JPH09208334A - 無機質繊維強化セラミックスの成形方法 - Google Patents

無機質繊維強化セラミックスの成形方法

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JPH09208334A
JPH09208334A JP6000692A JP69294A JPH09208334A JP H09208334 A JPH09208334 A JP H09208334A JP 6000692 A JP6000692 A JP 6000692A JP 69294 A JP69294 A JP 69294A JP H09208334 A JPH09208334 A JP H09208334A
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JP
Japan
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molding
inorganic fiber
mixture
average diameter
ceramic
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JP6000692A
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English (en)
Inventor
Mutsuharu Muto
睦治 武藤
Kohei Arakawa
公平 荒川
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Nikkiso Co Ltd
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Nikkiso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、成形時の残留応力歪を最小
限に抑えること、およびセラミックスの成形として簡便
かつ有効な静水圧成形および常圧焼結のプロセスを無機
質繊維強化セラミックにおいても可能にすることであ
る。 【構成】 本発明は、平均アスペクト比が30以下であ
る無機質繊維と、無機質繊維の平均直径の2/3以下で
ある平均直径を有するセラミックス粉末との混合物を静
水圧成形し、その後に常圧焼結することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無機質繊維強化セラミッ
クの成形方法に関し、さらに詳しくは、破壊靭性の著し
く改善された無機質繊維強化セラミックの成形方法に関
する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】近年、ガスタービンや
ジットエンジン等の高性能化に対する要求が大いに増加
している。これらの熱機関の中で最も過酷な条件下に使
用されるブレードやノズル材としての耐熱材料の開発に
大きな期待が持たれている。
【0003】そこで、耐熱性に優れた素材としてセラミ
ックスが着目される。
【0004】セラミックスは大きな耐熱性を備えている
が、その破壊靭性が極めて小さい。そのためにセラミッ
クスに繊維を充填して強化する試みがなされている。
【0005】一般に、セラミックスの破壊靭性は3〜5
MPa・m1/2 程度であって、一般炭素鋼の200MP
a・m1/2 に対して極めて破壊靭性が小さい。
【0006】この小さな破壊靭性の主な原因は、セラミ
ックス中に存在する微小クラックなどである。この微小
クラックを除去して、破壊靭性を高めるための成形加工
法として、冷間等方圧成形加工(CIP)および熱間等
方圧成形加工(HIP)などの静水圧成形加工、ホット
プレス成形加工等の種々の成形法がある。
【0007】しかしながら、セラミックスの加圧成形に
は限界があり、所望するような破壊靭性の改善が見られ
ない。
【0008】それ故、セラミックスの破壊靭性を高める
ために無機質繊維でセラミックスを強化する試みがなさ
れてきた。
【0009】一般に無機質繊維強化の特長は、ピンニン
グ(クラックの成長阻止)、クラックデフレクション
(クラック屈曲の促進)、およびプルアウト(繊維の引
抜き)による破壊阻止または破壊エネルギーの増大にあ
るとされている。
【0010】しかし、ホットプレスなどよりも格段に成
形圧が高く、そのために圧縮率が特に大きい静水圧成形
では、加圧成形時の繊維に屈曲による残留応力がより重
大になり、端に繊維による補強効果が少ないと言うだけ
ではなく、圧力を解除した途端に残留応力のために形態
が崩れて、成形自体が困難な場合もあった。
【0011】したがって、本発明の目的は、成形時の残
留応力歪を最小限に抑えること、およびセラミックスの
成形として簡便かつ有効な静水圧成形および常圧焼結の
プロセスを無機質繊維強化セラミックにおいても可能に
することである。
【0012】
【前記目的を達成するための手段】前記目的を達成する
ための本発明の構成は、平均アスペクト比が30以下で
ある無機質繊維と、無機質繊維の平均直径の2/3以下
である平均直径を有するセラミックス粉末との混合物を
静水圧成形し、その後に常圧焼結することを特徴とする
無機質繊維強化セラミックの成形方法である。
【0013】本発明における前記無機質繊維はその平均
アスペクト比が30以下、好ましくは5〜15である。
【0014】このような低いアスペクト比が好ましい理
由は、成形時に繊維が曲がり難くなって成形後の残留歪
みが小さくなるとも考えられる。
【0015】本発明における無機質繊維のアスペクト比
を前記範囲内に調製するためには、たとえば、公知の粉
砕手段たとえば、ジョークラッシャー、ジャイレトリク
ラッシャー、ロールクラッシャー、エッジランナー、ハ
ンマークラッシャー、ボウルミル、ジェットミル、ディ
スクミル等の粉砕機を採用することができる。いずれの
粉砕機を使用するかは、無機質繊維の種類による。
【0016】本発明における前記無機質繊維としては、
結晶質あるいは非晶質短繊維およびウィスカーのいずれ
をも使用することができる。
【0017】前記無機質繊維としては、ガラス繊維、高
ケイ酸質繊維、アルミナケイ酸質繊維、石綿、チタン酸
カリウム繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊
維、炭化ケイ素繊維、窒化ケイ素繊維、炭化ケイ素ウィ
スカー、窒化ケイ素ウィスカー、アルミナウィスカー、
グラファイトウィスカー、チタン酸カリウムウィスカ
ー、マグネシアウィスカーなどを挙げることができる。
【0018】前記各種の無機質繊維は、その一種単独を
使用することができるし、またその二種以上を使用する
ことができる。
【0019】本発明においては、前記アスペクト比を有
する限り、前記ウィスカーが好ましく、特に炭化ケイ
素、窒化ケイ素、アルミナ、黒鉛、およびチタン酸カリ
ウムよりなる群から選択される少なくとも一種が好まし
い。
【0020】さらに、本発明におけるセラミックスの粒
径分布は、通常、変動係数(CV)で40%以下、好ま
しくは20%以下である。
【0021】そして、本発明で重要なことは、そのセラ
ミックスの平均粒径は、前記無機質繊維の平均直径の2
/3以下、好ましくは前記無機質繊維の平均直径の1/
2以下である。これは、繊維間への粒子の流れ込みまた
はマトリックス内での繊維の移動を容易にすることによ
って成形時の歪みを小さくし、成形後の残留応力を小さ
くすることに有効であるためとも考えられる。
【0022】また、前記無機質繊維のアスペクト比が3
0を超えるか、または前記セラミックスの平均直径が前
記2/3を超えると、HIPやホットプレス等により高
圧で焼結する場合に無機質繊維の変形による残留応力が
多大となって、無機質繊維強化セラミックの破壊靭性を
高めることができない。また、CIPで一旦成形する場
合には、圧力降下時に変形が回復し、成形体がヒビ割れ
たり、くずれたりし、場合によってはHIPでも同様の
ことが生じる。
【0023】前記セラミックスとして、たとえば、アル
ミナ、酸化ケイ素、酸化ジルコン、酸化スズ、酸化イン
ジウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化タリウム、フェライ
ト、希土類鉄ガーネット、酸化タングステン、酸化テル
ルなどの酸化物、硫化亜鉛、インジウム−アンチモン、
硫化モリブデンなどのカルコゲン化物、窒化チタン、窒
化タリウム、窒化アルミニウム、窒化ニオブ、窒化ケイ
素等の窒化物、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化ジルコン
等の炭化物を挙げることができる。
【0024】前記各種のセラミックスはその一種単独を
使用することもできるし、またそれらの二種以上を併用
することもできる。
【0025】前記各種のセラミックスの中でも好ましい
のは、炭化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ、二酸化ケイ
素、および二酸化ジルコニウムよりなる群から選択され
る少なくとも一種である。
【0026】本発明においては、前記無機質繊維(A) と
前記セラミックス(B) とを混合してからその混合物を冷
間等方圧成形加工および熱間等方圧成形加工などの静水
圧成形加工し、その後に常圧焼結に供する。
【0027】混合割合としては、通常、(A)/(B) (重量
比)を0.05〜0.40、好ましくは0.10〜0,
30にする。
【0028】混合割合の(A)/(B) が前記範囲を下回る
と、無機質繊維強化の意味が失われ、前記範囲を上回る
とセラミックス内部に欠陥ができ易いので好ましくな
い。
【0029】前記無機質繊維と前記セラミックスとの混
合方法としては、従来から公知の混合方法ないし混合手
段を採用することができる。
【0030】混合手段としては、たとえば、二重用錐
型、V型、水平円筒型、二重円錐型、リボン型、垂直ス
クリュウ型、回分式ミュラー型、連続式ミュウラー型、
熱交換型、単軸ロータ型、タービン型等の混合機を使用
することができる。
【0031】もっとも、混合に際して、無機質繊維が破
断するようであれば、混合操作後のアスペクト比が本発
明で規定する値となるように、混合前の無機質繊維のア
スペクト比を適宜に調製するか大き目のアスペクト比の
無機質繊維を選択しておくのが良い。
【0032】なお、本発明において、焼結助剤、バイン
ダー等について特に制限がないことは言うまでもない。
【0033】かくして、本発明における混合物は、前記
成形法により、高温熱交換機、原子炉、MHD発電等に
利用される種々の成形体に成形される。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して本発明をさら
に詳細に説明する。
【0035】(実施例1)平均直径0.4μm、平均ア
スペクト比13の炭化ケイ素ウイスカー25Vf%(体
積率)、平均直径0.2μmのSi34 粉末67.5
f %、平均直径1.0μmのY23 7.5Vf %の
粉末をアルコールに懸濁し、V型ミキサーで20時間混
合した後、乾燥した。該セラミックス混合物を内径22
mφ、長さ200mmのゴム型に充填、密封し、冷間等
方圧(CIP)で4トン/cm2 の等方圧を5分間加え
た。その後、減圧し、ゴム型から成形体を取り出した
が、クラックは検出されなかった。
【0036】また、得られた成形体を、1,750℃に
加熱しながら、酸化雰囲気で常圧焼結を行なった。前記
焼結体の密度を測定したところ、ほぼ理論密度であっ
た。
【0037】(比較例1)平均直径0.4μm、平均ア
スペクト比50の炭化ケイ素ウイスカーを使用した以外
は実施例1と同様の方法で成形した。得られた成形体に
は非常に多くのひび割れが検出された。
【0038】(実施例2)炭化ケイ素ウイスカー5Vf
%、Si34 粉末85.5%、Y23 9.5V f %と
したほかはすべて実施例1と同様の方法で成形した。得
られた成形体にクラックは検出されなかった。
【0039】また、得られた成形体を、1,750℃に
加熱しながら、酸化雰囲気で常圧焼結を行なった。前記
焼結体の密度を測定したところ、ほぼ理論密度であっ
た。
【0040】(比較例2)平均直径0.4μm、平均ア
スペクト比50の炭化ケイ素ウイスカーを使用した以外
は実施例2と同様の方法で成形した。得られた成形体に
はところどころにひび割れが検出された。
【0041】(実施例3)平均直径0.4μm、平均ア
スペクト比50の炭化ケイ素ウイスカー25Vf%、平
均直径0.2μmのSi34 67.5Vf %、平均直径
1.0μmのY23 7.5Vf の粉末を使用した以外
は、実施例1と同様の方法で冷間等方圧成形を行なっ
た。得られた成形体にはクラックは検出されなかった。
【0042】また、得られた成形体を、1,750℃に
加熱しながら、酸化雰囲気で常圧焼結を行なった。前記
焼結体の密度を測定したところ、ほぼ理論密度であっ
た。
【0043】(実施例4)平均直径0.3μm、平均ア
スペクト比15のグラファイトウイスカー25Vf %、
平均直径0.2μmのSi34 粉末67.5Vf %、平
均直径1.0のY23 7.5Vf %の粉末を使用した
以外は実施例1と同様の方法で冷間等方圧成形を行なっ
た。得られた成形体にクラックは検出されなかった。
【0044】得られた成形体を、窒素雰囲気下で1,7
50℃に加熱しながら常圧焼結を行なった。前記焼結体
の密度を測定したところ、ほぼ理論密度であった。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 無機質繊維強化セラミックスの成形方
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無機質繊維強化セラミッ
クの成形方法に関し、さらに詳しくは、破壊靭性の著し
く改善された無機質繊維強化セラミックの成形方法に関
する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】近年、ガスタービンや
ジットエンジン等の高性能化に対する要求が大いに増加
している。これらの熱機関の中で最も過酷な条件下に使
用されるブレードやノズル材としての耐熱材料の開発に
大きな期待が持たれている。
【0003】そこで、耐熱性に優れた素材としてセラミ
ックスが着目される。
【0004】セラミックスは大きな耐熱性を備えている
が、その破壊靭性が極めて小さい。そのためにセラミッ
クスに繊維を充填して強化する試みがなされている。
【0005】一般に、セラミックスの破壊靭性は3〜5
MPa・m1/2 程度であって、一般炭素鋼の200MP
a・m1/2 に対して極めて破壊靭性が小さい。
【0006】この小さな破壊靭性の主な原因は、セラミ
ックス中に存在する微小クラックなどである。この微小
クラックを除去して、破壊靭性を高めるための成形加工
法として、冷間等方圧成形加工(CIP)および熱間等
方圧成形加工(HIP)などの静水圧成形加工、ホット
プレス成形加工等の種々の成形法がある。
【0007】しかしながら、セラミックスの加圧成形に
は限界があり、所望するような破壊靭性の改善が見られ
ない。
【0008】それ故、セラミックスの破壊靭性を高める
ために無機質繊維でセラミックスを強化する試みがなさ
れてきた。
【0009】一般に無機質繊維強化の特長は、ピンニン
グ(クラックの成長阻止)、クラックデフレクション
(クラック屈曲の促進)、およびプルアウト(繊維の引
抜き)による破壊阻止または破壊エネルギーの増大にあ
るとされている。
【0010】しかし、ホットプレスはのみならずこれよ
りも格段に成形圧が高く、そのために圧縮率が特に大き
い静水圧成形でもまた、加圧成形時の繊維に屈曲による
残留応力がより重大になり、単に繊維による補強効果が
少ないと言うだけではなく、圧力を解除した途端に残留
応力のために形態が崩れて、成形自体が困難な場合があ
った。
【0011】したがって、本発明の目的は、成形時の残
留応力歪を最小限に抑えて、クラックの発生のない無機
質繊維強化セラミックの成形法を提供することにある。
本発明の他の目的は、成形時の残留応力歪を最小限に抑
えて、クラックの発生のない無機質繊維強化セラミック
を、そのセラミックスの種類に応じた適切な加圧成形法
によって、ほぼ理論密度通りの焼結体にすることのでき
る無機繊維強化セラミックの成形法を提供することにあ
る。
【0012】
【前記目的を達成するための手段】前記目的を達成する
ための本発明の第1の態様は、平均アスペクト比が30
以下である、グラファイトウイスカ以外の無機質繊維
と、この無機質質繊維の平均直径の2/3以下である平
均直径を有するセラミックス粉末との混合物を静水圧成
形することを特徴とする無機質繊維強化セラミックスの
成形方法であり、第2の態様は、平均アスペクト比が3
0以下である、無機質繊維と、この無機質質繊維の平均
直径の2/3以下である平均直径を有するセラミックス
粉末との混合物を静水圧成形し、その後に常圧焼結する
ことを特徴とする無機質繊維強化セラミックスの成形方
法であり、第3の態様は、平均アスペクト比が30以下
であるグラファイトウイスカと、このグラファイトウイ
スカの平均直径の2/3以下である平均直径を有するセ
ラミックス粉末との混合物を静水圧成形法以外の加圧成
形法により加圧成形することを特徴とする無機質繊維強
化セラミックスの成形方法である。
【0013】本発明における前記無機質繊維はその平均
アスペクト比が30以下、好ましくは5〜15である。
【0014】このような低いアスペクト比が好ましい理
由は、成形時に繊維が曲がり難くなって成形後の残留歪
みが小さくなるとも考えられる。
【0015】本発明における無機質繊維のアスペクト比
を前記範囲内に調製するためには、たとえば、公知の粉
砕手段たとえば、ジョークラッシャー、ジャイレトリク
ラッシャー、ロールクラッシャー、エッジランナー、ハ
ンマークラッシャー、ボウルミル、ジェットミル、ディ
スクミル等の粉砕機を採用することができる。いずれの
粉砕機を使用するかは、無機質繊維の種類による。
【0016】本発明における無機質繊維としては、ガラ
ス繊維、高ケイ酸質繊維、アルミナケイ酸質繊維、石
綿、チタン酸カリウム繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、
ジルコニア繊維、炭化ケイ素繊維、窒化ケイ素繊維、炭
化ケイ素ウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、アルミナ
ウィスカー、グラファイトウィスカー、チタン酸カリウ
ムウィスカー、マグネシアウィスカーなどを挙げること
ができる。
【0017】前記無機質繊維としては、単結晶あるいは
非晶質単繊維およびウイスカーのいずれをも使用するこ
とができる。特に、後述する炭素ウイスカーすなわちグ
ラファイトウイスカーは、必ずしも単結晶でなくても炭
素でできたウイスカー状の形状を有していれば良い。こ
のグラファイトウイスカーは気相成長法(たとえば基板
法および流動法その他の方法を含む。)により製造され
ることができ、例えば、流動気相成長炭素繊維(GWV
と略称されることがある。)や、さらにそれを熱処理た
とえば2,000〜3,000℃でさらに黒鉛化してな
り、炭素格子面が年輪状に繊維軸方向に配列してなる黒
鉛化気相成長炭素繊維(GWHと略称されることがあ
る。)により黒鉛化したものを使用することができる。
【0018】前記各種の無機質繊維は、その一種単独を
使用することができるし、またその二種以上を使用する
ことができる。
【0019】本発明においては、前記アスペクト比を有
する限り、前記ウィスカーが好ましく、特に炭化ケイ
素、窒化ケイ素、アルミナ、黒鉛、およびチタン酸カリ
ウムよりなる群から選択される少なくとも一種が好まし
い。
【0020】さらに、本発明におけるセラミックスの粒
径分布は、通常、変動係数(CV)で40%以下、好ま
しくは20%以下である。
【0021】そして、本発明で重要なことは、そのセラ
ミックスの平均粒径は、前記無機質繊維の平均直径の2
/3以下、好ましくは前記無機質繊維の平均直径の1/
2以下である。これは、繊維間への粒子の流れ込みまた
はマトリックス内での繊維の移動を容易にすることによ
って成形時の歪みを小さくし、成形後の残留応力を小さ
くすることに有効であるためとも考えられる。
【0022】また、前記無機質繊維のアスペクト比が3
0を超えるか、または前記セラミックスの平均直径が前
記2/3を超えると、HIPやホットプレス等により高
圧で焼結する場合に無機質繊維の変形による残留応力が
多大となって、無機質繊維強化セラミックの破壊靭性を
高めることができない。また、CIPで一旦成形し、そ
の後に常圧焼結する場合には、圧力降下時に変形が回復
し、成形体がヒビ割れたり、くずれたりし、場合によっ
てはHIPでも同様のことが生じる。
【0023】前記セラミックスとして、たとえば、アル
ミナ、酸化ケイ素、酸化ジルコン、酸化スズ、酸化イン
ジウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化タリウム、フェライ
ト、希土類鉄ガーネット、酸化タングステン、酸化テル
ルなどの酸化物、硫化亜鉛、インジウム−アンチモン、
硫化モリブデンなどのカルコゲン化物、窒化チタン、窒
化タリウム、窒化アルミニウム、窒化ニオブ、窒化ケイ
素等の窒化物、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化ジルコン
等の炭化物を挙げることができる。
【0024】前記各種のセラミックスはその一種単独を
使用することもできるし、またそれらの二種以上を併用
することもできる。
【0025】前記各種のセラミックスの中でも好ましい
のは、炭化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ、二酸化ケイ
素、および二酸化ジルコニウムよりなる群から選択され
る少なくとも一種である。
【0026】本発明においては、前記無機質繊維(A) と
前記セラミックス(B) とを混合し、得られる混合物を、
無機質繊維の種類に応じた加圧成形を行う。例えば、グ
ラファイトウイスカー以外の無機質繊維を用いて得られ
る前記混合物を静水圧成形し、グラファイトウイスカー
を用いて得られる前記混合物を、静水圧成形以外の成形
加圧方法により加圧成形する。また、静水圧成形を特に
採用する場合には、無機質繊維を用いて得られる前記混
合物を静水圧成形し、その後に常圧焼結することが挙げ
られる。
【0027】混合割合としては、通常、(A)/(B) (重量
比)を0.05〜0.40、好ましくは0.10〜0,
30にする。
【0028】混合割合の(A)/(B) が前記範囲を下回る
と、無機質繊維強化の意味が失われ、前記範囲を上回る
とセラミックス内部に欠陥ができ易いので好ましくな
い。
【0029】前記無機質繊維と前記セラミックスとの混
合方法としては、従来から公知の混合方法ないし混合手
段を採用することができる。
【0030】混合手段としては、たとえば、二重用錐
型、V型、水平円筒型、二重円錐型、リボン型、垂直ス
クリュウ型、回分式ミュラー型、連続式ミュウラー型、
熱交換型、単軸ロータ型、タービン型等の混合機を使用
することができる。
【0031】もっとも、混合に際して、無機質繊維が破
断するようであれば、混合操作後のアスペクト比が本発
明で規定する値となるように、混合前の無機質繊維のア
スペクト比を適宜に調製するか大き目のアスペクト比の
無機質繊維を選択しておくのが良い。
【0032】なお、本発明において、焼結助剤、バイン
ダー等について特に制限がないことは言うまでもない。
【0033】かくして、本発明における混合物は、前記
成形法により、高温熱交換機、原子炉、MHD発電等に
利用される種々の成形体に成形される。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して本発明をさら
に詳細に説明する。
【0035】(実施例1)平均直径0.4μm、平均ア
スペクト比13の炭化ケイ素ウイスカー25Vf%(体
積率)、平均直径0.2μmのSi34 粉末67.5
f %、および平均直径1.0μmのY23 7.5V
f %の粉末をアルコールに懸濁し、V型ミキサーで20
時間混合した後、乾燥した。該セラミックス混合物を内
径22mφ、長さ200mmのゴム型に充填、密封し、
冷間等方圧(CIP)で4トン/cm2 の等方圧を5分
間加えた。その後、減圧し、ゴム型から成形体を取り出
したが、クラックは検出されなかった。
【0036】また、得られた成形体を、1,750℃に
加熱しながら、酸化雰囲気で常圧焼結を行なった。前記
焼結体の密度を測定したところ、ほぼ理論密度であっ
た。
【0037】(比較例1)平均直径0.4μm、平均ア
スペクト比50の炭化ケイ素ウイスカーを使用した以外
は実施例1と同様の方法で成形した。得られた成形体に
は非常に多くのひび割れが検出された。
【0038】(実施例2)炭化ケイ素ウイスカー5Vf
%、Si34 粉末85.5%、Y23 9.5Vf %と
したほかはすべて実施例1と同様の方法で成形した。得
られた成形体にクラックは検出されなかった。
【0039】また、得られた成形体を、1,750℃に
加熱しながら、酸化雰囲気で常圧焼結を行なった。前記
焼結体の密度を測定したところ、ほぼ理論密度であっ
た。
【0040】(比較例2)平均直径0.4μm、平均ア
スペクト比50の炭化ケイ素ウイスカーを使用した以外
は実施例2と同様の方法で成形した。得られた成形体に
はところどころにひび割れが検出された。
【0041】(実施例3)平均直径0.4μm、平均ア
スペクト比50の炭化ケイ素ウイスカー25Vf%、平
均直径0.2μmのSi34 67.5Vf %、平均直径
1.0μmのY23 7.5Vf の粉末を使用した以外
は、実施例1と同様の方法で冷間等方圧成形を行なっ
た。得られた成形体にはクラックは検出されなかった。
【0042】また、得られた成形体を、1,750℃に
加熱しながら、酸化雰囲気で常圧焼結を行なった。前記
焼結体の密度を測定したところ、ほぼ理論密度であっ
た。
【0043】(実施例4)平均直径0.3μm、平均ア
スペクト比15のグラファイトウイスカー25Vf %、
平均直径0.2μmのSi34 粉末67.5Vf %、平
均直径1.0のY23 7.5Vf %の粉末を使用した
以外は実施例1と同様の方法で冷間等方圧成形を行なっ
た。得られた成形体にクラックは検出されなかった。
【0044】得られた成形体を、窒素雰囲気下で1,7
50℃に加熱しながら常圧焼結を行なった。前記焼結体
の密度を測定したところ、ほぼ理論密度であった。
【0045】(実施例5)平均直径1.0μm、平均ア
スペクト比15のグラファイトウイスカー(GWV)1
0Vf %、平均直径0.2μmのSi34 粉末90Vf
%、平均直径1.0μmのY23 7Vf %および平均
粒径0.4μmのAl23 3Vf %の粉末をアルコー
ルに懸濁し、タンブリングミキサーで100時間混合し
た後、乾燥した。該混合物を富士電波工業株式会社製の
ホットプレス装置でホットプレス成形をした。このホッ
トプレス装置においては、先ず該混合物を真空中で12
5kgf/cm2 に加圧しながら650℃に加熱し、6
50℃に加熱温度が到達した後は真空中で250kgf
/cm2 の加圧力でその温度に30分間維持し、その後
に真空中で125kgf/cm2 に加圧しながら1,8
00℃に加熱した。加熱開始から1,800℃の温度に
到達するまでの時間は2時間30分であった。1,80
0℃に加熱温度が到達した後、加熱雰囲気を9.8kg
/cm3 の窒素ガス雰囲気にして250kgf/cm2
の加圧力で1,800℃に1時間維持した。その1時間
の経過後に加圧および加熱を停止して常温常圧に戻し
て、加圧成形体を得た。
【0046】得られた成形体を、JIS R 160T
に準拠して曲げ試験を行ったところ、88.7kgf/
mm2 の曲げ強度であった。この成形体の密度を測定し
たところ、測定値が3.118でありほぼ理論密度
(3.208)であった。
【0047】(実施例6)平均直径1.0μm、平均ア
スペクト比15の黒鉛化グラファイトウイスカー(GW
H)10Vf %、平均直径0.2μmのSi34 粉末9
0Vf %、平均直径1.0μmのY23 7Vf %およ
び平均粒径0.4μmのAl23 3Vf%の粉末をア
ルコールに懸濁し、タンブリングミキサーで100時間
混合した後、乾燥した。該混合物を富士電波工業株式会
社製のホットプレス装置でホットプレス成形をした。こ
のホットプレス装置においては、先ず該混合物を真空中
で125kgf/cm2 に加圧しながら650℃に加熱
し、650℃に加熱温度が到達した後は真空中で250
kgf/cm2 の加圧力でその温度に30分間維持し、
その後に真空中で125kgf/cm2 に加圧しながら
1,800℃に加熱した。加熱開始から1,800℃の
温度に到達するまでの時間は2時間30分であった。
1,800℃に加熱温度が到達した後、加熱雰囲気を
9.8kg/cm3の窒素ガス雰囲気にして250kg
f/cm2 の加圧力で1,800℃に1時間維持した。
その1時間の経過後に加圧および加熱を停止して常温常
圧に戻して、加圧成形体を得た。
【0048】得られた成形体を、JIS R 160T
に準拠して曲げ試験を行ったところ、77.8kgf/
mm2 の曲げ強度であった。この成形体の密度を測定し
たところ、測定値が3.138でありほぼ理論密度
(3.228)であった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均アスペクト比が30以下である無機
    質繊維と、無機質繊維の平均直径の2/3以下である平
    均直径を有するセラミックス粉末との混合物を静水圧成
    形し、その後に常圧焼結することを特徴とする無機質繊
    維強化セラミックの成形方法。
  2. 【請求項2】 前記ウイスカーが炭化ケイ素、グラファ
    イトウイスカ、窒化ケイ素、アルミナ、黒鉛、およびチ
    タン酸カリウムよりなる群から選択される少なくとも一
    種である前記特許請求の範囲第1項記載の無機質繊維強
    化セラミックの成形方法。
  3. 【請求項3】 前記セラミックス粉末が、炭化ケイ素、
    窒化ケイ素、アルミナ、二酸化ケイ素、および二酸化ジ
    ルコニウムよりなる群から選択される少なくとも一種で
    ある前記特許請求の範囲第1項記載の無機質繊維強化セ
    ラミックの成形方法。
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