JPH09225601A - 連続鋳造継ぎ目片の品質制御方法 - Google Patents
連続鋳造継ぎ目片の品質制御方法Info
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- JPH09225601A JPH09225601A JP6391296A JP6391296A JPH09225601A JP H09225601 A JPH09225601 A JP H09225601A JP 6391296 A JP6391296 A JP 6391296A JP 6391296 A JP6391296 A JP 6391296A JP H09225601 A JPH09225601 A JP H09225601A
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- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 連続鋳造において、取鍋からの流入スラグに
起因する継ぎ目片欠陥を低減させる。 【解決手段】 取鍋1の残湯量が少なくなって取鍋スラ
グ7がタンディッシュ2に流入するタンディッシュ内溶
鋼混合期間内に、少なくとも1回、タンディッシュ2内
へフラックスや金属Mgや金属Caなどを含有する添加
剤を添加して介在物形態制御を行う。タンディッシュ2
内に流入した取鍋スラグ7に起因する溶鋼4の再酸化反
応が添加剤によって抑制され、継ぎ目片の品質の劣化が
抑えられる。添加剤の量をスラグセンサー9の信号から
判定し、添加量を削減するのが好ましい。
起因する継ぎ目片欠陥を低減させる。 【解決手段】 取鍋1の残湯量が少なくなって取鍋スラ
グ7がタンディッシュ2に流入するタンディッシュ内溶
鋼混合期間内に、少なくとも1回、タンディッシュ2内
へフラックスや金属Mgや金属Caなどを含有する添加
剤を添加して介在物形態制御を行う。タンディッシュ2
内に流入した取鍋スラグ7に起因する溶鋼4の再酸化反
応が添加剤によって抑制され、継ぎ目片の品質の劣化が
抑えられる。添加剤の量をスラグセンサー9の信号から
判定し、添加量を削減するのが好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶融金属、特に低合
金鋼、高炭素鋼、各種ステンレス鋼などの連続鋳造方法
における連続鋳造継ぎ目片の品質制御方法に関する。
金鋼、高炭素鋼、各種ステンレス鋼などの連続鋳造方法
における連続鋳造継ぎ目片の品質制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造工程では、精錬工程で成
分、温度を調整した取鍋溶鋼を管状ノズルを介して連続
的にタンディッシュに注入すると同時に、タンディッシ
ュから管状ノズルを介して鋳型に溶鋼を連続的に注入す
ることにより、鋳片が連続的に製造される。
分、温度を調整した取鍋溶鋼を管状ノズルを介して連続
的にタンディッシュに注入すると同時に、タンディッシ
ュから管状ノズルを介して鋳型に溶鋼を連続的に注入す
ることにより、鋳片が連続的に製造される。
【0003】現在、殆どの大規模製鋼工場では、タンデ
ィッシュの内張り耐火物の補修作業の回数の削減や、ダ
ミーバーの挿入などの鋳造準備作業に要する時間の短縮
を目的として、所定量W0 (トン)を充填した一つの取
鍋からタンディッシュに溶鋼を所定量注入し終えた後、
その取鍋を別の取鍋と交換して溶鋼の注入を再開する、
いわゆる取鍋交換作業を繰り返しながら、いくつもの取
鍋を用いて鋳型への溶鋼の注入を連続的に継続する、い
わゆる連連鋳(キャストと呼ぶ)が一般的に行われてい
る。
ィッシュの内張り耐火物の補修作業の回数の削減や、ダ
ミーバーの挿入などの鋳造準備作業に要する時間の短縮
を目的として、所定量W0 (トン)を充填した一つの取
鍋からタンディッシュに溶鋼を所定量注入し終えた後、
その取鍋を別の取鍋と交換して溶鋼の注入を再開する、
いわゆる取鍋交換作業を繰り返しながら、いくつもの取
鍋を用いて鋳型への溶鋼の注入を連続的に継続する、い
わゆる連連鋳(キャストと呼ぶ)が一般的に行われてい
る。
【0004】この方法が慢性的に抱える問題点として、
いわゆる「継ぎ目片」の品質悪化がある。継ぎ目片の定
義にはいろいろあるが、例えば、取鍋交換作業の開始時
点でタンディッシュ内に存在した溶鋼重量W1 (トン)
と同じ重量に相当する鋳片を指す。この継ぎ目片の品質
悪化は、取鍋交換時に発生するタンディッシュ内での非
定常現象、例えば溶鋼成分の混合や、溶鋼の攪拌などが
引き起こす鋳片中に残留する介在物の増加現象であり、
しばしば圧延時にスリバー欠陥を発生させるなど、大き
な生産障害の原因になっている。
いわゆる「継ぎ目片」の品質悪化がある。継ぎ目片の定
義にはいろいろあるが、例えば、取鍋交換作業の開始時
点でタンディッシュ内に存在した溶鋼重量W1 (トン)
と同じ重量に相当する鋳片を指す。この継ぎ目片の品質
悪化は、取鍋交換時に発生するタンディッシュ内での非
定常現象、例えば溶鋼成分の混合や、溶鋼の攪拌などが
引き起こす鋳片中に残留する介在物の増加現象であり、
しばしば圧延時にスリバー欠陥を発生させるなど、大き
な生産障害の原因になっている。
【0005】この継ぎ目片の品質を悪化させる最も大き
な要因の一つとして、取鍋スラグのタンディッシュへの
混入が挙げられる。これは、取鍋交換直前の残湯量が僅
かになった時期に発生する渦が取鍋内の溶鋼表面に浮か
んだスラグをノズル内に巻き込むことに起因するタンデ
ィッシュ内での溶鋼汚染で、スラグの酸化鉄や酸化マン
ガン等の低級酸化物成分が主に溶鋼中のAlに還元され
てアルミナ系介在物を大量に発生させるなどして継ぎ目
片の欠陥となるものである。
な要因の一つとして、取鍋スラグのタンディッシュへの
混入が挙げられる。これは、取鍋交換直前の残湯量が僅
かになった時期に発生する渦が取鍋内の溶鋼表面に浮か
んだスラグをノズル内に巻き込むことに起因するタンデ
ィッシュ内での溶鋼汚染で、スラグの酸化鉄や酸化マン
ガン等の低級酸化物成分が主に溶鋼中のAlに還元され
てアルミナ系介在物を大量に発生させるなどして継ぎ目
片の欠陥となるものである。
【0006】取鍋スラグに起因するタンディッシュ内で
の溶鋼汚染を回避するために、これまで特開昭52−1
01637号公報や特開昭64−27768号公報など
に示されるようなスラグ流入をインピーダンス変化によ
って検知するセンサーを設置してスラグの流入を早期に
検知する流出防止が行われてきた。しかし、スラグセン
サーを用いても流入量を皆無にすることは困難であるこ
とから、特開昭54−50404号公報や特開昭63−
149057号公報に示されるように、各種フラックス
や金属から構成される介在物形態制御剤をタンディッシ
ュに添加して、浮上促進によりタンディッシュ内での介
在物低減を図る努力がなされてきた。
の溶鋼汚染を回避するために、これまで特開昭52−1
01637号公報や特開昭64−27768号公報など
に示されるようなスラグ流入をインピーダンス変化によ
って検知するセンサーを設置してスラグの流入を早期に
検知する流出防止が行われてきた。しかし、スラグセン
サーを用いても流入量を皆無にすることは困難であるこ
とから、特開昭54−50404号公報や特開昭63−
149057号公報に示されるように、各種フラックス
や金属から構成される介在物形態制御剤をタンディッシ
ュに添加して、浮上促進によりタンディッシュ内での介
在物低減を図る努力がなされてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、介在物の形態
制御剤あるいは抑制剤をタンディッシュに添加する方法
では、特にワイヤー方式による添加方法などではタンデ
ィッシュ内溶鋼に常時添加剤を添加することになって添
加剤の量が多く、製造コストが高くなる上、多量の添加
剤の添加により溶鋼の温度が低下する問題が発生してい
た。
制御剤あるいは抑制剤をタンディッシュに添加する方法
では、特にワイヤー方式による添加方法などではタンデ
ィッシュ内溶鋼に常時添加剤を添加することになって添
加剤の量が多く、製造コストが高くなる上、多量の添加
剤の添加により溶鋼の温度が低下する問題が発生してい
た。
【0008】本発明の目的は、これらの問題を解消する
継ぎ目片の品質制御方法を提供することである。
継ぎ目片の品質制御方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶鋼を所定量
W0 (トン)充填した第1取鍋からタンディッシュに溶
鋼を連続的に注入し、第1取鍋内の溶鋼重量が所定の残
量WR (トン)に減少して注入を停止してから、第1取
鍋と交換して用いる別の第2取鍋から溶鋼を注入し始め
るまでの取鍋交換作業を少なくとも1回行って2つ以上
の取鍋を交換しながら行う連続鋳造方法において、前記
取鍋交換作業の開始前であって第1取鍋内の溶鋼重量が
初期の充填重量W0 (トン)の4分の1(=1/4・W
0 (トン))に減少した時点から、前記取鍋交換作業の
完了後であってタンディッシュから鋳型に1/4・W0
(トン)と同じ重量の溶鋼を注入し終わる時点までのタ
ンディッシュ内溶鋼混合期間のうちに、少なくとも1
回、添加剤による介在物形態制御を行うことを特徴とす
る連続鋳造継ぎ目片の品質制御方法である。このとき、
取鍋からノズルを介してタンディッシュに溶鋼を注入す
るに際し、該ノズル内状態に起因するインピーダンス変
化を検知するスラグセンサーを該ノズルの外周に配設
し、該スラグセンサーの検知信号から判定したスラグ流
出量に応じて添加剤の種類および/または添加量を決定
して添加することによって特に効率の良い制御が可能に
なる。さらに、タンディッシュ内の溶鋼重量に対する重
量比で0.04〜0.5(kg/溶鋼トン)の金属Ca
または金属Mgのうち少なくとも1種を添加剤に含有さ
せることによって特に効果は大きくなる。
W0 (トン)充填した第1取鍋からタンディッシュに溶
鋼を連続的に注入し、第1取鍋内の溶鋼重量が所定の残
量WR (トン)に減少して注入を停止してから、第1取
鍋と交換して用いる別の第2取鍋から溶鋼を注入し始め
るまでの取鍋交換作業を少なくとも1回行って2つ以上
の取鍋を交換しながら行う連続鋳造方法において、前記
取鍋交換作業の開始前であって第1取鍋内の溶鋼重量が
初期の充填重量W0 (トン)の4分の1(=1/4・W
0 (トン))に減少した時点から、前記取鍋交換作業の
完了後であってタンディッシュから鋳型に1/4・W0
(トン)と同じ重量の溶鋼を注入し終わる時点までのタ
ンディッシュ内溶鋼混合期間のうちに、少なくとも1
回、添加剤による介在物形態制御を行うことを特徴とす
る連続鋳造継ぎ目片の品質制御方法である。このとき、
取鍋からノズルを介してタンディッシュに溶鋼を注入す
るに際し、該ノズル内状態に起因するインピーダンス変
化を検知するスラグセンサーを該ノズルの外周に配設
し、該スラグセンサーの検知信号から判定したスラグ流
出量に応じて添加剤の種類および/または添加量を決定
して添加することによって特に効率の良い制御が可能に
なる。さらに、タンディッシュ内の溶鋼重量に対する重
量比で0.04〜0.5(kg/溶鋼トン)の金属Ca
または金属Mgのうち少なくとも1種を添加剤に含有さ
せることによって特に効果は大きくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態の一例を図1に
従って説明する。
従って説明する。
【0011】図1は連続鋳造工程を模式的に示したもの
で、所定量W0 (トン)を充填した取鍋1内からタンデ
ィッシュ2を介して鋳型3内に溶鋼4が注入されて鋳片
5が製造されている。取鍋1内の溶鋼残量が少なくなっ
てくると、取鍋1のノズル6の上部から渦が発生し、取
鍋スラグ7がタンディッシュ2内に混入する。取鍋スラ
グ7には比較的高濃度の酸化鉄や酸化マンガンが含まれ
ており、これらの低級酸化物は溶鋼中の強脱酸元素成分
であるAlやTiなどに還元されてそれぞれアルミナ系
介在物、チタニア系介在物などを生成し、鋳片欠陥の原
因となる。流入した取鍋スラグの還元反応に起因する介
在物の生成は取鍋スラグ流入時から開始されて次鍋の開
始後にまで及び、取鍋の注入末期に発生する継ぎ目片介
在物の生成は還元反応の終了するまで継続する。
で、所定量W0 (トン)を充填した取鍋1内からタンデ
ィッシュ2を介して鋳型3内に溶鋼4が注入されて鋳片
5が製造されている。取鍋1内の溶鋼残量が少なくなっ
てくると、取鍋1のノズル6の上部から渦が発生し、取
鍋スラグ7がタンディッシュ2内に混入する。取鍋スラ
グ7には比較的高濃度の酸化鉄や酸化マンガンが含まれ
ており、これらの低級酸化物は溶鋼中の強脱酸元素成分
であるAlやTiなどに還元されてそれぞれアルミナ系
介在物、チタニア系介在物などを生成し、鋳片欠陥の原
因となる。流入した取鍋スラグの還元反応に起因する介
在物の生成は取鍋スラグ流入時から開始されて次鍋の開
始後にまで及び、取鍋の注入末期に発生する継ぎ目片介
在物の生成は還元反応の終了するまで継続する。
【0012】本発明は、取鍋1の残湯量が少なくなり取
鍋スラグ7の混入が始まる時点から次鍋の注入開始後の
初期段階までの間に添加剤をタンディッシュ2に添加す
ることによって介在物制御を行うものである。このとき
使用する添加剤の例としては、スラグの酸化度を低下さ
せるためのAlなどの脱酸剤、スラグの塩基度を調整し
たり酸化鉄の活量を低下させるための石灰やマグネシア
ベースの高塩基度フラックス、介在物吸収を促進するた
めのカルシウムアルミネートや蛍石などの低融点フラッ
クス、介在物の組成を制御し浮上分離を促進する金属C
aや金属Mgを多く含むものなど、およびこれらの混合
品が挙げられる。添加剤の添加は、取鍋内残湯量が初期
の充填量の4分の1(=1/4・W0 (トン))に減少
した時点から、この取鍋交換作業の完了後1/4・W0
(トン)と同量の溶鋼をタンディッシュ2から鋳型3に
注入し終わるまでのタンディッシュ内溶鋼混合期間に行
うことが必要である。このようにスポット的な添加剤の
添加を行うことによって、添加剤を節約しつつ効率的に
継ぎ目片の品質を向上させることが可能になる。
鍋スラグ7の混入が始まる時点から次鍋の注入開始後の
初期段階までの間に添加剤をタンディッシュ2に添加す
ることによって介在物制御を行うものである。このとき
使用する添加剤の例としては、スラグの酸化度を低下さ
せるためのAlなどの脱酸剤、スラグの塩基度を調整し
たり酸化鉄の活量を低下させるための石灰やマグネシア
ベースの高塩基度フラックス、介在物吸収を促進するた
めのカルシウムアルミネートや蛍石などの低融点フラッ
クス、介在物の組成を制御し浮上分離を促進する金属C
aや金属Mgを多く含むものなど、およびこれらの混合
品が挙げられる。添加剤の添加は、取鍋内残湯量が初期
の充填量の4分の1(=1/4・W0 (トン))に減少
した時点から、この取鍋交換作業の完了後1/4・W0
(トン)と同量の溶鋼をタンディッシュ2から鋳型3に
注入し終わるまでのタンディッシュ内溶鋼混合期間に行
うことが必要である。このようにスポット的な添加剤の
添加を行うことによって、添加剤を節約しつつ効率的に
継ぎ目片の品質を向上させることが可能になる。
【0013】また、ノズル6の周囲にインピーダンス変
化の検知が可能なスラグセンサー9を配置し、スラグセ
ンサー9の信号に応じて添加剤の種類および/または添
加量を決定することが望ましい。これは、取鍋スラグ7
の流出形態はチャージによって異なることから、スライ
ディングノズル8を閉鎖させるまでに現れるスラグセン
サー9の信号から流出量を判断し、添加剤の種類と添加
量を適宜決定することによって効率的な介在物制御が行
えるためである。即ち、タンディッシュへのスラグ流出
量が少ない場合には、添加剤の添加は僅かでも品質の劣
化が問題にならないため、過剰の添加剤添加によるコス
トアップを回避できる一方、多量のスラグがタンディッ
シュに流出した場合には、添加剤の量を増加させたり、
添加剤の種類をより強力なものに変更するなどして不良
品の発生を未然に防ぐことができる。
化の検知が可能なスラグセンサー9を配置し、スラグセ
ンサー9の信号に応じて添加剤の種類および/または添
加量を決定することが望ましい。これは、取鍋スラグ7
の流出形態はチャージによって異なることから、スライ
ディングノズル8を閉鎖させるまでに現れるスラグセン
サー9の信号から流出量を判断し、添加剤の種類と添加
量を適宜決定することによって効率的な介在物制御が行
えるためである。即ち、タンディッシュへのスラグ流出
量が少ない場合には、添加剤の添加は僅かでも品質の劣
化が問題にならないため、過剰の添加剤添加によるコス
トアップを回避できる一方、多量のスラグがタンディッ
シュに流出した場合には、添加剤の量を増加させたり、
添加剤の種類をより強力なものに変更するなどして不良
品の発生を未然に防ぐことができる。
【0014】本発明は、介在物制御が特に必要な期間で
ある継ぎ目片溶鋼の注入時期だけに添加するため、介在
物の抑制効果が短時間の内に実現できる。高価なため使
用量や適用鋼種が限定される添加剤を用いる場合に特に
適しており、高価な金属Mgや金属Caを用いる場合に
経済的効果が極めて大きい。なお、ここでいう金属には
CaC2 などのように溶鋼中では事実上金属と同様の制
御を行うものも含まれる。後述の通りMg、Caはタン
ディッシュ内溶鋼重量に対し0.04〜0.5kg/t
の少量の添加で大きな改善効果が得られ、添加剤による
熱ロスも僅かにすることができる。
ある継ぎ目片溶鋼の注入時期だけに添加するため、介在
物の抑制効果が短時間の内に実現できる。高価なため使
用量や適用鋼種が限定される添加剤を用いる場合に特に
適しており、高価な金属Mgや金属Caを用いる場合に
経済的効果が極めて大きい。なお、ここでいう金属には
CaC2 などのように溶鋼中では事実上金属と同様の制
御を行うものも含まれる。後述の通りMg、Caはタン
ディッシュ内溶鋼重量に対し0.04〜0.5kg/t
の少量の添加で大きな改善効果が得られ、添加剤による
熱ロスも僅かにすることができる。
【0015】
【実施例】本発明の効果を検証することを目的に、30
0t取鍋から50tタンディッシュを介して2ストラン
ドでスラブを鋳造する連続鋳造設備を用いて、[C]:
0.003〜0.01wt%、[Al]:0.02〜
0.08wt%、[Ti]:0.01〜0.05wt%
と不可避的不純物からなる極低炭Ti−Alキルド鋼を
連続鋳造する試験を行った。キャストの前鍋が注入を終
了した後、速やかにロングノズル付近の溶鋼中に添加剤
を添加した。添加剤は、スラグ酸化度希釈用に用いたカ
ルシウムアルミネート、薄鉄板で被覆された金属Caワ
イヤー、薄鉄板で被覆された金属Mgワイヤーの3種類
である。
0t取鍋から50tタンディッシュを介して2ストラン
ドでスラブを鋳造する連続鋳造設備を用いて、[C]:
0.003〜0.01wt%、[Al]:0.02〜
0.08wt%、[Ti]:0.01〜0.05wt%
と不可避的不純物からなる極低炭Ti−Alキルド鋼を
連続鋳造する試験を行った。キャストの前鍋が注入を終
了した後、速やかにロングノズル付近の溶鋼中に添加剤
を添加した。添加剤は、スラグ酸化度希釈用に用いたカ
ルシウムアルミネート、薄鉄板で被覆された金属Caワ
イヤー、薄鉄板で被覆された金属Mgワイヤーの3種類
である。
【0016】図2には、取鍋1チャージ当たりのタンデ
ィッシュ内への添加剤添加量と鋳片を冷延した後に評価
されたスリバー疵発生指数の関係を示す。
ィッシュ内への添加剤添加量と鋳片を冷延した後に評価
されたスリバー疵発生指数の関係を示す。
【0017】図中の斜線は前鍋の注入終了直後にカルシ
ウムアルミネートを添加した実施例1で、比較例は取鍋
の残湯量に関係なく、タンディッシュ内へカルシウムア
ルミネートを20分間隔で全キャストにわたって添加し
たものである。実施例1では取鍋スラグがタンディッシ
ュに混入した直後に介在物形態制御が完了するため、比
較例に対し少量の添加でスリバー疵の低減が実現でき
た。
ウムアルミネートを添加した実施例1で、比較例は取鍋
の残湯量に関係なく、タンディッシュ内へカルシウムア
ルミネートを20分間隔で全キャストにわたって添加し
たものである。実施例1では取鍋スラグがタンディッシ
ュに混入した直後に介在物形態制御が完了するため、比
較例に対し少量の添加でスリバー疵の低減が実現でき
た。
【0018】実施例2は、前鍋が注入終了するまでのス
ラグ検知信号の変化量からチャージ毎のカルシウムアル
ミネート添加量を決定して介在物形態制御を行った例で
あり、判定されるスラグ流入量に合わせて添加量を増減
することによって著しい添加量の削減効果が得られた。
ラグ検知信号の変化量からチャージ毎のカルシウムアル
ミネート添加量を決定して介在物形態制御を行った例で
あり、判定されるスラグ流入量に合わせて添加量を増減
することによって著しい添加量の削減効果が得られた。
【0019】実施例3は、添加剤をMgワイヤーまたは
Caワイヤーとした例で、2〜25kg/ch(タンデ
ィッシュ内溶鋼1tあたり0.04〜0.5kg/c
h)の全範囲でCa、Mg共に著しい品質向上効果が得
られた。
Caワイヤーとした例で、2〜25kg/ch(タンデ
ィッシュ内溶鋼1tあたり0.04〜0.5kg/c
h)の全範囲でCa、Mg共に著しい品質向上効果が得
られた。
【0020】
【発明の効果】本発明では、連続鋳造における継ぎ目片
の品質が少量の添加剤で向上するため、安価で熱ロスが
低減できるなど経済的な効果が大きい。
の品質が少量の添加剤で向上するため、安価で熱ロスが
低減できるなど経済的な効果が大きい。
【図1】本発明の実施態様を示す図である。
【図2】実施例の結果を示す図である。
1 取鍋 2 タンディッシュ 3 鋳型 4 溶鋼 5 鋳片 6 ノズル 7 取鍋スラグ 8 スライディングノズル 9 スラグセンサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C21C 7/04 C21C 7/04 C
Claims (3)
- 【請求項1】 溶鋼を所定量W0 (トン)充填した第1
取鍋からタンディッシュに溶鋼を連続的に注入し、第1
取鍋内の溶鋼重量が所定の残量WR (トン)に減少して
注入を停止してから、第1取鍋と交換して用いる別の第
2取鍋から溶鋼を注入し始めるまでの取鍋交換作業を少
なくとも1回行って2つ以上の取鍋を交換しながら行う
連続鋳造方法において、前記取鍋交換作業の開始前であ
って第1取鍋内の溶鋼重量が初期の充填重量W0 (ト
ン)の4分の1(=1/4・W0(トン))に減少した
時点から、前記取鍋交換作業の完了後であってタンディ
ッシュから鋳型に1/4・W0 (トン)と同じ重量の溶
鋼を注入し終わる時点までのタンディッシュ内溶鋼混合
期間のうちに、少なくとも1回、添加剤による介在物形
態制御を行うことを特徴とする連続鋳造継ぎ目片の品質
制御方法。 - 【請求項2】 取鍋からノズルを介してタンディッシュ
に溶鋼を注入するに際し、該ノズル内状態に起因するイ
ンピーダンス変化を検知するスラグセンサーを該ノズル
の外周に配設し、該スラグセンサーの検知信号から判定
したスラグ流出量に応じて添加剤の種類および/または
添加量を決定して添加することを特徴とする請求項1記
載の連続鋳造継ぎ目片の品質制御方法。 - 【請求項3】 タンディッシュ内の溶鋼重量に対する重
量比で0.04〜0.5(kg/溶鋼トン)の金属Ca
または金属Mgのうち少なくとも1種を添加剤に含有さ
せることを特徴とする請求項1または2記載の連続鋳造
継ぎ目片の品質制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6391296A JPH09225601A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | 連続鋳造継ぎ目片の品質制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6391296A JPH09225601A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | 連続鋳造継ぎ目片の品質制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09225601A true JPH09225601A (ja) | 1997-09-02 |
Family
ID=13243031
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6391296A Withdrawn JPH09225601A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | 連続鋳造継ぎ目片の品質制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09225601A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2792234A1 (fr) * | 1999-04-15 | 2000-10-20 | Lorraine Laminage | Traitement pour ameliorer la coulabilite d'acier calme a l'aluminium coule en continu |
-
1996
- 1996-02-27 JP JP6391296A patent/JPH09225601A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2000062957A1 (fr) * | 1999-04-15 | 2000-10-26 | Usinor | Traitement pour ameliorer la coulabilite des aciers calmes a l'aluminium coules en continu |
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