JPH09218090A - 熱型赤外線検知装置およびこれに用いる熱型赤外線検知素子ユニット - Google Patents

熱型赤外線検知装置およびこれに用いる熱型赤外線検知素子ユニット

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JPH09218090A
JPH09218090A JP4660496A JP4660496A JPH09218090A JP H09218090 A JPH09218090 A JP H09218090A JP 4660496 A JP4660496 A JP 4660496A JP 4660496 A JP4660496 A JP 4660496A JP H09218090 A JPH09218090 A JP H09218090A
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thermal infrared
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線測定中に検出素子の出力を補正
する。 【解決手段】 第1〜第4検知素子1〜4と補正用素
子5とが設けられ、各検知素子および補正用素子1〜5
は第1〜第5スイッチングトランジスタ21〜25を介
してプラスバス線11に接続されている。走査回路6の
第1〜第5出力端子61〜65が各スイッチングトラン
ジスタのゲートに接続し、さらに第5出力端子65はオ
フセット補正回路8のサンプルトランジスタ83のゲー
トに接続している。検知素子および補正用素子の出力は
増幅回路7を経てオフセット補正回路8に入力される。
補正用素子は検知素子と同様の電気特性を有するが赤外
線が入射しても信号値が変化しない感度とされ、補正用
素子を動作させたとき増幅手段のオフセット値が求めら
れる。オフセット補正回路8で検知素子の出力に対して
オフセット値を加減算して補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線検知装置に
関し、とくに内部に増幅手段を備える熱型赤外線検知装
置およびこれに用いる熱型赤外線検知素子ユニットに関
する。
【0002】
【従来の技術】熱型赤外線検知装置では、測定中に温度
変化などの環境変化が起こったときに内部アンプのオフ
セットが変化する。特に、極低温に冷却する必要のない
熱型赤外線検知装置では周囲温度の変化が大きく、随時
補正することが好ましい。このため、従来から、熱型赤
外線検知装置のオフセットや感度むら等を補正すること
が行われている。
【0003】このような従来の熱型赤外線検知装置とし
ては、例えば、特開昭62−298732号公報に開示
されたものがある。すなわち、単レンズ光学系の途中に
おいて、赤外線検知素子の前に開口径(絞り値)の異な
る2つの絞りを設置し、両者を交互に使用して、それぞ
れに対する測定結果から補正すべき値を決定して補正し
ている。またこの際、単レンズ光学系では、絞り値を大
きくし過ぎると赤外線検知素子を均一に照射できなくな
るので、拡散板を介在させて入射光を拡散する方法がと
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の熱型赤外線検知装置における補正は測定前に
行われるだけで、測定中に随時補正を行うような構成に
はなっていない。このため、測定中に温度変化などの環
境変化が起こっても補正する手段がなく、正確な測定が
困難であるという問題があった。本発明は、このような
従来の問題点に着目し、測定中に適切な補正が行なわれ
る熱型赤外線検知装置およびこれに用いる熱型赤外線検
知素子ユニットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため本発明の熱型赤
外線検知装置は、所定の電気特性と感度を有する検知素
子と、該検知素子と同様の電気特性を有するが感度を異
ならせて赤外線が入射しても信号値が変化しない補正用
素子とを近接して配列し、前記検知素子および補正用素
子を切り替え選択して走査する走査手段と、前記検知素
子の出力信号を増幅する増幅手段と、前記検知素子およ
び補正用素子の出力信号を用いて前記増幅手段の出力に
おけるオフセットを補正する補正手段とを有するものと
した。
【0006】とくに、上記検知素子は、温接点および冷
接点でP型サーモパイルおよびN型サーモパイルが交互
に接続されて構成され、かつ温接点が基板と熱分離され
る熱分離構造を備え、補正用素子は、熱分離構造なしに
温接点および冷接点でP型サーモパイルおよびN型サー
モパイルが交互に接続されて構成されて、補正用素子を
検知素子より低感度に構成することができる。あるい
は、検知素子の温接点上に赤外線吸収膜を備え、補正用
素子には赤外線吸収膜を備えないものとして、補正用素
子を検知素子より低感度に構成することができ、さらに
は、検知素子にのみ上記基板との熱分離構造と赤外線吸
収膜をあわせ持つようにすることもできる。
【0007】あるいはまた、検知素子は、熱的条件を異
にする抵抗体を含むホイートストンブリッジ回路を備
え、補正用素子は、熱的条件が全て同じ抵抗体のホイー
トストンブリッジ回路を備えることにより、補正用素子
を検知素子より低感度に構成することもできる。
【0008】また、本発明の熱型赤外線検知素子ユニッ
トは、所定の電気特性と感度を有する検知素子と、該検
知素子と同様の電気特性を有するが感度を異ならせて赤
外線が入射しても信号値が変化しない補正用素子とを、
基板上に隣接して配設したものとした。
【0009】上記検知素子は、温接点および冷接点でP
型サーモパイルおよびN型サーモパイルが交互に接続さ
れて構成され、かつ温接点を囲む領域の基板が除去され
るとともに、温接点上に赤外線吸収膜を備えて熱分離構
造が形成され、補正用素子は、熱分離構造なしに温接点
および冷接点でP型サーモパイルおよびN型サーモパイ
ルが交互に接続されて構成されて、補正用素子が検知素
子より低感度に構成するのが望ましい。
【0010】あるいはまた、検知素子は、複数の抵抗体
からなるホイートストンブリッジ回路を備え、その1の
抵抗体を囲む領域の基板が除去されるとともに、該1の
抵抗体上に赤外線吸収膜を備えて熱分離構造が形成さ
れ、補正用素子は、熱分離構造なしに熱的条件が全て同
じ複数の抵抗体からなるホイートストンブリッジ回路を
備えて、補正用素子を検知素子より低感度に構成するこ
ともできる。
【0011】
【作用】本発明の熱型赤外線検知装置においては、まず
走査手段により補正用素子を動作させて、その時点での
増幅手段の出力をオフセット値として求める。次に、検
知素子を動作させて検知素子の出力を求め、補正手段に
おいて上記オフセット値を基に検知素子の出力値が補正
される。すなわち、補正用素子は赤外線が入射しても信
号値が変化しないので、補正用素子の動作時には増幅手
段などにおけるオフセット値が出力される。このオフセ
ット値が検知素子の出力値から加減算される。次のサイ
クルでも同様に、補正用素子を動作させてその時点での
オフセット値を求め、そのオフセット値を基に検知素子
の出力値を補正し、以降装置の停止まで同じ動作を繰り
返すことにより、常にオフセット値が補正された正確な
測定値が得られる。
【0012】とくに、検知素子に熱分離構造を備え、補
正用素子には熱分離構造を備えないものとすることによ
り、検知素子からは赤外線の強さに対応した信号が得ら
れる一方、補正用素子からは赤外線に応じた出力変化は
なく増幅手段などにおけるオフセット値のみが有効に取
り出される。
【0013】本発明の熱型赤外線検知素子ユニットによ
れば、所定の電気特性と感度を有する検知素子と、該検
知素子と同様の電気特性を有するが感度を異ならせて赤
外線が入射しても信号値が変化しない補正用素子とが、
基板上に隣接して配設されているから、赤外線入射部に
容易に設置でき、補正用素子と検知素子を順次に動作さ
せて無信号状態と赤外線の強さに対応した信号出力状態
とを得、これにより後段において無信号状態時の出力と
して増幅手段などにおけるオフセット値を得ることがで
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明の第1の実施例の構成を示す図
である。第1〜第4検知素子1〜4、および補正用素子
5が一列に整列した状態で設置されている。各検知素子
および補正用素子のプラス側出力端子114のそれぞれ
は第1〜第5スイッチングトランジスタ21〜25を介
してプラスバス線11に接続されており、各検知素子お
よび補正用素子のマイナス側出力端子115のそれぞれ
はマイナスバス線14に接続されている。第1〜第5ス
イッチングトランジスタ21〜25の各ゲートは走査回
路6の第1〜第5出力端子61〜65に接続され、走査
回路6は動作入力端子10に入力する信号に従い動作
し、第1〜第5出力端子から信号a、b、c、d、eを
出力する。
【0015】プラスバス線11とマイナスバス線14は
増幅回路7に接続され、プラスバス線11上の信号fを
増幅した増幅回路7の出力gは、オフセット補正回路8
に入力されている。そして、オフセット補正回路8でオ
フセットを補正された信号hが出力端子13より出力さ
れる。増幅回路7は、第1〜第3オペアンプ70〜72
と第1〜第4抵抗73〜76で構成されている。プラス
バス線11が第1オペアンプ70に、マイナスバス線1
4が第2オペアンプ71に接続し、これらの出力が第3
オペアンプ72の比較入力となっている。
【0016】オフセット補正回路8は、第4オペアンプ
80、第5、第6抵抗81、82、サンプルトランジス
タ83およびホールドキャパシタ84で構成されてい
る。そして、増幅回路7からは先の第3オペアンプ72
の出力が第5抵抗81を介して第4オペアンプ80の一
方の比較入力とされ、またサンプルトランジスタ83を
介してホールドキャパシタ84に印加される。このホー
ルドキャパシタ84の端子電圧が第4オペアンプ80の
他方の比較入力とされる。サンプルトランジスタ83の
ゲートには、走査回路6の第5出力端子65よりの信号
eが入力するようになっている。
【0017】図2は検知素子(第1〜第4検知素子)の
構造を示す。とくに図2の(a)は、1つの検知素子の
平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。基板1
16は(100)面を表面とする。この表面上にはSi
Nの薄膜層118が形成されている。薄膜層118上に
は、ポリシリコンなどにより形成され、P型にドープさ
れたP型サーモパイル110と、N型にドープされたN
型サーモパイル111が交互に、かつ直列に接続されて
配置されている。この薄膜層118には、サーモパイル
列間のスペースに、異方性エッチングで基板116の一
部を除去して熱分離を良くするためのエッチング孔11
9が形成されている。
【0018】P型サーモパイル110とN型サーモパイ
ル111の接続には、Al電極が使用され、中心部が温
接点113、周辺部が冷接点112となっている。温接
点113を囲む領域は、エッチング孔119から異方性
エッチングにより(111)面121を側面とする4角
錐状に基板116の一部が除去され、熱分離構造に形成
されている。また、層間絶縁膜120を介して温接点1
13の上部にAu黒膜等による赤外線吸収膜117が設
けられている。
【0019】一方、補正用素子5も、P型サーモパイル
110、N型サーモパイル111、冷接点112、およ
び温接点113等を備え、検知素子1〜4と同様に配
置、接続されている。しかし、補正用素子5の薄膜層1
18には、検知素子1〜4のサーモパイル列間のスペー
スに形成されていたエッチング孔119が形成されてい
ない。したがって、基板の一部を除去する異方性エッチ
ング時にも基板116の一部が除去されない。このた
め、温接点113と基板116との熱分離が行なわれて
いない。また、補正用素子5では温接点113をカバー
する赤外線吸収膜117も設けられておらず、したがっ
て、入射赤外線は均一に吸収され、温接点113と冷接
点112とに温度差が生じないものとなっている。この
ため、補正用素子5は、赤外線が入射しても該赤外線の
強さに対応した信号を出力しない。
【0020】つぎに、上記構成における動作を図3のタ
イミングチャートを参照して説明する。図中、(a)、
(b)、(c)、(d)、(e)は走査回路6の出力端
子61〜65からの信号を示し、(f)はプラスバス線
11上の信号、(g)、(h)はそれぞれ増幅回路7、
オフセット補正回路8の出力を示す。動作入力端子10
に外部から所定の電圧が印加されると、走査回路6が動
作を開始し、出力端子61〜65から(a)、(b)、
(c)、(d)、(e)のように順次H信号(ハイレベ
ル信号)を出力する。この信号は順次スイッチングトラ
ンジスタ21〜25のゲートに送られ、スイッチングト
ランジスタ21〜25が順次オンする。例えば、走査回
路6の出力端子61から(a)のように、時刻t=TA
にH信号が出力されると、スイッチングトランジスタ2
1がオンして、(f)のFaに示すようにプラスバス線
11に検知素子1の出力が送出される。
【0021】このプラスバス線11に送出された信号
(f)は、増幅回路7で増幅される。このとき、プラス
バス線11上の信号(f)は非常に微弱であり、かつ、
第1検知素子1や第2〜第4検知素子2〜4の出力イン
ピーダンスは高い。したがって、初段増幅はインスツル
メンテーションアンプ構成となっており、増幅率はA1
=2*(R2/R1)である。ここでR1は第1抵抗7
3の抵抗値、R2は第2抵抗74(74a、74b)の
抵抗値である。また、次段は差動増幅器であり、増幅率
A2=R4/R3である。ここでR3は第3抵抗75
(75a、75b)の抵抗値、R4は第4抵抗76(7
6a、76b)の抵抗値である。
【0022】オフセット補正回路8では、増幅回路7で
増幅された信号(g)から時刻TEで取り込まれたオフ
セット電圧が除かれ、正確な出力信号(h)が信号出力
端子13より外部に出力される。次に、このオフセット
補正の動作を詳細に説明する。 先ず、補正用素子5へ
信号が入力される段階より説明する。まず、図3の
(e)に示すように、時刻TEで走査回路6が出力端子
65からH信号を出力するとする。すると、スイッチン
グトランジスタ25がオンし、プラスバス線11には
(f)のFeに示すように補正用素子5の出力信号値が
現れる。
【0023】補正用素子5には、前述のようにエッチン
グ孔119が設けられておらず、基板の除去部分がない
から、温接点113と基板116との熱分離がなされて
いない。そして赤外線吸収膜117も設けられていな
い。 したがって、温接点113と冷接点112との熱
的条件が同じであるので、補正用素子5は赤外線入射に
よる信号を出力しない。しかし、補正用素子5における
P型サーモパイル110、N型サーモパイル111の配
置や接続などは、第1〜第4検知素子1〜4と同じであ
るから、電気特性は第1〜第4検知素子1〜4と同等で
ある。このため、増幅回路7の出力(g)に現れるオフ
セット信号GXは、第1〜第4検知素子1〜4のオフセ
ット相当分に極めて類似したものとなる。これにより、
第1〜第4検知素子1〜4に基づく出力値Ga、Gb、
Gc、Gdに対して補正用素子5の出力値(オフセット
値)GXを加減算することにより、正確な赤外線値が得
られる。
【0024】また、時刻TEにおいては、オフセット補
正回路8のサンプルトランジスタ83は、走査回路6の
出力端子65よりの信号eがゲートに入力されているの
でオン状態にある。このため、増幅回路7の出力端子1
2に現れたオフセット信号GXはホールドキャパシタ8
4に記憶される。また、オペアンプ80は、サンプルト
ランジスタ83がオン状態にあるので、入力端子が短絡
されている状態になってい。したがって、出力端子13
には信号が現れない。補正用素子5へのアクセス時間が
終了すると、図3の(e)のように、走査回路6の出力
端子65はL(ロウ)状態にもどる。これに従って、サ
ンプルトランジスタ83もオフ状態となり、サンプルキ
ャパシタ84の電圧は固定される。
【0025】次いで前述のように、時刻TAでは、
(a)のように走査回路6の出力端子61よりH信号が
出力し、スイッチングトランジスタ21がオン状態とな
り、プラスバス線11に第1検知素子1の信号Faが現
れる。第1検知素子1の信号は増幅回路7で増幅され、
オフセット補正回路8へ送られる。オフセット補正回路
8では、ホールドキャパシタ84に記憶された時刻TE
におけるオフセット値(信号)GXを基に加減算を行
い、検知素子1の出力値(信号)Gaを補正して、
(h)に示すように、出力端子13よりHaを出力す
る。
【0026】同様にして、順次走査回路6の出力端子6
2〜64よりH信号が出力し、第2〜第4検知素子2〜
4より、順次、信号がプラスバス線11に出力され、オ
フセット補正回路8で補正される。このようにして、1
サイクル、すなわち、補正用素子5→第1検知素子1・・
→第4検知素子4の流れが終わると、次のサイクルでは
新たなオフセット電圧がホールドキャパシタ84に記憶
され、そのオフセット電圧値を基に補正が行われる。こ
うして1サイクルごとに、第1〜第4検知素子1〜4の
出力値はそのサイクルにおけるオフセット量だけ補正さ
れて出力端子13よりHa〜Hdのように出力される。
【0027】以上のように、本実施例によれば、1サイ
クルごとに検知素子の補正が行われるので、温度変化な
どの環境変化に左右されることなく、高精度に赤外線を
検知することができる。
【0028】図4には、本発明の第2の実施例を示す。
本実施例では、検知素子として抵抗値の温度変化によっ
て入射赤外線を検知するポロメータを使用した第1〜第
4検知素子201〜204を用い、補正用素子として赤
外線の検知能力の無い変形素子からなる補正用素子20
5を使用する。図5は検知素子(第1〜第4検知素子)
の構造を示し、(a)はその平面図、(b)は(a)の
B−B断面図である。検知素子は、基板216の表面上
にSiNの薄膜層218が形成されている。薄膜層21
8上に、温度によって抵抗値の変化する4個の薄膜抵抗
体222a〜222dが設けられており、薄膜抵抗体2
22a〜222dは、導線223で接続されてホイート
ストンブリッジ回路を形成している。
【0029】薄膜層218には、薄膜抵抗体222aの
周囲スペースに、異方性エッチングで基板216の一部
を除去して熱分離を良くするためのエッチング孔219
が形成されている。薄膜抵抗体222aを囲む領域は、
エッチング孔219から異方性エッチングにより(11
1)面221を側面とする4角錐状に基板216の一部
が除去され、熱分離構造に形成されている。他の薄膜抵
抗体222b〜222dに対応する領域については、基
板216のエッチング除去はなされない。さらに薄膜抵
抗体222aの上部には層間絶縁膜220を介してAu
黒膜等による赤外線吸収膜217が設けられている。
【0030】第1〜第4検知素子201〜204および
補正用素子205は、それぞれの導線223に設けられ
た端子Mを定電流源224に、端子Nをマイナスバス線
14に、端子Pをアースに、端子Qをそれぞれ第1〜第
5スイッチングトランジスタ21〜25を介してプラス
バス線11に接続している。また薄膜抵抗体222a〜
222dによって、ホイートストンブリッジ回路が形成
されている。なお、第1〜第4検知素子201〜204
および補正用素子205以外の構成は、前述の第1の実
施例と同じであるから、同一部分には同一符号を付し
て、その構成及び動作の説明を省略する。なおまた、理
解を容易にするため、図4ではエッチング孔に対する検
知素子および補正用素子の薄膜抵抗体の大きさを図5に
おけるよりも大きく表示してある。
【0031】上記構成において、赤外線の検出時には、
端子M、P間に定電流源224より一定電流を流してお
く。赤外線が入射していないときはホイートストンブリ
ッジ回路がバランスしているために端子N、Q間には電
圧が発生しない。赤外線が入射すると、熱分離構造とさ
れた薄膜抵抗体222aの温度が上昇するために抵抗値
が変化し、ホイートストンブリッジ回路のバランスが崩
れて、端子N、Q間に電圧が発生する。この電圧値は入
射した赤外線量に対応するので、当該電圧値によって入
射赤外線量を検出することができる。
【0032】一方、補正用素子205は、その薄膜抵抗
体222aについて熱分離構造に形成されておらず、全
ての薄膜抵抗体222a〜222dは、赤外線入射時に
おいて熱的に同一条件にある。従って、赤外線が入射し
てもホイートストンブリッジ回路のバランスが崩れるこ
とはない。このため、端子N、Q間に電圧は発生しな
い。しかし、補正用素子205の電気特性は第1〜第4
検知素子201〜204と同等に構成されている。その
ため、増幅回路7の出力gに現れるオフセット値は第1
〜第4検知素子201〜204の場合の増幅回路7の出
力に現れる信号内のオフセット値と極似したものであ
る。
【0033】したがって、本実施例においても第1の実
施例と同様に、第1〜第4検知素子の出力値に対して補
正用素子の出力値を加減算することによって正確に赤外
線を検出することができ、温度変化などの環境変化に左
右されることなく、高精度に赤外線を検知することがで
きる。
【0034】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、検知素子およ
びこれと同様の電気特性を有するが感度を異ならせて赤
外線が入射しても信号値が変化しない補正用素子とを近
接して配列し、走査手段により補正用素子を動作させて
増幅手段のオフセット値を求め、次に検知素子の出力を
オフセット値を基に補正するものとしたので、1サイク
ル毎に補正が行なわれ、温度変化などの環境変化に左右
されることなく常に高精度に赤外線を検知することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示す図である。
【図2】第1の実施例における検知素子の詳細構造を示
す図である。
【図3】実施例の動作を説明するタイミングチャートで
ある。
【図4】第2の実施例の構成を示す図である。
【図5】第2の実施例における検知素子の詳細構造を示
す図である。
【符号の説明】
1、2、3、4 第1〜第4検知素子 5 補正用素子 6 走査回路(走査手段) 7 増幅回路(増幅手段) 8 オフセット補正回路(補正手段) 10 動作入力端子 11 プラスバス線 13 出力端子 14 マイナスバス線 21〜25 第1〜第5スイッチングトランジスタ 61、62、63、64、65 第1〜第5出力端子 70、71、72 第1〜第3オペアンプ 73、74、75、76 第1〜第4抵抗 80 第4オペアンプ 81 第5抵抗 82 第6抵抗 83 サンプルトランジスタ 84 ホールドキャパシタ 21、22、23、24、25 第1〜第5スイッチ
ングトランジスタ 110 P型サーモパイル 111 N型サーモパイル 112 冷接点 113 温接点 114 プラス出力端子 115 マイナス出力端子 116、216 基板 117、217 赤外線吸収膜 118、218 薄膜層 119、219 エッチング孔 120、220 層間絶縁膜 121、221 (111)面 201、202、203、204 第1〜第4検知素
子 205 補正用素子 222a〜d 薄膜抵抗体 223 導線 224 定電流源

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の電気特性と感度を有する検知素子
    と、該検知素子と同様の電気特性を有するが感度を異な
    らせて赤外線が入射しても信号値が変化しない補正用素
    子とを近接して配列し、前記検知素子および補正用素子
    を切り替え選択して走査する走査手段と、前記検知素子
    の出力信号を増幅する増幅手段と、前記検知素子および
    補正用素子の出力信号を用いて前記増幅手段の出力にお
    けるオフセットを補正する補正手段とを有することを特
    徴とする熱型赤外線検知装置。
  2. 【請求項2】 前記検知素子は、温接点および冷接点で
    P型サーモパイルおよびN型サーモパイルが交互に接続
    されて構成され、かつ前記温接点が基板と熱分離される
    熱分離構造を備え、前記補正用素子は、熱分離構造なし
    に温接点および冷接点でP型サーモパイルおよびN型サ
    ーモパイルが交互に接続されて構成されて、補正用素子
    が検知素子より低感度に構成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の熱型赤外線検知装置。
  3. 【請求項3】 前記検知素子は、温接点および冷接点で
    P型サーモパイルおよびN型サーモパイルが交互に接続
    されて構成され、かつ前記温接点上に赤外線吸収膜を備
    えて、補正用素子が検知素子より低感度に構成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の熱型赤外線検知装
    置。
  4. 【請求項4】 前記検知素子は、温接点および冷接点で
    P型サーモパイルおよびN型サーモパイルが交互に接続
    されて構成され、かつ前記温接点が基板と熱分離される
    熱分離構造を備えるとともに、前記温接点上に赤外線吸
    収膜を備え、前記補正用素子は、熱分離構造なしに温接
    点および冷接点でP型サーモパイルおよびN型サーモパ
    イルが交互に接続されて構成されて、補正用素子が検知
    素子より低感度に構成されていることを特徴とする請求
    項1記載の熱型赤外線検知装置。
  5. 【請求項5】 前記検知素子は、熱的条件を異にする抵
    抗体を含むホイートストンブリッジ回路を備え、前記補
    正用素子は、熱的条件が全て同じ抵抗体のホイートスト
    ンブリッジ回路を備えて、補正用素子が検知素子より低
    感度に構成されていることを特徴とする請求項1記載の
    熱型赤外線検知装置。
  6. 【請求項6】 所定の電気特性と感度を有する検知素子
    と、該検知素子と同様の電気特性を有するが感度を異な
    らせて赤外線が入射しても信号値が変化しない補正用素
    子とを、基板上に隣接して配設したことを特徴とする熱
    型赤外線検知素子ユニット。
  7. 【請求項7】 前記検知素子は、温接点および冷接点で
    P型サーモパイルおよびN型サーモパイルが交互に接続
    されて構成され、かつ温接点を囲む領域の基板が除去さ
    れるとともに、温接点上に赤外線吸収膜を備えて熱分離
    構造が形成され、前記補正用素子は、熱分離構造なしに
    温接点および冷接点でP型サーモパイルおよびN型サー
    モパイルが交互に接続されて構成されて、補正用素子が
    検知素子より低感度に構成されていることを特徴とする
    請求項6記載の熱型赤外線検知素子ユニット。
  8. 【請求項8】 前記検知素子は、複数の抵抗体からなる
    ホイートストンブリッジ回路を備え、その1の抵抗体を
    囲む領域の基板が除去されるとともに、該1の抵抗体上
    に赤外線吸収膜を備えて熱分離構造が形成され、前記補
    正用素子は、熱分離構造なしに熱的条件が全て同じ複数
    の抵抗体からなるホイートストンブリッジ回路を備え
    て、補正用素子が検知素子より低感度に構成されている
    ことを特徴とする請求項6記載の熱型赤外線検知素子ユ
    ニット。
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