JPH09224592A - アレルゲン低減化米の製造方法 - Google Patents
アレルゲン低減化米の製造方法Info
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- JPH09224592A JPH09224592A JP8055467A JP5546796A JPH09224592A JP H09224592 A JPH09224592 A JP H09224592A JP 8055467 A JP8055467 A JP 8055467A JP 5546796 A JP5546796 A JP 5546796A JP H09224592 A JPH09224592 A JP H09224592A
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Abstract
短時間で、米に含まれているアレルゲンタンパク質を中
心に低減化し、工業的に、米の栄養価を実質的に低下さ
せることなく、アレルゲン低減化米を製造する方法を提
供する。 【解決手段】 米をアルカリ性水溶液に接触させた後、
酸性水溶液と接触させて米表面を酸性化する。
Description
米の製造方法に関する。詳しくは、穀物、特に米に対し
てアレルギー反応を起こす患者若しくは動物が、食物と
して用いることができるアレルゲン低減化米の製造方法
に関する。
が、時として生体に異常な反応を引き起こすことがあ
る。この中で、食物中の物質が抗原として認識され、一
連の免疫学的機序により、喘息、湿疹などの症状を呈す
る病態は食物アレルギーと呼ばれている。食物アレルギ
ー患者は、推定で人口の約1%弱とみられており、特
に、小児においては、気管支喘息、アトピー性皮膚炎な
どの原因として食物アレルギーの発症頻度も高い。食物
アレルギーは、一般に、牛乳、卵、大豆などが食物アレ
ルギーの原因物質となるこが多いといわれているが、近
年では、米や小麦などの穀物によるアレルギーが増加し
ている〔山田一恵ら、小児科臨床、第38巻2545以
下(1985);荒井綜一ら、小児内科、第22巻41
5以下(1990)〕。
物による対症療法の他、アレルギーの原因となる食物を
制限、あるいは摂取させない方法が試みられているが、
食物を制限することは、生命の維持、発育にも支障をき
たしかねない。そこで、アレルギーを起こす成分のみ除
去し、他の栄養成分は損なわないような食品を摂取させ
る方法が研究されている。
すなわちアレルゲンについて研究が進み、米に関して
は、グロブリンである分子量16kdのタンパク質その
他多くのタンパク質分子がアレルゲンであることが報告
されている〔中村良、化学と生物、第25巻739以下
(1987)〕。
ンパク質を分解し、アレルゲンを低減化した米の製造方
法が、特開平2−167040号公報に記載されてい
る。しかし、この方法では、使用する酵素が高価なた
め、製造したアレルゲン低減化米の価格が結果として高
価になってしまうだけでなく、操作も繁雑である。ま
た、アルカリ性水溶液に浸漬した後、中和などしてアル
カリを取り除くことによる低アレルゲン化米の製造方法
が、特開平7−115920号公報に記載されている。
しかし、この方法では、黄色を帯びたアレルゲン低減化
米が得られ、この米粒を炊飯すると、黄色の帯色が更に
激しくなり、いずれの場合も、外観が著しく劣るもので
あった。従って、短時間かつ簡便に、アレルゲンを十分
に除去することができ、外観も優れた米粒を得ることの
できる方法の開発が望まれていた。
は、従来の方法に比べて、容易な手段で安価に、かつ短
時間で、米に含まれているアレルゲンタンパク質を低減
化することができ、外観も優れたアレルゲン低減化米の
製造方法を提供することにある。
よる、米をアルカリ性水溶液に接触させた後、酸性水溶
液と接触させて米表面を酸性化することを特徴とする、
アレルゲン低減化米の製造方法により、達成することが
できる。
明する。原料に用いる米は特に制限されず、市販米(す
なわち、脱穀し、精米した後のウルチ米又はモチ米)を
米粒の状態でそのまま使用することができる。玄米を用
いてもよい。また、国産米は勿論、それ以外のジャポニ
カ米又はインディカ米を用いることができ、新米又は古
米のいずれも使用可能である。
ち、米粒)をアルカリ性水溶液と接触(例えば、浸漬)
させる。使用するアルカリ性水溶液は、アルカリ金属又
はアルカリ土類金属の水酸化物又はリン酸塩の水溶液、
あるいはアンモニア水溶液を挙げることができる。具体
的には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶
液、水酸化マグネシウム水溶液、水酸化カルシウム水溶
液、リン酸二ナトリウム水溶液、リン酸三ナトリウム水
溶液、リン酸二カリウム水溶液、又はリン酸三カリウム
水溶液を挙げることができる。とりわけアルカリ金属水
酸化物の水溶液が好ましく、水酸化ナトリウム又は水酸
化カリウムの水溶液が最も好ましい。また、水を電解イ
オン水生成器で処理して得られるアルカリ水(陽極及び
陰極を有する水槽に水を供給し、電圧を印加することに
より、陽極付近に生成される水酸化物イオンを多く含ん
だ水)を用いてもよい(本明細書では、このアルカリ水
もアルカリ性水溶液に含まれるものとする)。更に、こ
れらを混合して用いてもよい。
に限定されないが、好ましくはpH12以上、更に好ま
しくはpH13以上の強アルカリである。前記の水酸化
物又はリン酸塩の濃度は、その種類によらず、前記pH
の範囲内であれば特に限定されない。電解イオン水生成
器から得られるアルカリ水を用いる場合は前記pHの範
囲内であれば、そのまま使用することができる。
被処理米の表面全体がアルカリ性水溶液と実質的に接触
していればよい。従って、例えば、アルカリ性水溶液中
に被処理米全体を浸漬させて静置することができる。こ
の場合に使用するアルカリ性水溶液の量は、被処理米全
体を完全に浸漬することのできる量であればよい。ま
た、個々の米粒とアルカリ性水溶液との接触を一層効率
的に実施するために、米と、その表面に接触するアルカ
リ性水溶液とが、実質的に連続的に相対的に移動する状
態で、米をアルカリ性水溶液に接触させるのが好まし
い。実質的に連続的に相対的に移動する状態は、例え
ば、米とアルカリ性水溶液とを攪拌下に浸漬させるか、
浸漬容器全体を回転させて米を移動させるか、浸漬容器
の下部からアルカリ性水溶液の水流及び/又は気体(例
えば、空気)を供給するなどの方法によって得ることが
できる。2〜5rpmで浸漬容器を回転させると砕米が
できにくく、より好ましい。
て、アルカリ性水溶液を流すか、あるいは循環させるこ
ともできる。カラム状の容器を使用すると、米粒が破砕
されにくくなるので好ましい。カラム状容器の材質及び
大きさ等は特に限定されるものではないが、その材質と
しては、アルカリに浸食されない材質、例えば、ガラ
ス、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、又はステンレスス
チール等が好ましい。カラム状容器の注入口にシャワー
噴出器を設け、その噴出器からアルカリ性水溶液をカラ
ム内の米粒に注ぐと、均一に接触させることができる。
アルカリ性水溶液の流量は、特に限定されず、処理米の
量やカラム状容器等に対応し適宜設定することができる
が、処理米1kgあたり好ましくは0.01〜5リット
ル/分で流すかあるいは循環させる。循環させる場合
は、pHスタット等を用いて循環中のアルカリ性水溶液
のpHを調整すると、使用するアルカリ性水溶液の量を
少なくすることができるので好ましい。米と、その表面
に接触するアルカリ性水溶液とが、実質的に連続的に相
対的に移動する状態で、米をアルカリ性水溶液に接触さ
せる処理と、アルカリ性水溶液中に被処理米全体を浸漬
させて静置する処理と、を組み合わせて実施することも
できる。
理の間に適宜交換してもよい。米粒全体のアルカリ性化
を促進するためにはアルカリ性水溶液を一定時間毎に取
り替え、浸漬処理を2〜4回繰り返し行うことが好まし
い。なお交換の前後で、アルカリの種類及び/又はpH
値が異なるアルカリ性水溶液を用いてもよい。
ましくは4〜50℃、特に好ましくは5〜25℃であ
る。米をアルカリ性水溶液に浸漬する時間は(アルカリ
性水溶液を交換する場合には通算で)、静置処理の場合
は好ましくは10分〜4時間、より好ましくは30分〜
2時間である。相対的に移動させる処理の場合は好まし
くは10分〜3時間である。
施すると米粒へのアルカリの浸透が促進されるので、好
ましい。また、減圧下での処理と、大気圧下での処理
と、加圧下での処理とを繰り返したり、適宜組み合わせ
ることもできる。減圧又は加圧の圧力は特に限定されな
いが、減圧する場合は100〜20mmHgの圧力下
で、加圧する場合は1.2〜2気圧の圧力下で行うこと
が好ましい。減圧又は加圧の時間は特に限定されない
が、1回の減圧又は加圧あたりそれぞれ5〜60分間が
好ましい。
による処理の後で、必要により、中性の洗浄水を用い
て、米を洗浄することができる。洗浄は、中性の水など
に米を浸漬するか、中性の水などの流水に米を曝すか、
又は、米をカラム状容器につめて、水等を流すことによ
って実施することができる。用いる水は特に限定され
ず、水道水、蒸留水、又はイオン交換水などが挙げられ
る。バッチ式の場合、洗浄用の水を一定時間毎に取り替
え、浸漬処理を5〜10回繰り返し行うことが好まし
い。流水洗浄の場合、流水量が処理米1kgあたり10
ミリリットル〜5リットル/分であれば十分である。カ
ラム状容器につめて行う場合に用いることのできるカラ
ム状容器は、その材質や大きさ等によって特に限定され
ず、アルカリ性水溶液との接触に用いたものと同じ容器
内で洗浄を実施することもできる。洗浄用の水の流量
は、特に限定されず、処理米の量やカラム状容器等に対
応して適宜設定することができるが、処理米1kgあた
り好ましくは0.01〜5リットル/分である。洗浄の
処理時間は(バッチ式で処理水を交換する場合には通算
で)、好ましくは約1〜12時間、特に好ましくは約2
〜8時間である。
とを接触させ、米表面を酸性化する。ここで、「米表面
を酸性化する」とは、米粒表面全体が酸性化され、更
に、米粒表面と、その米粒表面から米粒中心へ向かって
少なくとも0.2mmまでの地点との領域が酸性化され
ることを意味する。米表面の酸性化の確認方法は特に限
定されず、公知の方法で行うことができる。例えば、酸
性化処理後の米を、中心を通る平面で切断し、メチルレ
ッド等のpH指示薬に浸して、その断面において、表面
から中心に向けて0.2mm以上が酸性の呈色(メチル
レッドの場合は黄色)をしていることを確認することな
どの方法を挙げることができる。従って、本発明を実施
する場合は、酸性化のパイロット試験を実施し、酸性化
の処理条件と酸性化の進行との関係を予め確認してお
き、適切な処理時間を予め設定しておくのが好ましい。
また、適宜、サンプルを取り出して酸性化の程度を確認
することもできる。
ず、無機酸(塩酸、リン酸、又は硫酸等)の水溶液で
も、有機酸(酢酸、又はクエン酸等)の水溶液でもよ
い。また、水を電解イオン水生成器で処理して得られる
酸性水(陽極及び陰極を有する水槽に水を供給し、電圧
を印加することにより、陰極付近に生成される水素イオ
ンを多く含んだ水)を用いてもよい(本明細書では、こ
の酸性水も酸性水溶液に含まれるものとする)。更に、
これらを混合して用いてもよい。
特に限定されないが、好ましくはpH4以下、更に好ま
しくはpH2以下である。前記の酸性水溶液中の無機酸
及び/又は有機酸の濃度は、その種類によらず、前記p
Hの範囲内であれば特に限定されない。電解イオン水生
成器から得られる酸性水を用いる場合は前記pHの範囲
内であれば、そのまま使用することができる。
米の表面全体が酸性水溶液と実質的に接触していればよ
い。従って、例えば、酸性水溶液中に被処理米全体を浸
漬させて静置することができる。この場合に使用する酸
性水溶液の量は、被処理米全体を完全に浸漬することの
できる量であればよい。また、個々の米粒と酸性水溶液
との接触を一層効率的に実施するために、米と、その表
面に接触する酸性水溶液とが、実質的に連続的に相対的
に移動する状態で、米を酸性水溶液に接触させるのが好
ましい。実質的に連続的に相対的に移動する状態は、例
えば、米と酸性水溶液とを攪拌下に浸漬させるか、浸漬
容器全体を回転させて米を移動させるか、浸漬容器の下
部から酸性水溶液の水流及び/又は気体(例えば、空
気)を供給するなどの方法によって得ることができる。
2〜5rpmで浸漬容器を回転させると砕米ができにく
く、より好ましい。
て、酸性水溶液を流すか、あるいは循環させることもで
きる。カラム状容器を使用すると、米粒が破砕されにく
くなるので好ましい。カラム状容器の材質及び大きさ等
は特に限定されるものではないが、その材質としては酸
に浸食されない材質、例えば、ガラス、アクリル樹脂、
塩化ビニル樹脂、又はステンレススチール等が好まし
い。カラム状容器の注入口にシャワー噴出器を設け、そ
の噴出器から酸性水溶液をカラム内の米粒に注ぐと、均
一に接触させることができる。前記のカラム状容器は、
アルカリ性水溶液との接触及び/又は洗浄に用いた容器
と同一のものをそのまま使用してもよい。酸性水溶液の
流量は、特に限定されず、処理米の量やカラム状容器等
に対応して適宜設定することができるが、処理米1kg
あたり好ましくは0.01〜5リットル/分で流すかあ
るいは循環させる。循環させる場合は、pHスタット等
を用いて循環中の酸性水溶液のpHを調整すると、使用
する酸性水溶液の量を少なくすることができるので好ま
しい。米と、その表面に接触する酸性水溶液とが、実質
的に連続的に相対的に移動する状態で、米を酸性水溶液
に接触させる処理と、酸性水溶液中に被処理米全体を浸
漬させて静置する処理と、を組み合わせて実施すること
もできる。
に適宜交換してもよい。米粒全体の酸性化を促進するた
めには酸性水溶液を一定時間毎に取り替え、浸漬処理を
2〜4回繰り返し行うことが好ましい。なお交換の前後
で、酸の種類及び/又はpH値が異なる酸性水溶液を用
いてもよい。
ましくは0〜50℃、特に好ましくは20〜40℃であ
る。米を酸性水溶液に浸漬する時間は(酸性水溶液を交
換する場合には通算で)、静置処理の場合は好ましくは
40分〜4時間、より好ましくは1時間〜2時間であ
る。40分未満では、米表面の酸性化が前述の基準に達
しない場合がある。4時間以上では後処理に時間を要し
実用的でない。相対的に移動させる処理の場合は、好ま
しくは30分〜3時間、より好ましくは40分〜2時間
である。
施すると米粒への酸の浸透が促進されるので、好まし
い。また減圧下での処理と、大気圧下での処理と、加圧
下での処理とを繰り返したり、適宜組み合わせることも
できる。減圧又は加圧の圧力は特に限定されないが、減
圧する場合は100〜20mmHgの圧力下で、加圧す
る場合は1.2〜2気圧の圧力下で行うことが好まし
い。減圧又は加圧の時間は特に限定されないが、1回の
減圧又は加圧あたりそれぞれ5〜60分間が好ましい。
米の酸性度を低下させるために、中性の水(特に流水が
好ましい)で洗浄するのが好ましい。洗浄は、中性の水
などに米を浸漬するか、中性の水などの流水に米を曝す
か、又は、米をカラム状容器につめて、水を流すことに
よって実施することができる。希アルカリ水溶液で中和
してもよいが、効果は水洗浄と変わらないので、実用的
でない。
水、又はイオン交換水などが挙げられる。バッチ式の場
合、洗浄用の水を一定時間毎に取り替え、浸漬処理を5
〜10回繰り返し行うことが好ましい。流水洗浄の場
合、流水量が処理米1kgあたり10ミリリットル〜5
リットル/分であれば十分である。カラム状の容器につ
めて行う場合、カラム状の容器の材質や大きさ等は特に
限定されず、酸性水溶液との接触等に用いたものと同一
のものでもよい。水の流量は、特に限定されず、処理米
の量、カラム状の容器等に対応し、適宜設定することが
できるが、処理米1kgあたり好ましくは0.01〜5
リットル/分である。洗浄の処理時間は(バッチ式で処
理水を交換する場合には通算で)、好ましくは約1〜1
2時間、特に好ましくは約2〜8時間である。
及びその後の(3)酸処理からなるか、好ましくは (b)(1)アルカリ処理、及びその後の(2)酸処理
からなるか、より好ましくは (c)(1)アルカリ処理、その後の(2)洗浄処理、
更にその後の(3)酸処理、及び更にその後の(4)洗
浄処理からなるか、更に好ましくは (d)(1)アルカリ処理、その後の(2)酸処理、及
びその後の(3)洗浄処理からなる。
により、乾燥する。乾燥の方法は特に限定されないが、
通風乾燥、天日干し、又は凍結乾燥等の公知の任意の方
法で実施することができる。炊飯や醸造等に用いる場合
のように、後に水分を添加したり、水分が存在しても問
題がない場合には、必ずしも乾燥する必要はない。本発
明方法により得られるアレルゲン低減化米は、通常の米
と同様の用途に使用することができる。例えば、米粒の
まま、炊飯したり、炒めたり、蒸したり、又は粥炊きす
る等してからそのまま食用としてもよく、また、炊き込
み御飯、餅、レトルト御飯、醸造又は発酵等の原料とし
てもよい。更に、無菌化包装米飯等の加工食品としても
よい。また、粉砕して、米粉、白玉粉、ビーフン、又は
米菓等の加工原料としてもよい。本発明によって得られ
たアレルゲン低減化米は、米に含まれているアレルゲン
タンパク質が除去若しくは著しく低減されている。
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではいな
い。以下の実施例に記載の処理は、特に断わらない場合
は、常温常圧で行った。下記の実施例及び比較例におい
て用いた試薬について、その組成、調製方法、略号、及
び商品名等を以下に示す。 尿素液:4M尿素を含む100mMトリス緩衝液でpH
7.4に調整したもの BSA:ウシ血清アルブミン ELISA用プレート:IMMULON 1(DYNA
TECH LABORATOREIS INC.社製) ELISA洗浄液:50mMの塩化ナトリウムと0.0
5%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレ
ートとを含む20mMリン酸緩衝液でpH7.4に調整
したもの PBS:150mMの塩化ナトリウムを含む20mMリ
ン酸緩衝液でpH7.4に調整したもの ペルオキシダーゼ結合抗ヒトIgE:ベーリンガーマン
ハイム社製 基質溶液:オルト−フェニレンジアミン4mg、過酸化
水素5μl、リン酸−クエン酸緩衝液(pH5.0:
0.1Mクエン酸1水和物及び0.2Mリン酸で調整)
10mlとからなる。
コシヒカリ1kgを浸漬した状態で減圧(20mmH
g)下に40分間静置した後、その減圧下のまま同じ水
酸化ナトリウム水溶液中にて水温40℃で2rpmの撹
拌を80分間行った。次いで、pH1の塩酸5リットル
に浸漬した状態で、水温20℃で2rpmの攪拌を2時
間行った。その後、米を水道水の流水(流水量=2リッ
トル/分)中で4時間洗浄し、本発明のアレルゲン低減
化米を得た。また、更に乾燥させて本発明のアレルゲン
低減化米コシヒカリ1kgを得た。
酸化ナトリウム水溶液50リットルに浸漬した状態で2
時間静置した後、流水量2リットル/分の蒸留水で流水
処理を2時間行った。次に、40℃でpH2の酢酸水溶
液50リットルに浸漬した状態で40分間静置した。そ
の後、米を流水量2リットル/分の蒸留水の流水中で4
時間洗浄し、本発明のアレルゲン低減化米を得た。ま
た、更に乾燥させて本発明のアレルゲン低減化米9.9
kgを得た。
ム水溶液10リットルに浸漬した状態で減圧(20mm
Hg)下で40分間静置した後、減圧のまま同じ水酸化
ナトリウム水溶液中にて水温40℃で2rpmの撹拌を
80分間行った。次いで、pH1の塩酸5リットルに浸
漬した状態で減圧(20mmHg)下で40分間静置し
た。その後、米を2リットル/分の蒸留水の流水中で6
時間洗浄し、本発明のアレルゲン低減化米を得た。ま
た、更に乾燥させて本発明のアレルゲン低減化米4.9
kgを得た。
水溶液50リットルに浸漬した状態で減圧(20mmH
g)下で40分間静置した後、その減圧下のまま同じ水
酸化ナトリウム水溶液中にて水温40℃で5rpmの撹
拌を80分間行った。次いで、pH1.3の塩酸5リッ
トルに浸漬した状態で加圧(2気圧)下で40分間静置
し、続いてその加圧下のまま同じ塩酸(pH1.3)中
で5rpmの撹拌を2時間行った。その後、米を2リッ
トル/分の水道水の流水中で4時間洗浄し、本発明のア
レルゲン低減化米を得た。また、更に乾燥させて本発明
のアレルゲン低減化米4.9kgを得た。
液5リットルに浸漬した状態で減圧(20mmHg)下
で40分間静置した後、その減圧下のまま同じ水酸化ナ
トリウム水溶液中にて水温40℃で2rpmの攪拌を8
0分間行った。次いで、大気圧下でpH1の塩酸5リッ
トルに浸漬し、そのまま同じ塩酸中にて2rpmの攪拌
を1時間行った。その後、米を0.5リットル/分の水
道水の流水中で4時間洗浄し、本発明のアレルゲン低減
化米を得た。また、更に乾燥させて本発明のアレルゲン
低減化米1kgを得た。
コシヒカリ1kgを浸漬した状態で減圧(20mmH
g)下で40分間静置した後、その減圧下のまま同じ水
酸化ナトリウム水溶液中にて水温40℃で2rpmの撹
拌を80分間行った。次いで、電解還元水製造装置を用
いて水道水から得られた酸性液体(pH2.5)5リッ
トルに浸漬した状態で減圧(20mmHg)下に40分
間静置した後、そのまま同じ酸性液体中にて水温40℃
で2rpmの撹拌を80分間行った。その後、米を2リ
ットル/分の蒸留水の流水中で4時間洗浄し、本発明の
アレルゲン低減化米を得た。また、更に乾燥させて本発
明のアレルゲン低減化米1kgを得た。
コシヒカリ1kgを浸漬した状態で減圧(20mmH
g)下に2rpmで40分間静置した後、その減圧下の
まま同じ水酸化ナトリウム水溶液中にて水温40℃で2
rpmの撹拌を80分間行った。次いで、pH1の塩酸
5リットルに大気圧下で浸漬した状態で、水温20℃で
2rpmの撹拌を2時間行った。その後、米を流水量2
リットル/分の水道水の流水中で4時間洗浄し、本発明
のアレルゲン低減化米を得た。また、更に乾燥させて本
発明のアレルゲン低減化コシヒカリ1kgを得た。
水溶液50リットルに浸漬した状態で減圧(20mmH
g)下で40分間静置した後、常圧にもどし、同じ水酸
化ナトリウム水溶液中にて水温40℃で2rpmの撹拌
を80分間行った。次いで、pH1の塩酸5リットルに
浸漬した状態で減圧(20mmHg)下に40分間静置
した。その後、水を2リットル/分の蒸留水の流水中で
6時間洗浄し、本発明のアレルゲン低減化米を得た。ま
た、更に乾燥させて本発明のアレルゲン低減化米4.9
kgを得た。
ム水溶液50リットルに浸漬した状態で減圧(20mm
Hg)下で40分間静置した後、減圧のまま同じ水酸化
ナトリウム水溶液中にて水温40℃で2rpmの撹拌を
80分間行った。次いで、pH1の塩酸5リットルに浸
漬した状態で減圧(20mmHg)下で20分間静置し
た後、常圧にもどし20分間静置した。その後、米を2
リットル/分の蒸留水の流水中で6時間洗浄し、本発明
のアレルゲン低減化米を得た。また、更に乾燥させて本
発明のアレルゲン低減化米4.9kgを得た。
5cm;長さ=70cm)にカラム状につめ、pH13
の水酸化ナトリウム水溶液5リットルを0.5リットル
/分で2時間循環させた。次いで、pH1の塩酸5リッ
トルを0.5リットル/分で40分間循環させた。その
後、カラムにつめたままの状態で水道水で2リットル/
分で4時間洗浄し、本発明のアレルゲン低減化米を得
た。また、更に乾燥させて本発明のアレルゲン低減化コ
シヒカリ1kgを得た。
水溶液5リットルに浸漬した状態で減圧(20mmH
g)下で40分間静置した後、常圧にもどし、同じ水酸
化ナトリウム水溶液中にて水温40℃で2rpmの撹拌
を80分間行った。次いで、米をアクリル樹脂製円筒
(内径=5cm;長さ=70cm)にカラム状につめ、
pH1の塩酸5リットルを2リットル/分で40分間循
環させた。その後、カラムにつめたままの状態で水道水
で2リットル/分で4時間洗浄し、本発明のアレルゲン
低減化米を得た。また、更に乾燥させて本発明のアレル
ゲン低減化コシヒカリ1kgを得た。
水溶液5リットルに浸漬した状態で減圧(20mmH
g)下で40分間静置した後、常圧にもどし、同じ水酸
化ナトリウム水溶液中にて水温40℃で2rpmの撹拌
を80分間行った。次いで、pH1の塩酸5リットルに
浸漬した状態で減圧(20mmHg)下で40分間静置
したのち、その減圧下のまま同じ塩酸中で水温40℃で
2rpmの攪拌を80分間行った。次いで、米をアクリ
ル樹脂製円筒(内径=5cm;長さ=70cm)にカラ
ム状につめ、水道水で1リットル/分で6時間洗浄し、
本発明のアレルゲン低減化米を得た。また、更に乾燥さ
せて本発明のアレルゲン低減化コシヒカリ1kgを得
た。
と以外は実施例10と同様にして、未乾燥の本発明のア
レルゲン低減化米、及び、乾燥した本発明のアレルゲン
低減化米1kgを得た。
以外は実施例10と同様にして、未乾燥の本発明のアレ
ルゲン低減化米、及び、乾燥した本発明のアレルゲン低
減化米1kgを得た。
せたこと以外は実施例10と同様にして、未乾燥の本発
明のアレルゲン低減化米、及び、乾燥した本発明のアレ
ルゲン低減化米1kgを得た。
以外は実施例10と同様にして、未乾燥の本発明のアレ
ルゲン低減化米、及び、乾燥した本発明のアレルゲン低
減化米1kgを得た。
させたこと以外は実施例10と同様にして、未乾燥の本
発明のアレルゲン低減化米、及び、乾燥した本発明のア
レルゲン低減化米1kgを得た。
の水酸化カリウム水溶液を循環させたこと以外は実施例
14と同様にして、未乾燥の本発明のアレルゲン低減化
米、及び、乾燥した本発明のアレルゲン低減化米1kg
を得た。
の水酸化マグネシウム水溶液を循環させたこと以外は実
施例14と同様にして、未乾燥の本発明のアレルゲン低
減化米、及び、乾燥した本発明のアレルゲン低減化米1
kgを得た。
のリン酸三ナトリウム水溶液を循環させたこと以外は実
施例14と同様にして、未乾燥の本発明のアレルゲン低
減化米、及び、乾燥した本発明のアレルゲン低減化米1
kgを得た。
のアンモニア水溶液を循環させたこと以外は実施例14
と同様にして、未乾燥の本発明のアレルゲン低減化米、
及び、乾燥した本発明のアレルゲン低減化米1kgを得
た。
の電解アルカリ水を循環させたこと以外は実施例14と
同様にして、未乾燥の本発明のアレルゲン低減化米、及
び、乾燥した本発明のアレルゲン低減化米1kgを得
た。
米コシヒカリ10kgを浸漬した状態で室温下に静置し
た。1時間後、pH13の新鮮な水酸化ナトリウム水溶
液に交換し、更に、浸漬した状態で室温下に1時間静置
した。水酸化ナトリウムを捨てた後、米を2リットル/
分の蒸留水の流水中で10分間洗浄した。次いで、pH
1の塩酸水溶液50リットルに浸漬した状態で室温下で
30分間静置した。次いで、2リットル/分の蒸留水の
流水中で4時間洗浄し、乾燥させて、アルカリ処理米
9.8kgを得た。
たアレルゲン低減化米及び比較例1で得られたアルカリ
処理米と、米アレルギー患者の血清IgEとの反応性を
調べた。ELISA法によるアレルゲン性の検定は以下
の方法で実施した。検査対象の処理米を乳鉢で粉砕し、
粉体1gを精秤し、尿素液10mlを加え、2時間室温
下にてスターラーで攪拌した。遠心分離(10,000
rpm;10分間)処理して、上清を分取した。この抽
出液を尿素液で160倍に希釈し、その希釈液50μl
をELISA用プレートに添加した。4℃で一晩静置
し、前記ELISA用プレートに抗原を結合させた。続
いて、ELISA洗浄液で前記ELISA用プレートを
3回洗浄した。3%BSA−PBS150μl/ウェル
でブロッキングし、2時間静置した後、ELISA洗浄
液で前記ELISA用プレートを4回洗浄した。米アレ
ルギー患者血清を1%BSA−PBSで20倍に希釈
し、その希釈液50μl/ウェルをELISA用プレー
トに添加し、2時間静置した後、前記ELISA洗浄液
で前記ELISA用プレートを5回洗浄した。続いて、
ペルオキシダーゼ結合抗ヒトIgEを1%BSA−PB
Sで10,000倍に希釈し、その希釈液50μl/ウ
ェルを前記ELISA用プレートに添加し、2時間静置
した後、ELISA洗浄液で前記ELISA用プレート
を6回洗浄した。続いて、基質溶液100μlを前記E
LISA用プレートに添加し、30分後に前記ELIS
A用プレートに2N硫酸50μl/ウェルを加えて反応
を停止した。エライザリーダー(コロナ電気MTP−1
20)で492nmの吸光度を測定した。
び(B)、並びに対照として健常人の血清を用いた。結
果を表1に示す。
は、前記比較例1と同様の操作を繰り返すことにより、
アルカリ処理米9.8kgを得た。
及び比較例2で得られたアルカリ処理米における黄色の
帯色の度合いを色素計で調べた。検査対象の処理米を乳
鉢で粉砕し、粉体を色差計〔日本電色工業(株)製:Σ
80colar measuring system〕
にかけ、Lab解析により標準白板と各アレルゲン低減
化米及び比較例2で得られたアルカリ処理米との黄色帯
色の度合いの差(Δb:Δbが高いほど黄色帯色の度合
いが高い)を解析した。結果を表2に示す。
200gに水120mlを加え、炊飯し、アレルゲン低
減化炊飯米をそれぞれ得た。更に、この御飯を無菌条件
下で滅菌済のプラスチック容器に充填し、アレルゲン低
減化した無菌化包装米飯をそれぞれ得た。
150gに水200mlを加え、炊飯し、アレルゲン低
減化炊飯米をそれぞれ得た。更に、この御飯を無菌条件
下で滅菌済のプラスチック容器に充填し、アレルゲン低
減化した無菌化包装米飯をそれぞれ得た。
200gに水120mlを加え、炊飯し、アレルゲン低
減化炊飯米をそれぞれ得た。プラスチック容器に充填
し、レトルト釜で殺菌し、アレルゲン低減化したレトル
ト米飯をそれぞれ得た。
150gに水200mlを加え、炊飯し、アレルゲン低
減化炊飯米をそれぞれ得た。プラスチック容器に充填
し、レトルト釜で殺菌し、アレルゲン低減化したレトル
ト米飯をそれぞれ得た。
200gをプラスチック容器に入れ、水70mlを加
え、レトルト釜中で炊飯し、殺菌して、アレルゲン低減
化したレトルト米飯をそれぞれ得た。
150gをプラスチック容器に入れ、水120mlを加
え、レトルト釜中で炊飯し、殺菌して、アレルゲン低減
化したレトルト米飯をそれぞれ得た。
200gを蒸し、水に浸漬し、水切りした後、プラスチ
ック容器に充填し、レトルト釜で殺菌し、アレルゲン低
減化したレトルト米飯をそれぞれ得た。
150gを水に浸漬し、水切りした後、蒸し、再度水に
浸漬し、水切りした後、プラスチック容器に充填し、レ
トルト釜で殺菌し、アレルゲン低減化したレトルト米飯
をそれぞれ得た。
をそれぞれ粉砕し、アレルゲン低減化した米粉をそれぞ
れ得た。更に、得られたそれぞれの米粉200gに熱湯
200mlを加え、耳たぶくらいの硬さにこね、蒸し
て、アレルゲン低減化した菓子をそれぞれ得た。
簡便な方法で安価に、かつ短時間で米に含まれているア
レルゲンタンパク質を中心に低減化することができるの
で、工業的に、米の栄養価を実質的に低下させることな
く、アレルゲン低減化米を製造することができる。従っ
て、米などの穀類アレルギー患者に有効な食品又は食品
原料を提供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 米をアルカリ性水溶液に接触させた後、
酸性水溶液と接触させて米表面を酸性化することを特徴
とする、アレルゲン低減化米の製造方法。 - 【請求項2】 酸性水溶液として、電解イオン水生成器
により水を処理して得られた酸性水を用いる請求項1に
記載の方法。 - 【請求項3】 米と、その表面に接触する酸性水溶液と
が、実質的に連続的に相対的に移動する状態で、米を酸
性水溶液に接触させる請求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項4】 加圧下又は減圧下で、米を酸性水溶液に
接触させる請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05546796A JP3333381B2 (ja) | 1996-02-19 | 1996-02-19 | アレルゲン低減化米の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05546796A JP3333381B2 (ja) | 1996-02-19 | 1996-02-19 | アレルゲン低減化米の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09224592A true JPH09224592A (ja) | 1997-09-02 |
JP3333381B2 JP3333381B2 (ja) | 2002-10-15 |
Family
ID=12999416
Family Applications (1)
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JP05546796A Expired - Fee Related JP3333381B2 (ja) | 1996-02-19 | 1996-02-19 | アレルゲン低減化米の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3333381B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7326429B2 (en) * | 2002-11-28 | 2008-02-05 | Cj Cheiljedang Corp. | Sterilization method of rice and processed rice foodstuffs |
JP2015188361A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | 日清食品ホールディングス株式会社 | 加工米飯及びその製造方法 |
JP2016182102A (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-20 | 日清食品ホールディングス株式会社 | 加工米飯 |
-
1996
- 1996-02-19 JP JP05546796A patent/JP3333381B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7326429B2 (en) * | 2002-11-28 | 2008-02-05 | Cj Cheiljedang Corp. | Sterilization method of rice and processed rice foodstuffs |
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