JPH09225836A - サンドブラスト材 - Google Patents

サンドブラスト材

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JPH09225836A
JPH09225836A JP6372996A JP6372996A JPH09225836A JP H09225836 A JPH09225836 A JP H09225836A JP 6372996 A JP6372996 A JP 6372996A JP 6372996 A JP6372996 A JP 6372996A JP H09225836 A JPH09225836 A JP H09225836A
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resin fine
resin
sandblast
conductive polymer
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JP6372996A
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Ikuo Mizoguchi
郁夫 溝口
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Achilles Corp
Original Assignee
Achilles Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】合成樹脂製サンドブラスト材において、帯電防
止性能を粒子形態の面から最大限に、かつ、周囲の湿度
に影響されずに低湿度条件でも十分に発揮することがで
き、その上、帯電防止効果を長期にわたって持続するこ
とができる。 【解決手段】合成樹脂モノフィラメントを切断して作ら
れたアスペクト比1±0.2の円柱状樹脂細粒よりな
り、かつ細粒の外表面は導電性ポリマーにより被覆され
てなるサンドブラスト材。好ましくは、樹脂細粒の端面
の面積は中央部の断面積よりも増大し、該端面の外縁部
は細粒の中央部の側面に比していくらか盛り上がった隆
起構造を形成してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂製サンド
ブラスト材に係り、より詳しくは、帯電防止性能が改良
され、帯電防止効果を湿度依存せずにかつ長期の使用の
間十分発揮しうるところのサンドブラスト材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の合成樹脂製サンドブラスト材は、
ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、フェノー
ル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリカーボネート
等よりなる凡そ20〜100μmの粒子径を有する樹脂
粒子であった。そして、この種のサンドブラスト材は、
サンドブラスト機において通常100m/秒ぐらいの速
度で対象物に衝突せしめるという方法で使用され、金型
等の金属製品の表面の研磨、研削、並びに、半導体製品
における封止材のバリ取り等に利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の合成樹
脂製サンドブラスト材を用いた場合、サンドブラスト加
工の最中において、ブラスト材粒子とサンドブラスト機
の各部位との接触およびブラスト材粒子同士の接触によ
り、静電気が発生し、このため、ブラスト材粒子がサン
ドブラスト機の例えばホッパー内壁面とか循環ホース内
面に付着し、そしてひどいときには、ブラスト材粒子の
二次凝集によりサンドブラスト機の内部で閉塞が起き
て、ブラスト加工が中断してしまうという事態をひき起
こす場合があった。そこで、この問題を改善するため
に、従来、スプレー等を用いてカチオン界面活性剤の水
溶液をサンドブラスト材に塗布して、その表面の帯電防
止性能を高めるという方法が採られていた。しかし、カ
チオン界面活性剤は湿度依存性が強く、これを被覆した
サンドブラスト材は、低い湿度条件下に置かれたときに
は、帯電防止効果があまり発揮されず、また乾燥処理を
経た後には、界面活性剤の帯電防止効果が著しく消失す
るという欠点があった。従って、界面活性剤被覆の合成
樹脂製サンドブラスト材は、循環ブラスト加工において
相対的に短期間しか利用できず、より長期間の循環ブラ
スト加工に安定して使用するには適さないものであっ
た。その上、この種のサンドブラスト材は、ブラスト加
工の間に界面活性剤が対象物の表面に付着し、そしてこ
れが原因となって次の工程において障害をひき起こす場
合があるという問題をも有していた。また、上記の界面
活性剤の被覆に代わる別の方法としては、導電性カーボ
ンをサンドブラスト材用の合成樹脂内に混練し、そして
これよりブラスト材粒子を作り、ブラスト加工に用いる
という方法が、提案されている。しかし、導電性カーボ
ンの混練によって合成樹脂粒子の強度は大きく低下する
ため、導電性カーボンが混練された合成樹脂製サンドブ
ラスト材は、ブラスト加工の際の衝突により崩壊しやす
いものとなり、長時間のブラスト加工(研磨、研削)に
は耐えられないものとなる。従って、上記の方法は、改
良された代替手段として直ちに採用できるものでない。
また、導電性カーボンに代えて、炭素繊維をサンドブラ
スト材用合成樹脂中に混入し、これよりブラスト材粒子
を作り、ブラスト加工に用いるという方法も、従来提案
されている。しかし、炭素繊維混入の合成樹脂製サンド
ブラスト材は、ブラスト材粒子内における炭素繊維と合
成樹脂の間の接着の強度に不安定さがあるだけでなく、
炭素繊維の埋設により十分満足な帯電防止効果を発揮し
ないことが多く、帯電防止性能の有効性に劣るという欠
点がある。さらに、この種のサンドブラスト材は、循環
ブラスト加工に実際に使用すると、加工時のブラスト材
粒子の衝突速度、サンドブラスト機の使用条件、さらに
は作業をなす周囲の環境にも依るが、極めて短い(例え
ば10〜20分程度の)加工時間で循環不良をひき起こ
すという問題があった。
【0004】以上のように、帯電防止に関して改良され
た従来の合成樹脂製サンドブラスト材は、帯電防止性能
が周囲の湿度に影響されやすく、かつ、帯電防止効果を
長期にわたって持続することができず、循環ブラスト加
工には満足に適さない製品であった。
【0005】本発明は、上述の事情を考慮してなされた
ものであって、その課題とするところは、帯電防止性能
を粒子形態の面から最大限に発揮しうるだけでなく、そ
の性能を周囲の湿度に影響されずに、乾燥後など低い湿
度条件下においても、十分に発揮することができるとこ
ろの合成樹脂製サンドブラスト材を提供することにあ
る。また、本発明の別の課題は、上記の帯電防止性能を
有するとともに、その帯電防止効果を長期にわたって持
続することができ、循環ブラスト加工に満足に適すると
ころの合成樹脂製サンドブラスト材を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究の
結果、合成樹脂モノフィラメントを横断方向に切断して
アスペクト比1±0.2の円柱状樹脂細粒を作り、その
際、樹脂細粒の両端面の面積がその中央部の断面積より
も増大するように合成樹脂モノフィラメントの切断を行
なって、樹脂細粒の端面の外縁部に、細粒側面の中央部
に比していくらか盛り上った隆起構造を形成し、その
後、樹脂細粒の外表面をポリピロール等の導電性ポリマ
ーにより被覆して、サンドブラスト材に仕上げると、得
られる合成樹脂製サンドブラスト材は、帯電防止性能を
粒子形態の面から最大限に発揮しうるだけでなく、その
性能を周囲の湿度に影響されずに、乾燥後など低い湿度
条件下においても、十分に発揮することができ、かつ、
その帯電防止効果を長期にわたって持続することがで
き、循環ブラスト加工に満足に適するものであることを
見出し、本発明を完成した。
【0007】従って、本発明は、明確には、合成樹脂モ
ノフィラメントを切断して作られたアスペクト比1±
0.2の円柱状樹脂細粒よりなり、かつ、該樹脂細粒の
外表面は導電性ポリマーにより被覆されてなることを特
徴とするサンドブラスト材に関する。本発明のより好ま
しい態様は、前記樹脂細粒の両端面の面積は樹脂細粒の
中央部の断面積より増大し、そして、該端面の外縁部は
樹脂細粒の中央部の側面に比していくらか盛り上った隆
起構造を形成してなることを特徴とする上記のサンドブ
ラスト材に関する。本発明のとりわけ好ましい態様は、
前記隆起構造において、盛り上った頂部の高さは樹脂細
粒の中央部の直径の10ないし20%であることを特徴
とする上記のサンドブラスト材に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】まず、本発明のサンドブラスト材
の形態を、図1および図2に示す模式的な図を用いて説
明する。これらの図に示すように、本発明のサンドブラ
スト材は、アスペクト比1±0.2の円柱状の樹脂細粒
1であって、その外表面は、前後の両端面2、2および
側面3も、導電性ポリマーの被膜4により覆われた樹脂
細粒より構成される。円柱状の樹脂細粒1は、合成樹脂
モノフィラメントを上記の範囲内のアスペクト比となる
ように切断して作られる。そして、本発明のより好まし
い態様のサンドブラスト材は、図1および図2に示すよ
うに、樹脂細粒1の両端面2、2の面積が細粒の中央部
5の断面積より増大しており、そして、端面2の外縁部
が、細粒の中央部5の側面3に比していくらか盛り上っ
た隆起構造6を形成してなる。とりわけ好ましくは、隆
起構造6において、盛り上った頂部7の高さhは、樹脂
細粒1の中央部5の直径の10ないし20%である。な
お、本明細書において、アスペクト比とは、円柱状の樹
脂細粒1の長さLと樹脂細粒1の端面2の直径(最長の
径)Dとの比(L/D)を意味する。この意味は、隆起
構造6が端面2の外縁部に形成されているサンドブラス
ト材についても同様に当てはまる。
【0009】本発明にあっては、サンドブラスト材は、
合成樹脂モノフィラメントを横断方向に切断して円柱状
の樹脂細粒を作り、そして、該樹脂細粒の外表面を導電
性ポリマーにより被覆することにより、製造される。つ
まり、得られるサンドブラスト材は、円柱状細粒の外表
面の全体が、側面だけでなく両端面も、導電性ポリマー
により被覆された樹脂細粒よりなる。要するに、本発明
によるサンドブラスト材は、ブラスト材粒子の外表面の
総ての部位において、静電気の発生を抑えうる構造とな
っている。従って、本発明のサンドブラスト材は、導電
性カーボンが混練されたあるいは炭素繊維が混入された
従来の合成樹脂製サンドブラスト材と比較して、特に、
合成樹脂モノフィラメントを導電性ポリマーで被覆し続
いてこれを切断して円柱状の樹脂細粒としたところのサ
ンドブラスト材と比較しても、帯電防止性能を粒子形態
の面から最大限に発揮することができるという利点を有
する。
【0010】その上、本発明のサンドブラスト材は、樹
脂細粒の外表面が、ポリピロール等の導電性ポリマーで
被覆されている。ポリピロール等の導電性ポリマーは、
水分および湿度の影響を受けにくく、これらで被覆され
た表面は、周囲が高湿度雰囲気であっても、常にほぼ絶
対乾燥の状態に維持される。従って、本発明のサンドブ
ラスト材においては、導電性ポリマーにより発揮される
帯電防止機能が、周囲外気の条件(湿潤、乾燥)に関係
なくほぼ一定に保たれる。したがって、本発明の合成樹
脂製サンドブラスト材は、帯電防止性能を周囲の湿度に
影響されずに、乾燥後など低い湿度(例えば1ないし5
%)条件下においても、十分に発揮することができると
いう重大な利点を有する。また、ポリピロール等の導電
性ポリマーは、一般に、サンドブラスト加工時におい
て、その対象物に付着しないもしくは付着しにくい物質
であり、たとえそれが対象物に仮付着したとしても、空
気流の作用で容易に除去される。従って、本発明のサン
ドブラスト材は、ブラスト加工の間における対象物表面
への導電性ポリマーの付着が原因となって、次の工程に
おいて障害をひき起こすことがないという利点をも有す
る。
【0011】また、サンドブラスト加工時、噴射された
サンドブラスト材(樹脂細粒)は、回転運動をしなが
ら、サンドブラスト機の内部を流動し、そして対象物の
表面に衝突する。この場合、サンドブラスト材(樹脂細
粒)は、対象物並びにサンドブラスト機の各部位(例え
ばホッパー内壁面、循環ホース内面)と衝突することに
より、また樹脂細粒同士の接触、衝突により、変形(あ
るいは崩壊)し、初期の形態とは異なる形態のものに移
り変わる。また、同時に、樹脂細粒の表面に被覆された
導電性ポリマーも、きわめて徐々にではあるが、剥離、
除去される。従って、サンドブラスト材は、ブラスト加
工を経ると、いくらか減量する。減量の程度は、例え
ば、対象物がアクリル樹脂板である場合、衝突速度10
0m/秒で、約20%であり、対象物が6ナイロン板で
ある場合、10%程度である。もっとも、減量の度合
は、樹脂細粒の材質、形状、および対象物の種類、サイ
クロンによる回収条件等によっても異なる。
【0012】ここで、理想的な円柱形状を有する樹脂細
粒を想定すると、この種の樹脂細粒は、その両端面およ
び側面の面全体が対象物等の表面と当接しうる形状であ
るため、樹脂細粒と対象物等との面接触の機会が相対的
に多いものと考えられる。従って、単純な円柱形樹脂細
粒よりなるサンドブラスト材にあっては、サンドブラス
ト加工時において、対象物との衝突により、樹脂細粒の
端面の外縁部が変形し潰れた形状に変わるとともに、樹
脂細粒の側面も衝突によって変形し、初期とは異なる形
態に変わっていくと推量される。したがって、かかるサ
ンドブラスト材にあっては、その表面に被覆された導電
性ポリマーが、対象物との衝突の繰り返しにより、相対
的に容易に剥離、除去されうるであろう。これに対し
て、本発明のより好ましい態様にあっては、合成樹脂モ
ノフィラメントを切断して円柱状の樹脂細粒を作る際、
その切断は、例えばギロチンカッター等を用いて、剪断
応力が切断部位に働くように、つまり切断により生じる
該樹脂細粒の両端面の面積がその中央部の断面積よりも
増大するように(かような剪断変形が生じるように)し
て行なわれる。なお、端面の面積の増大割合は、切断さ
れた樹脂細粒の端面の最長径がその樹脂細粒の中央部の
直径に比して3〜20%長くなる程度が好ましい。3%
未満では、隆起構造による下記の効果(スペーサーとし
ての機能)が十分表われず、他方、20%を超えると、
ブラスト加工時において運動エネルギーが減少し、その
効率が低下する。従って、かかる切断(剪断変形)によ
って作られる本発明のサンドブラスト材は、円柱状の樹
脂細粒の端面の外縁部に、細粒側面の中央部に比してい
くらか盛り上った隆起構造を形成したものとなる。言い
換えると、本発明のサンドブラスト材は、コンケーヴ
(凹曲面)の側面を有する円柱状樹脂細粒よりなる。な
お、隆起構造の存在は、円柱状の樹脂細粒を側方より見
ることにより、その両端部において容易に確認すること
ができる。要するに、本発明のより好ましい態様のサン
ドブラスト材は、上記の隆起構造の形成により、円柱状
細粒の側面が面全体で対象物の表面と直に当接すること
がなく、樹脂細粒と対象物との面接触の機会が従来に比
して格段により少ない形態となっている。従って、本発
明による上記サンドブラスト材にあっては、ブラスト加
工時において、上記の隆起構造が対象物等と衝突して変
形するかもしれないが、樹脂細粒の側面の主要部分は、
対象物等の表面と直接接触せず、ほとんど変形しないで
あろう。この点をさらにわかりやすく説明すると、図3
は、図1および図2に表わされたサンドブラスト材をサ
ンドブラスト加工に使用した後の、その形態を模式的に
表わしたものである。図中、8は、ブラスト加工におい
て対象物等と衝突して変形した部分を示す。この図より
わかるように、上記のサンドブラスト材にあっては、端
面2の外縁部における隆起構造6は、対象物等との衝突
により変形して変形部分8を形成するかもしれないが、
樹脂細粒の側面の主要部分は、対象物等と直接接触しな
いため、変形せずにそのまま残る。通常、ブラスト加工
後における変形しない側面部分の面積割合は、最も悪い
場合でも、側面の全面積の2/3を下回ることはないで
あろう。従って、上記のサンドブラスト材にあっては、
樹脂細粒の表面(特に側面)における導電性ポリマー被
膜は、対象物等との衝突の繰り返しによっても、相対的
に容易には剥離、除去されにくい構造となっている。こ
れ故、本発明による合成樹脂製サンドブラスト材は、導
電性ポリマーにより発揮されるところの帯電防止効果を
長期にわたって持続することができ、循環式のサンドブ
ラスト加工に大変適するという利点を有する。そして、
かかる観点から、特に好ましい態様のサンドブラスト材
としては、上記隆起構造において、盛り上った頂部の高
さが樹脂細粒の中央部の直径の10ないし20%である
ものである。この態様のとき、ブラスト加工時におい
て、サンドブラスト材(樹脂細粒)の流動性能は最も良
好に発揮される。
【0013】また、本発明のサンドブラスト材は、外表
面が導電性ポリマーにより被覆されたアスペクト比1±
0.2の円柱状樹脂細粒よりなる。サンドブラスト材が
アスペクト比0.8未満の樹脂細粒よりなる場合、サン
ドブラスト材は、円板と言える形状のもの、つまりブラ
スト加工時、大きな空気抵抗を受けやすい形態の樹脂細
粒となり、ブラスト加工の効率低下をひき起こす。一
方、サンドブラスト材がアスペクト比1.2を超える樹
脂細粒よりなる場合、サンドブラスト材は、細長い棒形
状のもの、つまりブラスト加工時、流動性の悪い形態の
樹脂細粒となり、ブラスト加工の効率低下をひき起こ
す。従って、サンドブラスト材は、0.8ないし1.2
の範囲内のアスペクト比を有する円柱状樹脂細粒よりな
るものが好ましい。最も好ましいサンドブラスト材は、
アスペクト比1.0の円柱状樹脂細粒よりなるものであ
る。
【0014】また、合成樹脂モノフィラメントから、隆
起構造を形成する円柱状の樹脂細粒を作る切断加工法に
ついて、さらに説明すると、この場合の加工には、剪断
を可能とするために、相対的に鋭利でない刃(刃先の角
度:約25〜約45°、好ましくは30°〜40°、よ
り好ましくは33°〜38°)を用いて、ギロチン機で
切断するのがよい。また、通常、上記の加工は、数多く
の合成樹脂モノフィラメントを束ねて所謂トウを作り、
これを前記の刃で切断するという方法が採られる。この
場合、切断されるトウは、寸法の均一さの点から最密充
填されたものでもよいが、切断により生じる端面の変
形、面積増大を確実にするためには、3〜50%程度の
空隙率を有するトウがより好ましい。さらに、上記の切
断加工を高速度で連続して行なう場合には、多量の発熱
により寸法精度の正確さが確保されなくなる虞れがある
ので、その加工の際、冷風を合成樹脂モノフィラメント
の切断部位に向けて吹き当てるかまたは水をその切断部
位に供給するとよい。
【0015】合成樹脂モノフィラメントとしては、従来
合成樹脂製サンドブラスト材に利用されている種類の合
成樹脂よりなるモノフィラメントの総てが、本発明に利
用されうる。その例として、ポリプロピレン、ポリアミ
ド、ポリエステル、フェノール樹脂、ポリカーボネート
等よりなるモノフィラメントが挙げられる。また合成樹
脂モノフィラメントは、染色されていてもよく、紡糸の
段階で顔料等を混入して着色したモノフィラメントをも
用いることができる。また、原料のモノフィラメントと
しては、一般に、直径;約0.1mm〜約1.0mmの
モノフィラメントが利用される。
【0016】次に、導電性ポリマーを円柱状樹脂細粒の
外表面に被覆する方法、手順等を説明する。導電性ポリ
マーの被覆法としては、導電性ポリマーを含む塗料(導
電性塗料)を樹脂細粒の表面に塗布し、そしてその表面
を乾燥させることにより、導電性ポリマーを細粒表面に
被覆する方法など、いくつかの方法がある。しかし、最
も好ましい被覆法は、導電性ポリマーの原料モノマーに
加えて、樹脂細粒を含む処理液中で、該モノマーの重合
を進行させ、生成した導電性ポリマーを樹脂細粒の表面
に結合させることにより、導電性ポリマー被膜を樹脂細
粒の表面に形成する方法である。例えば、ポリピロール
類の被膜の場合には、モノマーとしてのピロール類の他
に、所定量の円柱状の樹脂細粒を含む処理液中で、化学
酸化剤を触媒としてピロール類の重合反応を進行させる
ことにより、ポリピロール類の被膜を樹脂細粒の表面に
形成する。この方法は、導電性ポリマーの製造に通常利
用される重合過程を経るだけで、導電性ポリマーの被膜
を簡単に樹脂細粒の表面に形成することができ、かつ、
形成される導電性ポリマーの被膜は樹脂細粒と複合一体
化した強固な被膜になるので、大変有利である。
【0017】本発明における導電性ポリマーとしては、
例えば、ピロール等のピロール類、アニリン、チオフェ
ン、チオフェン−3−スルホン酸またはこれらの誘導体
をモノマーとして重合して作られたポリマーまたはコポ
リマー、例えばポリピロール類が挙げられる。ポリピロ
ール類としては、置換されていないピロールまたは各種
の置換ピロールのホモポリマーの他、ピロールと3,5
−置換ピロール(3,5−ジメチルピロール等)、3,
4−置換ピロール(4−メチルピロール−3−カルボン
酸メチル等)、N−置換ピロール(N−メチルピロール
等)もしくは3−置換ピロール(3−メチルピロール、
3−オクチルピロール等)とをモノマーとして重合して
作られたコポリマーが挙げられる。つまり、ポリピロー
ル類は、ピロールおよびその誘導体をモノマーとして
(即ち、少なくともモノマーの一成分として)重合して
得られるポリマーの総てを包含するものである。また、
上記のピロール、置換ピロール類以外の、導電性ポリマ
ー被膜の形成に使用されうる他のモノマーとしては、ア
ニリン、および、o−クロロアニリン、m−クロロアニ
リン、p−クロロアニリン、o−メトキシアニリン、m
−メトキシアニリン、p−メトキシアニリン、o−エト
キシアニリン、m−エトキシアニリン、p−エトキシア
ニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、p
−メチルアニリン等のアニリン誘導体、チオフェン、お
よび、3−メチルチオフェン、3−メトキシチオフェン
等のチオフェン誘導体が挙げられる。しかしながら、樹
脂細粒との接着強度、導電性の程度、重合反応時の挙動
等の点から、特に好ましい導電性ポリマー材料は、ポリ
ピロール(未置換ピロールのポリマー)である。
【0018】上記の各種モノマー(ピロール)の使用量
は、ポリマー被覆されるところの樹脂細粒の種類、形
状、性質等に依り、望ましい範囲が異なるが、およそ、
対細粒重量比で0.05ないし1.0%である。もっと
も、等量のモノマー(ピロール)を使用しても、樹脂細
粒の表面に形成される導電性ポリマー(ポリピロール)
被膜の厚さは、樹脂細粒の種類、表面性状(粗さ、多孔
性等)等により異なる。例えば、樹脂細粒がポリエステ
ル樹脂等の非浸透性樹脂よりなる場合には、添加したモ
ノマーの量から算出した厚さにほぼ等しい平均厚さの導
電性ポリマー被膜が形成されるが、樹脂細粒がポリアミ
ド(6−ナイロン、6,6−ナイロン)等の浸透性樹脂
よりなる場合には、添加したモノマー量から算出した厚
さよりもある程度少ない平均厚さの導電性ポリマー被膜
が形成される。
【0019】導電性ポリマー(ポリピロール)被膜の厚
さは、該ポリマーの生成条件(モノマー重合時の分散条
件など)により変動するが、少なくとも0.02μmの
厚さがあれば、一般に十分である。導電性ポリマーがポ
リピロールである場合には、厚さ約0.02〜約0.0
5μm程度の被膜が好適である。
【0020】本発明における導電性ポリマーの生成(モ
ノマーの重合)反応は、普通、円柱状樹脂細粒を含む処
理液を攪拌または循環しながら、該処理液内で、化学酸
化剤を触媒として進行させることにより、行なわれる。
モノマーの重合が進行し、そのうち溶解度が低下してく
ると、生成した導電性ポリマーが樹脂細粒の表面に析出
または付着する。本反応は定量的な反応である。また、
処理液へのモノマー(ピロール)および化学酸化剤の添
加は、両者を一緒に添加するという手順で、あるいは、
先に該モノマーを添加しその後化学酸化剤を添加すると
いう手順で行なってもよい。また、触媒としての化学酸
化剤は、一度に一括添加してもよく、あるいは数回に分
けて添加してもよく、あるいは少量ずつ連続して添加し
てもよい。また、モノマーの重合反応は、導電性ポリマ
ーを樹脂細粒の表面により高い効率で固着させるという
観点から、できるだけ緩やかに進行させる方がより好ま
しい。モノマー(ピロール)の重合速度が著しく速い
と、処理液中での反応が急速に(一瞬のうちに)進行し
てしまい、導電性ポリマー(ポリピロール)が樹脂細粒
の表面に付着し難くなり、処理液中に遊離したポリマー
粒子が形成される。また、その反応温度は、モノマーの
種類、処理液の組成等により異なるが、一般に、5〜3
0℃という低温の条件が一般的である。ポリピロールの
場合には、通常、反応温度の範囲は2℃〜35℃、より
好ましくは5℃〜20℃である。また、上記と同じ観点
から、触媒の化学酸化剤も、少量ずつ連続添加するかも
しくは数回に分けて添加する方がより好ましい。
【0021】触媒の化学酸化剤としては、ピロールモノ
マーの重合を促進する物質一般が使用することができ、
例えば、塩化第二鉄、過塩素酸第二鉄、硝酸第二鉄、ク
エン酸第二鉄、p−トルエンスルホン酸第二鉄、硫酸第
二鉄、過沃素酸第二鉄、硫酸第二鉄アンモニウム、トリ
フルオロメタンスルホン酸第二鉄、ベンゼンスルホン酸
第二鉄、クロロベンゼンスルホン酸第二鉄、ジクロロベ
ンゼンスルホン酸第二鉄、トリクロロベンゼンスルホン
酸第二鉄、テトラクロロベンゼンスルホン酸第二鉄、ペ
ンタクロロベンゼンスルホン酸第二鉄およびアントラキ
ノンスルホン酸第二鉄等の、第二鉄化合物;過硫酸、過
硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム
等の過硫酸塩;過マンガン酸、過マンガン酸カリウム等
の過マンガン酸塩;三酸化クロム、重クロム酸カリウム
等のクロム酸塩;過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過
酸化物;塩素、臭素等のハロゲンなどが挙げられ、これ
らは単独でまたは二種以上の物質を適宜組み合わせて使
用される。そしてより好ましい化学酸化剤としては、塩
化第二鉄、過塩素酸第二鉄、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄、
硫酸第二鉄、p−トルエンスルホン酸第二鉄、トリフル
オロメタンスルホン酸第二鉄、ベンゼンスルホン酸第二
鉄、クロロベンゼンスルホン酸第二鉄、ジクロロベンゼ
ンスルホン酸第二鉄、トリクロロベンゼンスルホン酸第
二鉄、テトラクロロベンゼンスルホン酸第二鉄、ペンタ
クロロベンゼンスルホン酸第二鉄およびアントラキノン
スルホン酸第二鉄等の、第二鉄化合物が挙げられる。特
には、水溶性の第二鉄塩が好ましい。化学酸化剤は、原
則として、モノマーに対して化学量論的量の割合で使用
されるが、化学量論的割合から相当外れた量で使用して
もよい。ピロールの場合、ピロールモノマー1モル当り
約0.5ないし約1.3モルの割合で使用されることも
ある。なお、空気中の酸素、過酸化水素、オゾン等の酸
素ラジカル発生源を補助酸化剤として併用する場合に
は、モノマーに対する化学酸化剤の使用量をそれだけ減
量することができる。
【0022】また、導電性ポリマー被膜の導電性、特に
初期の導電性および経時的安定性を高めるために、必要
ならば、ドーパントをモノマー(ピロール)の重合に併
用することは、可能である。このドーパントは、好適に
はpH1〜5、より好ましくはpH1〜3の条件下で使
用される。適するドーパントとしては、例えば、p−ト
ルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロベ
ンゼンスルホン酸、ジクロロベンゼンスルホン酸、トリ
クロロベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホ
ン酸、アントラキノンスルホン酸、アントラキノンジス
ルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホ
ン酸、ナフタレントリスルホン酸、ナフトキノンスルホ
ン酸、イソプロピルナフタレンスルホン酸、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸、およびその他の芳香族スルホン酸、
およびそのアルカリ金属(例えばナトリウム、カリウ
ム)塩もしくはテトラエチルアンモニウム塩;あるいは
過塩素酸およびそのアルカリ金属塩もしくはテトラエチ
ルアンモニウム塩;並びに、塩酸、硫酸、硝酸およびス
ルホサリチル酸などが挙げられる。特に芳香族スルホン
酸またはそのアルカリ金属塩が好ましい。
【0023】また、樹脂細粒の表面への導電性ポリマー
(ポリピロール)被膜の形成を均一なものとするため
に、さらに表面張力低下剤を処理液に添加することも可
能である。表面張力低下剤としては、界面活性剤のほ
か、アルコール等の有機溶媒、並びに、シリコーン系等
の消泡剤などが挙げられる。界面活性剤は、樹脂細粒表
面のぬれ性を改良するものであり、また、アルコール類
も、水との混和により樹脂細粒表面のぬれ性を改良する
ために付加的に混合することができる。上記の界面活性
剤としては、例えば、アルキル硫酸ナトリウム、アルキ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホコハ
ク酸ナトリウム、ポリオキシアルキレンスルホン酸ナト
リウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなど
のアニオン型界面活性剤;あるいは、ポリエチレングリ
コール/ポリプロピレングリコール ブロックコポリマ
ー、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエ
チレングリコールアルキルフェニルエーテルなどのノニ
オン型界面活性剤が挙げられる。また上記の有機溶媒と
しては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピ
ルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブタノー
ル、イソブタノール、イソアミルアルコール等のアルコ
ール類、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、アセトニトリル、シクロヘキサノン、メチ
ルエチルケトン、アセトン等が挙げられる。表面張力低
下剤の添加量は、一般に極少量ないし少量で足り、例え
ば、界面活性剤の場合は処理液の全重量に対して約0.
01〜約2%の範囲内の量で十分であり、またアルコー
ル類の場合は、処理液の全重量に対して約0.1〜約
5.0%の範囲で十分である。
【0024】また、サンドブラスト材の表面の撥水性を
高めるために、さらにフッ素樹脂エマルジョンを処理液
に添加し、モノマーの重合反応において生成した導電性
ポリマーとともにフッ素樹脂エマルジョンを樹脂細粒の
表面に付着せしめるという方法を採用することも可能で
ある。この種のサンドブラスト材は、導電性ポリマーと
フッ素樹脂エマルジョンが複合一体化した状態で樹脂細
粒の表面に被覆された材料となる。適するフッ素樹脂エ
マルジョンとしては、一般に繊維用撥水剤として市販、
利用されているところの、主にアクリレート(メタクリ
レート)重合体よりなるノニオン系およびアニオン系の
フッ素樹脂エマルジョンが挙げられる。フッ素樹脂エマ
ルジョンは、単独であるいは数種を組合せて使用するこ
とができる。
【0025】また、重合反応の終了後、導電性ポリマー
(ポリピロール)で被覆された樹脂細粒は水洗いされ、
続いて、乾燥の後、最終的にサンドブラスト材に仕上げ
られる。また、本発明で使用される樹脂細粒は、予め、
顔料により着色されたものであっても、また染料により
染色されたものであってもよい。染色は、合成樹脂モノ
フィラメントの形態にあるときに行なってもよく、また
切断加工の後、円柱状の樹脂細粒の形態にあるときに行
なってもよい。そして、染色により、染料による色相と
ポリピロール等の被覆層の色相とが相俟った色調の導電
性サンドブラスト材が得られる。用いられる染料として
は、樹脂細粒の種類によっても異なるが、酸性染料、ク
ロム錯体等の金属錯塩染料、分散染料、カチオン染料、
反応性染料などが挙げられる。なお、アルカリ染色を行
なう場合には、その染色を導電性ポリマーの被膜形成の
前に行なう必要があり、染色後、念のため酸洗すること
が好ましい。また、被膜形成の後の染色は、酸性下で行
なう必要がある。
【0026】以上のプロセスにより作られる本発明のサ
ンドブラスト材は、導電性ポリマーの被覆により、表面
の電気漏洩抵抗値が102 ないし106 Ω/cmという
導電性(つまり、帯電防止機能)を有するサンドブラス
ト材となる。102 〜103Ω/cm程度の低い表面電
気漏洩抵抗値を有するサンドブラスト材にあっては、導
電性ポリマーで被覆されていない従来の合成樹脂製サン
ドブラスト材と適当な割合で(例えば1:9〜9:1の
比で)混合して、サンドブラスト加工に利用することが
できる。なお、上記の電気漏洩抵抗値は、樹脂細粒の塊
(細粒の集団)よりなるサンドブラスト材を絶縁性の容
器(例えばポリエチレン袋)に充填し、次いで、電気抵
抗測定器の+−二本の測定針を樹脂細粒の塊の中に差し
込み、そして、測定針の間隔1cmのときの電気抵抗値
を測定、算出することにより、求められる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って詳細に説明す
る。
【0028】実施例1 6−ナイロン樹脂フィラメント(直径:0.3mm)
1.5kgを回転可能な六角形枠(一周の長さ:125
0mm)に綾目とならないように巻付け、そして凧糸を
用いて巻かれたフィラメントを緩く固定し次いでその一
箇所を切断して、6−ナイロンフィラメントのトウを作
った。緩やかに固定された前記トウをポリエチレンフィ
ルム(厚さ:10μm)で包み、さらにこれをポリ塩化
ビニル製粘着テープで固定した。この段階において、ト
ウの直径は50mmであり、その密度は0.61g/c
3 であり、従って空隙率は約46%であった。その
後、切断時の発熱を抑えるためにトウの含水率を45%
に調整し、そしてこれに押え板を載せ、荷重を徐々に加
えることにより、トウを扁平な楕円形(短径:25m
m)の形態にまで変形せしめ、続いて、変形されたトウ
を、ギロチンカッター(刃先角:35°)を用いて送り
間隔0.3mm(誤差:3%以下)、75回/分の速度
で連続切断することにより、長さ0.3mmの円柱状の
樹脂細粒を作った。得られた樹脂細粒は、両端面の面積
が細粒の中央部の断面積より約10%増大した、アスペ
クト比約1.1の円柱状樹脂細粒であり、その端面の外
縁部に、細粒の中央部の側面に比していくらか盛り上っ
た隆起構造を形成してなるものであった。この隆起構造
において盛り上った頂部の高さは、細粒中央部の直径の
約10%であった。その後、水洗により、樹脂細粒の表
面上の紡糸油剤を除去した。次に、樹脂細粒を含む水性
の処理液中に、攪拌しながら、繊維重量比で0.3重量
%のピロールモノマーを投入し、続いてドーパントとし
て、ピロールモノマーに対し10モル%のトリフルオロ
メタンスルホン酸ナトリウムを投入し、さらに触媒とし
てピロールモノマーと等モル量の塩化第二鉄を配合し、
そしてその後も攪拌しながら、3℃にてピロールの重合
反応を4時間の間進行させることにより、生成したポリ
ピロールが樹脂細粒の表面に被覆されたサンドブラスト
材を製造した。重合反応の終了の後、樹脂細粒を処理液
より取り出し、充分に水洗し次いで乾燥した。得られた
サンドブラスト材は、5×102 Ω/cmの表面電気漏
洩抵抗値を有するものであった(電気抵抗測定器を用い
て測定)。而して、サンドブラスト機を用いて、本実施
例のサンドブラスト材を循環式ブラスト加工に使用し、
そしてその性能を評価した。ブラスト加工は、サンドブ
ラスト機のノズル(ノズル径7mm)を処理物のポリカ
ーボネート板に向け、ブラスト材(樹脂細粒)を300
分間連続噴射するという方法で行なった。ノズルと処理
物の距離は200mm、ブラスト材の供給量は600g
/分であった。連続噴射の後も、サンドブラスト機の各
部位、例えばホッパー内壁、循環ホース内面などに、静
電気の発生に起因すると思われるブラスト材(樹脂細
粒)の付着がまったく観察されなかった。また、対象物
のポリカーボネート板についても静電気が発生せず、ブ
ラスト材の付着が見られなかった。
【0029】実施例2 6−ナイロン樹脂フィラメント(直径:0.8mm)よ
り、実施例1と同様な方法で切断加工を行なって、長さ
0.8mmの円柱状の樹脂細粒を作った。得られた樹脂
細粒は、端部の最大径が約0.9mmあり、端面の面積
が細粒の中央部の断面積より最大約13%増大してい
た。つまり、アスペクト比約1.2の円柱状樹脂細粒で
あって、その端面の外縁部に、細粒の中央部の側面に比
していくらか盛り上った隆起構造を形成してなるもので
あった。次に、作られた樹脂細粒を含む水性処理液中
に、繊維重量比で0.2重量%のピロールモノマー、ド
ーパントとして10モル%のトリフルオロメタンスルホ
ン酸ナトリウム、触媒としてピロールモノマーと等モル
量の塩化第二鉄を投入し、その後も攪拌しながら、5℃
にてピロールの重合反応を4時間の間進行させることに
より、生成したポリピロールを樹脂細粒の表面に被覆せ
しめた。重合反応の終了の後、樹脂細粒を処理液より取
り出し、充分に水洗し、乾燥した。得られたサンドブラ
スト材は、1×103 Ω/cmの表面電気漏洩抵抗値を
有するものであった(電気抵抗測定器を用いて測定)。
そして、本実施例のサンドブラスト材を、ポリプロピレ
ン冷凍粉砕品(平均粒径:1.0mm)よりなる従来の
サンドブラスト材と1:4の割合で混合し、その混合物
(本実施例のサンドブラスト材:20%)を、実施例1
と同様に循環式サンドブラスト機を用いてサンドブラス
ト加工に使用した。300分間の連続噴射の後も、サン
ドブラスト機の各部位、例えばホッパー内壁、循環ホー
ス内面などに、静電気の発生に起因すると思われるブラ
スト材(樹脂細粒)の付着がまったく観察されず、対象
物のポリカーボネート板についても同様にブラスト材の
付着は見られなかった。
【0030】比較例1 実施例1と同じフィラメントを用いるが、実施例1は異
なって各フィラメントが完全に固定されている6−ナイ
ロンのトウを作り、続いて、これの切断加工を実施例1
の場合と同様の装置、条件に従って行なうことにより、
端面がほぼ完全な円形である円柱形樹脂細粒を作った。
次に、作られた樹脂細粒の表面に、ポリピロールを実施
例1と同様の条件、手順に従って被覆することにより、
導電性が付与された合成樹脂サンドブラスト材を製造し
た。そして、これを実施例1と同様、循環式サンドブラ
ストを用いた加工に使用したところ、120〜180分
間の連続噴射のうちに、サンドブラスト機の各部へのブ
ラスト材の付着により、ブラスト材の循環不良があらわ
れてきた。
【0031】
【発明の効果】以上の記載よりわかるように、本発明に
よれば、帯電防止性能を粒子形態の面から最大限に発揮
しうるだけでなく、その性能を周囲の湿度に影響されず
に、乾燥後など低い湿度条件下においても、十分に発揮
することができるところの合成樹脂製サンドブラスト材
が提供される。また、本発明の好ましい態様によれば、
上記の効果に加えて、帯電防止効果を長期にわたって持
続することができ、循環ブラスト加工に満足に適する合
成樹脂製サンドブラスト材を提供できるという効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成樹脂製サンドブラスト材の形態を
模式的に表わす側面図である。
【図2】本発明の合成樹脂製サンドブラスト材の形態を
模式的に表わす斜視図である。
【図3】ブラスト加工後の合成樹脂製サンドブラスト材
の形態を模式的に表わす斜視図である。
【符号の説明】
1 円柱状樹脂細粒 2 端面 3 側面 4 導電性ポリマーの被膜 5 樹脂細粒の中央部 6 隆起構造 7 頂部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂モノフィラメントを切断して作
    られたアスペクト比1±0.2の円柱状樹脂細粒よりな
    り、かつ、該樹脂細粒の外表面は導電性ポリマーにより
    被覆されてなることを特徴とするサンドブラスト材。
  2. 【請求項2】 前記樹脂細粒の両端面の面積は樹脂細粒
    の中央部の断面積よりも増大し、そして、該端面の外縁
    部は樹脂細粒の中央部の側面に比していくらか盛り上っ
    た隆起構造を形成してなることを特徴とする請求項1記
    載のサンドブラスト材。
  3. 【請求項3】 前記隆起構造において、盛り上った頂部
    の高さは樹脂細粒の中央部の直径の10ないし20%で
    あることを特徴とする請求項2記載のサンドブラスト
    材。
JP6372996A 1996-02-26 1996-02-26 サンドブラスト材 Pending JPH09225836A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000127045A (ja) * 1998-10-20 2000-05-09 Sinto Brator Co Ltd サンドブラスト用投射材
WO2000045994A1 (fr) * 1999-02-01 2000-08-10 Bridgestone Corporation Concassage de billes, et procede et dispositif de production de billes associes
JP2006159402A (ja) * 2004-11-11 2006-06-22 Fuji Seisakusho:Kk 研磨材及び該研磨材の製造方法,並びに前記研磨材を用いたブラスト加工方法
JP2016501737A (ja) * 2012-12-31 2016-01-21 サン−ゴバン セラミックス アンド プラスティクス,インコーポレイティド ブラスト加工媒体、並びにその製造方法及び使用方法

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