JPH09205243A - レーザ用マグネトロンとその運用方法 - Google Patents

レーザ用マグネトロンとその運用方法

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JPH09205243A
JPH09205243A JP3295496A JP3295496A JPH09205243A JP H09205243 A JPH09205243 A JP H09205243A JP 3295496 A JP3295496 A JP 3295496A JP 3295496 A JP3295496 A JP 3295496A JP H09205243 A JPH09205243 A JP H09205243A
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JP
Japan
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magnetron
waveguide
microwave
anode
laser device
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Application number
JP3295496A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Sugiyama
勤 杉山
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP3295496A priority Critical patent/JPH09205243A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マグネトロン取付け精度と再現性の向上と、
放電不安定抑制にて、放電入力を安定にし、レーザを安
定化する。 【解決手段】 マグネトロンの底部継鉄板14にマグネ
トロン位置決め突起14aと継鉄の電気接触突起14c
を同心円状に配置し、底部継鉄板14と上部継鉄板13
を分割し、底部継鉄板14に上部継鉄板13の取付けの
位置決め部を設ける。マグネトロンを水冷構造とし、冷
却水配管11により並列配置のマグネトロン相互の位置
決めを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネトロンが発
生するマイクロ波を用いて気体レーザ媒質を励起し、加
工品に適合したレーザ光を出力し得るマイクロ波励起レ
ーザ装置に用いられるマグネトロンおよびその運用方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロ波励起レーザ装置として
は特開平7−122806号に記載されたものが知られ
ており、それに用いられるマグネトロンの構成としては
特開昭62−73529号に記載されたものが知られて
いる。
【0003】以下、図6,7に沿って従来の構成につい
て説明する。図6,7において、1は導波管、2a,2
bはマイクロ波共振器を作るプランジャ、3は導波管1
内のマイクロ波定在波を調整するスタブチューナ、4は
気体レーザ媒質を内包する放電管であり、図には示して
いないが、その両端には光共振器を構成する出力鏡や全
反射鏡等が配置されている。5a,5bはマグネトロン
においてマイクロ波発振を起こすのに必要な静磁界を発
生させる磁石、7aはマイクロ波が放出されるアンテナ
端子、7bはアンテナ端子7aを支えるアンテナ支持碍
子、9はマグネトロンを駆動する電気入力の接続端子ボ
ックスであり、図には示していないが駆動用電源が接続
されている。15は導波管1の一面に設けられ、マグネ
トロンのアンテナ端子7aを挿入するアンテナ挿入穴で
ある。40はマグネトロンのアノード、41は磁石5
a,5bの磁力線を閉じ込める継鉄、42はマグネトロ
ンの放熱フィン、43はマグネトロンの冷却ファンであ
る。
【0004】上記、図6,7の従来のマイクロ波励起レ
ーザ装置およびマグネトロンについて、各構成要素の関
係と動作を説明する。すなわち、導波管1の両端部には
プランジャ2a,2bが装着されており、プランジャ2
bの先端部から導波管1内に発生させるマイクロ波の定
在波波長の1/4の長さのところにマグネトロンのアン
テナ端子7aを挿入するアンテナ挿入穴15を設け、そ
の中心にアンテナ端子7aが位置するようにマグネトロ
ンを導波管1の上に取付ける。放電管4は、導波管1内
に発生したマイクロ波の定在波の電界分布が最大となる
付近にくるように電界方向と平行の導波管1の側面に穴
を開けて挿入される。
【0005】気体レーザ媒質が満たされた放電管4はマ
イクロ波電界を受けて内部で放電が生じ、気体レーザ媒
質を励起して、光共振器内にレーザ光を発生させる。
【0006】レーザ光は、放電管と同軸に光共振器内を
往復するので、光軸とマイクロ波電界分布の最大のとこ
ろが一致する時に最大の発振効率が得られるが、マグネ
トロンの特性やアンテナ端子7aの位置の誤差により放
電管4の位置に電界分布の最大となるところからずれる
ので、スタブチューナ3やプランジャ2aを用いて電界
分布が最適となるように精密に調整している。
【0007】また、放電管4内に気体レーザ媒質を流
し、図6に示す放電管4を直線上に複数連ねてマイクロ
波入力を高めている。この時、放電管4内には気体レー
ザ媒質の流れによりガスの流れに沿った圧力勾配があ
り、個々の導波管位置の圧力条件に応じた調整が必要と
なる。さらに、輸送や運転中の振動により導波管と放電
管の相対位置にずれが生ずると導波管の調整状態が最適
条件からずれる。
【0008】放電管4内に気体レーザ媒質を流している
時には、管軸付近で高く管壁付近で低い管径方向の圧力
勾配も生じている。そのため、電界分布の位置が放電管
4の管軸位置からずれ、ガス圧条件の異なるところにく
ると、放電が不安定となり、隣接した導波管1の作る放
電に影響を及ぼすので、複数の導波管の間で電界分布位
置の調整を揃える必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、上記す
る従来のマイクロ波励起レーザ装置では、マグネトロン
が導波管1内に発生する電界分布を最適に保つために、
マグネトロンを組みつける時やマグネトロンの内部ヒー
タの寿命により交換した時、複数の導波管を使用する時
には長時間をかけて電界分布の調整を行っていた。
【0010】本発明は、このような従来の問題点を解決
するものであり、マイクロ波励起レーザ装置の出力光を
安定化することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ために、本発明の第1の発明はマイクロ波励起レーザ装
置に用いるマグネトロンとしてマグネトロンの継鉄部に
位置決め機構を設け、導波管に取付ける際の位置決め精
度を高める。
【0012】本発明の第2の発明はマイクロ波励起レー
ザ装置に用いるマグネトロンとしてマグネトロンの継鉄
部を分割構造とし、導波管に固定した継鉄部にアンテナ
端子位置および、他方の継鉄部の取付けのガイドを設け
マグネトロン交換の際の位置再現精度を高める。
【0013】本発明の第3の発明はマイクロ波励起レー
ザ装置では、放電管に複数の導波管があり、導波管に付
けたマグネトロンを水冷構造として冷却配管を各マグネ
トロンの冷却部に貫通させ、冷却配管を筺体に固定し、
放電管に沿った導波管の相対位置を固定する。
【0014】本発明の第4の発明はマイクロ波励起レー
ザ装置に用いるマグネトロンとして、マイクロ波発振周
波数を摂動させて電界分布を揺さぶり、放電管内の放電
を散乱させる。
【0015】本発明の第5の発明はマイクロ波励起レー
ザ装置では、放電管に複数の導波管があり、導波管に付
けたマグネトロンを水冷構造とし、放電管内の気体レー
ザ媒質の流れ方向の上流から下流に向かい、マグネトロ
ンのアノードの冷却温度を低くなるように冷却する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載に係る発明
は、レーザ用マグネトロンを、マグネトロンのアンテナ
側の継鉄部に、アンテナと少なくとも2つ以上の同心円
状に配置した突起を設け、最も内側の突起を導波管のア
ンテナ挿入穴と嵌合し、最内部の突起以外の突起を導波
管外面に接触させたものであり、導波管にマグネトロン
を取付ける際に、継鉄部の位置決め突起によりマグネト
ロンのアンテナ位置を導波管上の定められた位置に精度
良く取付けられる作用を有する。
【0017】請求項2記載に係る発明は、レーザ用マグ
ネトロンを、マグネトロンの継鉄をアンテナが突出する
面を含む部分とそれ以外の部分とに分割し、アンテナが
突出する面を含む面の継鉄部分に他の一方の継鉄を取付
ける位置決めの突起を設けたものであり、マグネトロン
を交換する際に、導波管上には位置決め部を設けた片方
の継鉄を固定したまま消耗部品を含む部分を交換し、新
しいマグネトロンは導波管上に残した継鉄をガイドとし
て再度アンテナを同じ位置に取付けることができる作用
を有する。
【0018】請求項3記載に係る発明のマイクロ波励起
レーザ装置では、複数の導波管を隣接して配置し、マグ
ネトロンのアノードの冷却媒質を通す配管を金属で形成
して複数の導波管の全幅と概ね同長にしかつ筺体に固定
し、配管に沿って導波管上のマグネトロンを配設したも
のであり、冷却配管に沿って定められた位置間隔でマグ
ネトロン即ち導波管を配置でき、冷却配管がレーザ装置
筺体に固定されているので外部振動により導波管の位置
がずれない作用を有する。
【0019】請求項4記載に係る発明は、レーザ用マグ
ネトロンを、マグネトロンで静磁界を発生させる磁石の
磁界と平行の交番磁界を発生させるコイルを設けたもの
であり、交番磁界によりマグネトロンの発振作用の条件
である磁界強度に変調が与えられるためマグネトロンの
発振周波数が変化し、その結果、導波管内の電界分布の
摂動が生じて放電不安定の発生時に放電を散乱させて不
安定性を抑制する作用を有する。
【0020】請求項5記載に係る発明のマイクロ波励起
レーザ装置では、複数の導波管を放電部の気体レーザ媒
質の流れ方向に沿って隣接して配置し、気体レーザ媒質
の流れの上流から下流方向に向かってマグネトロンのア
ノードの温度が低くなるようにマグネトロンを冷却し
て、マイクロ波励起レーザ装置を運用するものであり、
アノード温度が高いほどアノード電圧が低下してマイク
ロ波出力が漸次低下するので、下流側の放電安定性に影
響を出しやすい上流側でマイクロ波入力を抑えて、放電
不安定性を起こしにくくし、放電管全体の放電安定性を
維持する作用を有する。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図1から図
5を用いて説明する。
【0022】(実施例1)図1は本発明の実施例1にお
けるレーザ用マグネトロンの概要構成を部分断面にて示
し、図2はそのアンテナ部分の詳細を示す。この実施例
1は、本発明の請求項1および2記載に係る発明を実施
したものである。
【0023】図1,2において、図6,7に示す従来例
と同一である部分は同一の記号を付記し、詳細な説明は
省略する。
【0024】構成要素として、6はマグネトロンのアノ
ード、7aはアンテナ端子、7bはアンテナ支持碍子、
7cはアンテナ底部、8は接続端子ボックス9とアノー
ド6をつなぐ電気接続部、10はアノード冷却ブロッ
ク、11は冷却水配管、12は冷却ブロック抑えであ
る。マグネトロンの継鉄部は上部継鉄板13と、アンテ
ナ側の継鉄部である底部継鉄板14とに分割されてい
て、底部継鉄板14にはマグネトロン位置決め突起14
aと継鉄のアンテナ挿入穴14b、継鉄の電気接触突起
14cを設ける。15は導波管1のアンテナ挿入穴、1
6は底部継鉄板14に取付けた下の磁石5bの下磁石取
付け板、17は継鉄固定ねじである。
【0025】以上の各構成要素の関係と動作について説
明する。このマイクロ波励起レーザ装置に用いるマグネ
トロンでは、円柱形状のアノード6の上下に電気接続部
8とアンテナ底部7cが同心上に取付けられており、接
続端子ボックス9を通して電気接続部8よりマグネトロ
ンの電極に電気入力が入る。そして、アンテナ底部7c
にはアンテナ支持碍子7bとアンテナ端子7aがあり、
発振したマイクロ波電界を放出する。電気接続部8とア
ンテナ底部7cには中央に穴の開いた円盤状の磁石5
a,5bが嵌め込まれており、下部の磁石5bはアンテ
ナ底部7cより抜き取ることができる。上下の磁石5
a,5bは上下方向に静磁界を発生させ、アノード内で
マグネトロンの発振を起こす。
【0026】また、上の磁石5aは接続端子ボックス9
との間に鉄等の磁力線を通す材質で作られ、下側に開口
を持つコの字型の上部継鉄板13を挟み込んでいる。下
の磁石5bの方は下磁石取付け板16を介して同じく鉄
等の磁力線を通す材質で作られた底部継鉄板14に固定
させている。
【0027】下側の底部継鉄板14の両端は上側の上部
継鉄板13の開口の内側の幅と同じ幅の部分で上側に折
り曲げられており、上部継鉄板13および底部継鉄板1
4の先端にはねじ穴が設けられ、継鉄固定ねじ17によ
り締結されて、上下の磁石5a,5bの作る磁力線を継
鉄板内に閉じ込め、アノード6部分の磁界を強めてい
る。
【0028】下側の底部継鉄板14の中央にはアンテナ
端子7aを通す継鉄のアンテナ挿入穴14bがあり、そ
の継鉄のアンテナ挿入穴14bの中央にアンテナ端子7
aが入るように下の磁石5b,下磁石取付け板16が配
置されている。さらに、継鉄のアンテナ挿入穴14bの
内縁は外側に折り曲げられている。折り曲げ部の外径は
導波管1のアンテナ挿入穴15の穴径と嵌め合い状態に
あり、折り曲げの立ち上がり寸法は導波管1の肉厚と略
等しく、マグネトロンを導波管に取付ける際に環状に折
り曲げて設けたマグネトロン位置決め突起14aが位置
決めのガイドとなる。
【0029】下側の底部継鉄板14の環状のマグネトロ
ン位置決め突起14aの外側には、底部継鉄板14の表
面をひっかいて起こした複数の三角突起状の継鉄の電気
接触突起14cが同心円状に等間隔で配置してあり、マ
グネトロンを導波管1に取付けた際に三角突起状の継鉄
の電気接触突起14cの先端が導波管1の表面に食い込
み、マグネトロンと導波管1の電気的接触を確保する。
【0030】アノード冷却ブロック10はアノード6を
取り巻き、両側に設けた半円柱状の溝に冷却水配管11
を押し付けて、アノード6の熱を奪う。冷却水配管11
の固定には上部継鉄板13の内側に取付けて上部より下
部に従い薄くなっている冷却ブロック抑え12が上部継
鉄板13を取付けると同時に行う。
【0031】以上の構成としたことにより、マグネトロ
ンを導波管に取付ける際には環状に折り曲げて設けたマ
グネトロン位置決め突起14aが導波管1のアンテナ挿
入穴15に嵌まり、アンテナの位置決めのガイドとな
る。
【0032】そして、継鉄部が上部継鉄板13と底部継
鉄板14に分割でき、導波管1に固定したままの底部継
鉄板14の中央にはアンテナ端子7aを通す継鉄のアン
テナ挿入穴14bがあり、穴の中央にアンテナ端子7a
が入るように下の磁石5b,下磁石取付け板16が配置
されているため、マグネトロンを交換する際に底部継鉄
板14の両端の折り曲げ部が、上部継鉄板13の開口を
装着するガイドとなり、かつ下の磁石5bと下磁石取付
け板16がアンテナ位置のガイドとして作用するので、
交換取付けにおいてもアンテナ位置の再現性を得ること
ができる。
【0033】(実施例2)次に、本発明の実施例2につ
いて、図3を参照しながら説明する。
【0034】図3は、本発明の実施例2のマイクロ波励
起レーザ装置の放電部分の概略構成を示しており、図
6,7に示す従来例と同一である部分は同一の記号を付
記し、詳細な説明は省略する。図3において、構成要素
として1a,1b,1cは導波管、4は放電管、4a,
4bは放電管4の支持フランジ、6a,6b,6cはマ
グネトロンを上部より見た時のアノード、10a,10
b,10cおよび10A,10B,10Cはアノード冷
却ブロック、18は冷却水配管、19a,19bは冷却
水配管固定金具があり、他に図には示していないがレー
ザ装置の筺体がある。
【0035】次に、各構成要素の関係と動作について説
明する。放電管4内には気体レーザ媒質が流れており、
流れに沿って、3つの導波管1a,1b,1cが定めら
れた間隔で配置されている。放電管4の両端には支持フ
ランジ4a,4bがあり図には示していないが共振器に
取付けられる。放電管4は導波管1a,1b,1cの一
方の端部に開けた穴を通っており、導波管の反対側には
マグネトロンが取付けられている。
【0036】3つの導波管1a,1b,1cの取付けら
れたマグネトロンの3つのアノード6a,6b,6cは
放電管4と平行に同一線上に並んでいる。アノード6
a,6b,6cには導波管の長手方向よりアノード冷却
ブロック10a,10b,10cと10A,10B,1
0Cが挟み付けられている。各アノード冷却ブロック1
0a,10b,10c,10A,10B,10Cの側面
には半円状の溝が設けられ、溝は放電管4と平行に並ん
でいる。
【0037】U字型に折り曲げた冷却水配管18は例え
ば、ステンレス鋼で作られており、外径はアノード冷却
ブロック10a,10b,10c,10A,10B,1
0Cの半円溝の径と同一である。冷却水配管18の幅
は、アノード冷却ブロック10a,10b,10c,1
0A,10B,10Cの幅と略同じで冷却水配管固定金
具19a,19bにてアノード冷却ブロック10a,1
0b,10c,10A,10B,10Cに押し付けられ
るようにしている。さらに、冷却水配管固定金具19
a,19bはレーザ装置の筺体に固定される。
【0038】その結果、冷却水配管18をアノード冷却
ブロック10a,10b,10c,10A,10B,1
0Cに押し付けることによりマグネトロンが定められた
位置間隔を保ったままレーザ装置の筺体に固定されるの
で、マグネトロンに振動等の加速度が加わっても放電管
に対する相対位置を保つことができると同時に、冷却水
配管18上にマグネトロン即ち導波管1の最適な取付け
位置を記録させておくことにより、マグネトロンないし
は導波管の取付けの位置決めが容易になる。
【0039】(実施例3)次に、本発明の実施例3につ
いて、図4を参照しながら説明する。
【0040】図4は、本発明の実施例3のレーザ用マグ
ネトロンの概要構成を部分断面にて示しており、図6,
7に示す従来例ないしは実施例1を示す図1,2と同一
部分の詳細な説明は省略する。
【0041】図4において、構成要素として20はアノ
ード冷却ブロック、21はアノード冷却ブロック抑え、
22aはコイルボビン、22bはコイル巻線、23はコ
イル電源、23a,23bはコイル電源出力、24は出
力指令信号である。
【0042】次に、各構成要素の関係と動作について説
明する。このマイクロ波励起レーザ装置に用いるマグネ
トロンでは、円柱形状のアノード6の上下の電気接続部
8とアンテナ底部7cが同心上に取付けられている。上
の磁石5aの下には、コイルボビン22aにコイル巻線
22bを巻いたコイルがあり、コイル巻線22bに通電
すると、上下の磁石5a,5bの発する磁界と平行の磁
界が発生する。
【0043】コイル巻線22bには交流のコイル電源2
3のコイル電源出力23a,23bが接続され、コイル
電源23はレーザの出力指令信号24を入力して、一定
以上のマイクロ波を発生させる時にコイル電源23を動
作させ、コイル巻線22bに通電する。
【0044】コイルボビン22aの下には、アノード冷
却ブロック20があり、アノード6を取り巻き、両側に
設けた半円柱状の溝に冷却水配管11を押し付けて、ア
ノード6の熱を奪う。冷却水配管11の固定には上部継
鉄板13の内側に取付けて上部より下部に従い薄くなっ
ている冷却ブロック抑え21が上部継鉄板13を取付け
ると同時に行う。
【0045】以上の構成としたことにおいて、コイル電
源23を動作させる限界値を、放電管内で放電の不安定
が発生し始めるマイクロ波入力に設定する。放電の不安
定が起こりそうになり、コイル巻線22bに交流電流が
通電されることにより発生する交番電磁界が、上下の磁
石5a,5bの作る静磁界に重畳されるため、マグネト
ロン内のマイクロ波発振条件が静磁界のみの時の条件を
中心に前後摂動する。
【0046】そして、マグネトロンの発振周波数が摂動
し、導波管内の定在波形状が変動を受けて放電管付近で
の電界分布が変わる。コイル巻線22bに通電する電流
を調整してやると、マグネトロンの許容発振周波数内で
発振周波数を変動させることが可能となり、放電管付近
での電界分布の揺らぎにより、不安定放電を放電管内で
揺さぶり散乱させて、抑制することができる。
【0047】(実施例4)次に、本発明の実施例4につ
いて、図5を参照しながら説明する。
【0048】図5は、本発明の実施例4のマイクロ波励
起レーザ装置の放電部分の概略構成を示しており、図
6,7に示す従来例ないしは実施例2を示す図3と同一
部分の詳細な説明は省略する。
【0049】図5において、構成要素としては、25
a,25b,25c,25A,25B,25Cはアノー
ド冷却ブロック、26は冷却水の流れを開閉する電磁
弁、27a,27bは冷却水流量調整弁、28は温度制
御器で、28aはその制御器出力、29は温度センサで
29aは温度センサ信号、30a,30b,30c,3
0dは冷却水分岐、31a,31b,31c,31d,
31eは冷却水の上流側の冷却水配管、32a,32
b,32cはアノード冷却ブロック25a,25Aの冷
却水配管、33a,33b,33cはアノード冷却ブロ
ック25b,25Bの冷却水配管、34a,34b,3
4c,34dはアノード冷却ブロック25c,25Cの
冷却水配管、35は冷却水の排水側の冷却水配管であ
る。
【0050】次に、各構成要素の関係と動作について説
明する。放電管4内には気体レーザ媒質が流れており、
流れに沿って、上流より下流に向かって3つの導波管1
a,1b,1cが定められた間隔で配置されている。放
電管4の両端には支持フランジ4a,4bがあり図には
示していないが共振器に取付けられる。放電管4は導波
管1a,1b,1cの一方の端部に開けた穴を通ってお
り、導波管の反対側にはマグネトロンが取付けられてい
る。
【0051】3つの導波管1a,1b,1cに取付けら
れた3つのマグネトロンのアノードには各々アノード冷
却ブロック25a,25b,25cと25A,25B,
25Cが挟み付けられている。各アノード冷却ブロック
25a,25b,25c,25A,25B,25Cには
図示はしていないが冷却水を通す穴と冷却水配管を接続
する継ぎ手が設けられている。
【0052】アノードを冷却する冷却水は冷却水配管3
1aより入り、冷却水分岐30aで電磁弁26と冷却水
流量調整弁27aに入る冷却水配管31b,31dにわ
かれる。電磁弁26と冷却水流量調整弁27aを出た冷
却水配管31c,31eを通して冷却水分岐30bにて
再度1本に集められ冷却水配管32aを経てアノード冷
却ブロック25aに入る。アノード冷却ブロック25a
を出た水は冷却水配管32bを経てアノード冷却ブロッ
ク25Aに入り冷却水配管32eより出る。冷却水配管
32eに入った水は冷却水分岐30cで分割され、一方
は冷却水配管33aを経てアノード冷却ブロック25b
に入り、他方は冷却水配管33cを経て冷却水流量調整
弁27bに入る。アノード冷却ブロック25bに入った
水は冷却水配管33bを経てアノード冷却ブロック25
Bに入り、さらに冷却水配管34aを経てアノード冷却
ブロック25cを通過し、冷却水配管34bを経てアノ
ード冷却ブロック25Cに至る。アノード冷却ブロック
25Cを出た水は冷却水配管34cを経て、冷却水流量
調整弁27bを出て冷却水配管34dを経た水と冷却水
分岐30dにて合わせられ、冷却水配管35より排出さ
れる。
【0053】電磁弁26は温度制御器28により開閉制
御され、アノード冷却ブロック25aに取付けられた温
度センサ29の検出するアノード冷却ブロック25aの
温度が制限値を超えると温度制御器28は電磁弁26を
開き、下回ると閉じる。
【0054】以上のような構成において、アノード冷却
ブロック25aの温度を一定に保つように冷却水を制御
することにより導波管1cに取付けられたマグネトロン
は一定温度に冷却される。さらに、ガスの上流側に位置
する導波管1a,1bのマグネトロンにはガス下流側の
導波管1cのマグネトロンの冷却水を分割して流すた
め、導波管1cのマグネトロンよりも冷却能力が低下
し、アノード温度が上昇する。
【0055】マグネトロンはアノード温度の上昇に反し
てアノード電圧が低下してマイクロ波出力が低下する性
質がある。そのため、同一の電気入力に対して、図5に
示す実施例では、ガスの上流側の導波管1a,1bのマ
グネトロンのマイクロ波出力は、ガスの下流側の導波管
1cのマグネトロンのマイクロ波出力よりも低下する。
ガス流のある放電間内では同一マイクロ波出力に対して
上流側ほど放電不安定が起こりやすく、かつ上流側で発
生した放電不安定が下流側に伝播して不安定が増幅され
ることから、ガスの上流側の放電不安定を起こさない範
囲にマイクロ波の出力をとどめつつ、下流側のマグネト
ロンでは、さらにマイクロ波出力を上げることができ
る。
【0056】従って、放電管4内では、放電の不安定が
拡がりにくく、放電を安定に保つことができる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のレーザ用
マグネトロンとその運用方法によれば、導波管内のマグ
ネトロンのアンテナ位置の精度が向上し、放電管に対し
て最適の電界分布状態を維持できる。さらに、放電の不
安定を抑制し、かつ隣接導波管への不安定伝播をも抑制
するので、常にマイクロ波入力を適性に保つことができ
る。その結果、レーザ出力を安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のレーザ用マグネトロンの概
要構成を示す部分断面図
【図2】本発明の実施例1のレーザ用マグネトロンのア
ンテナ部を示す部分詳細図
【図3】本発明の実施例2のマイクロ波励起レーザ装置
の放電部の部分概略構成図
【図4】本発明の実施例3のレーザ用マグネトロンの概
要構成を示す部分断面図
【図5】本発明の実施例4のマイクロ波励起レーザ装置
の放電部の部分概略構成図
【図6】従来のマイクロ波励起レーザ装置の放電部の部
分概略構成図
【図7】従来のレーザ用マグネトロンの概要構成を示す
部分断面図
【符号の説明】
1,1a,1b,1c 導波管 2a,2b プランジャ 3 スタブチューナ 4 放電管 4a,4b 放電管支持フランジ 5a,5b 磁石 6,6a,6b,6c アノード 7a アンテナ端子 7b アンテナ支持碍子 7c アンテナ底部 8 電気接続部 9 接続端子ボックス 10,10a,10b,10c,10A,10B,10
C,20,25a,25b,25c,25A,25B,
25C アノード冷却ブロック 11,18,31a,31b,31c,31d,31
e,32a,32b,32c,33a,33b,33
c,34a,34b,34c,34d,35 冷却水配
管 12,21 冷却ブロック抑え 13 上部継鉄板 14 底部継鉄板 14a マグネトロン位置決め突起 14b 継鉄のアンテナ挿入穴 14c 継鉄の電気接触突起 15 アンテナ挿入穴 16 下磁石取付け板 17 継鉄固定ねじ 19a,19b 冷却水配管固定金具 22a コイルボビン 22b コイル巻線 23 コイル電源 23a,23b コイル電源出力 24 出力指令信号 26 電磁弁 27a,27b 冷却水流量調整弁 28 温度制御器 28a 制御器出力 29 温度センサ 29a 温度センサ信号 30a,30b,30c,30d 冷却水分岐 40 マグネトロンのアノード 41 継鉄 42 マグネトロンの放熱フィン 43 マグネトロンの冷却ファン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体レーザ媒質を内部に封入した放電部
    と、出力鏡と全反射鏡を有する光共振器と、マグネトロ
    ンと、マイクロ波を放電部に伝送する導波管と、マグネ
    トロンを駆動する電源を備えたマイクロ波励起レーザ装
    置に用いるマグネトロンにおいて、前記マグネトロンの
    アンテナ側の継鉄部に、アンテナと少なくとも2つ以上
    の同心円状に配置した突起を設け、最も内側の前記突起
    を前記導波管のアンテナ挿入穴と嵌合し、前記最内部の
    突起以外の突起を導波管外面に接触させたことを特徴と
    するレーザ用マグネトロン。
  2. 【請求項2】 気体レーザ媒質を内部に封入した放電部
    と、出力鏡と全反射鏡を有する光共振器と、マグネトロ
    ンと、マイクロ波を放電部に伝送する導波管と、マグネ
    トロンを駆動する電源を備えたマイクロ波励起レーザ装
    置に用いるマグネトロンにおいて、前記マグネトロンの
    継鉄をアンテナが突出する面を含む部分とそれ以外の部
    分とに分割し、前記アンテナが突出する面を含む面の継
    鉄部分に他の一方の継鉄を取付ける位置決めの突起を設
    けたことを特徴とするレーザ用マグネトロン。
  3. 【請求項3】 気体レーザ媒質を内部に封入した放電部
    と、出力鏡と全反射鏡を有する光共振器と、複数のマグ
    ネトロンと、マイクロ波を放電部に伝送する複数の導波
    管と、マグネトロンを駆動する電源と、筺体を備えたマ
    イクロ波励起レーザ装置において、前記複数の導波管を
    隣接して配置し、前記マグネトロンのアノードの冷却媒
    質を通す配管を金属で形成して前記複数の導波管の全幅
    と概ね同長にしかつ筺体に固定し、配管に沿って導波管
    上のマグネトロンを配設したことを特徴とするマイクロ
    波励起レーザ装置。
  4. 【請求項4】 気体レーザ媒質を内部に封入した放電部
    と、出力鏡と全反射鏡を有する光共振器と、マグネトロ
    ンと、マイクロ波を放電部に伝送する導波管と、マグネ
    トロンを駆動する電源を備えたマイクロ波励起レーザ装
    置に用いるマグネトロンにおいて、前記マグネトロンで
    静磁界を発生させる磁石の磁界と平行の交番磁界を発生
    させるコイルを設けたことを特徴とするレーザ用マグネ
    トロン。
  5. 【請求項5】 気体レーザ媒質を内部に封入した放電部
    と、出力鏡と全反射鏡を有する光共振器と、複数のマグ
    ネトロンと、マイクロ波を放電部に伝送する複数の導波
    管と、マグネトロンを駆動する電源を備えたマイクロ波
    励起レーザ装置において、前記複数の導波管を前記放電
    部の気体レーザ媒質の流れ方向に沿って隣接して配置
    し、気体レーザ媒質の流れの上流から下流方向に向かっ
    て前記マグネトロンのアノードの温度が低くなるように
    前記マグネトロンを冷却するように用いることを特徴と
    するマイクロ波励起レーザ装置の運用方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7855495B2 (en) * 2007-08-08 2010-12-21 Panasonic Corporation Magnetron with relatively fixed yoke and cooling block by means of a cushioning material and fixing member

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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