JPH09221375A - セラミックス基板及びその製造方法 - Google Patents

セラミックス基板及びその製造方法

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JPH09221375A
JPH09221375A JP2670396A JP2670396A JPH09221375A JP H09221375 A JPH09221375 A JP H09221375A JP 2670396 A JP2670396 A JP 2670396A JP 2670396 A JP2670396 A JP 2670396A JP H09221375 A JPH09221375 A JP H09221375A
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glass
ceramic substrate
paste
conductor layer
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JP2670396A
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Yoichi Moriya
要一 守屋
Yoshiaki Yamade
善章 山出
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層配線基板において、結晶化ガラスを基板
材料として用いると、表面導体層の基板との密着性が小
さくなる。他方、表面導体層中にガラスを含有させる
と、基板との密着性は確保されるが、Niメッキ被膜の
被着性が劣るようになる。そこで、表面導体層と基板と
の間にガラス層を介在させると、前記問題は解決される
が、前記2層の収縮率の違いにより基板に反りが発生し
易く、内部導体層と表面導体層との接続が不良になる場
合もある。 【解決手段】 MgO−SiO2 −Al23 −B2
3 −R2 O系ガラス(Rはアルカリ金属)とアルミナと
コーディエライト結晶とからなるセラミックス基板層
と、このセラミックス基板の上に形成され、CaO−A
23 −SiO2 −B23 系ガラス又はMgO−A
23 −SiO2 −B23 −R2 O系ガラスとアル
ミナとを含んで構成された下地膜と、この下地膜の上に
形成された表面導体層とからなるセラミックス基板とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミックス基板及
びその製造方法に関し、より詳細には低抵抗配線である
Ag導体層等の内層化が可能な、LSI等の電子部品を
搭載する低温焼成セラミックス基板及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から汎用されているアルミナ多層配
線基板は焼成温度が1550℃前後と高温であるため、
内層導体に融点の高いWやMo等を用いる必要がある。
これらWやMoは比抵抗が大きいため、前記多層配線基
板内における信号の伝送損失が大きくなる。また、アル
ミナの比誘電率(εr )は、通常、8〜10と大きいこ
とから、信号遅延も大きくなる。最近の電子機器におけ
る信号処理の高速化にともない、多層配線基板内におい
て生じる信号の伝送損失や信号遅延が大きな問題となっ
てきており、伝送損失や信号遅延が小さい多層配線基板
が求めらるようになってきている。
【0003】このような背景から、近年、低温で軟化焼
結するガラスをその成分とするガラスセラミックス多層
配線基板が注目され、その開発が進められている。前記
ガラスセラミックス多層配線基板が注目されているの
は、ガラス組成を選定すること、特にガラス材料の軟化
点を下げる効果のあるB23 を含有させた組成とする
ことにより、950℃以下の焼成温度で緻密化したガラ
スセラミックス多層配線基板を製造することができ、比
抵抗の小さいAg導体を内層導体として使用することが
可能となるからである。また、多層配線基板の組成を比
誘電率が小さいSiO2 成分を含むホウケイ酸系ガラス
組成とすることにより、多層基板の比誘電率を5.0〜
7.0程度に下げて信号遅延を小さくすることができ
る。
【0004】ガラスセラミックス多層配線基板はこのよ
うに電気特性に優れる反面、抗折強度が小さく、マザー
ボード等との接続部分に応力が加わると前記多層配線基
板自身が破壊する場合があり、マザーボード等との接続
信頼性に劣るという問題点があった。前記問題点の解決
手段として、焼成中における成形性保持のためにガラス
粉末とともに添加するアルミナ、ジルコニア等の結晶質
粉末の量を多くし、前記多層配線基板の高強度化を図る
ことも提案されているが、これら結晶質粉末は比誘電率
が大きいため、前記多層配線基板の信号遅延の問題が改
善されない。また、結晶質粉末の添加量が多すぎるとち
密化が困難となり、逆に強度が低下する問題が生じる。
【0005】良好な電気特性が維持され、かつ高強度化
された多層配線基板を実現するために、焼成前はガラス
の状態で、軟化、焼結後に結晶化して結晶化ガラスとな
るものを基板材料に選定したものが提案されている。こ
のような結晶化ガラスからなるガラスセラミックス基板
の製造方法として、特開平7−33515号公報には、
MgOが10〜30wt%、Al23 が5〜20wt
%、SiO2 が40〜55wt%、B23 が10〜2
0wt%、及びアルカリ金属酸化物(R2 O)が0<R
2 O≦5wt%の組成のガラス粉末を用い、前記ガラス
粉末に結晶質粉末としてアルミナを0〜40wt%、コ
ーディエライト(MgO−Al23 −SiO2 )を
0.1〜20wt%を添加し、合計で100wt%とし
た混合粉末を原料粉末としてガラスセラミックス基板を
製造する方法が開示されている。前記ガラスセラミック
ス基板の製造方法においては、出発原料に予めコーディ
エライトが添加されているため、これが種結晶となり、
焼成時にガラスの20〜60wt%が低誘電率のコーデ
ィエライト結晶として析出する。従って、基本的には焼
成によりこのようなコーディエライト結晶が析出する組
み合わせのガラス粉末及び結晶粉末を原料として使用す
ることができる。
【0006】また多層配線基板には、その表面に種々の
役割を有する表面導体層パターンが形成されるが、例え
ば外部接続ピンを固着するために形成される表面導体層
パターンには、接続信頼性を確保するために多層配線基
板との十分な密着強度を有することが要求される。ま
た、外部接続材として用いられるハンダと表面導体層と
の濡れ性を改善するため、及びハンダと表面導体層との
反応を防止するため、表面導体層パターンの表面には、
通常Niメッキ被膜が形成され、メッキ処理により表面
導体層表面にNiメッキ被膜が均一に形成される必要が
ある。
【0007】通常、ガラスセラミックス多層配線基板を
使用した場合には、焼成時にガラスセラミックス多層配
線基板上に形成された表面導体層中にガラスの浮き上が
り、すなわちスパイクが形成され、このスパイクのアン
カー効果によりガラスセラミックス多層配線基板と表面
導体層との密着性が確保される。しかしながら、前記公
報に開示されているような結晶化ガラスからなるガラス
セラミックス多層配線基板の場合、焼成中にガラスセラ
ミックス多層配線基板の結晶化が非常に速く進行し、表
面導体層中へガラスが浮き上がる以前に結晶化が進むた
めスパイクが形成されず、密着強度が低くなるという問
題点を有する。
【0008】そこで、ガラスセラミックス多層配線基板
との密着性を改善するため、ガラス粉末を添加した導体
ペーストを用い、焼成時に導体ペーストに含まれるガラ
スを軟化させることにより下地のガラスセラミックス多
層配線基板上にスパイクを形成する方法も考えられる。
この場合には、表面導体層中に前記ガラスによるスパイ
クが形成され、ガラスセラミックス多層配線基板と表面
導体層との密着強度は向上するが、その一方で表面導体
層表面にガラス成分が多量に残るため、メッキ処理を行
った場合には表面導体層パターン上にNiメッキ被膜が
均一に形成されないという問題点があった。
【0009】このようなガラスセラミックスからなる多
層配線基板の表面導体層に関する問題点を解決するた
め、特開平6−237081号公報には、以下に説明す
るようなセラミックス多層配線基板の製造方法が開示さ
れている。
【0010】図2(a)〜(d)は、前記公報に開示さ
れているセラミックス多層配線基板の各製造工程を模式
的に示した断面図である。
【0011】まず、図2には図示していないが、ガラス
粉末とアルミナ等のセラミックス粉末とを配合し、バイ
ンダ、溶剤、可塑剤等を添加して混合することによりス
ラリを調製し、このスラリを用いてドクターブレード法
等によりグリーンシートを作製する。
【0012】次に、グリーンシートを所定のサイズに切
断し、それぞれの積層部分の形状等に応じてパンチング
等の加工処理を施した後、Agを主成分とする導体ペー
ストを用いてグリーンシート表面に所定パターンの導体
ペースト層を形成し、ビアホールに導体ペーストを充填
する。
【0013】次に、図2(a)に示したように、その表
面に導体ペースト層13が形成され、ビアホールに導体
ペースト充填層15が形成されたグリーンシート11を
積層、熱圧着させてグリーンシート積層体36を形成す
る。
【0014】次に、図2(b)に示したように、このグ
リーンシート積層体36の両面にガラスペーストを用
い、所定パターンのガラスペースト層32を形成する。
このとき、グリーンシート積層体36の導体ペースト充
填層15が表面に露出した部分にはガラスペースト層3
2が形成されないように、すなわちビアホール14が形
成されるようにガラスペースト層32を形成し、乾燥さ
せる。
【0015】次に、図2(c)に示したように、ガラス
ペースト層32の上に導体ペーストを用いて導体ペース
ト層13を形成し、乾燥させる。
【0016】前記工程の後、空気中で脱脂、焼成するこ
とにより、図2(d)に示したように、ガラスセラミッ
クス層40の内部に内部導体層22及びビア導体層23
が形成され、他方ガラスセラミックス層40の両面にガ
ラス層38が形成され、さらにガラス層38の上に表面
導体層21が形成されたセラミックス多層配線基板が完
成する。
【0017】前記方法によれば、焼成時にガラスペース
ト層32中のガラスが軟化し、ガラスセラミックス層4
0側と表面導体層21側の両方に浸透する。そのため、
ガラスセラミックス層40と表面導体層21とはこのガ
ラス層38により接着され、表面導体層21はガラスセ
ラミックス層40に対して良好な密着性を示すことにな
る。また、表面導体層21自体にはガラスは混入されて
おらず、ガラス層38からのガラスは表面導体層21の
表面までは殆ど到達しないため、表面導体層21の表面
はガラスが少なく、均一にNiメッキ被膜が形成され
る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記方
法の図2(b)に示した工程におけるガラスペースト印
刷用スクリーンのパターン位置精度や、印刷機の位置合
わせ精度が十分ではないことから、微細なパターンを印
刷する場合、グリーンシート積層体36表面の導体ペー
スト充填層15露出部にガラスペースト層32が形成さ
れたり、導体ペースト充填層15露出部の近傍にガラス
ペースト層32が形成されない部分が生じ、焼結後に内
部導体層22と表面導体層21との接続が不良になる場
合が生ずるという課題があった。
【0019】また、前記方法に使用されているガラスペ
ースト中の固形分がガラス粉末のみからなるため、焼成
による収縮が大きく、またガラス組成を変えるのみでは
ガラスの収縮率とグリーンシートの収縮率と合わせるこ
とが困難であるため、焼成後のセラミックス多層配線基
板に反りが発生するという課題があった。
【0020】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、セラミックス基板層との密着強度が大きく、かつN
iメッキ被膜が形成され得る表面導体層を形成すること
が可能であるとともに、内部導体層と表面導体層との接
続が良好で、反りが発生しない結晶化ガラスを含むセラ
ミックス基板及びその製造方法を提供することを目的と
している。
【0021】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成するために本発明に係るセラミックス基板は、Mg
O−SiO2 −Al23 −B23 −R2 O系ガラス
(ただし、Rはアルカリ金属を示す)と、アルミナと、
コーディエライト結晶とからなるセラミックス基板層
と、該セラミックス基板層の上に形成され、CaO−A
23 −SiO2 −B23 系ガラス又はMgO−A
23 −SiO2 −B23 −R2 O系ガラスと、ア
ルミナとを含んで構成された下地膜と、該下地膜の上に
形成された表面導体層とからなることを特徴としてい
る。
【0022】上記セラミックス基板によれば、前記セラ
ミックス基板層と前記表面導体層との間に、ガラス粉末
とアルミナ粉末とから形成され、前記セラミックス基板
層と組成が近似し、セラミックス基板層よりも焼成中で
のガラス結晶化度の低いガラスセラミックス層からなる
前記下地膜が存在している。そのため、該下地膜と前記
セラミックス基板層とは強固に接着しており、また前記
表面導体層と前記下地膜ともアンカー効果により強固に
接着している。従って、前記表面導体層は前記セラミッ
クス基板に対して良好な密着性を示す。さらに、前記表
面導体層の表面にはガラス層が殆ど存在しないため、メ
ッキ処理により前記表面導体層上にメッキ被膜を良好に
形成することができる。
【0023】また、本発明に係るセラミックス基板の製
造方法は、上記セラミックス基板の製造方法であって、
MgO−SiO2 −Al23 −B23 −R2 O系ガ
ラス(ただし、Rはアルカリ金属を示す)と、アルミナ
と、コーディエライト結晶とを含むグリーンシートの上
に、CaO−Al23 −SiO2 −B23 系ガラス
又はMgO−Al23 −SiO2 −B23 −R2
系ガラスと、アルミナとを含む下地ペーストを印刷し、
さらに、該下地ペーストの上に導体ペーストを印刷した
後、焼成することを特徴としている。
【0024】上記セラミックス基板の製造方法によれ
ば、前記グリーンシートの上に前記下地ペーストを印刷
し、焼成によりセラミックス基板層の上にその組成が近
似したガラスセラミックス層からなる下地膜を形成する
ため、該下地膜と前記セラミックス基板層とを強固に接
着させることができる。また、焼成によりガラス成分を
含む前記下地膜から導体ペーストの焼成により形成され
る表面導体層への浮き上がりを生じさせることができ、
前記浮き上がりにより形成されたスパイクのアンカー効
果により前記表面導体層と前記下地膜とを強固に接着さ
せることができる。従って、前記表面導体層は前記セラ
ミックス基板層に対し、良好な密着性を示す。また、形
成される前記セラミックス基板層と前記下地膜とは、そ
の組成が近似しているため、焼成時の収縮率が余り変わ
らず、製造されるセラミックス基板に反りを生じさせる
ことはない。また、前記表面導体層の表面にはガラス層
が殆ど形成されないため、メッキ処理により前記表面導
体層上にメッキ被膜を良好に形成することができる。
【0025】さらに、前記セラミックス基板の製造方法
において、一枚のグリーンシートに下地ペーストを塗布
した後、その全体にビアホールを形成し、該ビアホール
に導体ペーストを充填した後、他のグリーンシートを積
層する方法をとることにより、表面に微細な導体パター
ンを印刷した場合であっても、内部導体層と表面導体層
の接続が良好なセラミックス基板を製造することができ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るセラミックス
基板及びその製造方法の実施の形態を図面に基づいて説
明する。なお、従来例と同一機能を有する構成部品には
同一の符号を付すことにする。
【0027】図1(a)〜(f)は、実施の形態に係る
セラミックス多層配線基板の各製造工程を模式的に示し
た断面図である。
【0028】図1には図示していないが、MgO−Si
2 −Al23 −B23 −R2O系ガラス粉末(た
だし、Rはアルカリ金属を示す)と、アルミナ粉末と、
コーディエライト結晶粉末とを配合した粉末に、バイン
ダ、溶剤、可塑剤等を添加して混合することにより、そ
の粘度が10,000cps程度のスラリをまず調製
し、このスラリを用いてドクターブレード法等によりグ
リーンシートを作製する。前記MgO−SiO2 −Al
23 −B23 −R2 O系ガラス粉末は、MgOが1
0〜30wt%、Al23 が5〜20wt%、SiO
2 が40〜55wt%、B23 が10〜20wt%、
及びアルカリ金属酸化物(R2 O)が0<R2 O≦5w
t%の組成のものが好ましい。また、固形分中の各化合
物の割合としては、結晶質粉末としてアルミナを0〜4
0wt%、コーディエライト(MgO−Al23 −S
iO2 )を0.1〜20wt%含有し、前記ガラス粉末
との合計が100wt%とする割合が好ましい。
【0029】次に、グリーンシートを所定のサイズに切
断し、前記グリーンシートを積層したときのそれぞれの
積層部分の形状等に応じてパンチング等の加工処理を施
した後、図1(a)に示したように、最上層、又は最下
層に相当するグリーンシート11に下地ペーストを用い
て、所定パターンの下地ペースト層12を形成し、乾燥
させる。
【0030】前記下地ペースト中の固形分の組成は、焼
成時にセラミックス基板に反りを発生させないため、な
るべくグリーンシート11の収縮率と合わせるのが好ま
しい。そのため、前記下地ペースト中の固形分の組成
は、CaO−Al23 −SiO2 −B23 系ガラ
ス、又はMgO−Al23 −SiO2 −B23 −R
2O系ガラスと、アルミナとを含む組成が好ましい。前
記CaO−Al23 −SiO2 −B23 系ガラス
は、CaOが25〜30wt%、Al23 が5〜7w
t%、SiO2 が55〜60wt%、B23 が8〜1
0wt%のものが好ましく、前記MgO−Al23
SiO2 −B23 −R2 O系ガラスは、MgOが10
〜30wt%、Al23 が5〜20wt%、SiO2
が40〜55wt%、B23 が10〜20wt%、ア
ルカリ金属酸化物(R2 O)が0<R2O≦5のものが
好ましい。またガラスとアルミナとの割合は、前記Ca
O−Al23 −SiO2 −B23 系ガラスを使用す
る場合、前記CaO−Al23−SiO2 −B23
系ガラスが40〜90wt%で、アルミナが10〜60
wt%のものが好ましく、前記MgO−Al23 −S
iO2 −B23 −R2 O系ガラスを使用する場合、前
記MgO−Al23 −SiO2 −B23 −R2O系
ガラスが40〜90wt%、アルミナが10〜60wt
%のものが好ましい。前記下地ペーストは、前記した固
形分にバインダ、溶剤等添加して、塗布に適した粘度に
なるように調整する。
【0031】次に、図1(b)に示したように、下地ペ
ースト層12が形成されたグリーンシート11にビアホ
ールを形成し、Ag又はAg−Pdを主成分とする導体
ペーストを用いてビアホールに導体ペーストを充填して
導体ペースト充填層15を形成する。導体ペーストとし
ては、従来から使用されている公知のものを使用するこ
とができる。このように、グリーンシート11に下地ペ
ーストを印刷した後、下地ペースト層12とグリーンシ
ート11とに一度にビアホールを形成するので、下地ペ
ースト層12のパターンはベタパターンでよく、簡単に
下地ペースト層12を形成することができ、焼成後の内
部導体層22と表面導体層21との接続も良好に行われ
る。
【0032】次に、図1(c)に示したように、下地ペ
ースト層12の上に所定パターンの導体ペースト層13
を形成する。
【0033】一方、図1(d)に示したように、図1
(a)〜(c)に示した工程とは別に、グリーンシート
を積層した際の最上層、又は最下層に相当する部分を除
いた各グリーンシート11表面にAg又はAg−Pdを
主成分とする導体ペーストを用いて所定パターンの導体
ペースト層13を形成し、ビアホールに導体ペースト充
填層15を形成し、これらのグリーンシート11を積層
してグリーンシート積層体16を形成する。
【0034】次に、図1(e)に示したように、グリー
ンシート積層体16の両面に図1(c)により作製され
た下地ペースト層12を有するグリーンシート11を積
層し、熱圧着する。
【0035】前記工程の後、空気中、850〜950℃
で10分〜10時間焼成することにより、図1(f)に
示したように、セラミックス基板層24の内部に内部導
体層22及びビア導体層23が形成され、セラミックス
基板層24の両面に下地膜25が形成され、下地膜25
の上に表面導体層21が形成されたセラミックス多層配
線基板が完成する。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例に係るセラミックス基
板及びその製造方法の条件及びその結果を説明する。
【0037】(1)セラミックス基板の製造条件 (i) グリーンシート11の作製 MgO−SiO2 −Al23 −B23 −R2 O系ガ
ラス粉末の組成 MgO:15.6wt%、Al23 :11.7wt
%、SiO2 :50.7wt%、B23 :18.0w
t%、K2 O:4.0wt% 固形分中の各粉末の組成 結晶化ガラス粉末:75重量部、アルミナ粉末:20重
量部、コーディエライト粉末:5重量部 固形分中の粉末の平均粒径:0.5〜5μm グリーンシート11の組成 固形分:64wt%、バインダ(アクリル樹脂):11
wt%、溶剤(キシレン):25wt% (ii)グリーンシート11上への下地ペースト層12の形
成 ガラス粉末及び固形分中の各粉末の組成:下記の表1に
示す 下地ペーストの組成 固形分にバインダ(エチルセルロース)及び溶剤(α−
テオピネオール)を適量添加し、BHT型粘度計により
10rpm、25℃で測定して、200000cpsと
なるようにペーストを作成した。 下地ペースト層12の厚さ:10μm ビアホール14の直径:100μm (iii) 導体ペースト層13及び導体ペースト充填層15
の形成 金属粉末の種類 Ag、又はAg−Pd(Ag:80,Pd:20(重量
%)) 導体ペーストの組成 固形分にバインダ(エチルセルロース)及び溶剤(α−
テオピネオール)を適量添加し、BHT型粘度計により
10rpm、25℃で測定して、300000cpsと
なるようにペーストを作成した。 導体ペースト層13の厚さ:20μm 導体ペーストパターン:焼成収縮後に2mm×2mmの
寸法となる正方形 (iv)焼成 焼成雰囲気:大気雰囲気 焼成条件:900℃、30分 (v) 製造されたセラミックス基板の評価 前記セラミックス基板につき、Niメッキ処理を施した
際のNiメッキ被膜の被着性の良否及び表面導体層21
の密着性について評価を行った。
【0038】Niメッキ被膜の被着性の良否について
は、セラミックス基板をNiメッキ処理後、表面導体層
21を含むセラミックス基板を切断し、その断面を走査
型電子顕微鏡(SEM)を用いて写真撮影し、前記写真
より判断した。均一なメッキ被膜が形成されているもの
を有、メッキ被膜が形成されていないものを無とした。
なお、メッキ処理の際には、主成分のNiイオン源とし
て硫酸ニッケル、還元剤としてジメチルアミノボラン
(DMAB)を含有し、さらに錯化剤として有機酸塩類
(クエン酸アンモニウム)、安定化剤として5〜10p
pmのPbイオン、及び2〜5ppmの有機イオウ化合
物(チオジグリコール)を含有してメッキ液を用いた。
また、メッキ処理の前にはPd活性化処理を行い、表面
導体層21表面に薄いPd層を形成した。メッキ処理の
際のメッキ液の温度は65℃であり、メッキ処理時間は
20分であった。
【0039】表面導体層21の密着性については、Ni
メッキ処理後の表面導体層21のピール強度を測定する
ことにより行った。すなわち、前記セラミックス基板を
230±5℃のPb−Sn共晶ハンダで満たされたハン
ダ槽に5±0.5秒間ハンダディップし、メッキ被膜を
有する1辺が2mmの正方形の表面導体層21表面にハ
ンダ層を形成した。次に、ハンダ層を有する表面導体層
21上に直径1mmのスズメッキCu線をハンダにより
L字状に接着し、引張試験機にて該スズメッキCu線を
垂直上方に10mm/分の速度で引っ張り、破断したと
きの強度をピール強度とした。サンプル数は1実施例に
つき16個とした。
【0040】なお、比較例1〜4の場合には、グリーン
シート11上に下地ペースト層12を形成せず、図2
(a)に示した場合と同様にグリーンシート積層体36
を作製した後、その表面に直接ガラス粉末を含む導体ペ
ーストを用いて実施例と同様のパターンの導体ペースト
層13を形成し、実施例の場合と同様の条件で焼結を行
い、セラミックス多層配線基板を製造した。また、比較
例5の場合には、導体ペーストとして実施例の場合と同
様のものを使用した他は、比較例1〜4の場合と同様に
してセラミックス多層配線基板を製造した。比較例の場
合にも、製造されたセラミックス多層配線基板の評価方
法は実施例の場合と同様である。導体ペースト固形分中
のガラス粉末の含有量、ガラス粉末の組成、及び製造さ
れたセラミックス多層配線基板の評価結果を下記の表1
に示す。
【0041】
【表1】
【0042】上記表1に示した結果からも明らかなよう
に、実施例に係るセラミックス基板に形成された表面導
体層21は、前記セラミックス基板との密着強度も大き
く、かつNiメッキ被膜が良好に形成される。
【0043】一方、比較例1〜4において、導体ペース
ト中のガラス粉末の含有量が少ない場合には、Niメッ
キ被膜は良好に形成されるが、表面導体層のセラミック
ス多層配線基板との密着性が不良であり、ガラス粉末の
含有量が多くなると、セラミックス多層配線基板との密
着性は良好になるが、メッキ被膜の被着性が悪くなる。
また、比較例5の場合のように、固形分にガラスを含
まない表面導体層ペーストを使用して形成された表面導
体層は、メッキ被膜は良好に形成されるが、セラミック
ス多層配線基板との密着強度は非常に小さい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は、本発明の実施の形態に係る
セラミックス基板の製造方法の各製造工程を模式的に示
した断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、従来のセラミックス多層配
線基板の各製造工程を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
11 グリーンシート 12 下地ペースト層 13 導体ペースト層 15 導体ペースト充填層 21 表面導体層 22 内部導体層 23 ビア導体層 24 セラミックス基板層 25 下地膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/46 H05K 3/46 H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MgO−SiO2 −Al23 −B2
    3 −R2 O系ガラス(ただし、Rはアルカリ金属を示
    す)と、アルミナと、コーディエライト結晶とからなる
    セラミックス基板層と、 該セラミックス基板層の上に形成され、CaO−Al2
    3 −SiO2 −B23 系ガラス又はMgO−Al2
    3 −SiO2 −B23 −R2 O系ガラスと、アルミ
    ナとを含んで構成された下地膜と、 該下地膜の上に形成された表面導体層とからなることを
    特徴とするセラミックス基板。
  2. 【請求項2】 MgO−SiO2 −Al23 −B2
    3 −R2 O系ガラス(ただし、Rはアルカリ金属を示
    す)と、アルミナと、コーディエライト結晶とを含むグ
    リーンシートの上に、CaO−Al23 −SiO2
    23 系ガラス又はMgO−Al23 −SiO2
    23 −R2 O系ガラスと、アルミナとを含む下地ペ
    ーストを印刷し、さらに、該下地ペーストの上に導体ペ
    ーストを印刷した後、焼成することを特徴とする請求項
    1記載のセラミックス基板の製造方法。
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