JPH09227986A - 高靭性で、降伏強さが低く、伸びの高い構造用鋼及びその製造方法 - Google Patents

高靭性で、降伏強さが低く、伸びの高い構造用鋼及びその製造方法

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JPH09227986A
JPH09227986A JP3681296A JP3681296A JPH09227986A JP H09227986 A JPH09227986 A JP H09227986A JP 3681296 A JP3681296 A JP 3681296A JP 3681296 A JP3681296 A JP 3681296A JP H09227986 A JPH09227986 A JP H09227986A
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JP
Japan
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steel
yield strength
elongation
low
toughness
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Withdrawn
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JP3681296A
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Inventor
Yukio Tomita
幸男 冨田
Hidesato Mabuchi
秀里 間渕
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、降伏強さが低く、伸びの高い構造
用鋼の製造方法を提供する。 【解決手段】 C:0.01%以下、Si:0.04%
以下、Mn:0.20%以下、Ti:0.03〜0.0
7%、Al:0.060%以下、B:0.003〜0.
0020%、N:0.004%以下で、1150〜12
50℃に加熱し、仕上温度を800℃以上となる熱間圧
延後、910〜960℃で焼準することを特徴とする高
靱性で、降伏強さが低く、伸びの高い構造用鋼の製造
法。 【効果】 高靱性で、降伏強さが低く、伸びの高い構造
用鋼を経済的に提供することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高靱性で、降伏強さ
が低く、伸びの高い構造用鋼及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年造船、産業機械等の各分野にわたっ
て、競争力向上のため溶接施工の減少、曲げ加工性を代
表として鋼材特性の極限追求、溶接性の向上および鋼材
コストの低減、安全性の向上など各種の要求が強まって
いる。
【0003】このうち厚鋼板の曲げ加工性改善のために
は、低降伏強さで、高伸びを有する厚鋼板の開発が必要
である。また建築、橋梁分野では構造物の安全性向上の
ため、特に耐震性、免震性、制震性向上のために降伏強
さを低くし、伸びを高くすることが望まれている。さら
に、近年これらの特性に加えて、大地震時の構造部材の
脆性破壊防止のために靱性の向上が強く求められるよう
になった。
【0004】従来は降伏強さを低くし、伸びを高くする
ためには、添加元素を極力低減する方法が考えられてい
たが、この方法では、降伏強さの低下と伸びの上昇に限
度があり、各種要求を満足できず、問題であった。これ
まで、構造用鋼に関する公知文献としては、特開平3−
31467号公報があるが、さらに一層の降伏強さの低
下と伸びの上昇が求められている。また、発明者らは、
特開平4−132292号公報で、降伏強さが低く、伸
びの高い構造用鋼を示したが、さらに、一層の靱性の向
上が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は以上の
点を鑑みなされたもので、高靱性で、降伏強さが低く、
伸びの高い構造用鋼を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の通りであ
る。 (1)重量%で、C:0.01%以下、Si:0.04
%以下、Mn:0.20%以下、Ti:0.03〜0.
07%、Al:0.060%以下、B:0.0002〜
0.0020%、N:0.040%以下を含有し、残部
鉄及び不可避的不純物からなることを特徴とする高靱性
で、降伏強さが低く、伸びの高い構造用鋼。 (2)加熱温度が1150〜1250℃、仕上げ温度が
800℃以上となる熱間圧延後、910〜960℃で焼
準することを特徴とする(1)記載の高靱性で、降伏強
さが低く、伸びの高い構造用鋼の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】鋼の降伏強さを低くし、伸びを高
くするためには、鋼の強化元素の添加量を低下すること
が考えられる。鋼の強化元素としては、固溶体強化、析
出強化に係わる元素がある。固溶体元素としては、C,
Si,Mn,Cu,Ni等、析出強化元素としては、C
r,Mo,Nb,V等がある。以上のことから、鋼の降
伏強さを低くし、伸びを高くするためには、これらの各
種添加元素を低下することが考えられていた。
【0008】発明者らは、ここにおいて、さらに降伏強
さを低くし、伸びを高くする鋼を開発すべく種々検討し
た結果、極限まで低減した極微量のC,Nといえどもこ
れらがコットレル雰囲気を作り、転位を固着し、これが
降伏強さを高くし、伸びを低くすることを見出した。こ
の極微量のC,Nによる転位の固着を防止することによ
って、降伏強さを低くし、伸びを高くすることができ
る。
【0009】次に、C,Nによる転位の固着を防止する
ためには、適正量のTi添加が有効であることを見出し
た。Ti添加量が少なすぎると、C,Nによる転位の固
着が十分でなく降伏強さが高く、伸びが低い。また、T
i添加量が多すぎると、Tiの析出物が粗大となり、逆
に析出硬化で降伏強さが高く、伸びが低くなる。
【0010】図1に、0.002%C−0.03%Si
−0.11%Mn−0.0008%B−0.035%A
l−0.0031%N鋼での降伏強さと伸びに及ぼすT
i添加量の影響を示す。Ti添加量が0.03%未満で
は、C,Nによる転位の固着が十分でなく、降伏強さが
高く、伸びが低い。Ti添加量が0.07%超では、T
iの析出物が粗大となり、降伏強さが高く、伸びが低
い。
【0011】さらに、極低Cの領域では、粒界強度が低
下し、靱性が低くなる。そこで、結晶粒界に偏析して、
粒界を強化するBを添加することで、靱性が格段に向上
することを見出した。この目的のためには、Bを0.0
002%以上添加することが必要である。
【0012】以下に成分の限定理由を述べる。Cは固溶
体強化と転位の固着により降伏強さを高く、伸びを低く
する元素であり、極力押さえる必要があるため、0.0
1%を上限とする。
【0013】Siは固溶体強化で降伏強さを高く、伸び
を低くする元素であり、極力押さえる必要があるため、
0.04%を上限とする。Mnは固溶体強化で降伏強さ
を高く、伸びを低くする元素であり、極力押さえる必要
があるため、0.20%を上限とする。
【0014】TiはC,Nによる転位の固着を防止する
重要な要素で、図1に示すように添加量を0.03〜
0.07%に限定する。Alは脱酸上必要な元素である
が、0.060%を超えて添加すると、靱性が低下する
ため、上限を0.060%とする。
【0015】Bは結晶粒界に偏析して、粒界を強化し、
靱性向上に不可欠な元素であるため、0.0002%以
上添加するが、0.0020%を超えて添加すると、そ
の効果が飽和するだけでなく、靱性を阻害するため、上
限を0.0020%とする。Nは固溶体強化と転位の固
着により降伏強さを高く、伸びを低くする元素であり、
極力押さえる必要があるため、0.040%を上限とす
る。
【0016】この鋼を溶製するにあたっては、電気炉、
転炉のいずれを用いてもよい。鋼板とするにあたって
は、熱間圧延の加熱温度を1150℃未満、あるいは、
圧延仕上温度を800℃未満とすると、結晶粒の微細化
により、降伏強さが高く、伸びが低くなる。また、12
50℃を超える加熱は燃料コストの上昇をきたすため、
加熱温度は1150〜1250℃、圧延仕上温度は80
0℃以上とする。
【0017】熱間圧延後は、熱間圧延により導入された
残留歪による降伏強さの上昇及び伸びの低下を防ぐた
め、焼準を行う。焼準については、下限はオーステナイ
ト一相組織とするため、910℃以上で、かつ、燃料コ
ストの過度の上昇を防ぐため、960℃以下とする。
【0018】
【実施例】表1に示す化学成分のうち1〜4は本発明鋼
で、5〜16は比較鋼である。鋼の溶製は転炉により行
い、常法によりスラブとした後、表1に示す板厚に同表
に示す加熱、圧延、熱処理条件で製造した。表1にこれ
らの鋼の引張試験結果を示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】本発明の鋼1〜4は、C,N等の各種元素
を低減すると同時に、極微量のC,Nによる転位の固着
を防止するため、適正な範囲にTiを含有し、また、粒
界強化元素であるBを含有し、加熱、圧延、熱処理条件
も適正であることにより、高靱性で降伏強さが低く、伸
びが高い。
【0022】次に、鋼5はCが高く、鋼6はSiが高
く、鋼7はMnが高く、鋼8はTiが無添加で、鋼9は
Tiが高く、鋼10はBが低く、鋼11はBが高く、鋼
12はAlが高く、靱性が低い。鋼13はNが高く、鋼
14は加熱温度が低く、鋼15は圧延仕上温度が低く、
鋼16は熱処理がないため、それぞれ降伏強さが高く、
伸びが低い。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、各種元素を極限まで
低減し、さらに、極微量のC,Nによる転位の固着を防
止するために、適正量のTiを含有し、また、粒界強化
元素であるBを含有し、適正な加熱、圧延、熱処理を行
うことにより、高靱性で、降伏強さが低く、伸びの高い
構造用鋼を経済的に提供するものであり、産業上多大な
効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】降伏強さ、伸びに及ぼすTi添加量の影響を示
す図表である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.01%以下、 Mn:0.20%以下、 Ti:0.03〜0.07%、 Al:0.060%以下、 B :0.0002〜0.0020%、 N :0.040%以下 を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなることを特
    徴とする高靭性で、降伏強さが低く、伸びの高い構造用
    鋼。
  2. 【請求項2】 加熱温度が1150〜1250℃、仕上
    げ温度が800℃以上で、熱間圧延後、910〜960
    ℃で焼準することを特徴とする請求項1記載の高靭性
    で、降伏強さが低く、伸びの高い構造用鋼の製造方法。
JP3681296A 1996-02-23 1996-02-23 高靭性で、降伏強さが低く、伸びの高い構造用鋼及びその製造方法 Withdrawn JPH09227986A (ja)

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