JPH09217553A - 金庫インナーバッグ - Google Patents

金庫インナーバッグ

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JPH09217553A
JPH09217553A JP4836796A JP4836796A JPH09217553A JP H09217553 A JPH09217553 A JP H09217553A JP 4836796 A JP4836796 A JP 4836796A JP 4836796 A JP4836796 A JP 4836796A JP H09217553 A JPH09217553 A JP H09217553A
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JP
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surface layer
safe
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fiber
bag
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JP4836796A
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English (en)
Inventor
Kenjiro Arimori
健二郎 有森
Kenichi Hashimoto
賢一 橋本
Kazuhiko Hotta
和彦 堀田
Junzo Hirata
純造 平田
Michiko Kobayashi
美智子 小林
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Individual
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Abstract

(57)【要約】 【構成】金庫インナーバッグのバッグの表面層は外側に
アルミニウムコートまたはアルミニウム箔をラミネー
ト、または耐熱樹脂コートした耐熱性繊維織物、中間層
はポリイミドフィルムで被覆した耐熱性繊維からなるフ
ェルトまたは織物、内面層は織物または編み物からな
り、表面層及び内面層の開口部分はファスナーで開閉さ
れ、中間層の開口部分はフィルムで被覆したフェルトを
折り重ねて閉止され、表面層開口部分のカバーはマジッ
クテープまたは止め金具で閉止された構造を有するバッ
グである。 【効果】本発明のインナーバッグは貴重品を金庫に保管
する際、予め物品を収容して金庫に収納するために使用
される。主な素材としてアラミド繊維、炭素繊維等から
なる織物または編み物、ポリイミドフィルムが使用され
ているため耐熱性、耐炎性が高く、物品を直接金庫に収
納した場合に較べて火災等で金庫が高温に曝された場
合、貴重品の損傷を防護する効果は著しく大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金庫で貴重品を保管
する時に使用する金庫インナーバッグに関するもので、
更に詳しく述べると貨幣、重要書類、宝石類等を金庫に
入れる際、予め耐火性を有するバッグに収納して入れる
ことにより、火災等災害時の貴重品の損傷を防ぐために
使用される。
【0002】
【従来の技術】金庫は従来から盗難その他火災等種々の
災害を想定して、内部に保管している貴重品が損傷を受
けないよう作られている。しかし、盗難防止のため通常
極めて堅牢な構造となっているが、大きな火災等で長時
間高温に曝された場合は、徐々に内部の温度が上昇する
ことが避けられない。従って、金庫の外形が辛うじて保
持された場合でも、内部に収納されていた紙幣等が炭化
して無価値となる事故も往々に発生している。
【0003】金庫に貴重品を保管する時長時間高温に曝
された場合でも、内部の貴重品が損傷を受けない様にす
ることは以前から重要な課題になっていたが、有効な方
法は見出されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述の様に火
災等で金庫が長時間高温に曝された際、金庫の内部に保
管されている貴重品が熱による損傷を受けることを防止
する目的で、予め貴重品を保護用のためバッグに収納し
た後金庫に入れることができ、使用方法が簡単で高熱に
対する防御性を高めた、金庫インナーバッグを開発して
提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は金庫が長時
間高温に曝された際、内部に保管されている貴重品が熱
による損傷を受けることを防止するために使用される、
金庫インナーバッグの素材及び構造について検討した。
その結果最近使用可能となった民生用ハイテク素材或い
は軍事用その他特殊用途に使用されている織物、フィル
ム及び編み物の機能と構造を工夫して組み合わせること
により、従来品より高度な耐熱性、低熱伝導性を付与す
ることが可能となることを見出し、これに基づいて本発
明に到達した。
【0006】すなわち、本発明のバッグは表面層、中間
層及び内面層の3層からなる本体と表面層開口部分のカ
バーから構成され、表面層は外側にアルミニウムコート
またはアルミニウム箔をラミネート、或いは耐熱樹脂コ
ートした耐熱性、耐炎性を有する有機繊維または無機繊
維からなる織物、中間層はポリイミドフィルムで被覆し
た耐熱性、耐炎性を有する有機繊維及び/または無機繊
維からなるフェルトまたは織物、内面層は織物または編
み物からなり、表面層及び内面層の開口部分はファスナ
ーで開閉され、中間層の開口部分はポリイミドフィルム
で被覆した該フェルトを折り重ねて閉止され、表面層開
口部分のカバーは耐熱性、耐炎性を有する有機繊維また
は無機繊維からなる織物で、その内側の周辺と表面層開
口部分周辺に取り付けられた、耐熱性マジックテープま
たは止め金具を使用して閉止する構造を有する金庫イン
ナーバッグである。
【0007】更に、表面層及び表面層カバーにアラミド
繊維織物、中間層のフェルトに炭素繊維50%以上とアラ
ミド繊維を含む混合フェルトを使用した場合或いは、中
間層がポリイミドフィルムで気密に被覆され、その内部
が窒素ガスでシールされている構造を有するバッグも本
発明に含まれている。
【0008】ここで金庫インナーバッグとは金庫に物品
を収納する時、個々の物品を直接金庫に収納せず、予め
バッグに入れた後金庫の内部に収納するために使用する
バッグをいう。尚、このバッグは金庫収納用の他、貴重
品等の運搬用バッグとしても使用できるものである。以
下本発明について詳しく説明する。
【0009】本発明の金庫インナーバッグは表面層、中
間層及び内面層の3層からなる本体と、表面層開口部分
のカバーからなっている。表面層の織物及び中間層のフ
ェルトの素材として使用される耐熱性、耐炎性を有する
有機繊維としてはアラミド繊維またはフェノール繊維が
使用可能であり、耐熱性、耐炎性を有する無機繊維とし
てはセラミックファイバー、炭素繊維、炭化ケイ素繊
維、アスベスト、ガラスウール、ロックウール等が使用
可能である。セラミックファイバーは鉱物質の繊維の総
称として使用される場合もあるが、最近はむしろ耐熱度
が1200〜1300℃のアルミナ・シリカ複合系のガラス質繊
維の名称として使用されている。本発明でも、アルミナ
・シリカ系のガラス質耐熱繊維を指している。例えば、
商品名「カオウール」〔イソライト工業(株)製〕或い
は、「イビーウール」〔イビデン工業(株)製〕等であ
る。
【0010】本発明のバッグの主要な素材として使用さ
れるアラミド繊維は、芳香族ポリアミド化合物を紡糸し
て得られた繊維で、芳香族ポリアミドには官能基がベン
ゼン核のパラの位置に結合しているパラ型と、メタの位
置に結合しているメタ型がある。本発明のインナーバッ
グにはパラ型もメタ型アラミド繊維も使用できるが、パ
ラ型は耐熱性及び防炎性がメタ型より高い他、耐切創
性、耐突刺性及び耐磨耗性等の機械的性質も優れてい
る。このため本発明の金庫インナーバッグの素材として
は、パラ型のアラミド繊維がメタ型より好ましい。
【0011】現在主に生産されているパラ型のアラミド
繊維は、ポリパラフェニレン・テレフタラミドである。
この繊維の耐熱温度は426 ℃であり製品の耐熱性・耐炎
性も高く、 427℃から 488℃で炭化が始まり、短時間な
らば 538℃の高温に耐えるとの結果も得られている。ま
た、繊維が引火した場合に燃焼する、酸素・窒素混合ガ
ス中の酸素濃度(容量%)を示す限界酸素指数(LOI
値) は 29 である。引火時の燃焼の難易を示す限界酸素
指数は、繊維の防炎性の指標とされている。繊維は通常
天然繊維でも合成繊維でも空気中で燃焼することから分
かる様に、限界酸素指数は20程度であるから、パラ型の
アラミド繊維は繊維の中でも非常に高い防炎性を有する
ハイテク繊維であることが分かる。
【0012】その他パラ型アラミド繊維は機械的性質が
合成繊維の中でも際立って優れており、特に耐切創性は
極めて高くて注目されている。更に、防弾チョッキの素
材に象徴される様に耐突刺性も極めて高い点で著名であ
る。従って、本発明のインナーバッグに貴重品を収納し
て持ち運ぶ場合、刃物でバッグを切って収納物を掏られ
るおそれは少ない。
【0013】アラミド繊維の原糸を染色をしないでその
まま織った生機(織物生地)は淡黄色であるが、耐光性
が充分でなく日焼けまたは長期間の使用により変色し易
い。これを避けるため或いはバッグを目立ち易くするた
め原糸をオレンジ、紺色、赤色等に染色した後織った布
地またはプリント加工生地を使用することもできる。
【0014】フェノール樹脂繊維はノボロイド繊維とも
いわれ、フェノール樹脂のプレポリマーを紡糸後、熱処
理して硬化させて得られた繊維で、ポリマーの分子構造
が3次元結合からなる繊維のため、高温になっても溶融
せず熱収縮も少ない。また、燃焼させても炭化するのみ
で発煙量が極めて少なく、有毒ガスも発生しない特性が
ある。150 〜250 ℃の高温下で長時間使用しても殆ど変
化しない優れた耐熱性を持っている。
【0015】フェノール樹脂繊維は引火した場合に燃焼
する、酸素・窒素混合ガス中の酸素濃度(容量%)を示
す限界酸素指数(LOI 値) が30〜34に達し、繊維の中で
最も高い防炎性を有するハイテク繊維である。前述の様
に通常天然繊維でも合成繊維でも空気中で燃焼すること
から分かる様に、限界酸素指数は20程度である。また前
述の限界酸素指数が29であるパラ型のアラミド繊維と比
較しても、フェノール樹脂繊維の限界酸素指数は更に高
く、極めて防炎性が高いことを示している。更に、フェ
ノール樹脂繊維は断熱性も優れ極低温でも脆化し難い
他、耐薬品性にも優れている等の特性がある。
【0016】セラミックファイバーは前述の様にアルミ
ナ・シリカ系のガラス質繊維の通称で、その主成分はAl
2O3 及び SiO2 からなり、Al2O3 の含有量が約35〜65%
程度迄の範囲のものが使用される。Al2O3 の含有量が増
加する程耐熱性が向上し、使用可能温度は約1000〜1500
℃に達している。このため耐熱性有機繊維に較べて遙か
に高い耐熱性を有し、バルクファイバーの他フェルト、
紡織品もつくられている。また、炭化ケイ素繊維の主成
分はSiC であるが、チタンが含まれている場合もある。
セラミックファイバーと同様に高い耐熱性を有する。
【0017】炭素繊維は、空気中での着火温度は 500〜
600 ℃で二酸化炭素を生成するが、融点 3,727℃、沸点
4,830℃で最も融点及び沸点が高い物質の一つである。
従って、酸素が存在しない雰囲気では 3,000℃以上の高
温に達しないと溶融或いは昇華しないため、極めて耐熱
性が高く宇宙機器の素材として使用される程である。そ
の他耐熱性・防炎性が優れている無機繊維としては、ア
スベスト繊維、ガラス繊維、ロック繊維等が使用可能で
ある。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のインナーバッグの表面層
は、アルミニウムコート或いはアルミニウム箔をラミネ
ートした耐熱性、耐炎性を有する有機繊維または無機繊
維からなる織物を使用する必要がある。アルミニウムコ
ートまたはアルミニウム箔をラミネートした構造は輻射
熱の反射率が極めて高いため、火災等で高温に曝された
場合耐熱性を大幅に高める効果がある。従って、耐熱
性、耐炎性を有する織物との併用により一層その効果を
高めることができる。金庫用インナーバッグの耐熱性、
耐炎性を有する織物としてはアラミド繊維織物が好まし
い。
【0019】本発明の金庫インナーバッグの中間層は、
ポリイミドフィルムで被覆した耐熱性、耐炎性を有する
有機繊維及び/または無機繊維からなるフェルトまたは
織物を使用する必要がある。耐熱性、耐炎性を有する有
機または無機繊維としては前述の様なアラミド繊維、フ
ェノール繊維、セラミックファイバー、炭素繊維、炭化
ケイ素繊維、アスベスト繊維、ガラス繊維、ロック繊維
等が使用可能である。
【0020】ポリイミドフィルムは主として、芳香族四
塩基酸と芳香族ジアミンの重縮合によって得られたポリ
マーから成型されたフィルムで、特に耐熱性及び耐寒性
に優れ−269 〜+400 ℃の広い温度範囲で安定した機械
的性質を保持し、更に耐炎性も高く明瞭な融点は測定出
来ず、800 ℃以上にならないと炭化しない優れた熱的性
質を有するフィルムである。
【0021】本発明の中間層のポリイミドフィルムで被
覆された内部には、耐熱性、耐炎性を高め、インナーバ
ッグの内部に収納した物品を高熱から保護するため、炭
素繊維、アラミド繊維またはフェノール繊維、セラミッ
クファイバー等からなるフェルトまたは織物が封入され
ている。フェルトの内部は、微細な空隙が充満した組織
となっているため熱伝導度が低く、耐熱性・耐炎性を高
めるために適した構造になっている。
【0022】フェルトの両面は耐熱性が高いポリイミド
フィルムで被覆されているが、被覆を気密状態に保持し
更にその内部を窒素ガス等の不活性ガスで置換して酸素
ガスを遮断すれば、高温に曝された場合フェルトの酸化
或いは燃焼が防止される。更に、封入されたガスの熱膨
張によりフェルトの内部の微細な空隙の体積が増加し
て、熱伝導度が低下するためより好ましい。尚、窒素ガ
ス等でシールされたポリイミドフィルム被覆の内部は、
高温に曝された場合内部のガスが膨張しても破れない様
に、ガス封入量は少なくしておくことが好ましい。
【0023】本発明のインナーバッグは中間層のフェル
ト組織をポリイミドフィルムで被覆して耐熱性を高めた
ことが、最も大きな特徴の一つである。中間層のフェル
トの素材は前述の様に耐熱性、耐炎性を有する有機繊維
または無機繊維が使用されるが、本発明のバッグの使用
される使用状態を考慮すると、炭素繊維50%以上を含む
アラミド繊維との混合物がより好ましい。
【0024】中間層は炭素繊維等からなるフェルトの表
裏両面をポリイミドフィルムで被覆した構造であり、中
間層を閉止する時はその3層のシートの両端を折り重ね
て密着させる構造となっている。ファスナーで開閉する
様にした場合はバッグが高温に曝された時、外部からの
熱がファスナーを通って内部に伝わり易いことを考慮し
て、耐熱性を高めたためである。尚、中間層は内面層の
周囲を総て被覆した構造とする他、図5の断面図に示し
た様に、矩形のシートを底部で折り曲げて上部で重ね合
わせて閉止する構造としてもよい。
【0025】本発明の金庫インナーバッグの内面層は織
物または編み物層からなっている。織物または編み物の
素材は特に限定しないが、炭素繊維、アラミド繊維また
はフェノール繊維を含む組織が好ましい。炭素繊維、ア
ラミド繊維及びフェノール繊維の耐熱性及び耐炎性、或
いはその他の機械的性質については、前述の外面層及び
中間層について述べたことと同様である。尚、内面層に
編み物を使用した場合は組織が柔軟なため、3層に重ね
た場合でも中間層の内面にフィットして、物品の収納が
容易になるため好ましい。また、インナーバッグは内面
層を省略し、表面層及び中間層の2層のみからなる構造
で使用することも可能である。
【0026】更に、内面層の外側或いは内側に樹脂コー
トを施せば、耐水性、耐薬品性及び電気絶縁性が向上す
るため、火災等で水がかかる時その他災害発生時、本発
明のバッグを金庫から取り出して安全な場所へ運ぶ場
合、内容物の損傷を防ぐために有効である。尚、ウレタ
ン樹脂コートを内面層に施すのは、ウレタン層自体は耐
熱性及び耐炎性が不充分なため、外面層や中間層に施し
た場合には高熱に曝されるとその機能を失い易いためで
ある。
【0027】表面層開口部分のカバーは耐熱性、耐炎性
を有する有機繊維または無機繊維からなる織物で、その
内側の周辺と表面層開口部分周辺に取り付けられた耐熱
性マジックテープを重ね合わせて閉止する構造になって
いる。表面層の開口部分には金属ファスナーが取り付け
られているが、高温に曝された場合ファスナーが閉止さ
れていても外部の熱はこの部分を通って内部に伝わり易
いからである。表面層開口部分のカバーはこの熱伝動を
防止するために設けられたもので、耐熱性マジックテー
プとしてはステンレス製マジックテープが好ましい。ま
たカバーは前述の素材の中、機能的にアラミド繊維織物
がより好ましく、取扱が容易で熱による内容物の被害を
軽減させるために有効である。
【0028】前述の様に本発明の金庫インナーバッグ
は、外側をアルミニウムコートまたはアルミニウム箔を
ラミネートした、耐熱性、耐炎性を有する有機繊維また
は無機繊維からなる織物好ましくはアラミド繊維織物か
らなる表面層、ポリイミドフィルムで被覆した耐熱性、
耐炎性を有する有機繊維及び/または無機繊維のフェル
トまたは織物、好ましくは炭素繊維50%以上とアラミド
繊維とを含む混合フェルトからなる中間層、要すれば炭
素繊維及び/またはアラミド繊維及び/またはフェノー
ル繊維を含む織物または編み物からなる内面層からなっ
ている。本発明のバッグの構造及びそれらの素材にはい
ずれも前述の様に、高い耐火性及び防炎性を有するハイ
テク繊維が使用され、更にこれらの素材は前記の様に機
能的に組み合わされて熱伝導度を低下させ更に耐火性を
高めた構造になっている。
【0029】従って、金庫に物品を収納する時物品を直
接金庫の内部に置かず、予め耐火性を有する本発明のバ
ッグに収納して入れることにより、火災等で金庫が長時
間高熱に曝された場合でも、熱による収納品の損傷を大
幅に軽減することができる。
【0030】更に本発明の金庫インナーバッグは前述の
様に、主として貴重品を金庫に収納する場合に使用され
るものであるが、その他貴重品等を持ち運ぶ運搬用バッ
グとしても使用できる。本インナーバッグは布性のため
軽量である他、バッグの主要な素材であるアラミド繊維
は、前述の様に耐切創性及び耐突刺性も極めて高い。従
って、バッグに貴重品を収納して持ち運ぶ時、刃物でバ
ッグが切られ内容物を掏られる様な被害も防止できる。
インナーバッグを貴重品の運搬用に使用する場合は、外
面層に人工皮革等化粧効果を有するシートを貼り合わせ
て、ファション性をもたせることも可能である。本発明
の金庫インナーバッグを、この様に運搬用に使用する場
合も本発明に含まれている。
【0031】
【実施例】以下実施例を挙げ図面により、本発明の金庫
インナーバッグの構造及び機能を具体的に説明する。
尚、本発明はこれらの実施例に示した態様のみに限定さ
れるものではない。
【0032】(実施例1)図1(a) に本発明の一態様で
ある金庫インナーバッグの正面図を、図1(b) にその右
側面図を示す。また図2には表面層開口部カバーの内側
の展開図を示す。図3(a) は図1に示した金庫インナー
バッグの表面層開口部カバーを取り外した状態における
平面図を、図3(b) は右側面図を示す。図4は図1(a)
の A−A ′線における断面図を、図5は図1(b) の B−
B ′線における断面図を示す。
【0033】図1(a) 及び(b) において、金庫インナー
バッグ1の表面層2の開口部分へ取り付けられている表
面層開口部カバー6を取り外すと、その平面図及び右側
面図は図3(a) 及び(b) に示した形状となる。表面層開
口部には真鍮ファスナー7が取り付けられ、ファスナー
の周囲には表面層開口部カバー6を圧着させるためのス
テンレスマジックテープ8が縫い付けられるている。ま
た、表面層開口部カバー6の内側には図2の展開図に示
した様に、周辺部にはステンレスマジックテープ8′が
縫い付けられ、マジックテープ8に圧着して接合する様
になっている。
【0034】表面層2及び表面層開口部カバー6は、パ
ラ型のアラミド繊維であるポリパラフェニレン・テレフ
タラミド繊維の厚手の織物で作られ、表面層2の外側に
は真鍮ファスナー7及びステンレスマジックテープ8が
取り付けられ、それ以外の部分はアルミニウムコートさ
れている。また、表面層開口部カバー6の外側もアルミ
ニウムコートされている。アルミニウムコートは本イン
ナーバッグが高温に曝された場合、輻射熱を反射してバ
ッグ内部の温度上昇を防止する効果が大きい。しかし、
アラミド繊維織物自体が高い耐熱性及び耐炎性を有する
ため、アルミニウムコートなしでも使用可能である。
【0035】金庫インナーバッグ1の内部構造を図4及
び図5の断面図で示す。これらの断面図に示す様にイン
ナーバッグ1は表面層2、中間層3、4及び内面層5の
3層構造となっている。中間層はポリイミドフィルム3
〔東レ・デュポン(株)製、商品名「カプトン」〕で被
覆した、炭素繊維60%とその他はアラミド繊維の混合フ
ェルト4でつくられ、開口部分は右側のフェルトと左側
のフェルトを折り重ねて閉止する構造になっている。ポ
リイミドフィルムと厚いフェルトの高い耐熱性及び耐炎
性と、フェルト内部に含まれる微小な空隙により、熱伝
導が阻害され、バッグ内の収納物を高熱から保護してい
る。
【0036】内面層5は厚い綿織物でつくられ、開口部
分には真鍮ファスナー9が取り付けられている。また、
綿織物の外側は樹脂コートされていて、金庫への出し入
れその他災害等で水が掛かった場合にも、バッグ内部の
収納物が濡れない様に保護されている。
【0037】(実施例2)実施例1と同じ構造のバッグ
において、表面層及びそのカバーがアルミニウム箔をラ
ミネートしたアラミド繊維織物であり、中間層の内容物
が炭素繊維からなるフェルトであり、ポリイミドフィル
ムによる炭素繊維フェルトの被覆が気密になされ、且つ
内部が少量の窒素ガスでシールされていること及び、内
面層がアラミド繊維編み物で作られている他は、実施例
1と同じ構造である。
【0038】中間層がポリイミドフィルムによって気密
に被覆され、且つ内部は不活性ガスである窒素ガスで置
換され、内部には酸素が含まれない雰囲気で極めて耐熱
性が高い炭素繊維のフェルトが封入されている。ポリイ
ミドフィルムで被覆された内部には少量の窒素ガスが封
入されているのみであるから、常温では中間層は薄く圧
縮されて表面には一面に多くの皺ができた状態になって
いる。しかし、高温に曝された場合は窒素ガスが膨張し
てフェルトの内部の微小な空隙の容積が拡大するため、
熱伝導度が著しく低下して耐熱性が向上する。また、ポ
リイミドフィルムの被覆は内部のガスの膨張を考慮して
つくられているため破れることがない。更に、内面層が
アラミド繊維編み物で作られているため、耐熱性・耐炎
性が一層高められ、また、編み物は組織が柔軟なため内
容物の収納が容易である。
【0039】(実施例3)実施例1と同じ構造のバッグ
にアラミド繊維の肩掛け用の紐を取り付けたことと、中
間層としてフェノール樹脂繊維フェルト使用した以外
は、実施例1の金庫インナーバッグと同様な構造を有す
るものである。
【0040】本態様のバッグを貴重品の運搬用に使用す
れば、素材がアラミド繊維であるから、刃物でバッグや
紐を切ることは困難であり、またバッグは表面層開口部
カバーと合わせて4重に閉止されているため、運搬者に
気付かれずにバッグを開けられるおそれもなく、また肩
からバッグを袈裟に掛けていれば、ひったくることも不
可能であるから、極めて安全な貴重品の運搬バッグとな
る。また、肩に掛けて運ぶための紐が取り付けられてい
るため、非常持出用バッグとしても使用できる。
【0041】更に、本バッグも高い耐熱性及び耐炎性を
有するため、貴重品の運搬に使用した後、そのまま金庫
に収納して金庫用インナーバッグとして使用することが
できる。
【0042】
【発明の効果】本発明のインナーバッグは貴重品を金庫
に保管する際、予め物品を収容して金庫に収納するため
に使用される。主な素材としてアラミド繊維または炭素
繊維、フェノール繊維等からなる織物または編み物、ポ
リイミドフィルムが使用されている。従って、耐熱性、
耐炎性が高く物品を直接金庫に収納した場合に較べて火
災等で金庫が高温に曝された場合、貴重品の損傷を防止
する効果が著しく大きくなる。更にアラミド繊維織物は
耐切創性及び耐突刺性も高いため、バッグが刃物で切ら
れ収納物が掏られる様な被害を防止できるから、貴重品
を運搬するためのバッグとしても使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) に本発明の一態様である金庫インナーバッ
グの正面図を、(b) はバッグの右側面図を示す。
【図2】バッグ1の表面層開口部カバーの内側の展開図
を示す。
【図3】(a) は図1に示した金庫インナーバッグの表面
層開口部カバーを取り外した状態における平面図を、
(b) はその右側面図を示す。
【図4】図1(a) の A−A ′線における断面図を示す。
【図5】図1(b) の B−B ′線における断面図を示す。
【符号の説明】
1 金庫インナーバッグ 2 金庫インナーバッグの表面層 3 金庫インナーバッグの中間層の被覆フィルム 4 金庫インナーバッグの中間層内部のフェルト 5 金庫インナーバッグの内面層 6 金庫インナーバッグの表面層カバー 7 表面層ファスナー 8、8′ 表面層カバー取り付け用マジックテープ 9 内面層開口部ファスナー
フロントページの続き (71)出願人 596031376 平田 純造 大阪府枚方市杉山手1丁目21−14 (72)発明者 有森 健二郎 大阪府茨木市南春日丘1−12−8 (72)発明者 橋本 賢一 大阪府大阪市住之江区南港中5−5−31− 910 (72)発明者 堀田 和彦 大阪府豊中市東泉丘4丁目3番2−406号 (72)発明者 平田 純造 大阪府枚方市杉山手1丁目21−14 (72)発明者 小林 美智子 大阪府高槻市大蔵司2丁目45−10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッグは表面層、中間層及び内面層の3
    層からなる本体と表面層開口部分のカバーから構成さ
    れ、表面層は外側にアルミニウムコートまたはアルミニ
    ウム箔をラミネート、或いは耐熱樹脂コートした耐熱
    性、耐炎性を有する有機繊維または無機繊維からなる織
    物、中間層はポリイミドフィルムで被覆した耐熱性、耐
    炎性を有する有機繊維及び/または無機繊維からなるフ
    ェルトまたは織物、内面層は織物または編み物からな
    り、表面層及び内面層の開口部分はファスナーで開閉さ
    れ、中間層の開口部分はポリイミドフィルムで被覆した
    該フェルトを折り重ねて閉止され、表面層開口部分のカ
    バーは耐熱性、耐炎性を有する有機繊維または無機繊維
    からなる織物で、その内側の周辺と表面層開口部分周辺
    に取り付けられた、耐熱性マジックテープまたは止め金
    具を使用して閉止する構造を有する金庫インナーバッ
    グ。
  2. 【請求項2】 バッグは表面層、中間層及び内面層の3
    層からなる本体と表面層開口部分のカバーから構成さ
    れ、表面層は外側にアルミニウムコートしたアラミド繊
    維織物、中間層はポリイミドフィルムで被覆した炭素繊
    維50%以上とアラミド繊維を含む混合フェルト、内面層
    は要すれば炭素繊維またはアラミド繊維、フェノール繊
    維を含む織物または編み物からなり、表面層及び内面層
    の開口部分はファスナーで開閉され、中間層の開口部分
    はポリイミドフィルムで被覆した該混合フェルトを折り
    重ねて閉止され、表面層開口部分のカバーはアラミド繊
    維織物で、その内側の周辺と表面層開口部分周辺に取り
    付けられた耐熱性マジックテープを重ね合わせて閉止す
    る構造を有する金庫インナーバッグ。
  3. 【請求項3】 バッグの中間層がポリイミドフィルムで
    気密に被覆され、中間層の内部が窒素ガスでシールされ
    ている請求項1及び2記載の金庫インナーバッグ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000177782A (ja) * 1992-11-12 2000-06-27 Daiwa Seiko Inc 保冷容器
JP2006223768A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Yukihi Maeda 災害避難用アルバム保管背おいカバン
CN105342095A (zh) * 2015-10-23 2016-02-24 邹桂平 一种熔炉工人专用的厂牌信息卡挂饰
JP2017509004A (ja) * 2013-12-19 2017-03-30 ヒョンダイ モーター カンパニー 耐熱性及び成形性が改善された吸遮音材及びその製造方法

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