JPH0922678A - 放電を開始及び/又は維持するための装置、及びかかる装置を含む冷陰極真空計 - Google Patents

放電を開始及び/又は維持するための装置、及びかかる装置を含む冷陰極真空計

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JPH0922678A
JPH0922678A JP8173928A JP17392896A JPH0922678A JP H0922678 A JPH0922678 A JP H0922678A JP 8173928 A JP8173928 A JP 8173928A JP 17392896 A JP17392896 A JP 17392896A JP H0922678 A JPH0922678 A JP H0922678A
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cathode
vacuum
gauge
enclosure
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JP8173928A
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Robert Baptist
ロベール・バティス
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Commissariat a lEnergie Atomique CEA
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    • G01L21/34Vacuum gauges by making use of ionisation effects using electric discharge tubes with cold cathodes
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J41/00Discharge tubes for measuring pressure of introduced gas or for detecting presence of gas; Discharge tubes for evacuation by diffusion of ions
    • H01J41/02Discharge tubes for measuring pressure of introduced gas or for detecting presence of gas
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空率や決定すべき値に拘わりなく、放電の
再開や維持を高信頼性を以て行うことができる冷陰極真
空計を提供する。 【解決手段】 電磁界により閉じ込められる放電領域が
位置するエンクロージャ16内に設置可能な、放電を開
始及び/又は維持するための装置であって、前記装置
が、前記放電領域の近傍に位置するマイクロチップ電子
源20と、前記放電を開始及び/又は維持するために放
電領域の方向に電子を放出するように前記マイクロチッ
プ電子源を分極する手段23とを備えたことを特徴とす
る装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電を開始及び/
又は維持するための装置、並びに、かかる装置を含む冷
陰極真空計に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明に係る放電開始装置は、当然接続
即ち取付クリップを適宜選定するならば任意の型の冷陰
極真空計に取り付け可能なモジュラ素子であり、放電開
始を確実にするために放電管等の他の装置にも、或いは
放電を使用するプラズマ反応装置にも取り付けることが
できる。
【0003】冷陰極真空計型の真空計は、一般的に、ペ
ニング真空計、マグネトロン及び逆マグネトロン真空計
(「超真空の応用」 R.W.ロバート及びT.A.ヴ
ァンデンスライス共著(ダノッド社、パリ、1967
年、38乃至40ページ参照)を包含する。図1は、磁
石11、12と、エンクロージャ16内の陽極13及び
陰極14と、エンクロージャ16に接続された真空室1
5とを有する、ペニング真空計10を示す。これらの真
空計は、その型の機能として、10-2ミリバール乃至1
-8ミリバール又は10-10 ミリバールの圧力、及び1
-10 ミリバール以下の圧力でも測定可能である。これ
らの真空計は、公知であり、実験室や産業上特にマイク
ロエレクトロニクスの分野で広く使用されている。それ
らの原理は、「陽極」電極上での電子流の測定又は「陰
極」電極上でのイオン流の測定に基づいており、前記電
子流及びイオン流は、自続放電により生成され、決定し
たいと思う圧力に比例する即ちその圧力の関数となる。
この放電の自続は、真空計内で電場及び磁場を適当に重
ね合わせて得られる、真空計内の相当な長さの電子経路
から生じる。しかしながら、これらの真空計は、極めて
堅固で熱陰極イオン化真空計(例えば、フィラメント実
装ベイヤード−アルパート真空計)と比較していくつか
の利点を有するが、非常に低い圧力では系統的に放電が
再開しないという欠点を有する。例えば、ペニング真空
計の場合、圧力が低く約10-8ミリバール以下であるな
らば、ある種の真空計では、陽極が高電圧になったとき
でも自発的には放電を再開せず、また、その値が圧力の
鏡像であるべき測定された電子又はイオン流が極めて低
く、真空室内での圧力の真の値を反映しない。従って、
測定値は誤っており、この測定値を自動制御装置にリン
クさせた場合は、動作異常が生じる。10-9ミリバール
以下の低い圧力では、逆マグネトロン真空計も、同様の
欠点を生じ、放電再開に数時間を要する。後者は、一般
的には任意に現れ、場合によっては宇宙線の影響下で生
成される。外見上同じ構造を有するある種の真空計で放
電が再開されない正確な理由は、知られていない。
【0004】この欠点を解消して真空計の放電開始を可
能とすべく、幾つかの戦略又は装置が使用されてきてお
り、また、使用されている。 − オペレータが真空計に接続された真空室に接近でき
る場合は、小さな重りを用いて室又は真空計に衝撃を加
えることで、ガス抜きを瞬時に増加させて僅かな圧力上
昇を引き起こすことにより、放電の再開が一般に可能と
なる。 − ある種の陽極は、酸化トリウムで被覆する。この酸
化トリウムは、イオン化に好適な従って放電の再開に好
適なアルファ粒子を放出する(〔「真空工学の原理」
M.ピラニ及びJ.ヤーウッド共著(チャップマン&ホ
ール社、ロンドン、1963年、123乃至126ペー
ジ参照)。 − 陽極の近傍に光電陰極を設置する。この光電陰極
は、適当な時間に光を受容して光電効果により電子流を
放出し、放電を再開させる。 − 陽極の近傍にフィラメントを配置する。このフィラ
メントに電流を通すことにより、局部加熱即ち脱着が生
じて十分な圧力上昇を伴い、放電を開始させる(「超高
真空の物理的原理」N.Y.ロビンソン著(チャップマ
ン&ホール社、ロンドン、1968年、28乃至30ペ
ージ参照)。更に、任意に、フィラメントの分極がそれ
を含むエンクロージャ及び陽極に対して適正であるなら
ば、フィラメントは、熱イオン放出により少量の電子を
放出し、やはり所望の放電を開始させる。 − 真空計の近傍に紫外線放電ランプを設置する。この
ランプを点灯すると紫外線光子が生成され、これらの光
子が陰極を打撃して光電効果により電子を放出させ、放
電の開始を引き起こす(MKSインスツルメント社文
献:「イグニトール(登録商標)冷陰極管開始装置(1
992年、8月)参照)。 − 最後に、電界効果により高圧で開始アークを供給す
るために、陽極の近傍にチップ又は点状の電極を挿入す
ることができる(「真空工学の原理」M.ピラニ及び
J.ヤーウッド共著(チャップマン&ホール社、ロンド
ン、1963年、123乃至126ページ参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの装置の幾つか
は、同じ原理で動作する真空計(即ち、電界及び磁界の
使用が電子経路の長さを増加させる真空計)内で放電の
維持を保証するために連続モードで使用されてきたが、
ここでは、イオン化は、半自律的なものに留まってい
た。かかる真空計は、現在では市販されていない。従っ
て、問題は、極めて低い圧力では冷陰極真空計が体系的
に放電を再開できず、放電再開を引き起こすためには前
記真空計がフィラメント、紫外線放電ランプ等の補助手
段を要する、ということである。これらの手段は全て、
それぞれ、特に完全な信頼性の欠如ということを含め幾
つかの欠点を有する。
【0006】
【課題を解決するための手段】従来技術の欠点を解消す
るために、本発明に係る装置である冷陰極真空計は、真
空率や決定すべき値に拘わりなく、放電の再開や維持を
高信頼性を以て行うことができる冷陰極真空計を構成す
る。即ち、本発明は、以下を特徴とするものである。 (1)電磁界により閉じ込められる放電領域が位置する
エンクロージャ内に設置可能な、放電を開始及び/又は
維持するための装置であって、前記装置が、前記放電領
域の近傍に位置するマイクロチップ電子源と、前記放電
を開始及び/又は維持するために放電領域の方向に電子
を放出するようにマイクロチップ電子源を分極する手段
と、を備えた、ことを特徴とする装置。 (2)請求の範囲第1項記載の装置を含む冷陰極真空計
であって、エンクロージャ内に位置する陰極により取り
囲まれた陽極と、陰極を分極するための手段、陽極及び
エンクロージャと、陰極及び/又は陽極を通過する電流
を測定することにより真空度を測定するための手段と、
を備えた、ことを特徴とする冷陰極真空計。 (3)前記源分極手段が、格子とマイクロチップ電子源
のマイクロチップの分極を付与する又は遮断するための
制御手段を含む、ことを特徴とする前記(1)記載の装
置。 (4)前記制御手段が、スイッチから構成され、該スイ
ッチが、閉じると格子とマイクロチップとの間に電位差
を付与することを可能にし、開くと前記電位差を除去す
ることを可能にする、ことを特徴とする前記(3)記載
の装置。 (5)前記制御手段が、マイクロチップ源の分極手段を
オン/オフすることを可能にする光カプリングにより実
現されている、ことを特徴とする前記(3)記載の装
置。 (6)前記制御手段が、真空計の放電を開始するため
に、真空計により供給される真空の測定に先立ち、格子
とマイクロチップ電子源のマイクロチップの分極を保証
する、ことを特徴とする前記(3)記載の装置。 (7)前記制御手段が、放電の維持を保証するために、
真空計により供給される真空の測定中、格子とマイクロ
チップ電子源のマイクロチップの分極を保証する、こと
を特徴とする前記(3)記載の装置。 (8)前記源分極手段が、マイクロチップ電子源の格子
に、エンクロージャの電位に等しいかそれに近い電位を
付与する、ことを特徴とする前記(1)、及び前記
(3)乃至(7)のいずれか一項記載の装置。 (9)前記電位が、接地電位である、ことを特徴とする
前記(8)記載の装置。 (10)放電を開始及び/又は維持するための自動回路を
備え、該自動回路が、比較器を含み、該比較器の入力の
一方が、基準電圧に接続され、他方の入力が真空計測定
手段の電圧出力に接続され、前記比較器の出力が、比較
器の所与の状態又は状態の変化に応答するトリガ回路を
介して、源分極手段に接続されている、ことを特徴とす
る前記(1)、及び前記(3)乃至(9)のいずれか一
項記載の装置。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、電磁界により画定され
る放電領域が位置するエンクロージャ内に設置可能な、
放電を開始及び/又は維持するための装置を提案する。
この装置は、前記領域の近傍に位置するマイクロチップ
電子源と、前記放電を開始及び/又は維持するために放
電領域の方向に電子を放出するように前記源を分極する
手段とを備えたことを特徴とする。有利な実施形態にお
いて、エンクロージャは、冷陰極真空計のエンクロージ
ャであって、その中には、陰極により取り囲まれた陽極
が位置している。陰極、陽極及びエンクロージャを分極
するための手段、並びに陰極及び/又は陽極を通過する
電流を測定することにより真空度を測定するための手段
もまた設けられている。
【0008】開始及び/又は維持装置を分極するための
手段は、格子と源のマイクロチップの分極を付与する又
は遮断するための制御手段を有する。この制御手段は、
スイッチから構成され、該スイッチは、閉じると格子と
マイクロチップとの間に電位差を付与することを可能に
し、開くと前記電位差を除去することを可能にする。こ
の制御手段は、マイクロチップ源の分極手段をオン/オ
フすることを可能にする光カプリングにより実現するこ
ともできる。
【0009】制御手段は、真空計の放電を開始するため
に、真空計により供給される真空の測定に先立ち、格子
と源のマイクロチップの分極を保証する。放電の開始の
みを可能とするこの種の動作(スイッチは真空度測定中
開いている)は、開始手段の「パルス動作」と呼ばれ
る。制御手段は、放電の維持を保証するために、真空計
により供給される真空の測定中、格子と源のマイクロチ
ップの分極を保証することができる。真空度測定中の閉
鎖位置でのスイッチの使用に対応するこの種の動作は、
開始及び/又は維持手段の「連続動作」と呼ばれる。
【0010】開始及び/又は維持装置の分極手段は、源
の格子に、エンクロージャの電位に等しいかそれに近い
電位を付与する。一般に、これは地電位である。本発明
に係る開始及び/又は維持装置は、マイクロチップ電子
源の使用の結果として方向性を有する。従って、これ
は、エンクロージャの放電領域の近傍にも或いはそれか
ら遠く離れた位置のいずれにも配置することができる。
この結果、エンクロージャ内に極めて高い自由度を以て
開始及び/又は維持装置を配置することが可能となる。
【0011】好ましくは、本発明に係る装置は、自動開
始及び/又は維持回路を備え、該回路は比較器を含む。
該比較器の入力の一方は、基準電圧に接続され、他方の
入力は真空計の測定手段の電圧出力に接続されている。
比較器の出力は、比較器の所与の状態又は状態の変化、
例えば立ち上がり前縁に応答するトリガ回路を介して、
源の分極手段に接続されている。パルス型動作の場合、
トリガ回路はパルスを生成し、連続維持動作の場合、ト
リガ回路は連続信号を生成する。
【0012】係る開始及び/又は維持装置は、真空計の
動作の全体的な信頼性を確保する。また、該装置は、真
空計により供給される測定値に各工程が従属し、例えば
このように他の装置の起動(弁の開放、機器の始動等)
を決定する、どんな産業装置においても使用することが
できる。既に設置済みの大抵の冷陰極真空計に追加する
こともできる。放電は半自律的であって自律的ではない
ので、同じ原理で作動するが異なる構造を有する一定の
真空計は、極めて弱い維持電流が継続的に存在すること
を要する。1ピコアンペア以下のこの電流は、本発明に
係る装置により供給することができ、該装置は次に連続
的に分極される。
【0013】マイクロチップ陰極電子源のこれまで公知
の全ての用途の場合と異なり、陰極は、パルス動作の場
合の測定の実施中には機能しない。これは、マイクロチ
ップ陰極が放出しながら見られるマイクロチップ蛍光面
の場合とも、マイクロチップ陰極の放出の間に増幅が生
じる超周波数用途の場合とも異なる。この用途では、陰
極は反応を開始し、次に約2秒後にその機能を終了す
る。次に、その動作の結果が考慮される。
【0014】本発明に係る真空計は、従来の装置と比較
して多数の利点を有する。アルファエミッタで覆った陽
極と比較してマイクロチップ陰極の使用の利点は、エン
クロージャ内の放射性汚染が生じないことである。フィ
ラメントと比較してマイクロチップ陰極の使用の利点
は、一方では堅固な性質であり、他方では、加熱が無い
ためガス抜きを要しないこと(従って、測定すべき圧力
の劣化が生じないこと)である。フィラメントから熱イ
オン放出により電子ビームを抽出したいとき、エンクロ
ージャに対してフィラメントを負に分極する(エンクロ
ージャ上のビームの殆ど全てを失う)か、又は、フィラ
メントを移動して陽極に極めて接近させることが不可欠
である。これは、電子がフィラメントからゼロ速度で放
出されること、及びその結果として引き付ける電界が無
ければ電子が抽出されないことに起因する。
【0015】放電ランプと比較してマイクロチップ陰極
を用いる利点は、評価が難しい。本明細書の最後に引用
した参考文献に拠ると、開始時間は、マイクロチップの
場合のように瞬時ではないことが分かる(10-8ミリバ
ールで3秒、又は10-10 ミリバールで3分)。加え
て、前記装置は、真空室内に寄生の紫外線光を生成し、
この紫外線光は、ESCA(化学分析のための電子分光
器)、真空分光計等において極めて有害である。また、
加熱可能ではないので、加熱作業の間は除去して衝撃後
に戻さなければならず、オペレータの介入を要する。光
電陰極と比較してマイクロチップ陰極を用いる利点は、
一方ではマイクロチップ陰極を暗状態に留める必要がな
いこと、他方ではその表面が陰極の表面より残留真空及
び可能性のある汚染に対して遙かに低い感度を有するこ
とである。更に、光電陰極は、一般に高温(超高真空の
場合摂氏400度で加熱)で加熱可能ではないが、マイ
クロチップ陰極の場合はそうではない。陽極上に又は陽
極近傍に配設したマクロスコピックチップと比較してマ
イクロチップ陰極を用いる利点は、マイクロチップ装置
の信頼性が100%であるのに対して、マクロチップ
(バルザースにより市販されている装置)の場合、極め
て低い圧力では放電開始は決して生じない。
【0016】最後に、マイクロチップ陰極から抽出され
る電流は極めて小さく且つ極めて短いので、前記用途に
おけるマイクロチップ陰極の動作寿命は、事実上無限で
あると見做すことができる。開始装置の価格には、図5
に示したようなクリップと二本の電気ダクトの価格、マ
イクロチップ陰極とその固定装置の価格、及び電源の価
格が含まれる。後者は、それに論理比較回路を付加した
としても、極めて基本的なものである。これは、高電流
も高電圧も要しない。かくして、全体的な低コストが実
現される。
【0017】以下の説明は、本発明に係る装置の、真空
計への適用の範囲内でなされるが、先述したように、本
発明は放電を利用した他の装置にも適用可能である。図
2に示した本発明に係る冷陰極真空計は、例えば、エン
クロージャ16内に、陰極14により囲まれた陽極13
と、放電開始及び/又は維持手段と、陰極(一般に接地
されている)、陽極(高電圧)並びにエンクロージャ
(一般に接地されている)を分極するための第一の手段
と、エンクロージャ16の外側の磁気手段(磁石11及
び12)とを有する、ペニング真空計である。前記エン
クロージャは、また、真空度を測定すべき真空室に接続
可能なクリップ17等の固定即ち接続手段を有する。放
電開始及び/又は維持手段は、固定手段の近傍(即ち上
流か又は下流)に配設されたマイクロチップ電子源20
と、エンクロージャ16の放電領域に対してパルス又は
連続的な電子放出が生じる電位まで抽出格子12及び該
電子源のマイクロチップを高めることができる第二の分
極手段23とを有する。図2に示したように、放電領域
の近傍に配設されたマイクロチップ陰極20は、抽出格
子22を通って放電領域の方向に、半自律放電を開始し
或いは維持するに十分な電子流21を放出することがで
きる。
【0018】実験装置の典型値(過大に数値決めしたも
のを含む)は、例えば以下の通りである。 − 陰極の放出領域:400000チップで20mm2 − 格子−チップ間分極電圧:30乃至50V(チップ
の放出特性に応じて、約数ナノアンペア以下の放出電
流) − パルス持続時間:放電再開時(又は分極維持のため
の約20乃至30V程度の極めて低い電圧での連続動作
状態時)1乃至2秒
【0019】図2に示した装置において、チップは、大
地(エンクロージャの電位)に対して分極される。電子
が格子の方向に戻らずに、陽極に近い放電領域に達し得
るようにするためには、電子に付与された運動エネルギ
が十分であること、並びに、前記電子がそれらの経路上
に除去すべき0ボルト電位「ネック」を有しないことが
必要である。マイクロチップ陰極が十分に陽極に接近し
ている場合はネックが生じないので、電位は0ボルト以
下の値を経ることなく陽極から陰極抽出格子まで減少す
る。必要に応じ、そして大抵の場合マイクロチップ陰極
が陽極から一定の距離にあり(真空エンクロージャ壁の
近接により生成される)0ボルトネックが存在するの
で、図3に示すように格子を地電位にまで高めることに
より陰極を分極すると共に、格子−チップ間の電位差を
30乃至50Vに維持することが必要である。
【0020】図2と比較すると、図3では、マイクロチ
ップ電子源を放電領域から遠く離して使用しており、前
記電子源は、格子の電位がエンクロージャの電位(図3
では地電位)に等しいか或いはそれより低くなるよう
に、異なって分極されている。この場合、陽極が陰極に
対してゼロ電位により遮蔽されているとしても、チップ
からのビームは、放電領域に達する。かかる放電開始装
置を用いることにより、エンクロージャ内の圧力がどん
なに低い場合でも、作動後数秒でペニング真空計又は逆
マグネトロン真空計の放電を再開し得ることが実験的に
判明した。自発的放電再開には数分或いは約一時間さえ
も要することがある真空状態下で、陰極からの電子ビー
ムにより励起される放電開始は、電子パルスの印加後数
秒内に100%の信頼性を以て自動的になされた。本発
明に係る放電開始装置を用いない場合の自発的放電開始
数は、全部で数百回生じた放電開始動作のうち、数回に
過ぎなかった。
【0021】現在市販されている真空計は、圧力がそれ
らの測定範囲の最小値より小さい場合でも正確に放電開
始後は遮断されることなく動作するように見える。しか
しながら、そうでないとしても、本発明に係る真空計
は、放電を二通りの方法で維持することができる。最初
に、電子パルスを所与の周期(例えば、一時間毎)で送
り、パルスの到着直前に測定圧力がエンクロージャ内に
行き渡っているかどうかをチェックする。次に、数フェ
ムトアンペアの低電子流を10-10 ミリバールの真空を
測定する真空計に連続的に送出し、約15乃至30Vで
陰極を分極する。この場合、維持電流は、放電により生
成される電子流より十分小さいので、放電生成電流や測
定を妨げることはない。この維持電流の大きさの程度
は、測定を妨げないように、真空計の種類やマイクロチ
ップ陰極の放出特性の関数として明らかに調整する必要
がある。分極に対する対策が講じられなかった場合、例
えばチップを接地したとか、真空計から離し過ぎたとか
いう場合は、図4の状態が得られる。ゼロ電位領域24
が存在し、格子25への電子復帰が生じる。
【0022】更に、真空エンクロージャを接地していな
い場合は、その関数として陰極を分極する必要がある。
放電を維持するために真空計に対して電流の供給を連続
的に行う場合、有効な電流を生成するために、約15乃
至30Vでチップに対して陰極格子を連続的に分極すれ
ば十分である(マイクロチップ陰極が遠隔位置にある場
合は、明らかに格子を接地する)。
【0023】陰極への給電は、この装置には不可欠であ
る。最小電子機器構成では、オペレータは、真空計が良
好に動作していない疑いがある場合(実際に動作不良の
ためか或いは真空計の放電再開が生じなかったために、
極めて低い圧力値を示す)、陰極回路のスイッチを暫時
閉じることができる。このとき、陽極を貫通する電子流
のために、圧力示度は「上昇」する。電子パルスが終了
したとき(1乃至2秒後)、オペレータは、再び圧力値
を読み取ることができる。該値がパルス付与前と同じで
あれば、真空計の放電が開始されて圧力が効果的に低い
ことを示し、該値が変化していれば、その間に放電が開
始されており、考慮すべき真の値は後者であることを示
す。より複雑な電子機器構成では、電子回路は、作動直
後に、エンクロージャ内の圧力を基準値と比較し、測定
圧力がそれより低ければ、電子回路は、陰極電源にパル
スを送り、暫時低電子流を生成して真空計の放電を任意
に再開する。維持の場合は、陰極の二つの電極を連続的
に分極させるだけでよい。
【0024】かくして、図6に示したように、この放電
開始用の自動回路は、比較器49を備えている。該比較
器の入力の一方は、遅延回路51を介して冷陰極真空計
40の制御装置41(真空計分極手段18と測定手段1
9を有する)に接続され、他方の入力はオペレータによ
り調節された(基準圧力Pに対応する)基準電圧VRを
有する。前記比較器49の出力は、トリガ回路50を介
してマイクロチップ陰極47の分極手段即ち電源46に
接続されている。トリガ回路は、比較器の出力が二つの
状態の間でフリップするとき、或いは所与の状態を採る
とき、電源手段に信号を供給する。この信号は、パルス
動作の場合はパルス型であり、維持動作の場合は連続型
である。
【0025】例示的態様においては、以下の動作が生じ
る。制御装置41を始動すると、アナログ出力SAは、
Pに比例した或いはPの関数としての電圧Vを示す。こ
の値がVRを超えると、比較器49の出力は低い値にな
る。超えない場合は、高い値に移行する。立ち上がり前
縁に応答するトリガ回路50は、パルスを電源46に送
出し、電源はこれを陰極47に伝播する。補助装置を用
いて冷陰極真空計の放電を再開させる概念は、新しくは
ないが、このことは、補助手段により放電を維持する概
念についても当てはまる。熱陰極真空計内でフィラメン
トの代わりにマイクロチップ陰極を用いる概念も、ま
た、既に存在する。
【0026】しかしながら、冷陰極イオン化真空計(ペ
ニング、マグネトロン、逆マグネトロン)の問題を解決
するためにマイクロチップ陰極を利用する概念は、利用
されていなかった。これら二つの概念の組合せ、即ち、
ペニング真空計内で再開フィラメントをマイクロチップ
陰極に交換することは、当業者にとっては、自明のこと
ではない。かくして、寸法上の理由と任意に前記フィラ
メントを交換する可能性のために、実際の真空計上で電
子ダクトを備えた真空計本体内にフィラメントを組み込
むことは容易ではない。恐らく、マイクロチップ陰極に
ついても同様の状況が生じる。従って、電気ダクトを開
始装置から真空計の外側に、例えば図2及び図3に示し
たような中間クリップ上に移動する即ちずらすことは当
然と思われる。こうした条件下では、ずらしたフィラメ
ントを用いて電子を放電領域まで送出することは困難と
なる。この場合、放電開始の主たる理由は、フィラメン
トの加熱の結果としてのエンクロージャ内の圧力上昇で
あり、真空計内の電子雲の存在ではないと考えられる。
【0027】ペニング真空計或いはより一般的に冷陰極
真空計内で放電を開始するためにフィラメントを用いる
ことが望まれる場合は、従来、オペレータは種々の解決
法を利用できる。 1.図7に示したように、フィラメントを陽極にできる
だけ接近して(数ミリメートル)配置する。フィラメン
トの端部に、電源(数ボルト、数アンペア)を配置す
る。フィラメントの端部の一方は、例えば接地(即ち装
置特にエンクロージャの電圧基準)する。フィラメント
を加熱すると、陽極に印加される電位がフィラメントの
周囲に位置する電子雲35を引き付けるに十分な場合、
熱イオン放出が生じる。この場合、放電が開始される。
更に、加熱時、フィラメントが僅かに脱着されて局部的
に圧力を増加させ、放電を開始するに十分なものとなる
可能性も高い。かくして、陽極近傍でのフィラメントの
位置決めは、フィラメントを真空計に一体化すること若
しくは十分に長くて堅固なロッド36を高電圧に十分接
近させることの何れかを伴い、初期圧力に拘わりなく、
真空計が放電を開始し得ることが期待される。しかしな
がら、機械的構成は複雑である。即ち、フィラメントが
壊れ易いこと、真空源が点火時に真空の質を損なう可能
性がある、等々。
【0028】2.フィラメントを図8に示したように真
空計の外側に数センチメートル離して配置する。この時
点で、フィラメントから電子を抽出してそれらを陽極の
方へ向けることは困難になる。かくして、1のように、
フィラメントの端部の一方が(エンクロージャのよう
に)接地されていると仮定すると、フィラメントでの電
界は実質的にゼロになるので、放電領域の方に引き寄せ
られる電子は無い。この事態を改善するために、端部の
一方に陰極性を付与してもよい。この場合、放出された
電子37の大部分は、エンクロージャ壁に進み電子衝撃
による脱着で圧力上昇を引き起こすが、一方、他の部分
は、放電領域に進む。エンクロージャ及びイオン化領域
にそれぞれ進む量の比は、大まかに、フィラメントから
エンクロージャ及び放電領域を見ることができる立体角
の比に対応する。この比が小さい場合、電子を陽極に送
り得るためには「高い」加熱が必要である。しかしなが
ら、加熱用と分極用の二つの電源が必要となる。更に、
放電開始は、電子の作用の結果として、またガス抜きに
より行われる。上記考察に留意すると、それほど強力で
はない電子源(マイクロチップ陰極)を無視できない距
離(放電領域から数センチメートル離れた)に配置して
電子を放電領域に集め得る、ということは明白ではな
い。これを達成するために、一定数の条件を満たす必要
がある。 − 陰極を真空計の方向に引くこと。 − 抽出格子と放電領域との間の電子による「見掛け」
電位が、抽出格子と放電領域を反発しないこと。 その結果、(電荷の値をかけた)抽出電圧とチップに印
加された電圧との間の差に略等しい放出電子の運動エネ
ルギの値に留意すると、以下のことが分かる。 * 陰極が放電領域から遠く離れている場合(これは強
制的ではないが、真空計を既に有しており開始装置を獲
得したいと思っている顧客には有利である)、 * エンクロージャを接地した場合(通常はそうであ
る)、 * チップを接地して抽出格子が正である場合、
【0029】図4に示したように、電子のほとんどが格
子に戻って放電領域には達しない可能性が高い。この構
成では、明らかに、放電開始目的に十分な局部的な圧力
上昇を達成すべく強力な電流を生成するように選定する
ことが可能である。しかしながら、一般に、困難を以て
得られた超高真空を劣化させることは望ましくない。か
くして、本発明によれば、抽出格子は大地に接続されて
いるので、陰極からのビームは、開始領域まで「進
む」。この分極型は、ここでは陰極がダイオードのよう
に機能しており、且つ真空計の陽極が高電圧では地電位
カーテンにより抽出格子から遮蔽されているので、従来
明白なものではない。
【0030】従って、本発明は、一般に放電領域から比
較的遠く配設されたマイクロチップ陰極を適切に分極す
ることから成り、その結果、十分な数の電子が前記真空
計の内容積に到達する。方向性電子源と十分な分極とを
組み合わせて選定することにより、真空計の放電を開始
するために、「電子放出プラス局部的ガス抜き生成」の
二重構成に影響することを防いでいる。この場合、真空
レベルが真空計の測定範囲に相当する限り測定すべき真
空レベルに拘わりなく、1乃至2秒間の数ナノアンペア
のピーク電流が冷陰極真空計を自動的に開始させる。
【0031】図5は、マイクロチップ陰極用の接点、即
ちチップ接点30と格子接点31を備えた超高真空クリ
ップ、例えばCF35二重面クリップに、マイクロチッ
プ陰極を取り付ける一例を示す。エンクロージャを接地
した場合、抽出格子をエンクロージャに直接接続するこ
とが可能になり、電気ダクトを除去してその分だけクリ
ップの価格を低下させることができる。
【0032】本発明に係る真空計は、その有利な特性を
明らかにするために試験を受けた。図2は、マイクロチ
ップ開始装置を備えた冷陰極真空計用の試験ステーショ
ンである。該ステーションは、2×10-10 ミリバール
の真空を達成可能な真空室を備えている。この室は、タ
ーボ分子ポンプにより排気可能である。圧力は、試験す
べき冷陰極真空計により測定される。マイクロチップ陰
極即ち開始装置は、真空計と室との間に挿入され、真空
計から20mmに位置決めされ、その電子ビームを真空
計の入口に向ける。真空室は接地電位であるので、陰極
格子もまた、0ボルトで分極されている。例えば−40
ボルトで負のパルスをチップに印加すると、陰極から電
子が放出される。電子は、その前方に位置する各部分、
特に真空計の陽極に近い領域に到達することができ、そ
こでイオン化を引き起こす。電子の運動エネルギが小さ
いので(約40eV)、電子の経路に作用する磁界の影
響は大きい。従って、放出された電子群が放電領域に達
して放電の開始に必要なイオン化を達成できるかどうか
を確定するように、磁界構成が異なる二つの真空計の型
が考察された。第一の真空計は、ペニング二重プラズマ
真空計(モデルCFF2Pアルカテル−CIT、F74
009アネシーセデックス)である。その測定範囲は、
10-3乃至10-8ミリバールである。該真空計は、ニュ
ーロップKFクリップを備えている。第二の真空計(バ
ルザース)は、1×10-11 ミリバールまで機能し得る
逆マグネトロン真空計(三軸モデル、バルザース・アク
ティエンゲセルシャフト、FL−9496バルザース)
である。真空計は、陽極上のマイクロチップ針から形成
された、それ自体の小型の開始装置を有する。試験は、
三通りの圧力、即ち10-8、10-9、5×10-10 ミリ
バールで、単独で、又はマイクロチップ陰極を用いて、
その性能に関して実行された。真空計は、CF35クリ
ップ及び三軸コネクタを備えている。図9に、診断接続
図が示されている。冷陰極真空計40(ペニング又はバ
ルザース)は、高電圧シール接点リレー42を介してそ
の制御装置41に接続されている。コンピュータ43
は、一方で制御装置41に接続された電圧計44に接続
され、他方でリレー42に接続された第一の電源45に
接続され、最後にマイクロチップ陰極47に接続された
第二の電源46に接続されている。真空計40と陰極
は、真空室48内に位置決めされている。リレーを閉じ
ると、真空計の陽極に高電圧(通常2500乃至350
0V)が印加される。次に、コンピュータ43は、真空
計により指示された圧力の測定値である、制御装置によ
り付与された電圧値を読み取ることができる。この値が
当該圧力に対して期待される真の値に一致しない場合
(即ち、検出電子流が余りに小さいとき)、これは、放
電がまだ生じていないことを意味する。制御装置により
付与される示度は、「極めて小さいかゼロの圧力」であ
る。次に、コンピュータは、電圧電源を横切って1乃至
2秒間陰極にパルス電圧Vを供給し、短時間経過後、制
御装置の出力電圧を読み取り、放電が生じたかどうかを
確定する。或いは、振幅V+5ボルトの第二のパルスを
陰極等に供給する。放電が開始されると、制御装置は真
の値を表示し、電圧計44に「正しい」電圧値を供給す
る。この電圧値は、次に、コンピュータ43により考慮
される。逆マグネトロン真空計の場合、図9の実験装置
に対して僅かな変形が施された。陽極に高電圧を供給す
るリレーが開放位置にあるとき、放電を中止するように
陽極を接地する必要がある。これをしないと、長時間放
電が生じ、一時間後にリレーを閉じたときも放電が続く
ことになる。
【0033】明細書の最後にある表1は、ペニング真空
計を用いた場合、4×10-9ミリバールの圧力で成功し
た放電開始(自動及び補助)の相対数を示す。約1秒間
電子パルスを用いることにより、前記真空計を極めて高
い信頼性で使用し得ることは明らかである。第二の真空
計の場合、パルス継続時間は、約2秒増加された。真空
計の放電が開始されたかどうかを確定するためのこれら
の試験測定は、(時定数を考慮するために)リレーを閉
じた後或いは陰極にパルスを印加した後少なくとも30
秒間行われた。表2は、得られた結果を示す。
【0034】これらの結果から、マイクロチップ陰極が
冷陰極真空計内で放電を開始させるための完全な装置で
ある、ことが分かる。本マイクロチップ陰極は、20m
2の表面を有し、他の用途では通常約50乃至80V
の電圧で使用される。その後放出される電流は、約1ミ
リアンペアである。本用途では、放出電流は、ナノアン
ペア又はマイクロアンペアの範囲にある。これらの条件
下では、放電を開始させるために必要な電子量を(例え
ば他の真空計の構造において、或いは10-10 ミリバー
ル以下の圧力で)増加する必要があるならば、抽出電圧
を増加させる可能性も十分ある、ことは明らかである。
また、空気中では、陰極に印加される30Vの定電圧
は、真空中のその放出特性を実質的に劣化させず、操作
が間違った場合でも陰極は有効なままである、ことも指
摘される。
【0035】陰極に用いる材料は、全て、超高真空適合
性を有し、陰極は、現在ではガラス基板上で約摂氏40
0度で加熱することができる。加熱温度を高めるため
に、シリコン等の他の基板も使用可能である。気体の存
在下で動作する陰極に係る種々の実験から、かかる短時
間の動作の場合(約45Vで1秒乃至秒)陰極寿命は数
年であることが分かった。更に、かかる放電開始の場
合、放電開始は即時であり(数秒)、開始時間が、1.
10-9乃至5.10-10 ミリバールの間の圧力の圧力レ
ベルに独立であることは明らかである。(イオン化がそ
の時まで終了していないということを確実にするため
に)陰極へのパルスの印加後1乃至数分後に放電開始制
御が行われるが、放電開始をパルス印加後数秒(5乃至
10秒)で行うことも可能であった。かくして、状況
は、光電効果(10-10 ミリバールで3分)を用いて放
電開始する場合とは異なる。
【0036】マイクロチップ陰極の切り換えによる圧力
上昇は、抽出電流の値が極めて小さいため無視し得る
(典型的なベイヤード−アルパート真空計と比較して、
フィラメントにより放出される電流は、約1ミリアンペ
アである)。かくして、冷陰極真空計にできるだけ接近
させてしかし数センチメートルは離して位置決めされた
マイクロチップ陰極を使用することにより、圧力レベル
に拘わりなく、圧力を読み取るために必要なセンサ内の
放電を完全に且つ高信頼性を以て開始させることが可能
となる。装置は、電力無しで1乃至2秒間30乃至50
Vのパルスを要するのみであるので、前記開始装置は、
信頼性が重要な要素であるマイクロエレクトロニクス等
の産業で、或いは、圧力測定制御が完全に自動化されて
いる大型計器分野で、或いは真空計を一定時間遮断する
必要がある場合等に、使用可能である。装置全体のコス
トは、一又は二本の電子ダクトを備えたクリップのコス
トにより実質的に決定される。平面発光型電界効果スク
リーンの発達により、極めて近い将来に陰極の価格が極
めて安価になると思われる。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
真空率や決定すべき値に拘わりなく、放電の再開や維持
を高信頼性を以て行うことができる冷陰極真空計を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ペニング真空計を示す概略構成図である。
【図2】 本発明に係る真空計を示す概略構成図であ
る。
【図3】 本発明に係る真空計を示す概略構成図であ
る。
【図4】 陰極の分極が足りない場合の本発明に係る真
空計を示す概略構成図である。
【図5】 マイクロチップ陰極用の接点を備えた二重面
クリップを示す概略構成図である。
【図6】 放電開始用の自動回路を示す電気図である。
【図7】 フィラメントを用いた放電開始の難点を示す
概略構成図である。
【図8】 フィラメントを用いた放電開始の難点を示す
概略構成図である。
【図9】 開始手順を試験するための実験装置を示す概
略構成図である。
【符号の説明】
13 陽極 14 陰極 16 エンクロージャ 19 真空度測定手段 20 マイクロチップ電子源 23 分極手段

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁界により閉じ込められる放電領域が
    位置するエンクロージャ内に設置可能な、放電を開始及
    び/又は維持するための装置であって、 前記装置が、 前記放電領域の近傍に位置するマイクロチップ電子源
    と、 前記放電を開始及び/又は維持するために放電領域の方
    向に電子を放出するように前記マイクロチップ電子源を
    分極する手段と、 を備えた、 ことを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】 請求の範囲第1項記載の装置を含む冷陰
    極真空計であって、 エンクロージャ内に位置する陰極により取り囲まれた陽
    極と、 陰極を分極するための手段、陽極及びエンクロージャ
    と、 陰極及び/又は陽極を通過する電流を測定することによ
    り真空度を測定するための手段と、 を備えた、 ことを特徴とする冷陰極真空計。
  3. 【請求項3】 前記マイクロチップ電子源分極手段が、
    格子とマイクロチップ電子源のマイクロチップの分極を
    付与する又は遮断するための制御手段を含む、 ことを特徴とする請求項1記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段が、スイッチから構成さ
    れ、 該スイッチが、閉じると格子とマイクロチップとの間に
    電位差を付与することを可能にし、開くと前記電位差を
    除去することを可能にする、 ことを特徴とする請求項3記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段が、マイクロチップ源の分
    極手段をオン/オフすることを可能にする光カプリング
    により実現されている、 ことを特徴とする請求項3記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段が、真空計の放電を開始す
    るために、真空計により供給される真空の測定に先立
    ち、格子とマイクロチップ電子源のマイクロチップの分
    極を保証する、 ことを特徴とする請求項3記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段が、放電の維持を保証する
    ために、真空計により供給される真空の測定中、格子と
    マイクロチップ電子源のマイクロチップの分極を保証す
    る、 ことを特徴とする請求項3記載の装置。
  8. 【請求項8】 前記源分極手段が、マイクロチップ電子
    源の格子に、エンクロージャの電位に等しいかそれに近
    い電位を付与する、 ことを特徴とする請求項1、及び請求項3乃至7のいず
    れか一項記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記電位が、接地電位である、 ことを特徴とする請求項8記載の装置。
  10. 【請求項10】 放電を開始及び/又は維持するための
    自動回路を備え、 該自動回路が、比較器を含み、 該比較器の入力の一方が、基準電圧に接続され、他方の
    入力が真空計測定手段の電圧出力に接続され、 前記比較器の出力が、比較器の所与の状態又は状態の変
    化に応答するトリガ回路を介して、源分極手段に接続さ
    れている、 ことを特徴とする請求項1、及び請求項3乃至9のいず
    れか一項記載の装置。
JP8173928A 1995-07-03 1996-07-03 放電を開始及び/又は維持するための装置、及びかかる装置を含む冷陰極真空計 Pending JPH0922678A (ja)

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