JPH09208979A - 冷凍機油組成物および冷凍機用流体組成物 - Google Patents

冷凍機油組成物および冷凍機用流体組成物

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JPH09208979A
JPH09208979A JP4041596A JP4041596A JPH09208979A JP H09208979 A JPH09208979 A JP H09208979A JP 4041596 A JP4041596 A JP 4041596A JP 4041596 A JP4041596 A JP 4041596A JP H09208979 A JPH09208979 A JP H09208979A
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JP
Japan
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branched
group
linear
mass
alkylbenzene
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JP4041596A
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English (en)
Inventor
Katsuya Takigawa
克也 瀧川
Satoshi Suda
聡 須田
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 HFC冷媒に用いることができる、バルブコ
ーキング防止性に優れた冷凍機油組成物の提供。 【構成】 分子量が200〜350であるアルキルベン
ゼンを60質量%以上含有するアルキルベンゼン成分7
0〜99質量%と、芳香族エステル1〜30質量%とで
構成される混合物100重量部に対し、0.005〜
5.0重量部のリン酸エステル系化合物を配合してな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は冷凍機油組成物およ
び冷凍機用流体組成物に関し、詳しくは特定の組成を有
するハイドロフルオロカーボン冷媒用として有用な冷凍
機油組成物およびその冷凍機油組成物を含有する冷凍機
用流体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のオゾン層破壊の問題から、従来よ
り冷凍機器の冷媒として使用されてきたCFC(クロロ
フルオロカーボン)およびHCFC(ハイドロクロロフ
ルオロカーボン)が規制の対象となり、これらに代わっ
てHFC(ハイドロフルオロカーボン)が冷媒として使
用されつつある。このHFC冷媒用の冷凍機油として
は、HFCと相溶するPAG(ポリアルキレングリコー
ル)、エステル等が検討あるいは使用されている。例え
ば、PAGについては米国特許4,755,316号、特開平1-1
98694号、同1-256594号、同1-259093号、同1-259094
号、同1-259095号、同1-274191号、同2-43290号、同2-5
5791号、同2-84491号等に記載されており、エステルに
ついては公表平3-505602号、特開平3-88892号、同2-128
991号、同3-128992号、同3-200895号、同3-227397号、
同4-20597号、同4-72390号、同4-218592号、同4-249593
号等に記載されている。しかしながら、PAGは吸湿性
が高く、電気特性(体積抵抗率)が良くない。エステル
油は、その構造上、加水分解を起こし、酸を発生する可
能性があり、種々の不都合が起こることが予測される。
また、これらの油は、鉱油/CFC、あるいは鉱油/H
CFCの系に比べて潤滑性が劣るという大きな問題を有
している。一方、特開平5-157379には、冷媒と相溶しな
い冷凍機油を用いたHFC−134a冷媒用冷凍システ
ムについて記載されている。また、特開平5-59386に
は、炭化水素化合物と、エステルあるいはエーテルとの
混合油を用いたテトラフルオロエタン用冷凍機油につい
て記載されている。炭化水素油をHFC冷媒用冷凍機油
として使用する場合には、油戻りを確保するため、比較
的低粘度の油が使用される傾向にある。しかしながら、
低粘度の油を使用すると、特に弁機構を有するレシプロ
型コンプレッサの場合には、弁がコーキングを起こすと
いう問題を有することが明らかとなった。本発明者ら
は、加水分解や吸湿性の懸念のない炭化水素油に着目
し、鋭意研究を重ねた結果、炭化水素油に特定の化合物
を含有せしめることにより、HFC冷媒使用時における
バルブコーキングが大幅に低減できることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、HFC冷媒
に用いることのできる、バルブコーキング防止性に優れ
た冷凍機油組成物、およびその冷凍機油組成物とHFC
冷媒とからなる冷凍機用流体組成物を提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(A)分子量が200〜350のアルキルベンゼンを
(A)成分全量基準で60質量%以上含有するアルキル
ベンゼン、70〜99質量%、および、(B)芳香族エ
ステル、1〜30質量%、からなるHFC冷媒用冷凍機
油を提供するものである。また、本発明は、(A)分子
量が200〜350のアルキルベンゼンを(A)成分全
量基準で60質量%以上含有するアルキルベンゼン、7
0〜99質量%、および、(B)芳香族エステル、1〜
30質量%、からなる混合基油100重量部に対して、
(C)リン酸エステル系化合物、0.005〜5.0重
量部を配合してなる、HFC冷媒用冷凍機油組成物を提
供するものである。また、本発明は、 [I]HFC冷媒、ならびに、 [II](A)分子量が200〜350のアルキルベンゼ
ンを(A)成分全量基準で60質量%以上含有するアル
キルベンゼン、70〜99質量%、および、(B)芳香
族エステル、1〜30質量%、からなる冷凍機油を含有
する冷凍機用流体組成物を提供するものである。さらに
また、本発明は、 [I]HFC冷媒、ならびに、 [II](A)分子量が200〜350のアルキルベンゼ
ンを(A)成分全量基準で60質量%以上含有するアル
キルベンゼン、70〜99質量%、および、(B)芳香
族エステル、1〜30質量%、からなる混合基油100
重量部に対して、(C)リン酸エステル系化合物、0.
005〜5.0重量部を配合してなる冷凍機油組成物を
含有する冷凍機用流体組成物を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の態様】以下本発明の内容を詳細に説明す
る。本発明の冷凍機油組成物の(A)成分は、分子量が
200〜350のアルキルベンゼンを(A)成分全量基
準で60質量%以上含有するアルキルベンゼンである。
(A)成分のアルキルベンゼンとしては、分子量が20
0〜350の成分を、(A)成分全量基準で60質量%
以上、好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは7
0質量%以上、よりさらに好ましくは80質量%以上含
有することが必要であり、この成分は分子量が200〜
350であるアルキルベンゼンのみから構成されている
ことが最も好ましい。(A)成分に含まれる分子量20
0〜350のアルキルベンゼンの量が、60質量%に満
たない場合には、長期の運転で冷凍圧縮機が焼付を起こ
す可能性があり、信頼性に欠けるので好ましくない。ま
た、特に長期運転下での冷凍圧縮機の焼付き防止性によ
り優れる点から、(A)成分のアルキルベンゼンとして
は、分子量が200〜300であるアルキルベンゼンを
(A)成分全量基準で好ましくは30質量%以上、より
好ましくは35質量%以上、特に好ましくは40質量%
以上含有しているのが望ましい。本発明の冷凍機油組成
物の(A)成分であるアルキルベンゼンの、分子量が2
00〜350のアルキルベンゼンは、その分子量がこの
範囲内であれば構造は任意であるが、冷凍システムの長
期信頼性の面から、炭素数1〜19のアルキル基を1〜
4個有し、かつそのアルキル基の合計炭素数が9〜19
であるアルキルベンゼン[以下、これをアルキルベンゼ
ン(a)という]であるのが好ましく、さらに炭素数1
〜15のアルキル基を1〜4個有し、かつアルキル基の
合計炭素数が9〜15であるアルキルベンゼンであるの
がより好ましい。ここでいう炭素数1〜19のアルキル
基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、
直鎖状または分岐状のプロピル基、直鎖状または分岐状
のブチル基、直鎖状または分岐状のペンチル基、直鎖状
または分岐状のヘキシル基、直鎖状または分岐状のヘプ
チル基、直鎖状または分岐状のオクチル基、直鎖状また
は分岐状のノニル基、直鎖状または分岐状のデシル基、
直鎖状または分岐状のウンデシル基、直鎖状または分岐
状のドデシル基、直鎖状または分岐状のトリデシル基、
直鎖状または分岐状のテトラデシル基、直鎖状または分
岐状のペンタデシル基、直鎖状または分岐状のヘキサデ
シル基、直鎖状または分岐状のヘプタデシル基、直鎖状
または分岐状のオクタデシル基、直鎖状または分岐状の
ノナデシル基などが挙げられる。このアルキル基として
は直鎖状であっても、分枝状であっても良いが、安定
性、粘度特性などの点から分枝状アルキル基が好まし
く、特に入手可能性の点から、プロピレン、ブテン、イ
ソブチレンなどのオレフィンのオリゴマーから誘導され
る分枝状アルキル基がより好ましい。上記アルキルベン
ゼン(a)のアルキル基の個数は1〜4個であるが、安
定性、入手可能性の点から1個または2個のアルキル基
を有するアルキルベンゼン、すなわちモノアルキルベン
ゼン、ジアルキルベンゼン、またはこれらの混合物が最
も好ましく用いられる。アルキルベンゼン(a)は、同
一構造のアルキルベンゼンだけで構成されて差し支えな
く、また、炭素数1〜19のアルキル基を1〜4個有
し、かつアルキル基の合計炭素数が9〜19であるとい
う条件を満たすアルキルベンゼンであれば、構造を異に
するアルキルベンゼンの混合物であっても良い。
【0006】本発明の(A)成分であるアルキルベンゼ
ンには、分子量が200未満、または分子量が350を
超える成分が、(A)成分全量基準で40質量%未満、
好ましくは35質量%未満、さらに好ましくは30質量
%未満含まれていても良いが、これらの成分は圧縮機の
長期運転時の際の信頼性の点から、その分子量が350
を超え、450以下であるアルキルベンゼンであるのが
好ましく、分子量が350を超え、430以下であるア
ルキルベンゼンであるのがより好ましい。この分子量が
350を超え、450以下であるアルキルベンゼンは、
その分子量がこの範囲内であれば構造は任意であるが、
安定性、入手可能性の点から、炭素数1〜40のアルキ
ル基を1〜4個有し、かつそのアルキル基の合計炭素数
が20〜40であるアルキルベンゼン[以下、これをア
ルキルベンゼン(b)という]であるのが好ましく、さ
らに炭素数1〜30のアルキル基を1〜4個有し、かつ
アルキル基の合計炭素数が20〜30であるアルキルベ
ンゼンであるのがより好ましい。ここでいう炭素数1〜
40のアルキル基としては、具体的には例えば、メチル
基、エチル基、直鎖状または分岐状のプロピル基、直鎖
状または分岐状のブチル基、直鎖状または分岐状のペン
チル基、直鎖状または分岐状のヘキシル基、直鎖状また
は分岐状のヘプチル基、直鎖状または分岐状のオクチル
基、直鎖状または分岐状のノニル基、直鎖状または分岐
状のデシル基、直鎖状または分岐状のウンデシル基、直
鎖状または分岐状のドデシル基、直鎖状または分岐状の
トリデシル基、直鎖状または分岐状のテトラデシル基、
直鎖状または分岐状のペンタデシル基、直鎖状または分
岐状のヘキサデシル基、直鎖状または分岐状のヘプタデ
シル基、直鎖状または分岐状のオクタデシル基、直鎖状
または分岐状のノナデシル基、直鎖状または分岐状のイ
コシル基、直鎖状または分岐状のヘンイコシル基、直鎖
状または分岐状のドコシル基、直鎖状または分岐状のト
リコシル基、直鎖状または分岐状のテトラコシル基、直
鎖状または分岐状のペンタコシル基、直鎖状または分岐
状のヘキサコシル基、直鎖状または分岐状のヘプタコシ
ル基、直鎖状または分岐状のオクタコシル基、直鎖状ま
たは分岐状のノナコシル基、直鎖状または分岐状のトリ
アコンチル基、直鎖状または分岐状のヘントリアコンチ
ル基、直鎖状または分岐状のドトリアコンチル基、直鎖
状または分岐状のトリトリアコンチル基、直鎖状または
分岐状のテトラトリアコンチル基、直鎖状または分岐状
のペンタトリアコンチル基、直鎖状または分岐状のヘキ
サトリアコンチル基、直鎖状または分岐状のヘプタトリ
アコンチル基、直鎖状または分岐状のオクタトリアコン
チル基、直鎖状または分岐状のノナトリアコンチル基、
直鎖状または分岐状のテトラコンチル基などが挙げられ
る。このアルキル基としては直鎖状であっても、分枝状
であっても良いが、安定性、粘度特性などの点から分枝
状アルキル基が好ましく、特に入手可能性の点から、プ
ロピレン、ブテン、イソブチレンなどのオレフィンのオ
リゴマーから誘導される分枝状アルキル基がより好まし
い。上記アルキルベンゼン(b)のアルキル基の個数は
1〜4個であるが、安定性、入手可能性の点から1個ま
たは2個のアルキル基を有するアルキルベンゼン、すな
わちモノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン、また
はこれらの混合物が最も好ましく用いられる。アルキル
ベンゼン(b)は、同一構造のアルキルベンゼンだけで
構成されていて差し支えないが、炭素数1〜40のアル
キル基を1〜4個有し、かつアルキル基の合計炭素数が
20〜40であるという条件を満たすアルキルベンゼン
であれば、構造を異するアルキルベンゼンの混合物であ
っても良い。本発明の冷凍機油組成物の(A)成分であ
るアルキルベンゼンの粘度は特に限定されないが、好ま
しい動粘度は40℃で3〜50mm2/s、さらに好ましく
は4〜40mm2/s、特に好ましくは5〜35mm2/sであ
る。
【0007】本発明の冷凍機油組成物の(A)成分であ
るアルキルベンゼンの製造方法は任意であり、何ら限定
されるものでないが、一般に以下に示す合成法によって
製造できる。原料となる芳香族化合物としては、具体的
には例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン、メチルエチルベンゼン、ジエチルベンゼン、お
よびこれらの混合物などが用いられる。またアルキル化
剤としては、具体的には例えば、エチレン、プロピレ
ン、ブテン、イソブチレンなどの低級モノオレフィン、
好ましくはプロピレンの重合によって得られる炭素数6
〜40の直鎖状または分枝状のオレフィン;ワックス、
重質油、石油留分、ポリエチレン、ポリプロピレンなど
の熱分解によって得られる炭素数6〜40の直鎖状また
は分枝状のオレフィン;灯油、軽油などの石油留分から
n−パラフィンを分離し、これを触媒によりオレフィン
化することによって得られる炭素数6〜40の直鎖状オ
レフィン;およびこれらの混合物などが使用できる。ま
たアルキル化の際のアルキル化触媒としては、塩化アル
ミニウム、塩化亜鉛などのフリーデルクラフツ型触媒;
硫酸、リン酸、ケイタングステン酸、フッ化水素酸、活
性白土などの酸性触媒;など、公知の触媒が用いられ
る。本発明の冷凍機油組成物の(A)成分であるアルキ
ルベンゼンは、例えば別個に製造した分子量200〜3
50のアルキルベンゼンと、分子量200未満、または
分子量が350を超えるアルキルベンゼンとを本発明で
規定する範囲内の比率で混合して得ることもできるが、
上記に例示したような方法によって得られるアルキルベ
ンゼン混合物や市販されているアルキルベンゼン混合物
を蒸留やクロマトによって分離し、分子量が200〜3
50の成分を60質量%以上含有するアルキルベンゼン
留分を得る方法が、実用上便利である。
【0008】本発明の(B)成分は、芳香族エステルで
ある。ここでいう芳香族エステルとは、1〜6価、好ま
しくは1〜4価、より好ましくは1〜3価の芳香族カル
ボン酸と炭素数1〜18、好ましくは2〜15の、飽和
または不飽和脂肪族1価アルコールとのエステルであ
る。1〜6価の芳香族カルボン酸としては、具体的には
例えば、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられ
る。また、炭素数1〜18の脂肪族1価アルコールとし
ては、飽和のものでも不飽和のものでもよいが、飽和の
ものであることが好ましい。また、このような脂肪族1
価アルコールとしては、直鎖状のものでも分岐状のもの
であってもよく、具体的には例えば、メタノール、エタ
ノール、直鎖状または分岐状のプロパノール、直鎖状ま
たは分岐状のブタノール、直鎖状または分岐状のペンタ
ノール、直鎖状または分岐状のヘキサノール、直鎖状ま
たは分岐状のヘプタノール、直鎖状または分岐状のオク
タノール、直鎖状または分岐状のノナノール、直鎖状ま
たは分岐状のデカノール、直鎖状または分岐状のウンデ
カノール、直鎖状または分岐状のドデカノール、直鎖状
または分岐状のトリデカノール、直鎖状または分岐状の
テトラデカノール、直鎖状または分岐状のペンタデカノ
ール、直鎖状または分岐状のヘキサデカノール、直鎖状
または分岐状のヘプタデカノール、直鎖状または分岐状
のオクタデカノール等が挙げられる。 (B)成分の芳
香族エステルとは、上記したような芳香族カルボン酸と
脂肪族1価アルコールとのエステルである。なお、2価
以上の芳香族カルボン酸を用いた場合、完全エステルで
あっても部分エステルであってもよいが、完全エステル
であることが好ましい。ここで、完全エステルとは、芳
香族カルボン酸中のカルボキシル基の全てがエステル化
された完全エステルを表し、部分エステルとは芳香族カ
ルボン酸中の少なくとも1個のカルボキシル基がエステ
ル化されないカルボキシル基の形のままで残っているエ
ステルを意味する。また、2価以上の芳香族カルボン酸
を用いた場合、(B)成分としては1種の脂肪族基から
なるエステルであってもよいし、2種以上の脂肪族基か
らなるエステルであってもよい。(B)成分の芳香族エ
ステルとしては、具体的には例えば、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジプロピル(直鎖状または分岐状)、フタ
ル酸ジブチル(直鎖状または分岐状)、フタル酸ジペン
チル(直鎖状または分岐状)、フタル酸ジヘキシル(直
鎖状または分岐状)、フタル酸ジヘプチル(直鎖状また
は分岐状)、フタル酸ジオクチル(直鎖状または分岐
状)、フタル酸ジノニル(直鎖状または分岐状)、フタ
ル酸ジデシル(直鎖状または分岐状)、フタル酸ジウン
デシル(直鎖状または分岐状)、フタル酸ジドデシル
(直鎖状または分岐状)、フタル酸ジトリデシル(直鎖
状または分岐状)、フタル酸ジテトラデシル(直鎖状ま
たは分岐状)、フタル酸ジペンタデシル(直鎖状または
分岐状)、イソフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジプロ
ピル(直鎖状または分岐状)、イソフタル酸ジブチル
(直鎖状または分岐状)、イソフタル酸ジペンチル(直
鎖状または分岐状)、イソフタル酸ジヘキシル(直鎖状
または分岐状)、イソフタル酸ジヘプチル(直鎖状また
は分岐状)、イソフタル酸ジオクチル(直鎖状または分
岐状)、イソフタル酸ジノニル(直鎖状または分岐
状)、イソフタル酸ジデシル(直鎖状または分岐状)、
イソフタル酸ジウンデシル(直鎖状または分岐状)、イ
ソフタル酸ジドデシル(直鎖状または分岐状)、イソフ
タル酸ジトリデシル(直鎖状または分岐状)、イソフタ
ル酸ジテトラデシル(直鎖状または分岐状)、イソフタ
ル酸ジペンタデシル(直鎖状または分岐状)、テレフタ
ル酸ジエチル、テレフタル酸ジプロピル(直鎖状または
分岐状)、テレフタル酸ジブチル(直鎖状または分岐
状)、テレフタル酸ジペンチル(直鎖状または分岐
状)、テレフタル酸ジヘキシル(直鎖状または分岐
状)、テレフタル酸ジヘプチル(直鎖状または分岐
状)、テレフタル酸ジオクチル(直鎖状または分岐
状)、テレフタル酸ジノニル(直鎖状または分岐状)、
テレフタル酸ジデシル(直鎖状または分岐状)、テレフ
タル酸ジウンデシル(直鎖状または分岐状)、テレフタ
ル酸ジドデシル(直鎖状または分岐状)、テレフタル酸
ジトリデシル(直鎖状または分岐状)、テレフタル酸ジ
テトラデシル(直鎖状または分岐状)、テレフタル酸ジ
ペンタデシル(直鎖状または分岐状)、トリメリット酸
トリエチル、トリメリット酸トリプロピル(直鎖状また
は分岐状)、トリメリット酸トリブチル(直鎖状または
分岐状)、トリメリット酸トリペンチル(直鎖状または
分岐状)、トリメリット酸トリヘキシル(直鎖状または
分岐状)、トリメリット酸トリヘプチル(直鎖状または
分岐状)、トリメリット酸トリオクチル(直鎖状または
分岐状)、トリメリット酸トリノニル(直鎖状または分
岐状)、トリメリット酸トリデシル(直鎖状または分岐
状)、トリメリット酸トリウンデシル(直鎖状または分
岐状)、トリメリット酸トリドデシル(直鎖状または分
岐状)、トリメリット酸トリトリデシル(直鎖状または
分岐状)、トリメリット酸トリテトラデシル(直鎖状ま
たは分岐状)、トリメリット酸トリペンタデシル(直鎖
状または分岐状)、ピロメリット酸テトラエチル、ピロ
メリット酸テトラプロピル(直鎖状または分岐状)、ピ
ロメリット酸テトラブチル(直鎖状または分岐状)、ピ
ロメリット酸テトラペンチル(直鎖状または分岐状)、
ピロメリット酸テトラヘキシル(直鎖状または分岐
状)、ピロメリット酸テトラヘプチル(直鎖状または分
岐状)、ピロメリット酸テトラオクチル(直鎖状または
分岐状)、ピロメリット酸テトラノニル(直鎖状または
分岐状)、ピロメリット酸テトラデシル(直鎖状または
分岐状)、ピロメリット酸テトラウンデシル(直鎖状ま
たは分岐状)、ピロメリット酸テトラドデシル(直鎖状
または分岐状)、ピロメリット酸テトラトリデシル(直
鎖状または分岐状)、ピロメリット酸テトラテトラデシ
ル(直鎖状または分岐状)、ピロメリット酸テトラペン
タデシル(直鎖状または分岐状)などが挙げられる。本
発明の(B)成分は、単一種の芳香族エステルで構成さ
れていても、また2種以上の芳香族エステルの混合物で
あってもよい。
【0009】(A)成分および(B)成分で構成される
本発明の冷凍機油における(A)成分の配合量の下限
は、(A)成分と(B)成分の合計量基準で70質量%
以上、好ましくは75質量%以上、より好ましくは80
質量%以上である(すなわち、(B)成分の配合量の上
限は、(A)成分と(B)成分の合計量基準で30質量
%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは2
0質量%以下となる)。一方、(A)成分の配合量の上
限は、(A)成分と(B)成分の合計量基準で99質量
%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは9
0質量%以下である(すなわち、(B)成分の配合量の
下限は、(A)成分と(B)成分の合計量基準で1質量
%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10
質量%以上となる)。(A)成分の配合量の下限が
(A)成分と(B)成分の合計量基準で70質量%未満
の場合には、冷凍圧縮機の長期信頼性に欠けるため好ま
しくない。一方、(A)成分の配合量の上限が(A)成
分と(B)成分の合計量基準で99質量%を超える場合
には、バルブコーキング防止性能が不十分であり好まし
くない。
【0010】本発明に係る冷凍機油は、上記の(A)ア
ルキルベンゼンおよび(B)芳香族エステルの混合物か
らなるものであり、添加剤未添加の状態でもHFC冷媒
用冷凍機油組成物として好適に用いることができるが、
必要に応じて各種添加剤を配合した冷凍機油組成物の形
で使用することもできる。そうした冷凍機油組成物の一
つは、上記(A),(B)2成分からなる冷凍機油に、
さらに(C)成分であるリン酸エステル系化合物を配合
した冷凍機油組成物であって、この組成物は耐摩耗性、
耐荷重性が一段と優れる特長がある。(C)成分である
リン酸エステル系化合物は、リン酸トリエステル、酸性
リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩素
化リン酸エステル、亜リン酸トリエステルおよび水素化
亜リン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1
種の化合物を意味している。上記のリン酸エステル系化
合物としては、下記の一般式(1)で表される化合物が
使用できる。 (O=)lP(−OR1m(−OH)3-m (1) (式(1)中、R1は炭素数1〜18のアルキル基、炭
素数2〜18のアルケニル基、フェニル基、炭素数7〜
10のアルキルアリール基および下記式(2)で表され
るポリオキシアルキレン基の中から選ばれる基を表し、
lは0または1の整数を表し、mは1〜3の整数を表
す。ただし、mが2または3のときR1は同一分子中で
同じでも異なっていてもよい。) −(OR2n−OR3 (2) (式(2)中、R2は炭素数2〜4のアルキレン基を表
し、R3は水素原子または炭素数1〜18のアルキル基
を表し、nは1〜20の整数を表す。) 一般式(1)において、R1で表される炭素数1〜18
のアルキル基としては、具体的には例えば、メチル基、
エチル基、直鎖状または分岐状のプロピル基、直鎖状ま
たは分岐状のブチル基、直鎖状または分岐状のペンチル
基、直鎖状または分岐状のヘキシル基、直鎖状または分
岐状のヘプチル基、直鎖状または分岐状のオクチル基、
直鎖状または分岐状のノニル基、直鎖状または分岐状の
デシル基、直鎖状または分岐状のウンデシル基、直鎖状
または分岐状のドデシル基、直鎖状または分岐状のトリ
デシル基、直鎖状または分岐状のテトラデシル基、直鎖
状または分岐状のペンタデシル基、直鎖状または分岐状
のヘキサデシル基、直鎖状または分岐状のヘプタデシル
基、直鎖状または分岐状のオクタデシル基などが挙げら
れる。R1で表される炭素数2〜18のアルケニル基と
しては、具体的には例えば、エテニル基(ビニル基)、
直鎖状または分岐状のプロペニル基、直鎖状または分岐
状のブテニル基、直鎖状または分岐状のペンテニル基、
直鎖状または分岐状のヘキセニル基、直鎖状または分岐
状のヘプテニル基、直鎖状または分岐状のオクテニル
基、直鎖状または分岐状のノネニル基、直鎖状または分
岐状のデセニル基、直鎖状または分岐状のウンデセニル
基、直鎖状または分岐状のドデセニル基、直鎖状または
分岐状のトリデセニル基、直鎖状または分岐状のテトラ
デセニル基、直鎖状または分岐状のペンタデセニル基、
直鎖状または分岐状のヘキサデセニル基、直鎖状または
分岐状のヘプタデセニル基、直鎖状または分岐状のオク
タデセニル基などが挙げられる。R1で表される炭素数
7〜10のアルキルアリール基としては、具体的には例
えば、トリル基(全ての置換異性体を含む)、キシリル
基(全ての置換異性体を含む)、エチルフェニル基(全
ての置換異性体を含む)、トリメチルフェニル基(全て
の置換異性体を含む)、エチルメチルフェニル基(全て
の置換異性体を含む)、直鎖状または分岐状のプロピル
フェニル基(全ての置換異性体を含む)、テトラメチレ
ン基(全ての置換異性体を含む)、エチルジメチルフェ
ニル基(全ての置換異性体を含む)、ジエチルフェニル
基(全ての置換異性体を含む)、プロピルメチルフェニ
ル基(全ての置換異性体を含む)、直鎖状または分岐状
のブチルフェニル基(全ての置換異性体を含む)などが
挙げられる。また、R1は、式(2)で表されるポリオ
キシアルキレン基であってもよい。式(2)中のR2
炭素数2〜4のアルキレン基を表すが、このようなアル
キレン基としては、具体的には例えば、メチルメチレン
基(エチリデン基)、エチレン基等の炭素数2のアルキ
レン基;エチルメチレン基(プロピリデン基)、ジメチ
ルメチレン基(イソプロピリデン基)、メチルエチレン
基(プロピレン基)、トリメチレン基等の炭素数3のア
ルキレン基;n−プロピルメチレン基(ブチリデン
基)、イソプロピルメチレン基(イソブチリデン基)、
エチルメチルメチレン基、エチルエチレン基(ブチレン
基)、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチル
エチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルト
リメチレン基、テトラメチレン基等の炭素数4のアルキ
レン基、およびこれらの混合物等が挙げられ、この中で
もエチレン基、プロピレン基、ブチレン基が好ましい。
そして式(2)中のR3は水素原子または炭素数1〜1
8のアルキル基を表すが、このようなアルキル基として
は、具体的には、R1についてで列挙したアルキル基が
含まれる。本発明でいうリン酸トリエステルとは、一般
式(1)で表される化合物のうち、lが1、mが3であ
るものである。このようなリン酸トリエステルとして
は、具体的には例えば、トリブチルホスフェート、トリ
ペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、ト
リヘプチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、
トリノニルホスフェート、トリデシルホスフェート、ト
リウンデシルホスフェート、トリドデシルホスフェー
ト、トリトリデシルホスフェート、トリテトラデシルホ
スフェート、トリペンタデシルホスフェート、トリヘキ
サデシルホスフェート、トリヘプタデシルホスフェー
ト、トリオクタデシルホスフェート、トリオレイルホス
フェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホ
スフェート、トリキシリルホスフェート、クレジルジフ
ェニルホスフェート、キシリルジフェニルホスフェート
などが挙げられる。また、本発明でいう酸性リン酸エス
テルとは、一般式(1)で表される化合物のうち、lが
1、mが1または2であるものである。このような化合
物としては、具体的には例えば、モノブチルアシッドホ
スフェート、モノペンチルアシッドホスフェート、モノ
ヘキシルアシッドホスフェート、モノヘプチルアシッド
ホスフェート、モノオクチルアシッドホスフェート、モ
ノノニルアシッドホスフェート、モノデシルアシッドホ
スフェート、モノウンデシルアシッドホスフェート、モ
ノドデシルアシッドホスフェート、モノトリデシルアシ
ッドホスフェート、モノテトラデシルアシッドホスフェ
ート、モノペンタデシルアシッドホスフェート、モノヘ
キサデシルアシッドホスフェート、モノヘプタデシルア
シッドホスフェート、モノオクタデシルアシッドホスフ
ェート、モノオレイルアシッドホスフェート、ジブチル
アシッドホスフェート、ジペンチルアシッドホスフェー
ト、ジヘキシルアシッドホスフェート、ジヘプチルアシ
ッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、
ジノニルアシッドホスフェート、ジデシルアシッドホス
フェート、ジウンデシルアシッドホスフェート、ジドデ
シルアシッドホスフェート、ジトリデシルアシッドホス
フェート、ジテトラデシルアシッドホスフェート、ジペ
ンタデシルアシッドホスフェート、ジヘキサデシルアシ
ッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッドホスフェー
ト、ジオクタデシルアシッドホスフェート、ジオレイル
アシッドホスフェートなどが挙げられる。本発明でいう
亜リン酸トリエステルとは、一般式(1)で表される化
合物のうち、lが0、mが3のものである。このような
亜リン酸トリエステルとしては、具体的には例えば、ト
リブチルホスファイト、トリペンチルホスファイト、ト
リヘキシルホスファイト、トリヘプチルホスファイト、
トリオクチルホスファイト、トリノニルホスファイト、
トリデシルホスファイト、トリウンデシルホスファイ
ト、トリドデシルホスファイト、トリオレイルホスファ
イト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスフ
ァイトなどが挙げられる。本発明でいう水素化亜リン酸
エステルとは、一般式(1)で表される化合物のうち、
lが0、mが1または2のものである。このような化合
物としては、具体的には例えば、ジブチルホスファイ
ト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイ
ト、ジヘプチルホスファイト、ジオクチルホスファイ
ト、ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイト、ジ
ウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファイト、ジ
オレイルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジク
レジルホスファイトなどが挙げられる。(C)成分であ
るリン酸エステル系化合物は、前記の酸性リン酸エステ
ルと、炭素数1〜8のアルキル基を1〜3個有するアル
キルアミンとの塩であってもよい。このようなアルキル
アミンとしては、具体的には例えばメチルアミン、エチ
ルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルア
ミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミ
ン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミ
ン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルア
ミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ト
リブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルア
ミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミンなどが
挙げられる。さらに、(C)成分であるリン酸エステル
系化合物は、一般式(1)における少なくとも1つの置
換基R1中の少なくとも1つの水素原子が、塩素原子で
置換された塩素化リン酸エステルであってもよい。この
ような化合物としては、具体的には例えば、トリス・ジ
クロロプロピルホスフェート、トリス・クロロエチルホ
スフェート、トリス・クロロフェニルホスフェート、ポ
リオキシプロピレン・ビス[ジ(クロロエチル)]ホス
フェート、ポリオキシプロピレン・ビス[ジ(クロロプ
ロピル)]ホスフェート、ポリオキシプロピレン・ビス
[ジ(クロロフェニル)]ホスフェートなどが挙げられ
る。(C)成分であるリン酸エステル系化合物は、上記
した各リン酸エステルのいずれか1種であって差し支え
なく、また、2種以上のリン酸エステルの混合物であっ
ても差し支えない。本発明に係る冷凍機油組成物におけ
る(C)成分の配合量は、任意に選ぶことができるが、
通常は(A)アルキルベンゼンおよび(B)芳香族エス
テルの合計100重量部に対して、好ましくは0.00
5〜5.0重量部、より好ましくは0.01〜3.0重
量部である。(C)成分の配合量が(A)成分および
(B)成分の合計100重量部に対して0.005重量
部未満の場合は、リン酸エステル系化合物の配合による
耐摩耗性、耐荷重性の向上効果に乏しく、一方、その配
合量が(A)成分および(B)成分の合計100重量部
に対して5.0重量部を超える場合は、長期にわたって
使用した場合に冷凍システム内に腐食が発生する恐れが
あるため、好ましくない。これらのリン酸エステル系化
合物の配合によってその耐摩耗性、耐荷重性が大きく改
善されることは本発明の冷凍機油組成物の特徴の一つで
ある。HFC用冷凍機油として知られているPAG(ポ
リアルキレングリコール)やエステルは、これにリン酸
エステル系化合物を配合することによって、耐摩耗性、
耐荷重性がある程度改善されるものの、その改善の程度
効果は、本発明の冷凍機油にリン酸エステル系化合物を
配合した場合に比較して極めて小さい。
【0011】本発明の冷凍機油組成物には、その安定性
をさらに改良するために、 フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物 アルキルグリシジルエーテル型エポキシ化合物 グリシジルエステル型エポキシ化合物 アリルオキシラン化合物 アルキルオキシラン化合物 脂環式エポキシ化合物 エポキシ化脂肪酸モノエステル エポキシ化植物油 からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合
物を配合することができる。 フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物として
は、具体的には、フェニルグリシジルエーテルまたはア
ルキルフェニルグリシジルエーテルが例示できる。ここ
でいうアルキルフェニルグリシジルエーテルとは、炭素
数1〜13のアルキル基を1〜3個有するものであり、
中でも炭素数4〜10のアルキル基を1個有するもの、
例えばn−ブチルフェニルグリシジルエーテル、i−ブ
チルフェニルグリシジルエーテル、sec−ブチルフェ
ニルグリシジルエーテル、tert−ブチルフェニルグ
リシジルエーテル、ペンチルフェニルグリシジルエーテ
ル、ヘキシルフェニルグリシジルエーテル、ヘプチルフ
ェニルグリシジルエーテル、オクチルフェニルグリシジ
ルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、デシ
ルフェニルグリシジルエーテルなどが例示できる。 アルキルグリシジルエーテル型エポキシ化合物として
は、具体的には、デシルグリシジルエーテル、ウンデシ
ルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、
トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジ
ルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメ
チロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリ
スリトールテトラグリシジルエーテル、1,6−ヘキサ
ンジオールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグ
リシジルエーテル、ポリアルキレングリコールモノグリ
シジルエーテル、ポリアルキレングリコールジグリシジ
ルエーテルなどが例示できる。 グリシジルエステル型エポキシ化合物としては、具体
的には、フェニルグリシジルエステル、アルキルグリシ
ジルエステル、アルケニルグリシジルエステルなどが挙
げられ、好ましいものとしては、グリシジル2,2−ジ
メチルオクタノエート、グリシジルベンゾエート、グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどが
例示できる。 アリルオキシランとしては、具体的には、1,2−エ
ポキシスチレン、アルキル−1,2−エポキシスチレン
などが例示できる。 アルキルオキシランとしては、具体的には、1,2−
エポキシブタン、1,2−エポキシペンタン、1,2−
エポキシヘキサン、1,2−エポキシヘプタン、1,2
−エポキシオクタン、1,2−エポキシノナン、1,2
−エポキシデカン、1,2−エポキシウンデカン、1,
2−エポキシドデカン、1,2−エポキシトリデカン、
1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシペン
タデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エ
ポキシヘプタデカン、1,1,2−エポキシオクタデカ
ン、2−エポキシノナデカン、1,2−エポキシイコサ
ンなどが例示できる。 脂環式エポキシ化合物としては、具体的には、1,2
−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロペ
ンタン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,
4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス
(3.4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペー
ト、エキソ−2,3−エポキシノルボルナン、ビス
(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチ
ル)アジペート、2−(7−オキサビシクロ[4.1.
0]ヘプト−3−イル)−スピロ(1,3−ジオキサン
−5,3’−[7]オキサビシクロ[4.1.0]ヘプ
タン、4−(1’−メチルエポキシエチル)−1,2−
エポキシ−2−メチルシクロヘキサン、4−エポキシエ
チル−1,2−エポキシシクロヘキサンなどが例示でき
る。 エポキシ化脂肪酸モノエステルとしては、具体的に
は、エポキシ化された炭素数12〜20の脂肪酸と炭素
数1〜8のアルコールまたはフェノール、アルキルフェ
ノールとのエステルなどが例示できる。特にエポキシス
テアリン酸のブチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキ
シル、メトキシエチル、オクチル、フェニルおよびブチ
ルフェニルエステルが好ましく用いられる。 エポキシ化植物油としては、具体的には、大豆油、ア
マニ油、綿実油等の植物油のエポキシ化合物などが例示
できる。 これらのエポキシ化合物の中でも好ましいものは、フェ
ニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジル
エステル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物およ
びエポキシ化脂肪酸モノエステルである。中でもフェニ
ルグリシジルエーテル型エポキシ化合物およびグリシジ
ルエステル型エポキシ化合物がより好ましく、フェニル
グリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテ
ルまたはアルキルグリシジルエステルもしくはこれらの
混合物が特に好ましい。これらのエポキシ化合物を本発
明の冷凍機油組成物に配合する場合、その配合量は任意
であるが、通常、(A)アルキルベンゼンおよび(B)
芳香族エステルの合計100重量部に対して好ましくは
0.1〜5.0重量部、より好ましくは0.2〜2.0
重量部である。エポキシ化合物を2種以上併用してもよ
いことは勿論である。
【0012】本発明の冷凍機油組成物には、その性能を
さらに高めるため、必要に応じて従来より公知の冷凍機
油添加剤、例えばジ−tert−ブチル−p−クレゾー
ル、ビスフェノールA等のフェノール系、フェニル−α
−ナフチルアミン、N,N−ジ(2−ナフチル)−p−
フェニレンジアミン等のアミン系などの酸化防止剤、ジ
チオリン酸亜鉛などの摩耗防止剤、塩素化パラフィン、
硫黄化合物等の極圧剤、脂肪酸等の油性剤、シリコーン
系等の消泡剤、ベンゾトリアゾール等の金属不活性化
剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄分散剤等の添
加剤の1種または2種以上を配合することも可能であ
る。これらの添加剤の合計配合量は、通常、(A)アル
キルベンゼンおよび(B)芳香族エステルの合計100
重量部に対して好ましくは10重量部以下、より好まし
くは5重量部以下である。
【0013】本発明の冷凍機用潤滑油を用いる冷凍機に
用いられるハイドロフルオロカーボン(HFC)冷媒と
しては、炭素数1〜3、好ましくは1〜2のハイドロフ
ルオロカーボンが挙げられる。具体的には例えば、ジフ
ルオロメタン(HFC−32)、トリフルオロメタン
(HFC−23)、ペンタフルオロエタン(HFC−1
25)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HF
C−134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン
(HFC−134a)、1,1,1−トリフルオロエタ
ン(HFC−143a)、1,1−ジフルオロエタン
(HFC−152a)などのHFC、またはこれらの2
種以上の混合物などが挙げられる。これらの冷媒は用途
や要求性能に応じて適宜選択されるが、例えばHFC−
134a単独;HFC−125単独;あるいはHFC−
134a/HFC−32=60〜80質量%/40〜2
0質量%の混合物;HFC−32/HFC−125=4
0〜70質量%/60〜30質量%の混合物;HFC−
125/HFC−143a=40〜60質量%/60〜
40質量%の混合物;HFC−134a/HFC−32
/HFC−125=60質量%/30質量%/10質量
%の混合物、HFC−134a/HFC−32/HFC
−125=40〜70質量%/15〜35質量%/5〜
40質量%の混合物;HFC−125/HFC−134
a/HFC−143a=35〜55質量%/1〜15質
量%/40〜60質量%の混合物などが好ましい例とし
て挙げられる。さらに具体的には、HFC−134a/
HFC−32=70/30質量%の混合物;HFC−3
2/HFC−125=60/40質量%の混合物;HF
C−32/HFC−125=50/50質量%の混合物
(R410A;アライドシグナル社製 Genetro
n AZ−20);HFC−32/HFC−125=4
5/55質量%の混合物(R410B;デュポン社製
SUVA AC9100);HFC−125/HFC−
143a=50/50質量%の混合物(R507C;ア
ライドシグナル社製 Genetron AZ−5
0);HFC−32/HFC−125/HFC−134
a=30/10/60質量%の混合物;HFC−32/
HFC−125/HFC−134a=23/25/52
質量%の混合物(R407C;デュポン社製 SUVA
AC9000);HFC−125/HFC−134a/
HFC−143a=44/4/52質量%の混合物(R
404A;デュポン社製 SUVA HP−62)など
が挙げられる。また、これらHFC冷媒に少量、例えば
1〜10質量%のプロパン、シクロプロパン、ブタン、
イソブタン、シクロブタン、n−ペンタンなどの炭化水
素冷媒を混合することも可能である。
【0014】本発明に係る冷凍機油組成物は、通常、冷
凍機中においては上述したようなHFC冷媒と混合され
た冷凍機用流体組成物の形で存在している。この流体組
成物における冷凍機油組成物と冷媒との配合割合は任意
であるが、通常、冷媒100重量部に対して冷凍機油組
成物1〜500重量部、好ましくは2〜400重量部で
ある。本発明の冷凍機油組成物は、その優れた電気特性
や低い吸湿性から、往復動式や回転式の密閉型圧縮機を
有するエアコンや冷蔵庫に特に好ましく用いられる。ま
た自動車用エアコンや除湿機、冷凍庫、冷凍冷蔵倉庫、
自動販売機、ショーケース、化学プラント等の冷却装置
等に特に好ましく用いられる。また、遠心式の圧縮機を
有するものにも好ましく用いられる。
【0015】
【実施例】以下、実施例と比較例により、この発明の内
容を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例
に何ら限定されるものではない。表1に示す基油と、表
2に示す添加剤を用いて、表3に示す組成の冷凍機油組
成物を調製し、各組成物について下記の評価試験を行っ
た。試験結果を表3に併記した。なお、表1に示すアル
キルベンゼンの分子量分布は、マススペクトルによって
測定した。また、基油A、C、D、Eは、いずれもベン
ゼンと、プロピレンの2〜8量体からなる炭素数6〜2
4の分枝オレフィンとを原料にして、フッ化水素触媒を
用いて製造したモノアルキルベンゼンおよびジアルキル
ベンゼンの混合物を蒸留したものであり、基油Bは50
質量%の基油Aと50質量%の基油Dの混合物である。 [評価試験1]冷媒雰囲気中(HFC−134aを23
L/hの割合で流す)に傾斜を持たせてテストピースを
設置し、そのピース上に試料油を図1に示すように30
滴/分の割合で滴下して、テストピース上を流下させ、
これを油受けで回収して循環させる。試験時間6h、テ
ストピース温度270℃、スクレ−パー回数18回/分
の条件で高温薄膜コーキング試験を行い、試験後のテス
トピースへの付着物の重量を測定した。 [評価試験2]レシプロ型コンプレッサを用い、試験油
250gおよびHFC−134a100gを充填し、吐
出圧16kgf/cm2G、吸入圧0kgf/cm2G、回転数3000
rpm、試験温度160℃の条件で1000時間の連続運
転を行い、1000時間経過後のコンプレッサの弁の付
着物の状態およびコンロッドの摩耗状態を観察し、5段
階で評価を行った。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】表3に示す評価試験の結果から明らかなと
おり、本発明にかかる冷凍機油組成物は、テストピース
への付着物の量が少なく、またコンプレッサの弁のコー
ク付着量が少ないことが分かる。また、特に実施例2、
3、6および8は(C)リン酸エステル系化合物を配合
した場合であるが、コンロッド摩耗が少なく、(C)リ
ン酸エステル系化合物がその耐摩耗性向上に対して非常
に効果的であることが明らかである。これに対して、比
較例1〜4の冷凍機油組成物は、(B)成分の芳香族エ
ステルを用いない場合であるが、テストピースへの付着
物の量が多く、またコンプレッサの弁のコーク付着量も
多いことが分かる。また、比較例5の冷凍機油組成物
は、(A)成分として分子量が200〜350のアルキ
ルベンゼンの含有量が(A)成分全量基準で60質量%
未満のアルキルベンゼン混合物を用いた場合であるが、
テストピースへの付着物の量は比較的少ないものの、評
価試験2ではコンプレッサが450時間で停止してしま
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】評価試験1に用いた試験装置の説明図である。
【符号の説明】
1 テストピース 2、3 試料油 4 油受け 5 スクレーパー
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子量が200〜350のアルキ
    ルベンゼンを(A)成分全量基準で60質量%以上含有
    するアルキルベンゼン、70〜99質量%、および
    (B)芳香族エステル、1〜30質量%、からなるHF
    C冷媒用冷凍機油。
  2. 【請求項2】 (A)分子量が200〜350のアルキ
    ルベンゼンを(A)成分全量基準で60質量%以上含有
    するアルキルベンゼン、70〜99質量%、および
    (B)芳香族エステル、1〜30質量%、からなる混合
    基油100重量部に対して、(C)リン酸エステル系化
    合物、0.005〜5.0重量部配合してなるHFC冷
    媒用冷凍機油組成物。
  3. 【請求項3】 HFC冷媒と、下記の組成を有する冷凍
    機油を含有する冷凍機用流体組成物。 (A)分子量が200〜350のアルキルベンゼンを
    (A)成分全量基準で60質量%以上含有するアルキル
    ベンゼン、70〜99質量%、 および(B)芳香族エステル、1〜30質量%、
  4. 【請求項4】 HFC冷媒と、下記の組成を有する冷凍
    機油組成物を含有する冷凍機用流体組成物。 (A)分子量が200〜350のアルキルベンゼンを(A)成分全量基準 で60質量%以上含有するアルキルベンゼン、70〜99質量%、 および (B)芳香族エステル、1〜30質量%、 からなる混合基油 100重量部 (C)リン酸エステル系化合物 0.005〜5.0重量部
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010513671A (ja) * 2006-12-21 2010-04-30 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ペンタフルオロエタン、テトラフルオロエタンおよび炭化水素の組成物

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