JPH09224357A - 電動機のステータの製造方法 - Google Patents

電動機のステータの製造方法

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JPH09224357A
JPH09224357A JP2895396A JP2895396A JPH09224357A JP H09224357 A JPH09224357 A JP H09224357A JP 2895396 A JP2895396 A JP 2895396A JP 2895396 A JP2895396 A JP 2895396A JP H09224357 A JPH09224357 A JP H09224357A
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JP
Japan
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stator
electric motor
coil
coil end
resin
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Application number
JP2895396A
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English (en)
Inventor
Morimichi Unno
盛道 海野
Junichi Katagiri
純一 片桐
Akihiro Sekine
昭裕 関根
Shuichi Ohara
周一 大原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】エナメル線のほつれは、線径が細くなるほどお
こり易く、またエナメル線のスプリングバックのため、
ほつれを整形してもまたほつれることが多く、全体的に
糸しばりやテープ止めが必要であった。 【解決手段】エナメル線でコイルを予備成形し、スロッ
トライナ,コイルの順にスロット内に挿入する電動機の
ステータの製造方法において、前記エナメル線に自己融
着エナメル線を用いて加熱により前記エナメル線同士を
互いに融着させ、コイルエンド部に液状樹脂をドリップ
して硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動機のステータ
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明は、電動機のステータ製造法に関
する。従来から、電動機のステータを製造するに際して
はそのステータコイル部を糸,テープ等によって結束し
たあと、コイル含浸ワニスでワニス処理して、コイルの
絶縁性,機械的強度を高めていた。しかし、このような
電動機のステータの製造法では、糸しばり工程が煩雑で
時間を要し、無溶剤型ワニスの処理も130℃程度の温
度で5時間程度また、溶剤型ワニスの処理では130℃
程度の温度で16時間程度必要としており十分とは言え
ない。
【0003】無溶剤型ワニスでの処理法は、ラジカル硬
化型の樹脂組成物を電動機のステータのコイルエンド部
にデイップしたり、ドリップしたりしてコイルエンド部
のみを紫外線,熱等で硬化させる方法がある。この方法
では、ラジカル硬化型の樹脂組成物に揺変性を付与させ
れば、コイルエンド部の樹脂組成物の付着量が増し、機
械的強度,絶縁性が向上するため前述の糸しばり,ワニ
ス処理工程が短縮でき、電工作業の大幅な短縮が図れ
る。
【0004】しかし、以上の方法では、コイルエンド部
を樹脂組成物にデイップして硬化する際、図1の電動機
のステータコイルの側面及び断面図に示すように、エナ
メル線がほつれている場合には、ワニスの粘度が低いた
めほつれ部分ではワニスの付着量が少なく、従って、硬
化樹脂層の厚さが薄く、また、エナメル線相互の固着力
が非常に弱いため、電磁力や振動等によってエナメル線
同士が擦れてエナメル線皮膜が損傷し、レアーショート
をおこす可能性が大きい。また、特開昭56−10057 号公
報では紫外線硬化樹脂を電動機のステータコイルにデイ
ップし、紫外線を照射して表面層のみを硬化したのちコ
イルエンド部のみを金型により加圧,加熱して成形する
電動機のステータの製造法も出願されている。しかし、
この方法でもある程度の性能の改善と電工作業の短縮が
図れるものの、スロットの内部やエナメル線の重なり部
では紫外線照射量による硬化むらが生じ、これが原因で
成型後の電動機ステータの性能のばらつきが出たり、電
動機ステータの機種毎に専用の金型を用意したり、高圧
成形機にかなりの設備投資が必要になるなど、まだ性能
と経済性のバランスでは不十分である。
【0005】このエナメル線のほつれは、線径が細くな
るほどおこり易く、またエナメル線のスプリングバック
のため、ほつれを整形してもまたほつれることが多く、
全体的に糸しばりやテープ止めが必要であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、以上の
ほつれやスプリングバックを防止するための糸しばりや
テープ止めを廃止すべく、種々検討を重ねた結果、線径
の細いエナメル線を使用した電動機のステータでもこれ
らの問題を改善し、コイルエンド部にワニスをドリップ
して硬化させるか、あるいは、コイルエンド部全体を室
温硬化型樹脂にデイップして硬化させるか、あるいはコ
イルエンド部全体を容器内に挿入後容器内に室温硬化型
の樹脂を注入して硬化させるステータの製造法を見い出
した。
【0007】本発明はエナメル線でコイルを予備成形
し、スロットライナ,コイルの順にスロット内に挿入す
る電動機のステータの製造方法で、エナメル線に自己融
着エナメル線を用いて加熱することにより、スロット内
はエナメル線の充填率が高いためエナメル線同士は融着
され、機械的振動及び熱膨張に対しても問題はない。し
かし、前述したようにコイルエンド部のエナメル線がほ
つれている場合には、エナメル線に自己融着エナメル線
のみを用いても、そのほつれ部分では、エナメル線同士
が接触することがなく、硬化樹脂層の厚さが薄く、また
エナメル線相互の固着力が非常に弱いため、機械的振動
のためエナメル線皮膜が損傷し、レアーショートをおこ
す可能性が大きい。
【0008】本発明の目的はエナメル線に自己融着エナ
メル線を用いて加熱によりエナメル線同士を互いに融着
させ、コイルエンド部にワニスをドリップして硬化させ
るか、あるいは、コイルエンド部全体を室温硬化型の樹
脂にデイップするか、あるいは、コイルエンド部全体を
容器内に挿入後容器内に室温硬化型の液状樹脂を注入し
て硬化させることにより信頼性が高く、かつ糸しばり,
ワニス処理工程が短縮できるなど電工作業の大幅な短縮
ができ、しかも省エネルギで製造できる電動機のステー
タを提供できることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、エナメル線で
コイルを予備成形し、スロットライナ,コイルの順にス
ロット内に挿入する電動機のステータの製造方法で、エ
ナメル線に自己融着エナメル線を用いて加熱によりエナ
メル線同士を互いに融着させ、コイルエンド部にワニス
をドリップして硬化させるか、あるいは、コイルエンド
部全体を室温硬化型の樹脂にデイップして硬化するか、
あるいは、コイルエンド部全体を容器内に挿入後容器内
に室温硬化型の樹脂を注入して硬化することを特徴とす
るステータの製造方法である。
【0010】本発明の自己融着エナメル線は、汎用型,
熱風融着型,アルコール融着型,通電融着型のいずれの
自己融着エナメル線でも使用できる。
【0011】本発明のドリップ方式のワニスはエポキシ
樹脂,シリコーン樹脂などが使用できる。また室温硬化
型の樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂,不飽和エポキシ
エステル樹脂,エポキシ樹脂,シリコーン樹脂,アクリ
ル酸エステルのオリゴマ及び/またはメタクリル酸エス
テルのオリゴマ,架橋性単量体、必要に応じて、ラジカ
ル重合開始剤,硬化促進剤,重合禁止剤を含有する組成
物,アクリル変性ポリブタジエン、これらの混合物など
室温硬化可能な樹脂はすべて使用できる。また、必要に
応じて無機質フィラとして石英ガラス粉末,水和アルミ
ナ粉末,タルク,炭酸カルシウム,マイカ粉,合成雲母
粉,酸化アルミナ,シリカ,ガラス短繊維等も使用でき
る。
【0012】コイルエンド部をモールドするための容器
は、室温硬化型のワニスや樹脂に対して離型性があり、
コイルエンド部をデイップした場合、あるいは、モール
ドした場合でもワニスや樹脂が流れ出さない容量であれ
ばポリプロピレン等の熱可塑性樹脂製や離型処理をした
金属製容器等材質はどんなものでも良い。
【0013】エナメル線として自己融着エナメル線を用
いることによりスロット内のエナメル線同士を固着する
ことができ、エナメル線同士のこすれを防止することが
できる。
【0014】エナメル線として自己融着エナメル線を用
いて加熱によりエナメル線同士を互いに融着させ、コイ
ルエンド部にワニスをドリップして硬化させるか、ある
いは、コイルエンド部全体を室温硬化型の樹脂にデイッ
プして硬化させるか、あるいはコイルエンド部を容器内
に挿入後容器内に室温硬化型の樹脂を注入して硬化させ
ることにより、自己融着エナメル線にワニスが十分付着
し、電磁力による機械的振動からエナメル線皮膜の損傷
を防止することができる。これは自己融着エナメル線自
体が接着層を持つことや、この接着層がワニスに対して
物理的,化学的に親和性があり、ワニスが十分付着する
ためであり、コイルエンド部のほつれたエナメル線にも
ワニスが十分付着し、固着できるため糸しばりやテープ
止めを省くことができ、大幅な電工作業の短縮ができ
る。
【0015】エナメル線として自己融着エナメル線を用
いて加熱によりエナメル線同士を互いに融着させ、コイ
ルエンド部全体を室温硬化型のワニスにデイップして硬
化させるか、あるいは、コイルエンド部全体を室温硬化
型の樹脂にデイップして硬化させるか、あるいは、コイ
ルエンド部を容器内に挿入後容器内に室温硬化型の樹脂
を注入して硬化することにより、コイルエンド部のほつ
れたエナメル線も含めたコイルエンド部全体を固着で
き、電磁力による機械的振動からエナメル線皮膜の損傷
を防止することができ、糸しばりやテープ止めを省くこ
とができ大幅な電工作業の短縮ができる。しかも、ワニ
スや樹脂の硬化に加熱を要しないのでエネルギ的に非常
に有利である。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施例1)ステータ鉄芯の半閉スロット内に、厚さ
0.25mm のノーメックス(DuPont社製:タイプ41
0)シート単体で構成された断面がほぼU字形を成すス
ロット内絶縁シートを設け、このスロット内絶縁物シー
ト内に、エナメル線に日立電線製熱硬化型ハイボン線1
−BH−PEW0.35エナメル線(0.35の耐熱自己
融着エナメル線)を用いて構成された乱巻の巻線を収納
し、その上部に厚さ0.25mmのノーメックス(DuPont
社製:タイプ410)の断面をほぼ円弧状に形成した絶
縁くさびを打込む。次に、電動機のステータコイル全体
を通電加熱により200℃で20分間加熱し、エナメル線
同士を融着後120℃に保持した。120℃に保持され
た電動機のステータのコイルエンド部に日立化成製ドリ
ップ用エポキシワニスKE−571をドリップし、15
分間保持した後コイル温度を150℃に昇温し、20分
間保持後冷却し、電動機のステータを製造した。
【0017】ハウジングに上記で作製した電動機のステ
ータを焼きばめし、更に電動機のステータに珪素鋼板か
らなるロータを挿入し、各部品を組み立てて0.4kW
の2極の電動機を製作した。完成した電動機について、
コイル温度を120℃になるように条件を設定し、電動
機の8×105 回の正逆転試験を行いその結果を表1に
示す。
【0018】
【表1】
【0019】また、ハウジングに電動機のステータを焼
きばめする前に本実施例の電動機のステータのコイルエ
ンド部を観察し、硬化後のほつれたエナメル線の線径を
マイクロメータで測定し、平均値を表1に示す。
【0020】(実施例2)120℃に保持された電動機
のステータのコイルエンド部に東レ・ダウコーニング・
シリコーン(株)製付加反応型シリコーン樹脂SE−1
850(触媒10%添加)をドリップし、15分間保持
した後コイル温度を150℃に昇温し、20分間保持後
冷却したこと以外は実施例1と同様にして、電動機のス
テータを製造した。
【0021】ハウジングに上記で作製したステータを焼
きばめし、更にステータに珪素鋼板からなるロータを挿
入し、各部品を組み立てて0.4kWの 2極の電動機を
製作した。完成した電動機について、コイル温度を12
0℃になるように条件を設定し、電動機の8×105
の正逆転試験を行い、その結果を表1に示す。また、ハ
ウジングに電動機のステータを焼きばめする前に本実施
例の電動機のステータのコイルエンド部を観察し、硬化
後のほつれたエナメル線の線径をマイクロメータで測定
し平均値を表1に示す。
【0022】(実施例3)ステータ鉄芯の半閉スロット
内に、実施例1と同一のノーメックス及びエナメル線を
用いて、同様にして、スロット内絶縁物シート,巻線,
絶縁くさびを設けた。次に、ステータ全体を200℃に
設定した空気循環式恒温槽内に挿入し30分間加熱し
て、エナメル線同士を融着後冷却し、次にこの電動機の
ステータを垂直に立てた状態でコイルエンド部を図2に
示したようなポリプロピレン製のドーナツ型の容器(外
径がステータコイルより半径方向に2mm大きく、内径が
ステータ内径より半径方向に5mm小さく、しかも、コイ
ルの70%以上がデイップされる深さ)内のフィラ入り
室温硬化型樹脂にデイップし、室温(30℃)で30分
放置して硬化後容器を脱型した。反対側のコイルエンド
部も同様にしてフィラ入り室温硬化型樹脂にデイップ
し、硬化後容器を脱型し、電動機のステータを製造し
た。フィラ入り室温硬化型樹脂の樹脂分は日東電工
(株)製不飽和エポキシエステル樹脂NV−5502に
対して日本油脂(株)製過酸化物パーキュアSA(メチ
ル アセト アセテイト パーオキサイド)を1%混合
した。また、フィラは丸尾カルシウム製炭酸カルシウム
(スーパーSS,平均粒径2.2ミクロン)を上記樹脂1
00重量部に対して30重量部混合,攪拌して使用し
た。
【0023】本実施例のステータのコイルエンド部を観
察した結果、全体に硬化樹脂でモールドされており、ク
ラックはなかった。
【0024】ハウジングに上記のようにして作製したス
テータを焼きばめし、更にステータに珪素鋼板からなる
ロータを挿入し、各部品を組み立てて0.4kW の2極
の電動機を製作した。完成した電動機について、コイル
温度を120℃になるように条件を設定し、電動機の8
×105 回の正逆転試験を行いその結果を表1に示す。
【0025】(実施例4)フィラ入り室温硬化型樹脂と
して日立化成製不飽和ポリエステル樹脂PS−518を
用いた以外は実施例3と同様にして電動機のステータを
製造した。硬化触媒は不飽和ポリエステル樹脂PS−5
18に対して日本油脂製過酸化物パーブチルZ(ターシ
ャル ブチル パーベンゾエート)を2%,パーメックN
(メチルエチルケトンパーオキサイド)を0.8% ,ナ
フテン酸コバルト(コバルト含有量60%溶液)を0.
7% 混合した。また、フィラは丸尾カルシウム製炭酸
カルシウム(スーパーSS,平均粒径2.2 ミクロン)
を上記樹脂100重量部に対して25重量部混合,攪拌
して使用した。本実施例のステータのコイルエンド部を
観察した結果、図3に示したように全体に硬化樹脂でモ
ールドされており、クラックはなかった。
【0026】ハウジングに上記のようにして作製した電
動機のステータを焼きばめし、更に実施例1と同様にし
て電動機のステータに珪素鋼板からなるロータを挿入
し、各部品を組み立てて電動機を製作し、8×105
の正逆転試験を行いその結果を表1に示す。
【0027】(実施例5)ステータ鉄芯の半閉スロット
内に、実施例1と同一のノーメックス及びエナメル線を
用いて、同様にして、スロット内絶縁物シート,巻線,
絶縁くさびを設けた。
【0028】次にコイルエンド部全体を容器内に挿入後
容器内にフィラ入り室温硬化型樹脂を注入し、室温(3
0℃)で30分放置して硬化後、容器を脱型した。反対
側のコイルエンド部も同様にしてフィラ入り室温硬化型
樹脂を注入し、硬化後容器を脱型し、電動機のステータ
を製造した。フィラ入り室温硬化型樹脂はエポキシ樹脂
を用いて電動機のステータを製造した。硬化剤はチバガ
イギ製ビスフェノールAF型エポキシ樹脂PY−302
−2に対して、スリーボンド製脂肪族ポリアミン系硬化
剤2103を10%混合した。また、フィラは丸尾カル
シウム製炭酸カルシウム(スーパーSS,平均粒径2.
2 ミクロン)を樹脂100重量部に対して25重量部
混合,攪拌して使用した。本実施例の電動機のステータ
のコイルエンド部を観察した結果、全体に硬化樹脂でモ
ールドされており、クラックはなかった。
【0029】ハウジングに上記のようにして作製した電
動機のステータを焼きばめし、更に実施例1と同様にし
て電動機のステータに珪素鋼板からなるロータを挿入
し、各部品を組み立てて電動機を製作し、8×105
の正逆転試験を行いその結果を表1に示す。
【0030】(実施例6)室温硬化型樹脂としてシリコ
ーン樹脂を用いた以外は実施例5と同様にして電動機の
ステータを製造した。シリコーン樹脂は東レ・ダウコー
ニング・シリコーン製付加反応型シリコーン樹脂SE−
1885(2液タイプ,混合比1:1)を使用した。本
実施例の電動機のステータのコイルエンド部を観察した
結果、全体に硬化樹脂でモールドされており、クラック
はなかった。
【0031】ハウジングに上記のようにして作製した電
動機のステータを焼きばめし、更に実施例1と同様にし
て電動機のステータに珪素鋼板からなるロータを挿入
し、各部品を組み立てて電動機を製作し、8×105
の正逆転試験を行いその結果を表1に示す。
【0032】(比較例1)エナメル線に日立電線製自己
潤滑エナメル線1−EIW−E0.35(0.35mm自己
潤滑ポリアミドイミド線)を用い、電動機のステータ全
体を日立化成製不飽和ポリエステルワニスWP−435
Hに15分間デイップし、除滴後130℃の空気循環式
恒温槽内で5h間加熱後室温まで冷却すること以外は実
施例3と同様にして電動機のステータを製造した。硬化
触媒は不飽和ポリエステルワニスWP−435Hに対し
て日本油脂製過酸化物ナイパーBW(ベンゾイルパーオ
キサイドを50%含有)を1%混合攪拌し、使用した。
【0033】ハウジングに上記のようにして作製した電
動機のステータを焼きばめし、更に実施例1と同様にし
て電動機のステータに珪素鋼板からなるロータを挿入
し、各部品を組み立てて電動機を製作し、正逆転試験を
行いその結果を表1に示す。また、ハウジングに電動機
のステータを焼きばめする前に本比較例の電動機のステ
ータのコイルエンド部を観察し、硬化後のほつれたエナ
メル線の線径をマイクロメータで測定し平均値を表1に
示す。
【0034】(比較例2)エナメル線に日立電線製自己
潤滑エナメル線1−EIW−E0.35(0.35mm自己
潤滑ポリアミドイミド線)を用い、電動機のステータ全
体を日立化成製溶剤型ワニスWI−295に15分間デ
イップし、除滴後130℃の空気循環式恒温槽内に16
h間加熱保持後室温まで冷却すること以外は実施例3と
同様にして電動機のステータを製造した。
【0035】ハウジングに上記のようにして作製した電
動機のステータを焼きばめし、更に実施例1と同様にし
て電動機のステータに珪素鋼板からなるロータを挿入し
て、各部品を組み立てて電動機を製作し、正逆転試験を
行いその結果を表1に示す。また、ハウジングに電動機
のステータを焼きばめする前に本比較例の電動機のステ
ータのコイルエンド部を観察し、ほつれたエナメル線の
線径をマイクロメータで測定し平均値を表1に示す。
【0036】(比較例3)エナメル線として日立電線製
自己潤滑エナメル線1−EIW−E0.35(0.35mmの自
己潤滑ポリアミドイミド線)を用い、ステータコイル全
体を200℃に設定した空気循環式恒温槽内に挿入し、
30分間加熱してエナメル線同士を融着し、次に120
℃に保持し電動機のステータのコイルエンド部に日立化
成製ドリップ用エポキシワニスKE−571をデイップ
し、15分間保持した後コイル温度を150℃に昇温し
20分間保持後冷却した以外は実施例1と同様にして電
動機のステータを製造した。
【0037】ハウジングに上記のようにして作製した電
動機のステータを焼きばめし、更に実施例1と同様にし
て電動機のステータに珪素鋼板からなるロータを挿入
し、各部品を組み立てて電動機を製作し、正逆転試験を
行いその結果を表1に示す。また、ハウジングに電動機
のステータを焼きばめする前に本比較例の電動機のステ
ータのコイルエンド部を観察し、硬化後のほつれたエナ
メル線の線径をマイクロメータで測定し平均値を表1に
示す。
【0038】以上のようにして作製したステータを用い
た電動機の正逆転試験結果と樹脂硬化後のコイルエンド
部のほつれ部のエナメル線径あるいはコイルエンド部全
体の観察結果を見ると、表1に示したように実施例1〜
6は、ほつれ部のエナメル線径が0.51mm 以上あり、
付着樹脂量が多いか、あるいは、コイルエンド部全体が
樹脂でモールドされており、クラックがなく、コイルエ
ンド部のエナメル線が硬化樹脂によって強固に固着され
ているため電動機の正逆転試験結果は良好である。一
方、比較例1〜3は、ほつれ部のエナメル線径が0.4
1〜0.43mmと比較的細く、付着樹脂層が薄いため電
動機の正逆転試験結果は2〜4×105 回と実施例に比
べて信頼性が落ちている。また、表1の正逆転試験結果
と電工作業時間を見てみると、実施例1〜6は、すべて
電工作業時間90分以内で8×105回の正逆転試験を
終了してもコイルには異常がなく、信頼性が高いことが
分かる。一方、比較例1,2は、電工作業時間も315
分以上と長く、正逆転試験結果も3×105 回以下でコ
イルエンド部でショートした。また、比較例3は、電工
作業時間は35分と短いものの正逆転試験結果は4×1
5 回でコイルエンド部でショートし、本実施例より悪
い結果となつた。
【0039】
【発明の効果】エナメル線として自己融着エナメル線を
用いるためスロット内のエナメル線同士を固着すること
ができエナメル線同士のこすれを防止することができ
る。
【0040】エナメル線として自己融着エナメル線を用
い、コイルエンド部にドリップ方式でワニスをドリップ
し、硬化することによりコイルエンド部のほつれたエナ
メル線部分にもワニスが十分付着する。このため電磁力
による機械的振動からコイルエンド部のエナメル線皮膜
の損傷を防止することができ、信頼性の高い電動機のス
テータを提供できる。更に、糸しばりやテープ止めを省
くことができ大幅な電工作業の短縮ができる。
【0041】エナメル線として自己融着エナメル線を用
い、コイルエンド部を室温硬化型のワニスにデイップし
硬化するか、あるいは、コイルエンド部全体を容器内に
挿入後容器内に室温硬化型の樹脂を注入して硬化させる
ことによりコイルエンド部のほつれたエナメル線も含め
たコイルエンド部全体を固着できる。このため電磁力に
よる機械的振動からコイルエンド部のエナメル線皮膜の
損傷を防止することができ、信頼性の高い電動機のステ
ータを提供できる。更に、糸しばりやテープ止めを省く
ことができ大幅な電工作業の短縮ができる。しかも樹脂
の硬化に加熱を要しないのでエネルギ的に非常に有利で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動機のステータコイルの一例を示す説明図。
【図2】ドーナツ型容器の斜視図。
【図3】フィラ入り樹脂でモールドしたコイルエンド部
の断面図。
【符号の説明】
1…ステータコイルのコイルエンド部、2…ステータコ
ア、3…エナメル線のほつれ部、4…フィラ入り樹脂。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大原 周一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エナメル線でコイルを予備成形し、スロッ
    トライナ,コイルの順にスロット内に挿入する電動機の
    ステータの製造方法において、前記エナメル線に自己融
    着エナメル線を用いて加熱により前記エナメル線同士を
    互いに融着させ、コイルエンド部に液状樹脂をドリップ
    して硬化させることを特徴とする電動機のステータの製
    造方法。
  2. 【請求項2】エナメル線でコイルを予備成形し、スロッ
    トライナ,コイルの順にスロット内に挿入する電動機の
    ステータの製造方法において、前記エナメル線に自己融
    着エナメル線を用いて加熱により前記エナメル線同士を
    互いに融着させ、コイルエンド部全体を室温硬化型の樹
    脂にデイップして硬化させることを特徴とする電動機の
    ステータの製造方法。
  3. 【請求項3】エナメル線でコイルを予備成形し、スロッ
    トライナ,コイルの順にスロット内に挿入する電動機の
    ステータの製造方法において、前記エナメル線に自己融
    着エナメル線を用いて加熱により前記エナメル線同士を
    互いに融着し、コイルエンド部全体を容器内に挿入後容
    器内に室温硬化型の樹脂を注入して硬化させることを特
    徴とする電動機のステータの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008051050A (ja) * 2006-08-28 2008-03-06 Hitachi Appliances Inc ヘリウム用密閉形圧縮機
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