JPH09208973A - 燃料油組成物 - Google Patents

燃料油組成物

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JPH09208973A
JPH09208973A JP1644896A JP1644896A JPH09208973A JP H09208973 A JPH09208973 A JP H09208973A JP 1644896 A JP1644896 A JP 1644896A JP 1644896 A JP1644896 A JP 1644896A JP H09208973 A JPH09208973 A JP H09208973A
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fuel oil
polymer
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carbon atoms
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JP1644896A
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Masahiro Fukumoto
雅弘 福本
Shinya Nishioka
伸也 西岡
Nobuhiko Sei
延彦 静
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境規制に対応した低硫黄燃料油の潤滑性を
高め、デイ―ゼルエンジンの燃料油潤滑部分の摩耗を低
減することのできる燃料油組成物を提供する。 【解決手段】 (A)硫黄分含量が0.2重量%以下お
よび芳香族分含量が40重量%以下の燃料油に、(B)
分子内にイミド基を含有するとともに、イミド基構成モ
ノマ―以外に少なくともα−オレフインを共重合モノマ
―として用いた、25℃における針入度が10以上であ
る重合体を、上記(A)の燃料油に対して0.0001
〜0.5重量%含ませる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料油自身の潤滑
性を改良する添加剤を含ませた中間流出燃料油に関する
ものであり、詳しくはデイ―ゼルエンジンの燃料油潤滑
部分に対してすぐれた潤滑性を示す燃料油組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年のトラツク輸送の増大とともに、軽
油中に含まれる硫黄分または芳香族化合物は環境に大き
な影響を与えている。カリフオルニアおよびスウエ―デ
ンのように、地域的には、既に「デイ―ゼルエンジンか
らの排気ガス中における汚染物質(SOX 、NOX 、粉
塵および煙)の放出に関与する軽油中の硫黄分および芳
香族化合物の含有量をかなり制限する」という規制が採
用されており、それが全世界に広がろうとしている。
【0003】たとえば、1985年以降、カリフオルニ
アでは、軽油中の許容硫黄分を0.05重量%に制限す
る法律が通過しており、さらに1993年以降、芳香族
分を10重量%以下に制限する法律が付加されている。
同年以降、全米では環境保護庁(EPA)による、硫黄
含量0.05重量%以下および芳香族化合物含量35重
量%以下に制限する法律が通過している。
【0004】日本においても、1989年12月の中央
公害対策審議会の答申で、自動車から排出されるNOX
を短期的(1993年〜1994年)に20〜35重量
%、長期的(10年以内)には40〜60重量%削減す
ることが要請されている。このため、軽油中の硫黄分を
1992年に0.2重量%以下、さらに1997年を目
標に0.05重量%以下に段階的に低減することが決ま
つている。
【0005】軽油中の硫黄分および芳香族化合物の低減
は、一般に、石油精製における接触水素化処理によつて
行われている。しかしながら、軽油中の硫黄分および芳
香族化合物の低減は、軽油の潤滑性の低下につながると
いう不都合があり、それによるデイ―ゼルエンジンのイ
ンジエクシヨン装置のポンプやノズルなどの部品の損傷
が発生するといつた問題をさけられなかつた。
【0006】今日まで、硫黄分0.2重量%以上および
芳香族化合物40重量%以上を有する軽油については、
潤滑性に関係する問題は生じていなかつた。しかし、軽
油中の硫黄分0.2重量%以下および芳香族化合物が4
0重量%以下の場合には、インジエクシヨンポンプ(と
くにロ―タリ―ポンプおよびインジエクタ―ノズル、ガ
バナ―スリ―ブ)に摩耗や焼き付きが生じ、黒煙を生じ
たり、アイドル回転の不安定、エンストなどのエンジン
トラブルが発生した。
【0007】このような現象は、エンジンの設計、潤滑
作用を受ける部品の形状および材質によつて大きく左右
されるのであるが、添加剤による改善が試みられてい
る。たとえば、米国特許第2,252,889号明細
書、同第4,185,594号明細書、同第4,20
8,190号明細書、同第4,204,481号明細書
および同第4,428,182号明細書に開示のよう
に、脂肪酸エステル、不飽和の二量化脂肪酸、第一級脂
肪族アミン、ジエタノ―ルアミンの脂肪族アミドおよび
長鎖脂肪族モノカルボン酸に属する抗摩耗剤が使用され
てきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の抗摩耗剤の多くは十分な潤滑性を引き出すために、比
較的多量に添加する必要があり、このような多量添加は
燃料油本来の特性や性状を損なうおそれがあり、必ずし
も好ましいものとはいえなかつた。
【0009】本発明は、このような事情に照らし、環境
規制に対応した低硫黄燃料油の潤滑性を高め、デイ―ゼ
ルエンジンの燃料油潤滑部分の摩耗を低減することので
きる燃料油組成物を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、鋭意検討した結果、燃料油中に分
子内にイミド環を含有するとともにα−オレフインを共
重合モノマ―として用いた特定の重合体を抗摩耗剤とし
て添加することにより、環境規制に対応した低硫黄燃料
油の潤滑性が改善されて、燃料油潤滑部分の摩耗を大き
く低減できるものであることを知り、本発明を完成する
に至つた。
【0011】すなわち、本発明の第1は、(A)硫黄分
含量が0.2重量%以下および芳香族分含量が40重量
%以下の燃料油に、(B)分子内にイミド基を含有する
とともに、イミド基構成モノマ―以外に少なくともα−
オレフインを共重合モノマ―として用いた、25℃にお
ける針入度が10以上である重合体を、上記(A)の燃
料油に対して0.0001〜0.5重量%含ませてなる
燃料油組成物(請求項1)に係るものである。
【0012】また、とくに上記第1の発明に係る燃料油
組成物として、上記(B)の重合体において、イミド基
構成モノマ―が、不飽和多価カルボン酸、その酸無水物
もしくはエステルからなる不飽和多価カルボン酸類であ
るか、あるいはこれらの不飽和多価カルボン酸類と第一
アミンとのイミド化物であり、前者の不飽和多価カルボ
ン酸類であるときは、これと少なくともα−オレフイン
を含む他種モノマ―との共重合後に第一アミンとのイミ
ド化物とされてなる燃料油組成物(請求項2)を提供で
きるものである。
【0013】さらに、本発明の第2は、上記(A)の燃
料油に、上記(B)の重合体とともに、(C)つぎの一
般式(1); 〔式中、Xは水素、アルキル基またはアルケニル基、Y
は水素またはメチル基、Zは水素、アルキル基、アルケ
ニル基、アリ―ル基、−OCOR1 (R1 は炭素数1〜
30のアルキル基)または−COOR2 (R2 は炭素数
1〜30のアルキル基)である〕で表されるモノマ―の
1種または2種以上の重合体を、(B)の重合体と
(C)の重合体の重量比が2:98から95:5の範囲
となり、かつ(B),(C)の重合体の合計量が(A)
の燃料油に対して0.0001〜0.5重量%となる割
合で含有させてなる燃料油組成物(請求項2)に係るも
のである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に用いる(A)の燃料油
は、硫黄分規制に対応するために極度の水素化により精
製された燃料油であつて、硫黄分含量が0.2重量%以
下、好ましくは0.12重量%以下、とくに好ましくは
0.05重量%以下に低減され、さらに芳香族分含量が
40重量%以下、好ましくは35重量%以下でかつ二環
以上の多環芳香族分含量が20重量%以下、とくに好ま
しくは芳香族分含量が30重量%以下でかつ二環以上の
多環芳香族分含量が10重量%以下に抑えられた低硫黄
燃料油が用いられる。
【0015】本発明に用いる(B)の重合体は、分子内
にイミド基を含有するとともに、イミド基構成モノマ―
以外に少なくともα−オレフインを共重合モノマ―とし
て用いた、25℃における針入度が10以上である重合
体である。場合により、分子内にイミド基とともにアミ
ド基を副生分として含んでいてもよい。
【0016】このような(B)の重合体は、イミド基構
成モノマ―として、不飽和多価カルボン酸、その酸無水
物もしくはエステルからなる不飽和多価カルボン酸類を
使用し、これとα−オレフインとの二元共重合体、また
はその他のモノマ―を含む三元以上の共重合体としたの
ち、これに第一アミンを反応させてイミド化物とするこ
とにより、得られる。また、上記の不飽和多価カルボン
酸類と第一アミンと反応させてイミド化物としたのち、
これとα−オレフインとの二元共重合体、その他のモノ
マ―を含む三元以上の共重合体とすることにより、得ら
れる。
【0017】不飽和多価カルボン酸またはその酸無水物
は、少なくとも1個の重合性不飽和結合と少なくとも2
個のカルボキシル基とを有する化合物、またはその酸無
水物である。このような不飽和多価カルボン酸またはそ
の酸無水物としては、炭素数4〜55、好ましくは4〜
30のものを使用でき、具体例としては、マレイン酸、
アルキルマレイン酸、イタコン酸、フマル酸、アコニツ
ト酸またはその酸無水物などが挙げられる。これらの中
でも、カルボキシル基が2個のものが好ましく、さらに
酸無水物がより好ましく、とくに無水マレイン酸が好ま
しい。
【0018】不飽和多価カルボン酸のエステルは、上記
の不飽和多価カルボン酸のアルキルエステルであつて、
アルキル基の炭素数は1〜10、好ましくは1〜4であ
る。不飽和多価カルボン酸のカルボキシル基は、すべて
のカルボキシル基がエステル化されていてもよいし、一
部がエステル化されていてもよい。具体例としては、マ
レイン酸のメチルモノエステル、メチルジエステル、エ
チルジエステル、プロピルジエステルなどが挙げられ
る。
【0019】共重合モノマ―として用いるα−オレフイ
ンは、炭素数が3〜50、好ましくは4〜38の線状ま
たは分枝状のα−オレフインが挙げられるが、これらの
中でも、とくに線状のα−オレフインが好ましい。な
お、このα−オレフインは、分子内にヒドロキシル基な
どの官能基を含んでいてもよい。
【0020】不飽和多価カルボン酸類とα−オレフイン
とのモル比は、任意の割合であつてよいが、好ましくは
不飽和多価カルボン酸類:α−オレフインのモル比が
1:9から8:2、より好ましくは2:8から6:4と
なるようにするのがよい。このようなモル比で用いるに
あたり、不飽和多価カルボン酸類は、その1種を単独
で、または2種以上を混合して使用できる。また、α−
オレフインについても、その1種を単独で、または2種
以上を混合して使用できる。
【0021】不飽和多価カルボン酸類およびα−オレフ
インのほかに、他のモノマ―を、重合体を構成する全モ
ノマ―中、60モル%以下、好ましくは10〜50モル
%の割合で使用してもよい。この他のモノマ―として
は、とくに制限はなく、種々のものを使用できるが、中
でも、不飽和モノカルボン酸エステル0〜45モル%、
スチレンまたはその誘導体0〜25モル%を含み、これ
らモノマ―の合計量が10〜50モル%であるのが好ま
しい。
【0022】不飽和モノカルボン酸エステルには、炭素
数4〜30のアルキル基を有する不飽和モノカルボン酸
アルキルエステルなどがある。不飽和モノカルボン酸ア
ルキルエステルとしては、炭素数4〜30のアルキルメ
タクリレ―トまたはアクリレ―ト〔以下、アルキル(メ
タ)アクリレ―トという〕、たとえばブチル(メタ)ア
クリレ―ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ―
ト、デシル(メタ)アクリレ―ト、ドデシル(メタ)ア
クリレ―ト、ヘキサデシル(メタ)アクリレ―ト、オク
タデシル(メタ)アクリレ―ト、エイコシル(メタ)ア
クリレ―トなどが挙げられ、そのほか、炭素数12のア
ルコ―ルを中心として含むアルコ―ルの工業留分と(メ
タ)アクリル酸とのエステル、炭素数18のアルコ―ル
を中心として含むアルコ―ルの工業留分と(メタ)アク
リル酸とのエステル、炭素数20のアルコ―ルに富むよ
り重質なアルコ―ルの工業留分と(メタ)アクリル酸と
のエステル、炭素数22のアルコ―ルに富むより重質な
アルコ―ルの工業留分と(メタ)アクリル酸とのエステ
ルなどを挙げることができる。これらは、その1種を単
独で、または2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。
【0023】スチレンまたはその誘導体としては、スチ
レン、2−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,
5−ジメチルスチレン、2−メトキシスチレン、4−メ
トキシスチレン、2,5−ジメトキシスチレン、4−ブ
ロモスチレン、4−クロロスチレン、2,5−ジクロロ
スチレンなどが挙げられ、これらの中でも、とくにスチ
レンが好ましい。これらのモノマ―は、その1種を単独
で、または2種以上を組み合わせて使用することができ
る。スチレンまたはその誘導体の全炭素数は、8〜5
2、好ましくは8〜37である。
【0024】イミド化に用いる第一アミンは、第一アミ
ノ基を有する化合物であつて、エ―テル結合、アルコ―
ル性水酸基を有していてもよく、またジアミン、トリア
ミンなどのポリアミンであつてもよい。これら第一アミ
ンの炭素数は1〜70、好ましくは5〜45である。こ
のような第一アミンとしては、つぎの一般式(2)また
は(3)で表されるものが挙げられる。これらの中か
ら、その1種を単独で、または2種以上を組み合わせて
使用することができる。
【0025】 R3 −Q−〔(CH2 )j −NH−〕k −H …(2) HO−CH2 −R4 −NH2 …(3) 〔式中、R3 は炭素数1〜30のアルキルまたはアルケ
ニル基、jは2〜4の整数、kは0〜4の整数、Qはk
=0のとき−NH−、k≠0のとき−O−、−NH−ま
たは−NR5 −(R5 は炭素数1〜30、好ましくは炭
素数12〜24のアルキル基またはアルケニル基であ
る)、R4は炭素数1〜30、好ましくは炭素数12〜
24のアルキレン基またはアルケニレン基である〕
【0026】一般式(2)で表される第一アミンとして
は、タ―シヤリ―ブチルアミン、タ―シヤリ―オクチル
アミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサ
デシルアミン、オクタデシルアミン、エイコシルアミ
ン、ドコシルアミン、N−ドデシル−1,2−ジアミノ
エチレン、N−テトラデシル−1,3−ジアミノプロパ
ン、N−ヘキサデシル−1,4−ジアミノブタン、N−
オクタデシル−1,5−ジアミノペンタン、N−エイコ
シル−1,6−ジアミノヘキサン、N−ドコシル−1,
3−ジアミノプロパン、N−牛脂アルキル−1,3−ジ
アミノプロパン、N−硬化菜種油アルキル−1,3−ジ
アミノプロパン、N−オクタデシル・ジプロピレントリ
アミン、N−ドコシルジプロピレン・トリアミン、N,
N−ジエチル−1,2−ジアミノエタン、N,N−ジイ
ソプロピル−1,2−ジアミノエタン、N,N−ジブチ
ル−1,2−ジアミノエタン、N,N−ジエチル−1,
4−ジアミノブタン、N,N−ジメチル−1,3−ジア
ミノプロパン、N,N−ジオクチル−1,3−ジアミノ
プロパン、N,N−ジデシル−1,3−ジアミノプロパ
ン、N,N−ジドデシル−1,3−ジアミノプロパン、
N,N−ジテトラデシル−1,3−ジアミノプロパン、
N,N−ジヘキサデシル−1,3−ジアミノプロパン、
N,N−ジオクタデシル−1,3−ジアミノプロパン、
N,N−ジドデシル・ジプロピレントリアミン、N,N
−ジテトラデシル・ジプロピレントリアミン、N,N−
ジヘキサデシル・ジプロピレントリアミン、N,N−ジ
オクタデシル・ジプロピレントリアミンなどがある。
【0027】また、一般式(2)で表される第一アミン
には、Qが−O−である場合のエ―テルアミンが含まれ
るが、この具体例としては、2−メトキシ・エチルアミ
ン、3−メトキシ・プロピルアミン、4−メトキシ・ブ
チルアミン、3−エトキシ・プロピルアミン、3−エト
キシ・プロピルアミン、3−オクチルオキシ・プロピル
アミン、3−デシルオキシ・プロピルアミン、3−ヘキ
サデシルオキシ・プロピルアミン、3−エイコシルオキ
シ・プロピルアミン、3−ドコシルオキシ・プロピルア
ミン、N−(3−オクチルオキシ・プロピル)−1,3
−ジアミノプロパン、N−(3−デシルオキシ・プロピ
ル)−1,3−ジアミノプロパン、3−(2,4,6−
トリメチルデシル)オキシプロピルアミン、N−〔3−
(2,4,6−トリメチル・デシル)オキシ・プロピ
ル〕−1,3−ジアミノプロパンなどを挙げることがで
きる。
【0028】一般式(3)で表される第一アミンは、い
わゆるアミノアルコ―ルといわれるものであつて、この
具体例としては、モノエタノ―ルアミン、1−アミノ−
3−プロパノ―ル、1−アミノ−4−ブタノ―ル、1−
アミノ−5−ペンタノ―ル、1−アミノ−6−ヘキサノ
―ル、1−アミノ−7−ヘプタノ―ル、1−アミノ−8
−オクタノ―ル、1−アミノ−10−デカノ―ル、1−
アミノ−11−ウンデカノ―ル、1−アミノ−13−ト
リデカノ―ル、1−アミノ−14−テトラデカノ―ル、
1−アミノ−16−ヘキサデカノ―ル、2−アミノ−2
−メチル−1−プロパノ―ル、2−アミノ−1−ブタノ
―ル、2−アミノ−1−ペンタノ―ルなどを挙げること
ができる。
【0029】(B)の重合体を製造するには、まず、不
飽和多価カルボン酸類とα−オレフインまたはこれと他
のモノマ―とを共重合させて、ランダム共重合体を得
る。共重合は通常のラジカル重合法にしたがい、ラジカ
ル開始剤の存在下に炭化水素系溶媒中で行えばよい。つ
ぎに、得られた重合体溶液に、不飽和多価カルボン酸類
1モル当たり0.7〜1.2モルの第一アミンを加え、
70〜170℃の加熱下に反応させると、重合体を構成
する不飽和多価カルボン酸類のカルボキシル基、その無
水物基もしくはエステル基と第一アミンの第一アミノ基
とが反応してイミド基(イミド環)が形成され、分子内
にイミド基を含有する重合体が得られる。上記のカルボ
キシル基などとアミノ基との反応では通常イミド基が形
成されるが、条件によりイミド基とともにアミド基が副
生することもある。
【0030】(B)の重合体を製造する別の方法は、ま
ず、不飽和多価カルボン酸類と第一アミンとを上記と同
様のモル比で反応させてイミド化物を得る。つぎに、こ
のイミド化物とα−オレフインまたはこれと他のモノマ
―とを上記と同様に共重合させると、分子内にイミド基
を含有する重合体が得られる。この方法でも、重合体の
分子内にはイミド基とともにアミド基が副生することも
ある。
【0031】このように製造される(B)の重合体は、
25℃における針入度が10以上とされていることが必
要で、好ましくは15以上、より好ましくは15以上6
00以下であるのがよい。針入度が10未満の場合、
(A)の燃料油に対し十分な溶解性が得られないことが
あり、燃料油組成物の外観が不良となるおそれがある。
針入度の測定は、JIS K 2207「石油アスフア
ルト」の6.3「針入度試験方法」に準じて行われ、試
験機器などの具体的な測定条件は、後記の実施例に示さ
れるとおりである。
【0032】重合体の針入度は、モノマ―組成、イミド
基の導入量、イミド化に用いる第一アミンの炭素数およ
び分岐度、分子量などの多くの因子により決定されるも
のであり、モノマ―および第一アミンなどの種類に応じ
て重合条件やイミド化条件などを適宜選択して、最適の
針入度を決定すればよい。本発明では、このようにして
得られるモノマ―組成や針入度の異なる重合体を、1種
のみまたは2種以上組み合わせて使用することができ
る。
【0033】本発明に用いる(C)の重合体は、つぎの
一般式(1); 〔式中、Xは水素、アルキル基またはアルケニル基、Y
は水素またはメチル基、Zは水素、アルキル基、アルケ
ニル基、アリ―ル基、−OCOR1 (R1 は炭素数1〜
30のアルキル基)または−COOR2 (R2 は炭素数
1〜30のアルキル基)である〕で表されるモノマ―の
1種または2種以上の重合体であり、場合により、上記
の一般式(1)で表されるモノマ―のほかに、本発明の
目的を損なわない範囲で、たとえば、全モノマ―中15
モル%以下の割合でそのほかのモノマ―を共重合させた
重合体を用いてもよい。そのほかのモノマ―には、一般
式(1)で表される以外の各種のモノマ―が含まれる
が、一般式(1)におけるR1 ,R2 の炭素数が上記の
範囲外となるモノマ―も使用できる。
【0034】一般式(1)で表されるモノマ―におい
て、一般式(1)中、Xで示されるアルキル基またはア
ルケニル基は炭素数1〜10、好ましくは1〜4であ
り、Zで示されるアルキル基またはアルケニル基は炭素
数1〜30、好ましくは1〜10であり、アリ―ル基は
炭素数6〜50、好ましくは6〜20である。また、Z
で示される−OCOR1 または−COOR2 において、
1 は炭素数1〜30、好ましくは1〜4のアルキル基
であり、R2 は炭素数1〜30、好ましくは8〜22の
アルキル基である。これらのR1 またはR2 はそれぞれ
上記範囲の炭素数を有するアルキル基の混合物であつて
もよい。
【0035】一般式(1)で表されるモノマ―のひとつ
は、X,Y,Zがともに水素であるエチレンであるのが
好ましい。また、Xが水素、Yが水素またはメチル基、
Zが−OCOR1 (R1 が炭素数1〜4のアルキル基)
または−COOR2 (R2 が炭素数8〜22のアルキル
基)であるモノマ―、その中でも、とくにZが−OCO
1 (R1 がメチル基またはエチル基)または−COO
2 (R2 が炭素数10〜16のアルキル基)であるモ
ノマ―が好ましい。
【0036】さらに、Xが水素または炭素数1〜4のア
ルキル基、Yが水素またはメチル基、Zが炭素数1〜4
のアルキル基、炭素数6〜20のアリ―ル基、−OCO
1(R1 が炭素数1〜4のアルキル基)または−CO
OR2 (R2 が炭素数8〜22のアルキル基)であるモ
ノマ―も好ましい。これらの中でも、とくにXが水素、
Yが水素またはメチル基、Zがメチル基、フエニル基、
−OCOR1 (R1 がメチル基またはエチル基)または
−COOR2 (R2 が炭素数10〜16のアルキル基)
であるモノマ―が好ましい。
【0037】(C)の重合体は、一般式(1)で表され
るモノマ―のひとつにエチレンを用いる場合、エチレン
と一般式(1)で表される他のモノマ―との共重合体で
あるのが好ましい。とくに、エチレン含量が60〜99
モル%、好ましくは65〜97.5モル%、他のモノマ
―の含量が40〜1モル%、好ましくは35〜2.5モ
ル%となる共重合体であるのがよい。このような共重合
体としては、たとえば、エチレン/オレフイン共重合
体、エチレン/カルボン酸ビニル共重合体、エチレン/
アルキル(メタ)アクリレ―ト共重合体、エチレン/ス
チレンまたはその誘導体共重合体などが挙げられる。
【0038】また、一般式(1)で表されるモノマ―の
ひとつにエチレンを用いない場合、(C)の重合体とし
ては、たとえば、アルキル(メタ)アクリレ―ト単独重
合体、アルキル(メタ)アクリレ―ト/カルボン酸ビニ
ル共重合体、アルキル(メタ)アクリレ―ト/スチレン
またはその誘導体共重合体、アルキル(メタ)アクリレ
―ト/ビニルナフタレン共重合体、スチレンまたはその
誘導体/カルボン酸ビニル共重合体などを挙げることが
できる。
【0039】エチレン/オレフイン共重合体において、
オレフインは炭素数3〜30、好ましくは3〜10のも
のであり、たとえば、プロピレン、1−ブテン、2−ブ
テン、イソブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、ヘプ
テン、オクテン、ジイソブテン、ドデセン、オクタデセ
ン、アイコセン、テラコセン、トリアコンテン、これら
の異性化オレフインなどがある。また、ブタジエン、ペ
ンタジエン、ヘキサトリエンといつた二ないし多量化オ
レフインや、これらの2種以上の混合物も用いられる。
とくに好ましいものはプロピレンである。共重合体中の
オレフイン含量は1〜40モル%、好ましくは5〜35
モル%であるのがよい。
【0040】エチレン/カルボン酸ビニル共重合体、ア
ルキル(メタ)アクリレ―ト/カルボン酸ビニル共重合
体、スチレンまたはその誘導体/カルボン酸ビニル共重
合体などにおいて、カルボン酸ビニルとしては、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、デカン酸ビニ
ル、ヘキサデカン酸ビニル、オクタデカン酸ビニルなど
があり、とくに酢酸ビニルが好ましい。エチレン/カル
ボン酸ビニル共重合体中のカルボン酸ビニル含量は1〜
40モル%、好ましくは2.5〜25モル%である。ま
た、アルキル(メタ)アクリレ―ト/カルボン酸ビニル
共重合体やスチレンまたはその誘導体/カルボン酸ビニ
ル共重合体中のカルボン酸ビニル含量は25〜80モル
%、好ましくは35〜70モル%である。
【0041】エチレン/アルキル(メタ)アクリレ―ト
共重合体、アルキル(メタ)アクリレ―ト単独重合体、
アルキル(メタ)アクリレ―ト/カルボン酸ビニル共重
合体などにおいて、アルキル(メタ)アクリレ―トは炭
素数1〜30のアルキル基を有するものであり、好まし
くは炭素数12〜18の直鎖または末端にメチル分枝を
持つアルキル基を有するもの、とくに好ましくは炭素数
12または14を主成分とするアルキル基を有する(メ
タ)アクリレ―トである。
【0042】上記のアルキル(メタ)アクリレ―トに
は、たとえば、ブチル(メタ)アクリレ―ト、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレ―ト、デシル(メタ)アク
リレ―ト、ドデシル(メタ)アクリレ―ト、ヘキサデシ
ル(メタ)アクリレ―ト、オクタデシル(メタ)アクリ
レ―ト、エイコシル(メタ)アクリレ―トなどがあり、
そのほかに、炭素数12のアルコ―ルを中心として含む
アルコ―ルの工業留分と(メタ)アクリル酸とのエステ
ル、炭素数18のアルコ―ルを中心として含むアルコ―
ルの工業留分と(メタ)アクリル酸とのエステル、炭素
数20のアルコ―ルに富むより重質なアルコ―ルの工業
留分と(メタ)アクリル酸とのエステル、炭素数22の
アルコ―ルに富むより重質なアルコ―ルの工業留分と
(メタ)アクリル酸とのエステルなどを使用することも
できる。
【0043】エチレン/スチレンまたはその誘導体共重
合体、スチレンまたはその誘導体/カルボン酸ビニル共
重合体などにおいて、スチレンまたはその誘導体として
は、スチレン、2−メチルスチレン、4−メチルスチレ
ン、2,5−ジメチルスチレン、2−メトキシスチレ
ン、4−メトキシスチレン、2,5−ジメトキシスチレ
ン、4−ブロモスチレン、4−クロロスチレン、2,5
−ジクロロスチレンなどが挙げられ、とくにスチレンが
好ましい。スチレンまたはその誘導体は、全炭素数が8
〜52、好ましくは8〜37であるのがよい。
【0044】(C)の重合体は、上述のような一般式
(1)で表されるモノマ―の1種または2種以上と必要
によりそのほかのモノマ―とを公知の方法、たとえばフ
リ―ラジカル重合、アニオン重合などによつて重合ない
し共重合させることにより、容易に製造することができ
る。このように製造される(C)の重合体は、本発明の
効果を得る上で、GPCによりポリスチレン換算にて算
出される数平均分子量が1,000〜50,000、好
ましくは1,000〜30,000、より好ましくは
2,000〜15,000の範囲にあるのがよい。
【0045】本発明においては、(A)の燃料油に、上
記(B)の重合体をこれ単独で含ませるか、あるいは上
記(B)の重合体と(C)の重合体をともに含ませるこ
とにより、燃料油組成物とする。その際、(B)の重合
体単独または(B),(C)の重合体の合計量が、燃料
油に対して0.0001〜0.5重量%となるようにす
べきであり、好ましくは0.0005〜0.25重量
%、より好ましくは0.0005〜0.1重量%となる
ようにするのがよい。
【0046】また、(B)の重合体と(C)の重合体を
ともに含ませる場合、両者の割合としては、(B)の重
合体と(C)の重合体との重量比が2:98から95:
5の範囲となるようにすべきである。すなわち、(B)
の重合体が2〜95重量%、(C)の重合体が98〜5
重量%の範囲となるようにすべきであり、好ましくは
(B)の重合体が5〜75重量%、(C)の重合体が9
5〜25重量%となるようにするのがよい。両者の割合
は対象となる燃料油の性状や燃焼条件などにより、上記
範囲で任意に変えることができる。
【0047】本発明において、(A)の燃料油に(B)
の重合体またはこれと(C)の重合体を添加する方法は
とくに制限されず、公知の添加剤の添加方法に準じて行
うことができ、この場合に各重合体はあらかじめ適当な
溶剤に溶解させたのち、燃料油に添加するようにしても
よい。また、(B)の重合体と(C)の重合体をともに
含ませる場合、両者の重合体をあらかじめ混合したうえ
で添加してもよいし、別々に添加するようにしてもよ
い。
【0048】本発明の燃料油組成物は、上記(B),
(C)の重合体のほかに、燃料油に通常添加される流動
性向上剤、曇点降下剤、セタン価向上剤、酸化防止剤、
金属不活性化剤、清浄分散剤などの添加剤を併用しても
よい。
【0049】
【実施例】つぎに、本発明の実施例および比較例を記載
して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれ
らの例によつてなんら限定されるものではない。なお、
各例中、%は重量%である。
【0050】また、各例で用いた燃料油A−1〜4は、
下記の表1に示す構成からなり、このうち、燃料油A−
1〜3は本発明の(A)の燃料油に該当し、燃料油A−
4は本発明の(A)の燃料油に該当しないものである。
【0051】
【0052】さらに、各例で用いた重合体B−1〜6
は、下記の製造例1〜6により製造したものであり、こ
のうち、重合体B−1〜5は、本発明の(B)の重合体
に該当し、重合体B−6は、本発明の(B)の重合体に
該当しないものである。
【0053】製造例1 攪拌装置、冷却管および不活性ガスの取り入れ口を備え
た反応器の中に、オルトキシレン750g,無水マレイ
ン酸98g(1モル)、C22オレフイン約1%、C24
レフイン約30%、C26オレフイン約39%、C28オレ
フイン約20%およびC30オレフイン約10%からなる
α−オレフイン243g(0.67モル)を仕込み、攪
拌しながら120℃まで昇温した。
【0054】つぎに、ラウリルメタクリレ―ト170g
(0.67モル)にタ―シヤリ―ブチルパ―オキシオク
タエ―ト3.22g(0.014モル)を室温で溶解さ
せてメタクリレ―ト溶液を調製し、上記反応器の滴下管
に仕込んだ。反応系を120℃に保つたまま、滴下管に
仕込んだ上記メタクリレ―ト溶液を4時間かけて滴下
し、滴下後4時間熟成を行つて、薄黄色のランダム共重
合体溶液を得た。
【0055】ついで、一旦40℃まで、反応系内の温度
を下げたのち、同じ反応器内に、モル比で1%のC14
28%のC16および71%のC18を含むアルキル鎖を有
する第一脂肪族アミンの留分280g(1モル)を、攪
拌しながら添加した。120℃まで昇温したのち、2時
間その温度に保つてイミド化を完了させ、薄黄色のラン
ダム共重合体(重合体B−1)の50%オルトキシレン
溶液を得た。
【0056】10mmHgの減圧下、110℃で2時間乾燥
させて、オルトキシレンを留去し、重合体B−1を得
た。これを所定の試験容器に充てんし、25℃の恒温恒
湿室内に24時間放置したのち、JIS K 2207
「石油アスフアルト」の6.3「針入度試験方法」に準
じて、下記に示す条件にて、25℃における針入度を測
定した。
【0057】<針入度の測定> (1)試験機器 針入度試験器…日本油試験機工業(株)TESTER
TYPE 201 試験容器…内径70mm×高さ80mmの耐熱ガラス製平底
円筒容器 (2)試料準備 (B)の重合体の溶液を用いて、前記の方法で溶媒を減
圧留去し、十分に流動性のある間に試験容器に試料を採
り、これを25℃の恒温恒湿内に24時間放置する (3)試験手順 針入度試験器、試験容器ともに恒温恒湿内に設置し、試
料表面に針の先端を接触させたのち、ダイアルゲ―ジを
0に合わせ、自重(50.0g)により針を10秒間試
料中に進入させ、ダイアルゲ―ジの示度を整数値で読み
とる。10mm以上離れたポイントで同一試料について3
回測定を行い、その平均値を針入度とする。
【0058】このようにして求めた重合体B−1の25
℃の針入度は33であつた。また、この重合体B−1に
ついて、赤外吸収スペクトルにより1700,1780
cm-1にイミド基のC=O伸縮振動に基づくピ―クを確認
した。
【0059】製造例2〜6 製造例1と同様にして、下記の表2および表3に示す条
件で、共重合反応およびイミド化反応を行い、重合体B
−2〜6を製造した。各重合体について、前記と同様に
して、25℃の針入度を調べた結果は、同表に併記され
るとおりであつた。また、各重合体について、赤外吸収
スペクトル分析を行つたところ、いずれも1700,1
780cm-1にイミド基のC=O伸縮振動に基づくピ―ク
を確認した。なお、表2には、重合体B−1の結果をも
併記した。また、表2および表3において、各物質の符
号は下記のとおりである。
【0060】 MAn:無水マレイン酸 IAn:無水イタコン酸 C22−30:炭素数22〜30のα−オレフインの混
合物 C18:炭素数18のα−オレフイン IB:1−イソブテン C16−18:炭素数16と18のα−オレフインの
5:4(重量比)の混合物 SM:ステアリルメタクリレ―ト EHA:2−エチルヘキシルアクリレ―ト OM:オレイルメタクリレ―ト LM:ラウリルメタクリレ―ト St:スチレン TBPO:タ―シヤリ―ブチルパ―オキシオクタエ―ト BPO:ベンゾイルパ―オキサイド oXy:o−キシレン Tol:トルエン C14−18モノ:炭素数14〜18の脂肪族モノアミ
ンの混合物 C18モノ:炭素数18の脂肪族モノアミン C22モノ:炭素数22の脂肪族モノアミン C18,18ジ:N,N´−ジオクタデシル−1,3−
プロパンジアミン C16−18モノ:炭素数16と18の脂肪族モノアミ
ンの5:4(重量比)の混合物
【0061】
【0062】
【0063】また、各例で用いた重合体C−1〜4は、
下記の表4に示す構成からなり、その数平均分子量はG
PCによりポリスチレン換算にて算出したものである。
【0064】
【0065】実施例1〜15 燃料油A−1〜3に対し、重合体B−1〜5および重合
体C−1〜4を、下記の表5に示す組み合わせでかつ同
表に示す添加量(ppm)で添加して、15種の燃料油
組成物を調製した。
【0066】
【0067】比較例1〜7 燃料油A−1〜3に対し、重合体B−6、重合体C−
1,2,4またはト―ル油脂肪酸重合物〔炭素数18の
モノマ―酸:ダイマ―酸:トリマ―酸=8:74:18
(重量比)の混合物〕を、下記の表6に示す添加量(p
pm)で添加し、7種の燃料油組成物を調製した。
【0068】
【0069】以上の実施例1〜15および比較例1〜7
の各燃料油組成物に対して、潤滑摩耗試験機を用いて潤
滑性の評価を行つた。潤滑摩耗試験機としては、振動摩
擦摩耗試験機(HFRR試験機)を用い、試験体とし
て、PCSインスツルメンツ社製の直径9.9mm、厚さ
3.0mmのデイスク、および直径6mmのベアリングボ―
ルを用いた。潤滑性の測定条件は下記のとおりである。
【0070】 試験機 : PCSインスツルメンツ社製のHFRR
試験機 試験体材質: デイスク、ボ―ルともにステイ―ルAI
SI52100 温度 : 60℃ 荷重 : 200g 振動数 : 50Hz 振幅 : 1.0mm 運転時間 : 75分
【0071】このような潤滑摩耗試験により、運転中の
平均摩擦係数、試験後の被膜の初期被膜に対する相対
値、顕微鏡観察により上部ボ―ルの摩耗痕(X:摺動方
向に対して平行に測定した摩耗痕径、Y:摺動方向に対
して直角に測定した摩耗痕径)とその平均径を調べ、こ
れらの結果と、総合評価として下記に示す基準で評価し
た結果と併せて、表8および表9に示した。なお、参考
のため、燃料油A−1〜4単独(添加剤を添加しない
系)での試験結果を、表7に示した。
【0072】 ◎:平均摩耗痕径が0.35mm未満であり、振動方向へ
の浅い線条痕のみがみられる。 ○:平均摩耗痕径が0.35〜0.40mmであり、一部
深い線条痕がみられる。 △:平均摩耗痕径が0.35〜0.40mmであり、全般
的に深い線条痕がみられる。 ×:平均摩耗痕径が0.40mmを超えており、摩耗痕全
域に凝集摩耗やアブレシブ摩耗がみられる。
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】上記の表7〜9の結果から明らかなよう
に、本発明の実施例1〜15の燃料油組成物は、低硫黄
燃料油(A−1〜3)に対して本発明の(B),(C)
の重合体を添加したことにより、上記低硫黄燃料油の潤
滑性を高硫黄燃料油(A−4)に近い程度にまで改善で
きるものであることがわかる。
【0077】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、環境規
制に対応した低硫黄燃料油の潤滑性を向上させることが
でき、デイ―ゼルエンジンの燃料油潤滑部分に対してす
ぐれた潤滑性を示す燃料油組成物を提供することができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)硫黄分含量が0.2重量%以下お
    よび芳香族分含量が40重量%以下の燃料油に、(B)
    分子内にイミド基を含有するとともに、イミド基構成モ
    ノマ―以外に少なくともα−オレフインを共重合モノマ
    ―として用いた、25℃における針入度が10以上であ
    る重合体を、上記(A)の燃料油に対して0.0001
    〜0.5重量%含ませてなる燃料油組成物。
  2. 【請求項2】 (B)の重合体において、イミド基構成
    モノマ―が、不飽和多価カルボン酸、その酸無水物もし
    くはエステルからなる不飽和多価カルボン酸類である
    か、あるいはこれらの不飽和多価カルボン酸類と第一ア
    ミンとのイミド化物であり、前者の不飽和多価カルボン
    酸類であるときは、これと少なくともα−オレフインを
    含む他種モノマ―との共重合後に第一アミンとのイミド
    化物とされてなる請求項1に記載の燃料油組成物。
  3. 【請求項3】 (A)の燃料油に、(B)の重合体とと
    もに、(C)つぎの一般式(1); 〔式中、Xは水素、アルキル基またはアルケニル基、Y
    は水素またはメチル基、Zは水素、アルキル基、アルケ
    ニル基、アリ―ル基、−OCOR1 (R1 は炭素数1〜
    30のアルキル基)または−COOR2 (R2 は炭素数
    1〜30のアルキル基)である〕で表されるモノマ―の
    1種または2種以上の重合体を、(B)の重合体と
    (C)の重合体の重量比が2:98から95:5の範囲
    となり、かつ(B),(C)の重合体の合計量が(A)
    の燃料油に対して0.0001〜0.5重量%となる割
    合で含有させてなる請求項1または2に記載の燃料油組
    成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1171587A (ja) * 1997-07-08 1999-03-16 Clariant Gmbh 中間留分およびエチレンと不飽和カルボン酸エステルとのコポリマーを基材とする燃料油
DE19816797A1 (de) * 1998-04-16 1999-10-21 Clariant Gmbh Verwendung von stickstoffhaltigen Ethylencopolymeren zur Herstellung von Brennstoffölen mit verbesserter Schmierwirkung

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DE19816797C2 (de) * 1998-04-16 2001-08-02 Clariant Gmbh Verwendung von stickstoffhaltigen Ethylencopolymeren zur Herstellung von Brennstoffölen mit verbesserter Schmierwirkung

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