20は燃料28の中で超高速で回転
させられ、燃料28を攪拌し、これにより燃料28に含
まれる水分やイオウ酸化物等の不純物を微細化して、燃
料28の成分を均一化することができる。また、それと
同時に、燃料28と、上記珪素を主成分とするセラミッ
クスボール16及び放射性元素を含有するセラミックス
ボール18との接触・反応が促進され、大きな効果が得
られる。超高速モータ22による攪拌で、燃料のカロリ
ーが上昇したことが報告されている。
【0017】また、微生物添加剤24は燃料28の注入
時にその注入量に応じて添加装置26により適量添加さ
れ、燃料28の10リットルに付き0.1ccから2ccの
割合で添加される。但し、この添加量又は割合は微生物
添加剤24に含まれる微生物の割合や微生物の種類によ
って異なるものであり、上記例示に限定されるものでは
ない。微生物添加剤24は燃料中で活性を示し、より好
ましくは燃料を構成する水素と炭素の分子鎖を短く切断
する酵素が用いられる。その他、あらゆる微生物を利用
した燃料改質剤が用いられ、特に限定されるものではな
い。
【0018】更に、タンク本体12の下部に配設される
加熱装置34は上記セラミックスボール16,18や微
生物添加剤24と燃料28との反応を促進させるための
ものであり、燃料28を所定の温度たとえば50〜70
℃に、所定の時間たとえば1時間から8時間加熱した
後、加熱が停止されて燃料28が常温になるように構成
されている。
【0019】以上の構成に係る燃料タンク10に燃料2
8を注入して上記処理を施し、燃料28を改質した後、
その燃料を燃焼させたところ、排気ガス中に含まれる一
酸化炭素と二酸化炭素の排出量がいずれも半減したのが
確認された。また、草焼き用のバーナーを用いて火炎を
噴出させたところ、通常の燃料では全体に赤みを帯びた
火炎であったのが、バーナーの出口から一定の長さの箇
所は青白い火炎になり、全体に火炎の長さが長くなっ
た。この結果から、燃料は完全燃焼して火炎の温度が大
幅に上昇したものと考えられる。
【0020】以上、本発明の燃料改質方法及び改質装置
の一実施例を詳述したが、本発明は上述の実施例に限定
されるものではない。すなわち、本発明における燃料改
質方法及び改質装置は、少なくとも燃料28と珪素を主
成分とするセラミックスボール16とを一定時間以上接
触させることができれば一応の効果が得られる。かかる
構成のみによって、一酸化炭素と二酸化炭素の排出量が
減少するのが確認されている。したがって、たとえば図
2に示すように、燃料28を供給する配管36の一部に
珪素を主成分とするセラミックスボール16を充填した
円筒部38を配設し、セラミックスボール16により処
理した燃料28を直ちに燃焼部に供給するように構成す
ることも可能である。なお、かかる実施例においては、
円筒部38と燃焼部との間に空気抜きなどを配設してお
くのが良い。また、円筒部38の内面には珪素を主成分
とするセラミックスコーティング層14を形成しておく
のが良い。
【0021】上述したように、珪素を主成分とするセラ
ミックスボール16やセラミックスコーティング層14
によって、一定の効果が得られるものであるが、微生物
添加剤24を併用することによって、排気ガス中に含ま
れる一酸化炭素や二酸化炭素の排出量を大幅に減少させ
ることが確認されており、両者の併用が最も好ましい実
施形態である。
【0022】また、微生物添加剤24に代えて、あるい
は微生物添加剤24とともに、燃料28を超高速で攪拌
するのが好ましく、処理時間を短縮することができる。
燃料28を超高速で攪拌する攪拌手段として、前記超高
速モータ22と攪拌棒20を用いるだけでなく、たとえ
ば超音波をタンク本体12内の燃料28に照射して、燃
料28を超高速で振動させるようにしても良く、特に限
定されるものではない。
【0023】更に、放射性元素を含むセラミックスボー
ル18を上記各実施例と適宜組み合わせて用いても良
く、更にこの放射性元素を含むセラミックスボール18
を粉砕して得られた粉粒体をバインダーによりたとえば
前述の図2に示す円筒部38の内面にコーティングして
用いても良い。また、燃料28を加熱する加熱装置34
は図1に示すようにタンク本体12の下部に設けるだけ
でなく、たとえば図3に示すように、タンク本体12か
ら配管40が上下に延びだして、その配管40の両端が
タンク本体12の内部に開口させられるとともに、配管
40の中央部に加熱部42が設けられた構成の加熱装置
44であっても良い。かかる加熱装置44によれば、加
熱された燃料28は対流を生じて、タンク本体12内の
燃料28を均一に昇温することができ、しかも容易に温
度をほぼ一定に保持することができる。
【0024】以上、本発明に係る燃料の改質方法と改質
装置について詳述したが、次に、本発明に係る熱機関に
ついて自動車用エンジンを例に説明する。図4に概略を
示すように、自動車のエンジン46はそれを駆動させる
ための燃料を供給するための燃料供給系48と、燃料を
燃焼させるための空気を供給するための吸気系50と、
エンジン46にて燃焼させられた排気ガスを排出するた
めの排気系52とを備えて構成されている。したがっ
て、排気ガス中の有害成分の排出量を抑制するために
は、これらエンジン46、燃料供給系48、吸気系50
及び排気系52のうち、それぞれの箇所において適切な
措置が採られることになる。
【0025】まず燃料供給系48において、同図4に示
す燃料タンク54は前述の図1や図4、あるいはその他
の実施例で示す燃料タンク10が用いられるのが好まし
く、充分に改質が施された燃料を供給するように構成す
るのが好ましい。更に、燃料タンク54と燃料フィルタ
ー56との間の燃料供給配管58の一部に燃料改質部6
0を設けても良い。燃料改質部60は燃料を改質するよ
うに構成された燃料タンク10と併用すると尚良く、ま
た、燃料フィルター内にセラミックスを充填して燃料改
質部60とするのも良い。あるいは通常の燃料タンクを
用いる場合にのみ燃料改質部60を配設するようにして
も良い。なお、通常、燃料フィルター56は燃料改質部
60において発生した気泡を除去するために、エンジン
46と燃料改質部60との間に配設する必要がある。
【0026】燃料改質部60は前述の図2に示す円筒部
38とほぼ同様に構成されていて、特に燃料がガソリン
である場合には、円筒部38の内面に放射性元素を含む
セラミックスにてコーティング14が施され、且つその
内部に珪素を主成分とするセラミックスが約70%、放
射性元素を含有するセラミックスが約30%の割合で装
填されるのがより好ましい。一方、燃料が軽油である場
合には、円筒部38の内面に放射性元素を含むセラミッ
クスにてコーティング14が施され、且つその内部に珪
素を主成分とするセラミックスが装填されるのがより好
ましい。また、燃料が軽油である場合には、燃料改質部
60に燃料が供給される直前に加熱部62を設け、50
〜70℃に加熱された軽油を燃料改質部60に供給する
ように構成するのがより好ましい。加熱することによ
り、軽油の改質が促進されるからである。
【0027】改質された燃料は図5に示すように、キャ
ブレター64又は電子制御式の燃料噴射部66に供給さ
れて、ガソリン又は軽油は霧状又は液状で空気と混合さ
せられてエンジン46に供給される吸気マニホールド6
8において、同図(a) に示すようにキャブレター64と
エンジン46とを接続する配管70や、同図(b) に示す
ように燃料噴射部66の内外周部に、珪素を主成分とす
るセラミックスがコーティングされるのが良い。また、
コーティングに代えて、かかるセラミックスの粉粒体を
たとえば袋などの中に入れ、それを配管70などの外面
に配置しても良い。かかる箇所においてはセラミックス
と燃料とが直接接触させられることはないため、セラミ
ックスは霧状あるいは液状の燃料に対して遠赤外線が作
用するものと考えられる。
【0028】なお、実験によれば、上記配管70がゴム
管の場合と、金属管の場合では遠赤外線の効果が大きく
異なるため、セラミックスにより内外表面をコーティン
グしあるいはセラミックスボールにより外表面を覆う方
法、又はセラミックスの使用量を適宜変更するのが好ま
しい。一方、図4に示す吸気系50におけるエアクリー
ナー72において、エアクリーナー72を構成する外筒
の内面やフィルターの外面にセラミックスコーティング
を施すのが良い。セラミックスコーティングは遠赤外線
が作用すると考えられる珪素を主成分とするセラミック
スが用いられ、空気が活性化されると考えられる。すな
わち、燃料供給系48に上述の処理を施し、改質した燃
料でエンジン46を駆動させる一方、吸気系50になん
らの処理を施さなかった場合、エンジン46は酸素不足
の症状を示し、一酸化炭素や炭化水素などの排出量が増
えた。そこで、吸気系50に処理を施すと、酸素不足の
症状は解消し、一酸化炭素や炭化水素などの排出量が減
少した。この結果から、セラミックスコーティングによ
り空気が活性化あるいは吸気が促進されたものと考えら
れる。
【0029】吸気系50における空気の活性化あるいは
吸気の促進化は、エアクリーナー72の内部、吸入管の
曲がり部や吸入口及びその近傍部、吸気マニホールド6
8の内部やその内部の曲がり部で行うのが良い。エアク
リーナー72の形には角形と丸形があるが、このうち角
形のエアクリーナー72は内容積が大きく且つ通過する
空気量が多いので、珪素を主成分とするセラミックスの
ボールを内部の空気の通路に適宜充填し、あるいはその
セラミックスを空気の通路となる内面にコーティングす
るのが良い。他方、丸形のエアクリーナー72は内容積
が小さく且つ通過する空気量が少ないので、珪素を主成
分とするセラミックスを空気の通路となる内面にコーテ
ィングするのが良い。また、エアクリーナー72のフィ
ルターの表面にセラミックスの粉粒体を付着させて、吸
気と接触するように構成することも可能である。これら
の処置を施すことにより、充分な効果が発揮されるのが
確認されている。
【0030】また、エアクリーナー72の前後に配置さ
れる吸気管73の内面、特に曲がり部や吸入口等の流体
抵抗が大きくなる箇所の内面に珪素を主成分とするセラ
ミックスをコーティングするのが良い。更に、エアクリ
ーナー72と吸気管73の吸入口との間に、吸気促進手
段74を配設することも可能である。この吸気促進手段
74は筒状の容器内に珪素を主成分とするセラミックス
のボールを充填するとともに、その容器の断面積を充分
な吸気を確保し得る大きさで、吸気の流体抵抗が増大し
ないように構成される。この珪素を主成分とするセラミ
ックスのボールの間に吸気を通過させることによって、
より一層、吸気の活性化・促進化を発揮することが確認
されている。更に、吸気管73の吸入口から一定の範
囲、たとえば吸入口から約10cm〜約20cm程度の範囲
の内面を、珪素を主成分とするセラミックスでコーティ
ングするのが良い。この処理を施すことにより、空気の
吸入量が高まると考えられる現象が生ずるのが確認され
た。
【0031】また、図6に示すように、吸気促進手段7
6は吸気を螺旋流にして導入し得る装置であっても良
い。すなわち、同図に示すように、吸気の導入部に螺旋
状に形成された複数の螺旋板78を配設するとともに、
続いて円筒部79の内面にセラミックスボール80を網
状部材81で固定し、且つその内側に複数の螺旋板82
を配設して構成される。したがって、導入部を通った吸
気は螺旋板78により渦巻き流とされ、円筒部79の内
面に沿うように導入され、かかる吸気はセラミックスボ
ール80と接触させられると同時に螺旋板82によって
更に渦巻き流とされて、活性化・促進化された吸気が吸
気マニホールド68へ供給されることになる。
【0032】次に、エンジン46で燃焼させられた燃料
は排気ガスとして排出されることになり、この排気ガス
の排出の流速を促進するために、排気マニホールド84
の内外面についてセラミックスコーティングを施すのが
良い。すなわち、図7に示すように、エンジン46のピ
ストンから排出される排気ガスは排気マニホールド84
を通って排出されることになるが、この排気マニホール
ド84を通る排気ガスが迅速に排出される必要がある。
そこで、排気マニホールド84の内外表面にセラミック
スコーティングが施されるのが良い。特に、内面のセラ
ミックスコーティングは珪素を主成分としたセラミック
スが最も好ましく、また、外面のセラミックスコーティ
ングは酸化ジルコニウムに酸化チタンを含有したものが
最も良い。
【0033】また、ガソリン車について設けられている
触媒装置86についても、上記排気マニホールド84と
同様に内外面にセラミックスコーティングが施されるの
が良い。セラミックスコーティングは同様に内面には珪
素を主成分としたセラミックスが最も良く、外面には酸
化ジルコニウムに酸化チタンを含有したものが最も良
い。更に、図4に示すサブマフラー88やマフラー90
についても同様にセラミックスコーティングが施される
のが好ましい。
【0034】ここで、セラミックスコーティングはセラ
ミックスの粉粒体をバインダーなどにより塗布して被覆
したり、あるいはセラミックスをたとえばプラズマ溶射
して被覆するものであっても良く、特に限定されるもの
ではない。また、セラミックスコーティングに代えて、
あるいはセラミックスコーティングとともに、セラミッ
クスボールを排気マニホールド84や触媒装置86など
の内外表面上に配置して耐熱性のシートなどによって覆
い被覆しても良い。
【0035】以上、説明したように、エンジン46以外
の燃料供給系48、吸気系50及び排気系52のそれぞ
れの適切な箇所にセラミックスボールあるいはセラミッ
クスコーティングを施すのが好ましいが、更に、エンジ
ン46そのものにもセラミックスボールで覆うかあるい
はセラミックスコーティングを施すのが良い。すなわ
ち、エンジン46の外部には酸化チタンを含有する酸化
ジルコニウムを主成分とするセラミックスをコーティン
グしたり、あるいはそのボールで覆うのが良い。また、
エンジン46内部のクランク室などの表面にはセラミッ
クスコーティングを施すのが良い。
【0036】以上、本発明に係る熱機関を自動車用エン
ジンを一例にして説明したが、以上説明した箇所の全て
にセラミックスを用いた処理を施す必要はなく、適宜選
定して施せば良い。本発明に係る熱機関において、本発
明の改質した燃料を用いてエンジン46を駆動させると
ともに、吸気系50及び排気系52のいずれの箇所の内
外面にも適宜セラミックスボールを用いて被覆したり、
あるいはセラミックスコーティングをすることにより、
実験の結果、一酸化炭素、二酸化炭素及び炭化水素のい
ずれもが大幅に減少するのが認められた。更に、マフラ
ー90から従来に増して水蒸気あるいは水滴が噴出さ
れ、また、窒素酸化物の排出量が半分以下に減少するの
が確認された。
【0037】また、上述の構成の結果、エンジン音が大
幅に減少し、更に振動が大幅に減少するのが確認されて
いる。このエンジン音と振動の減少は、エンジン部を上
記のセラミックスボールで覆ったりあるいはセラミック
スコーティングを施した場合に、顕著に認められてい
る。更に、日常の走行実験の結果、いわゆる燃費が大幅
に向上しており、加速性が大幅に改善されているのが認
められている。
【0038】なお、本発明における作動理論は確立され
ていないが、考え方として、燃料中の炭化水素に珪素を
主成分とするセラミックスを接触させることにより、燃
料が燃焼し易くなる。また、吸入される空気に珪素を主
成分とするセラミックスを接触させることにより、吸気
が改質され、且つ吸気の流速が向上し、空気の吸入量が
高まる。更に、排出される排出ガスに珪素を主成分とす
るセラミックスを接触させることにより、排気が改質さ
れ、且つ排気の流速が向上し、排出量が高まると、考え
られる。すなわち、吸気流量と排気流量はより等しくな
り、トラックなどの積載時(負荷時)における高回転域
での燃焼効率が大幅に向上し、大幅な馬力向上、大幅な
燃費向上、大幅な排気ガスの浄化がなされると、考えら
れる。
【0039】すなわち、吸入される空気に珪素を主成分
とするセラミックスを接触させるとともに、排気系のマ
ニホールドの内面に珪素を主成分とするセラミックスを
コーティングし、その外面に酸化チタンを含有する酸化
ジルコニウムをコーティングして、それらに接触させる
ことにより、次のように推測される現象が生ずる。ま
ず、吸気系を上述のように処理することにより、吸気流
速が速くなるため、酸素量が活性化し、且つ吸気中の水
分子のクラスター(かたまり)が小さくなり、その結
果、燃焼効率が向上する。一方、排気系を上述のように
処理することにより、排気の膨張率が高くなり、一段と
排気流速が加速し、且つ放熱が促進される。このように
吸気流速と排気流速のバランスがとれることにより、燃
焼効率が大幅に向上すると、考えられる。そして、以上
の作用により空気と炭化水素の化合率が向上し、燃焼効
率を上げ、排気効率をも向上させて、負荷がかかったと
きの大幅な馬力と燃費の向上、排気ガスの浄化をも行う
と考えられる。
【0040】以上、自動車用エンジンを例に各要部にお
ける例示をしたが、本発明はこれらの例示に限定される
ものではないのは言うまでもない。たとえば、燃料供給
系48における燃料改質部60と加熱部62は一体的に
構成することができ、ジグザグ状に形成した燃料供給配
管58の回りにヒーターを配設して燃料を所定の温度に
加熱した後、セラミックスボールが装填された燃料改質
部に加熱された燃料をジグザグ状等に通過させて改質す
るように構成することも可能である。ここで、ヒーター
はバッテリーを用いて電熱で加熱したり、あるいは排気
ガスやラジエーターからの熱を導いて加熱するように構
成しても良く、何ら限定されるものではない。
【0041】その他、自動車用エンジンのメーカーや車
種などに応じて適宜変更することは可能であり、上述の
実施例に限定されるものではない。次に、本発明は液体
燃料に限定されず、気体燃料についても適用し得るもの
である。たとえば図8に示すように、市販されている卓
上型のガスコンロ92において、ガスボンベ94から供
給される液化ブタンガスから気化ガスを製造するガス製
造器96、ガス管98及びノズル100などの表面に酸
化ジルコニウムを塗布してコーティングした。その結
果、従来のノズル100から吹き出す火炎の長さが長く
なり、温度が高くなったのが認められた。これは酸化ジ
ルコニウムから発する遠赤外線によってガスが改質され
たものと推定される。
【0042】また、草焼き用のバーナーやボイラーのバ
ーナーなどにおいて、バーナー部に酸化ジルコニウムを
塗布してコーティングすることにより、火炎の長さが長
くなり、且つ温度が高くなるのが認められている。した
がって、本発明は自動車用エンジンなどの内燃機関に限
らず、あらゆる燃料を燃焼させる熱機関に適用し得るも
のである。更に、燃料は液体・気体を問わず、ガソリ
ン,軽油,灯油,重油など、あらゆる燃料に適用し得る
ものである。
【0043】以上、本発明に係る燃料、吸気及び排気の
改質方法及びその装置並びに熱機関は上述の実施例に限
定されるものではなく、その他その趣旨を逸脱しない範
囲内で、当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変
形を加えた態様で実施し得るものである。
【0044】
【実施例 1】灯油1リットルに対して、バイオ燃料改
質剤(サンライフ化学研究所製)を10000分の1で
ある0.1ccを投入して、高速攪拌機(日立製作所製、
GP−25A)により毎分30000回転で30秒間攪
拌した。この灯油の中に直径約1cmの球形をした多孔質
体である黒色に焼成した珪素を主成分とするセラミック
スボール(株式会社西尾製、三重県安芸郡)を20個
と、直径1cm×長さ5cmの円柱形をした放射性元素を微
量に含有するセラミックス(株式会社晃翔製)を3個投
入した後、灯油の温度を65℃になるまで加温して、2
4時間保持した。
【0045】なお、黒色に焼成した珪素を主成分とする
セラミックスボールの化学組成は二酸化珪素約68〜7
3%,酸化マグネシウム約12〜17%,酸化アルミニ
ウム約6〜9%,酸化カルシウム約2〜4%,酸化チタ
ン約2%,酸化カリウム約2%,酸化チタン約2%,酸
化第二鉄,酸化ナトリウムなどから成るものを用いた。
また、放射性元素を微量に含有するセラミックスは酸化
アルミニウム,二酸化珪素,酸化ジルコニウム,Rb2
O,La2 3 ,Pr6 2 ,Krなどから成るものを
用いたが、各成分の割合は不明である。
【0046】得られた改質灯油を石油温風暖房機(シャ
ープ社製、OKA27C)に入れて燃焼させた。一方、
石油温風暖房機の前面カバーを取り外して、燃焼部の上
部に測定器であるCO2 テスター(ボッシュ社製、ET
T00836)の検出部を配設し、その箇所における排
気ガス中のCO,CO2 ,HC,O2 の濃度を測定し
た。また、この石油温風暖房機の前面カバーを取り外さ
ずに、温風の吹き出し部において、その中のガス成分を
同様に測定した。その測定結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【比較例 1】実施例1で用いた灯油に何らの処理もせ
ず、同様の石油温風暖房機に入れて、同様の条件で排気
ガス中のCO,CO2 ,HC,O2 の濃度を測定した。
その測定結果を表1に示す。表1から分かるように、改
質灯油を用いると、排気ガス中のCO,CO2 はいずれ
も半減した。
【0049】
【実施例 2】4トントラック「フソウファイター」を
用いて、排気ガス中に含まれる成分ガス濃度の測定を行
った。まず、図4において、燃料改質部60にのみ珪素
を主成分とするセラミックスボールを装填して、その濃
度の測定を行うとともに、同様に珪素を主成分とするセ
ラミックスボールを装填した燃料改質部60と吸気活性
手段74をそれぞれの位置に装着するとともに、珪素を
主成分とするセラミックスボールを排気マニホールド8
4の外表面に覆うように取り付けてその濃度の測定を行
った。
【0050】燃料改質部60はステンレス製薄鋼板によ
り形成された全長354mm、外径50mmの筒状の収容体
の中に、上記黒色に焼成した珪素を主成分とするセラミ
ックスボール(株式会社西尾製)を790g入れた。こ
のセラミックスボールは約10mm前後の径を有する球体
であった。また、吸気活性手段74はステンレスの薄板
に多数の孔を穿設したパンチングメタルで高さ12mm、
全長150mm、幅51mmの箱状の収容体を3個作り、そ
の中にセラミックスボールを入れ、吸気系のエアクリー
ナー72内に内装した。更に、排気マニホールド84の
外表面を覆うセラミックスボールは、ステンレススチー
ル製の金網で排気マルホールド84の外表面に固定し
た。
【0051】以上の条件で設定し、トラックのエンジン
を始動させた。そして、排気ガスに含まれる窒素酸化物
と酸素と炭化水素の各濃度を測定した。窒素酸化物の濃
度はJIS B 7982(1988)(化学発光方式移動形)、酸素の
濃度はJIS B 7983(1979)(電気化学式−ジルコニア方
式)、及び炭化水素の濃度はJIS D 1030(1976)(水素炎
イオン化分析法)により、それぞれ測定した(測定機
関;中外テクノス株式会社環境エンジニアリング事業
部)。測定結果を表2に示す。表2において、1時間の
走行運転中における測定値の平均を示した。
【0052】
【表2】
【0053】
【実施例 3】乗用自動車「ホンダ型式E−AH」、原
動機の型式「EW(ガソリン)」を用いて、図4に示す
燃料改質部60、エアクリーナー72、噴射ポンプ6
6、排気マニホールド84及び触媒装置86にそれぞれ
上記2種類のセラミックスボールを配設した。その後、
エンジンを始動させて、排気ガスに含まれる二酸化炭素
と一酸化炭素の濃度をJIS K 0301(1989)オルザット法に
よって測定した(測定機関;夏原工業株式会社環境サー
ビス事業部)。その結果、二酸化炭素の濃度は平均3.
2%、一酸化炭素の濃度は平均0.2%未満であった。
但し、一酸化炭素の濃度の測定限界が0.2%未満であ
り、実際の濃度ははるかに低いものと考えられる。
【0054】
【実施例 4】乗用自動車「トヨタカローラ1500cc
SEリミテッド、型式E−AE91」、原動機の型式
「5A」を用い、図4に示す燃料改質部60、エアクリ
ーナー72、吸気マニホールド68及び排気マニホール
ド84に処理を施した。すなわち、燃料改質部60とし
て直径50mm、長さ250mmのパイプの中に珪素を主成
分とするセラミックスボールを約570g充填した。ま
た、角形のエアクリーナー72の内部に珪素を主成分と
するセラミックスボールを110個配設し、内部の曲が
り部やダクトホースの曲がり部の内部に珪素を主成分と
するセラミックスをコーティングした。更に、吸気マニ
ホールド68及び排気マニホールド84の内側に珪素を
主成分とするセラミックスをコーティングし、更にその
外側に酸化チタンを含有する酸化ジルコニウムを主成分
とするセラミックスをコーティングした。
【0055】エンジンを始動させた後、停止状態から発
進させて400m走行するのに要した時間を3回測定
し、平均値を調べた結果、20.79秒であった。次
に、一酸化炭素及び炭化水素の濃度を濃度計(堀場製作
所製、MEXA324G)により、第3者の立会いの下
で測定した結果、いずれも測定限界以下であった。ま
た、馬力テスター(BOSH製)及びデジタル回転計
(追浜工業株式会社製、PET−2100)を用いて馬
力(PS)と最高回転数(rpm)を調べた。更に、燃
費を調べるために、できるだけ信号が少なく、繰り返し
て同様の条件が得られる道路を選定し、132Kmを走行
して、使用した燃料の量を測定した結果、9.49リッ
ターであり、1リッター当たりの走行距離は13.91
Kmであった。結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
【比較例 2】実施例4で用いた乗用自動車を用い、本
願発明に係るセラミックスボールを配設せず、且つコー
ティングをせずに実験をした。同様の条件で試験を行っ
た結果を表3に示す。表3から分かるように、本願発明
のセラミックスボールを取り付けることにより、特に一
酸化炭素及び炭化水素の濃度が大幅に低下し、且つ燃費
が大幅に向上した。
【0058】
【実施例 5】2サイクル、排気量50ccの2輪車「ス
ズキセピア」を用い、燃料タンク、吸気系及び排気系に
処理を施した。すなわち、燃料タンク内に直径1cmの珪
素を主成分とするセラミックスボールを30個、及び直
径1cm、長さ5cmの放射性元素を微量に含有するセラミ
ックスの棒状体を5個投入した。また、吸気系として、
フライホイール部の内部全面を珪素を主成分とするセラ
ミックスによりコーティングし、更に、エアクリーナー
の内面を珪素を主成分とするセラミックスによりコーテ
ィングするとともに内部に上記セラミックスボールを3
0個配設した。更に、排気系として、マニホールドの内
部のエンジンから約20cmまでの範囲を珪素を主成分と
するセラミックスによりコーティングするとともに、マ
ニホールドの外部のエンジンから約30cmまでの範囲を
酸化チタンを含有する酸化ジルコニウムによりコーティ
ングした。
【0059】エンジンを始動させた後、停止状態から発
進させて200m走行するのに要した時間を3回測定
し、平均値を調べた結果、15.86秒であった。次
に、最高回転数(rpm)と炭化水素の濃度をデジタル
回転計(追浜工業株式会社製、PET−2100)及び
濃度計(堀場製作所製、MEXA324J)を用いて測
定した。その結果を表4に示す。
【0060】
【表4】
【0061】
【比較例 3】実施例5で用いた2輪車を用い、本願発
明に係るセラミックスによる処理を施さずに実験をし
た。同様の条件で試験を行った結果を表4に示す。表4
から分かるように、本願発明のセラミックスボールを取
り付けることにより、特に炭化水素の濃度が大幅に低下
し、且つ最高回転数が大幅に増加した。
【0062】本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、
当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を加え
た態様で実施し得るものである。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、燃料は完全燃焼させら
れるとともに、熱機関の排気ガスに含まれる一酸化炭
素、炭化水素については測定限界値以下であり、しかも
二酸化炭素については大幅に減少するのが認められた。
更に、熱機関の排気口から従来に増して水蒸気あるいは
水滴が噴出されるのが認められ、また、窒素酸化物NO
xの排出量が半分以上に減少するのが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料の改質方法及びその改質装置
の一実施例である燃料タンクを示す断面説明図である。
【図2】本発明に係る燃料の改質方法及びその改質装置
の一実施例である燃料改質部を示す要部破砕正面図であ
る。
【図3】本発明に係る燃料の改質方法及びその改質装置
に用いられる加熱装置の他の実施例を示す要部断面説明
図である。
【図4】本発明に係る熱機関の一例である内燃機関の構
成を示す概念説明図である。
【図5】本発明に係る熱機関の一部である吸気マニホー
ルドの例を示す図であり、同図(a) はキャブレター式、
同図(b) は燃料噴射式を示す要部説明図である。
【図6】本発明に係る熱機関の一部である吸気促進手段
の一例を示す図であり、同図(a) は側面説明図、同図
(b) は断面説明図である。
【図7】本発明に係る熱機関の一部である排気マニホー
ルドと触媒装置を示す要部説明図である。
【図8】本発明に係る熱機関の他の一例である卓上型ガ
スコンロを示す要部平面説明図である。
【符号の説明】
10,54:燃料タンク 12:タンク本体 14:セラミックスコーティング層 16,80:セラミックスボール 18:攪拌棒 22:攪拌手段 24:微生物添加剤 26:添加装置 28:燃料 34:加熱装置 36,40,70:配管 38:円筒部 44:加熱装置 46:エンジン 48:燃料供給系 50:吸気系 52:排気系 56:燃料フィルター 58:燃料供給配管 60:燃料改質部 62:加熱部 64:キャブレター 66:燃料噴射部 68:吸気マニホールド 72:エアクリーナー 73:吸気管 74,76:吸気促進手段 84:排気マニホールド 86:触媒装置 88:サブマフラー 90:マフラー 92:ガスコンロ 98:ガス管 100:ノズル

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪素を主成分としたセラミックスに液体
    燃料を接触させることを特徴とする燃料の改質方法。
  2. 【請求項2】 前記液体燃料に微生物添加剤及び酵素の
    いずれか一方又は双方を添加することを特徴とする請求
    項1に記載する燃料の改質方法。
  3. 【請求項3】 前記液体燃料を超高速で攪拌することを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載する燃料の改質
    方法。
  4. 【請求項4】 液体燃料のタンク、燃料パイプ及び燃料
    フィルターから選ばれる1以上の内部に珪素を主成分と
    したセラミックスボールを燃料に浸漬し得るように配設
    したことを特徴とする燃料の改質装置。
  5. 【請求項5】 前記燃料に微生物添加剤及び酵素のいず
    れか一方又は双方を添加する微生物添加手段を該タンク
    に設けたことを特徴とする請求項4に記載する燃料の改
    質装置。
  6. 【請求項6】 前記タンク、燃料パイプ及び燃料フィル
    ターから選ばれる1以上の内部に、燃料を攪拌する攪拌
    手段を設けたことを特徴とする請求項4又は請求項5に
    記載する燃料の改質装置。
  7. 【請求項7】 前記タンク、燃料パイプ及び燃料フィル
    ターから選ばれる1以上の内表面を、珪素を主成分とし
    たセラミックスにてコーティングしたことを特徴とする
    請求項4乃至請求項6のいずれかに記載する燃料の改質
    装置。
  8. 【請求項8】 前記タンク、燃料パイプ及び燃料フィル
    ターから選ばれる1以上の内部に放射性物質を少なくと
    も含有するセラミックスボールを燃料に浸漬し得るよう
    に配設したことを特徴とする請求項4乃至請求項7のい
    ずれかに記載する燃料の改質装置。
  9. 【請求項9】 前記燃料を発火点以下で加熱することを
    特徴とする請求項4乃至請求項8のいずれかに記載する
    燃料の改質装置。
  10. 【請求項10】 熱機関において、液体又は気体燃料の
    燃料供給系における配管の内外表面のうち少なくとも一
    部又は全部を、珪素を主成分とするセラミックスにより
    コーティングしたことを特徴とする熱機関。
  11. 【請求項11】 熱機関において、液体又は気体燃料の
    燃料供給系における配管内の少なくとも一部に珪素を主
    成分とするセラミックスボールを充填したことを特徴と
    する熱機関。
  12. 【請求項12】 熱機関において、液体又は気体燃料の
    燃料供給系における配管の一部又は全部表面を、珪素を
    主成分とするセラミックスボールにより覆ったことを特
    徴とする熱機関。
  13. 【請求項13】 熱機関において、吸気系又は排気系の
    いずれか一方又は双方の内表面の一部又は全部を、珪素
    を主成分とするセラミックスによりコーティングしたこ
    とを特徴とする熱機関。
  14. 【請求項14】 熱機関において、吸気系又は排気系の
    いずれか一方又は双方の外表面の一部又は全部を、酸化
    チタンを含有する酸化ジルコニウムを主成分とするセラ
    ミックスによりコーティングしたことを特徴とする熱機
    関。
  15. 【請求項15】 熱機関において、吸気系又は排気系の
    いずれか一方又は双方の配管の曲がり部内表面に、珪素
    を主成分とするセラミックスによりコーティングしたこ
    とを特徴とする熱機関。
  16. 【請求項16】 熱機関における液体又は気体燃料の燃
    料供給系、吸気系及び排気系において、該いずれの系の
    一部又は全部の内外表面を、珪素を主成分とするセラミ
    ックスによりコーティングし、又は一部内部に該セラミ
    ックスボールを充填したことを特徴とする熱機関。
  17. 【請求項17】 熱機関において、燃料の燃焼部におけ
    る内表面及び外表面のいずれか一方又は双方を、酸化チ
    タンを含有する酸化ジルコニウムを主成分とするセラミ
    ックスによりコーティングしたことを特徴とする熱機
    関。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0985820A1 (en) * 1997-12-03 2000-03-15 Isao Yoshida Fuel improving method and apparatus
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