JPH09215332A - 力率改善型ac/dcコンバータ - Google Patents

力率改善型ac/dcコンバータ

Info

Publication number
JPH09215332A
JPH09215332A JP4047596A JP4047596A JPH09215332A JP H09215332 A JPH09215332 A JP H09215332A JP 4047596 A JP4047596 A JP 4047596A JP 4047596 A JP4047596 A JP 4047596A JP H09215332 A JPH09215332 A JP H09215332A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
transformer
power factor
switching
winding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4047596A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Yamagishi
利幸 山岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tamura Corp
Original Assignee
Tamura Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tamura Corp filed Critical Tamura Corp
Priority to JP4047596A priority Critical patent/JPH09215332A/ja
Publication of JPH09215332A publication Critical patent/JPH09215332A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rectifiers (AREA)
  • Dc-Dc Converters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 主回路(メインコンバータ)におけるスイッ
チング素子の損失を低減し、出力の向上を可能とする力
率改善型AC/DCコンバータを提供する。 【解決手段】 少なくとも1次側回路のエネルギーのバ
ランスを保つ平滑コンデンサC2と、1次側のエネルギ
ーを2次側に伝達するスイッチングトランスT1と、こ
のスイッチングトランスT1の1次側回路をオン・オフ
するスイッチング素子Q1とを有する主回路と、この主
回路より入力側にあって高周波による短絡ルートを有す
る力率改善回路2とを備えた力率改善型AC/DCコン
バータにおいて、前記力率改善回路2の変調トランスM
Tの1次側である高周波短絡ルートに、主回路のスイッ
チング素子Q1とは別にサブスイッチ素子Q2を設ける
ことにより、スイッチング素子の負担を軽減すると共
に、このスイッチング素子Q1を流れる電流を検出する
保護回路の、入力電圧の瞬時値による影響をなくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は交流入力を、スイッ
チング素子によるスイッチング動作とスイッチングトラ
ンスにより、所望の電圧の直流出力に変換するスイッチ
ング電源、すなわちAC/DCコンバータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりワンコンバータタイプのスイッ
チング電源において、力率を改善し、高調波を低減する
ため、入力電流を正弦波状に整形するための回路が種々
提案されている。図23はこのような力率を改善するた
め、本願と同一出願人によりなされた、特願平7−26
2404号にかかる力率改善型AC/DCコンバータの
構成を示した回路図である。
【0003】図において、1は1次側回路、2は2次側
回路、3は力率改善回路、4はスイッチング素子Q1の
制御手段、つまりスイッチング動作を制御して所定の出
力を発生させるための制御回路、5はダイオードD4,
D5により構成される2次側整流回路、BDは交流電源
ACを整流するためのダイオードブリッジによる整流回
路、L1はチョークコイル、MTは変調トランス、C2
は平滑コンデンサ、Q1はMOSFETやトランジスタ
等の高速スイッチング動作が可能な半導体であるスイッ
チング素子、D3はスイッチングトランスT1の3次巻
線NRに接続され逆起電力を吸収するためのリセットダ
イオード、T1は1次側回路11と2次側回路12とを
結合するスイッチングトランス、L2は2次側チョーク
コイル、C3は2次側平滑回路である。
【0004】このような構成の回路において、入力交流
電源を変調トランスMTを介してスイッチング素子Q1
により短絡し(高周波による短絡ルート)、あるいは、
変調トランスMTのリーケージとコンデンサC1との疑
似共振動作により、高周波を重畳することで、所謂ディ
ザー効果を生じさせ、力率の改善を図るものである(リ
ンギングディザー方式と呼ぶ)。ここで、高周波による
短絡ルートとは、整流回路BDのプラス側出力→変調ト
ランスMTの1次巻線N1→ダイオードD2→スイッチ
ング素子Q1に至るルートである。なお、その詳しい動
作については同出願の公報等を参照されたい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
構成の回路では、主回路(メインコンバータ)のスイッ
チング素子と力率改善回路3の高周波短絡用のスイッチ
素子とを同一のスイッチング素子Q1で兼用している。
このため、スイッチング素子Q1の損失が増大し(通常
約2倍程度)、スイッチング素子Q1の発熱による破損
のおそれや、回路設計上の制約を受ける等、といった弊
害を生じていた。
【0006】この発明はかかる点に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、主回路(メインコンバー
タ)におけるスイッチング素子の損失を低減し、出力の
向上を図ることのできる力率改善型AC/DCコンバー
タを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、少なくとも1次側回路のエネルギーのバラン
スを保つ平滑コンデンサC2と、1次側のエネルギーを
2次側に伝達するスイッチングトランスT1と、このス
イッチングトランスT1の1次側回路をオン・オフする
スイッチング素子Q1とを有する主回路と、この主回路
より入力側にあって高周波による短絡ルートと波形重畳
ルートを有する力率改善回路2とを備えた力率改善型A
C/DCコンバータにおいて、前記力率改善回路2の変
調トランスMTの1次側である高周波短絡ルートに、主
回路のスイッチング素子Q1とは別にサブスイッチ素子
Q2を設けることとした。
【0008】また、前記力率改善回路1はコンデンサC
1と変調トランスMTとを備え、このコンデンサC1と
変調トランスMTのリーケージインダクタンスとによる
疑似共振作用の波形を入力波形に重畳する波形重畳ルー
トと、変調トランスMTの1次側からサブスイッチ素子
Q2に至る高周波の短絡ルートを有することとした。
【0009】また、1次側回路のエネルギーのバランス
を保つ平滑コンデンサC2と、この平滑コンデンサC2
を有する1次側回路から2次側回路にエネルギーを伝達
するスイッチングトランスT1と、このスイッチングト
ランスT1の1次側回路をオン・オフするスイッチング
素子Q1とを備えた主回路と、その一端が直接入力側と
接続される1次巻線N1と、コンデンサC1とダイオー
ドD1による並列回路を介してその一端が入力側と接続
される2次巻線N2とを備えた変調トランスMTと、こ
の変調トランスMTの1次巻線N1の他端側にその被制
御端子の一方が接続されたサブスイッチ素子Q2と、前
記変調トランスMTの1次巻線N1の他端側から2次巻
線N2の他端側に導通するダイオードD2とを備えるこ
ととした。
【0010】あるいは、平滑コンデンサC2と、この平
滑コンデンサC2を有する1次側回路から2次側回路に
エネルギーを伝達するスイッチングトランスT1と、こ
のスイッチングトランスT1の1次側回路をオン・オフ
するスイッチング素子Q1とを備えたコンバータ回路に
設けられ、その一端が直接入力側と接続される1次巻線
N1と、コンデンサC1とダイオードD1とによる並列
回路を介してその一端が入力側と接続される2次巻線N
2とを備えた変調トランスMTと、この変調トランスM
Tの1次巻線N1の他端側にその被制御端子の一方が接
続されたサブスイッチ素子Q2と、前記変調トランスM
Tの1次巻線N1の他端側から2次巻線N2の他端側に
導通するダイオードD2とを備えた力率改善回路として
もよい。
【0011】さらに、前記力率改善回路1は、変調トラ
ンスMTの1次巻線N1の他端側から2次巻線の他端側
N2に導通するダイオードD2とインダクタL1との直
列回路を備えることとした。
【0012】また、前記力率改善回路1のインダクタは
スイッチングトランスT1の一部であることとした。
【0013】また、前記力率改善回路1のインダクタは
変調トランスMTの一部であることとした。
【0014】また、上記変調トランスMTは複数の中間
フランジ28a,28b,28cを有すると共にこの中
間フランジ28a,28b,28cによって区切られた
各胴部23a,23b,23c,23dのいずれかに各
巻線N1,N2,N3を巻回し、かつ1次および2次巻
線N1,N2と3次巻線N3とを離間させて巻回してな
る構成とした。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は、本発明にかかる力率改善型AC/
DCコンバータの基本構成を示した回路図である。図に
おいて、2は力率改善回路、Q1はトランジスタ、mo
sFET等の高速電流制御が可能なスイッチング素子、
Q2は同様に、トランジスタ、mosFET等のサブス
イッチ素子、MTは所定のリーケージインダクタンスを
有する変調トランス、T1は1次側回路のエネルギーを
2次側回路に伝達するためのスイッチングトランス、C
2は平滑コンデンサ、1は周知の電力制御手段であるP
WM、FM制御が可能な制御手段である。
【0016】しかして、入力端子の一端側である端子I
NからコンデンサC1の一端と、ダイオードD1のアノ
ード、および変調トランスMTの1次巻線の一端側に接
続されている。前記コンデンサC1の他端と、ダイオー
ドD1のカソードから変調トランスMTの2次巻線N2
の一端側に接続され、この2次巻線N2の他端は、ダイ
オードD2のカソードと、平滑コンデンサC2の一端、
およびスイッチングトランスT1の1次巻線Np1、3
次巻線Nrのそれぞれ一端側に接続されている。変調ト
ランスMTの1次巻線N1の他端は、サブスイッチ素子
Q2の被制御端子の一方(ドレイン)と前記ダイオード
D2のアノードに接続されている。前記スイッチングト
ランスT1の1次巻線Np1の他端は、スイッチング素
子Q1の被制御端子の一方(ドレイン)に接続されてい
る。
【0017】入力端子の他端である端子GNDからは、
サブスイッチ素子Q2の被制御端子の他方(ソース)
と、平滑コンデンサC2の他端と、スイッチング素子Q
1の被制御端子の他方(ソース)と、ダイオードD3の
アノードに接続され、このダイオードD3のカソード
は、前記スイッチングトランスT1の3次巻線Nrの他
端に接続されている。また、サブスイッチ素子Q2とス
イッチング素子Q1の制御端子(ゲート)は、それぞれ
制御手段1に接続されている。
【0018】なお、入力端子INおよびGNDには、交
流電源から全波整流された脈流波形が印加される。ま
た、スイッチングトランスT1の2次巻線Ns1にはダ
イオードによる全波整流回路が接続され、スイッチング
動作により2次側に発生した電圧を直流に変換して利用
できるようになっている。
【0019】そして、スイッチング素子Q1の他にサブ
スイッチ素子Q2を設け、このサブスイッチ素子Q2を
スイッチング素子Q1と同期して動作させ、入力端子I
N→変調トランスMTの1次巻線N1→サブスイッチ素
子Q2という高周波による短絡ルートを形成することに
より、スイッチング素子Q1に流れる電流が減り、スイ
ッチング素子Q1の損失を低減することができる。
【0020】ところで、図23に示すような従来の回路
においては、スイッチング素子Q1の過電流保護のた
め、例えば図2に示すような回路が用いられていた。す
なわち、スイッチング素子Q1の被制御端子の他方(ソ
ース)とGNDとの間に、電流検出用の抵抗R11を設
け、この抵抗R11の両端に発生した電圧波形を抵抗R
12、コンデンサC11、抵抗R13によりフィルタリ
ングして、制御手段1(例えばPWM制御用のIC)の
OCP入力に与えることにより制御を行っていた。
【0021】しかしながら、このような制御手段1の過
電流保護入力(OCP)は直流的に一定のしきい値であ
ることが前提となっている場合が多い。従って、図23
のような回路では、スイッチング素子Q1の被制御端子
(ドレイン)に流入する電流は、スイッチングトランス
T1の1次巻線Np1からのものと、変調トランスMT
の1次巻線N1からのものとが合成された電流となる。
つまり、入力電圧の瞬時値に対してスイッチング素子Q
1に流れる電流IDは、図3に示す波形のXで示される
部分が変動し、この電流波形を検出するため、例えば図
4に示すように、一定のしきい値TLに対して、入力正
弦波の半周期の内、瞬時値の高い部分ではしきい値TL
を超えたり、超えなかったりする期間ができる。このた
め、制御手段1はスイッチング素子Q1に与える制御信
号を電流が減少するように制御し、回路全体の動作が不
安定となる。
【0022】このため、制御手段1のOCP入力におけ
るしきい値TLを、入力される波形の瞬時値に対応して
変化させる必要があるが、制御手段1の構成が複雑にな
ると共に、市販の制御ICを使用することを考えると一
般的でない。そこで、図1の力率改善型AC/DCコン
バータのようにサブスイッチ素子Q2を設けることによ
り、入力電圧の瞬時値に対して変化する電流成分は全て
サブスイッチ素子Q2に流れ、スイッチング素子Q1に
はスイッチングトランスの1次巻線Np1からの電流の
みが流れる。そして、スイッチング素子Q1に流れる電
流は、その殆どが2次側の負荷のみに依存するようにな
り、過負荷以外では不安定動作は解消する。
【0023】次に、この様な力率改善型AC/DCコン
バータの動作について、図5〜図8を参照しつつ説明す
る。ここで、図5は入力瞬時値が高い場合でスイッチン
グ素子Q1およびサブスイッチ素子Q2がONの場合、
図6は入力瞬時値が高い場合でスイッチング素子Q1お
よびサブスイッチ素子Q2がOFFの場合、図7は入力
瞬時値が低い場合でスイッチング素子Q1およびサブス
イッチ素子Q2がONの場合、図8は入力瞬時値が低い
場合でスイッチング素子Q1およびサブスイッチ素子Q
2がOFFの場合を示す。
【0024】図5において、入力瞬時値が高く、スイッ
チング素子Q1およびサブスイッチ素子Q2がONであ
るので、入力端子INNから高周波短絡ルート、つまり
変調トランスMTの1次側N1からサブスイッチ素子Q
2へ電流が流れる。また、メインコンバータ回路の平滑
コンデンサC2に蓄えられたエネルギーは、スイッチン
グトランスT1の1次巻線Np1を介してスイッチング
素子Q1へと流れる。これにより、スイッチングトラン
スT1の2次側Ns1に巻線比に対応した電圧が生じ
る。
【0025】図6において、スイッチング素子Q1およ
びサブスイッチ素子Q2がOFFすると、入力端子IN
NからダイオードD1(Vfを超えるため)、変調トラ
ンスMTの2次側N2を介して平滑コンデンサC2に電
流が流れる。また、変調トランスMTの1次側に、サブ
スイッチ素子Q2のON期間中に蓄えられたエネルギー
は、このサブスイッチ素子Q2のOFF期間中にダイオ
ードD2を介して平滑コンデンサC2に回生され、リセ
ットされる。この電流は不連続モードとなり、変調トラ
ンスMTがリセットされる場合は疑似共振の波形は発生
しない。
【0026】次に、図7の入力瞬時値が低い場合、スイ
ッチング素子Q1およびサブスイッチ素子Q2がONで
あると、平滑コンデンサC2に蓄積されたエネルギー
は、変調トランスMTの2次側N2、コンデンサC1方
向に流れ、さらに変調トランスMTの1次側N1を介し
て、サブスイッチ素子Q2に電流が流れる。変調トラン
スMTでは、対象な形の電流が互いに逆方向に流れる
が、この動作によってコモンモードコイルの様に結合す
るインダクタンスはキャンセルされるようになり、残っ
たリーケージインダクタンスにエネルギーが蓄えられ
る。
【0027】また、コンデンサC1は、平滑コンデンサ
C2の端子電圧と入力電圧の瞬時値の差分だけ充電され
る。なお、この期間メインコンバータ回路(主回路)で
は平滑コンデンサC2からスイッチングトランスT1の
1次巻線Npを経由して、スイッチング素子Q1へと電
流が流れ、通常のDC/DCコンバータの動作が行われ
る。
【0028】次に、図8において、スイッチング素子Q
1およびサブスイッチ素子Q2がOFFすると、スイッ
チングトランスT1のリセットは3次巻線Nrとダイオ
ードD3によって行われるが、平滑コンデンサC2の端
子電圧が、入力電圧の瞬時値よりも高いので、変調トラ
ンスMTの1次側N1に流れていた電流は、平滑コンデ
ンサC2に回生されない。
【0029】これは、変調トランスMTの1次側N1と
サブスイッチ素子Q2およびダイオードD2は分解して
考えると、昇圧チョッパのようでもあるが、サブスイッ
チ素子Q2のON/OFFデューティがスイッチング素
子Q1と同期して最大で50パーセント程度(通常30
〜40%)であるので、平滑コンデンサC2を昇圧する
エネルギーが十分でないばかりか、サブスイッチ素子Q
2のON期間中に流れる電流は、変調トランスMTのリ
ーケージインダクタンスとコンデンサC1による直列共
振によって、サブスイッチ素子Q2がOFFするタイミ
ングまでに、ほぼゼロになる共振電流(矩形の波形では
なく、なだらかな円弧を描く波形になる)となるよう、
定数が設定されているからである。
【0030】この結果、変調トランスMTのリーケージ
インダクタンスに蓄えられていたエネルギーとコンデン
サC1に充電されたエネルギーとによって、サブスイッ
チ素子Q2のOFFのタイミングで疑似共振の振動波形
が発生し、入力波形に重畳される。これで、ディザー効
果が得られ、入力端子IN側からコンデンサC1、変調
トランスMTの2次側N2を介して、平滑コンデンサC
2へ電流を流し込むことができる。
【0031】なお、従来の周波数固定型の昇圧チョッパ
型アクティブフィルタでは、昇圧回路におけるスイッチ
ング素子の制御デューティは、入力電圧の瞬時値が低い
場合は、最大で90パーセント以上開く。これにより、
十分な昇圧が得られ、さらに入力電圧の瞬時値が低くて
も入力側から十分電流を吸い込むことができる。本発明
においては、上記のように、デューティを開かない(約
50パーセント以下)ためサブスイッチQ2が十分電流
を吸い込めない分、波形重畳によるディザー効果によ
り、電流不足分を補っている。
【0032】この様に、入力電圧の瞬時値の高いときに
は、主として高周波短絡ルートにより、また、入力電圧
の瞬時値の低いときには、主として疑似共振作用による
波形重畳を行って、ディザー効果による入力電流波形の
整形が行われる。
【0033】
【実施例】次に、本発明のより具体的な実施例について
説明する。図9は本発明にかかる力率改善型AC/DC
コンバータの第1実施例を示した回路図である。図にお
いて、R1,C3はスナバ回路、A1はスイッチング素
子Q1とサブスイッチ素子Q2を駆動するためのドライ
バーアンプで、例えばトーテムポール接続されたトラン
ジスタ等による、高速動作が可能なアンプを使用する。
また、トランジスタQ3、抵抗R7、コンデンサC4、
抵抗R5はサブスイッチ素子Q2の過渡的な過電流状態
から保護するための回路である。
【0034】さらに、コンデンサC5、ダイオードD6
はサブスイッチ素子Q2とスイッチング素子Q1の駆動
信号の干渉を防止(上記トランジスタQ3の動作によ
り)するものである。また、平滑コンデンサC2の電圧
上昇が問題となる場合には、この電圧を検出して、FM
制御とPWM制御を兼用することにより、解消できる。
その他の構成は図1の回路と同一であり、同一構成要素
には同一符号を付して説明を省略する。
【0035】この様な図9の回路(12vDC、12.
5A MAX)の、出力100W、120W、150W
時における、入力電流I、入力電圧Eの波形をそれぞれ
図10、図12、図14に示す。また、この時の各次数
毎の高調波電流の測定値を、基準値(IECクラスDに
よる)とともに図11、図13、図15に示す。
【0036】図10、12、14からわかるように、交
流入力波形の略全周期にわたって電流が流れている。こ
の時の力率と効率はそれぞれ 出力 100W: 力率 0.982 ・ 効率77.2% 出力 120W: 力率 0.974 ・ 効率77.2% 出力 150W: 力率 0.943 ・ 効率77.1% であり、優れた値を示している。
【0037】図11、13、15において、高調波電流
はすべて基準値(IECクラスD)より低い値を示して
おり、高調波電流の抑制効果も大きいことがわかる。な
お、図の縦軸は対数目盛りであるため、測定限界(0.
001%)付近でバラツキが誇張されているが、問題と
はならない。
【0038】図16は、本発明にかかる力率改善型AC
/DCコンバータの、第2実施例を示した回路図であ
る。この例では、変調トランスMTの1次側からダイオ
ードD2あるいはコンデンサC3と抵抗R1の直列回路
を介してスイッチングトランスT1に至る回路に、イン
ダクタであるチョークコイルL1を追加したものであ
る。つまり、抵抗R1の他端およびダイオードD2のカ
ソードと、スイッチングトランスT1の1次巻線Np1
の一端との間にチョークコイルL1が接続される。
【0039】このインダクタとしてのチョークコイルL
1は平滑コンデンサC2の過剰な電圧上昇、特に軽負荷
時の電圧上昇を防止するものである。その他の構成は図
9の回路と同様であり、同一構成要素には同一符号を付
して説明を省略する。
【0040】図17は、本発明にかかる力率改善型AC
/DCコンバータの、第3実施例を示した回路図であ
る。この例では、図16のチョークコイルL1の代わり
に、インダクタをスイッチングトランスT1の補助巻線
Np2で構成したものである。この様にすることによ
り、チョークコイルL1が不要となり、部品点数が減少
し、スペースを確保できる。
【0041】図18は、本発明にかかる力率改善型AC
/DCコンバータの、第4実施例を示した回路図であ
る。この例では、図16のチョークコイルL1の代わり
に、インダクタを、変調トランスMTの3次巻線N3で
構成したものである。この様にすることにより、上記同
様に、チョークコイルL1が不要となり、部品点数が減
少し、スペースを確保できる。
【0042】この様な、3次巻線N3を備えた変調トラ
ンスMTの構成例を図19に示す。図19(a)は変調
トランスMTに使用されるコイルボビン21の斜視図、
(b)はその正面図、(c)は側面図、(d)は底面図
である。また、図中21はコイルボビン、23a,23
b,23c,23dは胴部、25はピン端子、26,2
7はフランジ、28a,28b,28cは中間フラン
ジ、22はコアを収容する貫通口、29は同様にコアを
収容する溝部である。
【0043】しかして、3つの中間フランジ28a,2
8b,28cにより、4箇所の仕切られた胴部23a,
23b,23c,23dが形成され、この各胴部23
a,23b,23c,23dに巻線が巻回される。そし
て、例えば、胴部23aに1次巻線N1を、胴部23b
に2次巻線N2を、胴部23cには巻線を設けず、胴部
23dに離間して3次巻線N3を設けて、1次、2次巻
線N1,N2との結合が悪くなるようにし、あえてリー
ケージインダクタンスを大きくする。また、リーケージ
インダクタンスは中間フランジ28a等の厚みにより容
易に調整できる。
【0044】図20および図21は、上記第2実施例か
ら第4実施例における力率改善型AC/DCコンバータ
の入力電流I、入力電圧Eの波形と、この時の各次数毎
の高調波電流の測定値を、基準値(IECクラスDによ
る)とともに示したものである。図20から明らかなよ
うに図9の回路の場合に比べ、電流波形Iにデッドアン
グルが見られ、力率は0.85前後まで低下するが、力
率改善回路の負担が軽減するため、2〜3%の効率の向
上が望める。高調波電流は基準値より十分低い値となっ
ている。
【0045】図22は、本発明の他の実施例である力率
改善回路を示したもので、図9の力率改善回路2を抜き
出して、モジュール化したものである。すなわち、各端
子のうち端子Inは入力整流回路のプラス出力側に接続
し、端子Gndの一方は入力整流回路のマイナス出力側
に接続し、端子Gndの他方は平滑コンデンサC2のマ
イナス側に接続する。端子Driveには制御手段1か
らの制御信号、つまり主回路のスイッチング素子Q1に
与えられる信号と同期した信号が与えられる。変調トラ
ンスMTの2次側N2の他端に接続するN2Outと1
次巻線N1の他端からダイオードD2を介してそのカソ
ード側に接続されるN1Outとを別個に設けたのは、
装着されるコンバータへの対応を良くするためである。
通常、N1OutとN2Outは平滑コンデンサC2の
プラス側に接続する。
【0046】この様に、モジュール化することにより、
従来のコンバータ回路にも容易に装着でき、力率の改善
を図ることができる。従って、このような力率改善回路
2を複数の機種への適用、つまり汎用性が向上すること
となる。しかも、制御は従来のスイッチング素子Q1に
与えていたのと同様な信号を与えるだけでよい。
【0047】
【発明の効果】以上の様に本発明によれば、スイッチン
グ素子とは別にサブスイッチ素子を設けているので、ス
イッチング素子の負担が軽減され、発熱が抑制されると
共に、過電流検出回路の誤作動も防止できる。
【0048】また、変調トランスの1次側回路からダイ
オードを経てスイッチングトランスの1次巻線に至る回
路にインダクタを設けているので、平滑コンデンサの過
剰な電圧上昇を防止できる。
【0049】あるいは、力率改善回路をモジュール化し
ているので、従来からあるコンバータ回路にも容易に適
用でき、対応する機種の汎用性が向上する。 という効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる力率改善回路の基本構成を示し
た回路図である。
【図2】過電流のための検出回路の1例を示した回路図
である。
【図3】スイッチング素子の被制御端子に流れる電流波
形を示したもので、入力波形の瞬時値により波形が変動
する様子を表している。
【図4】図3に示される入力電圧の変動に対応した、ス
イッチング素子の電流波形の変動により、制御手段の過
電流保護入力(OCP)の端子電圧が変動する様子を示
した波形図である。
【図5】入力電圧の瞬時値が高い場合であって、スイッ
チング素子とサブスイッチ素子がONの場合の動作を示
した図である。
【図6】入力電圧の瞬時値が高い場合であって、スイッ
チング素子とサブスイッチ素子がOFFの場合の動作を
示した図である。
【図7】入力電圧の瞬時値が低い場合であって、スイッ
チング素子とサブスイッチ素子がONの場合の動作を示
した図である。
【図8】入力電圧の瞬時値が低い場合であって、スイッ
チング素子とサブスイッチ素子がOFFの場合の動作を
示した図である。
【図9】本発明にかかる力率改善型AC/DCコンバー
タの第1実施例を示した回路図である。
【図10】図9の回路において、100W出力時の入力
電流Iと電圧Eの波形を示した図である。
【図11】図9の回路において、100W出力時の高調
波電流の実測値と基準値を示したグラフである。
【図12】図9の回路において、120W出力時の入力
電流Iと電圧Eの波形を示した図である。
【図13】図9の回路において、120W出力時の高調
波電流の実測値と基準値を示したグラフである。
【図14】図9の回路において、150W出力時の入力
電流Iと電圧Eの波形を示した図である。
【図15】図9の回路において、120W出力時の高調
波電流の実測値と基準値を示したグラフである。
【図16】本発明にかかる力率改善型AC/DCコンバ
ータの第2実施例を示した回路図である。
【図17】本発明にかかる力率改善型AC/DCコンバ
ータの第3実施例を示した回路図である。
【図18】本発明にかかる力率改善型AC/DCコンバ
ータの第4実施例を示した回路図である。
【図19】図18の回路に用いられる変調トランスの構
成例を示す外観図で、(a)はこの変調トランスに使用
されるコイルボビン21の斜視図、(b)はその正面
図、(c)は側面図、(d)は底面図である。
【図20】図16〜図18の回路の、100W出力時の
入力電流Iと電圧Eの波形を示した図である。
【図21】図16〜図18の回路の、100W出力時の
高調波電流の実測値と基準値を示したグラフである。
【図22】本発明の他の実施例である、モジュール化し
た力率改善回路を示した回路図である。
【図23】従来の回路例を示した回路図である。
【符号の説明】
1 制御手段 2 力率改善回路 MT 変調トランス Q1 スイッチング素子 Q2 サブスイッチ素子 Q3 トランジスタ T1 スイッチングトランス C2 平滑コンデンサ A1 ドライバーアンプ L1 チョークコイル

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイッチングトランスと、このスイッチ
    ングトランスの1次側回路をオン・オフするスイッチン
    グ素子とを有する主回路と、高周波短絡ルートを有する
    力率改善回路と、を備えた力率改善型AC/DCコンバ
    ータにおいて、 前記力率改善回路の高周波短絡ルートにサブスイッチ素
    子を設けてなることを特徴とする力率改善型AC/DC
    コンバータ。
  2. 【請求項2】 前記力率改善回路はコンデンサと変調ト
    ランスとを有し、このコンデンサと変調トランスのリー
    ケージインダクタンスによる疑似共振作用の波形を入力
    波形に重畳する波形重畳ルートと、変調トランスの1次
    側からサブスイッチ素子に至る高周波短絡ルートとを備
    えてなることを特徴とする請求項1記載の力率改善型A
    C/DCコンバータ。
  3. 【請求項3】 平滑コンデンサと、この平滑コンデンサ
    を有する1次側回路から2次側回路にエネルギーを伝達
    するスイッチングトランスと、このスイッチングトラン
    スの1次側回路をオン・オフするスイッチング素子とを
    備えた主回路 と、直接入力側と接続される1次巻線と、コンデンサと
    ダイオードによる並列回路を介して入力側と接続される
    2次巻線とを有する変調トランスと、この変調トランス
    の2次巻線の他端側にその被制御端子の一方が接続され
    たサブスイッチ素子と、前記変調トランスの2次巻線の
    他端側から1次巻線の他端側に導通するダイオードとを
    有する力率改善回路とを備えてなることを特徴とする力
    率改善型AC/DCコンバータ。
  4. 【請求項4】 平滑コンデンサと、この平滑コンデンサ
    を有する1次側回路から2次側回路にエネルギーを伝達
    するスイッチングトランスと、このスイッチングトラン
    スの1次側回路をオン・オフするスイッチング素子とを
    備えたコンバータ回路に設けられ、 直接入力側と接続
    される1次巻線と、コンデンサとダイオードによる並列
    回路を介して入力側と接続される2次巻線とを備えた変
    調トランスと、この変調トランスの2次巻線の他端にそ
    の被制御端子の一方が接続されたサブスイッチ素子と、
    前記変調トランスの2次巻線の他端から1次巻線の他端
    に導通するダイオードとを備えたことを特徴とする力率
    改善回路。
  5. 【請求項5】 前記力率改善回路は、変調トランスの2
    次巻線の他端側から1次巻線の他端側に導通するダイオ
    ードとインダクタとの直列回路を備えたことを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれか1項に記載の力率改善型
    AC/DCコンバータ。
  6. 【請求項6】 前記力率改善回路のインダクタはスイッ
    チングトランスの一部であることを特徴とする請求項5
    記載の力率改善型AC/DCコンバータ。
  7. 【請求項7】 前記力率改善回路のインダクタは変調ト
    ランスの一部であることを特徴とする請求項5記載の力
    率改善型AC/DCコンバータ。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の変調トランスは複数の中
    間フランジを有すると共にこの中間フランジによって区
    切られた各胴部のいずれかに各巻線を巻回し、かつ1次
    および2次巻線と3次巻線とを離間させて巻回してなる
    ことを特徴とする変調トランス。
JP4047596A 1996-02-01 1996-02-01 力率改善型ac/dcコンバータ Pending JPH09215332A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4047596A JPH09215332A (ja) 1996-02-01 1996-02-01 力率改善型ac/dcコンバータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4047596A JPH09215332A (ja) 1996-02-01 1996-02-01 力率改善型ac/dcコンバータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09215332A true JPH09215332A (ja) 1997-08-15

Family

ID=12581658

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4047596A Pending JPH09215332A (ja) 1996-02-01 1996-02-01 力率改善型ac/dcコンバータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09215332A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005229731A (ja) * 2004-02-13 2005-08-25 Nipron Co Ltd 電源回路
JP2014176126A (ja) * 2013-03-06 2014-09-22 Panasonic Corp 電源装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005229731A (ja) * 2004-02-13 2005-08-25 Nipron Co Ltd 電源回路
JP2014176126A (ja) * 2013-03-06 2014-09-22 Panasonic Corp 電源装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5088386B2 (ja) スイッチング電源装置
JP3132093B2 (ja) 電源回路
US6344986B1 (en) Topology and control method for power factor correction
JP4844674B2 (ja) スイッチング電源装置
US8169797B2 (en) AC/DC intermediate-circuit converter having a very wide AC input voltage range
US8891261B2 (en) Three-phase three-level soft-switched PFC rectifiers
US6005780A (en) Single-stage AC/DC conversion with PFC-tapped transformers
US20070195560A1 (en) Switching power supply circuit
CN108539984B (zh) 开关电源电路的pfwm控制系统
US20070035971A1 (en) Switching power supply circuit
US20080025052A1 (en) Switching power supply circuit
WO2019206067A1 (zh) 开关电源电路
US6191965B1 (en) Switching power supply
JP2004524788A (ja) 同期整流変換器回路内の逆電流を減少させる方法と回路
Kang et al. ZVZCS single-stage PFC AC-to-DC half-bridge converter
US7158389B2 (en) Switching power supply circuit
JP3402361B2 (ja) スイッチング電源
US5499175A (en) Power supply circuit
US5712780A (en) Unity power factor converter for high quality power supply with magnetically coupled compensation
EP0725475B1 (en) DC converter with improved power factor
JPH09215332A (ja) 力率改善型ac/dcコンバータ
Naraharisetti et al. Single stage PFC flyback AC-DC converter design
Jang et al. The single-stage taipei rectifier
JPH11164552A (ja) 電源装置
JP4305935B2 (ja) スイッチング電源

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050118

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050524