JPH09208508A - 水不溶性の固形状被覆多価アルコールおよびその製造方法 - Google Patents

水不溶性の固形状被覆多価アルコールおよびその製造方法

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JPH09208508A
JPH09208508A JP4544096A JP4544096A JPH09208508A JP H09208508 A JPH09208508 A JP H09208508A JP 4544096 A JP4544096 A JP 4544096A JP 4544096 A JP4544096 A JP 4544096A JP H09208508 A JPH09208508 A JP H09208508A
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JP
Japan
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polyhydric alcohol
resin
water
solid
coated
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JP4544096A
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English (en)
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Hiroteru Watabe
大輝 渡部
Takashi Takebayashi
貴史 竹林
Masuo Iwata
満寿夫 岩田
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吸湿性がなく、水に不溶であり、しかも難燃剤
の1成分として各種樹脂に配合して使用した場合に得ら
れる樹脂組成物の難燃性の低下がなく、かつ成形品の表
面にブリ−ドすることのない固形状多価アルコールを提
供すること。 【解決手段】固形状多価アルコ−ルが熱硬化性樹脂で被
覆された水不溶性の固形状被覆多価アルコール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固形状多価アルコ
ールもしくは表面処理剤で表面処理された固形状多価ア
ルコールが熱可塑性樹脂で被覆された水不溶性の固形状
被覆多価アルコール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】近年、固形状多価アルコー
ルの用途として、各種樹脂への応用が注目されており、
例えば、難燃剤の助剤として各種樹脂へ配合する技術が
検討されている。固形状多価アルコールは、加熱すると
膨張し、共存するりん系難燃剤などが脱水触媒の作用を
して炭化されて発泡炭化層を形成するため、防火性、耐
火性を発揮する発泡性の難燃剤組成物の1成分として好
適に使用されている。かかる固形状多価アルコールとし
ては、一般にペンタエリスリトール、ジペンタエリスリ
トール、ポリペンタエリスリトールなどがあり、例えば
特開昭53−108140号公報、特開昭5−3939
4号公報には、難燃剤組成物の配合成分の1つとして上
記物質が例示されている。これらの固形状多価アルコー
ルを配合した難燃剤組成物は高度な炭化物形成機能と高
い難燃性を有しているが、該樹脂組成物を成形して得ら
れる成形品は、該固形状多価アルコ−ルの吸湿性、水溶
解性に起因して、空気中の水分により該固形状多価アル
コ−ルが該成形品表面にブリードするといった欠点があ
り、水可溶性物質である固形状多価アルコールをそのま
ま各種樹脂に配合することには大きな問題点があり、水
に対して不溶性の固形状多価アルコールが望まれてい
る。
【0003】一方、特開平7−97478号公報には、
水不溶性の発泡性炭化物形成剤として多価アルコールと
ほう酸と金属との錯体が開示されており、該錯体を配合
した樹脂組成物は射出成形時の金型汚染や、成形品のブ
リード現象が改善されているが、該錯体は、錯体中の水
酸基が大きく減少するため樹脂に配合すると得られる組
成物の難燃性が低下するといった問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、吸湿性
がなく、水に不溶であり、しかも難燃剤の1成分として
各種樹脂に配合して使用した場合に得られる樹脂組成物
の難燃性の低下がなく、かつ成形品の表面にブリ−ドす
ることのない固形状多価アルコールを得るべく鋭意研究
した。その結果、固形状多価アルコールを特定の熱硬化
性樹脂で均一に、強固に被覆することによって上記問題
点が解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を有
する。 (1)固形状多価アルコ−ルが熱硬化性樹脂で被覆され
た水不溶性の固形状被覆多価アルコール。 (2)固形状多価アルコ−ルが表面処理剤で表面処理さ
れたものである前記第1項記載の固形状被覆多価アルコ
−ル。 (3)固形状多価アルコールがカテコール、レゾルシ
ン、1,3−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレン
ジオール、o,o’−ビフェノール、p,p’−ビフェ
ノール、1,1’−ビ−2−ナフトール、ビスフェノー
ルA、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリト
ール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレー
ト、でんぷん、セルロース、グルコース、マンニトー
ル、ソルビトール、フルクトースの中から選ばれる1種
以上の多価アルコ−ルである前記第1項記載の水不溶性
の固形状被覆多価アルコール。 (4)熱硬化性樹脂がアルキド樹脂、アリル樹脂、ユリ
ア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタ
ン樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、フラン樹脂もしくは
それらの変性樹脂の中から選ばれる1種以上の熱硬化性
樹脂である前記第1項記載の水不溶性の固形状被覆多価
アルコール。 (5)熱硬化性樹脂の被覆割合が固形状多価アルコール
100重量部に対して、1〜30重量部である前記第1
項記載の水不溶性の固形状被覆多価アルコール。 (6)表面処理剤が、シラン系カップリング剤、チタネ
ート系カップリング剤、アルミネート系カップリング
剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、フォスフェ
ート系カップリング剤、イオン性界面活性剤、高分子界
面活性剤からなる群より選ばれる1種以上の表面処理剤
である前記第2項記載の水不溶性の固形状被覆多価アル
コール。
【0006】(7)固形状多価アルコ−ルもしくは表面
処理剤で表面処理された固形状多価アルコ−ルを、有機
溶剤もしくは有機溶剤/水混合溶剤の存在下もしくは不
存在下に熱硬化性樹脂で被覆処理することを特徴とする
水不溶性の固形状被覆多価アルコールの製造方法。 (8)被覆処理が、硬化温度20〜100℃の範囲内で
行われることを特徴とする前記第7項記載の水不溶性の
固形状被覆多価アルコールの製造方法。 (9】)形状多価アルコールがカテコール、レゾルシ
ン、1,3−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレン
ジオール、o,o’−ビフェノール、p,p’−ビフェ
ノール、1,1’−ビ−2−ナフトール、ビスフェノー
ルA、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリト
ール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレー
ト、でんぷん、セルロース、グルコース、マンニトー
ル、ソルビトール、フルクトースの中から選ばれる1種
以上の固形状多価アルコ−ルである前記第7項記載の水
不溶性の固形状被覆多価アルコールの製造方法。 (10)熱硬化性樹脂がアルキド樹脂、アリル樹脂、ユ
リア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタ
ン樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、フラン樹脂もしくは
それらの変性樹脂の中から選ばれる1種以上の熱硬化性
樹脂である前記第7項記載の水不溶性の固形状被覆多価
アルコールの製造方法。 (11)固形状多価アルコール100重量部に対し、熱
硬化性樹脂1〜30重量部を被覆処理することを特徴と
する前記第7項記載の水不溶性の固形状被覆多価アルコ
ールの製造方法。 (12)表面処理剤が、シラン系カップリング剤、チタ
ネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング
剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、フォスフェ
ート系カップリング剤、イオン性界面活性剤、高分子界
面活性剤からなる群より選ばれる1種以上の表面処理剤
である前記第7項記載の水不溶性の固形状被覆多価アル
コールの製造方法。
【0007】本発明にかかわる水不溶性の固形状被覆多
価アルコールを得る方法として、公知のマイクロカプセ
ル化法が応用できる。例えば、化学的製法として、液中
硬化法、イン・サイテュー(in situ)重合法、
界面重合法、コアセルベーション法、機械的な製造方法
として噴霧乾燥法、ハイブリダイゼーション法などが挙
げられる。ここで例えば、液中硬化法は、あらかじめ固
形状の多価アルコ−ルの表面を熱硬化性樹脂原料でカプ
セル化したのち、硬化液中で硬化させる方法であり、イ
ン・サイテュー重合法は固形状の多価アルコ−ルの粒子
表面で生成する熱硬化性樹脂が、該多価アルコ−ルを均
一にとりまくような重合条件を設定しておいて、原料お
よび重合触媒などを供給してカプセル化する方法であ
る。また、界面重合法は、2種類の反応成分を互いに混
ざり合わない2種類の溶媒にそれぞれ溶解して両液相の
界面で熱硬化性樹脂を形成させる方法であり、コアセル
ベ−ション法は、樹脂−良溶媒−非溶媒系などにおいて
熱硬化性樹脂溶液からその樹脂に富んだ相が分離する現
象(液−液相分離)を利用した方法である。噴霧乾燥法
は、熱硬化性樹脂原液を噴霧して固形状多価アルコ−ル
の表面を熱硬化性樹脂原料でカプセル化したのち、これ
を熱風を接触させて樹脂を硬化させるとともに揮発成分
を乾燥させる方法であり、ハイブリダイゼ−ション法
は、衝撃力を主体とする機械的熱的エネルギ−を樹脂原
料粒子に与え、固形状多価アルコ−ルの表面に対して固
定化またはカプセル化させる方法である。これらのマイ
クロカプセル化法を応用して例えば次のようにして本発
明に関わる不溶性の固形状被覆多価アルコールを得るこ
とができる。
【0008】熱硬化性樹脂としてメラミン樹脂を使用す
る場合は、攪拌機付反応容器内に、ホルムアルデヒドと
メラミンとの化学反応により得られるメチロールメラミ
ンが溶解可能で、かつ芯物資である固形状多価アルコ−
ルを溶解しない媒体(例えば、エタノール/酢酸エチル
混合溶液)とメラミンおよびホルムアルデヒドの所定量
(ホルムアルデヒドのメラミンに対するモル比1.5〜
7)とを入れ、pHを7.5〜9に保ち、70〜80℃
にて反応を行い、透明な溶液を得る。この際、被覆膜の
緻密度を高める目的で、必要に応じてレゾルシン、フロ
ログルシンなどのフェノール系化合物などを添加しても
よい。このような化合物はメラミンに対して、通常、
0.5モル以下の量で使用できる。反応系のpHを調整
するために、苛性ソーダ水溶液、アンモニア水、トリエ
タノールアミンなどが使用できる。次いで上記溶液中
に、例えば、固形状の多価アルコ−ルであるペンタエリ
スリトールを加え、よく攪拌し、均一な分散液とする。
これに硬化剤溶液(例えば、塩酸/メタノール)を加
え、系内をpH2〜5に調整後、必要に応じてn−ヘキ
サンなどの非溶媒を加え、20℃以上で反応を行なう。
pH調整剤としての酸としては、2N程度の塩酸、硫酸
もしくはリン酸、10〜30重量%のクエン酸溶液など
を用いることができる。反応終了後、濾過、洗浄、乾燥
を行い目的のマイクロカプセル化された固形状被覆物を
得ることができる。
【0009】被覆に使用できる樹脂としては、水が透過
しにくく、耐水性に優れた被膜を形成する熱硬化性樹脂
であれば特に限定されず、例えばアルキド樹脂、アリル
樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹
脂、ウレタン樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、フラン樹
脂等の熱硬化性樹脂もしくはそれらの変性樹脂であり、
アニオン、カチオン等にイオン変性したものや、高縮合
タイプ等の特殊変性したものおよびその他の方法で変性
したものの少なくとも1種以上を使用する。これらの樹
脂のなかで、樹脂の耐水性、被膜の強度、より緻密な被
覆が可能などの観点から、メラミン樹脂、尿素樹脂等の
アルデヒド系樹脂、ユリア樹脂、ウレタン樹脂などの尿
素系樹脂、フェノール樹脂が好ましく用いられる。
【0010】固形状多価アルコールとしては、カテコー
ル、レゾルシン、1,3−ナフタレンジオール、1,5
−ナフタレンジオール、o,o’−ビフェノール、p,
p’−ビフェノール、1,1’−ビ−2−ナフトール、
ビスフェノールA、ペンタエリスリトール、ジペンタエ
リスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタ
エリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソ
シアヌレートや、でんぷん、セルロースなどの多糖類、
グルコース、マンニトール、ソルビトール、フルクトー
ス等の少糖類、糖アルコールなどを挙げることができ、
2種以上の併用も可能である。
【0011】また本発明の水不溶性の固形状被覆多価ア
ルコールを製造するにあたり、該多価アルコール粒子表
面を表面処理剤で処理することもでき、該表面処理剤
は、水酸基の調節や処理剤による疎水性の付与または固
形状多価アルコール表面に官能基を付加し、被覆樹脂と
より強固な相互作用や密着性を与える効果を奏するので
好適に使用される。該表面処理剤としては、例えばカッ
プリング剤や界面活性剤などが効果的であるが、本発明
はこれに限定されるものではない。カップリング剤とし
ては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリ
ング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコアルミ
ネート系カップリング剤、フォスフェート系カップリン
グ剤などが挙げられる。
【0012】界面活性剤としてはイオン性界面活性剤、
高分子界面活性剤として公知のものが使用できる。例え
ばイオン性界面活性剤としては、カルボン酸型、硫酸エ
ステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型等の陰イオ
ン性界面活性剤、高級アミン塩、高級アルキル第4アン
モニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、カルボン酸型、
硫酸エステル型、スルホン型、リン酸型等の両性界面活
性剤、パーフルオロアルコール、ポリエチレングリコー
ル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性界面
活性剤が挙げられる。高分子界面活性剤としては、カル
ボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型等の陰イオン
性高分子界面活性剤、アミン型、第4アンモニウム塩等
の陽イオン性高分子界面活性剤、両性高分子界面活性
剤、ポリビニルアリコール系、尿素系、アクリル酸系、
フェノール樹脂系等の非イオン性型界面活性剤が挙げる
ことができ、これらは単独でまたは2種以上混合して使
用することが可能である。
【0013】
【実施例】本発明を具体的に説明するために、以下に実
施例および比較例を示すが、本発明はこれによって限定
されるものではない。また、実施例および比較例におけ
る評価は次の方法により行った。
【0014】(1)水溶性の測定方法 生成物中に含まれる水溶性成分を次の方法によって定量
した。実施各例および比較例で得られた生成物の各10
gを純水90gに懸濁して10重量%の懸濁液を調整す
る。ついで、該懸濁液を25℃の温度で1時間振とうし
たのち、該懸濁液を遠心分離し、上澄み液を0.45μ
mのろ紙を用いてろ過する。ろ液の一定量を秤量瓶に取
り、乾燥機中で蒸発乾固し、次式より水溶性を求めた。
【0015】(2)難燃性:酸素指数(O.I.) 日本工業規格JIS K7201(酸素指数法による高
分子材料の燃焼試験方法)に準拠。 [難燃性評価用成型品の作成]実施各例および比較例で
得られた生成物10重量%、難燃剤(脱水触媒)の不溶
性ポリリン酸アンモニウム(商品名TERRAJU/C
60、チッソ株式会社製)15重量%、メラミン樹脂5
重量%、ポリプロピレン(商品名チッソポリプロ P9
170、チッソ株式会社製)69.5重量%、および安
定剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
0.2重量%、ジミリスチル−β,β‘−チオジプロピ
オネート0.2重量%、ステアリン酸カルシウム0.1
重量%をヘンシェルミキサー(商品名)に投入し、3分
間攪拌混合した。該混合物を二軸押出機(口径30m
m)で、溶融混練(温度200℃)してペレット化し
た。次いで該ペレットを射出成型機用いて、酸素指数評
価用の試験片(100mm×6.5mm×3mm)を作
成し、難燃性の試験を行った。
【0016】実施例1 攪拌機、温度計、還流器、導入口を備えた容量500m
lの反応器に、メラミン10重量部、37重量%ホルム
アルデヒド13.6重量部、エチルアルコール40重量
部、酢酸エチル20重量部を仕込み攪拌しながら、トリ
エタノールアミンを加えてpH8に調整し、80℃で1
時間反応させた。40℃に保持した透明な反応混合溶液
にペンタエリスリトール70重量部を加えて、攪拌し、
2N塩酸/メタノールで系内のpHを3に調整後、n−
ヘキサン100重量部を加え5分間攪拌後、50℃で3
0分、70℃で1時間反応を行い、その後系内を中和し
て反応を終了させた。反応終了後冷却し、濾過、メタノ
ール洗浄、乾燥を行い、熱硬化性樹脂により被覆された
固形状被覆多価アルコール78重量部(以下化合物Aと
略す)を得。化合物Aを電子顕微鏡により表面を観察し
たところ樹脂で均一に被覆されていることが確認でき
た。該化合物Aを用いて水溶性、難燃性を測定した。そ
の結果を表1に示した。
【0017】実施例2 ジペンタエリスリトール70重量部にシラン系カップリ
ング剤としての3−アミノプロピルトリエトキシシラン
(商品名サイラエースS330、チッソ株式会社製)7
重量部を噴霧し、卓上ミキサーでよく混合した後、40
℃のオーブン内で1時間加熱して得られた表面処理多価
アルコールを用いたこと以外は実施例1に準拠して行
い、熱硬化性樹脂により被覆された被覆多価アルコール
79重量部(以下化合物Bと略す)を得た。化合物Bを
電子顕微鏡により表面を観察したところ樹脂で均一に被
覆されていることが確認できた。該化合物Bを用いて水
溶性、難燃性を測定した。その結果を表1に示した。
【0018】実施例3 多価アルコールとしてトリス(2−ヒドロキシエチル)
イソシアネート70重量部を用いる以外は実施例1に準
拠して行い、熱硬化性樹脂により被覆された固形状被覆
多価アルコール78重量部(以下化合物Cと略す)を得
た。化合物Cを電子顕微鏡により表面を観察したところ
樹脂で均一に被覆されていることが確認できた。該化合
物Cを用いて水溶性、難燃性を測定した。その結果を表
1に示した。
【0019】比較例1 固形状多価アルコールとしてペンタエリスリトールを用
いて水溶性、難燃性を測定した。その結果を表1に示し
た。
【0020】比較例2 ジペンタエリスリトール68重量部、水1リットル、ほ
う酸31重量部を攪拌しながら、50分間還流し、その
後、酢酸亜鉛65.9重量部を水に溶解した溶液をゆっ
くり添加し、再び還流温度で30分間反応させた。次に
室温まで冷却したのち、ろ過、乾燥して特開平7−97
478公報に開示と同様の多価アルコールとほう酸と亜
鉛との錯体166重量部(以下化合物Dと略す)を得
た。該化合物Dを用いて水溶性、難燃性を測定した。そ
の結果を表1に示した。
【0021】実施例1で得られた化合物Aを拡散反射法
によりFT−IR測定を行い、そのスペクトル図を図−
1に示す。また比較例1で得られた化合物DのFT−I
Rスペクトル図を図2に示す。本発明によって得られた
化合物Aは固形状多価アルコールの表面がメラミン樹脂
で被覆されたマイクロカプセル化物であるため、101
6cm-1、3325cm-1に水酸基由来の吸収が非常に
強く観察される。一方、化合物Dでは該水酸基の吸収が
減少または消失している。
【0022】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂で被覆された固形
状多価アルコ−ルは、吸湿性がなく、水に不溶であり、
しかも難燃剤の1成分として使用した場合に難燃性の低
下がない固形状被覆多価アルコールであり、該固形状被
覆多価アルコールは、多価アルコールが水可溶性物質で
あるために実用困難とされてきた分野で、好適に使用す
ることができる。
【0023】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた化合物Aの拡散反射法によ
るFT−IRスペクトル図。
【図2】比較例1で得られた化合物DのFT−IRスペ
クトル図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 39/15 9155−4H C07C 39/15 39/16 9155−4H 39/16 C08K 9/04 KCP C08K 9/04 KCP C09K 21/06 C09K 21/06 // C09K 3/00 111 3/00 111B

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固形状多価アルコ−ルが熱硬化性樹脂で被
    覆された水不溶性の固形状被覆多価アルコール。
  2. 【請求項2】固形状多価アルコ−ルが表面処理剤で表面
    処理されたものである請求項1記載の固形状被覆多価ア
    ルコ−ル。
  3. 【請求項3】固形状多価アルコールがカテコール、レゾ
    ルシン、1,3−ナフタレンジオール、1,5−ナフタ
    レンジオール、o,o’−ビフェノール、p,p’−ビ
    フェノール、1,1’−ビ−2−ナフトール、ビスフェ
    ノールA、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリト
    ール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリ
    トール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ
    ート、でんぷん、セルロース、グルコース、マンニトー
    ル、ソルビトール、フルクトースの中から選ばれる1種
    以上の多価アルコ−ルである請求項1記載の水不溶性の
    固形状被覆多価アルコール。
  4. 【請求項4】熱硬化性樹脂がアルキド樹脂、アリル樹
    脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノ
    ール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、
    ウレタン樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、フラン樹脂も
    しくはそれらの変性樹脂の中から選ばれる1種以上の熱
    硬化性樹脂である請求項1記載の水不溶性の固形状被覆
    多価アルコール。
  5. 【請求項5】熱硬化性樹脂の被覆割合が固形状多価アル
    コール100重量部に対して、1〜30重量部である請
    求項1記載の水不溶性の固形状被覆多価アルコール。
  6. 【請求項6】表面処理剤が、シラン系カップリング剤、
    チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリ
    ング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、フォス
    フェート系カップリング剤、イオン性界面活性剤、高分
    子界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上の表面処
    理剤である請求項2記載の水不溶性の固形状被覆多価ア
    ルコール。
  7. 【請求項7】固形状多価アルコ−ルもしくは表面処理剤
    で表面処理された固形状多価アルコ−ルを、有機溶剤も
    しくは有機溶剤/水混合溶剤の存在下もしくは不存在下
    に熱硬化性樹脂で被覆処理することを特徴とする水不溶
    性の固形状被覆多価アルコールの製造方法。
  8. 【請求項8】被覆処理が、硬化温度20〜100℃の範
    囲内で行われることを特徴とする請求項7記載の水不溶
    性の固形状被覆多価アルコールの製造方法。
  9. 【請求項9】形状多価アルコールがカテコール、レゾル
    シン、1,3−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレ
    ンジオール、o,o’−ビフェノール、p,p’−ビフ
    ェノール、1,1’−ビ−2−ナフトール、ビスフェノ
    ールA、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
    ル、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリト
    ール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレー
    ト、でんぷん、セルロース、グルコース、マンニトー
    ル、ソルビトール、フルクトースの中から選ばれる1種
    以上の固形状多価アルコ−ルである請求項7記載の水不
    溶性の固形状被覆多価アルコールの製造方法。
  10. 【請求項10】熱硬化性樹脂がアルキド樹脂、アリル樹
    脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノ
    ール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、
    ウレタン樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、フラン樹脂も
    しくはそれらの変性樹脂の中から選ばれる1種以上の熱
    硬化性樹脂である請求項7項記載の水不溶性の固形状被
    覆多価アルコールの製造方法。
  11. 【請求項11】固形状多価アルコール100重量部に対
    し、熱硬化性樹脂1〜30重量部を被覆処理することを
    特徴とする請求項7記載の水不溶性の固形状被覆多価ア
    ルコールの製造方法。
  12. 【請求項12】表面処理剤が、シラン系カップリング
    剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カッ
    プリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、フ
    ォスフェート系カップリング剤、イオン性界面活性剤、
    高分子界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上の表
    面処理剤である請求項7記載の水不溶性の固形状被覆多
    価アルコールの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013040295A (ja) * 2011-08-18 2013-02-28 Jsr Corp 粒子分散体ならびに多孔質体およびその製造方法
WO2022071385A1 (ja) * 2020-09-30 2022-04-07 住友大阪セメント株式会社 分散液、組成物、封止部材、発光装置、照明器具、表示装置、分散液の製造方法、および金属酸化物粒子の表面修飾方法

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