JPH09207235A - 流体格納用の高ウィーピング強度ポリマー−ガラス繊維複合積層体 - Google Patents

流体格納用の高ウィーピング強度ポリマー−ガラス繊維複合積層体

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JPH09207235A
JPH09207235A JP9032975A JP3297597A JPH09207235A JP H09207235 A JPH09207235 A JP H09207235A JP 9032975 A JP9032975 A JP 9032975A JP 3297597 A JP3297597 A JP 3297597A JP H09207235 A JPH09207235 A JP H09207235A
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ribbon
pipe
matrix
laminate
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JP9032975A
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English (en)
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Liza Marie Andree Monette
リザ・マリー・アンドリー・モネット
Allen S Chiu
アレン・エス・シュー
Russell Robert Mueller
ラッセル・ロバート・ミューラー
Michael P Anderson
マイケル・ポール・アンダーソン
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ExxonMobil Technology and Engineering Co
Original Assignee
Exxon Research and Engineering Co
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L9/00Rigid pipes
    • F16L9/12Rigid pipes of plastics with or without reinforcement

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体格納用の高ウィーピング強度ポリマー−
ガラス繊維複合積層体を提供すること。 【解決手段】 15%より小さい破断点引張伸びを有す
る熱硬化性ポリマーを含有する管状ポリマーマトリック
ス及び該管状ポリマーマトリックス内に埋め込まれたガ
ラス繊維強化ストリップからなる、強化複合管状体。こ
の強化ストリップは該管状体の縦軸の周りに螺旋状に巻
き付けられていてもよく、またパイプ軸に対して約90
゜の角度で巻き付けられていてよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマー−ガラス
繊維複合積層体から製造された圧力含有装置の強度及び
寿命(静圧下での)並びに疲労性能(繰り返し圧力下で
の)を増大させるために設計されたポリマー−ガラス繊
維複合積層体の強化組織の修正に関する。本発明は、油
及びガス生産/伝送応用のための有用性を有している。
圧力含有装置には、パイプ、下げ孔管状物、パイプライ
ン、圧力容器、地下貯蔵タンクが含まれる。他の応用に
は、複合ラップ及びクラックストッパ等がある。格納圧
力は現在商業的に利用できるレベルから5000psi
gの長期間使用圧力まで増加することができる。圧力含
有装置の性能は、繊維軸に対して垂直の方向での個々の
積層体の劣った機械的性質によって制限される。強化材
として繊維長さに対して垂直の方向で10〜1000の
アスペクト比を有するガラス繊維(例えば、リボン又は
テープ状組織)を使用すると、複合積層体の垂直剛性及
び強度の増加になり格納能力に於ける増強を与えること
が見出されている。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】エポキ
シ−ガラス繊維複合体から製造された圧力含有装置(例
えば、パイプ、下げ孔管状物、地下貯蔵タンク、圧力容
器、パイプライン、ラップ及びクラックストッパ)は、
油及びガス生産でますます使用されている。例えば、全
分野での低圧配管はこれらの材料の利点を得るために高
度化されている。同等の金属構造物を越えた複合体の利
点には主としてそれらの優秀な耐腐食性が含まれ、寿命
費用の低下に至る。その他の魅力のある利点には、単位
重量当たりのそれらの高い強度及び剛性、材料設計に於
ける柔軟性及び改良された耐疲労性が含まれる。
【0003】それにも拘わらず、現在供給されているポ
リマー複合体には、適度な応力レベルを生じる応用に於
いてもそれらの使用を妨げる重大な欠陥がある。複合体
材料は200ksi以下(製造されたままのガラス繊維
で)、60ksi以下(製造されたままでないガラス繊
維で)の軸強度(繊維方向で)を示すけれども、装置
は、それによりマトリックス微小亀裂及び層デラミネー
ションが、破裂圧力よりひと桁小さい短期間及び長期間
使用圧力で流体のための漏洩通路を与える、ウィーピン
グ(weeping)と呼ばれる流体格納完全性の損失を示
す。
【0004】複合体パイプについて、パイプ壁厚さを厚
くすることによって微小亀裂を軽減させることができ
る。しかしながら、この解決方法は、複合体パイプのコ
ストを、炭素鋼のコストに比較して約30%上昇させる
(例えば、2000psi圧力、2−7/8″外径の下
げ孔管状物)。このより高いコストは、低圧応用(即
ち、流れライン)に於いて炭素鋼を複合体パイプで置き
換えるための障壁を構成する。複合体パイプは、壁厚さ
を一層増加させるコストが抑制的になるので、更に需要
のある、もっと高い圧力機能(パイプライン)にはこれ
までのところ導入されていなかった。
【0005】同様に、下げ孔管状物として使用される複
合体は、もっと高価な耐腐食性合金(CRA)に対して
有利には競合していない。複合体管状物に必要な壁厚さ
は、地層の石油を表面に接続する孔の直径が制限される
多くの応用での使用を妨げている。複合体地下貯蔵タン
クのようなその他の装置も、早すぎる微小亀裂を示し、
それ故それらの耐腐食性は同様の金属構造物を越えるど
のような追加の利点も提供しない。複合体ラップに生じ
るマトリックス微小亀裂は、結果として生じる亀裂を通
って水分が結局は拡散し、ガラスを直接攻撃し、それに
よって強化材を弱くするので、(建設/若返り応用のた
めの)寿命を著しく短縮させる。
【0006】それで、油及びガスのような流体の生産及
び伝送で特に中圧乃至高圧配管のための増加した格納能
力を有する材料についての必要性が存在する。
【0007】これらの複合体パイプ中のポリマーマトリ
ックスは典型的に、架橋(化学反応)によって固化する
熱硬化性系、例えば、エポキシである。熱可塑性系も受
容できる材料として予見することができる。この場合の
マトリックスは、溶融物からの結晶化のような物理的現
象によって固化する。架橋した熱硬化性プラスチック
は、430ksi付近のヤング率及び11〜13ksi
の引張強度を有する。長いガラス繊維(直径15μm、
体積分率60%)が、熱硬化性樹脂と硬化剤との混合物
中に埋め込まれている。この混合物は最初は未硬化であ
るので、その粘度は普通、混合物によるガラス繊維の適
当な濡れを保証する程度に十分に低い(数100c
p)。管状物を作るために、得られる層は、パイプ軸に
対して0゜〜90゜の角度でマンドレルの周りに巻き付
けられる。図1に示す例に於いて、巻き付け角度θは5
5゜であり、積層体は繊維長又は軸に沿った方向に見ら
れる。次いでマンドレルの端部に到達したとき巻き付け
角度θを125゜(又は−55゜)に傾け、次に55゜
に戻り、以下同様にする。この工程に於いて幾つかの巻
き付け角度、即ち、0、±45゜及び±70゜を使用す
ることができる。得られたパイプは、多方向フィラメン
ト巻き付けパイプと言われる。次いでこのパイプを熱処
理して、熱硬化性樹脂を架橋により硬化させることがで
きる。その結果は、典型的に1″〜36″の範囲の内径
及び0.1″〜2.0″の壁厚さを有する、フィラメン
ト巻き付けパイプと呼ばれるパイプになる。普通のパイ
プ寸法は4″内径及び0.16″壁厚さからなってい
る。
【0008】図2に、破壊包絡線、即ち、異なった石油
化学使用条件下での、上記の項に記載したような繊維/
マトリックスパラメータ及び寸法を有する代表的な複合
体パイプについて測定したマトリックス微小亀裂、即ち
ウィーピングのための流体格納限界を示す:1.純粋軸
応力;2.軸応力に等しいフープ応力(下げ孔管状
物);3.軸応力の2倍のフープ応力(表面パイプ);
及び4.純粋フープ応力(埋設パイプ)。使用圧力は、
グラフ上のフープ強度の値を、比R/t(内半径/壁厚
さ)及びマトリックスの粘弾性緩和(静圧力)又は20
年間使用のマトリックス疲労性質(繰り返し圧力)のた
めの使用係数4によって割ることによって得ることがで
きる。例えば、下げ孔管状物として使用するこのような
パイプは500psigの使用圧力に耐えることがで
き、表面パイプとして使用するこのようなパイプは15
00psigの使用圧力に耐えることができ、そして埋
設パイプとして使用するこのようなパイプは1000p
sigの使用圧力に耐えることができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(a)
25%より小さい破断点引張伸びを有する、熱硬化性ポ
リマーを含有する管状ポリマーマトリックスと、(b)
該管状ポリマーマトリックス内に埋め込まれたガラス繊
維強化ストリップとを含む強化複合管状体が提供され
る。本発明の好ましい実施態様においては、上記構成に
おいて、前記強化ストリップが前記管状体の縦軸の周り
に0゜〜90゜で螺旋状に巻き付けられている。また、
本発明の好ましい実施態様においては、上記構成におい
て、前記強化ストリップがパイプ軸に対して約0゜の角
度で巻き付けられている。また、本発明の好ましい実施
態様においては、上記構成において、前記リボンが幅L
を有し、2個の軸方向で隣接するリボンの間の距離lが
0とL/2との間である。また、本発明の好ましい実施
態様においては、上記構成において、前記リボンが幅L
を有し、層が半径方向で隣接する層に対してずれている
長さLOがL/10とL/2との間である。また、本発
明の好ましい実施態様においては、前記ガラス繊維強化
ストリップが、アスペクト比S及びS/SC)≧1とな
るような臨界アスペクト比SCを有する。また、本発明
の好ましい実施態様においては、横ヤング率が混合値の
法則の50%より大きい。また、本発明の好ましい実施
態様においては、上記構成において、界面剪断強度v、
tiが15MPa以上である。また、本発明の好ましい
実施態様においては、上記構成において、エポキシ引張
強度τmが界面剪断強度t以上である。
【0010】本発明は、流体格納用の高ウィーピング強
度ポリマー−ガラス繊維複合積層体である。この積層体
には、25%より小さい破断点引張伸びを有する熱硬化
性ポリマーを含有する管状ポリマーマトリックス及び該
管状ポリマーマトリックス内に埋め込まれたガラス繊維
強化片からなる、強化複合管状本体が含まれる。この強
化片は該管状本体の縦軸の周りに螺旋状に巻き付けられ
ているか又はパイプ軸に対して−90゜と90゜との間
の角度で巻き付けられていてよい。
【0011】好ましい態様に於いて、この管状本体の横
ヤング率は、混合値の法則の50%より大きい。
【0012】本発明の詳細な記述を下記の大要に従って
記載する。 I.使用圧力と積層体垂直強度との間の関係 II.シミュレーションモデル III.本発明と先行技術との比較 IV.本発明の実施 A.発明の原理 B.本発明の最適複合積層体横性質についての重要な複
合体パラメータ C.本発明の最適横複合積層体性質に至る複合体パラメ
ータについての選択ガイドライン及び値の範囲 1.整列リボン配置 a.リボンの間の距離、l=L/2 b.リボンの間の距離、l>0 c.複合横積層体ウィーピング強度 d.選択規準/値の範囲 2.ランダムリボン強化材配置 a.ランダムリボン配置のための臨界アスペクト比 b.横積層体引張ウィーピング強度 c.選択規準/値の範囲 V.実施例:本発明の予想性能 A.整列リボン配置 B.ランダムリボン配置 VI.ガラスリボン製造
【0013】I.パイプの軸ウィーピング破壊と積層体
垂直強度との間の関係 典型的なエポキシベースのパイプの壁内のガス/流体圧
力によって誘発される応力を図3に示す。圧力下のパイ
プは、フープ応力、軸応力及び半径方向の応力を受け得
る。フープ応力と軸応力との両方は現実に引張であり、
他方、半径方向の応力は圧縮であって、他の二つに比較
して小さいので、普通無視することができる。これらの
三つの応力は、図3の左下の、積層体の小体積要素に作
用する様子が示されているが、ここでは、この場合繊維
はパイプ軸に対して55゜角度で巻き付けられている。
本発明者等は、軸応力及びフープ応力にのみ焦点を合わ
せる。軸応力は、閉塞端部を有するパイプの場合に、
【数1】 σ2=PR2/(2Rt+t2) (1) によって与えられる。Pは流体圧力であり、Rはパイプ
内半径であり、tはパイプ壁厚さである。フープ応力は
1000psigより小さい使用圧力についてバーロウ
(Barlow)の式[2]:
【数2】 σθ=PR/t (2) によって与えられ、1000psigより大きい使用圧
力について厚壁近似[3]:
【数3】 σθ=P(2R2+2Rt+t2)/(2Rt+t2) (3) によって与えられる。これらの応力の両方は、(単一の
積層体について)方向の一つ(L)が繊維軸と一致する
参照フレームに関して、縦応力成分、垂直応力成分及び
剪断応力成分に分割することができる。
【0014】
【数4】 σL=σθsin2θ+σZcos2θ (4)
【数5】 σN=σθcos2θ+σZsin2θ (5)
【数6】 τ=(σθ−σZ)cosθsinθ (6)
【0015】式中、図4の右下からわかるように、
(N)は(L)方向に対して垂直の方向であり、巻き付
け角度θ=55゜である。式(4)及び(5)により、
σLは、図2の使用条件2、3及び4について、σNに匹
敵する。繊維軸に沿った方向(L)での強度は、繊維強
度により制御され、約200ksiである。しかしなが
ら、繊維軸に対して垂直の方向(N)での強度は、マト
リックス強度によって制御される。得られた積層体短期
間垂直強度は10ksiより小さいことが後で示され
る。従って早すぎるパイプ破壊は、垂直方向での荷重か
ら生じるマトリックスの粘弾性緩和(静圧力)又は疲労
(繰り返し圧力)に起因する繊維間のマトリックスの微
小亀裂により開始される。剪断応力はここでは考慮され
ていないことに注意されたい。剪断応力は、繊維が0゜
又は90゜とは異なった角度Θでパイプ本体の周りに螺
旋状に巻き付けられているという事実のために、垂直方
向での荷重から生じる。剪断応力は、巻き付け角度の適
当な選択、即ちΘ=90゜にすることによってゼロにな
るように設計することができる。図2の軸破壊応力は、
式(7)を使用し、σθを0に設定する単純な解析によ
って垂直積層体強度に関連付けることができる。
【数7】 σZ=σN/sin2θ (7) 垂直積層体強度σNは、11.25ksiの経験的軸破
壊応力(図2の点1)を使用して、式(7)から推定す
ることができ、その値は繊維含有量60%について7.
5ksiである。この値は、コンピュータモデル確認の
ために後で使用される。
【0016】上記の解析は、単一の層に基づいており、
積層体剪断弾性率及び強度を無視している。角度−層積
層体(即ち、±55゜での層)に基づき、そして積層体
剪断性質を考慮に入れた詳細な解析により、この単純な
解析と適合して、7ksiの横引張強度を生じることを
示すことができる。
【0017】II.シミュレーションモデル ここにモデル方法論を導入し、本発明がベースとする概
念を示すために使用する。リボン状強化材形態は、荷重
移動の量を増加し、それ故に繊維軸に対して垂直の方向
での層強度を増加させる。
【0018】シミュレーションモデルの弾性性質は他の
場所(L.Monette, M.P.Anderson, H.D.Wagner and R.R.
Mueller, J. Appl. Phys. 76巻(1994年)1442頁)(L.Mo
nette and M.P.Anderson, Modelling Simul. Mater. En
g. 2巻(1994年)53頁)に記載されており、本明細書では
簡単に記載する。このシミュレーションモデルは、ばね
定数kαβ及び結合曲げ定数cαβγを有する寸法20
0×200の二次元格子での大雑把なスプリングモデル
である。40000個の節点のそれぞれが、最も近い4
個の隣接部と(即ち、図4で結合αβ=ij、il、i
n及びipによって結合している)そして次に最も近い
4個の隣接部と(即ち、図4で結合αβ=ik、im、
io及びiqによって結合している)相互作用してい
る。rαβは節点αと節点βとの間の距離であり、最も
近い隣接部結合について平衡結合長さrαβ゜=a0
あり、次に最も近い隣接部結合についてrαβ゜=√2
0である。Θαβγは結合αβと結合αγとの間の角
度であり、平衡角度Θαβγ=Θijk=Θikl=Θilm
Θimn=Θino=Θiop=Θipq=Θiqj=Θ0=π/4であ
る。定数kαβ及びcαβγは、次のように定義され
る。節点α及び節点βが最も近い隣接繊維節点である場
合、kαβ=2kfであり、α及びβが次に最も近い隣
接繊維節点である場合、kαβ=kfであり、節点α及
び節点βが最も近い隣接マトリックス節点である場合、
αβ=2kmであり、α及びβが次に最も近い隣接マ
トリックス節点である場合、kαβ=kmであり、節点
α及び節点βが最も近い隣接繊維及びマトリックス節点
である場合、kαβ=2kiであり、そしてα及びβが
次に最も近い隣接繊維及びマトリックス節点である場
合、kαβ=kiである。結合αβ及び結合αγが繊維
結合である場合、cαβγ=cmである。界面弾性定数
は、ki=km及びci=cmであるように選択される。節
点iと節点jとの間の結合の中に貯蔵されるエネルギー
ijは次式の通りである。
【0019】
【数8】 Vij=1/2kij(rij-rij°)2 +1/2Σcαβγ(cosΘαβγ−cosΘ0)2 (8) 式中、rijは節点iと節点jとの間の距離であり、歪の
適用の際はrij≠rij゜である。式(8)の右辺の第二
項の合計は角度αβγ=ijk、ijq、jil及びj
ipについてであり、歪の適用の際はΘαβγ≠Θ0
ある。マトリックス又は繊維(m、p)ヤング率及びポ
アソン比は下記の式によって与えられる。
【0020】
【数9】 Em,p=8km,p[km,p+(cm,p/a0 2)]/[3km,p+(cm,p/a0 2)] (9)
【数10】 vm,p=[km,p-(cm,p/a0 2)]/[3km,p+(cm,p/a0 2)] (10)
【0021】定数km=285ksi、cm=28ksi
0 2、kp=6428ksi、cp=1071ksi、
0 2は、マトリックスが428ksiのヤング率及びポ
アソン比0.3を有し(繊維強化パイプで使用される硬
化した熱硬化性樹脂の典型)、繊維が10285ksi
のヤング率及びポアソン比0.2を有する(ガラス繊維
の典型)ように選択される。
【0022】周期的境界条件が適用された引張歪又は応
力の方向で使用される一方自由境界条件が他の方向に適
用される。システムの機械的平衡が共役傾き方法によっ
て確保される。このシミュレーションモデルには、凝集
エネルギーパラメータUijを介する破壊規準[7]が含
まれる。節点iと節点jとの間の結合は、繊維結合につ
いて指定凝集エネルギーUf、界面結合についてUi及び
マトリックス結合についてUmよりも、蓄積されたエネ
ルギーVijの方が大きく、且つ、Ui=Umである場合、
破壊される。パラメータUm=0.14ksi及びUf
1.71ksiは、極限マトリックス引張強度が13k
siであり、ガラス繊維極限引張強度が300ksiで
ある(これらは、それぞれ熱硬化性樹脂及びガラス繊維
についての典型的な値である)ように選択された。
【0023】このモデルは次いで、繊維軸に対して垂直
の方向で積層体の剛性及び強度をシミュレートするため
に使用される。図6は、繊維軸に対して垂直の方向での
引張応力場プロットであり、その方向で1.4ksiの
適用された応力から得られる。積層体断面の寸法は、1
50μ×150μである。黒は0と1ksiとの間の局
部応力を示し、青は1ksiと3ksiとの間の局部応
力を示し、シアンは3ksiと5ksiとの間の局部応
力を示し、緑は5ksiと7ksiとの間の局部応力を
示し、赤は7ksiと9ksiとの間の局部応力を示
し、オレンジは9ksiと11ksiとの間の局部応力
を示し、黄は11ksiと13ksiとの間の局部応力
を示し、白は13ksiより大きい局部応力を示す。青
/シアン円形粒子は繊維の断面を表し、例示目的のため
に体積分率は15%である。図6は明らかに、マトリッ
クスから繊維への荷重移動が、繊維軸に対して垂直の方
向で劣っていることを示している。実際に、所定の適用
応力について、この方向で強化材の方に移動される平均
応力(即ち、2ksi)は、マトリックスによって運ば
れるもの(即ち、1.3ksi)に非常に近い。
【0024】マトリックスは常に引張破壊規準を最初に
越えるということから、繊維軸に対して垂直の方向での
強化材の劣った荷重は、この方向での積層体強度が、マ
トリックス支配であることを示している。繊維は、その
方向では、マトリックスの荷重よりも著しく大きい荷重
を運ばない二次元粒子とみなすことができる。更に、お
互いに十分に近いとき、これらは応力上昇物として作用
し、マトリックス材料内で応力増幅を引き起こす(二つ
の繊維断面の間の白色領域が、マトリックスが局部的に
13ksiのその引張破壊応力を越えていることを示し
ている、図6の右上角を参照されたい)。それで、破壊
の発生は、純粋のマトリックス材料の値(即ち、13k
si)よりも遥かに小さい外部適用応力の値(即ち、
1.4ksi)で期待される。垂直積層体強度は普通純
粋のマトリックス材料の強度よりも小さく、従って純粋
のマトリックス材料についての11〜13ksiに対し
て、60%強化材体積分率について前記Iで7.5Ks
iという経験値が推定された。
【0025】図5は、パイプ製造のために使用される積
層体の典型である58%の繊維体積分率を有する積層体
についてのモデルから得られた応力/歪曲線である。垂
直積層体強度は8ksiであり、これは7.5ksiの
経験値の7%範囲内の値である。それで、このモデル
は、実際の積層体のものとよく一致している積層体垂直
強度を生じると結論付けられる。
【0026】III.本発明と先行技術との比較 ストリップ(又はリボン)強化複合体は、増強された機
械的性質を提供するために当該技術分野で公知である
(米国特許第3,790,438号参照)が、25%よ
り大きい引張伸びを有するポリマーに限定されている。
この歪限定に付けられる理由は、マトリックス材料が、
製造工程の間に生じる熱応力のための応力集中の影響を
減少させるために十分な伸びを有していなくてはならな
いと言うことである。
【0027】マトリックス(典型的に熱硬化性)が25
%より小さい引張伸びを有する金属ストリップ強化管状
物が、最近提案された。米国特許第4,657,049
号参照。本発明は、ポリマーによって運ばれた全荷重が
強化ストリップに分配されるように、金属強化ストリッ
プが完全に埋め込まれている熱硬化性ポリマーからなる
管状本体を提供するものとして記載される。従って、本
発明の利点は、(i)高い機械的強度、即ち破裂強度及
び高い剛性を有する管状本体を提供する、(ii)耐腐食
性を提供する、(iii)低コストで大規模で製造すること
ができる等のことであり、それ故に広範囲の種々の気
体、液体、スラリー、固体粒子及びその他の材料の誘導
に適合していることが主張されている。
【0028】米国特許第3,790,438号も米国特
許第4,657,049号も、下記の理由のために、こ
れらの材料中の(微小亀裂又は漏洩から生じる流体格納
の損失に対する)抵抗性の改良についてのどのような教
示も提供していない。
【0029】(i)米国特許第3,790,438号
は、その発明(ストリップ強化複合体)の有効性の範囲
を、25%以上の引張伸びを有するポリマーマトリック
スに限定している。FRPパイプに典型的に使用される
ポリマー材料は熱硬化性であり、これは15%より小さ
い引張伸びを有している。それで、米国特許第3,79
0,438号は、マトリックスが25%より小さい引張
伸びを有している場合、どのようにして複合体の機械的
性質を改良するかについて教示していない。
【0030】(ii)米国特許第4,657,049号
は、金属ストリップ強化複合体が破裂強度及び剛性のよ
うな機械的性質に於ける改良を示すことを主張してい
る。しかしながら、パイプ漏洩の問題そのものについ
て、破裂強度は無関係である。ウィーピング又は格納の
損失が生じた場合に、パイプは決して破裂しない。高圧
流体の伝送を可能にする増加した破裂強度及び剛性とい
う米国特許第4,657,049号の主張は多分妥当で
あろう。所定の直径の強化複合体管状本体が(破裂する
ことなく)耐えることができる内圧は、強化ストリップ
の機械的強度に明らかに依存し、従って金属ストリップ
を用いるかどうかに明らかに依存している。しかしなが
ら、警告は、伝送が必ずしも格納完全性を暗示しないこ
とである。油分野に於いては、現在利用できる繊維強化
パイプが破裂を起こすために必要な内圧よりも十分に低
い圧力で、パイプ漏洩が起こっている。実際、米国特許
第4,657,049号の文言には、マトリックス微小
亀裂、ウィーピング又は格納完全性の記述は存在してい
ない。その結果、改良された破裂強度又は改良された剛
性がパイプ耐ウィーピング性も増大させると期待すべき
であることを明らかに示した教示は米国特許第4,65
7,049号では与えられていない。
【0031】下記のものは、セクションIIに記載したモ
デルによって生じたシミュレーションデータである。こ
の目的は、上記の主張(ii)、即ち強化材強度及び剛性
を増大させることはパイプ破裂強度及び剛性を大きく増
大させるが、耐ウィーピング性を市販のガラス繊維/エ
ポキシパイプのものよりも著しくは改良しないことを示
すことである。図6(a)に示すように、片の軸をパイ
プ軸に対して垂直にして、エポキシで被覆した金属片を
巻き付けることによってパイプを作るものとする。管状
壁断面(片軸はこの紙面から外に向かっている)の図6
(b)に示すように、一つの層内の片(幅L、厚さt)
の各巻き又は回旋は、隣接する層内の片の二つの巻き又
は回旋と重なっており、またこれらの隣接する巻きに対
して長さLOほどずれている。
【0032】オフセット長さLOは最小でLC/2に等し
く、LCはLC=tσr/(2τi)(但し、σrは強化材
の引張強度であり、τiは強化材とポリマーマトリック
スとの間の界面の剪断強度であり、そしてtは片の厚さ
である)によって与えられる。下記の表は、米国特許第
4,657,049号の表の最初の2行に基づいてい
る。本発明者等は、引張ウィーピング強度σw(ここ
で、米国特許第4,657,049号発明の金属ストリ
ップ強化パイプは流体格納の損失を示す)、引張強度σ
d(ここで、マトリックス微小亀裂が最初に起こり、結
局は流体格納の損失に至る)及びEt、これは強化材軸
に対して垂直の方向に於ける積層体ヤング率である、を
追加した。σw、σd及びEtは、米国特許第4,65
7,049号から得た下記のパラメータで、本発明者等
のシミュレーションモデルから計算した。
【0033】強化材(米国特許第4,657,049号
の金属1) 引張強度:σr=90kg/mm2=126ksi ヤング率:Er〜20×103kg/mm2=28571
ksi 強化ストリップの体積分率:vf=50% リボン厚さ:t=0.1mm マトリックス(米国特許第4,657,049号のエポ
キシA) 引張強度:σm〜2kg/mm2=2.8ksi(パイプ
フープ強度:σh=vfσr+(1−vf)σm=46kg
/mm2から推定) ヤング率:Em〜0.25×103kg/mm2=357
ksi(パイプフープ弾性率:Eh=vfr+(1−
f)Em〜10×103kg/mm2から推定) 界面剪断強度:τj=1.5kg/mm2=2.1ksi 臨界リボン幅:Lc=tσr/(2τj)=3mm
【0034】表1は、米国特許第4,657,049号
で予想されたパイプ引張強度:σt=fvfσr+(1−
fvf)σm(及びf=1−LO/L)を、コンピュータ
モデルによって決定したウィーピング強度σw及び損傷
に対する耐性σdに対して比較する。
【0035】
【表1】
【0036】表1のデータから下記の4個の結論を引き
出すことができる。米国特許第4,657,049号の
金属ストリップ強化管状物の耐引張ウィーピング性σw
は、セクションIIに記載したシミュレーションモデル
によって測定したとき、予想したパイプ引張強度σt
りも3〜4倍小さい。それで、格納の損失が生じる前の
パイプ使用可能強度であるパイプ引張ウィーピング強度
σwは、パイプ引張強度σtに独立の性質である。
【0037】米国特許第4,657,049号の金属ス
トリップ強化管状物の軸ウィーピング強度σz=σwは、
市販の±55゜フィラメント巻き付けガラス繊維/エポ
キシパイプ(内径3.89″及び壁厚さ0.16″)の
σz=11.2ksi[3]よりも著しく増加せず、市
販の多方向フィラメント巻き付けガラス繊維/エポキシ
パイプ(内径1.94″及び壁厚さ0.23″)のσz
=21.4ksi[3]よりも低い。
【0038】耐液ウィーピング性を、市販の複合体管状
物品により現在与えられているものよりも上にσw=σt
の理論限界まで増加させるために、強化材及びマトリッ
クスの特性を如何にして選択するかについて、米国特許
第4,657,049号に教示はない。
【0039】米国特許第4,657,049号の金属ス
トリップ強化管状物についてシミュレーションモデルに
より決定したときマトリックス微小亀裂が最初に現れる
引張応力レベルσdは、市販の±55゜フィラメント巻
き付けガラス繊維/エポキシパイプの引張ウィーピング
強度より0.5〜0.8低い。これは、米国特許第4,
657,049号の金属ストリップ強化管状物が、最新
技術の複合体パイプ/管状物が耐腐食性を与える使用圧
力でその耐腐食性を失うであろうことを暗示している。
これらの低い引張強度で遭遇する初期マトリックス微小
亀裂は、石油化学応用で存在する腐食性流体のための進
入路を与えて金属強化材を攻撃し、漸進的に分解する。
【0040】IV.本発明の実施 A.発明の原理 本発明者等はセクションIに、(剪断応力の不存在下
で)現在の複合体パイプの耐ウィーピング性が積層体横
強度によって限定されることを示した。本発明がベース
とする原理は、積層体横強度、それ故に複合体のウィー
ピングに対する耐性を増加させるために、繊維軸に対し
て垂直の方向での荷重移動を増加させなくてはならない
ことである。荷重移動を増加させるためのアプローチ
は、横方向での表面積を増加させるように強化材組織を
修正することである。この増加した表面積によって、剪
断牽引力が上昇すると期待され、積層体横方向での強化
材荷重が増大すると期待される。ここで強化材は、17
0の垂直アスペクト比(リボン幅/厚さの比)を有する
ようなリボン状繊維である。15μのリボン厚さを仮定
して、リボン幅は2.5mmである。応力場解析は、マ
トリックスから強化材への垂直方向の荷重移動が、大き
く改良されたことを示している。例えば、1.4ksi
の適用応力では、リボン幅に沿った方向で強化材に移動
された平均応力は6.6ksiであり、この値は円筒形
繊維強化材について同じ体積分率の強化材(しかし、異
なった組織)に移動されたものより3倍の値である(セ
クションII参照)。マトリックスによって運ばれた平均
応力はその結果、円筒形繊維強化においてマトリックス
によって運ばれたものに対してほぼ3分の1の0.5k
siの値まで低下する(セクションII参照)。繊維軸に
対して垂直の方向に於いて、リボン状繊維は、円筒形繊
維の円形断面よりも大きい表面積を有する二次元整列さ
れた短繊維とみなすことができる。ここでマトリックス
から強化材への荷重移動は、剪断遅れ機構により(H.L.
Cox, Br. J. Appl. Phys. 3巻(1952年)72頁)、即ち、
強化材/マトリックス界面でのリボン幅に沿った剪断牽
引力により生じる。それで、繊維軸に対して垂直の方向
での積層体ヤング率及び強度の両方は、マトリックスの
値よりも上に顕著に増加すると期待される。
【0041】B.本発明の最適複合積層体横性質につい
ての重要な複合体パラメータ(リボン状強化材形状の場
合に)積層体横強度に影響を与え得る複合体パラメータ
は、Er(強化材ヤング率)、Em(マトリックスヤン
グ率)、比s/sC(但し、sはリボン横アスペクト比
であり、sCはリボン横臨界アスペクト比である)、τi
(界面剪断強度)、σm(マトリックス引張強度)及び
f(強化材体積分率)である。積層体横強度は下記式
によって与えられる。
【0042】
【数11】 σt=Et・ε* t (13)
【0043】但し、
【数12】 Et=Θ(Er,Em,s/sc,vf) (14) は積層体横ヤング率である。Θは以下に記載される関数
であり、そして
【数13】 ε* t=Ξ(Er,Em,s/scim,vf min) (15) は積層体横破壊歪である。Ξは未決定の関数である。v
f minはセクションC、パラグラフ1に記載する。
【0044】積層体横弾性率は平均強化材横引張歪に関
連づけることができることも示すことができる(L.Mone
tte, M.P.Anderson and G.S.Grest, J.Appl.Phys.75巻
(1994年)1155頁)。
【数14】 Et=vf(Er-Em)(εr)t/(εa)t+Em (16) 剪断遅れ解析[8]を使用して、平均リボン横引張歪
(εrtがリボン寸法に関連づけられることを示すこと
ができる[7]。
【0045】
【数17】 (εr)t/(εa)t=(1−sc/2sc) (17a) ((εa)tは適用された横引張歪である)。式(17
a)は、s=sCであるとき、
【数8】 (εr)T/(εa)T=1/2 (17b) で、それで
【数18】 Et=vf(Er-Em)(1-sC/2s)+Em (18) を得ることを暗示している。
【0046】図7は、固定比Er/Em=24(即ち、ガ
ラスリボン/エポキシ系)についてのs/sCの関数と
してのEtのプロットを示す。Etは、リボン横アスペク
ト比sが→∞であるとき、漸近的に混合値の法則Erm
f(Er−Em)+Emになる傾向がある。
【0047】米国特許第4,657,049号で臨界金
属リボン横アスペクト比sCについて与えられた表現、
即ち
【数19】sC=σr/(2τi) (19) は、同じ複合体性能が例えば2分の1に界面剪断強度を
低下させることによって、そして同時に2倍の値に臨界
リボン横アスペクト比を増加させることによって得られ
ることを示唆している。このことは、ほぼ2分の1とな
る複合体横破壊歪の減少(2分の1に界面剪断強度が下
がることにより)が、リボン横アスペクト比sを増加さ
せることにより得られる複合体横弾性率の2倍増により
補償できるように、横複合体弾性率変化がリボン横アス
ペクト比sとほぼ直線的である場合(図7参照)、sC
より小さいか又はsCのオーダーのリボンアスペクト比
について真実である。それで、式(13)で与えられる
横複合体強度は変化しないままである。しかしながら、
限界s>>sC(これは複合体設計に於いて意味のある
限界である)に於いて、このことはもはや真実ではな
い。リボン横アスペクト比への横複合体弾性率依存性
は、図7に見られるように、この限界内で殆ど平らであ
る。それで、横弾性率に於ける増加は、もはや横複合体
破壊歪の低下を補償しない。ここで式(13)に於ける
横複合体強度は小さいと期待される。このことは、表1
に於ける本発明者等のコンピュータモデルにより測定し
たとき、米国特許第4,657,049号発明の低い耐
ウィーピング性についての理由の一つである。米国特許
第4,657,049号により提案されているような強
化材引張強度σrは、リボン強化材横アスペクト比の設
計に対して関係のあるパラメータではない。
【0048】本発明のための三つの最も重要な複合体パ
ラメータは、1)sC、横リボン臨界アスペクト比
【数20】 s/sC=Φ(Er,Em,vf) (20) である。式中、Φはリボン配置に依存する関数であり、
セクション4.3に更に説明する。sはリボン横アスペ
クト比であり、sCが既知であるとき、式(18)の横
積層体弾性率を最適化できる、即ち理想限界に近づくよ
うに増加させることができるように選択すべきである。
パラメータEr、Em、vf及びs/sCが設定されると、
横破壊歪を最大にするための重要な複合体パラメータ、
即ち2)界面剪断強度τi及び3)マトリックス引張強
度σmは、式(15)から得られる。両方についての値
の範囲は、またセクション4.3に示す。
【0049】C.本発明の最適横複合積層体の特性を左
右する複合体パラメータの選択ガイドライン及び値の範
囲 1.整列リボン配置 この配置は、その厚さが0.1mmオーダーであり、幅
が数cmに達し得るリボンについてよりよく適合してい
る。これらのリボンはマンドレルの上に直接巻き付ける
(好ましくは、剪断応力が除かれるようにパイプ軸に対
して90゜の角度で)ことができ、パイプ加工費用を増
加させない。
【0050】最初に、荷重移動の効率、界面剪断強度及
びマトリックス強度が増加したとき、複合体パイプの引
張ウィーピング強度が改良されることを示そう。下記の
性質を有するリボン状ガラス強化材/エポキシ系を考え
よう。 強化材: 引張強度:σr=100ksi(損傷されたガラス繊維
と同じ強度を仮定) ヤング率:Er=10286 強化材破壊歪εr *=3.0% 強化片の体積分率:vf=50% リボン厚さ:t=0.1mm マトリックスは、下記の性質を有する、石油化学応用の
ためのフィラメント巻き付けパイプのために典型的に使
用される、エポキシである。 引張強度:σm=13ksi ヤング率:Em=428ksi 界面剪断強度:τj=6.4ksi。ガラス/エポキシ
系についての界面剪断強度は、単一繊維での破砕実験か
ら推定した。この場合、τi=σr(sf)/(2sf
(但し、σr(sf)=500ksi(理想的繊維強
度)、繊維破砕アスペクト比sf=40)である。
【0051】表2に、強化材積層を同一に維持した(図
7(a)及び(b)参照)米国特許第4,657,04
9号パイプの引張ウィーピング強度(表1から得た)と
比較した、ガラスリボン積層体で製造したパイプの引張
ウィーピング強度σwを示す。
【0052】
【表2】
【0053】表2から下記の3個の結論を引き出すこと
ができる。 i 共にシミュレーションモデルにより決定したとき、
本発明の引張ウィーピング強度は、米国特許第4,65
7,049号発明の引張ウィーピング強度よりも2.3
倍大きい。式(18)及び表2からのEtについての結
果を使用すると、金属リボンについてsC〜160及び
ガラスリボンについてsC〜40である。それで荷重移
動効率は金属リボンよりもガラスリボンについて大き
い。ここで選択されたリボンアスペクト比(即ち、16
0及び400)は、金属リボン強化材についての臨界ア
スペクト比よりもわずか1〜2倍大きいが、リボンをガ
ラスから作ったとき同じリボンアスペクト比は、臨界ア
スペクト比よりも4〜10倍大きい。増加した界面剪断
強度とマトリックス強度と共に、より大きい荷重移動効
率によって、米国特許第4,657,049号発明と比
較してより本発明の大きい引張ウィーピング強度が説明
される。
【0054】ii ガラスリボン強化材についての表3の
結果は、アスペクト比160を有するリボンとアスペク
ト比400を有するリボンとの間に引張ウィーピング強
度の差異を示さないので、臨界アスペクト比の4〜5倍
のリボンアスペクト比が最適であると思われる。
【0055】iii 金属リボンパイプが従来技術の複合
体パイプよりも大きい剛性を有するという米国特許第
4,657,049号の主張は正しい。
【0056】次の形式の整列配置を検討する。lを2個
の軸方向に隣接する幅Lのリボンを分離する距離とし
(この距離は米国特許第4,657,049号では特定
されていない)、LOは、ある層が半径方向で隣接する
層に対してずれている長さである。l及びLOは共に下
記の関係に従うことができる。
【0057】
【数21】 1)0.5≦1−L0/L≦0.9 l≦0.1L (21a)
【数22】 2)L=l+2L0 l≧0.1L (21b) Lはリボン幅である。
【0058】図8a及び8bは、l=L/2及びLO
L/4を有するリボン配置を有するリボン複合体パイプ
及び壁断面を示し、一方、図9(a)及び(b)は、l
≦0.1L(即ち、できるだけ小さい)及びLO〜L/
2を有するリボン配置を有するリボン複合体パイプ及び
壁断面を示す。配置(21a)(図7(a)及び(b)
参照)又は配置(21b)(図8(b))で達成できる
最低体積分率vf minは、
【0059】
【数23】 vf min=(1−L0/L)vf (22) であり、LO=L/2であるとvf min=vf/2であるこ
とに注意されたい。vf minをを最大にするために−LO
/Lは>0.5、理想的には0.75付近でなくてはな
らず、vf min=(3/4)vfである。米国特許第4,
657,049号で提案されているようなl〜0及び
0.9≦1−LO/L≦1.0を有するリボン配置は、
高いリボン横臨界アスペクト比になるので、即ち特に弾
性率比Er/Em>50について荷重移動を最適化しない
ので退けられる。例えば、表1の横弾性率データ
(Et)は式(18)と共に、f=0.75についてsC
=160及びf=0.9についてsC=225を与え
る。リボン横アスペクト比について設計規準s〜2sC
を想定すると、このことは、オーバーラップL/LO
0.9について強化を確実にするためのリボン幅は、
0.1mmの厚さを想定して、45cmより大きいこと
を意味する。
【0060】下記のことにより、式(21a及び21
b)により記載される強化材積層について、強化材/マ
トリックス弾性率比Er/Emおよび強化材体積分率vf
へのリボン臨界アスペクト比の依存性を定量化する。極
端な場合、即ちl=L/2及びl〜0を明確に検討す
る。
【0061】a.リボンの間の距離、l>0.1L(即
ち、l=L/2) 表3、4及び5は、表2と同じマトリックス/界面パラ
メータを使用する。
【0062】
【表3】
【0063】このデータは、式(18)の修正によって
最も良く当てはまる、即ち、sC=40及びμ=0.7
27で
【数23】 Et=vf(Er−Em)[1-(sC/2s)μ]+Em (23) である。
【0064】
【表4】
【0065】式(23)を使用して表4のデータを当て
はめることによって、sC=85及びμ=0.739を
得る。
【0066】
【表5】
【0067】式(23)を使用して表5のデータを当て
はめることによって、sC=105及びμ=0.728
を得る。この結果から平均値μ=0.73を決定する。
それで、リボン臨界横アスペクト比の依存性は、次のよ
うに書くことができる。
【0068】
【数24】 sC〜[(Er/Em)/(Er/Em)ref]ν(sC)ref(vf) (24) (Er/Emref=24(ガラス/エポキシは参照系で
ある)、(sCref(vf=33%)=40及びν=
0.69。次いで、vfとの(sCrefの依存性を評価
し、その結果を表6に示す。
【0069】
【表6】
【0070】表6に示す結果により、強化材の体積分率
はリボン臨界横アスペクト比の値に影響するとは思われ
ないので、(sCref(vf)=(sCref=40であ
る。 b.リボンの間の距離、l≦0.1L(即ち、l=0.
02L)
【0071】表7、8及び9は、表2についてと同じマ
トリックス/界面パラメータを使用する。
【0072】
【表7】
【0073】このデータを、sC=50及びμ=0.9
37で式(23)を使用して当てはめる。
【0074】
【表8】
【0075】式(23)を使用して表8のデータを当て
はめることによって、sC=95及びμ=0.913を
得る。
【0076】
【表9】
【0077】式(23)を使用して表9のデータを当て
はめることによって、sC=125及びμ=0.880
を得る。この結果から平均値μ=0.91を決定する。
それで、リボン臨界横アスペクト比の依存性は、次のよ
うに書くことができる。
【0078】
【数25】 sC〜[(Er/Em)/(Er/Em)ref]ν(sC)ref(vf) (25) (Er/Emref=24(ガラス/エポキシは参照系で
ある)、(sCref(vf=50%)=50及びν=
0.62。次いで、vfとの(sCrefの依存性を評価
し、その結果を表10に示す。
【0079】
【表10】
【0080】表10に示す結果により、強化材の体積分
率はリボン臨界横アスペクト比の値に影響するとは思わ
れないので、(sCref(vf)=(sCref=50で
ある。
【0081】c.複合横積層体ウィーピング強度 リボン横アスペクト比を選択して、混合予言の法則に対
する横ヤング率(vff+(1−vf)Em)比が1に近
づくと、複合体横積層体ウィーピング強度を増加させる
ための唯一の方法は、界面剪断強度を増加させるか又は
ガラス/エポキシ系のような高い界面剪断強度を有する
系を選択することである。表11は、リボン積層(例え
ば、l=L/2、LO=L/4)及び体積分率vf=0.
67(vf min=0.33)(図8(a)及び8(b)参
照)について、表2のために使用した同じ強化材/マト
リックス/界面パラメータで、複合体横ヤング率Et
適用された歪εaに対して正規化された強化材に移動さ
れた平均横引張歪<εr>t、積層体横引張ウィーピン
グ強度σw及び横引張破壊歪εt *を示す。
【0082】
【表11】
【0083】アスペク比s≧2sCを有するガラスリボ
ンは、本発明に、従来技術の複合体パイプよりも優れた
軸ウィーピング強度を与える。例えば、上記の表に於い
て、アスペクト比90のガラスリボンは、軸ウィーピン
グ強度σz=50.4MPaを有するパイプになるであ
ろう。本発明の軸ウィーピング強度は、現在入手できる
±55゜フィラメント巻き付けパイプよりも4.5倍強
く、現在入手できる多方向フィラメント巻き付けパイプ
よりも2.4倍強い。
【0084】d.選択規準/値の範囲 与えられた強化材対マトリックスヤング率比Ef/Em
対して、臨界リボン横アスペクト比は、0.1L<l<
L/2を有する積層については式(24)を、l<0.
1Lを有する積層については式(25)を使って決定で
きる。式(23)を対照すると、強化材に移動され、適
用した歪に対して正規化した平均引張歪、即ち、
(εrt/(εat=[1−(sC/2s)μ]が、
0.1L<l<L/2を有する積層についてはμ=0.
73及び式(24)から求めたsC、並びにl<0.1
Lを有する積層についてはμ=0.91及び式(25)
から求めたsCと共に得られる。l〜L/2を有する積
層においては、l<L/2である他のいかなる積層より
も僅かに大きい横積層体ウィーピング強度が期待できる
ことに注目されたい。これは、固定された体積分率で、
リボン末端が隣接層のリボンの歪場により近く、それに
よってリボン先端での応力集中を最小にするためであ
る。
【0085】強化材体積分率は0.4≦vf≦0.8の
範囲内、好ましくは0.5≦vf≦0.7の範囲内にす
べきである。
【0086】強化材の方に移動される平均引張歪は、適
用された歪の少なくとも80%にすべきであり、よって
これは0.02L<l<L/2の積層についてリボン横
アスペクト比s>4.5sC、他方l<0.02Lの積
層についてs>3sCであることを必要とする。
【0087】弾性率比Er/Emはどのような値もとれる
が、増加した積層体横強度を確実にするために、その値
が高くなるほど、より高い界面剪断強度が必要になる。
本発明者等は、20という下限に近いEr/Emで最適な
荷重移動効率となるが、20<Er/Em<100の範囲
が妥当であると思う。
【0088】界面剪断強度は、理想的にはτi=45M
Pa以上の値を有するべきである。これよりも低い界面
剪断強度は、従来技術の複合体パイプと比較して本発明
の横積層体引張強度増加を低下させる。本発明者等は、
特に、高い弾性率比Er/Emを有する強化材について約
20MPaより低い界面剪断強度を推奨することはしな
い。Er/Em>50について、本発明者等はほぼ45M
Pa以上の界面剪断強度を推奨する。
【0089】マトリックス引張強度は、界面剪断強度の
値よりも低くすべきではない。即ち、σm≧τiである。
【0090】2.ランダムリボン強化材配置 図10は、本発明である、パイプ軸に対して0〜90゜
の角度で巻き付けた積層体巻き付けパイプを示す。積層
体の次の層は、必ずしも巻き付け角度の正確に反対の角
度である必要はないけれども、先行する層の繊維軸に対
して大きさ(符号)が反対である角度で巻き付けられて
いる。図10(a)に於いて、巻き付け角度は一例とし
て±90゜である。積層剪断応力はゼロになることに注
目されたい。図10bは、リボン状強化材のランダム配
置で製造された積層体の断面図である。この配置は、非
常に薄い、即ちt<0.05mmであるリボン状強化材
について適している。積層体厚さTは0.1mmより小
さくてはならず、それで本発明の製造コストは増加しな
い。
【0091】a.ランダムリボン配置のための臨界アス
ペクト比 ガラス強化材は、表2のために使用したものと同じ引張
強度及びヤング率を有し、マトリックス/界面性質は表
2のために使用したものと同じである。 強化ストリップの体積分率:vf=50% リボン厚さ:t=0.015mm
【0092】
【表13】
【0093】表13のデータを、sC=90及びμ=1
で式(23)を使用して当てはめる。
【0094】sC及び強化材対マトリックス弾性率比Er
/Em及び強化材の体積分率vfの間の関数関係を確立す
るために、本発明者等は、幾つかの弾性率比及び固定体
積分率(表14)並びに幾つかの体積分率及び固定弾性
率比(表15)について、リボン臨界アスペクト比を決
定した。
【0095】
【表14】
【0096】表14の結果は、下記の関数関係により当
てはめることができる。
【0097】
【数26】 sC〜[(Er/Em)/(Er/Em)ref]ν(sC)ref(vf) (26) (Er/Emref=24(ガラス/エポキシは参照系で
ある)、及び(sCref(vf=50%)=90。表1
5は、参照系についての臨界リボン横アスペクト比が強
化材の体積分率と共にどのように変化するかを定量する
ための参考になる。
【0098】
【表15】
【0099】表15の結果は、下記の関数関係により当
てはめることができる。
【0100】
【数27】 (sC)ref(vf)=150(−2vf 2+1.2vf+0.5 (27)
【0101】b.横積層体引張ウィーピング強度 表16は、ランダムに配置したガラスリボン(図10
(a)及び(b)参照)及び体積分率vf=0.50に
ついて、複合体横ヤング率Et、適用された歪εaに対し
て正規化された強化材に移動された平均横引張歪<εr
t、積層体横引張ウィーピング強度σw及び横引張破壊
歪εt *を示す。強化材/マトリックス/界面パラメータ
は、表2のために使用したものと同じである。
【0102】
【表16】
【0103】臨界アスペクト比の4倍以上のアスペク比
を有するガラスリボンは、本発明に、従来技術の複合体
パイプよりも優れた軸ウィーピング強度を与えるであろ
う。例えば、表16に於いて、90゜で巻き付けられた
(図10(a)及び(b))アスペクト比340のガラ
スリボンを用いると、軸ウィーピング強度σz=34k
siを有するパイプになるであろう。本発明の軸ウィー
ピング強度は、現在入手できる±55゜フィラメント巻
き付けパイプよりも3倍強く、現在入手できる多方向フ
ィラメント巻き付けパイプよりも1.6倍強い。同じア
スペクト比のガラスリボンで±55゜でパイプを巻き付
けると、得られる軸ウィーピング強度σz=34/si
n255゜=51ksiである。本発明の軸ウィーピン
グ強度は、現在入手できる±55゜フィラメント巻き付
けパイプよりも4.6倍強く、現在入手できる多方向フ
ィラメント巻き付けパイプよりも2.4倍強い。
【0104】c.選択規準/値の範囲 臨界リボン横アスペクト比は、式(26)及び(27)
によって決定することができる。リボンアスペクト比は
臨界アスペクト比よりも少なくとも4〜5倍大きくすべ
きである。
【0105】弾性率比Er/Emはどのような値もとれる
が、増加した積層体横強度を確実にするために、その値
が高くなるほど、より高い界面剪断強度が必要になる。
本発明者等は、下限に近いEr/Emで最適の荷重移動効
率になるが20<Er/Em<100の範囲が妥当である
と思う。
【0106】強化材体積分率は0.4≦vf≦0.8の
範囲内、好ましくは0.5≦vf≦0.7の範囲内にす
べきである。
【0107】界面剪断強度は、理想的にはτi=45M
Pa以上の値を有するべきである。これよりも低い界面
剪断強度は、従来技術の複合体パイプと比較した本発明
の横積層体引張強度増加を低下させる。本発明者等は、
特に、高い弾性率比Er/Emを有する強化材について約
20MPaより低い界面剪断強度を推奨することはしな
い。Er/Em>50について、本発明者等はほぼ45M
Pa以上の界面剪断強度を推奨する。
【0108】マトリックス引張強度は、界面剪断強度に
ついての値よりも低くすべきではない。即ち、σm≧τi
である。
【0109】V.実施例:本発明の予想性能 A.整列リボン配置(l〜0及びLO=L/5) 現在の従来技術と比較した、アスペクト比s=170及
び体積分率vf=50%を有するリボン状ガラス繊維で
製造したパイプについて、新しい短期間破壊包絡線を図
11に示す。この場合に、ガラスリボンは引張強度σf *
=200ksiを有し、他方、マトリックス及び界面性
質は表2についてと同じものである。ここで使用した破
壊規準は、均一で等方性の物体に最初は適用され、次い
でHillによって異方性物体に拡張され且つ修正さ
れ、Tsai[1]によって複合材料に適用された、v
on Mises破壊規準に基づいている。
【0110】
【数28】 (σLL *)+(σNN *)2+(τ/τ*)2=1 (28)
【0111】この場合に、σL *=100ksi、σN *
0.8vf minσf *=64ksi、及びvf min=vf(1
−Lo/L)=0.4である。このリボンはまた90゜
で(即ち、図10に示すように、パイプ外周の周りに)
巻き付けられており、それで剪断応力τ=0である。短
期間パイプ軸ウィーピング強度(図11の点1)は6倍
に増加する。下げ孔管状物応用における短期間ウィーピ
ング強度(点2)並びに埋設パイプ応用における短期間
ウィーピング強度(点4)は2倍に増加する。表面パイ
プ応用についての短期間ウィーピング強度(点3)のみ
が同一のままである。
【0112】更に重要なことに、本発明の長期間性能は
現在の複合体パイプよりも遥かに良くなると期待され
る。この例に於いて、フープ弾性率及び軸弾性率は、そ
れぞれEH=19GPa及びEA=14GPaからEH
37.6GPa及びEA=31GPaまで増加した。元
の0.25の使用係数、即ち、σH(t=20年)=
0.25σH(t<1時間)は、大雑把にEA(リボンパ
イプ)/EA(現在のパイプ)〜EH(リボンパイプ)/
H(現在のパイプ)〜2ほど増加すると期待される。
図12に於いて、現在のパイプの長期間ウィーピング強
度を、本発明の期待長期間ウィーピング強度と比較す
る。従来技術の複合体パイプに対する本発明の長期間性
能に於ける改良は、軸ウィーピング強度(図12の点
1)に於いて12倍であり、下げ孔管状物応用及び埋設
パイプ応用の両方(図12の点2及び4)について4倍
であり、表面パイプ応用(点3)について2倍である。
【0113】B.ランダムリボン配置 現在の最新技術と比較した、アスペクト比s=340及
び50%の体積分率を有するリボン状ガラス繊維で製造
したパイプについて、新しい短期間破壊包絡線を図13
に示す。繊維、界面及びマトリックスは、セクションA
についてのものと同じ機械的性質を有する。この場合
に、σL *=100ksi、σN *〜34ksiである(表
16参照)。破壊規準はセクションAについてのものと
同じである。短期間パイプ軸ウィーピング強度(図13
の点1)は3倍に増加する。下げ孔管状物応用について
の短期間ウィーピング強度(点2)並びに埋設パイプ応
用についての短期間ウィーピング強度(点4)はそれぞ
れ0.33倍及び2倍に増加する。表面パイプ応用につ
いての短期間ウィーピング強度(点3)は20%低下す
る。
【0114】図14に於いて、現在のパイプの長期間ウ
ィーピング強度を、本発明の期待長期間ウィーピング強
度と比較する。新しい使用係数は、セクションAに於け
るようにして計算し、0.5である。従来技術の複合体
パイプに対する本発明の長期間性能に於ける改良は、軸
ウィーピング強度に於いて6倍であり、下げ孔管状物応
用(図14の点2)について2.5倍であり、埋設パイ
プ応用(点4)について4倍であり、表面パイプ応用
(点3)について1.5倍である。
【0115】VI.ガラスリボン製造 本特許に記載したガラスリボンは、幾つかの方法によっ
て製造することができる。商業的に使用されている一つ
のアプローチは、所望の断面形状を有する大サイズの予
備成形品をその軟化点まで加熱し、次いで引くという再
延伸法の利用である。米国特許第3,425,454号
(1969年2月4日)を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】55゜の角度での巻き付け物を有する強化チュ
ーブの例を示す。繊維体積分率は60%である。
【図2】マトリックス微小亀裂及びウィーピングのため
の格納限界を有する破壊包絡線を示す。
【図3】典型的なエポキシ系のパイプの壁内のガス又は
液体圧力によって誘発された応力を示す。巻き付け角度
は55゜である。
【図4】本発明で使用する大雑把なスプリングモデルに
於ける関係を示す。中心集合点(i)及び8個の機械的
に相互作用している隣接部(j)、(k)、(l)、
(m)、(n)、(o)、(p)及び(q)。kijは最
も近い隣接部2個間のスプリング定数であり、kikは次
に最も近い隣接部2個間のスプリング定数である。c
ijkは、ここでは結合ijとikとの間で示される結合
曲げ定数である。2個の結合の間の全ての平衡角度、即
ち、Θijk=Θikl=Θilm=Θimn=Θino=Θiop=Θ
ipq=Θiqj=Θ0=π/4である。
【図5】58%の体積分率を有する円筒形繊維を有する
典型的な積層体に適用した、シミュレーションモデルに
よる応力−歪プロットを示す。歪εは、シミュレーショ
ンモデルに従って、繊維軸に対して垂直の方向に適用さ
れる。
【図6】金属リボン/エポキシパイプの概略及びパイプ
壁断面を示す。
【図7】固定比Er/Em=24についてのS/SCの関
数としてのEtを示す。アスペクト比s/sC<1は荷重
移動性が、劣っているために望ましくない。アスペクト
比s/sC>5は、荷重移動が理想に近いけれども、加
工の容易性が低下する可能性がある。
【図8】l=L/2及びLO=L/4を有するリボン配
置についてのリボン複合体パイプ及び壁断面を示す。
【図9】l<0.02L及びLO=L/2を有するリボン
配置についてのリボン複合体パイプ及び壁断面を示す。
【図10】強化材のランダム配置についてのリボン複合
体パイプ及び壁断面を示す。
【図11】現在の±55゜ガラス繊維/エポキシパイプ
の破壊包絡線(黒四角、実線)と比較した、本発明であ
るガラスリボン/エポキシパイプの短期間破壊包絡線
(黒丸、破線)を示す。これらのリボンはアスペクト比
L/t=90(L及びtはそれぞれ、リボンの幅及び厚
さである)を有し、これらは90゜で(パイプ外周の周
りに)巻き付けられている。リボン配置は、重なりパラ
メータLO=L/5であり、隣接するリボンの縁の間の
距離l<L/10で、整列されている。
【図12】現在の±55゜ガラス繊維/エポキシパイプ
の破壊包絡線(黒四角、実線)と比較した、本発明であ
るガラスリボン/エポキシパイプの長期間破壊包絡線
(黒丸、破線)を示す。リボンはアスペクト比L/t=
90(L及びtはそれぞれ、リボンの幅及び厚さであ
る)を有し、これらは90゜で(パイプ外周の周りに)
巻き付けられている。リボン配置は、重なりパラメータ
O=L/5であり、隣接するリボンの縁の間の距離l
<L/10で、整列されている。
【図13】現在の±55゜ガラス繊維/エポキシパイプ
の破壊包絡線(黒四角、実線)と比較した、本発明であ
るガラスリボン/エポキシパイプの短期間破壊包絡線
(黒丸、破線)を示す。リボンはアスペクト比L/t=
90(L及びtはそれぞれ、リボンの幅及び厚さであ
る)を有し、これらは90゜で(パイプ外周の周りに)
巻き付けられている。リボン配置はランダムである。
【図14】現在の±55゜ガラス繊維/エポキシパイプ
の破壊包絡線(黒四角、実線)と比較した、本発明であ
るガラスリボン/エポキシパイプの長期間破壊包絡線
(黒丸、破線)を示す。リボンはアスペクト比L/t=
90(L及びtはそれぞれ、リボンの幅及び厚さであ
る)を有し、これらは90゜で(パイプ外周の周りに)
巻き付けられている。リボン配置はランダムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 23:00 (72)発明者 アレン・エス・シュー アメリカ合衆国ニュージャージー州07932、 フロラム・パーク、ラスティック・コート 8 (72)発明者 ラッセル・ロバート・ミューラー アメリカ合衆国ニュージャージー州07882、 ワシントン、ワシントン・ガーデンズ507 (72)発明者 マイケル・ポール・アンダーソン アメリカ合衆国ニュージャージー州08809、 クリントン、ウェストウェイ10

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)25%より小さい破断点引張伸び
    を有する、熱硬化性ポリマーを含有する管状ポリマーマ
    トリックスと、 (b)該管状ポリマーマトリックス内に埋め込まれたガ
    ラス繊維強化ストリップとを含む強化複合管状体。
JP9032975A 1996-01-30 1997-01-30 流体格納用の高ウィーピング強度ポリマー−ガラス繊維複合積層体 Pending JPH09207235A (ja)

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