JPH09207280A - 耐熱保護フィルム - Google Patents

耐熱保護フィルム

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JPH09207280A
JPH09207280A JP3553296A JP3553296A JPH09207280A JP H09207280 A JPH09207280 A JP H09207280A JP 3553296 A JP3553296 A JP 3553296A JP 3553296 A JP3553296 A JP 3553296A JP H09207280 A JPH09207280 A JP H09207280A
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JP
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heat
weight
parts
protective film
vinyl acetate
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JP3553296A
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English (en)
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Hideshi Kotsubo
秀史 小坪
Makoto Sakurai
良 桜井
Kiyomi Sasaki
清美 笹木
Yasuhiro Morimura
泰大 森村
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 耐熱性を有する有機フィルムの少なくと
も一面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とす
る熱硬化性接着剤層を設けたことを特徴とする耐熱保護
フィルム。 【効果】 本発明の耐熱保護フィルムは、有機フィルム
との接着性がよく、可撓性に優れ、高品質なものであ
り、しかも簡単に作業性よく製造でき、銅貼り積層板や
これから得られる回路基板などの保護に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気・電子分野、
特にカメラ、電卓、VTR、OA機器等にフレキシブル
プリント回路基板やIC実装用フィルムキャリアとして
用いられている銅貼り積層板或いはこれから得られる回
路基板などの保護を目的として用いられる耐熱保護フィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】これま
で、フレキシブルプリント回路基板やIC実装用フィル
ムキャリア等の銅貼り積層板或いはこれをエッチングす
ることにより得られる回路基板などに用いられている保
護フィルムは、有機フィルムの片面にエポキシ系接着剤
を用いたものが広く使用されている。しかし、エポキシ
系接着剤は下記のような欠点を有する。 主剤と硬化剤を一定の比率で混合する必要があり、調
製に手間がかかる。 上記2液の混合時に泡を巻き込み、そのため脱泡しな
ければならない。 一旦調製した接着剤は、ポットライフが短く、長期保
管ができない。 硬化のために150℃を超える高温と長時間の加圧が
必要である。 液状であるため、接着層の均一な厚み制御が難しい。 硬化時の加圧により接着剤が積層体の周辺からはみ出
し垂れる。 硬化後の接着層の弾性率が高く(硬く)、柔軟性に欠
ける。 エポキシ系接着剤は、有機フィルム、特に現在主流と
して用いられているポリイミドやポリエステルフィルム
との接着力が低く、この対策として有機フィルムの表面
にコロナ処理やプラズマ処理等の表面処理を施さなけれ
ばならない。
【0003】このため、エポキシ系接着剤を用いた従来
のフレキシブルプリント回路基板やIC実装用フィルム
キャリア等の銅貼り積層板や回路基板などに用いられて
いる保護フィルムは、作製に手間と費用がかかり、更に
現在高密度実装が要求されているなかで、これに対応す
るための十分な可撓性を有していない。
【0004】本発明は上記欠点を解決したもので、ポリ
イミドやポリエステル等の有機フィルムに対する接着力
が高く、可撓性に優れていると共に、容易に作製し得、
銅貼り積層板又はこれから得られる回路基板などの保護
に好適に用いられる耐熱保護フィルムを提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする熱
硬化性接着剤層を耐熱性を有する有機フィルムの少なく
とも片面に設けることによって、上記エポキシ系接着剤
に見られるような欠点がなく、高品質で接着力の大きい
フレキシブルな耐熱保護フィルムが容易に得られること
を知見したものである。
【0006】即ち、本発明は、(1)耐熱性を有する有
機フィルムの少なくとも一面に、エチレン−酢酸ビニル
共重合体を主成分とする熱硬化性接着剤層を設けたこと
を特徴とする耐熱保護フィルム、(2)熱硬化性接着剤
が、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対
し、有機過酸化物を0.1〜10重量部、シランカップ
リング剤を0.01〜5重量部、エポキシ基含有化合物
を0.1〜20重量部添加してなることを特徴とする
(1)記載の耐熱保護フィルム、(3)熱硬化性接着剤
が、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対
し、アクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有
化合物及びアリル基含有化合物のうち少なくとも1つを
0.1〜50重量部添加してなることを特徴とする
(1)又は(2)記載の耐熱保護フィルム、(4)熱硬
化性接着剤が、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重
量部に対し、炭化水素樹脂を1〜200重量部添加して
なることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項
記載の耐熱保護フィルム、(5)エチレン−酢酸ビニル
共重合体の酢酸ビニル含有率が10〜50重量%である
ことを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか1項記載
の耐熱保護フィルム、及び、(6)銅貼り積層板又はこ
れから得られる回路基板の保護用である(1)乃至
(5)のいずれか1項記載の耐熱保護フィルムを提供す
る。
【0007】本発明による耐熱保護フィルムに用いられ
る接着剤は、フィルム状で提供することができるため、
広い面積の耐熱性を有する有機フィルムと容易にかつ精
度良く貼り合わせが可能である。また、銅貼り積層板や
回路基板等との貼り合わせは、室温〜80℃程度の比較
的低温で可能であり、更に本発明による接着剤には自着
性(表面タック)があり、このため銅貼り積層板や回路
基板等と本発明による耐熱保護フィルムとを圧着ロール
等の簡便な方法を用いて積層体を形成すれば、本接着剤
特有の自着力により積層体にズレや剥離がなく、加熱硬
化まで自由にハンドリングができるという特長を有して
いる。更に、前記積層体の加熱一体化のためには特に加
圧の必要はなく、通常の加熱オーブンや連続加熱炉等で
加熱硬化が可能である。また、本発明の耐熱保護フィル
ムに用いられる接着剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合
体を主成分としているため、エポキシ系接着剤に比べ、
硬化後の弾性率が低く可撓性に富むため、昨今の液晶機
器やOA機器等に用いられる回路基板の高密度実装に十
分対応が可能である。
【0008】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の耐熱保護フィルムは、有機フィルムの少なくと
も一面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とす
る熱硬化性接着剤層を形成してなるものである。
【0009】ここで、本発明に用いられる耐熱性を有す
る有機フィルムとしては、ガラス転移温度が50℃以上
の有機材料が好ましく、このような有機材料としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエス
テル系樹脂、ナイロン46、変性ナイロン6T、ナイロ
ンMXD6、ポリフタルアミド等のポリアミド系樹脂、
ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルフォ
ン等のケトン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサ
ルフォン等のサルフォン系樹脂の他に、ポリエーテルニ
トリル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリイ
ミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリメチ
ルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリスチ
レン、ポリビニルクロライド等の有機樹脂を主成分とす
る有機フィルムを用いることができる。特にこの中で、
ポリイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレー
ト、ポリエチレンテレフタレートが、耐熱性や屈曲性の
点で好適に用いられる。
【0010】一方、本発明の耐熱保護フィルムに用いら
れる接着剤層の主成分であるエチレン−酢酸ビニル共重
合体は、熱硬化時の反応性や硬化後の可撓性や耐久性の
点から酢酸ビニル含有率が10〜50重量%であること
が好ましく、更に好ましくは15〜45重量%である。
【0011】本発明の耐熱保護フィルムに用いられる接
着剤層の硬化のために添加される有機過酸化物として
は、70℃以上の温度で分解してラジカルを発生するも
のであればいずれも使用可能であるが、半減期10時間
の分解温度が50℃以上のものが好ましく、接着剤の調
製条件、製膜温度、硬化(貼り合わせ)条件、接着剤の
貯蔵安定性等を考慮して選択される。
【0012】使用可能な過酸化物としては、例えば2,
5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロキシパーオ
キサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキシン−3;ジ−t−ブチルパーオキサ
イド;t−ブチルクミルパーオキサイド;2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン;
ジクミルパーオキサイド;α,α´−ビス(t−ブチル
パーオキシイソプロピル)ベンゼン;n−ブチル−4,
4−ビス−(t−ブチルパーオキシ)バレレート;2,
2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン;1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;1,1−
ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン;t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト;ベンゾイルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシ
アセテート;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;メチルエチ
ルケトンパーオキサイド;t−ブチルハイドロパーオキ
サイド;p−メンタンハイドロパーオキサイド;ヒドロ
キシヘプチルパーオキサイド;クロルヘキサノンパーオ
キサイド;オクタノイルパーオキサイド;デカノイルパ
ーオキサイド;ラウロイルパーオキサイド;クミルパー
オキシオクトエート;サクシニックアシッドパーオキサ
イド;アセチルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシ
(2−エチルヘキサノエート);m−トルオイルパーオ
キサイド;ベンゾイルパーオキサイド;t−ブチルパー
オキシイソブチレート;2,4−ジクロロベンゾイルパ
ーオキサイドなどが挙げられる。
【0013】有機過酸化物としては、これらのうちの1
種を単独で又は2種以上を混合して用いることができ、
その添加量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重
量部に対し0.1〜10重量部で十分である。
【0014】また、本発明の接着剤には、接着促進剤と
してシランカップリング剤を添加することができる。こ
のシランカップリング剤としてはビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキ
シシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシランなどがあり、これらの1種を
単独で又は2種以上を混合して用いることができる。こ
れらシランカップリング剤の添加量は、エチレン−酢酸
ビニル共重合体100重量部に対し通常0.01〜5重
量部で十分である。
【0015】更に、本発明の接着剤には、同様に接着性
及び硬化を促進する目的でエポキシ基含有化合物を添加
することができる。エポキシ基含有化合物としては、ト
リグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシア
ヌレート;ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテ
ル;1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル;
アクリルグリシジルエーテル;2−エチルヘキシルグリ
シジルエーテル;フェニルグリシジルエーテル;フェノ
ールグリシジルエーテル;p−t−ブチルフェニルグリ
シジルエーテル;アジピン酸ジグリシジルエステル;o
−フタル酸ジグリシジルエステル;グリシジルメタクリ
レート;ブチルグリシジルエーテル等が挙げられる。ま
た、エポキシ基を含有した分子量が数百から数千のオリ
ゴマーや重量平均分子量が数千から数十万のポリマーを
添加することによっても同様の効果が得られる。これら
エポキシ基含有化合物の添加量はエチレン−酢酸ビニル
共重合体100重量部に対し0.1〜20重量部で十分
で、上記エポキシ基含有化合物の少なくとも1種を単独
で又は混合して添加することができる。
【0016】また、本発明の接着剤層の諸物性(接着
性、機械的強度、耐熱性、耐湿熱性、耐候性など)を更
に向上させる或いは接着剤の硬化を促進する目的で、ア
クリロキシ基、メタクリロキシ基又はアリル基含有化合
物を添加することができる。
【0017】この目的に供せられる化合物としては、ア
クリル酸或いはメタアクリル酸誘導体、例えばそのエス
テルやアミドが最も一般的である。この場合、エステル
残基としては、メチル、エチル、ドデシル、ステアリ
ル、ラウリルのようなアルキル基の他に、シクロヘキシ
ル基、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチル基、2
−ヒドロエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−ク
ロロ−2−ヒドロキシプロピル基などが挙げられる。ま
た、アクリル酸又はメタクリル酸とエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール等の多官能アルコールとのエステルも同様に
用いられる。アミドとしては、アクリルアミドが代表的
である。また、アリル基含有化合物としては、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、フタル
酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリ
ル等が挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物
が、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対し
0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜20重量部添
加して用いられる。0.1重量部未満であると耐熱性、
機械的強度向上という改良効果を低下させることがあ
り、50重量部を超えると接着剤の調製時の作業性や製
膜性を低下させることがある。
【0018】なおまた、本発明の接着剤には、加工性や
貼り合わせ等の加工性向上の目的で炭化水素樹脂を添加
することができる。この場合、添加される炭化水素樹脂
は天然樹脂系、合成樹脂系のいずれでも差支えない。天
然樹脂系ではロジン、ロジン誘導体、テルペン系樹脂が
好適に用いられる。ロジンではガム系樹脂、トール油系
樹脂、ウッド系樹脂を用いることができる。ロジン誘導
体としてはロジンをそれぞれ水素化、不均一化、重合、
エステル化、金属塩化したものを用いることができる。
テルペン系樹脂ではα−ピネン、β−ピネンなどのテル
ペン系樹脂のほか、テルペンフェノール樹脂を用いるこ
とができる。また、その他の天然樹脂としてダンマル、
コーバル、シェラックを用いても差支えない。一方、合
成樹脂系では石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン
系樹脂が好適に用いられる。石油系樹脂では脂肪族系石
油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、共重合
系石油樹脂、水素化石油樹脂、純モノマー系石油樹脂、
クマロンインデン樹脂を用いることができる。フェノー
ル系樹脂ではアルキルフェノール樹脂、変性フェノール
樹脂を用いることができる。キシレン系樹脂ではキシレ
ン樹脂、変性キシレン樹脂を用いることができる。
【0019】上記炭化水素樹脂の添加量は適宜選択され
るが、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対
して1〜200重量部が好ましく、より好ましくは5〜
150重量部である。
【0020】更に、本発明においてはその目的を損わな
い範囲内で、前記以外の接着促進剤、老化防止剤(重合
禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、難燃剤、そ
の他無機又は有機の充填剤等を添加してもよい。特に、
耐熱保護フィルムとしての要求特性の一つに難燃性が挙
げられており、無機系、ハロゲン系、リン系の従来公知
の難燃剤を有効量添加することができる。無機系難燃剤
としては、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、五
酸化アンチモン、スルファミン酸グアニジン、リン酸グ
アニジン、リン酸グアニール尿素、水酸化マグネシウ
ム、ハロゲン系難燃剤としては、塩素化パラフィン、テ
トラブロモビスフェノールA、デカブロモジフェニルオ
キサイド、ヘキサブロモシクロドデカン、オクタブロモ
ジフェニルエーテル、1,2−ビス(トリブロモフェノ
キシ)エタン、エチレンビステトラブロモフタルイミ
ド、ペンタブロモベンジルポリアクリレート、トリス
(2,3−ジブロモプロピル−1)イソシアヌレート、
リン系難燃剤としては、トリフェニルホスフェート、レ
オフォストリアリルホスフェート、オクチルクレジルジ
フェニルホスフェート、トリクレジルホスフェートなど
が挙げられる。
【0021】本発明の熱硬化性接着剤は、エチレン−酢
酸ビニル共重合体と上述の添加剤とを均一に混合し、押
出機、ロール等で混練した後、カレンダー、ロール、T
ダイ押出、インフレーション等の製膜法により所定の形
状に製膜して用いることができる。なお、製膜に際して
はブロッキング防止、有機フィルムとの圧着時の脱気を
容易にするため、エンボス加工を施してもよい。また、
エチレン−酢酸ビニル共重合体と上述の添加剤とを有機
フィルムに何ら影響を及ぼさない溶媒に均一に溶解さ
せ、溶液タイプの接着剤として用いることもでき、フィ
ルムの表面に均一に塗布し、仮圧着した後、加熱して接
着硬化させることができる。
【0022】本発明の熱硬化性接着剤の硬化条件として
は、用いる有機過酸化物の種類に依存するが、70〜1
70℃、特に70〜150℃で2〜60分、特に5〜3
0分とすることが好ましい。この場合、硬化は好ましく
は0.01〜50kgf/cm2、特に0.1〜20k
gf/cm2の加圧下で行うことが推奨される。
【0023】本発明における耐熱保護フィルムの製造方
法を以下に例示するが、必ずしもこれらの方法に限定さ
れるものではなく、本発明の目的を達成し得る方法であ
ればいずれの方法を用いてもよい。
【0024】まず、本発明における熱硬化性接着剤の調
製方法は、主成分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体
100重量部に対し、有機過酸化物を0.1〜10重量
部、シランカップリング剤を0.01〜10重量部、エ
ポキシ基含有化合物を0.1〜20重量部秤量し、目的
に応じて更にこれにアクリロキシ基含有化合物、メタク
リロキシ基含有化合物及びアリル基含有化合物のうち少
なくとも1種類を0.1〜50重量部添加し、また目的
を損わない範囲で、前記以外の接着促進剤、老化防止剤
(重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、難燃
剤、その他無機又は有機の充填剤等を秤量し、これらの
各構成成分を良溶媒に均一に混合溶解、分散させる。次
に、この溶液を耐熱性を有する有機フィルム上に、フロ
ーコート法、ロールコート法、グラビアロール法、マイ
ヤバー法、リップダイコート法等によりドライ厚みが1
〜100μmの範囲で膜厚精度が±3μmとなるように
塗工する。この塗工した接着剤層に、シリコーンやフッ
素系の離型剤を処理した離型性フィルムを積層して巻き
取ってもよく、また回路等との積層一体化時の脱気のた
めに接着剤層の表面にエンボス加工を施しながら巻き取
ってもよい。
【0025】この積層体と銅貼り積層板や回路基板等と
の貼り合わせ法としては、上記接着剤の塗工直後、即ち
加熱炉を積層体が出た直後に銅貼り積層板や回路基板等
を圧着ロール等で連続的にラミネートしてもよいし、ラ
ミネート後、更に赤外線ヒーター、誘導加熱、熱ロール
等を用いて加熱を行い、インラインで接着剤層の硬化を
行ってもよい。また、銅貼り積層板や回路基板等をイン
ラインで貼り合わせず、耐熱性を有する有機フィルムと
熱硬化性接着剤との積層体を一旦巻き取り、オフライン
で加熱プレス、真空袋、真空ラミネーター等を用いて銅
貼り積層板や回路基板等との貼り合わせを行ってもよ
い。本発明の熱硬化性接着剤は、目的に応じて有機フィ
ルムの片面或いは両面に塗工してもよく、銅貼り積層板
や回路基板等と多層に貼り合わせてもよい。
【0026】本発明の耐熱保護フィルムに用いられる熱
硬化性接着剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成
分としているので、加熱時の溶融粘度が5000cps
以上であり、従来のエポキシ系接着剤のように硬化時に
積層板の端部より接着剤の低分子成分がはみ出し垂れる
ようなことが全くなく、また予め所定の厚みに精度良く
有機フィルム上に形成させることができるため、信頼性
の高い耐熱保護フィルムを提供することが可能である。
【0027】本発明の耐熱保護フィルムは、銅貼り積層
板をエッチングして回路形成した回路基板の保護、或い
はこのような回路形成していないIC等の接続用などの
銅貼り積層板の保護などに用いることができるが、その
用途はこれに限定されるものではない。
【0028】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0029】〔実施例、比較例〕表1に示す配合No.
A〜Cの各成分を秤量し、これを40℃のトルエン中で
それぞれ均一に混合溶解し、溶質濃度20%のトルエン
溶液を調製した。この溶液を、25μmの厚みのポリイ
ミドフィルム上にリバースロールコーターを用いて塗布
し、ドライ厚みで20±1μmの膜厚精度の熱硬化性接
着剤層を有する積層体を作製した。この積層体を130
℃に設定した熱ロールラミネーターを用い、硬化一体化
して、耐熱保護フィルムを得た。これに対し、比較例と
して、エピコート828(油化シェルエポキシ社製)1
00重量部に対し、グリシジルメタクリレート10重量
部、ジシアンジアミド0.5重量部を添加し、均一に混
合した接着剤層20μmをポリイミドフィルムの片面に
設けて実施例と同様の方法で積層体を得た。この積層体
をニッカン工業社製のポリイミド系フレキシブルプリン
ト基板の銅箔面側に130℃に設定した熱ロールラミネ
ーターを用い、硬化一体化して、耐熱保護フィルムを
得、各信頼性試験を実施した。その結果を表2に示す。
【0030】信頼性試験の評価項目としては、耐熱耐久
性(85℃×1000時間)、湿熱耐久性(60℃、9
0%RH×1000時間)、冷熱サイクル耐久試験(−
30℃×6時間→70℃×6時間の50サイクル)、屈
曲疲労試験(屈曲度:10mmR、屈曲回数:10万
回)の4種類について実施した。判定基準としては、試
験終了後、接着剥離や反り、ズレ等の外観変化の有無を
目視により観察し、何らかの異常が認められた場合は
×、異常が全くない場合は○と判定した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】各配合A〜Cにおいて、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体として上記〜のものを用いたいずれの
信頼性試験においても、本発明による耐熱保護フィルム
に外観異常は認められず、信頼性に優れた耐熱保護フィ
ルムを提供できることが確認された。特に10万回とい
う過酷な屈曲疲労試験では、試験初期において比較例の
耐熱保護フィルムはエポキシ系の接着剤層に細かいひび
割れとポリイミドフィルム界面での接着剥がれが観察さ
れ、本発明による耐熱保護フィルムとの差は歴然として
いた。
【0034】
【発明の効果】本発明の耐熱保護フィルムは、有機フィ
ルムとの接着性がよく、可撓性に優れ、高品質なもので
あり、しかも簡単に作業性よく製造でき、銅貼り積層板
やこれから得られる回路基板などの保護に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森村 泰大 東京都小平市小川東町3−1−1 株式会 社ブリヂストン技術センター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性を有する有機フィルムの少なくと
    も一面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とす
    る熱硬化性接着剤層を設けたことを特徴とする耐熱保護
    フィルム。
  2. 【請求項2】 熱硬化性接着剤が、エチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体100重量部に対し、有機過酸化物を0.1
    〜10重量部、シランカップリング剤を0.01〜5重
    量部、エポキシ基含有化合物を0.1〜20重量部添加
    してなることを特徴とする請求項1記載の耐熱保護フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 熱硬化性接着剤が、エチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体100重量部に対し、アクリロキシ基含有化
    合物、メタクリロキシ基含有化合物及びアリル基含有化
    合物のうち少なくとも1つを0.1〜50重量部添加し
    てなることを特徴とする請求項1又は2記載の耐熱保護
    フィルム。
  4. 【請求項4】 熱硬化性接着剤が、エチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体100重量部に対し、炭化水素樹脂を1〜2
    00重量部添加してなることを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれか1項記載の耐熱保護フィルム。
  5. 【請求項5】 エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビ
    ニル含有率が10〜50重量%であることを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれか1項記載の耐熱保護フィル
    ム。
  6. 【請求項6】 銅貼り積層板又はこれから得られる回路
    基板の保護用である請求項1乃至5のいずれか1項記載
    の耐熱保護フィルム。
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