JPH09210392A - ファンコイルユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドレン水の円滑な排出を妨害することなく、
簡素な構成によって水通路のエア抜きを円滑に行うこと
が可能なファンコイルユニットを提供する。 【解決手段】 ケーシング１の側板１ａ下端側に側板フ
ランジ７を形成し、ドレンパン４の仕切板１４に取付フ
ランジ１４ａを形成する。側板フランジ７と取付フラン
ジ１４ａとは密着し、ドレンパン４の取付部を構成す
る。側板フランジ７及び取付フランジ１４ａの中央部を
切り欠いてホース挿通部８を形成する。ホース挿通部８
にエア抜き用ホース２４の出口側２４ａを挿入し、これ
を支持固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、内部に水通路を
有する熱交換器を備えたファンコイルユニットに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】上記のようなファンコイルユニットの従
来例としては、例えば特開平７−２３３９６１号公報記
載のものを挙げることができるが、これは水通路内を流
通する水と空気との間で熱交換を行うことにより、室内
の冷房あるいは暖房を行うようにしたものであって、特
にビル等のように多数の室内で空調を行う必要のある空
調システムにおいて用いられるものである。このような
空調システムでは、通常はビルの屋上等に大型のヒート
ポンプシステムが設けられ、各室のファンコイルユニッ
トを流通する水が屋上等に集められて上記ヒートポンプ
システムにより加熱又は冷却されるようになっている。
そして加熱又は冷却された水は再び各室へと分流するの
であるが、このような水循環系においては、空調システ
ムの設置時あるいは運転中の種々の要因によって、内部
にエアが混入する場合がある。このようなエアの混入
は、ファンコイルの熱交換器において、水通路内におけ
る水の流通が妨げられたり熱交換効率が低下したりする
ことによる不具合の原因となる。そこで従来のファンコ
イルユニットでは、上記水通路に連通してエア抜き用水
通路を設け、この通路を介して水通路内のエア抜きを行
うようになっている。

【０００３】図６は、上記従来のファンコイルユニット
を示す部分正面図である。同図に示す４０は内部に熱交
換器（図示せず）を備えたケーシングであり、このケー
シング４０の下方には一部を断面で示すドレンパン４６
が設けられている。またビルの屋上等に設けられたヒー
トポンプシステム（図示せず）によって加熱又は冷却さ
れた水は、同図に示す入口ヘッダ４１から熱交換器内に
流入し、内部に設けられた水通路を流通して室内空気と
熱交換した後、出口ヘッダ４２から流出するようになっ
ている。さらに上記水通路にはエア抜き用通路（図示せ
ず）が連通して設けられているが、同図に示す４３は、
上記エア抜き用通路の出口端を開閉するためのバルブで
ある。そしてこのバルブ４３にはエア抜き用ホース４４
が接続され、このエア抜き用ホース４４の出口側４４ａ
は、ドレンパン４６に設けられたドレン排出管４５に挿
通されている。

【０００４】上記のように構成されたファンコイルユニ
ットでは、水通路内に通常は大気圧以上の圧力が加えら
れている。従って上記バルブ４３を開成して水通路内と
大気とを連通すると、水通路内の水がエア抜き用ホース
４４の出口側４４ａから噴出することになる。そしてこ
のように水通路内の水が噴出することにより、水通路内
に混入し、滞留するエアを、噴出する水と共に確実に取
り除くことができるようになっていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来のフ
ァンコイルユニットでは、上述のようにエア抜き用ホー
ス４４の出口側４４ａをドレン排出管４５内に挿通させ
ている。これは、噴出する水又はエアによって上記出口
側４４ａが跳ねて、水が周囲に飛散するのを防止するた
めであり、また抜き出した水をドレン水と共に一括処理
できるようにして構成の簡素化を図るためである。しか
しながら挿通されたエア抜き用ホース４４のためにドレ
ン排出管４５におけるドレン水の流通断面積が小さくな
り、そのためドレン水の円滑な排出が妨げられるという
問題があった。

【０００６】この発明は、上記従来の欠点を解決するた
めになされたものであって、その目的は、ドレン水の円
滑な排出を妨害することなく、簡素な構成で水通路のエ
ア抜きを円滑に行うことが可能なファンコイルユニット
を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そこで請求項１のファン
コイルユニットは、内部に水通路２５を有する熱交換器
３を備えたケーシング１と、このケーシング１の下方に
取り付けられるドレンパン４とを備えて成るファンコイ
ルユニットにおいて、上記ドレンパン４の上方における
上記ケーシング１の側面下部に、上記水通路２５内のエ
アを抜くために取り付けられるエア抜き用ホース２４の
出口側２４ａを支持するホース支持部を設けたことを特
徴としている。

【０００８】上記請求項１のファンコイルユニットで
は、エア抜き用ホース２４の出口側２４ａをドレンパン
４の上方近傍において支持するようにしている。従って
ドレン水の排出を妨害することがなく、しかも水の飛散
を防止すると共に抜いた水をドレン水と共に一括処理す
ることが可能であるので、簡素な構成によって水通路の
エア抜きを円滑に行うことが可能となる。

【０００９】また請求項２のファンコイルユニットは、
上記ホース支持部は、ケーシング１の側面よりも外側に
突設されたフランジ７、１４ａに、ホース挿通部８を形
成して成ることを特徴としている。

【００１０】さらに請求項３のファンコイルユニット
は、上記フランジ７、１４ａは、ケーシング１にドレン
パン４を取り付けるための取付部としていることを特徴
としている。

【００１１】上記請求項２又は請求項３のファンコイル
ユニットでは、その構成をさらに簡素なものとすること
が可能となる。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に、この発明のファンコイルユ
ニットの具体的な実施の形態について、図面を参照しつ
つ詳細に説明する。

【００１３】図３は、上記ファンコイルユニットを示す
斜視図である。同図において１はケーシングであり、こ
のケーシング１の背面側には２つのファン２、２が並設
され、またケーシング１の内部には熱交換器３を備えて
いる。さらに、上記ケーシング１は底面に開口部（図示
せず）を有し、この開口部の下側には、ドレン排出管１
１を備えたドレンパン４がビス５、５によって取り付け
られている。またケーシング１の側板１ａに設けられた
２１、２２、２３は、それぞれ入口ヘッダ、出口ヘッ
ダ、バルブであるが、これらについては後述する。

【００１４】次に図４は、上記側板１ａの下部近傍を示
す一部破断斜視図である。同図に示すように、上記側板
１ａはその下端が外側に折り曲げられ、これによって側
板フランジ７が形成されている。そしてこの側板フラン
ジ７の中央部には切り欠きが形成されているが、この切
り欠きの幅は、後述するエア抜き用ホース２４（図１参
照）の径よりもいくぶん小さいものにしてある。一方、
同図に示す１４は、ドレンパン４内の空間を仕切る仕切
板である。この仕切板１４は、その上部側が両側部を残
して外側に略直角に折り曲げられ、これによって取付フ
ランジ１４ａを形成すると共に、折り曲げられずに残っ
た上記両側部が取付壁１４ｂを形成している。そして同
図からも明らかなように、この取付フランジ１４ａは、
ドレンパン４の側壁１２上端よりも下方に位置してい
る。ところで上記のように構成されたドレンパン４は、
仕切板１４の取付フランジ１４ａの上面を上記ケーシン
グ１の側板フランジ７の下面に密着させ、これら取付フ
ランジ１４ａと側板フランジ７とをビス（図示せず）で
締結する一方、上記取付壁１４ｂの内側面をケーシング
１の側板１ａに密着させてビス５（図３参照）で締結し
ている。そしてこのようにケーシング１の側板１ａと上
記仕切板１４とでケーシング１の側面を形成すると共
に、ドレンパン４の取付部を側板フランジ７と取付フラ
ンジ１４ａとを備えて構成することによって、ドレンパ
ン４内の空間をケーシング１の内側と外側とに仕切り、
これによってケーシング１内の内圧でドレンパン４内の
ドレンが飛散するのを防止できるようになっている。但
し上記仕切板１４における中央下端側には切り欠きを設
け、これをドレン流出口１６としている。すなわち、熱
交換器３からケーシング１の内側のドレンパン４に落下
したドレンは、上記ドレン流出口１６を通じてケーシン
グ１の外側に流出し、ドレン排出管１１を介して外部に
排出されるのである。また上記取付フランジ１４ａの中
央部には、上記側板フランジ７の切り欠きと位置及び大
きさが、上記取付フランジ１４ａと側板フランジ７とを
密着させた状態で略一致する切り欠きが設けられてい
る。そして上下に重合するこれら取付フランジ７の切り
欠きと取付フランジ１４ａとの切り欠きによって、ホー
ス挿通部８が形成されている。

【００１５】次に図５は、上記熱交換器３の側部を示す
部分拡大図である。同図に示す２５は水通路であり、熱
交換器３内を約１０回程度折り返して略水平に往復する
ように延設されている。そしてビルの屋上等に設けられ
た上記ヒートポンプシステムで加熱又は冷却された水
は、入口ヘッダ２１から上記水通路２５内に流入し、熱
交換器３内を往復しながらファン２によって圧送された
空気との間で熱交換され、出口ヘッダ２２から再び上記
ヒートポンプシステムに向かって流出するようになって
いる。また上記水通路２５のうち最上部に位置されるも
のには、下方へと折り返す直前の位置にエア抜き用通路
２６が連通して接続され、このエア抜き用通路２６の端
部にはバルブ２３が取り付けられている。そしてこのバ
ルブ２３によって上記エア抜き用通路２６の端部が開閉
制御されると共に、その出口側継手２３ａにはエア抜き
用ホース２４が取り付けられるようになっている。

【００１６】さらに図１は、上記エア抜き用ホース２４
が取り付けられた状態におけるファンコイルユニットの
部分正面図であり、図２はその側面図である。これら両
図に示すように、上記エア抜き用ホース２４の出口側２
４ａは、上記側板フランジ７と取付フランジ１４ａとに
形成した切り欠き、すなわちホース挿通部８に挿通され
ている。このとき上記切り欠きの幅は上述のようにエア
抜き用ホース２４の径よりもいくぶん小さく形成されて
いるので、これによってエア抜き用ホース２４の出口側
２４ａが支持固定される。すなわち、このような切り欠
きを形成した側板フランジ７及び取付フランジ１４ａに
よってホース支持部を構成しているのである。また上記
のように側板フランジ７及び取付フランジ１４ａはドレ
ンパン４の側壁１２の上端よりも下方に位置しているか
ら、上記エア抜き用ホース２４の出口端は、ドレンパン
４内においてその底面上方近傍に位置することとなる。

【００１７】上記のように構成されたファンコイルユニ
ットでは、空調システムの設置時あるいは運転中の種々
の要因によって、水通路２５内にエアが混入する場合が
あるのは上述の通りである。ところでこの混入したエア
は水通路２５内で上方へと移動する性質にあるから、熱
交換器３内においては最も上側に配置された水通路２５
に集まる傾向にあり、そしてこのような最も上側の水通
路２５にエア抜き用通路２６が接続されている。一方、
上記水通路２５内には通常は大気圧以上の圧力が加えら
れているから、バルブ２３を開成すると内部の水が圧力
差によってエア抜き用ホース２４の先端から噴出し、こ
れによって混入したエアが水と共に排出される。このと
き上記エア抜き用ホース２４の出口側２４ａはホース支
持部によって支持固定されているから、上記噴出によっ
てこれが跳ねたりするのを確実に防止できる。そして上
記エア抜き用ホース２４の出口側はドレンパン４内にお
いてその底面４ａ上方近傍に配置されているから、上記
エア抜き用ホース２４からの水の飛散を確実に防止する
ことができる。またエア抜き用ホース２４から噴出した
水はすべてドレンパン４で受けられるから、熱交換器３
において発生したドレンと共に一括して処理することが
でき、排水機構の構成を簡素なものとすることができ
る。さらに上記ホース支持部は、ドレンパン４をケーシ
ング１に取り付けるための取付部をも構成する側板フラ
ンジ７及び取付フランジ１４ａによって構成しているか
ら、ファンコイルユニットの構成を一段と簡素なものと
することができる。そして上記構成ではドレンパン４の
排水管１１の流通を妨げる要素は排除されているから、
ドレン水の円滑な排水機能を確保することができる。

【００１８】以上にこの発明の具体的な実施の形態につ
いて説明したが、この発明は上記形態に限定されるもの
ではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施するこ
とができる。例えば上記では側板フランジ７と取付フラ
ンジ１４ａとの双方の切り欠きによってエア抜き用ホー
ス２４を支持しているが、いずれか一方のみで支持する
構成とし、側板フランジ７又は取付フランジ１４ａのい
ずれか一方をホース支持部として機能させる構成として
もよい。また上記のように切り欠きによってホース挿通
部８を形成する他、孔を穿設してこれをホース挿通部８
としてもよい。さらに上記では側板フランジ７又は取付
フランジ１４ａをホース支持部８としたが、別途クリッ
プ部材を設け、これをホース支持部としてもよい。そし
てこのように別途クリップ部材を設ける構成を採用する
場合には、ドレンパン４をケーシング１に取り付けるた
めの取付機構も、上記に限らず種々のものを採用するこ
とができる。

【００１９】

【発明の効果】上記請求項１のファンコイルユニットで
は、ドレン水の排出を妨害することがなく、しかも水の
飛散を防止すると共に抜いた水をドレン水と共に一括処
理することが可能であるので、簡素な構成によって水通
路のエア抜きを円滑に行うことが可能となる。

【００２０】また請求項２又は請求項３のファンコイル
ユニットでは、その構成をさらに簡素のものとすること
が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のファンコイルユニットの一実施形態
を示す部分正面図である。

【図２】上記ファンコイルユニットの側面図である。

【図３】上記ファンコイルユニットの斜視図である。

【図４】上記ファンコイルユニットの一部破断斜視図で
ある。

【図５】熱交換器の部分拡大図である。

【図６】従来例のファンコイルユニットを示す部分正面
図である。

【符号の説明】

１ ケーシング １ａ 側板 ４ ドレンパン ７ 側板フランジ ８ ホース挿通部 １４ａ 取付フランジ ２４ エア抜き用ホース ２４ａ出口側 ２５ 水通路

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に水通路（２５）を有する熱交換器
   （３）を備えたケーシング（１）と、このケーシング
   （１）の下方に取り付けられるドレンパン（４）とを備
   えて成るファンコイルユニットにおいて、上記ドレンパ
   ン（４）の上方における上記ケーシング（１）の側面下
   部に、上記水通路（２５）内のエアを抜くために取り付
   けられるエア抜き用ホース（２４）の出口側（２４ａ）
   を支持するホース支持部を設けたことを特徴とするファ
   ンコイルユニット。
2. 【請求項２】 上記ホース支持部は、ケーシング（１）
   の側面よりも外側に突設されたフランジ（７）（１４
   ａ）に、ホース挿通部（８）を形成して成ることを特徴
   とする請求項１のファンコイルユニット。
3. 【請求項３】 上記フランジ（７）（１４ａ）は、ケー
   シング（１）にドレンパン（４）を取り付けるための取
   付部としていることを特徴とする請求項２のファンコイ
   ルユニット。