JPH09220399A - ドラム式衣類乾燥機及び乾燥棚 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】被乾燥物に乾燥棚の跡形が付いたり被乾燥物が
落下するのを防止する。 【解決手段】乾燥ドラムによって形成される乾燥室４に
静止状態に伸びるように設置される乾燥棚４０の被乾燥
物載置部４０ａを網状にすると共にその周縁部に囲い部
４０ｂを起立させることにより、被乾燥物に乾燥棚の跡
形が形成されたり型崩れするのを軽減し、また、被乾燥
物の落下を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ドラム式衣類乾燥
機及び乾燥棚に係り、特に回転する乾燥ドラム内に形成
される乾燥室に静止状態に設置した乾燥棚に被乾燥物を
載置して乾燥させるドラム式衣類乾燥機とその乾燥棚に
関する。

【０００２】

【従来の技術】ドラム式衣類乾燥機は、外枠内に乾燥室
を形成する乾燥ドラムを回転自在に設置し、この乾燥ド
ラム（乾燥室）内に被乾燥物（衣類）を投入して該乾燥
ドラムを回転させながら該乾燥ドラム内に熱風を吹き込
むことにより、被乾燥物を乾燥させる構成である。循環
型のドラム式衣類乾燥機は、このようにして被乾燥物か
ら水分を奪った湿潤空気を冷却して水分を凝縮させて除
去することにより乾燥空気とし、再び加熱して乾燥ドラ
ム内に吹き込むようにしている。

【０００３】これらのドラム式衣類乾燥機は、更に、乾
燥ドラムの内壁面に、該乾燥ドラムの回転によって被乾
燥物を持ち上げては落下させることにより該被乾燥物を
撹拌するリフターを備えており、乾燥運転中に、乾燥ド
ラム内の被乾燥物は持ち上げと落下が繰り返されて撹拌
される。

【０００４】このようなドラム式衣類乾燥機において、
衣類投入口を形成するドラム支持枠に取り付けた乾燥棚
を乾燥ドラム（乾燥室）内に伸ばして静止状態に位置す
るように設置し、この乾燥棚に被乾燥物を広げて載置す
ることによって該被乾燥物を平干しすることが行われて
いる。

【０００５】図１６は、この乾燥棚を示している。この
乾燥棚５０は、太めの針金を略コ字状に形成した主棚枠
５１に多数の桟５２を平行状態に並べて結合することに
より被乾燥物載置部５０ａを形成したもので、前記主棚
枠５１の手前側端部に形成した係止爪部５１ａと支持腕
５３によって衣類投入口の枠を挾むように取り付けら
れ、前記被乾燥物載置部５０ａが乾燥室内に伸びて静止
状態に位置するように設置される。

【０００６】そして、この乾燥棚５０は、乾燥運転中に
乾燥ドラムの回転によって撹拌されることを嫌う被乾燥
物、例えば、運動靴，スリッパ，帽子，皮手袋，セータ
ー，ブラウス，ランジェリー等を被乾燥物載置部５０ａ
に載置して乾燥するように使用される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
乾燥棚５０の被乾燥物載置部５０ａは、比較的広い間隔
で平行状態に並べた桟５２によって形成されているの
で、乳幼児用の運動靴やスリッパあるいは手袋のような
小物は、乾燥運転中の振動等によって桟５２の間や該被
乾燥物載置部５０ａの外周から落下してしまう。回転中
の乾燥ドラム内に被乾燥物が落下すると、この被乾燥物
は、この乾燥ドラムの内壁に形成されたリフターによっ
て持ち上げられては落下する運動を繰り返すので、被乾
燥物の傷み，型崩れや騒音発生等を引き起こすことにな
る。

【０００８】また、最近では、専門店（クリーニング
店）での洗濯に頼っていたドライマーク絵（図１５参
照）表示のお洒落着を洗濯することができる家庭用の洗
濯機が登場している。このようなお洒落着の洗濯では、
洗濯物（被乾燥物）を平らに広げて陰干しすることが望
まれているので、前記したような乾燥棚５０を利用する
ドラム式衣類乾燥機による乾燥方法がこのようなお洒落
着の乾燥に好適である。

【０００９】しかしながら、従来の乾燥棚５０を使用し
てセーター，ブラウス，ランジェリー等のお洒落着を乾
燥させると、乾燥後の被乾燥物の表面に桟５２の跡形が
付いたり、被乾燥物が波打って型崩れするものがあるこ
とがわかった。

【００１０】また、被乾燥物を一重に広げて載置するに
は被乾燥物載置部５０ａの面積が狭すぎるために、その
一部を折り曲げて載置しなければならないものがあり、
乾燥むらや折り目が皺となって残る問題がある。

【００１１】従って、本発明の１つの目的は、小物の被
乾燥物を落下させることなく乾燥させることができるド
ラム式衣類乾燥機と該乾燥機に使用するのに適した乾燥
棚を提案することにある。

【００１２】本発明の他の目的は、小物の被乾燥物を落
下させることなく該被乾燥物を効率良く乾燥させること
ができるドラム式衣類乾燥機と該乾燥機に使用するのに
適した乾燥棚を提案することにある。

【００１３】本発明の更に他の目的は、被乾燥物に乾燥
棚の跡形を付けたり型崩れさせることがないドラム式衣
類乾燥機と該乾燥機に使用するのに適した乾燥棚を提案
することにある。

【００１４】本発明の更に他の目的は、被乾燥物に乾燥
棚の跡形を付けたり型崩れさせることなく該被乾燥物を
効率良く乾燥させることができるドラム式衣類乾燥機と
該乾燥機に使用するのに適した乾燥棚を提案することに
ある。

【００１５】本発明の更に他の目的は、限られた乾燥室
に可及的に広い被乾燥物載置部を形成することができる
ドラム式衣類乾燥機と該乾燥機に使用するのに適した乾
燥棚を提案することにある。

【００１６】

【課題を解決するための手段】本発明は、乾燥ドラムに
よって形成される乾燥室に静止状態に伸びるように設置
される乾燥棚または該乾燥棚を使用するドラム式衣類乾
燥機において、前記乾燥棚の被乾燥物載置部を網状に形
成することにより、被乾燥物に乾燥棚り跡形が形成され
るのを軽減し、また、被乾燥物の落下や型崩れを防止す
るものである。

【００１７】具体的には、被乾燥物を収容する乾燥室を
形成する乾燥ドラムと、前記乾燥室に被乾燥物を投入す
る衣類投入口の開口縁部と、この開口縁部に取り付けら
れて前記乾燥室に静止状態に伸びる乾燥棚とを備えたド
ラム式衣類乾燥機において、前記乾燥棚の被乾燥物載置
部を網状に形成する。

【００１８】更に具体的には、後端面の中央部に排気口
を有する乾燥室を形成する乾燥ドラムと、前記乾燥室に
熱風を還流させる通風手段と、前記乾燥室に被乾燥物を
投入する衣類投入口の開口縁部と、この開口縁部に取り
付けられて前記乾燥室に静止状態に伸びる乾燥棚とを備
えたドラム式衣類乾燥機において、前記乾燥棚は、被乾
燥物載置部を網状に形成すると共に該被乾燥物載置部を
前記排気口の下部領域またはそれよりも下位に設置させ
る。

【００１９】そして、前記乾燥棚には、被乾燥物載置部
の周縁部に起立した囲い部を形成する。この囲い部は、
被乾燥物載置部の周縁部に末広がりに起立させることが
望ましい。

【００２０】また、前記乾燥棚は、被乾燥物載置部を平
行状態に間をおいて２段に形成することによって、被乾
燥物載置部の面積を広くすることができる。

【００２１】また、前記乾燥棚は、被乾燥物載置部を上
方向に凸状に彎曲させて形成することによって、単純な
構造で被乾燥物載置部の面積を広げることができる。

【００２２】また、前記乾燥棚は、被乾燥物載置部に載
置可能な網状の筒体を組み合わせることにより、また、
被乾燥物載置部の網目に着脱自在に取り付けて起立させ
る干し型棒を設けることにより、乾燥効率を高める形態
に被乾燥物を保持することができる。

【００２３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図１は、本発明になるドラム式衣類
乾燥機の縦断側面図であり、乾燥ドラム内（乾燥室内）
に乾燥棚を設置した状態を示している。

【００２４】図１において、外枠１，裏板２及びドア３
を外被とするドラム式衣類乾燥機内には、乾燥室４を形
成する乾燥ドラム５が回転自在に設置されている。

【００２５】乾燥ドラム５は、その後部端面が、後部支
持体６を貫通するように固定された支持軸７の内側端部
によって回転自在に支持され、その前部開口端が、外枠
１の前面に衣類投入口８を形成するように設けられた前
部支持体９に摺動部材１０を介して回転自在に支持され
る。また、この乾燥ドラム５の後部端面の中央部には排
気口１１が設けられ、その内側には糸屑捕集フィルタ１
２が設置され、内周壁面にはリフタ（図示省略）が設け
られる。そして、この乾燥ドラム５は、その外周と駆動
電動機１３のドラム駆動プーリ１４に掛け渡されたドラ
ムベルト１５によって回転される。

【００２６】後部支持体６の外側に伸びた支持軸７には
熱交換型ファン１６が回転自在に支持され、この熱交換
型ファン１６の周りはファンケーシング１７によって覆
われる。熱交換型ファン１６とファンケーシング１７に
よって該熱交換型ファン１６の前面側に形成される内側
通気路１８と後面側に形成される外側通気路１９は、ラ
ビリンスシール２０によって区画され、内側通気路１８
は熱交換型ファン１６によって乾燥ドラム５内の乾燥室
４の空気を吸い出して循環させる通気路として機能し、
外側通気路１９は熱交換型ファン１６によって寒冷な外
気を循環させる通気路として機能する。そして、この熱
交換型ファン１６は、ファンプーリ２１と駆動電動機１
３のファン駆動プーリ２２に掛け渡されたファンベルト
２３によって回転される。

【００２７】内側通気路１８の下端部に形成された吐出
口２４は、空気循環ダクト２５を介してフィルタ付きの
熱風吹き込み口２６に連なる。空気循環タクト２５の途
中には、内側通気路１８内で熱交換ファン１６によって
循環空気が冷却されて凝縮した水滴を排出する排水口２
７と、手動操作の開閉蓋２８によって開閉されるフィル
タ付きの排気口２９を備える。熱風吹き込み口２６は、
乾燥ドラム５の前部開口内に位置する前部支持体９から
乾燥室４に向けて開口し、この熱風吹き込み口２６から
乾燥室４に吹き込む循環空気を加熱するヒータ３０を備
える。

【００２８】熱交換型ファン１６によって外側通気路１
９を循環する寒冷な外気は、裏板２に形成された裏板吸
気口３１から吸い込んで裏板排気口３２から排出され
る。

【００２９】制御装置３３はマイクロコンピュータを主
体にして構成され、外枠１の前面に設置された操作部３
４から入力される指令信号と、内側通気路１８に設置さ
れた温度または湿度センサ３５の検出信号に基づいて前
記駆動電動機１３及びヒータ３０を制御する。

【００３０】乾燥棚４０は、図２及び図３に詳述するよ
うに、網状の被乾燥物載置部４０ａとその両側端周縁及
び後端周縁に末広がりに起立させた囲い部４０ｂを主体
として、支持腕部４０ｃ，４０ｄをプラスチック成型に
よって一体的に堅固に形成され、フック４１ａ，４１ｂ
を設けて構成される。そして、この乾燥棚４０は、衣類
投入口８を形成する前部支持体９の開口縁部９ａを前記
支持腕部４０ｃ，４０ｄとフック４１ａ，４１ｂによっ
て挟むように着脱自在に取り付けることにより、前記被
乾燥物載置部４０ａが前記乾燥室４に伸びて位置するよ
うに設置される。

【００３１】乾燥棚４０の網目の大きさ（粗さ）は、図
８に示すように、１１ｃｍの８ケ月乳児用ベビーシュー
ズの寸法が幅５．０ｍｍ，長さ１１．０ｍｍ，高さ４．
２ｍｍであることを考慮して、この大きさのベビーシュ
ーズが落下したり不安定な姿勢にならないように、ま
た、セーター，ブラウス，ランジェリー等のお洒落着の
表面に被乾燥物載置部４０ａの跡形が付いたり、被乾燥
物が波打って型崩れすることがないように被乾燥物との
接触点を多くするために、４．２ｍｍ×４．２ｍｍの角
穴とした。しかしながら、この網目寸法は、被乾燥物の
落下防止と通気性を考慮して、更に大きく又は細かくす
ることができる。また、被乾燥物載置部４０ａの網の上
面は、被乾燥物に対する接触面圧の集中部が発生して該
被乾燥物に接触跡形を発生させるのを避けるために、角
穴に面する角を落して丸みを持たせている。また、外形
寸法は、この乾燥棚４０を前部支持体９の開口縁部９ａ
を挟むように取り付けて被乾燥物載置部４０ａを乾燥室
４に伸ばして位置させたときにたときに、該被乾燥物載
置部４０ａが乾燥ドラム５の排気口１１の下部領域また
はそれよりも下位に位置し、且つ回転する乾燥ドラム５
の内周壁に突出したリフターが衝突しない範囲で可及的
に大きいものとする。

【００３２】このような乾燥棚４０は、錆びにくい金属
材料で作られた太めの針金を編んだり板材を穴明け及び
成型加工して形成することもできる。

【００３３】このドラム式衣類乾燥機は、乾燥棚４０を
使用しての衣類乾燥では、ドア３を開き、衣類投入口８
を形成する開口縁部９ａを前記乾燥棚４０の支持腕４０
ｃ，４，ｄとフック４１ａ，４１ｂによって挟んで被乾
燥物載置部４０ａを乾燥室４に伸ばして設置し、該被乾
燥物載置部４０ａに被乾燥物を載置する。そして、ドア
３を閉じ、操作部３４から乾燥運転を指示する。操作部
３４から乾燥運転指示信号を受けた制御装置３３は、駆
動電動機１３を起動して乾燥ドラム５と熱交換型ファン
１６を回転させ、更に、ヒータ３０を発熱させる。

【００３４】熱交換型ファン１６が回転すると、乾燥室
４の空気は糸屑捕集フィルタ１２と排気口１１を通して
内側通気路１８に吸い出されて空気循環ダクト２５に吐
出され、該空気循環ダクト２５内の空気がヒータ３０で
加熱されて熱風吹き込み口２６から乾燥室４に吹き込ま
れて還流する。乾燥室４に吹き込まれた熱風は乾燥ドラ
ム５の回転によって該乾燥室４内で撹拌されて被乾燥物
から水分を奪って湿潤する。

【００３５】また、熱交換型ファン１６によって外側通
気路１９に寒冷な外気が循環し、該熱交換型ファン１６
が冷却される。

【００３６】そして、内側通気路１８に吸い出された湿
潤空気は、熱交換型ファン１６により冷却されることに
より水分が凝縮して水滴となって除湿される。循環空気
は、乾燥室４内で被乾燥物から水分を奪って湿潤し、内
側通気路１８内で除湿され、ヒータ３０で加熱して乾燥
室４に吹き込まれることの繰り返しにより、被乾燥物を
乾燥させる。乾燥棚４０の被乾燥物載置部４０ａに載置
された被乾燥物は、この乾燥運転中に、乾燥棚４０の振
動や乾燥室４内を撹拌されながら循環する空気によって
揺り動かされるが、被乾燥物載置部４０ａの網目が細か
く、また、周囲が囲い部４０ｂによって囲まれているこ
とから、小さい被乾燥物であっても該被乾燥物が不安定
な状態になったり落下するようなことがない。また、乾
燥棚４０の網目が細かいことから被乾燥物を多くの接触
面によって均一に支えることができ、従って、被乾燥物
に乾燥棚４０の跡形を付けたり型崩させるようなことも
なくなる。

【００３７】次に、ドライマーク絵表示の代表的な衣料
であるセーターと、縮み易いとされているポリウレタン
素材混紡のソックスと、特殊衣料である皮手袋を従来の
乾燥棚５０を使用したドラム式衣類乾燥機と本発明にな
る乾燥棚４０を使用したドラム式衣類乾燥機により乾燥
した結果の評価を説明する。

【００３８】図９は、本発明になるドラム式衣類乾燥機
による乾燥棚４０にセーターを載置して乾燥することに
より該セーターに発生する乾燥棚４０の跡形を評価した
結果である。この評価は、セーターを着用する女性に与
える心理（官能）的な許容度を平均する評価方法で行な
った。また、評価の比較対象は、図１６に示した従来の
乾燥棚５０を使用したドラム式衣類乾燥機による乾燥で
ある。評価結果から、本発明になるドラム式衣類乾燥機
による衣類乾燥によれば、乾燥棚５０の跡形が少なくな
ることが明らかである。

【００３９】図１０〜図１２は、本発明になるドラム式
衣類乾燥機による乾燥棚４０にドライマーク絵表示のセ
ーター，縮みやすいポリウレタン素材混紡のソックス及
び特殊衣料の皮手袋を載置して乾燥することにより、こ
れらに発生する収縮，型崩れ及び布傷みをドラム式乾燥
と比較して評価した結果である。この評価結果から、本
発明になるドラム式衣類乾燥機により乾燥棚４０を使用
して乾燥すれば、収縮，型崩れ及び布傷みがそれぞれ大
幅に改善されていることが明らかである。

【００４０】図１３は、本発明になるドラム式衣類乾燥
機による乾燥棚４０での平干し乾燥と日陰での自然平干
し乾燥の評価結果を示している。ウールのセーターや皮
手袋などについては、アミノ基が分解を受け易いため
に、太陽光線を直接当てて日干しすると紫外線による変
色の心配があるので日陰干しにしなければならず、且
つ、ニット衣料の特性である布縮みや型崩れなどを防ぐ
必要があることから平らに広げて干さなければならない
が、この条件下では、乾燥時間がかかってしまう。ま
た、乾きにくいため、途中で裏返しする労力が生じる。
しかしながら、本発明になるドラム式衣類乾燥機によれ
ば、前述したように乾燥棚の跡形，収縮，型崩れ及び布
傷みを軽減しつつ、乾燥時間の大幅な短縮と裏返し労力
の解消を図ることができる。

【００４１】図１４は、本発明になるドラム式衣類乾燥
機による乾燥棚４０での平干し乾燥時間と従来のドラム
式衣類乾燥機による乾燥棚５０での平干し乾燥時間を比
較した評価結果を示している。本発明になる乾燥棚４０
は、被乾燥物載置部４０ａの周縁に囲い部４０ｂを起立
させたことによる落下やはみ出しによる乾燥ドラム５と
の接触防止効果を活かして被乾燥物を大きく一重に広げ
て乾燥させることにより、乾燥時間を短縮する効果が得
られる。

【００４２】図４は、本発明になるドラム式衣類乾燥機
における乾燥棚４０の第１の変形例を示している。この
変形例は、囲い部４０ｂの上に第１の被乾燥物載置部４
０ａと平行状態に網状の第２の被乾燥物載置部４０ｅを
形成し、乾燥物載置部を上下に２段にしたものである。
この第２の被乾燥物載置部４０ｅは、その手前側の縁部
を後退させて形成される。第２の被乾燥物載置部４０ｅ
の周縁にも囲い部を形成する（図示説明は省略する）こ
とにより、この第２の被乾燥物載置部４０ｅについても
被乾燥物の落下防止やはみ出し防止効果を得ることがで
きる。

【００４３】このような乾燥棚４０によれば、２段の被
乾燥物載置部４０ａ，４０ｅの間の空間に被乾燥物を挟
んで固定することにより、該被乾燥物を安定に保持する
ことができる。また、被乾燥物の一部を第１の被乾燥物
載置部４０ａの上に広げ、残りの部分を折り返して第２
の被乾燥物載置部４０ｅの上に広げることにより、大き
な被乾燥物を一重に広げて効率良く乾燥させることがで
きる。

【００４４】図５は、本発明になるドラム式衣類乾燥機
における乾燥棚４０の第２の変形例を示している。この
変形例は、被乾燥物載置部４０ｆを上方向に凸状に彎曲
させて形成することにより、載置面積を広くしたもので
ある。彎曲させて載置面積を広げる構成は構造が単純で
あるので、製造コストを安価にすることができる。

【００４５】この変形例も被乾燥物載置部４０ｆの周縁
部に囲い部を形成する（図示説明は省略する）ことによ
り、被乾燥物の落下やはみ出しを防止する効果が得られ
る。

【００４６】図６は、本発明になるドラム式衣類乾燥機
における乾燥棚４０の第３の変形例を示している。この
変形例は、被乾燥物載置部４０ａの上に籐の枕のような
網状の筒体４２を乗せて組み合わせることができるよう
にしたものである。この筒体４２は、セーターなどの衣
類に対しては、衿首部分から裾の部分にかけて挿入する
ことにより、風通しを良くして乾燥効率を高めるために
利用できる。

【００４７】図７は、本発明になるドラム式衣類乾燥機
における乾燥棚４０の第４の変形例を示している。この
変形例は、先細り形状の２本の干し型棒４３ａ，４３ｂ
をその基部に形成した嵌合突起（図示説明は省略する）
によって被乾燥物載置部４０ａの網目に着脱自在に取り
付けて起立させることができるようにしたものである。
この干し型棒４３ａ，４３ｂは、例えば、ソックス，運
動靴，手袋などの履物をそれぞれの開口部から差し込む
ように載置して乾燥するために利用できる。また、２本
の干し型棒４３ａ，４３ｂの取り付け間隔を調整して、
１つの被乾燥物の開口部に差し込むように利用する方法
もある。

【００４８】

【発明の効果】本発明は、乾燥棚の被乾燥物載置部を網
状に形成したことにより、被乾燥物に対する棚の跡形形
成及び型崩れを軽減し、また、被乾燥物載置部の周縁部
に囲い部を起立させたことにより被乾燥物の落下を防止
し、被乾燥物載置部を広く利用することにより乾燥効率
を向上させることができる。

【００４９】また、乾燥棚の被乾燥物載置部を２段また
は彎曲させることにより、被乾燥物載置面積を大きくし
て大きな被乾燥物の平干し乾燥を容易にすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明になるドラム式衣類乾燥機の縦断側面図
である。

【図２】本発明になる乾燥棚の外観斜視図である。

【図３】本発明になるドラム式衣類乾燥機においてドア
を開けて乾燥棚を設置した状態を示す正面図である。

【図４】本発明になる乾燥棚の第１の変形例を示す外観
斜視図である。

【図５】本発明になる乾燥棚の第２の変形例を示す外観
斜視図である。

【図６】本発明になる乾燥棚の第３の変形例を示す外観
斜視図である。

【図７】本発明になる乾燥棚の第４の変形例を示す外観
斜視図である。

【図８】本発明になるドラム式衣類乾燥機の乾燥対象で
あるサイズが１１．０ｃｍのベビーシューズの底面図と
側面図である。

【図９】本発明になるドラム式衣類乾燥機による乾燥に
よって被乾燥物に発生する乾燥棚の跡形の評価結果を示
す図である。

【図１０】本発明になるドラム式衣類乾燥機による乾燥
によって発生する被乾燥物の収縮の評価結果を示す図で
ある。

【図１１】本発明になるドラム式衣類乾燥機による乾燥
によって発生する被乾燥物の型崩れの評価結果を示す図
である。

【図１２】本発明になるドラム式衣類乾燥機による乾燥
によって発生する被乾燥物の布傷みの評価結果を示す図
である。

【図１３】本発明になるドラム式衣類乾燥機による平干
し乾燥と日陰での平干し自然乾燥の乾燥時間の評価結果
を示す図である。

【図１４】従来のドラム式衣類乾燥機における乾燥棚に
よる乾燥と本発明になるドラム式衣類乾燥機における乾
燥棚による乾燥の乾燥時間の評価結果を示す図である。

【図１５】日本における取扱い絵表示のドライクリーニ
ングの記号である。

【図１６】従来の乾燥棚の外観斜視図である。

【符号の説明】

１…外枠、４…乾燥室、８…衣類投入口、９ａ…開口縁
部、４０…乾燥棚、４０ａ…被乾燥物載置部、４０ｂ…
囲い部、４０ｃ，４０ｄ…支持腕部、４１ａ，４１ｂ…
フック。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 淺田 朋子 茨城県日立市東多賀町一丁目１番１号 株 式会社日立製作所電化機器事業部内 (72)発明者 久村 嘉代 東京都足立区中川五丁目１番34号 株式会 社日立製作所生活ソフト開発センター内 (72)発明者 照山 智子 茨城県日立市東多賀町一丁目１番１号 株 式会社日立製作所電化機器事業部内

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被乾燥物を収容する乾燥室を形成する乾燥
   ドラムと、前記乾燥室に被乾燥物を投入する衣類投入口
   の開口縁部と、この開口縁部に取り付けられて前記乾燥
   室に静止状態に伸びる乾燥棚とを備えたドラム式衣類乾
   燥機において、 前記乾燥棚の被乾燥物載置部を網状に形成したことを特
   徴とするドラム式衣類乾燥機。
2. 【請求項２】請求項１において、前記乾燥棚は、被乾燥
   物載置部の周縁部に起立した囲い部を備えたことを特徴
   とするドラム式衣類乾燥機。
3. 【請求項３】請求項１において、前記乾燥棚は、被乾燥
   物載置部の周縁部に末広がりに起立した囲い部を備えた
   ことを特徴とするドラム式衣類乾燥機。
4. 【請求項４】請求項１において、前記乾燥棚は、被乾燥
   物載置部を平行状態に２段に形成したことを特徴とする
   ドラム式衣類乾燥機。
5. 【請求項５】請求項１において、前記乾燥棚は、被乾燥
   物載置部を上方向に凸状に彎曲させて形成したことを特
   徴とするドラム式衣類乾燥機。
6. 【請求項６】請求項１において、前記乾燥棚は、被乾燥
   物載置部に載置可能な網状の筒体を組み合わせたことを
   特徴とするドラム式衣類乾燥機。
7. 【請求項７】請求項１において、前記乾燥棚は、被乾燥
   物載置部の網目に着脱自在に取り付けて起立させる干し
   型棒を備えたことを特徴とするドラム式衣類乾燥機。
8. 【請求項８】後端面の中央部に排気口を有する乾燥室を
   形成する乾燥ドラムと、前記乾燥室に熱風を還流させる
   通風手段と、前記乾燥室に被乾燥物を投入する衣類投入
   口の開口縁部と、この開口縁部に取り付けられて前記乾
   燥室に静止状態に伸びる乾燥棚とを備えたドラム式衣類
   乾燥機において、 前記乾燥棚は、被乾燥物載置部を網状に形成すると共に
   該被乾燥物載置部を前記排気口の下部領域またはそれよ
   りも下位に設置させることを特徴とするドラム式衣類乾
   燥機。
9. 【請求項９】ドラム式衣類乾燥機の衣類投入口の開口縁
   部に着脱自在に取り付けられ、その被乾燥物載置部が乾
   燥ドラム内に静止状態に伸びる乾燥棚において、 前記被乾燥物載置部を網状に形成したことを特徴とする
   乾燥棚。
10. 【請求項１０】請求項９において、被乾燥物載置部の周
    縁部に起立した囲い部を備えたことを特徴とする乾燥
    棚。
11. 【請求項１１】請求項９において、被乾燥物載置部は、
    平行状態に間をおいて２段に形成したことを特徴とする
    乾燥棚。
12. 【請求項１２】請求項９において、被乾燥物載置部は、
    上方向に凸状に彎曲させて形成したことを特徴とする乾
    燥棚。
13. 【請求項１３】請求項９において、前記被乾燥物載置部
    に載置可能な網状の筒体を組み合わせたことを特徴とす
    る乾燥棚。
14. 【請求項１４】請求項９において、前記被乾燥物載置部
    の網目に着脱自在に取り付けて起立させる干し型棒を備
    えたことを特徴とする乾燥棚。