JPH09219275A - 点火プラグ - Google Patents

点火プラグ

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Publication number
JPH09219275A
JPH09219275A JP4695396A JP4695396A JPH09219275A JP H09219275 A JPH09219275 A JP H09219275A JP 4695396 A JP4695396 A JP 4695396A JP 4695396 A JP4695396 A JP 4695396A JP H09219275 A JPH09219275 A JP H09219275A
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JP
Japan
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electrode
outer electrode
center electrode
spark plug
engine
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Application number
JP4695396A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Ogama
俊洋 大釜
Tomoya Abe
智也 阿部
Tetsuya Kajiura
哲也 梶浦
Wataru Tajima
亘 田島
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超稀薄燃料使用による排気清浄化、燃費向上
を実現させることができる点火プラグを提供する。 【解決手段】 中心電極20は、燃焼室内における放電
火花の発生位置が変化するように、エンジン回転数NE
などのエンジンパラメータに応じて移動される。この中
心電極20の移動は、アクチュエータ22によって行わ
れる。アクチュエータ22は可動部23と鉄心部24と
を有し、可動部23は鉄心部24は発生する励磁力によ
ってリターンスプリング28のばね力に抗しながら中心
電極20を突き出す方向に移動され、その移動量はエン
ジン回転数NEなどのエンジンパラメータに応じて決定
される。この可動部23の移動に伴い中心電極20の位
置が外側電極21に対し変化するとともに、放電ギャッ
プδが変更され、放電火花の発生位置が変化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃焼室
内に露出する中心電極と外側電極との間で放電火花を発
生させることによって混合気を点火する点火プラグに関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、内燃機関においては、燃焼室内
に吸入圧縮された混合気を局部的に発生された電気火花
で点火し、そこに生じた火炎核からの火炎伝搬によって
混合気全体を燃焼させ、そのエネルギーを出力軸の回転
運動として出力する。
【0003】この電気火花を発生する部品が点火プラグ
であり、この点火プラグは、点火コイルから供給される
高電圧を先端で放電して火花を発し、燃焼室内の混合気
に点火する働きをする。
【0004】この点火プラグの構造は、シリンダヘッド
に取り付け固定するためのねじ部が外周面に形成されて
いるハウジングと、このハウジングに支持されている耐
熱磁気製の絶縁碍子とを有し、その絶縁碍子の一端には
高電圧が供給される端子が設けられ、その端子には絶縁
碍子を貫通する電極部材の一端が接続されている。その
電極部材の他端は絶縁碍子から燃焼室内に突出する中心
電極として構成され、その中心電極の下方には外側電極
が配置されている。外側電極はハウジングに一体的に形
成されている接地電極であり、その外側電極と中心電極
との間には、放電火花を飛ばすための火花隙間(放電ギ
ャップ)が設けられている。
【0005】このような構造により、点火プラグの放電
ギャップの位置は、燃焼室内においてほぼ一定位置に固
定される。
【0006】この点火プラグに要求される性能として
は、熱価、着火性などがあるが、特に、近年内燃機関の
排気ガス浄化、低燃費を目的とした稀薄燃料に対する着
火性が要求されている。この着火性に対する要求を満足
するために、プラグの形状、材質などの変更が図られて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の点火プ
ラグの構造では、さらに超稀薄燃料に対する高性能な着
火性が要求される場合、放電ギャップの位置が燃焼室内
においてほぼ一定位置に固定されるので、局部的な電気
火花の発生位置は変化せず、さらに超稀薄燃料に対する
高性能な着火性を得ることは非常に困難である。その結
果、超稀薄燃料使用による排気清浄化、燃費向上を実現
させることはできない。
【0008】本発明はこの点に着目してなされたもので
あり、超稀薄燃料使用による排気清浄化、燃費向上を実
現させることができる点火プラグを提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明は、内燃機関の燃焼室内に突出する
中心電極と外側電極との間で放電火花を発生させること
によって混合気を点火する点火プラグにおいて、前記燃
焼室内における放電火花の発生位置が変化するように、
前記機関パラメータに応じて前記中心電極と外側電極と
の内の少なくとも一方の位置を変更可能に構成したこと
を特徴とする。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の点
火プラグにおいて、前記機関パラメータに応じて、前記
中心電極と外側電極との内の少なくとも一方の電極をそ
の位置が変更される方向へ駆動する駆動手段を設けたこ
とを特徴とする。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項2記載の点
火プラグにおいて、前記外側電極は固定され、前記駆動
手段は前記中心電極の位置が前記外側電極の位置に対し
相対的に変化する方向に前記中心電極を駆動することを
特徴とする。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項2記載の点
火プラグにおいて、前記中心電極は固定され、前記駆動
手段は前記外側電極の位置が前記中心電極の位置に対し
相対的に変化する方向に前記外側電極を駆動することを
特徴とする。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項2記載の点
火プラグにおいて、前記駆動手段は、前記中心電極と外
側電極との間の間隔を一定に保持しながら前記中心電極
および外側電極の位置が変化する方向に前記中心電極お
よび外側電極を駆動することを特徴とする。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項2乃至5の
内のいずれか1つに記載の点火プラグにおいて、前記駆
動手段は、ソレノイドからなる駆動源を有することを特
徴とする。
【0015】請求項7記載の発明は、請求項1乃至6の
内のいずれか1つに記載の点火プラグにおいて、前記機
関パラメータは前記機関回転数を含むことを特徴とす
る。
【0016】請求項8記載の発明は、請求項1乃至7の
内のいずれか1つに記載の点火プラグにおいて、前記中
心電極および前記外側電極が設けられているプラグ本体
と、前記機関に取り付け固定されるるとともに、前記プ
ラグ本体を前記中心電極および前記外側電極が前記燃焼
室内に突出するようにかつ前記外側電極の軸線周りに角
度的に回転可能に支持する固定部材と、前記プラグ本体
を所定回転角度位置に止定しながら前記プラグ本体と前
記固定部材との連結固定を行う連結部材とを備えたこと
を特徴とする。
【0017】請求項1記載の点火プラグの構成では、燃
焼室内における放電火花の発生位置が変化するように、
機関パラメータに応じて中心電極と外側電極との内の少
なくとも一方の位置を変更可能に構成したので、超稀薄
燃料使用による排気清浄化、燃費向上を実現させること
ができる。
【0018】請求項2記載の点火プラグの構成では、機
関パラメータに応じて、中心電極と外側電極との内の少
なくとも一方の電極をその位置が変更される方向へ駆動
する駆動手段を設けたので、少なくとも一方の電極を駆
動することによって、燃焼室内における放電火花の発生
位置を変化させることができ、機関パラメータに応じた
放電火花の発生位置を変更する制御を容易に行うことが
できる。
【0019】請求項3記載の点火プラグの構成では、外
側電極が固定され、駆動手段で中心電極の位置が外側電
極の位置に対し相対的に変化する方向に中心電極を駆動
するので、中心電極を駆動することによって、燃焼室内
における放電火花の発生位置が変化し、機関パラメータ
に応じた放電火花の発生位置の変更を容易に行うことが
できる。
【0020】請求項4記載の点火プラグの構成では、中
心電極が固定され、駆動手段で外側電極の位置が中心電
極の位置に対し相対的に変化する方向に外側電極を駆動
するので、外側電極を駆動することによって、燃焼室内
における放電火花の発生位置が変化し、機関パラメータ
に応じた放電火花の発生位置の変更を容易に行うことが
できる。
【0021】請求項5記載の点火プラグの構成では、駆
動手段で、中心電極と外側電極との間の間隔を一定に保
持しながら中心電極および外側電極の位置が変化する方
向に中心電極および外側電極を駆動するので、中心電極
および外側電極を駆動することによって、燃焼室内にお
ける放電火花の発生位置が変化し、機関パラメータに応
じた放電火花の発生位置の変更を容易に行うことができ
る。
【0022】請求項6記載の点火プラグの構成では、駆
動手段にソレノイドからなる駆動源を設けたので、駆動
手段の構成を簡素化することができるとともに、駆動手
段に対する制御を簡単化することができる。
【0023】請求項7記載の点火プラグの構成では、機
関パラメータに機関回転数を含むので、機関回転数に応
じて放電火花の発生位置を変更することによって、火炎
伝搬の距離を均一にすることができ、正常な燃焼状態を
得ることができる。
【0024】請求項8記載の点火プラグの構成では、中
心電極および外側電極が設けられているプラグ本体と、
機関に取り付け固定されるるとともに、プラグ本体を中
心電極および外側電極が燃焼室内に突出するようにかつ
外側電極の軸線周りに角度的に回転可能に支持する固定
部材と、プラグ本体を所定回転角度位置に止定しながら
プラグ本体と固定部材との連結固定を行う連結部材とを
設けたので、稀薄燃料使用時にスワール、タンブルなど
を用いて混合気に乱れを与えて燃焼速度を速くしている
場合、外側電極の向きが混合気の流れを妨げない向きに
なるようにプラグ本体を所定回転角度位置に止定するこ
とができ、着火性の向上、燃焼のさらなる正常化を図る
ことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0026】(実施の第1形態)図1は本発明の実施の
第1形態に係る点火プラグの構成を示す縦断面図であ
る。
【0027】内燃機関(以下、エンジンという)のシリ
ンダヘッド100には、図1に示すように、点火プラグ
1が取り付けられ、点火プラグ1は、点火装置(図示せ
ず)から供給される高電圧を先端で放電して火花を発
し、燃焼室内の混合気に点火する働きをする。
【0028】この点火プラグ1は、シリンダヘッド10
0に取り付け固定されるハウジング10を備える。ハウ
ジング10は、シリンダヘッド100に取り付けられる
鋼製の主体金具11と、それに連結固定される鋼製のポ
ッティング部12とを有する。
【0029】主体金具11は、ほぼ中空円筒形状の部材
からなる。主体金具11の一端には突出する小径部が設
けられ、その外周には、シリンダヘッド100のねじ穴
100aに螺合するねじ部11aが形成されている。主
体金具11の他端外周には、締め込み用リブ11bとね
じ部11cとが形成されている。主体金具11の一端と
シリンダヘッド100との間にはガスケット13が介在
し、ガスケット13によって主体金具11とシリンダヘ
ッド100との間における気密性が確保されている。
【0030】ポッティング部12は、ほぼ中空円筒形状
の部材からなる大径部12aと、その一端に一体的にか
つ同軸上に連なるほぼ中空円筒形状の部材からなる小径
部12bとからなり、小径部12bは、主体金具11内
にその軸線方向の周りに回転可能に挿入される。大径部
12aと小径部12bとは互い共働して内部収容空間を
形成するとともに、接地部材を構成する。小径部12b
のシリンダヘッド100側の端部には、ほぼ円弧形状に
折り曲げられている外側電極21(陰電極)が一体に形
成され、外側電極21の先端は、後述する中心電極20
の移動経路上に入り込まないように位置決めされてい
る。
【0031】ポッティング部12の大径部12aの一端
外周には、外方に向けて張り出している張出部12cが
形成され、その他端開口にはカバー部材12dがねじ込
まれている。
【0032】ポッティング部12の大径部12a内に
は、2つの絶縁体14,15が、小径部12bには絶縁
体16が収容されている。各絶縁体14,15は大径部
12aに、絶縁体16は小径部12bにそれぞれ支持固
定されている。
【0033】絶縁体14には点火装置から供給される高
電圧が印加されるターミナルナット17が固定され、そ
のターミナルナット17の先端はカバー部材12dを経
て外部に突出している。
【0034】ターミナルナット17の後端には、電極部
材18が連結され、電極部材18は各絶縁体14,1
5,16の内部空間を経て伸びる棒状部材からなる。電
極部材18の一端18aはその軸線方向に沿って移動可
能なようにターミナルナット17の後端に差し込まれ、
その一端18a近傍には、台座部18bが形成されてい
る。台座部18bとターミナルナット17との間には電
気接続用スプリング22aが配置され、このスプリング
22aによってターミナルナット17と電極部材18と
の間の電気的接続が確保されている。
【0035】これに対し、電極部材18の他端は小径円
柱状に形成され、チューブ状の絶縁体19内を貫通して
外部に僅かに突出する。この絶縁体19から突出する電
極部材18の部分が中心電極20(陽電極)を構成し、
この中心電極20と外側電極21とは、放電火花を飛ば
すための放電ギャップδの間隔で離隔されている。
【0036】中心電極20は、燃焼室内における放電火
花の発生位置が変化するように、エンジン回転数NEな
どのエンジンパラメータに応じて移動される。この中心
電極21の移動は、アクチュエータ22によって行われ
る。アクチュエータ22は、電極部材18の台座部18
bを含む部位を支持する可動部23と、可動部23を電
極部材18の軸線方向に沿って移動させるための励磁力
を発生する鉄心部24とを有し、鉄心部24にはコイル
25が巻かれているコイルボビン26が組み込まれてい
る。コイル25には供給線27を介して電力が供給さ
れ、供給線27は絶縁体14およびカバー部材12dを
経て外部に引き出されている。
【0037】可動部23と鉄心部24の底面との間に
は、電極部材18を挿通するリターンスプリング28が
介在し、可動部23は励磁力によってリターンスプリン
グ28のばね力に抗しながら中心電極20を突き出す方
向に移動され、その移動量はエンジン回転数NEなどの
エンジンパラメータに応じて決定される。この可動部2
3の移動に伴い中心電極20の位置が外側電極21に対
し変化するとともに、放電ギャップδが変更され、放電
火花の発生位置が変化する。
【0038】このように、中心電極20を構成する電極
部材18、電極部材を可動するためのアクチュエータ2
2を内蔵するとともに、外側電極21を形成するポッテ
ィング部12は、その小径部12cが主体金具11内に
挿入されかつ大径部12aと主体金具11とが互いに突
き合わされた状態で固定ナット29により主体金具11
と連結固定されている。具体的には、固定ナット29の
内周面に形成されたねじ部が主体金具11のねじ部11
cに螺合され、この螺合に伴い固定ナット29がポッテ
ィング部12の張出部12cを押さえ付けることによ
り、ポッティング部12と主体金具11との連結固定が
行われている。大径部12aと主体金具11との突合せ
面には圧縮リング30が介在し、圧縮リング30によっ
て大径部12aと主体金具11との間の気密性が確保さ
れている。
【0039】次に、上述の点火プラグ1を用いているエ
ンジンの点火系統の構成について図2および図3を参照
しながら説明する。図2は図1の点火プラグ1を用いて
いるエンジンの点火系統の構成を示すブロック図、図3
は図2の電流制御回路および駆動回路を示す回路図であ
る。
【0040】エンジンの点火系統は、図2に示すよう
に、CPU32で制御される。CPU32は、センサ入
力回路31に入力された各種センサからの入力信号に基
づき各種演算処理を実行し、各気筒毎に設けられている
点火プラグ1およびそれに内蔵されているアクチュエー
タ22の駆動信号を生成する。
【0041】センサ入力回路31に入力される各種セン
サの入力信号としては、NEセンサにより検出されたク
ランク軸の回転数すなわちエンジン回転数NEを示す電
気信号、PBAセンサにより検出された吸気管内の絶対
圧PBAを示す電気信号、TAセンサにより検出された
吸気管のPBAセンサ下流側の管壁の吸気温TAを示す
電気信号、TWセンサにより検出されたエンジン水温
(冷却水温)TWを示す電気信号、THセンサにより検
出されたスロットル開度THを示す電気信号などが含ま
れている。
【0042】CPU32の点火プラグ1に対する駆動信
号は点火装置36に出力される。点火装置36は、CP
U32の駆動信号に基づき点火プラグ1による点火時期
を設定し、その時期が到来すると高電圧を点火プラグ1
のターミナルナット17に供給する。
【0043】CPU32のアクチュエータ22に対する
駆動信号はバイナリカウンタ33および駆動回路35に
出力される。バイナリカウンタ33はエンジン回転数N
Eなどのエンジンパラメータに応じた計数したカウント
値を電流制御回路34に出力し、電流制御回路34は、
入力されたカウント値に基づきアクチュエータ22に対
する駆動電流の大きさを設定し、その駆動電流を供給す
る。具体的には、図3に示すように、エンジンパラメー
タに応じて駆動電流を制御し、この駆動電流をアクチュ
エータ22のコイルに供給する制御がトランジスタによ
って行われる。
【0044】駆動回路35はCPU32の駆動信号に基
づきアクチュエータ22への駆動電流の供給をオン、オ
フする制御を行う。具体的には、図3に示すように、ト
ランジスタのスイッチング動作によって、この駆動電流
のアクチュエータ22のコイルへの供給および停止を制
御する。
【0045】次に、点火プラグ1のエンジンへの取付手
順について図1および図4を参照しながら説明する。図
4は図1の点火プラグの外側電極の位置合せ状態を示す
図である。
【0046】まず、ポッティング部12および主体金具
11を固定ナット29で仮固定された点火プラグ1が準
備される。
【0047】次いで、主体金具11の締め込み用リブ1
1bをスパナなどの工具で回転させることによって、主
体金具11のねじ部11aがシリンダヘッド100のね
じ穴100aにねじ込まれ、主体金具11がシリンダヘ
ッド100に固定される。
【0048】主体金具11とシリンダヘッド100との
固定後、固定ナット29が緩められ、ポッティング部1
2が主体金具11の軸線周りに角度的に回転される。こ
のポッティング部12の回転によって、ポッティング部
12はそれに予め設けられている指標(図示せず)とシ
リンダヘッド100表面に設けられている指標(図示せ
ず)とが合致するように位置決めされる。
【0049】この位置決めによって外側電極21は、図
4に示すように、その先端(図中の矢印で示す)が燃焼
室101内における所定の方向(例えば、吸気ポート1
02a,102bに向う方向)に向くように配置され
る。この外側電極21の燃焼室101内における位置合
わせは、シリンダヘッド100に複数の指標位置を識別
可能に設けることによって任意に設定可能になり、例え
ば、外側電極21の位置を吸気ポート102a,102
bと排気ポート103a,103bとの間に設定するこ
とが可能である。
【0050】外側電極21の位置合せが行われると、固
定ナット29が締められ、ポッティング部12と主体金
具11とが固定されると、点火プラグ1の取付は終了す
る。
【0051】次に、点火プラグ1の中心電極20に移動
動作について図5および図6を参照しながら説明する。
図5は図1の点火プラグの中心電極20の移動状態を示
す図、図6は図1の点火プラグの放電ギャップの移動位
置とエンジン回転数NEとの関係を示すテーブルであ
る。なお、本説明では、可変バルブタイミング機構(V
TEC)が設けられているエンジンに点火プラグ1を取
り付けるとともに、点火プラグ1の放電ギャップδの移
動位置をエンジン回転数NEに応じて変化させる例を示
す。
【0052】エンジン停止状態における点火プラグ1の
中心電極20の位置は、図1に示す初期位置にある。こ
の初期位置では、図5(a)に示すように、ピストンの
基準位置(例えば、上死点)と外側電極21との間の間
隔をLとすると、ピストンの基準位置から中心電極20
までの間隔はL1になる。
【0053】次に、エンジンが始動されると、エンジン
回転数NEに応じて中心電極20がアクチュエータ22
によって可動される。始動時では、図5(c)に示すよ
うに、ピストンの基準位置との間隔がL3になるように
中心電極20がアクチュエータ22によって可動され、
エンジン回転数NEが高くなるに従い中心電極20の位
置は、図5(a),(b)に示すように、ピストン基準
面から離れる。
【0054】この中心電極21の移動に伴い放電ギャッ
プδの位置は、図6に示すように、変化する。図6から
明らかなように、エンジン回転数NEが高くなるに従い
放電ギャップδの位置はピストン基準面から離れること
が分かる。
【0055】以上により、本実施の形態によれば、エン
ジン回転数NEに応じて放電ギャップδの位置を制御す
ることによって、火炎伝搬の距離を均一にすることがで
き、正常な燃焼状態を得ることができる。
【0056】また、中心電極20の位置を混合気の性状
から決定される燃焼に関し最適な位置に制御することに
よって、混合気における点火可能な稀薄限界濃度をさら
に薄くすることができ、超稀薄燃料使用による排気清浄
化、燃費向上を実現させることができる。
【0057】さらに、稀薄燃料使用時には、高圧縮比に
起因するノッキングの発生を回避するために、スワー
ル、タンブルなどを用いて混合気に乱れを与えて燃焼速
度を速くしているが、外側電極21の位置合せによっ
て、外側電極21の向きが混合気の流れを妨げない向き
に調整されるので、外側電極21による混合気の流れを
妨げることが回避され、着火性の向上、燃焼のさらなる
正常化を図ることができる。
【0058】なお、本実施の形態では、エンジン回転数
NEに応じて放電ギャップの位置を制御しているが、他
のパラメータ、例えば吸気管内の絶対圧PBA、吸気温
TA、エンジン水温(冷却水温)TW、スロットル開度
THなどに応じて放電ギャップの位置を制御することも
できる。
【0059】(実施の第2形態)次に、本発明の実施の
第2形態について図7および図8を参照しながら説明す
る。図7は本発明の実施の第2形態に係る点火プラグの
構成を示す縦断面図、図8は図7の点火プラグの外側電
極の移動状態を示す図である。
【0060】本実施の形態は、エンジン回転数NEに応
じて中心電極20を可動することによって放電ギャップ
δの位置を変更可能に構成されている第1形態と異な
り、エンジン回転数NEに応じて外側電極を可動するこ
とによって放電ギャップδの位置を変更可能に構成され
ている。
【0061】点火プラグ2は、図7に示すように、シリ
ンダヘッド100に取り付け固定されるハウジングを構
成する鋼製の主体金具40を備える。
【0062】主体金具40は、ほぼ中空円筒形状の部材
からなる大径部40aと、その一端に一体的にかつ同軸
上に連なるほぼ中空円筒形状の部材からなる中径部40
bと、その一端に一体的にかつ同軸上に連なるほぼ中空
円筒形状の部材からなる小径部40cとからなる。大径
部40aの開口端部内周面にはねじ部40fが形成され
ている。中径部40bの外周には、締め込み用リブ40
eが一体的に形成され、小径部40cの外周には、シリ
ンダヘッド100のねじ穴100aに螺合するねじ部4
0dが形成されている。中径部40bの段部とシリンダ
ヘッド100との間にはガスケット13が介在し、ガス
ケット13によって主体金具40の中径部40bとシリ
ンダヘッド100との突合せ面における気密性が確保さ
れている。
【0063】主体金具40には、主体金具40内を同軸
に伸びる棒状の絶縁体41が主体金具40の軸線周りに
回転可能に支持されている。絶縁体41の一端は、大径
部40aから上方に向けて突出し、絶縁体41の側部に
は、大径部40aの中径部40bとの境界近傍位置から
中径部40bの小径部40cとの境界近傍位置まで絶縁
体41の軸線方向に伸びる溝41aが形成されている。
【0064】絶縁体41の一端にはターミナルナット1
7が取り付けられている。ターミナルナット17には電
極部材18が連結され、電極部材18は絶縁体41内部
を経て伸びる棒状部材からなる。電極部材18の一端は
ターミナルナット17内に差し込まれ、電気的に接続さ
れている。電極部材18の他端は小径円柱状に形成さ
れ、絶縁体41の他端から外部に僅かに突出する。この
絶縁体41の他端から突出する電極部材18の部分が中
心電極20(中心電極)を構成する。
【0065】主体金具40の大径部40aには、プラン
ジャ42が絶縁体41の軸線方向に移動可能に収容され
ている。プランジャ42は、絶縁体41を挿通するリン
グ部42aと、リング部42aの内周に一体的に連結さ
れ、絶縁体41の溝41a内および小径部40dを経て
燃焼室内に向けて伸びる棒状部材42bとから構成され
ている。この棒状部材42bの先端はほぼ半円弧状に折
り曲げられ、外側電極21を構成する。
【0066】プランジャ42は、鉄心部43と共働して
外側電極21を可動させるためのアクチュエータ50を
構成する。鉄心部43にはコイル25が巻かれているコ
イルボビン26が組み込まれている。コイル25には供
給線27を介して電力が供給され、供給線27は鉄心部
43を経て外部に引き出されている。鉄心部43は、コ
イル25に電力が供給されると、プランジャ42を電極
部材18の軸線方向に沿って移動させるための励磁力を
発生する。鉄心部43には、絶縁体41の挿通孔43a
が形成され、挿通孔43aの内周面にはねじ部43bが
形成されている。鉄心部43は、プランジャ42の外周
側に配置されているリング状の台座44と大径部40a
の開口端のねじ部40fにねじ込まれている固定リング
45とによって大径部40a内に固定されてる。ねじ部
40fと鉄心部43との間における気密性は圧縮リング
49によって確保されている。
【0067】プランジャ42と鉄心部43との間には、
絶縁体41を挿通するリターンスプリング46が介在
し、プランジャ42は鉄心部43が発生する励磁力によ
ってリターンスプリング46のばね力に抗しながら外側
電極21を引き込む方向に移動され、その移動量はエン
ジン回転数NEに応じて決定される。このプランジャ4
2の移動に伴い外側電極21の位置が中心電極20に対
し変化するとともに、放電ギャップδが変更され、放電
火花の発生位置が変化する。
【0068】鉄心部43と絶縁体41とは、固定ナット
47によって固定される。具体的には、固定ナット47
の外周面に形成されたねじ部が大径部40aのねじ部4
0fに螺合され、この螺合に伴い固定ナット47が絶縁
体の張出部を押さえ付けることにより、鉄心部43と絶
縁体41との固定が行われている。鉄心部43の挿通孔
43aには圧縮リング48が挿入され、圧縮リング48
によって鉄心部43と絶縁体41との間における気密性
が確保されている。
【0069】次に、点火プラグ2のエンジンへの取付手
順について図7を参照しながら説明する。
【0070】まず、鉄心部43と絶縁体41とを固定ナ
ット47で仮固定した点火プラグ2が準備される。
【0071】次いで、主体金具40の締め込み用リブ4
0eをスパナなどの工具で回転させることによって、主
体金具40のねじ部40dがシリンダヘッド100のね
じ穴100aにねじ込まれ、主体金具40がシリンダヘ
ッド100に固定される。
【0072】主体金具40とシリンダヘッド100との
固定後、固定ナット47が緩められ、絶縁体41がその
軸線周りに角度的に回転される。この絶縁体41の回転
によって、絶縁体41はそれに予め設けられている指標
とシリンダヘッド100表面に設けられている指標とが
合致するように位置決めされる。
【0073】この位置決めによって外側電極21は、そ
の先端が燃焼室内における所定の方向に向くように配置
される。この外側電極21の燃焼室内における位置合せ
は、シリンダヘッド100に複数の指標位置を識別可能
に設けることによって任意に設定可能になる。
【0074】外側電極21の位置合せが行われると、固
定ナット47が締められ、絶縁体41と鉄心部43とが
固定され、点火プラグ2の取付は終了する。
【0075】次に、点火プラグ2の外側電極21に移動
動作について図8を参照しながら説明する。
【0076】エンジン停止状態における点火プラグ1の
外側電極21の位置は、図7に示す初期位置にある。こ
の初期位置では、図8(c)に示すように、ピストンの
基準位置(例えば、上死点)と中心電極20との間の間
隔をLとすると、ピストンの基準位置から外側電極21
までの間隔はL3になる。
【0077】次に、エンジンが始動されると、エンジン
回転数NEに応じてプランジャ42がアクチュエータ5
0によって可動される、すなわち外側電極21がその引
き込み方向に移動される。始動時では、図8(a)に示
すように、ピストンの基準位置との間隔がL1になるよ
うに外側電極21がアクチュエータ50によって可動さ
れ、エンジン回転数NEが高くなるに従い外側電極21
の位置は、図8(a),(b)に示すように、ピストン
基準面から離れる。
【0078】この外側電極21の移動に伴い放電ギャッ
プδの位置は、エンジン回転数NEが高くなるに従いピ
ストン基準面から離れる。
【0079】このように、外側電極21を中心電極20
に対し移動させることによって、実施の第1形態と同じ
ように、エンジン回転数NEに応じて放電ギャップδの
位置が制御されるので、超稀薄燃料使用による排気清浄
化、燃費向上を実現させることができる。
【0080】また、外側電極21の位置合せによって、
実施の第1形態と同じように、外側電極21による混合
気の流れを妨げることが回避され、着火性の向上、燃焼
のさらなる正常化を図ることができる。
【0081】(実施の第3形態)次に、本発明の実施の
第3形態について図9および図10を参照しながら説明
する。図9は本発明の実施の第3形態に係る点火プラグ
の構成を示す縦断面図、図10は図9の点火プラグの電
極の移動状態を示す図である。
【0082】本実施の形態は、エンジン回転数NEに応
じて中心電極20を可動することによって放電ギャップ
δの位置を変更可能に構成されている第1形態と異な
り、放電ギャップδを一定の値に保持しながらエンジン
回転数NEに応じて中心電極および外側電極を可動する
ことによって放電ギャップδの位置を変更可能に構成さ
れている。
【0083】点火プラグ3は、図9に示すように、シリ
ンダヘッド100に取り付け固定されるハウジング60
を備える。ハウジング60は、シリンダヘッド100に
取り付けられる鋼製の主体金具61と、それに連結固定
される鋼製のポッティング部62とを有する。
【0084】主体金具61は、ほぼ中空円筒形状の部材
からなる。主体金具61の一端には突出する小径部が設
けられ、その外周には、シリンダヘッド100のねじ穴
100aに螺合するねじ部61aが形成されている。主
体金具61の他端外周には、締め込み用リブ61bとね
じ部61cとが形成されている。主体金具61の一端と
シリンダヘッド100との間にはガスケット13が介在
し、ガスケット13によって主体金具61とシリンダヘ
ッド100との間における気密性が確保されている。
【0085】ポッティング部62は、ほぼ中空円筒形状
の部材からなる。ポッティング部12の一端外周には、
外方に向けて張り出している張出部12aが形成され、
その他端開口にはカバー部材12bがねじ込まれてい
る。
【0086】ポッティング部12内には、2つの絶縁体
63,64が収容されている。各絶縁体63,64はポ
ッティング部12にそれぞれ支持固定されている。
【0087】絶縁体63にはターミナルナット17が固
定され、そのターミナルナット17の先端はカバー部材
62bを経て外部に突出している。
【0088】ターミナルナット17の後端には、可動鉄
心65が連結され、可動鉄心65は各絶縁体63,64
の内部空間を経て伸びる円柱状部材からなる。可動鉄心
65の一端65aはその軸線方向に沿って移動可能なよ
うにターミナルナット17の後端に差し込まれ、その一
端65a近傍には、台座部65bが形成されている。台
座部65bとターミナルナット17との間には電気接続
用スプリング22aが配置され、このスプリング22a
によってターミナルナット17と可動鉄心65との間の
電気的接続が確保されている。
【0089】これに対し、可動鉄心65の他端にはそれ
と同軸上に伸びる鋼製の第1の連結部材66の一端が連
結され、その他端はポッティング部62から主体金具6
1内に突出する。第1の連結部材66の他端には、それ
と同軸上に伸びる鋼製の第2の連結部材67の一端が連
結されている。
【0090】第2の連結部材67の他端には電極部材6
8の一端が連結され、電極部材68は第2の連結部材6
7と同軸上に伸びる棒状部材からなる。電極部材68
は、その他端が外部に突出するように絶縁体69で覆わ
れ、この絶縁体69から突出する電極部材68の部分が
中心電極20を構成する。
【0091】絶縁体69にはガイド部材70が取り付け
られ、ガイド部材70は主体金具61内にその軸線方向
に移動可能に挿入されている。ガイド部材70は、主体
金具61内径寸法よりわずかに小さい円筒部70aと、
その円筒部70aからシリンダヘッド100に向けて伸
びる小径円筒部70bと、その小径円筒部70bに一体
的に形成され、燃焼室内に突出するL字形状の外側電極
70cとから構成される。外側電極70cと中心電極2
0とは、放電火花を飛ばすための放電ギャップδの間隔
で離隔されている。
【0092】円筒部70aの外周面にはシールリング7
1が嵌め込まれ、シールリング71によって円筒部70
aの外周面と主体金具61内周面との間における気密性
が確保されている。円筒部70aと主体金具61の底面
との間にはリターンスプリング71が配置され、リター
ンスプリング71のばね力によって円筒部70aはポッ
ティング部62に向けて付勢されている。
【0093】中心電極20と外側電極70cとは、燃焼
室内における放電火花の発生位置が変化するように、放
電ギャップδを一定値に保持しながらエンジン回転数N
Eに応じて移動される。この中心電極21の移動と外側
電極70cの移動とは連動して行われ、その移動はアク
チュエータ72によって行われる。アクチュエータ72
は、可動鉄心65を電極部材68の軸線方向に沿って移
動させるための励磁力を発生する鉄心部73を有し、鉄
心部73にはコイル25が巻かれているコイルボビン2
6が組み込まれている。コイル25には供給線27を介
して電力が供給され、供給線27は絶縁体63およびカ
バー部材62bを経て外部に引き出されている。鉄心部
73は、絶縁体63と絶縁体64とで形成される収容空
間内に配置されている。
【0094】可動鉄心65は鉄心部73が発生する励磁
力によってリターンスプリング71のばね力に抗しなが
ら中心電極20および外側電極70cを突き出す方向に
移動され、その移動量はエンジン回転数NEに応じて決
定される。この可動鉄心65の移動に伴い絶縁体69が
ガイド部材70とともに移動され、この移動によって放
電ギャップδを一定値に保持しながら中心電極20およ
び外側電極70cの位置が変化し、放電ギャップδの位
置が変化する。すなわちエンジン回転数NEに応じて放
電火花の発生位置が変化する。
【0095】ポッティング部62と主体金具61とは互
いに突き合わされた状態で固定ナット74により連結固
定されている。具体的には、固定ナット74の内周面に
形成されたねじ部が主体金具61のねじ部61cに螺合
され、この螺合に伴い固定ナット74がポッティング部
62の張出部62aを押さえ付けることにより、ポッテ
ィング部62と主体金具61との連結固定が行われてい
る。ポッティング部62と主体金具61との突合せ面に
は圧縮リング30が介在し、圧縮リング30によってポ
ッティング部62と主体金具61との間の気密性が確保
されている。
【0096】次に、点火プラグ3のエンジンへの取付手
順について説明する。
【0097】まず、ポッティング部62および主体金具
61を固定ナット74で仮固定した点火プラグ3が準備
される。
【0098】次いで、主体金具61の締め込み用リブ6
1bをスパナなどの工具で回転させることによって、主
体金具61のねじ部61aがシリンダヘッド100のね
じ穴100aにねじ込まれ、主体金具61がシリンダヘ
ッド100に固定される。
【0099】主体金具61とシリンダヘッド100との
固定後、固定ナット74が緩められ、ポッティング部6
2が主体金具11の軸線周りに角度的に回転される。こ
のポッティング部62の回転によって、絶縁体69とと
もにガイド部材70が回転され、ガイド部材70の回転
に伴い外が電極70cの向きは変化する。ポッティング
部62はそれに予め設けられている指標とシリンダヘッ
ド100表面に設けられている指標とが合致するように
位置決めされる。
【0100】この位置決めによって外側電極70cは、
その先端が燃焼室内における所定の方向に向くように配
置される。この外側電極70cの燃焼室内における位置
合わせは、シリンダヘッド100に複数の指標位置を識
別可能に設けることによって任意に設定可能になる。
【0101】外側電極70cの位置合せが行われると、
固定ナット74が締められ、ポッティング部62と主体
金具61とが固定されると、点火プラグ3の取付は終了
する。
【0102】次に、点火プラグ3の中心電極20および
外側電極70cに移動動作について図10を参照しなが
ら説明する。
【0103】エンジン停止状態における点火プラグ3の
中心電極20および外側電極70cの位置は、図9に示
す初期位置にある。この初期位置では、図10(a)に
示すように、ピストンの基準位置(例えば、上死点)と
外側電極70cとの間の間隔をLとすると、ピストンの
基準位置から中心電極20までの間隔はL1になる。
【0104】次に、エンジンが始動されると、エンジン
回転数NEに応じて中心電極20とともに外側電極70
cがアクチュエータ72によって可動される。始動時で
は、図10(c)に示すように、中心電極20とピスト
ンの基準位置との間隔がL3になるように中心電極20
および外側電極70cがアクチュエータ72によって可
動され、エンジン回転数NEが高くなるに従い中心電極
20および外側電極70cの位置は、図10(a),
(b)に示すように、ピストン基準面から離れる。な
お、中心電極20および外側電極70cの移動に伴う放
電ギャップδの値の変化はない。
【0105】この中心電極20および外側電極70cの
移動に伴い放電ギャップδの位置は、エンジン回転数N
Eが高くなるに従いピストン基準面から離れる。
【0106】このように、外側電極70cおよび中心電
極20を連動して移動させることによって、実施の第1
形態と同じように、エンジン回転数NEに応じて放電ギ
ャップδの位置が制御されるので、超稀薄燃料使用によ
る排気清浄化、燃費向上を実現させることができる。
【0107】また、外側電極70cの位置合せによっ
て、実施の第1形態と同じように、外側電極70cによ
る混合気の流れを妨げることが回避され、着火性の向
上、燃焼のさらなる正常化を図ることができる。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の点
火プラグによれば、燃焼室内における放電火花の発生位
置が変化するように、機関パラメータに応じて中心電極
と外側電極との内の少なくとも一方の位置を変更可能に
構成したので、超稀薄燃料使用による排気清浄化、燃費
向上を実現させることができる。
【0109】請求項2記載の点火プラグによれば、機関
パラメータに応じて、中心電極と外側電極との内の少な
くとも一方の電極をその位置が変更される方向へ駆動す
る駆動手段を設けたので、少なくとも一方の電極を駆動
することによって、燃焼室内における放電火花の発生位
置を変化させることができ、機関パラメータに応じた放
電火花の発生位置を変更する制御を容易に行うことがで
きる。
【0110】請求項3記載の点火プラグによれば、外側
電極が固定され、駆動手段で中心電極の位置が外側電極
の位置に対し相対的に変化する方向に中心電極を駆動す
るので、中心電極を駆動することによって、燃焼室内に
おける放電火花の発生位置が変化し、機関パラメータに
応じた放電火花の発生位置の変更を容易に行うことがで
きる。
【0111】請求項4記載の点火プラグによれば、中心
電極が固定され、駆動手段で外側電極の位置が中心電極
の位置に対し相対的に変化する方向に外側電極を駆動す
るので、外側電極を駆動することによって、燃焼室内に
おける放電火花の発生位置が変化し、機関パラメータに
応じた放電火花の発生位置の変更を容易に行うことがで
きる。
【0112】請求項5記載の点火プラグによれば、駆動
手段で、中心電極と外側電極との間の間隔を一定に保持
しながら中心電極および外側電極の位置が変化する方向
に中心電極および外側電極を駆動するので、中心電極お
よび外側電極を駆動することによって、燃焼室内におけ
る放電火花の発生位置が変化し、機関パラメータに応じ
た放電火花の発生位置の変更を容易に行うことができ
る。
【0113】請求項6記載の点火プラグによれば、駆動
手段にソレノイドからなる駆動源を設けたので、駆動手
段の構成を簡素化することができるとともに、駆動手段
に対する制御を簡単化することができる。
【0114】請求項7記載の点火プラグによれば、機関
パラメータに機関回転数を含むので、機関回転数に応じ
て放電火花の発生位置を変更することによって、火炎伝
搬の距離を均一にすることができ、正常な燃焼状態を得
ることができる。
【0115】請求項8記載の点火プラグによれば、中心
電極および外側電極が設けられているプラグ本体と、機
関に取り付け固定されるるとともに、プラグ本体を中心
電極および外側電極が燃焼室内に突出するようにかつ外
側電極の軸線周りに角度的に回転可能に支持する固定部
材と、プラグ本体を所定回転角度位置に止定しながらプ
ラグ本体と固定部材との連結固定を行う連結部材とを設
けたので、稀薄燃料使用時にスワール、タンブルなどを
用いて混合気に乱れを与えて燃焼速度を速くしている場
合、外側電極の向きが混合気の流れを妨げない向きにな
るようにプラグ本体を所定回転角度位置に止定すること
ができ、着火性の向上、燃焼のさらなる正常化を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係る点火プラグの構
成を示す縦断面図である。
【図2】図1の点火プラグ1を用いているエンジンの点
火系統の構成を示すブロック図
【図3】図2の電流制御回路および駆動回路を示す回路
図である。
【図4】図1の点火プラグの外側電極の位置合せ状態を
示す図である。
【図5】図1の点火プラグの中心電極20の移動状態を
示す図である。
【図6】図1の点火プラグの放電ギャップの移動位置と
エンジン回転数NEとの関係を示すテーブルである。
【図7】本発明の実施の第2形態に係る点火プラグの構
成を示す縦断面図である。
【図8】図7の点火プラグの外側電極の移動状態を示す
図である。
【図9】本発明の実施の第3形態に係る点火プラグの構
成を示す縦断面図である。
【図10】図9の点火プラグの電極の移動状態を示す図
である。
【符号の説明】
1,2,3 点火プラグ 10、60 ハウジング 11,40,61 主体金具 12,62 ポッティング部 17 ターミナルナット 20 中心電極 21,70c 外側電極 22,50 アクチュエータ(駆動手段) 23 可動部 24,43,73 鉄心部 25 コイル 26 コイルボビン 28,46,71 リターンスプリング 29,47,74 固定ナット 42 プランジャ 65 可動鉄心 100 シリンダヘッド 101 燃焼室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田島 亘 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の燃焼室内に突出する中心電極
    と外側電極との間で放電火花を発生させることによって
    混合気を点火する点火プラグにおいて、前記燃焼室内に
    おける放電火花の発生位置が変化するように、前記機関
    パラメータに応じて前記中心電極と外側電極との内の少
    なくとも一方の位置を変更可能に構成したことを特徴と
    する点火プラグ。
  2. 【請求項2】 前記機関パラメータに応じて、前記中心
    電極と外側電極との内の少なくとも一方の電極をその位
    置が変更される方向へ駆動する駆動手段を設けたことを
    特徴とする請求項1記載の点火プラグ。
  3. 【請求項3】 前記外側電極は固定され、前記駆動手段
    は前記中心電極の位置が前記外側電極の位置に対し相対
    的に変化する方向に前記中心電極を駆動することを特徴
    とする請求項2記載の点火プラグ。
  4. 【請求項4】 前記中心電極は固定され、前記駆動手段
    は前記外側電極の位置が前記中心電極の位置に対し相対
    的に変化する方向に前記外側電極を駆動することを特徴
    とする請求項2記載の点火プラグ。
  5. 【請求項5】 前記駆動手段は、前記中心電極と外側電
    極との間の間隔を一定に保持しながら前記中心電極およ
    び外側電極の位置が変化する方向に前記中心電極および
    外側電極を駆動することを特徴とする請求項2記載の点
    火プラグ。
  6. 【請求項6】 前記駆動手段は、ソレノイドからなる駆
    動源を有することを特徴とする請求項2乃至5の内のい
    ずれか1つに記載の点火プラグ。
  7. 【請求項7】 前記機関パラメータは前記機関回転数を
    含むことを特徴とする請求項1乃至6の内のいずれか1
    つに記載の点火プラグ。
  8. 【請求項8】 前記中心電極および前記外側電極が設け
    られているプラグ本体と、前記機関に取り付け固定され
    るるとともに、前記プラグ本体を前記中心電極および前
    記外側電極が前記燃焼室内に突出するようにかつ前記外
    側電極の軸線周りに角度的に回転可能に支持する固定部
    材と、前記プラグ本体を所定回転角度位置に止定しなが
    ら前記プラグ本体と前記固定部材との連結固定を行う連
    結部材とを備えることを特徴とする請求項1乃至7の内
    のいずれか1つに記載の点火プラグ。
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