JPH09210996A - ペプチドと反応する抗体及び該抗体を用いた蛋白の測定方法 - Google Patents

ペプチドと反応する抗体及び該抗体を用いた蛋白の測定方法

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JPH09210996A
JPH09210996A JP4221096A JP4221096A JPH09210996A JP H09210996 A JPH09210996 A JP H09210996A JP 4221096 A JP4221096 A JP 4221096A JP 4221096 A JP4221096 A JP 4221096A JP H09210996 A JPH09210996 A JP H09210996A
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JP
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antibody
peptide
amino acid
antiserum
immunogen
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JP4221096A
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Kiichi Arahata
喜一 荒畑
Yoshihiro Kurano
義裕 倉野
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Fujirebio Inc
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Fujirebio Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 STA遺伝子のエクソン6によりコードさ
れるポリペプチドのうち少なくとも一部を免疫原とした
抗体及び該抗体を用いた蛋白の測定方法。 【効果】 本発明により、STA遺伝子のエクソン6が
コードするポリペプチドの少なくとも一部を免疫原とす
る抗体及び該抗体を用いた蛋白の測定方法を提供し、X
染色体劣性遺伝に伴う各種疾患の発症機序解明の研究等
に役立つものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、STA遺伝子のエクソ
ン6によりコードされるポリペプチドのうち少なくとも
一部を免疫原とした抗体及び該抗体を用いた蛋白の測定
方法に関する。更に詳しくは、STA遺伝子のエクソン
6によりコードされるポリペプチドのうちアミノ酸配列
SRSSLDLSYYPTSSSTまたはアミノ酸配列
FMQAEEGNPFからなるペプチドを免疫原とした
抗体及び該抗体を用いた蛋白の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】STA遺伝子は、筋ジストロフィーの一
型であるEDMDの発症に密接に関係する遺伝子であ
り、該遺伝子がコードする蛋白質をエメリンと言う(Na
ture Genet. 8, p323-327, 1994 )。
【0003】EDMDは、Emery, A. E. H. と Dreifus
s F. E. らによって報告され(J. Neurolo. Neurosurg.
Psychiatr. 29, p338-342, 1966)、1)肘、アキレス
腱、後頸部筋の拘縮、2)scapulo-humero-peroneal 型の
筋ジストロフィー、3)危篤な伝導障害を伴う心筋症を3
主徴とする疾患である。EDMDの疾患遺伝子座はXq
28にマップされ、この部分のSTA遺伝子にはいくつ
かの変異が同定されているため(Nature Genetics Vol.
8 p323-327 1994 )、これらの変異の有無及び遺伝子変
異によって引き起こされる異常蛋白質の有無とEDMD
及びその他の各種遺伝子疾患との関連性について、注目
が集まっている。
【0004】尚、筋ジストロフィーは遺伝子異常により
発症する遺伝病であり、通常X染色体劣性の遺伝形式を
示すが、臨床経過、羅患筋の分布及び遺伝形式などの違
いにより大きく病状が異なるため、Duchenne型筋ジスト
ロフィー(DMD)、筋緊張性ジストロフィー(D
M)、Becker型筋ジストロフィー(BDM)、Emery-Dr
eifuss型(EDMD)、顔面肩甲上腕型(FSHD)、
肢帯型(LGMD)、先天型(CMD)、三好型遠位型
(MDMD)等多系統に分類され、これらの発症機序等
に関する研究が進められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、EDMD及びその他のX染色体劣性遺伝に伴う各種
疾患の発症機序解明及びこれら疾患の鑑別診断に用いる
ことのできる抗体及び該抗体を用いた蛋白の測定方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来の課
題を解決すべく、STA遺伝子がコードするアミノ酸配
列の一部を合成し、これを免疫原とする抗体作製の研究
を重ねた結果、X染色体劣性遺伝に伴う疾患の患者細胞
と正常細胞とで反応性の異なる抗体を作成することに成
功し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、STA遺伝子のエク
ソン6によりコードされるポリペプチドのうち少なくと
も一部を免疫原とした抗体及び該抗体を用いた蛋白の測
定方法を提供するものである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】上述のように、本発明の抗体は、SAT遺
伝子のエクソン6によりコードされるポリペプチドの少
なくとも一部を免疫原とした抗体である。後述の実施例
に示すように本発明の好ましい態様の抗体は、STA遺
伝子によりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列の
うちアミノ酸番号173〜188から成るペプチドED
1またはアミノ酸番号245〜254から成るペプチド
ED2を免疫原とする。ED1はSRSSLDLSYY
PTSSSTの16残基からなるペプチドであり、ED
2はFMQAEEGNPFの10残基からなるペプチド
である。
【0010】尚、本明細書中では、アミノ酸を表すのに
表1に示す1文字または3文字の略号を用いる。
【0011】
【表1】
【0012】本発明の抗体を作成するにはSTA遺伝子
のエクソン6がコードするポリペプチド全体を免疫原と
するか、またはその一部をペプチド合成し、これを免疫
原として抗体を作成する。免疫原として用いる程大量に
蛋白質を精製したり合成したりするのは困難であるの
で、STA遺伝子のアミノ酸配列を基にして、抗原性が
得られる程度の長さのペプチドを合成し、免疫原として
用いるのが好ましい。免疫原とする合成ペプチドは、B
SAやKLH等のキャリアー蛋白と結合させるために、
N末端側にCys等を加えておくとよい。
【0013】本発明の抗体はポリクローナル抗体であっ
てもモノクローナル抗体であってもよい。ポリクローナ
ル抗体の場合は、ウサギ、モルモット、マウス等の免疫
動物に抗原を免疫する。免疫は常法に従っておこなうこ
とができ、抗原は単独で、またはアジュバンドと共に免
疫動物に投与する。免疫後は、抗体価の上昇を確認して
血清を採取するが、必要に応じて追加免疫を行うとよ
い。
【0014】またモノクローナル抗体の場合は、上述の
ようにして抗原を免疫した動物の脾臓細胞等のような抗
体産生細胞と、ミエローマ細胞のような腫瘍細胞とを、
ポリエチレングリコール等のような融合剤で融合してハ
イブリドーマを作製する。次いでハイブリドーマをHA
T培地のような選択培地を用いて選択し、限界希釈法等
の適当な方法でモノクローナル化して培養する。この培
養上清を酵素免疫測定法のような適当な免疫測定法で分
析し、目的とする抗体を産生しているクローンを選択す
る。これらのモノクローナル抗体作製の手法は、公知の
方法、例えば、ケーラーとミルシュタイン(Nature 256
495 1975 )、シェーラー(Nature 285446 1980 )等
の方法により行うことができる。また上述の手法により
作製したモノクローナル抗体は、培養上清から、塩折、
イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラ
フィー等の分析・精製手段により回収することができ
る。
【0015】本発明の抗体を用いる蛋白質の測定方法と
しては、免疫組織染色法、ウエスタンブロッティング
法、ラジオイムノアッセイ、エンザイムイムノアッセイ
等の該抗体の反応性を応用する測定方法を意味する。
【0016】
【実施例】本発明を以下参考例及び実施例により更に詳
細に説明する。
【0017】実施例1 ED−1及びED−2の合成 免疫原とするにあたり担体蛋白と結合させるためN−末
端側にCysを加えた配列で、ペプチドED−1(CS
RSSLDLSYYPTSSST:Cys-Emerin173−
188)及びペプチドED−2(CFMQAEEGNP
F:Cys-Emerin245−254)を、合成した。
【0018】ペプチドはアプライドバイオシステムズ4
31Aペプチド合成機(パーキンエルマー社製、千葉県
浦安市)により合成した。アミノ酸はすべてL体を用い
た。各アミノ酸のα- アミノ基はFmoc基(9-Fluore
nylmethoxycarbonyl)で保護し(Int. J. Peptide Prot
ein Res., 35, 1990, 161-214 )、アミノ酸側鎖官能基
の保護には以下のような保護基を使用した。Cysのβ
−スルフヒドリル基とAsnのβ−カルボキサミド基は
Trt基(Triphenylmethyl )、Aspのβ−カルボキ
シル基、Gluのγ−カルボキシル基、Ser、Thr
のβ−水酸基及びTyrのフェノール性水酸基は全てt
−Bu基(tert-Butyl)、Argのグアニジノ基はPM
C基(2,2,5,7,8-pentamethylchroman-6- sulfonyl)と
した。
【0019】ペプチド合成を開始するための固相担体
は、ED−1についてはあらかじめ上記保護基で保護さ
れたThrが導入された担体であるHMP−トレオニン
(パーキンエルマー社)を用い、ED−2についてはH
MP−レジン(パーキンエルマー社)を用いて、合成の
最初にFmoc−Pheを、431A合成機に標準で添
付されている合成プログラムであるローディングサイク
ルにより導入した。
【0020】ペプチド鎖の延長は431A合成機の標準
的な方法であるFmoc/HOBt/NMP法で行っ
た。両ペプチドとも0.25mmolのスケールで合成
を開始し、得られた保護基を含むペプチド担体は、ED
−1で997.7mg(収率96%)、ED−2で55
5.9mg(収率77%)であった。
【0021】上記担体を添加剤を含むトリフルオロ酢酸
(トリフルオロ酢酸10ml、水0.5ml、フェノー
ル0.4g、チオアニソール0.5ml、エタンジチオ
ール0.25ml)で室温で90から120分処理し
て、遊離のペプチド鎖を取り出し、エーテルで沈殿さ
せ、濾取し、水に溶解して凍結乾燥し粗ペプチドを得
た。収量はED−1担体301mgから粗ED−1が1
44.5mg、ED−2担体204mgから粗ED−2
が70.8mgであった。
【0022】粗ペプチドの精製は逆相高速液体クロマト
グラフで行った。カラムはShodex Asahipack ODP-90
(20 mmID x 250 mmL 、昭和電工 (株) )を用い、0.
1%トリフルオロ酢酸を含む水に対して、ED−1は
0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリルの混合
比を15から25%まで、ED−2は20から30%ま
で徐々に上昇させる直線濃度勾配により溶出し、220
nmの紫外吸収により検出される主要部分を集めて凍結
乾燥した。収量は49.7mgの粗ED−1から14.
36mg、32。3mgの粗ED−2から19.82m
gであった。
【0023】実施例2 合成ペプチドの分析 実施例1で合成したペプチドの純度を確認するために逆
相高速液体クロマトグラフで分析した。カラムはYMC-pa
ck ODS-AP AP-302(4.6 mmID x 150 mmL、(株)ワイエ
ムシイ)を用い、ED−1は0.1%トリフルオロ酢酸
を含む水に対して0.08%トリフルオロ酢酸を含むア
セトニトリルの混合比を18から23%、ED−2は1
0から60%まで徐々に上昇させる直線濃度勾配により
溶出し、220nmの紫外吸収により検出した。ED−
1はリテンションタイム8.63、ED−2はリテンシ
ョンタイム10.485の部分にワンピークを示す結果
であった。
【0024】また、ペプチドの構造の確認のためにペプ
チドを塩酸で加水分解しアミノ酸分析を行った。加水分
解はペプチド200μgを6N塩酸400μlに溶解
し、試験管に入れ、減圧下に脱気、封管し、110℃の
ヒートブロック中で24時間行った。アミノ酸分析は日
本電子製JLC−300全自動アミノ酸分析計で、ニン
ヒドリン法により行った。結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】実施例3 免疫のための担体蛋白との結合 実施例1で精製したペプチドを二価性架橋剤で担体蛋白
と結合した。担体蛋白としてKLH(Keyhole Limpet H
emocyanin 、CALBIOCHEM、La Jolla、California、USA
)、二価性架橋剤としてGMBS(N-Succinimidyl 4-
maleimidobutyrate、(株) 同人化学研究所)を用い
た。
【0027】KLH15mgを0.1Mリン酸緩衝液
(pH7.5)1.5mlに溶解し、DMF(ジメチル
ホルムアミド)500μlに溶解したGMBS5mgを
加え、室温で1時間撹拌した。反応液を1mMのEDT
Aを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化
したPD−10カラム(ファルマシアバイオテク
(株))2本に均等にかけ、同緩衝液で溶出した。カラム
からの溶出液の初めの2.5mlは廃棄し、それに続く
2.0mlを集めた。得られたマレイミド化KLH溶液
に、同緩衝液1mlに溶解したペプチド8mgを加え、
室温で3時間撹拌した。反応液を透析チューブに移し、
PBS(phosphate buffered saline 、ICN Biochemica
ls, Inc., Ohio, USA )に対し4℃で一夜透析し、約7
mlのペプチド/KLH複合体溶液を得た。この溶液の
蛋白濃度はBCA Protein Assay Reagent(PIERCE、Illin
ois, USA )により定量し、2.8mg/mlであっ
た。
【0028】実施例4 抗ED−1及び抗ED−2抗血
清の作製 実施例3で調製したED−1−KLH及びED−2−K
LHをそれぞれ500μgづつ、フロイントの完全アジ
ュバントと共にオスのニュージーランドウサギ2匹の背
に投与した。1週間間隔で追加免疫をしながら抗体価を
調べ、6回追加免疫を行った後、全採血した。採血した
血液から遠心分離にて血清を分離し、抗血清1及び2を
得た。
【0029】実施例5 抗血清の反応性試験 0.1Mリン酸緩衝液pH7.2(PBS)で実施例1
で合成したED−1及びED−2を1μg/mlになる
ように希釈し、96穴マイクロプレートにそれぞれ50
μlづつ分注して4℃一晩放置して抗原固定化プレート
を調製した。非結合のED−1及びED−2を除去後、
0.05%ツイーン20を含むPBS(PBT)で洗浄
し、5%BSA含有PBSで37℃1時間放置してブロ
ッキングして、抗原固相化プレートとした。これに1×
102 〜1×105 に希釈した実施例4で作製した各抗
血清を50μlづつ加え、37℃1時間反応させた。P
BSで洗浄後、1000倍希釈したペルオキシダーゼ標
識抗ウサギ免疫グロブリン抗体(DAKO社製)を50
μl加え、37℃1時間反応させた。PBSにて洗浄
後、ペルオキシダーゼ基質(ABTS−過酸化水素系)
を100μl加え、37℃30分反応後、得られた吸光
度を測定した。結果を図1に示す。ED−1を免疫原と
した抗血清を抗ED−1抗血清、ED−2を免疫原とし
た抗血清を抗ED−2抗血清と名付けた。
【0030】実施例6 組織染色 Nature 333, 861-863 (1988)とJ. Neurolo. Sci. 101,
148-156 (1991)に記載された方法により、実施例4で作
製した各抗血清を用いてゼラチンカバースライド上で、
各種疾患の6μmの筋肉組織凍結切片を間接免疫蛍光法
で染色した。結果を表3に示す。
【0031】抗ED−1抗血清は、筋線維核膜との反応
において、他の全ての筋肉組織とは反応したが、EDM
D患者組織とは反応しなかった。また、抗ED−1抗血
清は、筋線維膜表面との反応において、DMDを除いて
全ての筋肉組織の膜表面と反応した。正常筋肉、肢帯型
筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、
筋緊張性型筋ジストロフィー、福山型先天性筋ジストロ
フィー、多発性筋炎、運動ニューロン疾患及びパーキソ
ン病では筋線維核膜と筋線維膜表面との両方に抗ED−
1血清が反応した。抗ED−2抗血清は、筋線維核膜と
の反応において、他の全ての筋肉組織とは反応したが、
EDMD患者組織とは反応しなかった。また、筋線維膜
表面との反応を調べたが、抗ED−2抗血清はどのサン
プルとも反応しなかった。
【0032】
【表3】
【0033】実施例7 細胞の分画 正常ヒト及びEDMD患者の瞬間凍結筋肉サンプル0.
3gに、0.32Mシュークロース、3mM塩化マグネ
シウムを含む20mMトリス−塩酸緩衝液pH7.6を
5倍量加えてホモゲナイズした。J. Cell Bilo. 91, 29
3s-299s (1981)に記載された方法に基づき、速度沈殿法
とシュークロースの密度勾配沈殿法にて核、ミトコンド
リア、マイクロゾーム、可溶性細胞質をそれぞれ分画し
た。用いた試薬には全て10μg/mlのロイペプチ
ン、10μg/mlのE−64−c、100mMのED
TA、2mMのPMSFを加えた。
【0034】実施例8 イムノブロッティング 実施例7で調製した分画前のホモゲナイズサンプルと分
画後の各細胞分画を、Biochem. Biophys. Res. Com. p2
02, 577-585 (1994)に記載された方法でイムノブロッテ
ィングした。分子量マーカーには、アルブミン(67k
d)、オブアルブミン(43kd)、カルボニックアン
ヒドラーゼ(30kd)を用いた。各細胞分画、正常骨
格筋及びEDMD患者骨格筋サンプルと各抗血清とのイ
ムノブロッティング結果を図2に示した。抗ED−1抗
血清では、核でエメリンの分子量に相当する34kd部
分にバンドが見られた。また、核、ミトコンドリア、全
ホモゲナイズサンプルで50kd部分に、マイクロゾー
ムで78kd部分にバンドが見られた。尚、可溶性細胞
質と全ホモゲナイズサンプルで67kd部分にバンドが
出ているが、サンプルを抗ヒトアルブミン血清で予備吸
収したところ、67kd部分のバンドは吸収された。正
常骨格筋(Control)では抗ED−1抗血清及び
抗ED−2抗血清共に、34kd部分でバンドが見られ
たが、EDMD患者骨格筋では反応は見られなかった。
【0035】筋肉以外の組織ホモゲナイズサンプルと各
抗血清とのイムノブロッティング結果を図3に示した。
脾臓、腎臓、肺臓、副腎及びコントロールとして骨格筋
をサンプルとして用いた。抗ED−1抗血清及び抗ED
−2抗血清共に、全てのサンプルで34kd部分にバン
ドが見られたが、50kd部分は、抗ED−1抗血清だ
けがバンドを示した。
【0036】
【発明の効果】本発明により、EDMD及びその他のX
染色体劣性遺伝に伴う各種疾患の発症機序解明及びこれ
ら疾患の鑑別診断に用いることのできる抗体及び該抗体
を用いた蛋白の測定方法を提供することができるように
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】抗ED−1、抗ED−2の反応性を示した図で
ある。
【図2】各種細胞分画、正常骨格筋、EDMD患者骨格
筋と抗ED−1抗血清及び抗ED−2抗血清との反応性
を調べたイムノブロッティング結果を示す図である。
【図3】各種正常組織細胞と抗ED−1、抗血清及び抗
ED−2抗血清との反応性を調べたイムノブロッティン
グ結果を示す図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 STA遺伝子のエクソン6によりコード
    されるポリペプチドのうち少なくとも一部を免疫原とし
    た抗体。
  2. 【請求項2】 アミノ酸配列SRSSLDLSYYPT
    SSSTからなるペプチドを免疫原とした抗体。
  3. 【請求項3】 アミノ酸配列FMQAEEGNPFから
    なるペプチドを免疫原とした抗体。
  4. 【請求項4】 エメリンと反応する請求項1ないし3に
    記載の抗体。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4に記載の抗体を用いた
    蛋白の免疫測定方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4に記載の抗体を用いた
    エメリンの免疫測定方法。
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