JPH09218018A - 深さ測定方法及び装置 - Google Patents

深さ測定方法及び装置

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JPH09218018A
JPH09218018A JP8022708A JP2270896A JPH09218018A JP H09218018 A JPH09218018 A JP H09218018A JP 8022708 A JP8022708 A JP 8022708A JP 2270896 A JP2270896 A JP 2270896A JP H09218018 A JPH09218018 A JP H09218018A
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pattern
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light beam
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JP8022708A
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Naomasa Shiraishi
直正 白石
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周期的に凹凸を繰り返す被検パターンの凹部
の深さ(段差)を高精度に測定する。 【解決手段】 レーザ光源LS1〜LS3、及び回転ラ
ジアル格子板RRG等によって発生した3波長の+1次
回折光よりなる送光ビームLFP、及び−1次回折光よ
りなる送光ビームLFMをウエハW上の段差パターンM
Gに対称に照射し、段差パターンMGから平行に発生す
る送光ビームLFPの正反射光と送光ビームLFMの1
次回折光との合成光束B、及び送光ビームLFMの正反
射光と送光ビームLFPの1次回折光との合成光束A
を、波長別に光電検出器13a〜16bで受光する。光
電検出器13a〜16bから出力される検出信号IA1
〜IB3、送光ビームの波長、及び段差パターンMGの
凹部と凸部とのX方向の幅の比等に基づいて、段差パタ
ーンMGの凹部の深さを算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周期的な凹凸のパ
ターンの凹部の深さ又は段差を測定するための深さ測定
方法及び深さ測定装置に関し、特に例えば半導体素子等
におけるトレンチ構造やアライメントマーク等の微細な
溝状パターンの深さ又は段差を測定する際に使用して好
適なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体素子は、ウエハ上に多層の
回路パターンを所定の位置関係で積み重ねることによっ
て形成され、各層の回路パターンを形成するためのフォ
トリソグラフィ工程では、露光装置によってマスクとし
てのレチクルのパターン像が所定の倍率でウエハ上のフ
ォトレジスト層に転写される。そして、露光装置によっ
てウエハの2層目以降にレチクルのパターンを転写する
際には、それまでの工程でウエハ上に形成されているア
ライメントマークの位置を検出し、この検出結果に基づ
いてレチクルのパターンとウエハの各ショット領域に既
に形成されているパターンとの位置合わせ(アライメン
ト)を行った上で、所謂重ね合わせ露光が行われる。
【0003】従来のウエハ上のアライメントマークは、
通常計測方向に沿ってウエハ上に所定ピッチで形成され
た凹凸のパターンである。以下では、そのように所定方
向に周期的に配列された凹凸のパターンを溝状パターン
とも呼び、その溝状パターンの内で凹凸のピッチが小さ
い微細なパターンを微細溝状パターンとも呼ぶ。このよ
うな微細溝状パターンよりなるアライメントマークを例
えば所定の帯域幅の照明光を用いる撮像方式のアライメ
ントセンサで検出する場合には、そのアライメントマー
クの像の内で凸部と凹部との境界部に対応する部分が例
えば暗線となるため、その暗線の位置を検出することが
できる。また、アライメントセンサの中には、回折格子
状の微細溝状パターンよりなるアライメントマークに対
してレーザビームのような光ビームを照射して、そのパ
ターンからの回折光を検出し、この回折光の強度に基づ
いて位置検出を行うレーザ・ステップ・アライメント方
式(LSA方式)や、そのパターンに対して2方向から
可干渉な光ビームを照射し、そのパターンから平行に射
出される1対の回折光を光電変換して得られるビート信
号の位相に基づいて位置検出を行う2光束干渉方式(L
IA方式)のように、微細溝状パターンからの所定の方
向への回折光に基づいて位置検出を行うセンサもある。
【0004】例えば、このように微細溝状パターンから
の所定の方向への回折光に基づいて位置検出を行う場合
には、そのパターンの凹部の深さ、即ち凸部と凹部との
段差によって発生する回折光の強度が変化し、場合によ
っては得られる検出信号のSN比が悪化することもあ
る。従って、そのパターンの深さが所定の範囲内に収ま
るように製造工程を管理する必要があるが、そのために
はそのパターンの深さを正確に測定する必要がある。
【0005】また、ウエハ上のアライメントマーク以外
にも、溝状パターンの凹部の深さを正確に管理する必要
のある場合には、前提としてその深さを正確に測定する
必要がある。従来より、微細溝状パターンの深さ(段
差)の測定方法としては、その微細溝状パターン及びそ
の周囲に多波長の光束を照射し、その正反射光を受光
し、そのスペクトル分布より深さを算出する方法が使用
されている。
【0006】これは、その微細溝状パターンの底部(凹
部)からの反射光と上面(周囲)からの反射光とが干渉
し、両反射光の光路差(深さの2倍)に伴う位相差によ
り、特定の波長の反射光が強くあるいは弱くなることを
利用したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き従来の技術においては、溝状パターンの凹部、及び
その周囲の部分からの反射光の強度に依存した検出を行
うため、得られる検出信号のSN比があまり良くないと
いう不都合があった。また、その溝状パターンの材質
が、検出光の波長域内で反射率が変化する材質であると
きには、波長に対する材質固有の反射率変化が上記の深
さ変化に伴う反射率変化に影響を及ぼすため、深さの検
出精度が著しく低下するという不都合がある。
【0008】これに関して、予め、材質固有の反射率変
化を測定装置に入力しておいて補正することも考えられ
る。しかしながら、被測定物の表面に自然酸化膜や段差
(堀込み)形成のためのエッチングマスク用の薄膜が存
在すると、薄膜干渉効果により波長の変化と共に反射率
が変動するため、このような補正は困難である。本発明
は斯かる点に鑑み、例えば微細溝状パターンのように周
期的に凹凸を繰り返す被検パターンの凹部の深さ(段
差)を高精度に測定できる深さ測定方法を提供すること
を目的とする。
【0009】更に、本発明はそのような深さ測定方法を
実施できる深さ測定装置を提供することをも目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による深さ測定方
法は、基板(W)上で所定方向(X方向)に周期的に凹
凸を繰り返すように形成された被検パターン(MG)の
凹部の深さを光学的に測定する深さ測定方法において、
被検パターン(MG)の周期をPとしたとき、その被検
パターン上にそれぞれ可干渉な第1及び第2の光ビーム
よりなり互いに波長の異なる複数対の光ビーム(LF
P,LFM)を照射することによって、その被検パター
ン上にその所定方向にそれぞれ振幅分布の周期が2P/
m(mは自然数)の複数波長の干渉縞を形成し、それら
複数波長のそれぞれについて、その第1の光ビームによ
る被検パターン(MG)からの正反射光とその第2の光
ビームによる被検パターン(MG)からのm次回折光と
を合成してなる第1の合成光束(A1,A2,A3)
と、その第2の光ビームによる被検パターン(MG)か
らの正反射光とその第1の光ビームによる被検パターン
(MG)からのm次回折光とを合成してなる第2の合成
光束(B1,B2,B3)とを受光し、被検パターン
(MG)とその干渉縞とをその所定方向に相対的に走査
したときにそれら複数波長のそれぞれについて得られる
それら第1及び第2の合成光束の光電変換信号(IA1
〜IA3,IB1〜IB3)と、それら複数波長とに基
づいて被検パターン(MG)の凹部の深さを算出するも
のである。
【0011】斯かる本発明によれば、例えば自然数mが
1の場合には、複数波長の各波長毎に、周期Pの被検パ
ターン(MG)上に2つの光ビームによって振幅分布の
ピッチが2Pの干渉縞が形成される。その結果、被検パ
ターン(MG)から発生する反射光、及び回折光の内、
第1の光ビーム(LFP)の正反射光(0次回折光)
と、第2の光ビーム(LFM)の1次回折光とは同一方
向に回折して、相互に干渉し合う第1の合成光束(B1
〜B3)となる。同様に、第2の光ビーム(LFM)の
正反射光と、第1の光ビーム(LFP)の1次回折光と
も同一方向に回折して、相互に干渉し合う第2の合成光
束(A1〜A3)となる。
【0012】これらの干渉は、発生した0次回折光(正
反射光)及び1次回折光の相互の位相差に基づいて生じ
るものであり、逆に、これらの合成光束の強度変化よ
り、0次回折光と1次回折光との相互の位相差を求める
ことができる。更には、0次、及び1次の両回折光は、
前述の周期的段差パターンとしての被検パターン(9)
の反射率、凸部と凹部との幅の比、段差量(光の位相
差)等に応じて発生し、且つ強度差や位相差が生じるも
のなので、第1の合成光束(B1〜B3)の強度変化に
対応する信号と第2の合成光束(A1〜A3)の強度変
化に対応する信号との位相差から、その被検パターン
(MG)の凹部の深さを高精度に求めることができる。
【0013】更に、単一波長λ1 の光束を使用する場合
には、その凹部の深さdは0以上の整数J1 及び所定の
位相θ1(0≦θ1 <2π)を用いて、次のように表現さ
れる。 d=(2π・J1 +θ11 /(4π) (A1) この場合、単独では整数J1 の値は特定できないため
に、その単一波長の光束を使用する場合に特定できる深
さdの範囲は、例えば0からλ1 /2までの範囲内であ
る。これに対して、別の波長λ2 の光束を使用すること
によって、その凹部の深さdは0以上の整数J2 及び位
相θ2(0≦θ2 <2π)を用いて、次のように表現され
る。
【0014】 d=(2π・J2 +θ21 /(4π) (A2) この場合も、単独では整数J2 の値は特定できないが、
(A1)式と(A2)式とを組み合わせることによっ
て、整数J1 及びJ2 の組み合わせを決定できる場合が
ある。従って、複数波長の光束を使用することによっ
て、計測できる深さdの範囲をかなり広くできる。
【0015】また、自然数mの値が2以上の場合には、
上述の1次回折光の代わりに2次以上のm次回折光が使
用されるが、この場合でも1次回折光を使用する場合と
同様に深さを算出できる。次に、本発明において、被検
パターン(MG)の凹部の深さを算出する際に、それら
複数波長のそれぞれについて得られる第1及び第2の合
成光束(A1〜A3,B1〜B3)の光電変換信号の位
相及びコントラストと、それら複数波長と、その被検パ
ターン(MG)の形状としての被検パターン(MG)の
凹部及び凸部のその所定方向への幅の比と、を用いるこ
とが望ましい。この場合、特に被検パターン(MG)の
凹部及び凸部のその所定方向への幅の比は設計値を用い
ても十分な精度が得られるため、その深さを高精度に算
出できる。
【0016】また、それら複数波長のそれぞれについて
被検パターン(MG)からの正反射光とm次回折光との
光量比を計測し、被検パターン(MG)の凹部の深さを
算出する際に、それら複数波長のそれぞれについて得ら
れる第1及び第2の合成光束(A1〜A3,B1〜B
3)の光電変換信号の位相と、それら複数波長と、その
被検パターン(MG)の形状としての被検パターン(M
G)の凹部及び凸部のその所定方向への幅の比と、それ
ら複数波長のそれぞれについて計測される正反射光とm
次回折光との光量比と、を用いるようにしてもよい。こ
れに関して、上述のように第1及び第2の合成光束(A
1〜A3,B1〜B3)の光電変換信号のコントラスト
を使用する場合には、このコントラストより正反射光と
m次回折光との光量比が算出される。従って、このよう
に光量比を実測することによって、より正確に深さが算
出される。
【0017】また、本発明による深さ測定装置は、基板
(W)上で所定方向に周期的に凹凸を繰り返すように形
成された被検パターン(MG)の凹部の深さを光学的に
測定する深さ測定装置において、被検パターン(MG)
の周期をPとしたとき、被検パターン(MG)上にその
所定方向に振幅分布の周期が2P/m(mは自然数)の
異なる複数波長の干渉縞を形成すべく、被検パターン
(MG)上にそれぞれ可干渉な第1及び第2の光ビーム
よりなり互いに波長の異なる複数対の光ビーム(LF
P,LFM)を照射する送光光学系(LS1〜LS3,
1〜11)と、それら複数波長のそれぞれについて、そ
の第1の光ビームによる被検パターン(MG)からの正
反射光とその第2の光ビームによる被検パターン(M
G)からのm次回折光とを合成してなる第1の合成光束
(B1〜B3)と、その第2の光ビームによる被検パタ
ーン(MG)からの正反射光とその第1の光ビームによ
る被検パターン(MG)からのm次回折光とを合成して
なる第2の合成光束(A1〜A3)とを受光する光電変
換手段(13a,13b,15a,15b,16a,1
6b)と、を有する。
【0018】更に、本発明の深さ測定装置は、被検パタ
ーン(MG)とその干渉縞とをその所定方向に相対的に
走査する相対走査手段(RRG)と、この相対走査手段
によって被検パターン(MG)とその干渉縞とを相対的
に走査したときにその光電変換手段から出力される光電
変換信号と、それら複数波長とに基づいて被検パターン
(MG)の凹部の深さを算出する深さ算出手段(17)
と、を有するものである。斯かる本発明の深さ測定装置
によって上述の深さ測定方法が実施できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
につき図面を参照して説明する。本例は、露光装置にお
いて位置合わせに使用される半導体ウエハ上のアライメ
ントマークの凹部の深さ(段差)を測定するための、光
学式の深さ測定装置に本発明を適用したものである。
【0020】図1は本例の光学式の深さ測定装置を概念
的に表す構成図であり、この図1において、3つのレー
ザ光源LS1,LS2,LS3はそれぞれ異なる波長λ
1 ,λ2 ,λ3 のコヒーレントなレーザビームLB1,
LB2,LB3を射出する。一例として、レーザ光源L
S1は波長λ1 が633nmのレーザビームLB1を発
生するHe−Neレーザ光源、レーザ光源LS2は波長
λ2 が690nmのレーザビームLB2を発生する半導
体レーザ光源、レーザ光源LS3は波長λ3 が780n
mのレーザビームLB3を発生する半導体レーザ光源に
設定され、波長の関係はλ1 <λ2 <λ3 に選ばれるも
のとする。
【0021】これら3本のレーザビームLB1,LB
2,LB3はミラー1、ダイクロイックミラー2,3を
介して1本の同軸のレーザビームLB0 に合成され、レ
ーザビームLB0 はミラー4で反射されて回転ラジアル
格子板RRGに入射する。この回転ラジアル格子板RR
Gは、回転軸C0 の回りに一方向に等角速度で高速回転
している。
【0022】図2は、回転ラジアル格子板RRGの拡大
斜視図であり、この図2において、回転軸C0 をXYZ
座標系のX軸と平行に設定してある。その回転ラジアル
格子板RRGは、ガラス基板よりなる透明円板の円周上
に、回転軸C0 を中心として360°に渡って所定の角
度ピッチで凹凸の位相回折格子RGを形成したものであ
り、その位相回折格子RGに3波長の光束を含むレーザ
ビームLB0 が垂直に入射している。この結果、位相回
折格子RGより0次回折光D0 以外に、各種の回折光が
発生する。本例では±1次回折光を用いてヘテロダイン
干渉を実現するので、図2では回転ラジアル格子板RR
Gからの波長λ1 ,λ2 ,λ3 のレーザビームの+1次
回折光DP11,DP12,DP13、及び波長λ1 ,λ2
λ3 のレーザビームの−1次回折光DM11,DM12,D
13のみを示してある。また、3本の+1次回折光DP
11,DP12,DP13をまとめて第1の送光ビームLFP
で表し、3本の−1次回折光DM11,DM12,DM13
まとめて第2の送光ビームLFMで表している。
【0023】この場合、波長λ1 ,λ2 ,λ3 を波長λ
n(n=1,2,3)で表し、レーザビームLB0 の照射
点での位相回折格子RGの周期をPrgとすると、波長λ
n のレーザビームの1次回折光の回折角θn は以下のよ
うに表される。 sin θn =λn /Prg (1) 一方、本例の回転ラジアル格子板RRGは回転軸C0
回りに等角速度で高速回転しているため、回転ラジアル
格子板RRGからの0次以外の各次数の回折光の周波数
は、その角速度に応じた分だけ増減する。
【0024】そして、送光ビームLFPは波長に依らず
一定の周波数変位Δfを受け、回転ラジアル格子板RR
Gの位相回折格子RGがレーザビームLB0 を横切る速
度をVとすると、その周波数変位Δfは次のように表さ
れる。 Δf=V/Prg 従って、+1次回折光よりなる送光ビームLFPは0次
回折光D0 の周波数に対してΔfだけ高くなる。これに
対して、−1次回折光よりなる送光ビームLFMの周波
数は、波長に依らずに0次回折光D0 の周波数に対して
Δfだけ低くなる。即ち、回転ラジアル格子板RRG
は、周波数シフタとしても作用し、送光ビームLFPと
送光ビームLFMとの周波数差は2・Δfとなってい
る。
【0025】図1に戻り、3つの波長λ1 〜λ3 のレー
ザビームの+1次回折光よりなる送光ビームLFP、3
つの波長λ1 〜λ3 のレーザビームの−1次回折光より
なる送光ビームLFM、及び0次回折光D0 は、コリメ
ータレンズ5により主光線が互いに平行になるように変
換され、光束選択部材としての空間フィルタ6に入射す
る。この空間フィルタ6は、回転ラジアル格子板RRG
に対する光学的フーリエ変換面に配置されて、0次回折
光D0 を遮断して、送光ビームLFP,LFMのみを通
過させる。
【0026】空間フィルタ6を通過した送光ビームLF
P,LFMは、調整光学系としての傾斜量可変の平行平
板ガラス7を透過し、更に送光ビームLFP及び送光ビ
ームLFMはそれぞれ調整光学系としての傾斜量可変の
平行平板ガラス9及び8を透過してビームスプリッタ1
0に達する。平行平板ガラス7は、送光ビームLFP,
LFMのフーリエ空間での間隔を変えることなく、それ
ら送光ビームをコリメータレンズ5の光軸に対して同時
に偏心させる機能を有し、平行平板ガラス9及び8は、
それぞれ送光ビームLFP及び送光ビームLFMのその
光軸に対する位置を個別に調整する機能を有する。な
お、ビームスプリッタ10の代わりにハーフミラーを使
用してもよい。
【0027】そして、送光ビームLFP,LFMの内
で、ビームスプリッタ10で反射された光束(この光束
も「送光ビームLFP,LFM」と呼ぶ)は、対物レン
ズ11によってそれぞれ平行光束となって各波長毎に異
なる交差角で、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と
いう)W上の被検パターンとしてのアライメントマーク
MGに照射される。以下では、対物レンズ11の光軸A
Xに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙
面に平行にX軸を、図1の紙面に垂直にY軸を取って説
明する。
【0028】このとき、本例のウエハWは、ウエハステ
ージWST上に保持され、ウエハステージWSTはX方
向、Y方向にステッピングしてウエハWを位置決めする
と共に、ウエハWのZ方向の位置(焦点位置)を調整す
る。ウエハステージWSTの上端に固定された移動鏡、
及び外部のレーザ干渉計19によってウエハステージW
STのX座標、及びY座標が常時0.01μm程度の分
解能で計測されると共に、ウエハステージWSTの回転
角(ヨーイング)も計測され、計測結果が装置全体の動
作を統轄制御する主制御系18に供給されている。主制
御系18では、供給された計測結果及びウエハWの目標
位置に基づいて、ウエハステージ駆動系20を介してウ
エハステージWSTの位置決め動作を制御する。また、
主制御系18には、オペレータが各種データやコマンド
を入力するためのコンソール等の入力装置21が接続さ
れている。
【0029】さて、本例のウエハW上のアライメントマ
ークMGは、図5に示すように、X方向に周期(ピッ
チ)Pmgで凹凸を繰り返すように形成されたX軸用の被
検パターンであり、以下ではアライメントマークMGを
「周期的段差パターンMG」と呼ぶ。このとき、送光ビ
ームLFP,LFMが周期的段差パターンMG上にX方
向に沿って対称に入射するため、周期的段差パターンM
G上には、波長λ1 の±1次回折光DP11,DM11(図
2参照)の干渉によって作られた干渉縞、波長λ 2 の±
1次回折光DP12,DM12の干渉によって作られた干渉
縞、及び波長λ3の±1次回折光DP13,DM13の干渉
によって作られた干渉縞が、X方向に同一周期、且つ同
一位相で重畳して現れる。
【0030】更に、送光ビームLFPと送光ビームLF
Mとの間の周波数差が2・Δfであるため、それらの干
渉縞は周期的段差パターンMG上を+X方向(又は−X
方向)に等速度で移動しているように観測される。そし
て、その移動速度は回転ラジアル格子板RRGの位相回
折格子RGのレーザビームの照射点での速度Vに比例し
ている。なお、図1から明らかなように、ウエハWの表
面(周期的段差パターンMGの形成面)と回転ラジアル
格子板RRGの格子面とは、コリメータレンズ5と対物
レンズ11との合成系に関して互いに共役(結像関係)
になるように配置されている。そのため、回転ラジアル
格子板RRGの位相回折格子RGの送光ビームLFP,
LFMによる干渉縞(回折像)がウエハWの周期的段差
パターンMG上に形成される。このとき、0次回折光D
0 が遮蔽されているため、その合成系の倍率を1とし
て、その干渉縞は位相回折格子RGのレーザビームの照
射点での周期の1/2の周期の明暗像となる。
【0031】本例では、その干渉縞のウエハW上での振
幅のX方向への周期Pif(強度分布の周期の2倍)を、
周期的段差パターンMGの周期Pmgの2倍に設定する。
このとき、上記の3波長λ1 〜λ3 の何れについても、
第1の送光ビームLFPの周期的段差パターンMGによ
る0次回折光(正反射光)と、第2の送光ビームLFM
の周期的段差パターンMGによる1次回折光とは、同一
方向に発生し、互いに干渉し合う第1の合成光束Bとな
り、また、第2の送光ビームLFMの周期的段差パター
ンMGによる0次回折光と、第1の送光ビームLFPの
周期的段差パターンMGによる1次回折光も、同一方向
に発生し、互いに干渉し合う第2の合成光束Aとなる。
この場合、合成光束Aは、波長λ1 の合成光束A1、波
長λ2 の合成光束A2、及び波長λ3 の合成光束A3よ
りなり、合成光束Bは、波長λ1の合成光束B1、波長
λ2 の合成光束B2、及び波長λ3 の合成光束B3より
なる。そして、これらの合成光束A,Bは、入射ビーム
である送光ビームLFP,LFMの周波数差に応じて周
波数2・Δfで強度変調されたビート光(ヘテロダイン
ビーム)となっている。
【0032】なお、このように周期的段差パターンMG
からの各0次回折光と各1次回折光とを同一方向に発生
させるためには、別の見方をすれば対物レンズ11の焦
点距離をF0 として、各波長λn(n=1,2,3)毎の
送光ビームLFP,LFMのフーリエ変換面(ビームス
プリッタ10の近傍)上での間隔DLn を周期的段差パ
ターンMGの周期方向(X方向)について、次のように
設定すればよい。
【0033】 DLn =F0 ・λn /Pmg (2) このような各波長毎の間隔DLn の設定は、回転ラジア
ル格子板RRGの位相回折格子RGの周期やコリメータ
レンズ5の焦点距離を適当に定めることで行うことがで
きる。更に、周期的段差パターンMGが多少デフォーカ
スした(光軸AX方向にずれた)状態でもその段差量の
測定結果に誤差が生じないように、送光ビームLFP,
LFMは周期的段差パターンMG(ウエハW)に光軸A
Xに平行な直線に関して対称に等傾斜角で入射すること
が望ましい。このためには、送光ビームLFP,LFM
の各波長の光束は、フーリエ変換面上で光軸AXから周
期的段差パターンMGの周期方向に沿って逆方向にそれ
ぞれDLn /2だけ離れた位置を通ればよい。
【0034】ところで、コリメータレンズ5、対物レン
ズ11等に色収差があると、3波長の光束を含む送光ビ
ームLFP,LFMによってウエハW上に形成される干
渉縞は、波長別に互いに位置ずれ(周期ずれ)を起こし
てしまう恐れがある。そこで、この位置ずれを補正する
ために、図1中の調整光学系としての平行平板ガラス
7,8,9を用いる。これらの平行平板ガラス7,8,
9の傾斜量を調整することによって、ウエハW上に形成
される干渉縞の各波長成分毎の周期を微小に変化させる
ことができ、結果として位置ずれを補正できる。
【0035】さて、以上のような干渉縞によって照明さ
れた周期的段差パターンMGから発生した前述の合成光
束A,Bは、対物レンズ11、ビームスプリッター10
を通過してダイクロイックミラー12に達する。合成光
束A,Bの内で波長λ1 の合成光束A1,B1はダイク
ロイックミラー12により反射されて、それぞれフォト
ダイオード等の光電検出器13a,13bに入射し、光
電検出器13a,13bで合成光束A1,B1を光電変
換して得られた検出信号IA1,IB1は段差測定部1
7に供給される。
【0036】また、合成光束A,Bの内で波長λ2 の合
成光束A2,B2、及び波長λ3 の合成光束A3,B3
は、ダイクロイックミラー12を透過してダイクロイッ
クミラー14に至る。そして、波長λ2 の合成光束A
2,B2はダイクロイックミラー14により反射されて
それぞれフォトダイオード等の光電検出器15a,15
bに入射し、光電検出器15a,15bで合成光束A
2,B2を光電変換して得られた検出信号IA2,IB
2は段差測定部17に供給される。一方、波長λ3の合
成光束A3,B3はダイクロイックミラー14を透過し
て、それぞれフォトダイオード等の光電検出器16a,
16bに入射し、光電検出器16a,16bで合成光束
A3,B3を光電変換して得られた検出信号IA2,I
B2も段差測定部17に供給される。
【0037】このように段差測定部17に供給される3
対の検出信号IA1,IB1,IA2,IB2,IA
3,IB3は何れも、上記の干渉縞がウエハW上の周期
的段差パターンMGの部分を照射する間、ビート周波数
2・Δfと同じ周波数の正弦波となる。そして、段差測
定部17では後述のようにそれらの検出信号、及びその
他の情報に基づいて周期的段差パターンMGの段差を算
出し、算出結果を主制御系18を介して外部のホストコ
ンピュータ等に供給する。その算出結果は例えば周期的
段差パターンMGを形成する工程にフィードバックされ
て、その工程での周期的段差パターンの深さが調整され
る。
【0038】なお、図1の構成において、使用する波長
λ1 ,λ2 ,λ3 の間隔によってはダイクロイックミラ
ー12,14による波長分離が不十分なこともあるの
で、各光電検出器13a,13b,15a,15b,1
6a,16bの直前に受光する波長の光束のみを通過さ
せる干渉フィルター(狭帯バンドパスフィルター)を配
置してもよい。
【0039】また、レーザ光源LS2,LS3として半
導体レーザ光源が使用されているが、半導体レーザ光源
からのレーザビームは非点収差を有する傾向がある。そ
こで、半導体レーザ光源よりなるレーザ光源LS2,L
S3とダイクロイックミラー2,3との間に非点収差除
去用の整形光学系(例えば傾斜した複数枚の平行平板ガ
ラス等)を設け、1本に合成されたレーザビームLB0
の各波長毎の光束成分の断面形状をほぼ等しい半径の円
形にするのが望ましい。また、それ以外の場合にも、合
成後のレーザビームLB0 の断面形状の大きさを各波長
成分毎に揃えるようなビーム整形光学系を設けるのが望
ましい。
【0040】また、図1では説明を簡単にするために周
波数シフタとして回転ラジアル格子板RRGを用いた
が、その他に2つの音響光学変調器(AOM)を用いた
り、中心波長λ1 で発振する第1のゼーマンレーザ光源
と中心波長λ2 で発振する第2のゼーマンレーザ光源と
を光源として用いてもよい。また、各ダイクロイックミ
ラー2,3等はプリズム等の分散素子に置き換えてもよ
い。
【0041】次に、図1の段差測定部17の具体的な構
成例につき図3を参照して説明する。図3は、その段差
測定部17を示し、この図3において、図1の波長λ1
の合成光束A1,B1に対応する検出信号IA1及びI
B1が、位相差検出部32A及びコントラスト検出部3
3Aに供給されている。図1の装置のようにヘテロダイ
ン干渉方式の場合、前述の如く、送光ビームLFP,L
FMがウエハW上の周期的段差パターンMGの部分を照
射するとき、検出信号IA1,IB1は何れもビート周
波数2・Δfと同じ周波数の正弦波となる。
【0042】図4(a)及び(b)はそれぞれ検出信号
IA1及びIB1を示し、この図4に示すように、両検
出信号IA1,IB1は、共に周波数2・Δfの正弦波
となるが、それぞれの最大強度A1max ,Bmax の位置
は一般には一致しない。この最大強度位置の差(位相
差)の1/2をΔ1[rad]とする。そして、図3の
位相差検出部32Aでは、その1/2の位相差Δ1を算
出して、個別段差算出部34Aに供給する。
【0043】図3に戻り、コントラスト検出部33Aで
は両検出信号IA1,IB1のコントラストを算出し
て、個別段差算出部34Aに供給する。個別段差算出部
34Aには、主制御系18よりメモリ35を介して、種
々のデータも供給されている。そして、個別段差算出部
34Aでは、その位相差Δ1と、周期的段差パターンM
Gの凸部及び凹部の各幅等とを用いて、後述のように周
期的段差パターンMGの段差に対応する波長λ1 での位
相差ω1 を算出する。
【0044】同様に、図1の波長λ2 の合成光束A2,
B2に対応する検出信号IA2及びIB2が、位相差検
出部32B及びコントラスト検出部33Bに供給され、
位相差検出部32Bでは両検出信号IA2,IB2の位
相差の1/2の位相差Δ2を算出して個別段差算出部3
4Bに供給し、コントラスト検出部33Bでは両検出信
号IA2,IB2のコントラストを算出して個別段差算
出部34Bに供給する。これらと並列に、図1の波長λ
3 の合成光束A3,B3に対応する検出信号IA3及び
IB3が、位相差検出部32C及びコントラスト検出部
33Cに供給され、位相差検出部32Cでは両検出信号
IA3,IB3の位相差の1/2の位相差Δ3を算出し
て個別段差算出部34Cに供給し、コントラスト検出部
33Cでは両検出信号IA3,IB3のコントラストを
算出して個別段差算出部34Cに供給する。個別段差算
出部34B,34Cには、主制御系18よりメモリ35
を介して、種々のデータも供給されており、個別段差算
出部34Bでは、周期的段差パターンMGの段差の波長
λ2 に基づく位相差ω2 を算出し、個別段差算出部34
Cでは、周期的段差パターンMGの段差の波長λ3 に基
づく位相差ω3 を算出する。
【0045】そして、個別段差算出部34A〜34Cで
算出された位相差ω1 〜ω3 は、最終段差算出部36に
供給され、最終段差算出部36では、後述のように波長
λ1〜λ3 に基づく周期的段差パターンMGの段差Dを
算出し、算出結果を主制御系18に供給する。本例の個
別段差算出部34A〜34C、及び最終段差算出部36
は一例として、コンピュータのソフトウェア上の機能で
ある。
【0046】この場合、検出信号IA2,IB2及びI
A3,IB3は検出信号IA1,IB1とほぼ同様の正
弦波であるが、それらの相互の位相差の1/2の位相差
Δ2及びΔ3は通常、位相差Δ1とは異なる値となる。
なお、これらの位相差Δ1〜Δ3が周期的段差パターン
MGの段差や凸部、凹部の各幅等に依ることは本願発明
者により明らかとなったことであり、以下にその段差の
算出原理及び具体的な算出方法の一例について説明す
る。
【0047】先ず、図5は、図1の周期的段差パターン
MGの拡大図であり、この図5に示すように、周期的段
差パターンMGは、凹部31aと凸部31bとをX方向
に周期Pmgで配列したパターンである。更に、凹部31
aのX方向の幅はa、凸部31bのX方向の幅はb(P
mg=a+b)であり、凹部31aの深さ、即ち凹部31
aと凸部31bとの段差はdであるとする。また、凹部
31a及び凸部31bの振幅反射率はそれぞれφa 及び
φb であるとする。なお、このときの振幅反射率φa
φb は、周期的段差パターンMGの深さ方向に(図5の
Z方向に)同一の面内(基準面内)での反射光の振幅を
表すものとする。例えば、この基準面を周期的段差パタ
ーンMGの凸部31bの表面とすれば、凹部31aでの
振幅反射率φa は、その凹部31aの表面での振幅反射
率に、段差dの往復光路差(位相差)に相当する因子で
あるexp(4πid/λ)を掛けたものとなる。また、後
述する例外を除いては、この位相差4πd/λ(=ωと
する)こそが振幅反射率φ a とφb との位相差の全てで
あり、φa とφb との位相差ωが求まれば、段差dを求
めることができる。
【0048】一般に、図5中の凹部31a、凸部31b
のそれぞれから発生する回折光の回折方向に対する振幅
分布は、sinc関数として表される。例えば、幅aの凹部
31aから周期的段差パターンMGの周期方向(X方
向)に対して回折角Θで発生する回折光の振幅分布を、
その回折角Θの次数に対応する変数uの関数ψA(u)
で表すと、次のようになる。
【0049】 ψA(u)=φa ・sin(πau)/(πu) (3) ここで、回折次数に対応する変数uは回折角Θに対し
て、回折光の波長λを用いて次の関係にある。 u=sin Θ/λ (4) 同様に、幅bの凸部31bから発生する回折光の振幅分
布ψB(u)は、次のようになる。
【0050】 ψB(u)=φb ・sin(πbu)/(πu) (5) これらの振幅分布ψA(u)及びψB(u)は、0次回
折光(u=0)では、それぞれa・φa 、及びb・φb
となる。そして、図5に示す如く凹部31a、及び凸部
31bを周期(ピッチ)PmgでX方向に周期的に配列し
てなる周期的段差パターンMGからの、回折角Θの回折
光の振幅分布ψ(u)は次のようになる。
【0051】 ψ(u)={ψA(u)+ψB(u)・exp(πiPmgu)}・Pir(u) (6) 但し、(6)式中の関数Pir(u)は、周期的段差パター
ンMGのX方向への繰り返しの回数(2以上の整数)を
qとして、次式で表される。 Pir(u)=sin(qπPmgu)/sin(πPmgu) (7) なお、(6)式の導出に際し、凹部31aの中心を回折
光の位相の基準としたが、勿論凸部31bの中心を基準
としても構わない。(6)式中の関数Pir(u)は、回折
格子の「周期項」と呼ばれるものであり、周期的段差パ
ターンMGの繰り返し数qが大きければ、変数uがj次
回折光に相当する位置、即ちu=j/Pmg(jは整数)
となる位置でのみ0でない値qを持ち、それ以外では殆
ど0になる。本例においては、周期的段差パターンMG
からの0次回折光及び1次回折光のみを使用するので、
関数Pir(u)を一定値としてよい。また、(6)式中の
関数exp(πiPmgu)は0次回折光(u=0)において
は1となり、±1次回折光(u=±1/Pmg)において
は−1となる。
【0052】これより、図5に示す如き周期的段差パタ
ーンMGから発生する0次回折光の振幅ψ0 、及び1次
回折光の振幅ψ1 はそれぞれ次のようになる。 ψ0 =a・φa +b・φb (8) ψ1 =a’・φa −b’・φb (9) 但し、係数a’及びb’はそれぞれ次のように表され
る。
【0053】 a’=Pmg・sin(πa/Pmg)/π (10) b’=Pmg・sin(πb/Pmg)/π (11) このように、回折光の振幅ψ0 ,ψ1 が振幅反射率
φa ,φb から導出される過程を複素平面の極座標で表
示したものが図6である。即ち、図6(a)〜(c)の
横軸は実数部を表すRe軸(実軸)、縦軸は虚数部を表
すIm軸(虚軸)であり、図6では簡略化するために振
幅反射率φa を実数としてRe軸上に表示している。し
かしながら、振幅反射率φa ,φb 間の位相差(前述の
如くωとされている)が不変であれば、振幅反射率φa
を一般的な複素数としても導かれる結果は変わらない。
【0054】そして、図6(a)は、振幅反射率φa
φb より(8)式によって0次回折光の振幅ψ0 が決定
されることを表し、図6(b)は、振幅反射率φa ,φ
b より(9)式によって1次回折光の振幅ψ1 が決定さ
れることを表す。この場合、振幅反射率φa と振幅反射
率φb との間の位相差はωとされている。また、図6
(c)は、図6(a)及び(b)により得られた振幅ψ
0 ,ψ1 を同一の複素平面(極座標)上に表示したもの
であり、図6(c)中の位相差Δは、例えば図1の波長
λ1 の合成光束A1,B1を使用する場合には、図4の
2つの検出信号IA1,IB1の位相差2Δ1の1/2
の位相差である。従って、その位相差Δは、各波長毎に
それぞれ2つの検出信号IA1,IB1、検出信号IA
2,IB2、及び検出信号IA3,IB3の位相差より
算出できる。
【0055】また、振幅ψ1 とψ0 との大きさの比(|
ψ1 |:|ψ0 |)についても、上記の回折光を光電変
換して得られる信号から測定することが可能である。即
ち、例えば図1の波長λ1 の合成光束A1,B1を使用
する場合、図4の検出信号IA1,IB1の最大値A1
max ,B1max は振幅ψ0 とψ1 とが同位相で加算され
た状態での強度であり、検出信号IA1,IB1の最小
値Amin ,Bmin は振幅ψ0 とψ1 とが逆位相で加算さ
れた状態での強度であるから、次のようになる。
【0056】 A1max =B1max =(|ψ0 |+|ψ1 |)2 (12) A1min =B1min =(|ψ0 |−|ψ1 |)2 (13) また、(12)式、(13)式が成立しているため、検
出信号IA1及びIB1のコントラストγは、共通に次
のように定義される。 γ=(A1max −A1min)/(A1max +A1min) (14) この(14)式に(12)式、(13)式を代入するこ
とによって、コントラストγは次のようになる。
【0057】 γ=2・|ψ0 |・|ψ1 |/(|ψ0 |2+|ψ1 |2) (15) 従って、コントラストγを測定して、振幅ψ1 の絶対値
と振幅ψ0 の絶対値との比の値βを含む次の(16)式
を(15)式に代入することによって、その比の値βは
(17)式のように表される。 |ψ1 |=β・|ψ0 | (16) β={1±(1−γ2)1/2 }/γ (17) (17)式中の±の符号は一義的には決定出来ないが、
一般に1次回折光の強度は0次回折光よりも弱いので、
−の符号が採用される。但し、+の符号を採用する場合
もあり得る。そして、位相Δ、及び(17)式より決定
した比の値βを用いて、次式より振幅ψ1 を表すことが
できる。
【0058】 ψ1 =β・ψ0 ・exp(iΔ) (18) 以上のように位相Δ及び比の値βが求められると、上記
の振幅反射率から回折光の振幅を導出した過程を逆に辿
ることによって、回折光の振幅から周期的段差パターン
MGの凹部31a、凸部31bの振幅反射率φa ,φb
を求めることができる。具体的には、既知となったパラ
メータに基づいて、(8)式、(9)式からなる連立方
程式を解けばよい。
【0059】一般に、半導体集積回路の加工において、
段差測定すべき段差量の加工制御性に比べてパターン線
幅の制御性は優れている。従って、図5に示す周期的段
差パターンMGの凹部31a、凸部31bの幅a,bは
それぞれほぼ設計値通りとなっており、その設計値を既
知の値として使用できる。同様に、(10)式、(1
1)式より係数a’,b’も既知の値となる。このた
め、(8)式、(9)式からなる連立方程式中で未知の
変数(測定されていない変数)は振幅反射率φa ,φb
のみであり、その連立方程式はφa ,φb について解く
ことができる。その結果、振幅反射率φa ,φb は次の
ように表される。なお、振幅ψ1 には(18)式が代入
される。
【0060】 φa =(b'・ψ0 +b・ψ1)/(a・b’+a'・b) (19) φb =(a'・ψ0 −a・ψ1)/(a・b’+a'・b) (20) (19)式、(20)式中で、振幅ψ0 の位相は既知で
はないが、最終結果として振幅反射率φa とφb との位
相差(=ω)が分かればよいので、振幅ψ0 の位相(図
6で振幅ψ0 がRe軸となす角度)は任意の値であって
構わない。
【0061】従って、それらの(19)式、(20)式
から、振幅反射率φa ,φb の値(複素数)が求められ
る。そして、振幅反射率φa ,φb の実数部、虚数部か
ら両者それぞれの位相ωa ,ωb が求められる。即ち、
振幅反射率φa の実数部及び虚数部をそれぞれRe(φ
a)及びIm(φa)として、振幅反射率φb の実数部及び
虚数部をそれぞれRe(φb)及びIm(φb)とすると、
位相ωa ,ωb はそれぞれ次のように表される。
【0062】 ωa =tan-1{Im(φa)/Re(φa)} (21) ωb =tan-1{Im(φb)/Re(φb)} (22) そして、2つの位相ωa ,ωb の差(ωb −ωa )がω
として算出され、この位相差ωが振幅反射率φa ,φb
の位相差となる。また、上述のように図5の周期的段差
パターンMGの段差dと、その位相差ωとの間には、
(4πd/λ=ω)の関係があるため、その位相差ωよ
り段差dが算出される。以上が本例での段差dの算出原
理である。但し、本例では波長λ1 〜λ3 毎にそれぞれ
位相差ω1〜ω3 が算出され、これらの算出結果より最
終的な段差Dが決定される。
【0063】次に、一例として波長λ1 での位相差ω1
を算出する手順の一例につき説明する。他の波長λ2
λ3 での位相差ω2 ,ω3 も同様に算出される。先ず、
図3の位相差検出部32Aでは、前述のように検出信号
IA1,IB1の位相差の1/2の位相差Δ1を算出す
る。また、コントラスト検出部33Aでは、内部のピー
クホールド部及びボトムホールド部により図4に示すよ
うに、検出信号IA1,IB1の最大値A1max ,B1
max 及び最小値A1min ,B1min を検出し、これらの
内の最大値A1max 及び最小値A1min を(14)式に
代入して検出信号IA1,IB1のコントラストγを算
出する。なお、両検出信号のコントラストは周期的段差
パターンMGに余程の非対称性がない限り等しいが、仮
に両検出信号IA1,IB1のコントラストが異なる場
合には、(14)式において最大値A1max 及び最小値
A1min の代わりにそれぞれ最大値B1max 及び最小値
B1min を代入して検出信号IB1のコントラストを求
め、得られた2つのコントラストの平均値を新たにコン
トラストγとすればよい。得られた位相差Δ1、及びコ
ントラストγは図3の個別段差算出部34Aに供給され
る。
【0064】更に個別段差算出部34Aでは、そのコン
トラストγを(17)式に代入して、1次回折光の振幅
ψ1 と0次回折光の振幅ψ0 との大きさの比の値βを求
め、これと上記の位相差Δ1とをそれぞれ(18)式の
β及びΔに代入して、振幅ψ 1 と振幅ψ0 との正確な
(複素数としての)関係を求める。また、予め例えばオ
ペレータが図1の入力装置21、及び主制御系18を介
して図3のメモリ35に周期的段差パターンMGの凹部
31a、凸部31bの各幅a,b、周期的段差パターン
MGの周期Pmg、及び回折光の波長λ1 〜λ3 の値を入
力しておく。そして、個別段差算出部34Aでは、入力
された幅a,b及び周期Pmgを(10)式、(11)式
に代入して係数a’,b’の値を算出し、算出された係
数a’,b’を(19)式、(20)式に代入して振幅
反射率φa ,φb の値(複素数)を算出する。更に、
(21)式、(22)式より振幅反射率φa ,φb のそ
れぞれの位相ωa ,ωb を求め、その位相差ω(=ωb
−ωa)を算出する。この波長λ1 での位相差ωを位相差
ω1 とする。この位相差ω1 は図3の最終段差算出部3
6に供給される。
【0065】その位相差ω1 は、前述の如く周期的段差
パターンMGの段差dの往復光路差(位相差)に相当す
るものであり、ω1 =4πd/λ1 、即ち、次の関係に
より波長λ1 で計測される段差d1 が表される。 d1 =ω1 ・λ1 /(4π) (23) 但し、位相差ω1 の範囲は0〜2πであるため、波長λ
1 のみを用いた場合に特定できる深さd1 の範囲は所定
の整数J1 を用いてJ1 ・λ1 /(4π)〜(J1 +ω
1)・λ1 /(4π)となり、J1 ・λ1 /(4π)分の
不確定さが残っている。
【0066】同様に、図3の個別段差算出部34B及び
34Cにおいては、それぞれ波長λ 2 及びλ3 での位相
差ω2 及びω3 が算出され、算出結果が最終段差算出部
36に供給される。これらの位相差ω2 及びω3 より
(23)式と同様の関係式から算出される段差d2 及び
3 にも、それぞれ所定の不確定さが残っている。とこ
ろで、(17)式による比の値βの決定に際しては±の
符号の決定に不確定な要素が残るが、前述のように検出
信号のコントラストγから(17)式によりβを求める
代わりに、1次回折光と0次回折光との光量比を直接計
測し、その平方根として比の値βを算出してもよい。光
量比の検出方法としては、例えば図1中の光束選択部材
としての空間フィルタ6の近傍に送光ビームLFP,L
FMの少なくとも一方を遮光可能なシャッタを設け、上
述の深さ計測の終了後、又は開始前にこのシャッタによ
り送光ビームLFP,LFMのどちらか一方を遮光し、
このときに光電検出器13a,13b,15a,15
b,16a,16bにより得られる検出信号IA1〜I
A3,IB1〜IB3の各強度比を求めればよい。
【0067】このようにシャッタにより送光ビームLF
P,LFMのどちらか一方を遮光したときには、周期的
段差パターンMGに入射する光ビームは各波長につき1
本であるため、それぞれの検出信号IA1〜IA3,I
B1〜IB3はビート成分の無い直流信号となってい
る。そして、そのシャッタにより例えば送光ビームLF
Mを遮光した場合、光電検出器13b,15b,16b
には送光ビームLFPの周期的段差パターンMGによる
0次回折光のみが入射し、検出信号IB1〜IB3は各
波長での0次回折光の光量を示し、光電検出器13a,
15a,16aには送光ビームLFPの周期的段差パタ
ーンMGによる1次回折光のみが入射し、検出信号IA
1〜IA3は各波長での1次回折光の光量を示すことに
なる。これによって、0次回折光と1次回折光との強度
比の値βが求められる。逆に、シャッタにより送光ビー
ムLFPを遮光することによっても同様に強度比の値が
求められるため、両者の平均値をβとしてもよい。
【0068】上述のように、本例においては、各波長λ
n(n=1〜3)について測定される位相差ωn は0〜2
π[rad]の範囲であり、一例として各波長λn での
段差dn はそれぞれ0からλn /2の範囲内で特定でき
る。一方、段差がλn /2以上のパターン、例えば0.
7λn のパターンに対しては、段差が0.2λn(=0.
7λn −λn /2)であると見なされることになる。即
ち、段差dn の測定に関してJn λn /2(Jn は整
数)の不確定さが伴う。
【0069】その不確定さを除くため、本例において
は、図3の最終段差算出部36において、各波長λn
の位相差ωn を比較することによりその整数Jn の値を
決定する。即ち、各波長λn(n=1〜3)での各整数J
n (不確定な整数)の値を未知数とし、算出される位相
差ωn を2πで割った値をΩn とすると、周期的段差パ
ターンMGの真の段差Dは次のように表される。
【0070】 D=(J1 +Ω1 )・λ1 /2 =(J2 +Ω2 )・λ2 /2 =(J3 +Ω3 )・λ3 /2 (24) この場合、各Jn は整数であると共に、λ1 <λ2 <λ
3 と仮定されているため、J1 ≧J2 ≧J3 なる関係が
成立する。この関係を用いることによって、各Jn を求
めることができる。
【0071】例えば、(24)式中の波長λ1 とλ2
の関係より、次式が得られる。 J1 =(λ21)・(J2 +Ω2)−Ω1 (25) 更に、(25)式の両辺からJ2 を差し引くことによっ
て次式が得られる。J1 −J2 =(λ21 −1)・J2
+Ω2・λ21 −Ω1 (26)この(26)式も
非負の整数であるため、(26)式の非負の整数(J1
−J 2)を新たに整数Lとおくと、(26)式は次のよう
に変形できる。
【0072】 J2 =(L+Ω1 −Ω2・λ21)/(λ21 −1) (27) 従って、(27)式の値が整数となるような非負の整数
Lの値を見つけることにより、簡単に整数J2 の値を決
定することができる。そして、この整数J2 の値と波長
λ2 での位相差ω2 (Ω2)とを(24)式の第2式に代
入することによって、周期的段差パターンMGの真の段
差Dが算出される。
【0073】なお、周期的段差パターンMGの段差が各
波長λn の5倍程度以下に限られている場合には、整数
Lの値は0か1に限定されるので、(27)式からの整
数J 2 の算出はより容易になる。一方、周期的段差パタ
ーンMGの真の段差Dの上限が全く不明な場合には、よ
り大きな整数Lの値まで検討する必要があり、場合によ
っては(27)式を整数とする整数Lが2通り以上生じ
る(従って、整数J2 及び段差Dの値も2通り以上とな
る)。このような場合には、2通り以上得られる段差D
の値を例えば(24)式の第3式に代入して、波長λ3
に関してJ3 が整数となるときの段差Dの値を最終的な
段差とすればよい。このように真の段差Dが非常に大き
い値の場合でも、3つの波長λ1 〜λ3 での位相差ω1
〜ω3 の値を使用することによって、その段差Dを特定
できる。
【0074】更に、予め例えば従来の測定装置を用いて
周期的段差パターンMGの段差の大まかな範囲を求めて
おき、その範囲内で上述の実施の形態の方法で真の段差
Dの値を決定するようにしてもよい。また、4種類以上
の波長の送光ビームを用いて段差測定を行うようにして
もよい。ところで、図5に示す周期的段差パターンMG
の凹部31a、凸部31bの振幅反射率φa ,φb
「大きさ」は周期的段差パターンMGの材質(反射率)
により異なってくるが、本例においては振幅反射率
φa ,φb の「大きさ」(反射率)には無関係に、それ
らの位相差ω1 〜ω3 のみに基づいて段差量dを求める
ことができる。従って、周期的段差パターンMGの凹部
31aと凸部31bとで材質が異なるようなパターンで
あっても、正確に段差を測定することができる。また、
仮に周期的段差パターンMGの凹部31aと凸部31b
との材質が相互に異なる位相変化を反射光に与える材質
(複素屈折率を有する材質)であると、この位相変化が
パターンの段差測定精度を悪化させるが、その量は一般
に極めて僅かであり、問題となる程の量ではない。勿
論、より厳密には凹部と凸部との材質(通常既知であ
る)の複素屈折率からこの位相変化を算定し、測定され
た位相差(パターン段差)の補正を行うことも可能であ
る。
【0075】また、本例で用いる検出光束は複数波長か
らなるものではあるが、それら複数波長による計測は波
長毎に別々に行われると共に、波長間の反射光の強度
(反射率)の差には全く影響を受けない。従って、従来
の深さ測定装置で問題となっていた被検パターンの反射
スペクトルの問題は全くなく、どのような材質の被測定
パターンについても高精度な深さ計測が可能となる。
【0076】また、上述の実施の形態では、被検パター
ンの一例として、図5の周期的段差パターンMGの如く
凹部31aと凸部31bとの境界(側壁)が垂直なパタ
ーンを示したが、その側壁にテーパ(傾斜)のあるよう
なパターンであっても勿論高精度な測定が可能である。
この場合、図1の段差測定部17に入力する凹部、凸部
の各幅a,bは(a+b=Pmg)を満たす値ではなくな
るが、上述の実施の形態と同様にこれらの幅a,bの値
に基づいてパターンの段差を算出すればよい。
【0077】また、被検パターンの凹部に非対称性(テ
ーパ等)が存在する場合には、図4に示した例とは異な
って、例えば合成光束A1,B1を光電変換した検出信
号IA1,IB1のコントラストは一致しなくなるが、
両者の平均値を採用することで非対称性の無いパターン
と同程度に高精度な深さ測定が可能となる。なお、上述
の実施の形態では、周期Pの被検パターン上に2光束を
照射することによって、計測方向に対して振幅の周期が
2Pの干渉縞を形成している。しかしながら、周期Pの
被検パターン上に2光束を照射することによって、計測
方向に対して振幅の周期が2P/k(kは2以上の整
数)の干渉縞を形成してもよい。この場合、その2光束
を第1及び第2の光ビームとすると、第1の光ビームの
その被検パターンからの正反射光(0次回折光)と、第
2の光ビームのその被検パターンからのk次回折光とが
平行に発生して相互に干渉する第1の合成光束となり、
第2の光ビームのその被検パターンからの正反射光と、
第1の光ビームのその被検パターンからのk次回折光と
が平行に発生して相互に干渉する第2の合成光束とな
る。従って、0次回折光と1次回折光との合成光束を使
用する場合と同様に、深さ検出を行うことができる。
【0078】このように本発明は上述の実施の形態に限
定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成
を取り得る。
【0079】
【発明の効果】本発明の深さ測定方法によれば、それぞ
れ被検パターンからの正反射光及び回折光よりなる第1
及び第2の合成光束の光電変換信号と、検出用の光ビー
ムの波長とに基づいてその被検パターンの凹部の深さを
算出しているため、微細溝状パターンのように周期的に
凹凸を繰り返す被検パターンの凹部の深さ(段差)を高
精度に測定できる利点がある。更に本発明では、複数波
長の光ビームを使用しているため、各波長程度の大きさ
の深さのみならず、各波長よりもかなり大きい深さであ
っても正確に測定できる利点がある。また、本発明によ
って、材質固有の性質により又は薄膜干渉により、反射
率が波長と共に変化するような被検パターンに対して
も、その凹部の深さ(段差量)を正確に測定できる。
【0080】また、その被検パターンの凹部の深さを算
出する際に、第1及び第2の合成光束の光電変換信号の
位相及びコントラストと、第1及び第2の光ビームの波
長と、その被検パターンの形状としてのその被検パター
ンの凹部及び凸部の所定方向(計測方向)への幅の比と
を用いる場合には、通常それら凹部及び凸部の計測方向
の幅の加工は正確に行うことができるため、それらの幅
としては設計値を使用することによって正確に深さを算
出できる。
【0081】また、複数波長のそれぞれについて被検パ
ターンからの正反射光とm次回折光との光量比を計測
し、その被検パターンの凹部の深さを算出する際に、そ
れら複数波長のそれぞれについて得られる第1及び第2
の合成光束の光電変換信号の位相と、それら複数波長
と、その被検パターンの形状としてのその被検パターン
の凹部及び凸部の所定方向への幅の比と、それら複数波
長のそれぞれについて計測される正反射光とm次回折光
との光量比と、を用いる場合には、それら第1及び第2
の合成光束の光電変換信号のコントラストから算出され
た光量比を使用する場合に比べて、より正確に深さが算
出される。
【0082】また、本発明の深さ測定装置によれば、本
発明の深さ測定方法を実施できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例で使用される深さ測
定装置を示す一部を断面とした構成図である。
【図2】図1内の回転ラジアル格子板RRGを示す拡大
斜視図である。
【図3】図1内の段差測定部17の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図4】図1の測定装置で得られる検出信号IA1,I
B1の一例を示す波形図である。
【図5】図1の周期的段差パターンMGの段差構造を示
す拡大断面図である。
【図6】その実施の形態において、振幅反射率φa ,φ
b から回折光の振幅ψ0 ,ψ1が導出される過程を複素
平面の極座標で示す説明図である。
【符号の説明】
RRG 回転ラジアル格子板 LS1,LS2,LS3 レーザ光源 W ウエハ MG 周期的段差パターン WST ウエハステージ 5 コリメータレンズ 6 空間フィルタ 10 ビームスプリッタ 11 対物レンズ 10 ウエハステージ 13a,13b,15a,15b,16a,16b 光
電検出器 17 段差測定部 18 主制御系 32A〜32C 位相差検出部 33A〜33C コントラスト検出部 34A〜34C 個別段差算出部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上で所定方向に周期的に凹凸を繰り
    返すように形成された被検パターンの凹部の深さを光学
    的に測定する深さ測定方法において、 前記被検パターンの周期をPとしたとき、前記被検パタ
    ーン上にそれぞれ可干渉な第1及び第2の光ビームより
    なり互いに波長の異なる複数対の光ビームを照射するこ
    とによって、前記被検パターン上に前記所定方向にそれ
    ぞれ振幅分布の周期が2P/m(mは自然数)の複数波
    長の干渉縞を形成し、 前記複数波長のそれぞれについて、前記第1の光ビーム
    による前記被検パターンからの正反射光と前記第2の光
    ビームによる前記被検パターンからのm次回折光とを合
    成してなる第1の合成光束と、前記第2の光ビームによ
    る前記被検パターンからの正反射光と前記第1の光ビー
    ムによる前記被検パターンからのm次回折光とを合成し
    てなる第2の合成光束とを受光し、 前記被検パターンと前記干渉縞とを前記所定方向に相対
    的に走査したときに前記複数波長のそれぞれについて得
    られる前記第1及び第2の合成光束の光電変換信号と、
    前記複数波長とに基づいて前記被検パターンの凹部の深
    さを算出することを特徴とする深さ測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の深さ測定方法であって、 前記被検パターンの凹部の深さを算出する際に、 前記複数波長のそれぞれについて得られる前記第1及び
    第2の合成光束の光電変換信号の位相及びコントラスト
    と、前記複数波長と、前記被検パターンの凹部及び凸部
    の前記所定方向への幅の比と、を用いることを特徴とす
    る深さ測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の深さ測定方法であって、 前記複数波長のそれぞれについて前記被検パターンから
    の正反射光とm次回折光との光量比を計測し、 前記被検パターンの凹部の深さを算出する際に、 前記複数波長のそれぞれについて得られる前記第1及び
    第2の合成光束の光電変換信号の位相と、前記複数波長
    と、前記被検パターンの凹部及び凸部の前記所定方向へ
    の幅の比と、前記複数波長のそれぞれについて計測され
    る正反射光とm次回折光との光量比と、を用いることを
    特徴とする深さ測定方法。
  4. 【請求項4】 基板上で所定方向に周期的に凹凸を繰り
    返すように形成された被検パターンの凹部の深さを光学
    的に測定する深さ測定装置において、 前記被検パターンの周期をPとしたとき、前記被検パタ
    ーン上に前記所定方向に振幅分布の周期が2P/m(m
    は自然数)の異なる複数波長の干渉縞を形成すべく、前
    記被検パターン上にそれぞれ可干渉な第1及び第2の光
    ビームよりなり互いに波長の異なる複数対の光ビームを
    照射する送光光学系と、 前記複数波長のそれぞれについて、前記第1の光ビーム
    による前記被検パターンからの正反射光と前記第2の光
    ビームによる前記被検パターンからのm次回折光とを合
    成してなる第1の合成光束と、前記第2の光ビームによ
    る前記被検パターンからの正反射光と前記第1の光ビー
    ムによる前記被検パターンからのm次回折光とを合成し
    てなる第2の合成光束とを受光する光電変換手段と、 前記被検パターンと前記干渉縞とを前記所定方向に相対
    的に走査する相対走査手段と、 該相対走査手段によって前記被検パターンと前記干渉縞
    とを相対的に走査したときに前記光電変換手段から出力
    される光電変換信号と、前記複数波長とに基づいて前記
    被検パターンの凹部の深さを算出する深さ算出手段と、
    を有することを特徴とする深さ測定装置。
JP8022708A 1996-01-29 1996-02-08 深さ測定方法及び装置 Withdrawn JPH09218018A (ja)

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US08/786,151 US5982489A (en) 1996-01-29 1997-01-21 Method and apparatus for measuring depth of a depression in a pattern by light interference from crossed light beams

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112097645A (zh) * 2020-08-31 2020-12-18 南京理工大学 高深宽比微结构反射式干涉显微无损测量装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112097645A (zh) * 2020-08-31 2020-12-18 南京理工大学 高深宽比微结构反射式干涉显微无损测量装置
CN112097645B (zh) * 2020-08-31 2021-12-10 南京理工大学 高深宽比微结构反射式干涉显微无损测量装置

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