JPH09222001A - 蒸気タービンのターニング装置 - Google Patents

蒸気タービンのターニング装置

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JPH09222001A
JPH09222001A JP8030889A JP3088996A JPH09222001A JP H09222001 A JPH09222001 A JP H09222001A JP 8030889 A JP8030889 A JP 8030889A JP 3088996 A JP3088996 A JP 3088996A JP H09222001 A JPH09222001 A JP H09222001A
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JP
Japan
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steam turbine
eccentricity
amount
steam
rotor
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JP8030889A
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English (en)
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Kentaro Takagi
木 健太郎 高
Seiichi Asazu
津 静 一 浅
Akira Sakuma
章 佐久間
Hiroshi Okuzaki
崎 博 奥
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ターニング運転期間を短縮でき、短時間内に
タービンの起動・停止を行うことができ、急速かつ頻繁
に変化する電力需要に対応できるようにすること。 【解決手段】 蒸気タービンのロータ軸の偏心量が蒸気
タービンの起動条件としての偏心量設定値よりも大きい
場合に上記加減弁或はウオーミング弁を作動させて蒸気
タービン本体に微少量の蒸気を流入させ、或はターニン
グ回転数を通常のターニング回転数より大きくしてター
ニング運転を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気タービンプラ
ントにおける頻繁な停止起動を行う蒸気タービンのター
ニング運転装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、原子力発電設備の増強、並びに季
節間または昼夜間の電力需要格差の増大に伴って、頻繁
な停止起動ができる負荷調整能力が大きいコンバインド
サイクルプラント等が利用される傾向にある。また、通
常の大型原子力発電プラントまたは火力発電プラントに
おいても、電力需要の拡大及び高効率化が要求され、蒸
気タービンが大型化されまた高温化されている。
【0003】一方、発電プラントは電力需要から停止期
間の短縮が求められ、そのため定検工事の合理化による
工事期間の短縮或は工事終了後から運転再起動開始まで
の運転準備期間の短縮が要求されている。
【0004】ところで、高温の蒸気を作動流体にするタ
ービン等の回転機械においては、通常運転中の振動を抑
制するために、タービンロータ軸の曲がりを最小限にお
さえる必要がある。そこで、タービンの停止後の起動時
には、タービンロータを毎分数回転で回転させ、停止中
のロータの曲がりを直すことが行われ、また停止後には
残留熱によりタービンロータ軸が永久変形する恐れがあ
るので、冷却期間中に起動時と同様に毎分数回転でター
ビンロータを回転することが行われている。このタービ
ンロータを低速回転させる装置がターニング装置であ
り、この装置は電動機により作動するのが一般的であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、例えば
昼夜間の電力需要格差に対応させるようにした負荷調整
能力の大きいコンバインドサイクルプラント等において
は、電力需要が少ない夜間等においてはプラントの稼働
が停止され、昼間のみに作動される。したがって、上記
のような負荷調整用のプラントにおける蒸気タービンは
毎日起動停止が繰り返され、その起動停止のたびに上述
の如き停止直後及び起動前のターニング運転が必要とさ
れる。特に大型の通常原子力蒸気タービンまたは火力蒸
気タービンでは、タービンロータ直径の増大及び蒸気温
度の高温化に伴って、停止期間中のタービンロータ軸の
曲がりの最小限抑制のために十分なターニング運転が要
求される。
【0006】したがって、ターニング運転にはかなりの
時間を必要とし、電力系統運用上急速かつ頻繁に変化す
る電力需要に対しては必ずしも十分対応できない等の問
題があった。
【0007】本発明はこのような点に鑑み、ターニング
運転が効果的に行われ、ターニング運転期間を短縮する
ことができ、短時間にタービンの起動、停止を行うこと
ができて、急速かつ頻繁に変化する電力需要に対応でき
るようにした蒸気タービンのターニング運転装置を得る
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明は、蒸気タービンのロータ軸の偏心量が
蒸気タービンの起動条件としての偏心量設定値よりも大
きい場合に、蒸気加減弁或はウオーミング弁を作動させ
蒸気タービン本体に微少量の蒸気を流入させてターニン
グ運転を行うことを特徴とする。
【0009】また第2の発明は、蒸気タービン本体の中
央部におけるロータとケーシング間の径方向間隙を検出
する非接触型距離センサーと、その径方向間隙と設定偏
心量における間隙との差により偏心量を演算するととも
に、その偏心量を偏心量設定値と比較し、上記偏心量が
偏心量設定値より大きい場合に制御信号を出力する演算
装置とを有することを特徴とする。
【0010】さらに、第3の発明は、ロータの偏心量が
偏心量設定値より大きいとき、蒸気加減弁またはウオー
ミング弁を開閉し蒸気タービン本体に流入させる蒸気量
を調整することを特徴とする。
【0011】また第4の発明は、第3の発明において蒸
気加減弁またはウオーミング弁は予め定められたタイミ
ングにより開閉が繰り返されることを特徴とする。
【0012】さらに第5の発明は、ロータの偏心量が偏
心量設定値より大きい場合、ターニング回転数を通常の
ターニング回転数より大きくすることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態について説明する。
【0014】図1は、本発明を適用する蒸気タービンプ
ラントのシステム系統図であり、この蒸気タービンプラ
ントサイクルは一般標準的なサイクルの一つであって、
プラント出力・容量が大きくなると、再熱サイクル或は
再生サイクル又は再熱再生サイクル、またはさらにガス
タービンと組み合わされたコンバインドサイクル等に適
用される。
【0015】図1において、ボイラ1で発生した蒸気
は、主蒸気止め弁2及び蒸気加減弁3を介して蒸気ター
ビン4に供給される。蒸気タービン4に供給された蒸気
はそこで仕事を行い、その熱エネルギーが機械エネルギ
ーに変換され、蒸気タービン4に連結されている発電機
5が回転駆動される。
【0016】一方、蒸気タービン4で仕事を終えた蒸気
は、復水器6に流入し、そこで冷却され復水化される。
上記復水器6で凝縮された復水は給水ポンプ7によって
再びボイラ1に還流される。
【0017】また、蒸気タービン4にはモータ8によっ
て駆動されるターニング装置9が設けられており、蒸気
タービンの起動前及び停止直後に上記ターニング装置9
によって蒸気タービンロータのターニング運転が行われ
る。
【0018】蒸気タービン4には、ロータ軸の偏心にた
わみが最も大きな個所である蒸気タービン本体の中央部
に、ロータとケーシング或はノズル又はパッキンリング
フインとの径方向間隙を計測する非接触型距離センサー
の如きロータ偏心計測センサ10が設けられている。そ
して、上記ロータ偏心計測センサ10で検出された検出
信号は蒸気タービンロータ偏心監視装置11に入力さ
れ、その蒸気タービンロータ偏心監視装置11からの出
力信号がそれぞれ蒸気加減弁3及びターニング装置9駆
動用モータ8に制御信号12a,12bとして出力され
る。
【0019】図2は、本発明の蒸気タービンのターニン
グ運転装置における蒸気タービンロータ偏心監視装置1
1のシステムロジック図であって、ロータ偏心計測セン
サ10において蒸気タービン本体最大のたわみ付近であ
る中央部のロータとケーシング等との径方向間隙が、時
々刻々、又は或一定の時間間隔(スキャンタイム)をも
って計測される(ステップ1)。
【0020】次に、ロータ偏心監視装置11では、ステ
ップ2において、時々刻々又は或る一定時間間隔をもっ
てロータ偏心量が演算される。次にステップ3において
上記演算されたロータ偏心量が予め設定されたロータ偏
心量設定値と比較される。すなわち、演算されたロータ
偏心量と偏心量設定値との大小が判定される。
【0021】そこで演算された偏心量が偏心量設定値を
超えると、ロータ偏心監視装置11から制御信号12
a,12bが出力され、制御信号12aが蒸気加減弁3
に送信されるとともに制御信号12bがターニング装置
9を駆動するモータ8へ送信され(ステップ4、ステッ
プ5)、蒸気加減弁3が開方向に制御され、又はターニ
ング回転数がコントロールされ、タービンロータ軸の偏
心修正が行われる(ステップ6)。
【0022】このような操作によって、ロータ偏心量が
正常な状態に戻ると、蒸気タービンロータ偏心監視装置
11によってロータ偏心量が小さくなったことが判定さ
れ、その判定結果に応じて制御信号12a,12bによ
って蒸気加減弁3の開度、又はターニング回転数が再び
コントロールされ(ステップ7)、蒸気タービンは通常
のターニング運転となり起動準備が完了する(ステップ
8)。
【0023】図3は、図1または図2に示した蒸気ター
ビンロータ偏心監視装置における演算内容を、その前後
のロータ径方向間隙計測とロータ軸偏心修正操作との関
連をもたせて示した演算フローチャートである。
【0024】図3に示すように、ステップ1において、
時刻mにおける蒸気タービンロータ中央部径方向間隙が
非接触型距離センサー10によって計測される。次に、
蒸気タービンロータ偏心監視装置11にあっては、ステ
ップ2aにおいて、演算データである設定偏心量におけ
る径方向間隙d0 が入力される。そして、ステップ2b
において、時刻mにおけるロータ軸偏心量が下式により
演算される。 α=|d−d0 | さらに、ステップ3aにおいて、ロータ軸偏心量の設定
値αが入力され、ステップ3bにおいて、ロータ軸偏心
量αが設定値αより大きいか否かが判定される。ロー
タ軸偏心量が設定値を超えている場合には、ステップ6
において、タービンロータ軸偏心修正が行われる。な
お、ロータ軸偏心量が設定値を超えていない場合には、
ステップ8において、蒸気タービン起動準備完了とな
る。
【0025】このように、従来より行われているターニ
ング装置によるタービンロータを低速回転させるターニ
ング運転において、蒸気タービン本体に微少適量の蒸気
を流入させて蒸気タービン本体を全体から暖気するの
で、蒸気タービンロータ軸の偏心は効果的に修正されて
行くこととなる。すなわち、蒸気タービン停止期間中に
タービンロータ軸に残存する温度不均一に起因するロー
タ軸の偏心は、ターニング装置により低速回転すること
によってロータ軸の温度不均一が撹拌されて均一化し、
ロータ軸の偏心が修正されて行くことに加えて、さらに
蒸気タービン本体に微少適量、流入される蒸気によって
蒸気タービン本体が全体から暖気されるのでロータ軸の
上記温度不均一はより効果的に均一化され、結局ロータ
軸の偏心が効果的に修正される。このようにしてロータ
軸の偏心は効果的に修正されるので、蒸気タービンの起
動条件としての許容偏心量以内に到達する時間は短縮さ
れることになり、すなわち、ターニング運転時間を従来
のターニング運転方法よりも短縮させることができ、安
全に蒸気タービンの運転操作ができ、電力系統運用上、
急速かつ頻繁に変化する電力需要に対応できる。
【0026】また、ターニング効果を非接触型距離セン
サーにより直接的にロータ軸の偏心量を計測して把握で
きるので、蒸気タービンの起動条件としての偏心量以内
に到達したことを適切に確認できる。
【0027】さらに、ターニング回転数を適切に変化さ
せることにより、タービンロータ軸の上記温度不均一を
より効果的に撹拌させて均一化をさせることができ、ロ
ータ軸の偏心が従来方法のターニング方法と比較して、
より短時間で修正できる。
【0028】次に、図4において、ロータ偏心量が設定
値を超えている場合の蒸気加減弁(またはウオーミング
弁)の開閉タイミング、ターニング回転数の変化の一例
を示す。
【0029】図4(a)は、図3の信号12aにより、
蒸気加減弁3が開閉する、あらかじめ設定されたタイミ
ング、および弁開度の一例を示したグラフであり、図4
(b)は、図3の信号12bにより、ロータ軸偏心量に
応じて変化するターニング回転数の一例を示したグラフ
である。
【0030】なお、図4(a)、(b)に示すロータ偏
心量α1、α2および、蒸気加減弁開度β1、ターニン
グ回転数γ1、γ2、時間Δt1、Δt2等は、タービ
ンロータの全長、又は蒸気タービン本体に流入させる蒸
気の温度により、適宜選択することができる。例えば、
図4におけるロータ偏心量設定値を下記のように設定す
ると、蒸気タービンプラントの頻繁な停止起動時に、運
転上必要なターニング運転に費やされる時間を短縮し
て、電力系統運用上、急速かつ頻繁に変化する電力需要
に対応することができる。 α1=(ロータ軸偏心量の正常値) α2=(ロータ軸偏心量の正常値の110%) β1=1%弁開度 γ1=2rpm γ2=5rpm Δt1=10sec Δt2=50sec なお、上記実施の態様においては、微少量の蒸気の供給
とターニング回転数の変更を行うものを示したが、必要
に応じそのいずれか一方のみを行うようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、蒸気タ
ービン軸の偏心量が起動条件としての設定値よりも大き
い場合に、それを検知して、蒸気加減弁あるいはウオー
ミング弁より蒸気タービン本体に微少適量の蒸気を流入
させ、或はターニング回転数を変更するようにしたので
蒸気タービンロータ軸の偏心を早急に修正させ、起動条
件到達を短縮させることができ、安全に蒸気タービンの
運転操作ができ、電力系統運用上、急速かつ頻繁に変化
する電力需要に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する蒸気タービンプラントのシス
テム系統図。
【図2】本発明の蒸気タービンのターニング運転装置の
システムロジック図。
【図3】本発明における蒸気タービンロータ偏心監視装
置内での演算のフローチャート。
【図4】図4(a)、(b)は、本発明における蒸気タ
ービンロータ偏心監視装置の中に組み込まれる、ロータ
偏心量設定値、蒸気加減弁(あるいはウオーミング弁)
開閉タイミング設定値、およびターニング回転数設定値
の設定の一例を示すグラフ。
【符号の説明】
1 ボイラ 2 主蒸気止め弁 3 主蒸気加減弁 4 蒸気タービン 5 発電機 6 復元器 7 給水ポンプ 8 モータ 9 ターニング装置 10 ロータ偏心計測センサ 11 蒸気タービンロータ偏心監視装置 12a,12b 制御信号
フロントページの続き (72)発明者 奥 崎 博 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蒸気タービンのロータ軸の偏心量が蒸気タ
    ービンの起動条件としての偏心量設定値よりも大きい場
    合に、蒸気加減弁或はウオーミング弁を作動させ蒸気タ
    ービン本体に微少適量の蒸気を流入させてターニング運
    転を行うことを特徴とする、蒸気タービンのターニング
    運転装置。
  2. 【請求項2】蒸気タービン本体の中央部におけるロータ
    とケーシング間の径方向間隙を検出する非接触型距離セ
    ンサーと、その径方向間隙と設定偏心量における間隙と
    の差により偏心量を演算するとともに、その偏心量を偏
    心量設定値と比較し、上記偏心量が偏心量設定値より大
    きい場合に制御信号を出力する演算装置とを有すること
    を特徴とする請求項1記載の蒸気タービンのターニング
    運転装置。
  3. 【請求項3】ロータの偏心量が偏心量設定値より大きい
    とき、蒸気加減弁またはウオーミング弁を開閉し蒸気タ
    ービン本体に流入させる蒸気量を調整することを特徴と
    する、請求項1または2記載の蒸気タービンのターニン
    グ運転装置。
  4. 【請求項4】蒸気加減弁またはウオーミング弁は予め定
    められたタイミングにより開閉が繰り返されることを特
    徴とする請求項3記載の蒸気タービンのターニング運転
    装置。
  5. 【請求項5】蒸気タービンのロータ軸の偏心量が偏心量
    設定値より大きい場合に、ターニング回転数を通常のタ
    ーニング回転数より大きくすることを特徴とする蒸気タ
    ービンのターニング運転装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009036204A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 General Electric Co <Ge> ロータ偏心のベースライン移動の検出システム及び方法
JP2011525160A (ja) * 2008-06-16 2011-09-15 ツェットエフ フリードリヒスハーフェン アクチエンゲゼルシャフト 駆動トルクを発生及び伝達する装置
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