JPH09211244A - Y分岐光導波路 - Google Patents

Y分岐光導波路

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JPH09211244A
JPH09211244A JP1768296A JP1768296A JPH09211244A JP H09211244 A JPH09211244 A JP H09211244A JP 1768296 A JP1768296 A JP 1768296A JP 1768296 A JP1768296 A JP 1768296A JP H09211244 A JPH09211244 A JP H09211244A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Y分岐点領域における伝搬損失を低減し、Y
分岐による伝搬損失のばらつきを少なくする。 【解決手段】 LiNbO3 基板上に1本のシングルモ
ード光導波路部20が形成され、シングルモード光導波
路部20には、幅狭側から幅広側にかけて一定の傾斜角
θで徐々にテーパ状に幅がW1からW2に拡大されたテ
ーパ状光導波路部22が連続している。テーパ状光導波
路部22の幅広側には、マルチモードの導波光を伝搬さ
せる長さdが100〜400μmのマルチモード光導波
路部24が連続している。マルチモード光導波路部24
からは、マルチモード光導波路部24から離れるに従っ
て相互に滑らかに離れるように、シングルモードの導波
光を伝搬させる各々幅W1の2本のシングルモード分岐
光導波路部26、28が2つに分岐している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はY分岐光導波路に係
り、特に、基板表面または基板内部に形成されかつ光波
を閉じ込めて伝搬させる光導波路に光波を伝搬させ、光
波パワーを2以上に分岐したり2以上の光波を1つに合
波させたりするためのY分岐光導波路に関するものであ
る。
【0002】このようなY分岐光導波路は、導波路型ス
ターカップラやマッハツェンダー型変調器に用いられて
おり、低損失でかつ損失値特性の製造ばらつきの少ない
ものが望まれている。
【0003】
【従来の技術】図1に理想形状をした従来のY分岐光導
波路を示す。このY分岐光導波路は、1本のシングルモ
ード光導波路10と2本のシングルモード光導波路1
2、14との間に、幅が位置Aから位置Bまで徐々にテ
ーパ状に拡大されたテーパ状光導波路部18を介在させ
て3本のシングルモード光導波路10、12、14をY
字型に組み合わせて構成されている。また、シングルモ
ード光導波路12とシングルモード光導波路14との間
には、テーパ状光導波路部18でマルチモードに変化し
た導波光を2つに分岐するための分岐部16が形成され
ている。
【0004】このようなY分岐光導波路は、通常、ガラ
スまたはLiNbO3 等の電気光学効果を有する材料か
らなる基板に、イオン交換法やTi等の熱拡散法によっ
て基板の屈折率よりわずかに屈折率の高い光導波領域を
形成することによって得られる。
【0005】この屈折率のわずかに高い光導波領域は、
次のように形成される。まず、フォトレジストと呼ばれ
る感光剤を基板上に薄く塗布し、Y分岐光導波路の原盤
が描画されているフォトマスクを用いて露光・現像し、
フォトレジストのY分岐パターンを形成する。続いて、
基板上に形成されたフォトレジストのY分岐パターン
に、イオン交換法やTi等の熱拡散法により光を導波さ
せる光導波領域を形成する。
【0006】通常、このようなY分岐光導波路は、光通
信でよく用いられる1.3〜1.5μmの波長の光波が
シングルモードとなるように形成されることが多いた
め、光導波領域で構成された光導波路の幅は非常に狭
く、シングルモードの光を伝搬させる光導波路部の幅は
せいぜい6〜8μm程度となる。
【0007】Y分岐光導波路の伝搬損失は、光導波路の
Y分岐点領域近傍の形状、すなわち分岐部16の先端部
の形状に左右されることが知られている。できるだけ伝
搬損失が少なくなるように分岐させるためには、2本の
シングルモード光導波路12、14間に形成される分岐
部16の先端の形状をできるだけシャープにすることが
要求され、そのシャープさは導波光の波長と同程度(例
えば、1.5μm)以下とされている。また、導波光モ
ードの等位相面が傾くことによる損失を防止するために
2本のシングルモード光導波路12、14をなるべく徐
々に離間させていくことが必要であり、このため分岐部
16の形状は極めて細長くならざるを得ない。
【0008】しかしながら、従来用いられている露光、
現像、熱拡散等のプロセスによってY分岐光導波路を形
成する方法では、分岐部16の先端は鈍った形状になっ
てしまう。図2は、従来のY分岐光導波路の実際の形状
を説明したものであり、分岐部16の先端16Aは理想
的な位置Bより後退し、その幅も拡がっている。このた
め、Y分岐点領域における光波の伝搬損失が大きくなっ
てしまう、という問題点があった。
【0009】このため、図3に示すように、導波路と基
板との中間の屈折率を持った領域Eを、1本のシングル
モード光導波路10の幅が広がり始める位置Aと2本の
シングルモード光導波路12、14が分岐する位置B付
近との間に設ける技術(特開昭63−60407号公
報)や、1本のシングルモード導波路部にまで中間屈折
率領域を設けた技術(特開昭56−126809号公
報)等が開示されている。
【0010】しかしながら、図3に示すような従来のY
分岐光導波路であっても、露光、現像、熱拡散等のプロ
セスを経ると、図4に示すように、分岐部である領域E
の先端は現実的には鈍った形状になってしまうことは避
けられず、更に、この鈍りの程度が一定しないために、
製品毎の伝搬損失値がばらつくという問題があった。特
に、シングルモード光導波路では、導波路の幅が狭いた
め、分岐部の先端の鈍りの程度の影響が大きくなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するために成されたもので、Y分岐点領域における
伝搬損失を低減し、かつ分岐部の先端が露光、現像、熱
拡散等のプロセスの製造誤差によって鈍った形状になっ
たり、先端位置が多少ずれても、伝搬損失に大きな影響
を及ぼさず、Y分岐による伝搬損失のばらつきが少ない
Y分岐光導波路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、シングルモードの導波光を伝搬
させる1本のシングルモード光導波路部と、幅が徐々に
拡大されかつ幅狭側が前記シングルモード光導波路部に
連続したテーパ状光導波路部と、前記テーパ状光導波路
部の幅広側に連続しかつマルチモードの導波光を伝搬さ
せる略一定幅のマルチモード光導波路部と、前記マルチ
モード光導波路部から分岐し、かつシングルモードの導
波光を伝搬させる複数本のシングルモード分岐光導波路
部と、を含んで構成したものである。
【0013】請求項2の発明は、シングルモードの導波
光を伝搬させる1本のシングルモード光導波路部と、幅
が徐々に拡大されかつ幅狭側が前記シングルモード光導
波路部に連続したテーパ状光導波路部と、前記テーパ状
光導波路部の幅広側に連続しかつマルチモードの導波光
を伝搬させる略一定幅のマルチモード光導波路部と、前
記マルチモード光導波路部から分岐し、かつシングルモ
ードの導波光を伝搬させる2本のシングルモード分岐光
導波路部と、を含んで構成したものである。
【0014】また、請求項3の発明は、請求項2の発明
において、テーパ状光導波路部の幅狭側を前記シングル
モード光導波路部の幅と同じ幅とし、かつ幅広側を前記
シングルモード光導波路部の幅の2倍以上、前記シング
ルモード光導波路部の幅の2倍に前記シングルモード分
岐光導波路部の間に形成された分岐部の先端の幅を加え
た値以下の幅にしたものである。
【0015】そして、請求項4の発明は、請求項1また
は2の発明において、マルチモード光導波路部の導波光
進行方向の長さを100〜400μmとしたものであ
る。
【0016】請求項1、2の発明では、1本のシングル
モード光導波路部を伝搬したシングルモードの導波光
は、幅が徐々に拡大されたテーパ状光導波路部を伝搬す
るときに徐々に2以上のモードのマルチモードに変化
し、マルチモード光導波路部を伝搬する。
【0017】従って、テーパ状光導波路部のマルチモー
ド光導波路部側の領域及びマルチモード光導波路部で
は、基本モードと高次モードとが同時に存在する状態に
なる。このような状態では、各モードが相互作用し、モ
ード間でエネルギーの授受を行うため、各モードの重ね
合わせによって光波のパワーに分布が生じ、パワー分布
が1つのローブ(山)から成るシングルモードの導波光
がパワー分布が2つ以上のローブから成るマルチルモー
ドの導波光に変化する。
【0018】このとき、マルチモード光導波路部の幅は
略一定であるため、光波は伝搬しながらパワー分布が徐
々に安定して行く。マルチモード光導波路部において安
定したパワー分布で導波光が伝搬する安定伝搬領域の導
波光進行方向の範囲(距離)は、導波光の分岐位置が製
造誤差によって設計位置からずれる範囲(距離)より遙
かに長いので、安定伝搬領域内に導波光の分岐位置が位
置するように設計しておけば、製造誤差によって実際の
分岐位置がずれても、このずれ量だけマルチモード光導
波路部の長さが変化するだけであり、このずれた分岐位
置は安定伝搬領域内に常に位置するようにすることがで
きる。
【0019】従って、パワー分布が安定した状態で、各
々のローブ部分で分岐するように複数のシングルモード
分岐光導波路部をマルチモード光導波路部から分岐させ
ておくことにより、マルチモード光導波路部を伝搬した
導波光は、大きな損失を伴うことなくシングルモード分
岐光導波路部の各々に分岐されて伝搬する。
【0020】なお、導波光を合波する場合には、導波光
の進行方向は上記と逆になる。請求項1、2の発明で
は、略一定幅のマルチモード光導波路部が設けられてい
るため、導波光はこのマルチモード光導波路部を伝搬し
ていく過程で安定し、Y分岐点領域の製造誤差があって
も安定した位置で分岐される。このため、伝搬損失を低
くすることができ、またY分岐による伝搬損失のばらつ
きを少なくすることができる。
【0021】上記テーパ状光導波路部の幅狭側はシング
ルモード光導波路部の幅と同じ幅とし、かつ幅広側はシ
ングルモード光導波路部の幅の2倍以上、シングルモー
ド光導波路部の幅の2倍にシングルモード分岐光導波路
部の間に形成された分岐部の先端の幅を加えた値以下の
幅にすることができる。
【0022】また、光導波路における光波のパワー分布
は、幅が変化するテーパ状光導波路部で特に大きく変化
するので、光波のパワー分布を急激に変化させないよう
にすると共にテーパ状光導波路部の長さを必要以上に長
くさせないようにするために、テーパ状光導波路部の幅
の変化の程度を導波光進行方向に対する傾斜角で0.1
〜2°程度にするのが好ましい。
【0023】上記のように、光波のパワー分布は各モー
ドの重ね合わせによって発生するので、マルチモード光
導波路部の導波光進行方向における各位置によって光波
のパワー分布が異なることになる。このため、マルチモ
ード光導波路部の長さによって、マルチモード光導波路
部からシングルモード分岐光導波路部へ移行する光波の
パワー分布が異なることになる。
【0024】従って、マルチモード光導波路部からシン
グルモード分岐光導波路部へパワー分布が安定した導波
光を移行させるためには、マルチモード光導波路部の長
さを第1の所定値以上としてある程度の距離伝搬させる
必要があるが、マルチモード光導波路部が長いとマルチ
モード光導波路部の屈折率分布の乱れ等による伝搬損失
が増大するため、マルチモード光導波路部の導波光進行
方向の長さは第1の所定値より大きい第2の所定値以下
とするのが好ましい。
【0025】このマルチモード光導波路部の導波光進行
方向の長さを上記の範囲内で調整することによって、シ
ングルモード分岐光導波路部に移行するときの光波のパ
ワー分布を調整すれば、より伝搬損失の低いY分岐光導
波路を提供することができる。
【0026】具体的には、マルチモード光導波路部の導
波光進行方向の長さは、100μm〜400μm、好ま
しくは150μm〜200μmとすることができる。こ
れは、マルチモード光導波路部の導波光の進行方向長さ
を100μm未満とした場合には、光波のパワー分布が
安定しないため伝搬損失が大きくなるため好ましくな
く、一方この長さを400μmを越える値とした場合に
は光導波路の屈折率分布の乱れ等による損失が増大し、
伝搬損失が大きくなるため好ましくないからである。こ
の長さを100μm〜400μmとすることにより、Y
分岐点領域における伝搬損失を0.2dB以下にするこ
とができ、また長さを150μm〜200μmとするこ
とにより、伝搬損失を略0にすることができる。
【0027】また、シングルモードの導波光をパワー分
布において2つのローブを備えたマルチモードの導波光
に変化させ、このマルチモードの導波光をシングルモー
ドの導波光に分岐するためには、マルチモード光導波路
部の幅方向中央部でのパワーが小さく、かつ左右に大き
なパワーを持つ対称なパワー分布になった状態でシング
ルモード分岐光導波路部に移行させるのが好ましい。こ
のような2つのローブを備えたマルチモードの導波光を
シングルモードの導波光に分岐するためには、テーパ状
光導波路部の幅広側の幅及びマルチモード光導波路部側
の幅はシングルモード光導波路部の幅の2倍以上、シン
グルモード光導波路部の幅の2倍にシングルモード分岐
光導波路部の間に形成された分岐部の先端の幅を加えた
値以下とし、2本のシングルモード分岐光導波路部を設
ければよい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図5に示すように、本実施
の形態のY分岐光導波路は、LiNbO3 (以下LNと
略記する)基板上に形成され、シングルモードの導波光
を伝搬させる幅W1の1本のシングルモード光導波路部
20を備えている。LN基板としては、Z−カット,Y
−伝搬やX−カット,Z−伝搬のLN基板を用いること
ができる。
【0029】このシングルモード光導波路部20には、
幅狭側から幅広側にかけて一定の傾斜角θで徐々にテー
パ状に幅がW1からW2に拡大されたテーパ状光導波路
部22が連続している。
【0030】このテーパ状光導波路部22の幅広側に
は、マルチモードの導波光を伝搬させるマルチモード光
導波路部24が連続している。このマルチモード光導波
路部24の幅は略一定の幅W2で、かつ導波光の進行方
向の長さはdである。このとき、幅W2は、シングルモ
ード光導波路部20の幅W1の2倍に、2本のシングル
モード分岐光導波路26、28の間に形成された分岐部
30の先端の幅を加えた幅である。この長さdは、導波
光のパワー分布が安定しかつ伝搬損失が大きくならない
程度に設定されている。
【0031】マルチモード光導波路部24からは、マル
チモード光導波路部24から離れるに従って相互に滑ら
かに離れるように、シングルモードの導波光を伝搬させ
る各々幅W1の2本のシングルモード分岐光導波路部2
6、28が2つに分岐している。マルチモード光導波路
部24から2本のシングルモード分岐光導波路部26、
28が分岐する結果、シングルモード分岐光導波路部2
6、28のマルチモード光導波路部24側の部位の間
に、導波光の波長と同じ程度(例えば、1.5μm)の
幅の分岐部30が形成される。
【0032】図5においてd’は、テーパ状光導波路部
22の幅広側から2本のシングルモード分岐光導波路部
26、28の対向する内側の2辺の間隔が導波路の波長
と同じ程度まで接近する部分である分岐部30の先端ま
での設計上の距離、すなわちマルチモード光導波路部2
4の設計上の長さを示す。また、dは実際のマルチモー
ド光導波路部24の長さ、すなわちプロセスの加工精度
等の影響を受けて分岐部30の先端が設計値より鈍り、
かつその位置が設計位置よりずれて構成されたマルチモ
ード光導波路部24の長さを示している。
【0033】マルチモード光導波路部では、屈折率分布
及び光導波路の幅が略一定であるため、伝搬する導波光
のパワー分布はプロセスの加工精度の影響を受け難く、
安定して伝搬する。マルチモード光導波路部において安
定したパワー分布で導波光が伝搬する安定伝搬領域の導
波光進行方向の距離は、導波光の分岐位置が製造誤差に
よって設計位置からずれる距離より遙かに長いので、図
5のように後退した状態においても分岐部30の先端は
安定伝搬領域内に位置するように設計位置を設定するこ
とは容易である。
【0034】なお、シングルモード光導波路部20、テ
ーパ状光導波路部22、マルチモード光導波路部24、
及びシングルモード分岐光導波路部26、28の屈折率
は略同じ値である。
【0035】シングルモード光導波路部20、シングル
モード分岐光導波路部26、28の幅W1は、これらの
光導波路部を形成する領域の屈折率の大きさによって変
化するが、本実施の形態では7μmとした。マルチモー
ド光導波路部24の幅W2は、本実施の形態では15.
5μmとした。従って、テーパ状光導波路部22の幅狭
側の幅は、シングルモード光導波路部の幅W1と同じ7
μmになり、幅広側の幅は、シングルモード光導波路部
の幅W1の2倍に分岐部の先端の幅を加えた15.5μ
mになっている。また、テーパ状光導波路部22の傾斜
角θは0.1〜2°の範囲とした。傾斜角θが2°を越
えるとモードが急激に変化するので好ましくなく、傾斜
角θが0.1°未満であるとテーパ状光導波路部22の
長さが長くなって伝搬損失が増加するので好ましくな
い。
【0036】本実施の形態のテーパ状光導波路部22で
は、光導波路の幅が徐々に広がっているため、シングル
モード光導波路部20側から伝搬した導波光は、パワー
分布においてローブが1つのシングルモードからローブ
が2つのマルチモードへ徐々に変化して行く。マルチモ
ード光導波路部の幅は略一定であるため、光波は伝搬し
ながらマルチモードのパワー分布が徐々に安定して行
く。安定したマルチモードのパワー分布は、マルチモー
ド光導波路部の幅方向中央部でのパワーが最小で、かつ
幅方向左右に大きなパワーを持つ対称なパワー分布にな
る。
【0037】シングルモード分岐光導波路部26、28
の間に形成された分岐部30は、マルチモード光導波路
部の幅方向中央部に位置しているため、導波光のパワー
の最小の部分が分岐部30に当接するように伝搬し、パ
ワーが最小の部分で分岐され、2つのローブはシングル
モードとしてシングルモード分岐光導波路部26、28
を各々伝搬する。
【0038】図6は、本実施の形態のY分岐光導波路の
マルチモード光導波路部の導波光進行方向の長さdを0
〜700μmの範囲で変化させ、波長1.55μmのレ
ーザビームをシングルモード光導波路部20側から入射
させたときの、マルチモード光導波路部24の導波光の
進行方向の長さdとY分岐光導波路の伝搬損失との関係
を示すものである。図6から、マルチモード光導波路部
24の導波光の進行方向の長さdを65μm〜410μ
m程度、好ましくは100μm〜400μmとすること
によって、Y分岐光導波路の伝搬損失を0.2dB以下
の小さな値にすることができ、さらに長さdを150μ
m〜200μmとすることによって、前記伝搬損失を略
0dB以下にすることができる。
【0039】次に、上記構造のY分岐光導波路の具体的
製造方法を説明する。まず、LN基板上に、フォトレジ
ストをスピンコート法によって、約700nmの厚みに
塗布する。次に、図5に示したY分岐光導波路のパター
ン(Y分岐パターン)が描画されたフォトマスクを用い
て、LN基板上にこのY分岐パターンを露光して現像
し、フォトレジストのY分岐パターンを形成する。
【0040】このとき、露光・現像の僅かな条件の相違
や、フォトレジストの厚さや硬さの相違によって、Y分
岐パターンの幅が非常に細くなる分岐部30の形状は、
原パターンと相違してくる。露光・現像後の分岐部30
の形状は、フォトレジストの付着力、露光の分解能等か
ら1μm程度の先端幅を有する台形、長方形(図5参
照)又は光の進行方向に対し末広がりになるホーン状
(但し、分岐の場合)等に形成される。
【0041】次に、LN基板にTiを約80nmの厚み
に蒸着した後、リフトオフによってTiのY分岐パター
ンを形成し、1000°Cで10時間熱拡散を行う。こ
のようにTiがLN基板に熱拡散すると熱拡散した部位
の屈折率が上昇し、光波を閉じ込めて伝搬する導波路を
形成することができる。
【0042】なお、上記の例では、テーパ状光導波路部
22の幅広側の幅W2は、シングルモード光導波路部を
2つに分岐するために、シングルモード光導波路部の幅
W1の2倍にシングルモード分岐光導波路部26、28
の間に形成された分岐部の先端の幅を加えた値に形成さ
れている。
【0043】幅W2は、分岐部30の先端の幅に応じて
変更してもよい。ここで、分岐部の先端の幅は、伝搬す
る導波光の波長をλとしたとき、およそλ〜3λの範囲
であることが好ましい。分岐部30の幅は、鋭い程伝搬
損失を低減できるが、製造限界及び製造誤差の見地から
λ程度で十分である。また、先端幅が3λを上回ると、
分岐部での屈折率分布の変化が大きくなり、伝搬損失が
増大してしまう。
【0044】また、上記実施の形態では、基板としてL
Nを用いた例について説明したが、ガラスや電気光学効
果を備えたLiTaO3 等のその他の誘電体を用いても
よい。また、Ti拡散法によって形成した導波路を例に
説明したが、プロトン交換法によって形成した導波路等
他の光導波路に対しても本発明を適用することができ
る。また、ガラス導波路、半導体導波路等のように屈折
率分布が段階状の光導波路に対しても本発明を適用する
ことができる。
【0045】また、上記の形態では、導波光を2つに分
岐する例について説明したが、3以上に分岐するように
してもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように請求項1〜3の発明
によれば、略一定幅のマルチモード光導波路部が設けら
れているため、導波光はこのマルチモード光導波路部を
伝搬していく過程で安定し、安定した状態で分岐される
ため、Y分岐点領域の製造誤差があっても伝搬損失を低
くすることができ、またY分岐による伝搬損失のばらつ
きを少なくすることができる、という効果が得られる。
【0047】また、請求項4の発明によれば、マルチモ
ード光導波路部の導波光進行方向の長さを100μm〜
400μmとしたので、Y分岐点領域における伝搬損失
を0.2dB以下にすることができる、という効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の理想的なY分岐光導波路の一例を示す構
成図である。
【図2】図1のY分岐光導波路の現実的な構成図であ
る。
【図3】従来の理想的なY分岐光導波路の他の例を示す
構成図である。
【図4】図3のY分岐光導波路の現実的な構成図であ
る。
【図5】本発明のY分岐光導波路の実施の形態を示す構
成図である。
【図6】マルチモード導波路部の長さdに対するY分岐
光導波路の伝搬損失値の測定結果を示す特性図である。
【符号の説明】
20 シングルモード光導波路部 22 テーパ状光導波路部 24 マルチモード光導波路部 26,28 シングルモード分岐光導波路部 30 分岐部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シングルモードの導波光を伝搬させる1本
    のシングルモード光導波路部と、 幅が徐々に拡大されかつ幅狭側が前記シングルモード光
    導波路部に連続したテーパ状光導波路部と、 前記テーパ状光導波路部の幅広側に連続しかつマルチモ
    ードの導波光を伝搬させる略一定幅のマルチモード光導
    波路部と、 前記マルチモード光導波路部から分岐し、かつシングル
    モードの導波光を伝搬させる複数本のシングルモード分
    岐光導波路部と、 を含むY分岐光導波路。
  2. 【請求項2】シングルモードの導波光を伝搬させる1本
    のシングルモード光導波路部と、 幅が徐々に拡大されかつ幅狭側が前記シングルモード光
    導波路部に連続したテーパ状光導波路部と、 前記テーパ状光導波路部の幅広側に連続しかつマルチモ
    ードの導波光を伝搬させる略一定幅のマルチモード光導
    波路部と、 前記マルチモード光導波路部から分岐し、かつシングル
    モードの導波光を伝搬させる2本のシングルモード分岐
    光導波路部と、 を含むY分岐光導波路。
  3. 【請求項3】前記テーパ状光導波路部は、幅狭側が前記
    シングルモード光導波路部の幅と同じ幅で、かつ幅広側
    が前記シングルモード光導波路部の幅の2倍以上、前記
    シングルモード光導波路部の幅の2倍に前記シングルモ
    ード分岐光導波路部の間に形成された分岐部の先端の幅
    を加えた値以下の幅である請求項2のY分岐光導波路。
  4. 【請求項4】前記マルチモード光導波路部の導波光進行
    方向の長さを、100μm〜400μmとした請求項1
    または2のY分岐光導波路。
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