JPH09204272A - 表示一体型タブレット装置 - Google Patents

表示一体型タブレット装置

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JPH09204272A
JPH09204272A JP9026287A JP2628797A JPH09204272A JP H09204272 A JPH09204272 A JP H09204272A JP 9026287 A JP9026287 A JP 9026287A JP 2628797 A JP2628797 A JP 2628797A JP H09204272 A JPH09204272 A JP H09204272A
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electrode
scanning
display
signal
voltage
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JP9026287A
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English (en)
Inventor
Kosei Tagawa
孝生 田川
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示画面上が見易く、コンパクト化、低コス
ト化が難しかった。 【解決手段】 切り替え回路7は、制御回路10の制御
に従って座標検出期間には検出制御回路6側を切り替え
選択する。そして、検出制御回路6からの各信号に基づ
いて、セグメント駆動回路3はセグメント電極走査信号
を生成して、液晶パネル1のセグメント電極Xを順次走
査する。続いて、コモン駆動回路2は、コモン電極走査
信号を生成してコモン電極Yを順次走査する。これらの
走査時には、走査電圧の印加方向を切り替えないように
制御する。X座標検出回路8およびY座標検出回路9
は、電子ペン11の先端電極に誘起された誘導電圧に基
づいて、電子ペン11先端のX座標およびY座標を検出
する。また、表示期間には、表示制御回路4側を切り替
え選択して液晶パネル1に画像を表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パーソナルコン
ピュータやワードプロセッサ等に用いられる表示機能が
一体化された表示一体型タブレット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、表示部とタブレットとを積層して
一体に構成した表示部一体型タブレット装置がある。図
35はこの表示部一体型タブレット装置に用いられる静
電誘導タブレット及びその駆動部の概略構造を示す。
【0003】静電誘導タブレット101は、列電極X1,
2,…,Xm(以下、任意の列電極をXと記載する)が平行
に配列されたガラス基板と行電極Y1,Y2,…,Yn(以
下、任意の行電極をYと記載する)が平行に配列された
ガラス基板とを両電極を直交させかつ対向させて、スペ
ーサ(透明性の接着剤等)を介して固定して形成されてい
る。そして、各行電極Yは行電極シフトレジスタ102
に接続されている一方、各列電極Xは列電極シフトレジ
スタ103に接続されている。
【0004】その際に、上記列電極Xおよび行電極Yは
酸化インジュウム(ITO)等によって略透明に形成され
ている。
【0005】上記行電極シフトレジスタ102および列
電極シフトレジスタ103はタイミング発生回路104
に接続されている。また、このタイミング発生回路10
4にはx座標検出回路107およびy座標検出回路10
8が接続されている。上記x座標検出回路107は、タ
イミング発生回路104からの信号と電子ペン105か
らオペレーショナル・アンプ106を介して入力される
信号とに基づいて電子ペン105の先端のx座標を検出
して、x座標を表すx座標信号を出力する。同様にし
て、上記y座標検出回路108は、電子ペン105の先
端のy座標を表すy座標信号を出力する。
【0006】このように構成された静電誘導タブレット
101は略85%の光透過率を有する。したがって、こ
の静電誘導タブレット101を液晶ディスプレイ上に積
層しても、静電誘導タブレット101を介して液晶ディ
スプレイの表示画面を見ることができるのである。そこ
で、上述のように、静電誘導タブレット101を液晶デ
ィスプレイ上に積層して表示部一体型タブレット装置を
構成して、液晶ディスプレイ上の座標を静電誘導タブレ
ット101と電子ペン105とによってペン入力できる
のである。
【0007】上記構成の静電誘導タブレット101およ
びその駆動部は、次のように動作する。
【0008】すなわち、まず上記タイミング発生回路1
04から列電極シフトレジスタ103にシフトデータと
クロック信号が送出される。そうすると、図36に示す
ような列電極走査信号の走査パルスが列電極シフトレジ
スタ103から各列電極Xに順次印加される。次に、同
様にして、図36に示すような行電極走査信号の走査パ
ルスが行電極シフトレジスタ102から各行電極Yに順
次印加される。その際に、静電誘導タブレット101の
表面に電子ペン105を接近させる。
【0009】そうすると、電子ペン105の先端電極
(図示せず)と列電極Xおよび行電極Yとは夫々浮遊容量
で結合されているので、電子ペン105の先端電極には
図37(a)に示すような誘導電圧が誘起する。ここで、
上記先端電極にはオペレーショナル・アンプ106が接
続されて、電子ペン105の先端電極の入力側のインピ
ーダンスがリード線側のインピーダンスよりも高く設定
されている。
【0010】こうして上記先端電極に誘起された誘導電
圧に基づいて、以下に述べるようにして電子ペン105
の先端座標を検出するのである。
【0011】すなわち、電子ペン105から出力された
図37(a)に示すような波形の誘導電圧信号は、ローパ
スフィルタおよびアンプを介して、図37(b)に示すよ
うな波形の信号となってx座標検出回路107あるいは
y座標検出回路108に入力される。
【0012】上記x座標検出回路107は、タイミング
発生回路104からのクロック信号と電子ペン105か
らの信号とに基づいて、列電極シフトレジスタ103か
ら列電極X1に図36に示すような走査信号のパルスが
印加されて列電極Xの走査が開始されてから電子ペン1
05からの信号における波形のピークが入力されるまで
の時間(図37(b)におけるTs)を計測する。そして、こ
の計測値に基づいて電子ペン105の先端のx座標を表
すx座標信号を出力する。
【0013】同様にして、上記y座標検出回路108
は、行電極Yの走査が開始されてから電子ペン105か
らの信号における波形のピークが入力されるまでの時間
を計測する。そして、この計測値に基づいて電子ペン1
05の先端のy座標を表すy座標信号を出力するのであ
る。
【0014】その際における時間Tsの計測は、行電極
シフトレジスタ102または列電極シフトレジスタ10
3に印加されるクロック信号のパルス数をカウントする
ことによって計測される。
【0015】また、次のような方法によって電子ペン1
05の先端座標をより正確に算出することも可能であ
る。すなわち、x座標検出回路107は、図37(a)に
示すような電子ペン105からの信号の階段状の波形に
おける各階段の波高値を最大波高値で正規化する。その
後、最大波高値を呈した際に走査信号が印加されている
列電極Xm1のx座標(すなわち、電子ペン105の先端
に最も近い列電極Xm1のx座標:最大波高値に係る時間
Tsから求められる)と2番目に高い波高値を呈した際に
走査信号が印加されている列電極Xm2のx座標(すなわ
ち、電子ペン105の先端に2番目に近い列電極Xm2
x座標:上記2番目に高い波高値に係る時間Tsから求
められる)との間を上記最大波高値と2番目に高い波高
値との比に応じて分割する。こうして、列電極Xm1と列
電極Xm2との間に位置する電子ペン105の先端のx座
標を求めるのである。
【0016】同様にして、y座標検出回路108は、電
子ペン105からの信号における最大波高値と2番目に
高い波高値との比に基づいて、電子ペン105の先端に
最も近い行電極Yn1と2番目に近い行電極Yn2との間に
位置する電子ペン105の先端のy座標を求めるのであ
る。
【0017】こうすることによって、各列電極Xのピッ
チあるいは各行電極Yのピッチが粗い場合であっても、
電子ペン105の先端座標を精度良く算出できるのであ
る。なお、電子ペン105からの信号における階段状の
波形の各階段の波高値を最大波高値で正規化するのは、
電子ペン105の先端が静電誘導タブレット101の表
面から離れている場合であっても誤差が生じないように
するためである。
【0018】上述のように、静電誘導タブレット101
は、比較的構造が簡単であるにも拘わらず、高い精度で
電子ペン105の先端座標を得ることができ、小型コン
ピュータ等に多く用いられている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述のような静電誘導
タブレット101と液晶ディスプレイとを積層して、静
電誘導タブレット101上における電子ペン105の先
端座標に対応する液晶ディスプレイ上の画素を表示する
ような表示部一体型タブレット装置を構成する。この表
示部一体型タブレット装置は、上記電子ペン105の先
端で静電誘導タブレット101の表面をなぞってペン入
力された文字や図形を液晶ディスプレイの表示画面に表
示することによって、恰も紙にボールペン等の筆記用具
で書く感覚で文字や図形を入力できるのである。
【0020】しかしながら、上述のような表示部一体型
タブレット装置には次のような問題がある。
【0021】まず、上記液晶ディスプレイの表示画面上
を見ながら電子ペン105によって静電誘導タブレット
101の表面をなぞる場合に、液晶ディスプレイの表示
画面が見にくいという問題がある。すなわち、上述のよ
うに、静電誘導タブレット101の列電極Xや行電極Y
はガラスやプラスチック等の透明基板上に酸化錫や酸化
インジウム等によって略透明に形成されている。
【0022】ところが、こうして形成された電極の光透
過率は略85%と基板の光透過率に比較してあまり高く
なく曇りもある。また、電極は格子状に規則正しく配列
されている。そのために、静電誘導タブレット101の
電極X1,X2,…,Xm,Y1,Y2,…,Ynは思いの外目立つ
のである。この現象は、バックライトの無い簡易型の表
示部一体型タブレットにおいて特に顕著である。
【0023】また、上記液晶ディスプレイの表示画面上
が静電誘導タブレット101の電極X1,X2,…,Xm,
1,Y2,…,Ynによって覆われる面積が比較的大きい。
その結果、液晶ディスプレイの表示画面が暗くなり、か
つコントラストが低くなるという問題もある。
【0024】また、上記液晶ディスプレイと静電誘導タ
ブレット101とが別々に構成されているために、液晶
ディスプレイと静電誘導タブレット101とを積層して
一体に組み立てる際に、液晶ディスプレイと静電誘導タ
ブレット101との対応する位置がずれる場合がある。
【0025】この場合には、ペン入力した液晶ディスプ
レイ上の位置(電子ペン105の先端によって指示した
位置)とこのペン入力によって液晶ディスプレイの表示
画面に表示された画素の位置とにずれが生じてしまう。
したがって、恰も紙にボールペン等の筆記用具で書く感
覚で文字や図形を入力することができないという問題が
ある。
【0026】さらに、別々に形成された上記液晶ディス
プレイと静電誘導タブレット101とを一体に積層して
構成しているので、得られる表示部一体型タブレットは
大型となり重量も重くなる。したがって、需要者が望む
小型コンピュータやワードプロセッサのコンパクト化に
は大きな妨げとなるという問題もある。また、コストア
ップの要因になるという問題もある。
【0027】そこで、この発明の第1の目的は、表示画
面上の位置を電子ペンによってペン入力する際に表示画
面上が見易く、かつ、コンパクト化および低コスト化が
容易な表示一体型タブレット装置を提供することにあ
る。
【0028】さらに、この発明の第2の目的は、上記第
1の目的を達成するに際して、電子ペンの先端のx座標
とy座標とを同時に検出可能な表示一体型タブレット装
置を提供することにある。
【0029】さらに、この発明の第3の目的は、上記第
1の目的を達成するに際して、誘導電圧信号の誤検出を
防止できる表示一体型タブレット装置を提供することに
ある。
【0030】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の表示一
体型タブレット装置は、それぞれ互いに異なる方向に沿
って配列された複数の第1電極及び複数の第2電極を有
し、第1電極と第2電極とが交差する箇所に対応した画
素を有する表示パネルと、第1電極及び第2電極と容量
結合され、上記表示パネル表面の位置を指示する指示手
段と、第1電極を駆動する第1電極駆動手段と、第2電
極を駆動する第2電極駆動手段と、第1電極駆動手段と
第2電極駆動手段とを制御して各画素に対応した電圧を
第1電極及び第2電極に印加して所望画像を表示する表
示期間を設定する表示制御手段と、第1電極駆動手段を
制御して第1電極に順次走査電圧を印加する第1走査期
間と第1走査期間に続いて第2電極駆動手段を制御して
第2電極に順次走査電圧を印加する第2走査期間とを設
定すると共に、走査開始からの時間を計時する検出制御
手段と、上記指示手段と上記検出制御手段で印加された
走査電圧との容量結合により上記指示手段に誘起された
誘導電圧と上記検出制御手段で計時された時間とに基づ
いて上記指示手段の座標検出を行う座標検出手段と、上
記表示制御手段と上記検出制御手段とを交互に切り替え
制御する切替制御手段と、上記座標検出手段を制御し
て、第1走査期間に上記指示手段に誘起された誘導電圧
のみを有効にする一方、第2走査期間に上記指示手段に
誘起された誘導電圧のみを有効にする制御手段とを備え
たことを特徴とする。
【0031】請求項2に記載の表示一体型タブレット装
置は、それぞれ互いに異なる方向に沿って配列された複
数の第1電極及び複数の第2電極を有し、第1電極と第
2電極とが交差する箇所に対応した画素を有する表示パ
ネルと、第1電極及び第2電極と容量結合され、上記表
示パネル表面の位置を指示する指示手段と、第1電極を
駆動する第1電極駆動手段と、第2電極を駆動する第2
電極駆動手段と、第1電極駆動手段と第2電極駆動手段
とを制御して各画素に対応した電圧を第1電極及び第2
電極に印加して所望画像を表示する表示期間を設定する
表示制御手段と、第1電極駆動手段と第2電極駆動手段
とを制御して第1電極または第2電極に順次走査電圧を
第1の周波数で印加する走査期間を設定すると共に、走
査開始からの時間を第2の周波数で計時する検出制御手
段と、上記指示手段と上記検出制御手段で印加された走
査電圧との容量結合により上記指示手段に誘起された誘
導電圧と上記検出制御手段で計時された時間とに基づい
て上記指示手段の座標検出を行う座標検出手段と、上記
表示制御手段と上記検出制御手段とを交互に切り替え制
御する切替制御手段とを備え、第2の周波数は第1の周
波数より高い値に設定していることを特徴とする。
【0032】請求項3に記載の表示一体型タブレット装
置は、それぞれ互いに異なる方向に沿って所定間隔で配
列された複数の第1電極及び複数の第2電極を有し、第
1電極と第2電極とが交差する箇所に対応した画素を有
する表示パネルと、第1電極及び第2電極と容量結合さ
れ、上記表示パネル表面の位置を指示する指示手段と、
第1電極を駆動する第1電極駆動手段と、第2電極を駆
動する第2電極駆動手段と、第1電極駆動手段と第2電
極駆動手段とを制御して各画素に対応した電圧を第1電
極及び第2電極に印加して所望画像を表示する表示期間
を設定する表示制御手段と、第1電極駆動手段を制御し
て第1電極に順次走査電圧を印加するのと並行して第2
電極駆動手段を制御して第2電極に順次走査電圧を印加
する走査期間を設定すると共に、走査開始からの時間を
計時する検出制御手段と、上記走査期間の各走査電圧に
高周波成分を重畳する高周波発生制御手段と、上記指示
手段と上記検出制御手段で印加された走査電圧との容量
結合により上記指示手段に誘起された高周波成分を含む
誘導電圧と上記検出制御手段で計時された時間とに基づ
いて上記指示手段の座標検出を行う座標検出手段と、上
記表示制御手段と上記検出制御手段とを交互に切り替え
制御する切替制御手段とを備え、上記高周波発生制御手
段は、上記走査期間に第1電極に印加する走査電圧に重
畳する高周波成分の第1周波数と第2電極に印加する走
査電圧に重畳する高周波成分の第2周波数とが異なるよ
うに設定し、上記座標検出手段は、第1周波数と第2周
波数とを上記指示手段に誘起された誘導電圧から分離抽
出する抽出手段を有し、抽出された高周波成分と上記検
出制御手段で計時された印加タイミングとに基づいて上
記指示手段の座標検出を行うことを特徴とする。
【0033】請求項4に記載の表示一体型タブレット装
置は、請求項3に記載の表示一体型タブレット装置にお
いて、第1周波数と第2周波数とが互いに奇数倍の周波
数以外に設定されていることを特徴とする。
【0034】請求項5に記載の表示一体型タブレット装
置は、それぞれ互いに異なる方向に沿って配列された複
数の第1電極及び複数の第2電極を有し、第1電極と第
2電極とが交差する箇所に対応した画素を有する表示パ
ネルと、第1電極及び第2電極と容量結合され、上記表
示パネル表面の位置を指示する指示手段と、第1電極を
駆動する第1電極駆動手段と、第2電極を駆動する第2
電極駆動手段と、第1電極駆動手段と第2電極駆動手段
とを制御して各画素に対応した電圧を第1電極及び第2
電極に印加して所望画像を表示する表示期間を設定する
表示制御手段と、第1電極駆動手段と第2電極駆動手段
とを制御して第1電極または第2電極に順次走査電圧を
印加する走査期間を設定すると共に、走査開始からの時
間を計時する検出制御手段と、上記指示手段と上記検出
制御手段で印加された走査電圧との容量結合により上記
指示手段に誘起された誘導電圧と上記検出制御手段で計
時された時間とに基づいて上記指示手段の座標検出を行
う座標検出手段と、上記表示制御手段と上記検出制御手
段とを交互に切り替え制御する切替制御手段と、上記検
出制御手段は、第1電極または第2電極の複数本の電極
ごとに同時に走査電圧を印加することを特徴とする。
【0035】請求項6に記載の表示一体型タブレット装
置は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、また
は請求項5に記載の表示一体型タブレット装置におい
て、上記表示パネルが液晶表示パネルであることを特徴
とする。
【0036】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の表示一体型タブ
レット装置は、指示手段には表示期間にも常時誘導電圧
が誘起されているが、第1走査期間または第2走査期間
に誘起された誘導電圧のみを座標検出のための信号とし
て有効にすることにより、座標検出の誤検出を防止する
ことができる。
【0037】請求項2に記載の表示一体型タブレット装
置は、走査開始からの時間を計時する第2の周波数を各
電極を順次駆動する第1の周波数より高くするので、座
標検出精度を向上することができる。
【0038】請求項3に記載の表示一体型タブレット装
置は、走査期間を短くでき、表示期間を長くとることが
でき、表示効率を向上することができる。
【0039】請求項4に記載の表示一体型タブレット装
置は、走査電圧波形が歪んだ場合には奇数倍の高調波を
含むため、そのことによる座標検出精度の低下を防止す
ることができる。
【0040】請求項5に記載の表示一体型タブレット装
置は、走査電圧を複数本の電極ごとに同時に印加するの
で、指示手段に誘起される誘導電圧を大きくすることが
できる。
【0041】請求項6に記載の表示一体型タブレット装
置は、表示パネルとして液晶パネルを用いることができ
る。
【0042】
【実施例】以下、この発明を図示の実施例により詳細に
説明する。
【0043】<第1例>図1は第1例における表示一体
型タブレット装置のブロック図である。この表示一体型
タブレット装置は上記第1の目的を達成するための表示
一体型タブレット装置であり、静電誘導タブレットの電
極および駆動回路をデューティータイプ液晶表示装置に
おける液晶パネルの電極および駆動回路で兼用すること
によって表示機能が一体化されたタブレット装置を構成
している。
【0044】以下、本実施例に係る表示一体型タブレッ
ト装置の説明に先立って、デューティータイプ液晶表示
装置について簡単に述べる。
【0045】図30は通常のデューティータイプ液晶表
示装置のブロック図である。液晶パネル1は、複数本の
コモン電極Y1,Y2,…,Y8(以下、任意のコモン電極を
Yと記載する)が平行に配列された透明基板と複数本の
セグメント電極X1,X2,…,X40(以下、任意のセグメン
ト電極をXと記載する)が平行に配列された透明基板と
を、コモン電極Yとセグメント電極Xとが対向して直交
するようにスペーサ等を介して所定間隔で配置してい
る。そして、両透明基板間には液晶が充填されている。
【0046】こうして、上記コモン電極Yとセグメント
電極Xとが交差する領域で画素を構成するのである。つ
まり、この液晶パネル1は、40ドット×8ドットの画
素がマトリックス状に配列されると共に、デューティタ
イプの駆動方法によって駆動されるのである。
【0047】上記コモン電極Y1,Y2,…,Y8は、夫々コ
モン駆動回路2の対応する出力端子01,02,…,08
に接続されている。そして、コモン駆動回路2の各出力
端子01,02,…,08から出力されるコモン電極駆動
信号の選択パルスによってコモン電極Yをアクティブに
して画素マトリックスの行を選択する。一方、上記セグ
メント電極X1,X2,…,X40は、夫々セグメント駆動回
路3の対応する出力端子01,02,…,040に接続さ
れている。そして、セグメント駆動回路3の出力端子0
1,02,…,040からセグメント電極X1,X2,…,X40
に表示データに応じたセグメント電極駆動信号を出力す
る。
【0048】そうすると、上記コモン駆動回路2からの
コモン電極駆動信号によって選択された画素マトリック
スの行における各画素が、セグメント駆動回路3からの
セグメント電極駆動信号によって表示データに応じて表
示されるのである。
【0049】上記コモン駆動回路2およびセグメント駆
動回路3は、以下のように表示制御回路4に接続されて
いる。
【0050】すなわち、表示制御回路4のシフトデータ
出力端子Sはコモン駆動回路2のシフトデータ入力端子
DIO1に接続される。また、表示制御回路4の交流化
信号出力端子FRはコモン駆動回路2の交流化信号入力
端子YFRおよびセグメント駆動回路3の交流化信号入
力端子XFRに接続される。また、表示制御回路4のク
ロック出力端子CP1はコモン駆動回路2のクロック入
力端子YCKおよびセグメント駆動回路3のラッチパル
ス入力端子XLPに接続される。また、表示制御回路4
のクロック出力端子CP2はセグメント駆動回路3のク
ロック入力端子XCKに接続される。また、表示制御回
路4の表示データ出力端子D0〜D3はセグメント駆動回
路3の表示データ入力端子XD0〜XD3に接続されるの
である。
【0051】電源回路5は、上記コモン駆動回路2およ
びセグメント駆動回路3で液晶パネル1を駆動する駆動
信号を生成する際に用いる複数レベルのバイアス電源V
0〜V5を、コモン駆動回路2およびセグメント駆動回路
3に供給する。本液晶表示装置においては、上記バイア
ス電源V0〜V5を次のように設定する。
【0052】すなわち、V0=0.0V,V1=1.7V,V
2=3.4V,V3=23.5V,V4=25.2V,V5=2
6.9Vである。
【0053】図31は、上記コモン駆動回路2の端子部
分を示す図である。出力端子01,02,…,08からは
コモン電極駆動信号a,b,…,hが出力されて、液晶パ
ネル1の対応するコモン電極Y1,Y2,…,Y8に入力され
る。また、入力端子V0,V1,V4,V5には、電源回路5
からのバイアス電源V0,V1,V4,V5が入力され、この
バイアス電源V0,V1,V4,V5に基づいて後に詳述する
ようにして上記コモン電極駆動信号a,b,…,hが生成
される。
【0054】上記構成のデューティータイプ液晶表示装
置は次のように動作する。
【0055】図32は上記コモン電極駆動信号a〜hお
よびセグメント電極駆動信号のタイミングチャートであ
る。以下、図30および図31を参照して、図32に従
ってデューティータイプ液晶表示装置の動作を説明す
る。
【0056】上記表示制御回路4におけるクロック出力
端子CP1から出力されるクロック信号cp1がクロック
入力端子YCKに入力されると、この入力されたクロッ
ク信号cp1に同期して、表示制御回路4のシフトデータ
出力端子Sから出力されるシフトデータsのパルスがシ
フトデータ入力端子DIO1からシフトレジスタ(図示せ
ず)に取り込まれる。そして、このシフトレジスタによ
ってシフトされたシフトデータsのパルス位置に対応す
る出力端子01〜08から、対応するコモン電極駆動信
号a〜hの選択パルスが順次出力される。その際に、上
記コモン電極駆動信号a〜hは、上記電源回路5から供
給されるバイアス電源V0〜V5に基づいて生成される。
【0057】一方、上記セグメント駆動回路3は、表示
制御回路4のクロック出力端子CP2から出力されるク
ロック信号cp2がクロック入力端子XCKに入力される
と、この入力されたクロック信号cp2に同期して、セグ
メント電極Xの指定位置をシフトする。そうすると、表
示制御回路4の表示データ出力端子D0〜D3から出力さ
れてセグメント駆動回路3の表示データ入力端子XD0
〜XD3に入力された表示データD0〜D3が、レジスタ
における上記シフト位置に対応するビットに順次取り込
まれる。以下、この動作を10回繰り返して上記レジス
タに画素マトリックス1行(40画素)分の表示データが
取り込まれる。
【0058】そうした後、ラッチパルス入力端子XLP
に入力される上記クロック信号cp1に同期して上記取り
込まれた表示データD0〜D3がラッチされる。そして、
ラッチされた表示データD0〜D3に応じたセグメント電
極駆動信号が出力端子01〜040から対応するセグメ
ント電極Xに出力される。その際におけるセグメント電
極駆動信号は、上記電源回路5から供給されるバイアス
電源V0〜V5に基づいて、表示データD0〜D3に応じて
生成される。
【0059】このようにして、上記コモン駆動回路2か
ら出力されるコモン電極駆動信号aの選択パルス(イ)に
よって選択されてアクティブになったコモン電極Y1
係る各画素が、セグメント駆動回路3から出力されるセ
グメント電極駆動信号によって表示データに応じて表示
されるのである。
【0060】以下、コモン駆動回路2からのコモン電極
駆動信号b〜hの選択パルスに従ってコモン電極Y2,Y
3,…,Y8が順次選択されて1フレーム分の画像が表示さ
れると、再び上記シフトデータsの次のパルスがコモン
駆動回路2のシフトデータ入力端子DIO1から取り込
まれる。そして、コモン駆動回路2,セグメント駆動回
路3および表示制御回路4によって上述の動作が繰り返
されて、次のフレーム分の画像が表示される。
【0061】以下、この動作を繰り返して液晶パネル1
に画像が表示されるのである。
【0062】すなわち、図32における期間T1の間に
N番目フレームの画像が表示され、引き続いて期間T2
の間に(N+1)番目フレームの画像が表示される。その
際に表示される単位時間当たりのフレーム数は、フリッ
カが生じないように72フレーム/秒程度に設定する場
合が多い。
【0063】一般に、液晶パネル1のコモン電極Y1,Y
2,…,Y8とセグメント電極X1,X2,…,X40との交差領
域における液晶に電圧の印加方向が一定の電圧を印加し
続けると、その間に液晶が電気分解を起こして液晶の寿
命が短くなる。そこで、それを防ぐために、表示制御回
路4の交流化信号出力端子FRから出力されてコモン駆
動回路2の交流化信号入力端子YFRおよびセグメント
駆動回路3の交流化信号入力端子XFRに入力される交
流化信号frのレベルに応じて、液晶に印加する電圧の印
加方向を各フレーム毎に変えるのである。
【0064】上述の動作をさらに実例を上げて詳細に説
明する。
【0065】例えば、奇数番目のセグメント電極Xに入
力されるセグメント電極駆動信号Aおよび偶数番目のセ
グメント電極Xに入力されるセグメント電極駆動信号B
は、図32に示すような波形であるとする。その際に、
N番目フレームの画像と(N+1)番目フレームの画像と
は同じ画像であるとする。その結果、液晶パネル1にお
ける各画素は図33に示すように表示されるのである。
図33における○印は表示画素を示す一方、×印は非表
示画素を示す。
【0066】上述の液晶に印加される電圧の方向反転は
上記交流化信号frのレベルに応じて次のようにして実施
される。
【0067】図32に示すように、交流化信号frのレベ
ルが“L"の場合(時間T1の場合)には、任意のコモン電
極Yをアクティブにして液晶パネル1の画素マトリック
スにおける表示行を選択するためのコモン電極駆動信号
a〜hの選択パルス電圧(以下、単に選択電圧と言う)を
“V0"にする。一方、任意のコモン電極Yを非アクティ
ブにするためのコモン電極駆動信号a〜hの電圧(以
下、非選択電圧と言う)は“V4"である。これに対し
て、交流化信号frのレベルが“H"の場合(時間T2の場
合)には、選択電圧を“V5"にする。一方、非選択電圧
を“V1"にする。
【0068】また、交流化信号frのレベルが“L"の場
合(時間T1の場合)には、液晶パネル1の画素マトリッ
クスにおける上記選択された表示行の表示画素を表示す
るためのセグメント電極駆動信号A,Bの電圧(図32に
おけるオン電圧)を“V5"にする。一方、選択された表
示行の非表示画素を表示しないためのセグメント電極駆
動信号A,Bの電圧(図32におけるオフ電圧)を“V3"
にする。
【0069】これに対して、交流化信号frのレベルが
“H"の場合(時間T2の場合)には、表示画素へのオン電
圧を“V0"にする。一方、非表示画素へのオフ電圧を
“V2"にする。
【0070】上記コモン駆動回路2によって実施される
上記選択電圧“V0",“V5"の切り替えおよび非選択電
圧“V4",“V1"の切り替えや、上記セグメント駆動回
路3によって実施される表示画素への印加電圧“V5",
“V0"の切り替えおよび非表示画素への印加電圧
“V3",“V2"の切り替えは、交流化信号frのレベル変
化に同期して動作するアナログスイッチによって、上記
電源回路5からのバイアス電源V0〜V5のいずれかを選
択することによって実施される。
【0071】このように、交流化信号frのレベルの
“L"と“H"との変化に同期して、アナログスイッチに
よって、コモン電極駆動信号a〜hにおける選択電圧を
“V0"と“V5"との間で切り替えると同時に、セグメン
ト電極駆動信号A,Bにおける上記表示画素への印加電
圧を“V5"と“V0"との間で切り替えるので、表示画素
におけるコモン電極Yとセグメント電極Xとの電位差
は、交流化信号frのレベルに拘わらず(V5−V0)とな
る。
【0072】これに対して、非表示画素におけるコモン
電極Yとセグメント電極Xとの電位差は、交流化信号fr
のレベルが“L"の場合には(V3−V0),(V4−V3),
(V5−V4)のいずれかになり、いずれも表示画素におけ
るコモン電極Yとセグメント電極Xとの電位差より低く
なる。
【0073】一方、交流化信号frのレベルが“H"の場
合には(V1−V0),(V2−V1),(V5−V2)のいずれかに
なり、いずれも表示画素におけるコモン電極Yとセグメ
ント電極Xとの電位差より低くなるのである。
【0074】したがって、電位差(V5−V0)の値が液晶
表示電圧の閾値より高くなる一方、電位差(V5−V1)の
値および電位差(V4−V0)の値が上記閾値以下になるよ
うに上記バイアス電源V0〜V5の値を設定することによ
って、交流化信号frのレベルに拘わらず液晶バネル1の
表示を行なうことができるのである。
【0075】また、その際において、交流化信号frのレ
ベルの反転に応じてコモン電極Yとセグメント電極Xと
の間の電圧の印加方向が反転するので、液晶の寿命の低
下が防止されるのである。
【0076】以上の説明においては、交流化信号frのレ
ベルをフレーム毎に反転してコモン電極駆動信号とセグ
メント電極駆動信号の電圧印加方向を反転するようにし
ている。しかしながら、液晶パネル1の画素数が多くな
り、例えば640画素×400画素のような高密度液晶
パネルの場合には、コモン電極Yとセグメント電極Xと
の間の電圧の方向を頻繁に(例えば、コモン電極Yを1
3行分選択する毎に)反転するのである。その場合に
は、コモン電極Yの総数は400本であるから、フレー
ムの切り替え周期と交流化信号frのレベル反転周期とは
図34に示すように全く同期していない。
【0077】したがって、1フィールドの画像における
印加電圧の方向反転箇所はランダムに分散することにな
り、画素に印加される電圧の印加方向反転による明度む
らは全く見られないという効果がある。
【0078】[第1実施例]次に、本実施例における表示
一体型タブレット装置の説明を行なう。
【0079】図35に示すように、上記静電誘導タブレ
ット101では垂直方向に平行して配列された電極と水
平方向に平行して配列された電極とが微小間隔を置いて
対向している。また、図30に示すように、上記デュー
ティタイプ液晶表示装置の液晶パネルでも垂直方向に平
行して配列された電極と水平方向に平行して配列された
電極とが微小間隔を置いて対向している。
【0080】そこで、本実施例においては、その点に注
目して、静電誘導タブレットの行/列電極とその行/列
電極の駆動回路とをデューティタイプ液晶表示装置の液
晶パネルにおけるコモン/セグメント電極とそのコモン/
セグメント電極の駆動回路とで兼用することによって、
表示機能が一体化された表示一体型タブレット装置を構
成するのである。
【0081】図1に示すように、本実施例における表示
一体型タブレット装置は、図30に示すデューティタイ
プ液晶表示装置に検出制御回路6,切り替え回路7,x座
標検出回路8,y座標検出回路9,制御回路10および電
子ペン11を加えた構成になっている。そして、液晶パ
ネル1は静電誘導タブレット機能を合わせ持つのであ
る。
【0082】以下、この静電誘導タブレット機能が一体
化された液晶パネル1(すなわち、逆に言えば表示機能
が一体化された静電誘導タブレット)を単に液晶パネル
と言う。
【0083】上記検出制御回路6は、図35に示す静電
誘導タブレット101の駆動部におけるタイミング発生
回路104と略同様の動作をするものである。また、上
記切り替え回路7は、制御回路10の制御に基づいて、
表示制御回路4からのシフトデータs,交流化信号fr,ク
ロック信号cp1,クロック信号cp2と検出制御回路6から
のシフトデータsd,交流化信号frd,クロック信号cp1d,ク
ロック信号cp2dとを切り替え選択して、コモン駆動回路
2およびセグメント駆動回路3にシフトデータso,交流
化信号fro,クロック信号cp1o,クロック信号cp2oとして
出力する。
【0084】そうすると、上記液晶パネル1において
は、切り替え回路7によって表示制御回路4からの各信
号が選択されている場合には、コモン駆動回路2からの
コモン電極駆動信号a〜hとセグメント駆動回路3から
のセグメント電極駆動信号A,Bとに基づいて、上述の
ようにして画素マトリックスに画像が表示される。
【0085】一方、切り替え回路7によって検出制御回
路6からの各信号が選択されている場合には、後に詳述
するようにして出力されるコモン駆動回路2からのコモ
ン電極走査信号y1,y2,…,y8(以下、任意のコモン電極走
査信号をyと記載する)とセグメント駆動回路3からの
セグメント電極走査信号x1,x2,…,x40(以下、任意のセ
グメント電極走査信号をxと記載する)とに基づいて、
電子ペン11の先端位置を検出すために上述のようにし
て液晶パネル1のセグメント電極Xとコモン電極Yとが
走査されるのである。
【0086】上記x座標検出回路8およびy座標検出回
路9は、図35に示す静電誘導タブレット101の駆動
部におけるx座標検出回路107およびy座標検出回路
108と略同様の動作をする。すなわち、電子ペン11
の先端電極(図示せず)に誘起される誘導電圧と、セグメ
ント電極走査信号xやコモン電極走査信号yを生成する
ために検出制御回路6から出力されるシフトデータs,
クロック信号cp1およびクロック信号cp2とに基づいて、
電子ペン11の先端座標を検出する。
【0087】その際に、上記電子ペン11の先端電極に
はオシロスコープのプローブのような高抵抗値を有する
抵抗を接続するか又は高精度を要求される場合にはオペ
レーショナル・アンプ12を接続して、電子ペン11の
先端電極側から見たインピーダンスを高くして先端電極
に誘起される誘起電圧を大きくする一方、リード線側か
ら見たインピーダンスを低くしてリード線で外部ノイズ
を拾わないようにしている。
【0088】また、上記電子ペン11の先端電極には、
液晶パネル1の画素マトリックスに画像を表示している
際にも常時誘導電圧が誘起されている。しかしながら、
上記x座標検出回路8およびy座標検出回路9は、切り
替え回路7によって検出制御回路6からの各信号が選択
されてセグメント電極Xとコモン電極Yとが走査されて
いる際にのみ動作して、電子ペン11の先端座標を検出
するのである。
【0089】上記構成の表示一体型タブレット装置は次
のように動作して、画素マトリックスへの画像表示と電
子ペン11の先端座標検出とを実施する。
【0090】図2は上記液晶パネル1の画素マトリック
スに画像が表示されている表示期間と液晶パネル1のセ
グメント電極Xとコモン電極Yとが走査されて電子ペン
11の先端位置が検出される座標検出期間とのタイミン
グチャートである。この表示一体型タブレット装置にお
いては、1フレーム期間を表示期間と座標検出期間とで
形成するのである。そして、更に座標検出期間をx座標
検出期間とy座標検出期間とで形成するのである。
【0091】こうすることによって、液晶パネル1にお
ける画素マトリックスへの画像の表示と、液晶パネル1
である静電誘導タブレットによる電子ペン11の先端座
標検出とを、互いに相手の性能を損なうことなく実施で
きるのである。
【0092】図2においては、分かり易くするために座
標検出期間をかなり長く表現しているが、実際には表示
期間長/座標検出期間長が“5"以上になるようにしてい
る。上記表示期間と座標検出期間との切り替えは、上記
制御回路10の制御に基づいて切り替え回路7を表示制
御回路4側と検出制御回路6側とに切り替えることによ
って実施するのである。
【0093】また、図2においては、分かり易くするた
めに表示期間,x座標検出期間およびy座標検出期間は
連続して実施されるようになっている。しかしながら、
実際には、表示期間とx座標検出期間との間およびx座
標検出期間とy座標検出期間との間に空時間を設定する
のである。
【0094】上記表示期間と座標検出期間(つまり、x
座標検出期間)との間に空時間を設定するのは次の理由
による。
【0095】すなわち、上述のように、液晶パネル1に
おける液晶が電気分解を起こして劣化するのを防止する
ために、交流化信号froに基づいてセグメント電極Xと
コモン電極Yとの交差領域における液晶に印加する電圧
の印加方向をある周期で一斉に切り替えている。その際
に、電子ペン11の先端電極にはスパイク状の高い電圧
が誘起される。
【0096】この誘導電圧の値は、座標検出期間におい
て各走査信号に起因して電子ペン11の先端電極に誘起
する電圧の値より1桁以上大きい。しかも、上記液晶に
印加する電圧の印加方向の切り替えのタイミングはフレ
ーム周期と同期していないため、この印加方向の変化が
表示期間における座標検出期間の直前に発生する場合が
ある。この場合には、高いスパイク状の誘導電圧が電子
ペン11に誘起されてそのままオペレーショナル・アン
プ12に送られることになる。
【0097】ところが、上記オペレーショナル・アンプ
12に入力された誘導電圧の値が余りにも高いために誘
導電圧の平均レベルが高くなり、その直後にx座標検出
期間に突入してセグメント電極走査信号xに起因する誘
導電圧がオペレーショナル・アンプ12に入力されても
正しく増幅されないことになる。その結果、上記座標検
出信号が正しく2値化されないという問題が生ずるので
ある。
【0098】そこで、このような問題を避けるために、
表示期間終了後直ちに座標検出期間に入ることなく空時
間を設けるのである。
【0099】更にまた、上記表示期間直後におけるセグ
メント駆動回路3のシフトレジスタは、表示期間におけ
る最終ライン表示の際に各セグメント電極Xにセグメン
ト電極駆動信号を入力したときの状態を維持している。
したがって、座標検出期間に入る直前にシフトレジスタ
の内容をクリアする座標検出前処理を実施する必要があ
る。そのためにも、表示期間とx座標検出期間との間に
空時間を設ける必要がある。
【0100】一方、上記x座標検出期間とy座標検出期
間との間に空時間を設定するのは、x座標検出期間にお
いて電子ペン11の先端電極に誘起される誘導電圧とy
座標検出期間における誘導電圧とが互いに干渉しないよ
うにするためである。
【0101】例えば、上記液晶パネル1におけるx座標
検出期間における走査開始位置が左である一方y座標検
出期間における走査開始位置が上であって、電子ペン1
1の先端位置が最右最上にある場合を考える。この場合
には、電子ペン11の先端電極にセグメント電極走査信
号xに起因する誘導電圧が生じた直後にコモン電極走査
信号yに起因する誘導電圧が生ずることになる。
【0102】ところが、この誘導電圧信号はアナログ信
号であるから、両電圧信号は重なり合ってしまい区別が
困難なのである。したがって、x座標検出回路8および
y座標検出回路9による電子ペン11の先端座標検出は
正しく実施できず、誤った座標値が検出されることにな
る。
【0103】このような電子ペン11先端座標の誤検出
は、x座標検出期間とy座標検出期間との間に空時間を
設けることによって防止できるのである。
【0104】上記表示期間においては、上記切り替え回
路7は、制御回路10の制御に基づいて表示制御回路4
からのシフトデータs,交流化信号fr,クロック信号cp1,
クロック信号cp2を選択して、シフトデータso,交流化信
号fro,クロック信号cp1o,クロック信号cp2oとして出力
する。
【0105】そうすると、コモン駆動回路2およびセグ
メント駆動回路3は、図30において説明したように動
作して、例えば図32に示すようなコモン電極駆動信号
a〜hおよびセグメント電極駆動信号A,Bを出力す
る。その結果、液晶パネル1の画素マトリックスの各画
素は図33に示すように表示されるのである。
【0106】以下、本実施例の特徴である座標検出期間
における各回路の動作について詳細に説明する。
【0107】図3は、図2に示すx座標検出期間におい
てセグメント駆動回路3から出力されるセグメント電極
走査信号xと、y座標検出期間においてコモン駆動回路
2から出力されるコモン電極走査信号yとを示す。この
座標検出期間におけるセグメント駆動回路3からのセグ
メント電極走査信号xおよびコモン駆動回路2からのコ
モン電極走査信号yの生成は、セグメント駆動回路3お
よびコモン駆動回路2を表示期間におけるコモン駆動回
路2の機能と同じように機能するように動作させること
によって可能である。
【0108】但し、その際に、上記アナログスイッチ
は、交流化信号froのレベル反転に応じてバイアス電源
0〜V5を選択して、x座標検出回路8あるいはy座標
検出回路9によって十分検出可能なだけの誘導電圧が電
子ペン11の先端電極に誘起され、かつ、液晶が表示さ
れないようなセグメント電極走査信号およびコモン電極
走査信号を生成するようにする。
【0109】このようにして、上記セグメント駆動回路
3からセグメント電極走査信号xの走査パルスが対応し
たセグメント電極Xに順次出力された後、コモン駆動回
路2からコモン電極走査信号yの走査パルスが対応した
コモン電極Yに順次出力されると、上述のように上記電
子ペン11の先端電極には誘導電圧が誘起される。そし
て、電子ペン11からの誘導電圧信号はオペレーショナ
ル・アンプ12によって増幅された後、x座標検出回路
8およびy座標検出回路9に入力される。
【0110】そうすると、x座標検出回路8はx座標検
出期間内にオペレーショナル・アンプ12から入力され
た誘導電圧信号のみを有効とする一方、y座標検出回路
9はy座標検出期間内に入力された誘導電圧信号のみを
有効として、図35におけるx座標検出回路107およ
びy座標検出回路108と同様に動作して電子ペン11
の先端座標を検出する。そして、x座標検出回路8は電
子ペン11の先端のx座標を表すx座標信号を出力する
一方、y座標検出回路9はy座標信号を出力する。
【0111】こうして出力されたx座標信号およびy座
標信号は種々の処理部へ転送されて種々の処理が実施さ
れる。
【0112】例えば、画像メモリ(図示せず)における上
記x座標信号およびy座標信号に基づくアドレスにはペ
ン入力位置を表す画像データが書き込まれる。そして、
表示期間において、この書き込まれたペン入力位置を表
す画像データがペン入力位置を表す表示データD0〜D3
として読み出され、この読み出されたペン入力位置を表
す表示データD0〜D3に基づいて、液晶パネル1におけ
るペン入力位置の画素が表示される。その結果、静電誘
導タブレット機能が一体化された液晶パネル1上を電子
ペン11の先端によってなぞることによって、恰も紙に
筆記用具で書く感覚で文字や図形を入力して表示できる
のである。
【0113】上記x座標検出回路8およびy座標検出回
路9から上記各処理部へのx座標信号およびy座標信号
の転送は、次のフレームにおける座標検出期間までに実
施すればよく、次のフレームにおける表示期間中に実施
するのが適当である。したがって、N番目フレームの座
標検出期間において得られたx座標信号およびy座標信
号に基づく液晶パネル1におけるペン入力位置の画素表
示は、(N+2)番目フレームにおける表示期間に実施さ
れるのである。
【0114】次に、液晶パネル1に静電誘導タブレット
の機能を一体化させたことによって生ずる問題点と、そ
の対処について更に詳細に述べる。
【0115】まず、座標検出期間において、セグメント
駆動回路3から出力されるセグメント電極走査信号xお
よびコモン駆動回路2から出力されるコモン電極走査信
号yにおける走査パルスの波高値Vd(図3参照)には、
次のような制限がある。すなわち、表示期間において液
晶パネル1の画素マトリックスに表示された画像の画質
を落とさないようにするために、座標検出期間において
各画素の液晶に印加される電圧は、液晶表示電圧の閾値
を越えてはならない。したがって、上記走査パルスの波
高値Vdの値は、コモン電極Yおよびセグメント電極X
間の電圧が上記液晶表示電圧の閾値より低くなるように
設定しなければならない。
【0116】ここで言う液晶表示電圧の閾値は、図32
の説明時に述べた表示期間における液晶表示電圧の閾値
とは異なる値である。すなわち、1フレーム期間中にお
ける座標検出期間の割合はなるべく小さいほうが好まし
い。そこで、座標検出期間におけるコモン電極Yおよび
セグメント電極Xの走査は高速に行なう必要がある。そ
こで、座標検出期間における液晶表示電圧の閾値は高速
走査時での液晶表示電圧の閾値となり、表示期間におけ
る液晶表示電圧の閾値よりやや高い値となるのである。
【0117】本実施例の場合における上記走査パルス波
高値Vdは、電源回路5から供給されるバイアス電源V0
〜V5を用いて次のように設定する。
【0118】例えば、上記交流化信号froのレベルが
“L"の場合には次のようにして設定する。すなわち、
液晶パネル1のセグメント電極X1を走査する場合に
は、走査セグメント電極X1用のセグメント電極走査信
号x1の走査パルス電圧(以下、走査電圧と言う)を“V5"
とする。一方、非走査セグメント電極X2〜X40用のセ
グメント電極走査信号x2〜x40の電圧(以下、非走査電圧
と言う)を“V3"とする。その際に、総てのコモン電極
走査信号yの電圧を“V4"とする。
【0119】そうすると、上記走査セグメント電極X1
と総てのコモン電極Yとの電位差は(V5−V4)とな
る。一方、非走査セグメント電極X2〜X40と総てのコ
モン電極Yとの電位差は(V4−V3)となる。
【0120】したがって、上記バイアス電源V0〜V5
値を図32の説明の際と同じに設定しておけば、走査画
素および非走査画素に印加される電圧は上記表示期間に
おいて非表示画素に印加される電位と同じ電位となり、
当然座標検出期間における液晶表示電圧の閾値より低い
値となって表示されないのである。
【0121】他のセグメント電極X2〜X40を走査する
場合も全く同じであり、走査画素および非走査画素に印
加される電圧は液晶表示電圧の閾値より低い値となって
表示されない。
【0122】また、上記コモン電極Y1の走査の際に
は、走査電圧を“V0"とする一方、非走査電圧を“V4"
とする。その際に、総てのセグメント電極走査信号xの
電圧を“V3"とする。そうすると、走査画素に印加され
る電圧が(V3−V0)となる。一方、非走査画素に印加さ
れる電圧が(V4−V3)となる。
【0123】したがって、走査画素および非走査画素に
印加される電圧は座標検出期間における液晶表示電圧の
閾値より低い値となって表示されないのである。他のコ
モン電極Y2〜Y8を走査する場合も全く同じであり、走
査画素および非走査画素共に表示されない。
【0124】これに対して、図2に示すように交流化信
号froのレベルが“H"に反転した場合には、次のように
上記走査パルス波高値Vdを設定する。
【0125】すなわち、上記セグメント電極Xを走査す
る場合には、走査電圧を“V0"とする一方、非走査電圧
を“V2"とする。その際に、コモン電極走査信号yの電
圧を“V1"とする。そうすると、走査画素に印加される
電圧が(V1−V0)となる。一方、非走査画素に印加され
る電圧が(V2−V1)となる。
【0126】したがって、走査画素および非走査画素に
印加される電圧は座標検出期間における液晶表示電圧の
閾値より低い値となって表示されない。
【0127】また、上記コモン電極Yを走査する場合に
は、走査電圧を“V5"とする一方非走査電圧を“V1"と
する。その際に、セグメント電極走査信号xの電圧を
“V2"とする。そうすると、走査画素に印加される電圧
が(V5−V2)となる一方、非走査画素に印加される電圧
が(V2−V1)となる。
【0128】したがって、走査画素および非走査画素に
印加される電圧は座標検出期間における液晶表示電圧の
閾値より低い値となって表示されないのである。
【0129】上述のようにすることによって、座標検出
期間においては、走査画素および非走査画素に印加され
る電圧は交流化信号froのレベル反転に拘わらず液晶表
示電圧の閾値より低い値となって表示されない。また、
その際に交流化信号froのレベル反転に伴って走査画素
および非走査画素に印加される電圧の方向が反転される
ので、座標検出期間においても液晶の寿命低下が防止さ
れるのである。
【0130】上述のセグメント電極走査信号xおよびコ
モン電極走査信号yの生成の説明の際には、交流化信号
froのレベル反転周期をフレーム周期に同期させてい
る。しかしながら、実際には、図4に示すように交流化
信号froのレベル反転周期とフレーム周期とを非同期に
して、1フレームの画像における印加電圧の方向反転箇
所のランダム化を図っている。その結果、図4に示すよ
うに表示期間における交流化信号froの最終立ち上がり
時点から座標検出期間の開始時点までの時間tfがランダ
ムになるので、座標検出期間中における交流化信号frの
レベル反転箇所もランダム化されてしまうのである。
【0131】図5は、上述のように座標検出期間中にお
いて任意の時点で交流化信号froのレベルが反転した場
合におけるレベル反転時点近傍の走査信号波形の詳細図
である。
【0132】上記表示期間からx座標検出期間に移る
と、制御回路10(図1参照)の制御によって座標検出前
処理が実施され、コモン駆動回路2のシフトデータsoを
シフトするシフトレジスタおよびセグメント駆動回路3
の表示データをラッチするためのラッチ回路の内容をク
リアする。そうした後、x座標検出処理が開始される。
その際に、交流化信号froのレベルは当初“L"でありx
座標検出期間中に“H"に反転するものとする。
【0133】図5から分かるように、交流化信号froの
レベルが“L"の場合には、セグメント電極走査信号x
の走査電圧は“V5"である一方非走査電圧は“V3"であ
る。また、コモン電極走査信号yの電圧は“V4"であ
る。これが、交流化信号froのレベルが“H"に反転する
ことによって、セグメント電極走査信号xの走査電圧が
“V0"に、非走査電圧が“V2"に、コモン電極走査信号
yの電圧が“V1"に変わり、一斉に電圧レベルが低下す
るのである。そのため、セグメント電極Xおよびコモン
電極Yと浮遊容量で結合されている電子ペン11の先端
電極には、セグメント電極Xの走査時に誘起する正常な
誘導電圧の数倍もの誘導電圧が誘起されるのである。そ
の結果、x座標検出回路8は上記交流化信号froのレベ
ル反転に起因する電子ペン11の先端電極からの誘導電
圧によって電子ペン11の先端のx座標を誤検出してし
まう。
【0134】このことは、上記交流化信号froのレベル
が“H"から“L"に反転する場合も同様に発生する。し
たがって、交流化信号froのレベル反転に起因する電子
ペン11先端座標の誤検出はランダムに発生することに
なる。したがって、このままでは、液晶パネル1はタブ
レットとしての機能を果たさないのである。
【0135】上述の問題を解決するために、本実施例に
おいては、図6に示すように座標検出期間における検出
交流化信号froを表示期間中における表示交流化信号fro
と独立して設定するのである。この座標検出期間におけ
る検出交流化信号froは、上記検出制御回路6から出力
される交流化信号frdであり、例えばそのレベル反転箇
所はx座標検出期間とy座標検出期間以外の時点(例え
ば、x座標検出期間とy座標検出期間との境界)に設定
される。その際のx座標検出期間におけるレベルとy座
標検出期間におけるレベルの組み合わせは、図6に示す
“L−H"の他に“H−L",“H−H",“L−L"であっ
てもよい。
【0136】なお、表示期間における表示交流化信号fr
oは、上記表示制御回路4から出力される交流化信号fr
に設定される。
【0137】上述のように、本実施例においては、上記
表示制御回路4からの交流化信号frに基づく表示期間の
表示交流化信号froの間に、検出制御回路6からの交流
化信号frdに基づく座標検出期間の検出交流化信号froを
挿入している。そこで、単純に表示交流化信号froの間
に検出交流化信号froを挿入すると、表示期間において
液晶に印加される電圧の方向反転が乱れるので好ましく
ない。
【0138】そこで、図6に示すように、例えば表示交
流化信号froのレベル“H"の状態が期間tfだけ経過した
ときに座標検出期間に切り替わった場合には、次のフレ
ームの表示期間における表示交流化信号froの最初のレ
ベルを“H"とし、その期間tbを tb=Tf−tf 但し、Tf:交流化信号froのレベル
反転周期 とするのである。
【0139】これは、表示期間において、コモン駆動回
路2のシフトレジスタのシフト回数(すなわち、コモン
電極Yの走査本数)をカウントし、そのカウント値が上
記Tfに相当する値になる毎に表示交流化信号froのレベ
ルを反転するようにすることによって実現できる。また
は、上記座標検出期間を表示交流化信号froの周期(2T
f)の整数倍に設定することによって実現できる。
【0140】また、上述のように、x座標検出期間とy
座標検出期間とにおける検出交流化信号froのレベルの
組み合わせを常に同じにしておいた場合には、x座標検
出期間あるいはy座標検出期間において液晶に印加され
る電圧の方向は常に同じとなって好ましくない。そこ
で、上記検出交流化信号froのレベルをフレーム毎に反
転するようにするのである。そうすることによって、x
座標検出期間あるいはy座標検出期間における検出交流
化信号froのレベルがフレーム毎に逆になるのである。
【0141】これは、直前のフレームにおけるx座標検
出期間の検出交流化信号froのレベルとy座標検出期間
の検出交流化信号froのレベルとをメモリに格納してお
き、現在のフレームにおけるx座標検出期間およびy座
標検出期間の検出交流化信号froのレベルを上記メモリ
に格納された夫々のレベルの逆にすることによって実現
できる。
【0142】ところがこの場合には、上記x座標検出期
間あるいはy座標検出期間において電子ペン11の先端
電極に誘起される誘導電圧の極性が各フレーム毎に反転
してしまう。したがって、そのままではx座標検出回路
8およびy座標検出回路9によって安定して各座標を検
出できない。そこで、電子ペン11の先端電極によって
検出された誘導電圧を増幅した後に全波整流してx座標
検出回路8およびy座標検出回路9に入力するのであ
る。こうすることによって、同じx座標検出回路8およ
びy座標検出回路9によって電子ペン11先端のx座標
およびy座標を安定して検出することが可能になる。
【0143】上述のように、本実施例においては、液晶
パネル1,コモン駆動回路2,セグメント駆動回路3,表
示制御回路4および電源回路5で概略構成されるデュー
ティータイプ液晶表示装置に、検出制御回路6,切り替
え回路7,x座標検出回路8,y座標検出回路9,制御回
路10および電子ペン11を付加している。そして、各
フレーム期間を上記液晶パネル1の画素マトリックスに
画像を表示する表示期間と液晶パネル1上の電子ペン1
1の先端座標を検出する座標検出期間とに時分割するよ
うにしている。
【0144】上記表示期間においては、上記制御回路1
0の制御によって切り替え回路7は表示制御回路4側を
選択する。そして、この選択された表示制御回路4から
の信号に基づいて切り替え回路7から出力されるシフト
データso,交流化信号fro,クロック信号cp1oおよびクロ
ック信号cp2oに従って、コモン駆動回路2およびセグメ
ント駆動回路3が動作する。
【0145】その際に、コモン駆動回路2によって生成
されたコモン電極駆動信号a〜hが液晶パネル1のコモ
ン電極Y1〜Y8に入力されて、液晶パネル1の画素マト
リックスの表示列が順次選択される。一方、セグメント
駆動回路3によって表示データD0o〜D3oに基づいて生
成されたセグメント電極駆動信号A,Bが液晶パネル1
のセグメント電極X1〜X40に入力されて、上記画素マ
トリックスにおけるコモン駆動回路2によって選択され
ている表示列の画素が表示データに応じて表示される。
【0146】こうして、上記画素マトリックスは図33
に示すように表示されるのである。
【0147】一方、座標検出期間においては、制御回路
10の制御によって切り替え回路7は検出制御回路6側
を選択する。そして、この選択された検出制御回路6か
らの信号に基づいて切り替え回路7から出力されるシフ
トデータso,交流化信号fro,クロック信号cp1oおよびク
ロック信号cp2oに従って、コモン駆動回路2およびセグ
メント駆動回路3が動作する。
【0148】こうして、上記セグメント駆動回路3によ
って生成されたセグメント電極走査信号x1〜x40が液晶
パネル1のセグメント電極X1〜X40に印加されて、上
記セグメント電極Xが順次走査される。そうすると、電
子ペン11の先端電極に誘導電圧が誘起され、この誘導
電圧に基づいてx座標検出回路8によって電子ペン11
の先端のx座標が検出されてx座標信号が出力される。
引き続き、コモン駆動回路2によって生成されたコモン
電極走査信号y1〜y8が液晶パネル1のコモン電極Y1
8に順次印加されて、上記コモン電極Yが走査され
る。そして、電子ペン11の先端電極に誘起した誘導電
圧に基づいて、y座標検出回路9によって電子ペン11
の先端のy座標が検出されてy座標信号が出力される。
【0149】その際に、上記セグメント電極Xとコモン
電極Yとの間の電位差を、座標検出期間における液晶表
示電圧の閾値より小さくなるように、セグメント電極走
査信号xおよびコモン電極走査信号yの走査パルスのレ
ベルを設定しておくので、座標検出期間に液晶パネル1
の画素マトリックスは表示されないのである。
【0150】こうして出力されたx座標信号およびy座
標信号は表示制御回路4によって表示データD0〜D3
変換され、この変換された表示データD0〜D3に従って
切り替え回路7から出力される表示データDoo〜D3oに
基づいて、液晶パネル1の画素マトリックス上における
電子ペン11の先端位置の画素が表示される。
【0151】このように、液晶パネル1の画素マトリッ
クス表示における各フレーム期間を上記表示期間と座標
検出期間とに時分割する。そして、表示期間においては
液晶パネル1を画像表示部として使用する一方、座標検
出期間においては液晶パネル1をタブレットとして使用
することによって、表示機能を一体化させたタブレット
を構成するのである。
【0152】したがって、本実施例によれば、タブレッ
トの行/列電極の低光透過率による表示部の表示画面の
明るさ及びコントラストの低下、タブレットの電極配列
の規則性や表示部とタブレット部との対応箇所のずれに
よる表示部の視認性の低下、タブレットと表示部との積
層による大型化やコストアップ等の問題点を一挙に解決
できる。すなわち、本実施例の表示一体型タブレット
は、表示画面上の位置をペン入力する際に表示画面が見
易く、かつ、コンパクト化や低コスト化が容易なのであ
る。
【0153】また、本実施例においては、上記液晶パネ
ル1の液晶に印加する電圧の印加方向を反転するための
交流化信号froを上記座標検出期間においては表示期間
と独立に設定している。したがって、座標検出期間にお
ける検出交流化信号froを、x座標走査期間あるいはy
座標走査期間に液晶に印加する電圧の印加方向が反転し
ないように設定することができるのである。その結果、
検出交流化信号froのレベル反転に起因するコモン電極
走査信号yあるいはセグメント電極走査信号xの電圧レ
ベル変化によって生ずる電子ペン11先端位置の誤検出
を防止できる。
【0154】上記実施例においては、上記液晶パネル1
の液晶に印加する電圧の印加方向を反転するための交流
化信号froを上記表示制御回路4および検出制御回路6
によって生成するようにしている。しかしながら、この
発明はこれに限定されるものではなく、例えばコモン駆
動回路2およびセグメント駆動回路3あるいは切り替え
回路7によって生成するようにしても何等差し支えな
い。
【0155】また、上記電子ペン11の先端電極を複数
個の電極で構成し、夫々の電極からの誘導電圧をオペレ
ーショナル・アンプ12によって差動増幅するようにし
てもよい。こうすれば、電子ペン11先端位置の検出精
度をさらに高めることができる。
【0156】また、上記実施例においては、上記電子ペ
ン11,オペレーショナル・アンプ12,x座標検出回路
8およびy座標検出回路9の組を1組備えている。しか
しながら、この発明はこれに限定されるものではない。
上記電子ペン11,オペレーショナル・アンプ12,x座
標検出回路8およびy座標検出回路9の組を複数組備え
て、複数の電子ペンによって独立してペン入力を実施可
能にしても何等差し支えない。
【0157】その際に、各電子ペンによってペン入力さ
れた文字や図形の夫々を異なる線種(例えば、実線や点
線や太線等)や異なる色で表示するようにすれば、異な
る電子ペンによって描かれた文字や図形を容易に区別で
きる。
【0158】また、上記実施例においては、入力文字や
図形の認識手段を付加することによって、ペン入力され
た文字や図形を上記認識手段によって認識し、その認識
結果を用いて各種の処理を実施することも可能である。
あるいは、指示判断手段を付加して、液晶パネル1上に
表示された種々の処理メニュー(いわゆるアイコン)のう
ち電子ペンによって指示された処理メニューの内容を判
断し、判断結果に応じた処理を実施することも可能であ
る。
【0159】現在広く使用されている表示部一体型タブ
レット装置として、液晶パネルの裏面に電磁誘導型タブ
レットを重ね合わせたものがある。この電磁誘導型タブ
レットにおいては、検出ペン先端からの高周波磁界によ
って上記電磁誘導型タブレットの電極に誘起された誘導
電圧を検出して検出ペンの先端座標を求めている。した
がって、外部からの僅かな磁界の影響によって誤検出し
易いのである。
【0160】そのために、上記電磁誘導型タブレットの
背面にCPU(中央処理装置)やICメモリ等を搭載した
プリント基板を設置した場合には、このプリント基板上
の回路を流れる電流によって発生する外部磁界の影響を
受けて、検出ペン先端座標を誤検出してしまうのであ
る。
【0161】これに対して、上記実施例においては、上
記セグメント電極Xおよびコモン電極Yは外部磁界によ
る影響は受けない。したがって、液晶パネル1の裏面に
CPUやICメモリ等を直接配置したり、CPUやIC
メモリが搭載されたプリント基板を液晶パネル1の背面
に殆ど密着した状態で配置しても電子ペン11の先端座
標検出には何等支障はないのである。
【0162】したがって、このようにして上記液晶パネ
ル1の裏面に設けられたCPUによって、上述のような
認識手段や指示判断手段やその他の処理手段を構成すれ
ば、キーボードによるキー入力の変わりにペン入力を用
いた極めて薄い小型コンピュータが実現可能になる。
【0163】さらに、上記液晶パネル1に用いる液晶と
してポリマー分散型液晶を採用すればフレキシブルなシ
ート状タブレットが形成可能であり、ノート型コンピュ
ータの実現が可能となる。
【0164】[第2実施例]上記実施例における座標検出
期間では、上記セグメント電極Xおよびコモン電極Yを
一本ずつ順次走査している。ところで、高密度液晶パネ
ルの場合には各電極数が多くなりその分だけ電極の太さ
が細くなる。そうすると、電極X,Yと電子ペン11の
先端電極とを結合する浮遊容量が小さくなり、電子ペン
11の先端電極に誘起される誘導電圧が極めて低くな
る。つまり、電子ペン11の先端位置の誤検出の原因と
なるのである。
【0165】そこで、本実施例においては、以下に述べ
るようにして、高密度液晶パネルであっても確実に電子
ペン11の先端位置を検出できるようにしている。
【0166】図7は本実施例における座標検出期間のセ
グメント電極走査信号xおよびコモン電極走査信号yの
タイミングチャートである。本実施例におけるセグメン
ト電極走査信号xおよびコモン電極走査信号yのレベル
やタイミングの設定および電圧方向反転の制御等は、上
記実施例において説明した通りである。ただし、本実施
例においては、セグメント電極走査信号xあるいはコモ
ン電極走査信号yは複数本のセグメント電極Xあるいは
複数のコモン電極Yに一括して印加されるのである。
【0167】すなわち、図7において、セグメント電極
走査信号xaはa本のセグメント電極X1,X2,…,Xa
一括して印加される。また、セグメント電極走査信号x
2aはa本のセグメント電極Xa+1,Xa+2,…,X2aに一括
して印加される。以下同様にして、セグメント電極走査
信号xmはa本のセグメント電極Xm-a+1,…,Xmに一括
して印加されるのである。
【0168】一方、コモン電極走査信号ybはb本のコ
モン電極Y1,Y2,…,Ybに一括して印加される。また、
コモン電極走査信号y2bはb本のコモン電極Yb+1,Y
b+2,…,X2bに一括して印加される。以下同様にして、
コモン電極走査信号ynはb本のコモン電極Yn-b+1,…,
nに一括して印加されるのである。
【0169】上記複数本の電極に一括して同時に走査信
号を印加するためには次のようにすればよい。すなわ
ち、上記検出制御回路6から出力されるシフトデータs
d,クロック信号cp1d,クロック信号cp2dおよびデータ信
号D0d〜D3d等に基づいて生成された走査信号の走査パ
ルスを、ラッチ回路に各電極に応じた時間だけラッチす
ることによって実現できる。
【0170】このように、a本のセグメント電極Xおよ
びb本のコモン電極Yをまとめて走査することによっ
て、電子ペン11の先端電極に誘起される誘導電圧を高
くできる。したがって、本実施例によれば、高密度液晶
パネルを表示機能が一体化された静電誘導タブレットと
して使用した際における電子ペン11の先端位置の誤検
出がなくなるのである。
【0171】また、a本のセグメント電極Xおよびb本
のコモン電極Yをまとめて走査することによって、次の
ような効果も得られる。すなわち、検出制御回路6から
出力されるクロック信号cp1dおよびクロック信号cp2d
が、各電極を1本ずつ走査する場合と同じ周期の信号で
あっても、セグメント電極Xの走査速度はa倍となり、
コモン電極Yの走査速度はb倍となるのである。したが
って、上記座標検出期間を短縮して表示期間を十分に確
保し、高密度液晶パネルの表示に対処できるのである。
【0172】本実施例の場合のように、a本のセグメン
ト電極Xおよびb本のコモン電極Yをまとめて走査する
と、走査単位での実質のセグメント電極Xあるいはコモ
ン電極Yのピッチが数mm程度に大きくなってしまう。し
たがって、電子ペン11の先端位置の検出精度の低下が
心配される。
【0173】ところが、このように数本の電極をまとめ
て走査することによって、電子ペン11の先端電極に誘
起される誘導電圧の波形はより図37(a)に近くなる(1
本ずつ走査した場合にはより図37(b)に近い波形とな
る)。したがって、図37の説明の際に述べたように、
各階段の波高値を最大波高値によって正規化した後に最
大波高値と2番目に高い波高値との比に基づいて電子ペ
ン11の先端座標を求めることによって、走査単位での
電極の実質のピッチが大きくなるにも拘わらず、8ドッ
ト/mm程度の解像度で電子ペン11の先端位置を検出で
きるのである。
【0174】尚、得られた図37(a)のような波形の誘
導電圧をローパスフィルタを通して図37(b)のような
波形に整形して、走査が開始されてから図37(b)の波
形のピークが検出されるまでの時間Tsに基づいて電子
ペン11の先端位置を検出することも可能である。その
場合には、x座標検出回路8およびy座標検出回路9に
コンパレータを設け、その各コンパレータによって図3
7(b)に示すアナログ波形の座標検出信号を図37(c)に
示すように2値化する。そして、走査が開始されてから
の時間Trおよび時間Tgを計測し、以下の式によって図
37(b)に示す上記時間Tsを算出するのである。
【0175】Ts=(Tr+Tg)/2 その際における上記時間Trおよび時間Tgの計測は、走
査が開始されてから図37(c)におけるパルスの立ち上
がりまでの時間又は立ち下がりまでの時間をx座標検出
回路8あるいはy座標検出回路9に内蔵されたカウンタ
によって計測すればよい。その際に、計測精度を高める
ために、上記カウンタのカウントクロック周波数は検出
制御回路6からのクロック信号cp1d(コモン電極Yの走
査クロック)およびクロック信号cp2d(セグメント電極X
の走査クロック)の周波数より高い値に設定するのであ
る。
【0176】上述のように、本実施例においては、セグ
メント電極走査信号xあるいはコモン電極走査信号yを
複数本のセグメント電極Xあるいは複数のコモン電極Y
に一括して印加している。したがって、本実施例によれ
ば、電子ペン11の先端電極に誘起される誘導電圧を高
くすることができ、表示機能が一体化された静電誘導タ
ブレットとして高密度液晶パネルを使用した場合であっ
ても電子ペン11の先端座標を正しく検出できる。ま
た、セグメント電極走査速度あるいはコモン電極走査速
度を早くすることができる。
【0177】図8は、座標検出期間における電極走査を
1本ずつ実施することによって、複数本ずつまとめて走
査したと同じ効果を得る場合の実施例である(コモン電
極走査信号yのみ記載)。本実施例の場合も、図8に示
すように、前記実施例と同様に検出制御回路6からのク
ロック信号cp1dに基づいてコモン電極Yに順次コモン電
極走査信号yを印加していく。ところが、本実施例の場
合には、走査パルス印加時間Tpをクロック信号cp1oま
たはクロック信号cp2oの複数周期分に設定するのであ
る。その結果、ある時点において見れば、複数本のコモ
ン電極Yに異なるコモン電極走査信号yの走査パルスが
同時に印加されるのである。こうすることによって、電
子ペン11の先端電極に誘起する誘導電圧はより多くの
コモン電極Yの走査電圧によって誘起されるので、上記
誘導電圧を高めることができ、電子ペン11の先端位置
の検出精度が良くなる。
【0178】但し、この場合に電子ペン11の先端電極
に誘起される誘導電圧の波形はより図37(b)に近付く
ので、本実施例においては上記時間Tsに基づいて電子
ペン11の先端位置を検出すればよい。
【0179】このような方法は、特にラッチ回路が内蔵
されていないために前記実施例による複数走査ができな
いようなコモン駆動回路2の場合に用いれば有効であ
る。しかしながら、セグメント電極走査に用いても何等
差し支えない。
【0180】なお、第2実施例においては図7,図8に
示すように、コモン電極走査信号yの走査電圧は、図3
に示す第1実施例の場合とは逆に非走査電圧よりも高い
電圧に設定されている。しかしながら、このことは単に
電子ペン11の先端電極に誘起される誘導電圧の極性が
変わるだけであって特に問題はない。
【0181】[第3実施例]以下に述べる実施例において
は、上記電子ペン11の先端電極に誘起された誘導電圧
に重畳されたノイズを除去して、電子ペン11の先端位
置の誤検出を防止する。
【0182】図9においては、図3あるいは図7に示す
ようなセグメント電極走査信号xあるいはコモン電極走
査信号yの走査パルスの箇所(以下、走査期間と言う)に
高い周波数の矩形波を挿入するのである。電子ペン11
の先端電極にはセグメント電極Xおよびコモン電極Yと
の容量結合によって誘導電圧が誘起されるため、セグメ
ント電極走査信号xあるいはコモン電極走査信号yの走
査期間を高い周波数で変化することによって、電子ペン
11の先端電極に誘起される誘導電圧は大きくなると共
に高周波成分を含むのである。
【0183】こうして電子ペン11の先端電極に誘起さ
れた誘導電圧は高周波成分のみを通過させて増幅するア
ンプを通した後に整流して、図37(b)に示すような波
形の信号を得る。その際に用いられる特定周波数成分の
みを通過させるフィルタとしてはセラミックフィルタ等
が有効である。
【0184】上記各実施例における各走査信号の印加方
法によれば、外部からの静電ノイズや電子ペン11とタ
ブレット面等との摩擦による帯電に起因するノイズ等に
よって、電子ペン11の先端位置の誤検出が生ずる。と
ころが、本実施例のような走査信号の印加方法によれ
ば、x座標検出回路8あるいはy座標検出回路9に入力
される電子ペン11からの信号にはセグメント電極走査
信号xあるいはコモン電極走査信号yに起因する特定の
周波成分が重畳されているので、座標検出に必要な信号
のみを効率良く増幅してノイズと分離できるのである。
【0185】本実施例を実施する際には、走査信号の走
査期間に挿入する高周波の周波数を液晶素子の内部より
発生しないような周波数(例えば、500KHz)を選ぶ
必要がある。
【0186】上記実施例においては、電極走査信号の走
査期間に高周波数の矩形波を挿入しているが、これに限
定されるものではない。図10は高周波数の正弦波を挿
入する例である。本実施例によれは、セグメント電極X
あるいはコモン電極Yに交流波形が印加されるので、前
記実施例の効果に加えて、座標検出期間における液晶の
電気分解を防止できると言う効果がある。
【0187】このような走査期間に高い周波数の正弦波
を挿入した走査信号は、図1における電源回路5とは別
に高周波電源を設け、この高周波電源からの交流をアナ
ログスイッチによって選択してコモン駆動回路2および
セグメント駆動回路3の電源入力端子に入力することに
よって得られる。
【0188】[第4実施例]上記各実施例においては、上
記座標検出期間のx座標検出期間ではセグメント電極X
にセグメント電極走査信号xの走査パルスを順次印加す
る一方、y座標検出期間ではコモン電極Yにコモン電極
走査信号yの走査パルスを順次印加して、電子ペン11
の先端座標を検出する。ところが、上記表示期間におい
ても、コモン電極Yにはコモン電極駆動信号a〜hの選
択パルスが1本単位で順次印加される。したがって、上
記各実施例におけるy座標検出動作をy座標検出期間で
はなく表示期間に実施することが可能なのである。
【0189】本実施例では、以下に詳述するようにし
て、表示期間中にy座標検出動作を実施する。
【0190】上述のように、表示期間においてはコモン
電極Yには1本単位にコモン電極駆動信号a〜hの選択
パルスが印加される。ところが、上述のように総てのセ
グメント電極Xには表示データの内容に応じた電圧のセ
グメント電極駆動信号が一括して印加される。例えば、
図32に示すタイミングチャートにおいては、セグメン
ト電極駆動信号Aが奇数番目のセグメント電極X1,X3,
…に一括して印加される一方、セグメント電極駆動信号
Bが偶数番目のセグメント電極X2,X4,…に一括して印
加されるのである。
【0191】したがって、上記電子ペン11の先端電極
にはコモン電極駆動信号a〜hに起因する誘導電圧とセ
グメント電極駆動信号A,Bに起因する誘導電圧とが同
時に誘起されてしまう。これでは、上記先端電極に誘起
された誘導電圧はいずれの駆動信号に起因する誘導電圧
であるか特定できず、電子ペン11の先端座標を検出で
きないのである。
【0192】そこで、本実施例においては、以下のよう
にしてコモン電極駆動信号a〜hのみに起因する誘導電
圧を分離して検出するのである。
【0193】図11は本実施例に係るコモン電極駆動信
号a〜hの波形を示す。本実施例ではコモン電極駆動信
号a〜hの選択パルスに高周波を重畳する。本実施例に
おいて選択パルスに重畳される高周波の電圧値は5V程
度である。このような高周波は応答速度の遅い液晶表示
には殆ど影響を及ぼさない。
【0194】このような選択パルスに高周波成分が重畳
されたコモン電極駆動信号ao〜hoと通常のセグメント電
極駆動信号A,Bとによって電子ペン11の先端電極に
誘起された誘導電圧信号はフィルタを通過して高周波成
分のみが取り出される。したがって、y座標検出回路9
に入力される信号はコモン電極駆動信号ao〜hoに基づく
誘導電圧のみが分離された信号となるのである。
【0195】こうして、本実施例によれば、表示期間中
において適確に電子ペン11の先端のy座標を検出でき
る。
【0196】本実施例における上記電子ペン11の先端
のx座標の検出は、図2に示すように表示期間と表示期
間との間にx座標検出期間を設け、このx座標検出期間
に上記各実施例の場合と同様にしてセグメント電極走査
信号xに基づいて検出すればよい。この場合には、y座
標検出期間が不必要となるので座標検出期間を短くで
き、表示期間を十分に確保することができるのである。
【0197】また、行電極Xのみを備えた静電誘導タブ
レットを本実施例におけるデューティタイプ液晶表示装
置の液晶パネルに積層して、電子ペン11の先端のx座
標は静電誘導タブレットによって検出する一方、y座標
は液晶パネルによって検出するようにしてもよい。
【0198】上述のセグメント電極走査信号xあるいは
コモン電極走査信号yの走査期間に高周波数の矩形波を
挿入する実施例又はセグメント電極走査信号xあるいは
コモン電極走査信号yの走査期間に高周波の正弦波を挿
入する実施例又は選択パルスに高周波を重畳したコモン
電極駆動信号ao〜hoを用いる実施例のいずれにおいて
も、電極あるいは電極群に印加する信号のパルスに付加
する高周波の位相を電極毎にあるいは電極群毎に変化さ
せて、この位相を検出することによってより精度良く電
子ペン11の先端位置を検出することも可能である。
【0199】また、上記パルスに付加する高周波の周波
数を電極毎にあるいは電極群毎に変化させてもよい。
【0200】[第5実施例]以下に述べる実施例は、上記
各実施例の効果を一層高めることができる実施例であ
る。
【0201】上記液晶パネルは、図1に示すように下側
に位置するコモン電極Yと上側に位置するセグメント電
極Xとが所定の間隔で交差した構造になっている。した
がって、同じ画素を構成するコモン電極Yおよびセグメ
ント電極Xと電子ペン11の先端電極との距離は異なる
のである。したがって、コモン電極Yとセグメント電極
Xとに同じ波高値の走査パルスを印加した場合には、電
子ペン11の先端電極から遠いコモン電極Yに起因する
誘導電圧の方が低い電圧を呈するのである。これは、コ
モン電極Yがセグメント電極Xによってシールドされる
ためである。
【0202】ところが、上述のように、走査信号の走査
パルスの波高値Vdには液晶表示電圧の閾値との関係か
ら制限があるのであまり自由に設定できない。そこで、
セグメント電極走査信号xにおける走査パルスの波高値
Vdとコモン電極走査信号yにおける走査パルスの波高
値Vdのうち、いずれか高いほうの走査パルスが印加さ
れる電極を下側に配置するのである。
【0203】そうすれば、容易にセグメント電極走査信
号xに起因する誘導電圧とコモン電極走査信号yに起因
する誘導電圧とを略等しくできるのである。
【0204】本実施例においては、印加される走査信号
の走査パルスの波高値Vdが高い方のコモン電極Yの位
置を、走査パルスの波高値Vdが低い方のセグメント電
極Xの位置よりも下側にするのである。この場合の走査
パルスの波高値Vdとは、図5におけるセグメント電極
走査信号x1の場合には“V5−V3"であり、セグメント
電極走査信号x5の場合には“V2−V0"である。
【0205】また、上記セグメント電極走査信号xに起
因する誘導電圧とコモン電極走査信号yに起因する誘導
電圧とを略等しくできる他の実施例として、次のような
方法がある。
【0206】すなわち、図7に示すように複数本の電極
に同一走査信号を印加する実施例又は図8に示すように
1本の電極毎に走査信号を印加して複数本の電極に同一
走査信号を印加したと同じ効果を得るような実施例にお
いて、同一走査パルスが印加される電極本数(あるい
は、走査パルス印加時間Tp)を下側に位置する電極側を
大きく設定するのである。
【0207】こうすることによって、下側に位置する電
極に印加された走査信号に起因する誘導電圧を大きくで
きるのである。
【0208】また、下側に在る電極に印加する走査パル
スの波高値を高くする方法と、同一走査信号が印加され
る電極本数を下側に位置する走査電極側を大きく設定す
る方法とを併用しても何等差し支えない。
【0209】[第6実施例]上記第5実施例において
は、下側に位置する電極に印加する走査信号の走査パル
スの波高値を高くする方法、あるいは、同一走査信号が
印加される電極本数を下側に位置する電極側を大きく設
定する方法によって、下側に位置する電極に印加される
走査信号に起因する誘導電圧の値を高めるようにしてい
る。
【0210】これに対して、本実施例においては、セグ
メント電極走査信号xの走査パルスの波高値とコモン電
極走査信号yの走査パルスの波高値とを同じにしても、
電子ペン11先端のx座標とy座標とを同じ精度で検出
できるようにした実施例である。
【0211】すなわち、本実施例においては、上記セグ
メント電極走査信号xの走査パルスの波高値Vdおよび
コモン電極走査信号yの走査パルスの波高値Vdを同一
にする変わりに、下側に位置する電極(本実施例におい
てはコモン電極Y)の走査信号に起因する誘導電圧の増
幅率を上側に位置する電極(本実施例においてはセグメ
ント電極X)の走査信号に起因する誘導電圧の増幅率よ
りも大きくするのである。
【0212】すなわち、先ず、セグメント電極走査信号
xに起因する誘導電圧信号およびコモン電極走査信号y
に起因する誘導電圧信号の夫々を、オペレーショナル・
アンプ12によって同じ増幅率で増幅する。その際にお
ける増幅率は、セグメント電極走査信号x(上側に位置
する電極に係る走査信号)に起因する誘導電圧がx座標
検出回路8に内蔵されたコンパレータで2値化するのに
都合のよい電圧(例えば、2V〜5V)になるような増幅
率(本実施例においては100倍)に設定する。この場
合におけるコモン電極走査信号y(下側に位置する電極
に係る走査信号)に起因する誘導電圧の増幅後の電圧
は、y座標検出回路9に内蔵されたコンパレータで2値
化するのに都合のよい電圧にはなっていない(例えば、
0.5V以下)。
【0213】こうした後、上記セグメント電極走査信号
xに起因する誘導電圧がx座標検出回路8のコンパレー
タで2値化されるのである。
【0214】この時点では、上述のようにコモン電極走
査信号yに起因する誘導電圧の値は2値化にはまだ低す
ぎるので、コモン電極検出回路9に内蔵された増幅器に
よって、さらに増幅(本実施例においては10倍に増幅)
するのである。その場合に、セグメント電極走査信号x
に起因する誘導電圧信号も上記増幅器によって増幅され
ると、入力されたセグメント電極走査信号xに起因する
誘導電圧の値が大き過ぎる場合には誘導電圧の平均レベ
ルが大きくなって肝心のコモン電極走査信号yに起因す
る誘導電圧が正しく増幅されない。そこで、アナログゲ
ート回路等によってy座標検出期間にのみ上記内蔵され
た増幅器に誘導電圧信号が入力されるようにするのであ
る。
【0215】また、上記誘導電圧の増幅は次のように実
施してもよい。すなわち、上記x座標検出回路8および
y座標検出回路9に夫々増幅率100倍の増幅器と増幅
率1000倍の増幅器とを設ける。さらに、アナログゲ
ート回路によって、電子ペン11からの誘導電圧信号を
増幅器に入力する経路を上記増幅率100倍の増幅器を
通過する経路と増幅率1000倍の増幅器を通過する経
路とに切り替え可能にする。そして、x座標検出期間に
は上記経路を増幅率100倍の増幅器側に切り替える一
方、y座標検出期間には増幅率1000倍の増幅器側に
切り替えるのである。
【0216】[第7実施例]上記各実施例においては、説
明を簡単にするために、座標検出期間をN番目フレーム
の表示期間の後に設けている。しかしながら、この発明
はこれに限定されるものではなく、N番目フレームの表
示期間中に座標検出期間を挿入しても差し支えない。
【0217】この場合には、N番目フレームの画像を表
示する表示期間の途中において、図1における制御回路
10の制御に従って、切り替え回路7が検出制御回路6
側を切り替え選択して座標検出期間に切り替わった場合
に、表示制御回路4はその時点での表示データや各種表
示制御信号の状態を記憶しておく。そして、切り替え回
路7が表示制御回路4側を切り替え選択して上記N番目
フレームの表示期間が再開された場合には、記憶されて
いる各信号の状態に基づいてN番目フレームの表示を再
開すればよい。
【0218】また、この場合、1表示画面中における座
標検出期間の挿入位置は、いつも同じ位置にする必要は
ない。例えば、400ドット×640ドットの液晶マト
リックスの場合には、321ライン毎に座標検出期間を
挿入するのである。こうすると、フレーム周期と座標検
出期間挿入周期とは非同期となる。したがって、表示期
間から座標検出期間への切り替え点が1表示画面中にお
いてランダムに移動するので、座標検出期間の表示期間
への影響が少なくなる。
【0219】また、毎秒当たりの座標検出期間挿入回数
を毎秒当たりのフレーム周期数より多くすることも可能
である。
【0220】<第2例>ところで、液晶表示の際の1フ
レーム期間中における表示期間を大きくして表示効率を
向上するには、座標検出期間を出来る限り短くする必要
がある。しかしながら、上記第1例の表示一体型タブレ
ット装置では、図2に示すように、座標検出期間をx座
標検出期間とy座標検出期間とで形成してx座標検出と
y座標検出とを夫々別々の期間に行なっている。そのた
めに、座標検出期間を短くするには限度がある。
【0221】そこで、第2例においては、x座標検出と
y座標検出を同時に実施することによって、座標検出期
間を一挙に略1/2に短縮するのである。すなわち、第
2例における表示一体型タブレット装置は、上記第2の
目的を達成するための表示一体型タブレット装置であ
る。
【0222】[第8実施例]図12は本実施例における
表示一体型タブレット装置のブロック図である。この表
示一体型タブレット装置は、第1例における図1に示す
表示一体型タブレット装置の構成に、周波数の異なる二
つの高周波電圧信号Vfxおよび高周波電圧信号Vfyを
生成する高周波電源回路21と、オペレーショナル・ア
ンプ12から出力された誘導電圧信号のうち上記高周波
電圧信号Vfxの周波数と同じ周波数の成分のみを通過さ
せるバンドパスフィルタ(以下、BPF(fx)と略称する)
22と、オペレーショナル・アンプ12から出力された
誘導電圧信号のうち上記高周波電圧信号Vfyの周波数と
同じ周波数の成分のみを通過させるBPF(fy)23を付
加した構成を有している。
【0223】尚、図12においては、図1と同じ構成部
分については、図1と同じ番号を付している。
【0224】上記高周波電圧信号Vfxおよび高周波電圧
信号Vfyは高周波パルス信号(以下、単にパルス信号と言
う)であってもよく、また、高周波正弦波信号(以下、単
に正弦波信号と言う)であってもよい。
【0225】また、これらのパルス信号あるいは正弦波
信号に直流成分が加わっていてもよい。但し、その場合
には、液晶層に電位差が生じると液晶の劣化の原因とな
るため、上記高周波電圧信号Vfxおよび高周波電圧信号
Vfyの直流成分の電圧は互いに等しいことが望ましい。
【0226】上記コモン駆動回路2は、上記高周波電源
回路21からの高周波電圧信号Vfyが入力される高周波
電圧信号入力端子VFYを有する。また、セグメント駆
動回路3は、高周波電源回路21からの高周波電圧信号
Vfxが入力される高周波電圧信号入力端子VFXを有す
る。
【0227】上記コモン駆動回路2およびセグメント駆
動回路3として、上記高周波電圧信号入力端子VFY,
VFXを有しない図1に示すコモン駆動回路2およびセ
グメント駆動回路3をそのまま用いる場合には、第1実
施例におけるように、高周波電源回路21を設けること
なく、電源回路5から供給される直流のバイアス電源V
0〜V5に基づいて上記パルス信号を生成するようにすれ
ばよい。
【0228】図13は、上記高周波電圧信号Vfx,Vfy
として上記パルス信号を用いて、上記走査期間にパルス
信号Vfxを挿入したセグメント電極走査信号xと走査期
間にパルス信号Vfyを挿入したコモン電極走査信号yと
によって、セグメント電極Xとコモン電極Yとを同時に
走査する場合の座標検出期間のタイミングチャートであ
る。
【0229】この場合、上記セグメント電極Xの走査を
周波数“fx"のパルス信号Vfxで行う一方、コモン電極
Yの走査を周波数“fy"のパルス信号Vfyで行うのであ
る。そして、パルス信号Vfxの周波数“fx"とパルス信
号Vfyの信号“fy"とは、BPF(fx)22およびBPF
(fy)23によって分離可能に設定しておく。
【0230】また、パルス信号Vfxの周波数“fx"とパ
ルス信号Vfyの信号“fy"とは、互いに他の奇数倍とな
らないように設定しておく。これは、パルス信号Vfx,
Vfyの波形が歪んだ場合には奇数倍の高調波を含むた
め、そのことによって座標検出精度が低下しないように
するためである。
【0231】本実施例の場合には、上述のようにセグメ
ント電極Xとコモン電極Yとの走査を同時に行うため、
電子ペン11の先端電極にはパルス信号Vfxに基づく誘
導電圧とパルス信号Vfyに基づく誘導電圧とが重畳され
た誘導電圧が誘起される。そして、電子ペン11からの
誘導電圧信号はオペレーショナル・アンプ12によって
増幅された後、BPF(fx)22およびBPF(fy)23に
入力される。
【0232】そうすると、上記BPF(fx)22はこの入
力された誘導電圧信号のうち周波数“fx"の成分のみを
通過させてx座標検出回路8に送出する。一方、BPF
(fy)23は入力された誘導電圧信号のうち周波数“fy"
の成分のみを通過させてy座標検出回路9に送出する。
【0233】その結果、上記x座標検出回路8には、セ
グメント電極走査信号x(走査期間にパルス信号Vfxを
挿入)に基づく誘導電圧信号のみが入力される。一方、
y座標検出回路9には、コモン電極走査信号y(走査期
間にパルス信号Vfyを挿入)に基づく誘導電圧のみが入
力されるのである。
【0234】そうすると、上記x座標検出回路8は、B
PF(fx)22からの入力信号と制御回路10からのタイ
ミング信号に基づいて電子ペン11の先端が指示した位
置のx座標を検出し、x座標を表すx座標信号を出力す
る。また、y座標検出回路9は、BPF(fy)23からの
入力信号と制御回路10からのタイミング信号に基づい
て電子ペン11の先端が指示した位置のy座標を検出
し、y座標を表すy座標信号を出力する。
【0235】図14は、上記セグメント電極走査信号x
あるいはコモン電極走査信号yの走査期間に挿入する高
周波電圧信号Vfxあるいは高周波電圧信号Vfyとして、
上記正弦波信号を用いた場合における座標検出期間のタ
イミングチャートである。
【0236】この場合も上述と同様に、両走査信号の走
査期間の周波数が互いに他の奇数倍とならないように設
定することによって、セグメント電極Xとコモン電極Y
とを同時に走査できるのである。
【0237】尚、図13および図14においては、分か
り易くするためにパルス信号あるいは正弦波信号の周期
をかなり拡大して表現している。
【0238】このように、本実施例においては、上記周
波数“fx"の高周波電圧信号Vfxが走査期間に挿入され
たセグメント電極走査信号xと周波数“fx"とは異なる
周波数“fy"の高周波電圧信号Vfyが走査期間に挿入さ
れたコモン電極走査信号yによって、セグメント電極X
とコモン電極Yとを同時に走査する。そして、上記電子
ペン11の先端電極に誘起した誘導電圧信号の周波数
“fx"の成分のみをBPF(fx)22によって選択的にx
座標検出回路8に送出し、周波数“fy"の成分のみをB
PF(fy)23によって選択的にy座標検出回路9に送出
する。
【0239】したがって、上記x座標検出回路8および
y座標検出回路9の夫々には、対応する走査信号に基づ
く誘導電圧が同時に入力されることになり、電子ペン1
1先端のx座標とy座標とが同時に検出可能になる。
【0240】すなわち、本実施例によれば、上記各実施
例のようにx座標検出期間とy座標検出期間とを夫々別
々の期間に実施するものに比較して座標検出期間を大略
1/2に短縮でき、1フレーム期間における表示期間を
長くとることができるのである。
【0241】<第3例>上記第1例において詳述したよ
うに、液晶パネル1に充填された液晶が電気分解を起こ
して寿命が短くなるのを防止するために、各画素を構成
する液晶層に印加される電圧の方向を上記交流化信号fr
oのレベルに応じて反転するようにしている。
【0242】図15は、図1に示す表示一体型タブレッ
ト装置のコモン駆動回路2およびセグメント駆動回路3
における上記アナログスイッチ系の具体例を示す図であ
る。
【0243】上記コモン駆動回路2におけるアナログス
イッチ系は、各コモン電極Y1,Y2,…,Y8の夫々に接続
されているトランスファーゲート並列対G1/G2,G3/G
4,…,G5/G6と、各トランスファーゲートG1,G3,…,
5のゲート端子およびコモン選択回路31の対応する
出力端子の間に接続されたインバータと、各トランスフ
ァーゲートG1,G3,…,G5の入力端子に接続されたトラ
ンスファーゲート並列対G31/G32と、各トランスファ
ーゲートG2,G4,…,G6の入力端子に接続されたトラン
スファーゲート並列対G33/G34と、各トランスファー
ゲートG31,G33のゲート端子および切り替え回路7(図
1参照)の交流化信号出力端子FROの間に接続された
インバータから概略構成されている。
【0244】また、上記セグメント駆動回路3における
アナログスイッチ系は、セグメント電極X1,X2,…,X
40の夫々に接続されているトランスファーゲート並列対
11/G12,G13/G14,G15/G16,…,G17/G18と、各ト
ランスファーゲートG11,G13,G15,…,G17のゲート端
子とセグメント制御回路32の対応する出力端子との間
に接続されたインバータと、各トランスファーゲートG
11,G13,G15…,G17の入力端子に接続されたトランス
ファーゲート並列対G23/G24と、各トランスファーゲ
ートG12,G14,G16…,G18の入力端子に接続されたト
ランスファーゲート並列対G21/G22と、トランスファ
ーゲートG21,G23のゲート端子と切り替え回路7の交
流化信号出力端子FROとの間に接続されたインバータ
から概略構成されている。
【0245】尚、上記各トランスファーゲートは、その
ゲート端子にレベル“H"の信号が入力されると“オン"
となる一方、レベル“L"の信号が入力されると“オフ"
となる。
【0246】また、上記コモン選択回路31およびセグ
メント制御回路32は、上記コモン電極Yあるいはセグ
メント電極Xを選択する場合には対応する出力端子から
レベル“H"の選択信号を出力する一方、非選択の場合
にはレベル“L"の選択信号を出力する。
【0247】上記コモン駆動回路2およびセグメント駆
動回路3の構成において、例えば切り替え回路7からの
交流化信号froのレベルが“H"の場合におけるy座標検
出期間には次のように動作する。
【0248】上記コモン駆動回路2にレベル“H"の交
流化信号froが入力されるとトランスファーゲートG32,
34が“オン"となって、各トランスファーゲートG1,
3,…,G5の入力端子に電源回路5からのバイアス電源
1が入力される。一方、各トランスファーゲートG2,
4,…,G6にの入力端子にバイアス電源V5が入力され
る。
【0249】ここで、例えばコモン電極Y1が選択され
る場合には、コモン選択回路31からトランスファーゲ
ート対G1/G2のゲート端子に対してレベル“H"の選択
信号が出力され、その結果トランスファーゲートG2
らコモン電極Y1に対して上記バイアス電源V5が出力さ
れる。一方、トランスファーゲート対G3/G4,…,G5/
6のゲート端子に対してレベル“L"の選択信号が出力
され、その結果トランスファーゲートG3,…,G5からは
コモン電極Y2,…,Y8に対して上記バイアス電源V1
出力される。
【0250】同様に、上記セグメント駆動回路3にレベ
ル“H"の交流化信号froが入力されるとトランスファー
ゲートG22,G24が“オン"となって、各トランスファー
ゲートG12,G14,G16,…,G18の入力端子に電源回路5
からのバイアス電源V0が入力される。一方、各トラン
スファーゲートG11,G13,G15,…,G17の入力端子にバ
イアス電源V2が入力される。
【0251】ここで、上記y座標検出期間においては総
てのセグメント電極Xは選択されないので、セグメント
制御回路32からトランスファーゲート対G11/G12,G
13/G14,…,G17/G18のゲート端子に対してレベル
“L"の選択信号が出力され、その結果トランスファー
ゲートG11,G13,G15,…,G17からはセグメント電極X
1,X2,X3,…,Y40に対して上記バイアス電源V2が出力
される。
【0252】その結果、選択コモン電極Y1とセグメン
ト電極Xとの間には電圧│V5−V2│が印加される一
方、非選択コモン電極Y2,…,Y8とセグメント電極Xと
の間には電圧│V1−V2│が印加されることになる。
【0253】以下、コモン電極Y2,Y3,…,Y8が順次選
択されて、図16(図3)に示すように、選択コモン電極
Yとセグメント電極Xとの間に電圧│V5−V2│が印加
されるのである。
【0254】次に、上記交流化信号froのレベルが反転
した場合におけるy座標検出期間には次のように動作す
る。
【0255】上記コモン駆動回路2およびセグメント駆
動回路3にレベル“L"の交流化信号froが入力される
と、トランスファーゲートG31,G33およびトランスフ
ァーゲートG21,G23が“オン"となる。その結果、上述
の場合と全く同様にして、上記選択コモン電極Yとセグ
メント電極Xとの間に電圧│V0−V3│が印加されるの
である。
【0256】こうして、上記交流化信号froのレベル反
転に応じて、液晶に印加される電圧の方向が反転するの
である。
【0257】上述のような技法は液晶表示にとって極め
て有効で必要不可欠な技法である。ところが、一つの液
晶パネル1で画像表示機能とタブレット機能を兼用する
場合には極めて厄介な技法となるのである。そこで、種
々の問題を避けるために、第1例においては、交流化信
号froのレベル反転制御を表示期間と座標検出期間とで
独立して制御することによって、液晶による表示一体型
タブレット装置を実現している。
【0258】図17は、図16における表示期間を省略
し、座標検出期間のみを拡大して表示した図である。
【0259】例えば、上記第2実施例で説明したよう
に、400本のコモン電極Yおよび640本のセグメン
ト電極Xを16本づつ1ブロックとして走査するとする
と、コモン電極Yの電極ブロック数は25であり、セグ
メント電極の電極ブロック数は40となる。
【0260】そして、各コモン電極ブロックには、図1
7(a)に示すようなパルス幅“Ta"の走査パルスを有す
るコモン電極走査信号yを入力する。一方、各セグメン
ト電極ブロックには、図17(b)に示すようなパルス幅
“Tb"の走査パルスを有するセグメント電極走査信号x
を入力する。
【0261】尚、各走査パルスの位置は各コモン電極ブ
ロックおよびセグメント電極ブロックによって異なる。
【0262】図17(c)は、上記各コモン電極Yに図1
7(a)に示すようなコモン電極走査信号yを入力する一
方、各セグメント電極Xに図17(b)に示すようなセグ
メント電極走査信号xを入力した際に、各画素における
セグメント電極Xに対するコモン電極Yの電圧を示す。
【0263】ここで、1回の座標検出期間においては総
てのコモン電極Yおよびセグメント電極Xは1回ずづ走
査される。したがって、図17において、座標検出期間
1におけるy座標検出期間およびx座標検出期間では、
総てのコモン電極Yおよび総てのセグメント電極Xに図
17(a)あるいは図17(b)に示すようなコモン電極走査
信号yあるいはセグメント電極走査信号xが走査パルス
のタイミングを異にして入力される。
【0264】したがって、上記座標検出期間1における
個々のコモン電極Yおよびセグメント電極Xの平均電圧
は同一値となる。その結果、図17(c)に示す各画素に
おけるセグメント電極Xに対するコモン電極Yの電圧値
の平均値も総て同じになるのである。
【0265】上記各画素におけるセグメント電極Xに対
するコモン電極Yの電圧平均値(以下、単に電極間電圧
平均値と言う)は式(1)で与えられる。
【0266】
【数1】
【0267】いま、各表示条件は、 1) 画素数=400×640 2) y座標検出期間長=25Ta (1コモン電極ブロック :16本,コモン電極ブロ
ック数 :25 ) 3) x座標検出期間長=40Tb (1セグメント電極ブロック:16本,セグメント電極
ブロック数:40 ) であり、さらに、 4) Ta=Tb 5) V0= 0.0V,V1= 1.7V,V2= 3.4
V V3=23.5V,V4=25.2V,V5=26.9V とすると、上記交流化信号froのレベルが“H"である座
標検出期間1における電極間電圧平均値Vdcは Vdc=−1.26V となる。
【0268】また、上記交流化信号froのレベルが“L"
である座標検出期間2における電極間電圧平均値Vdcは Vdc=+1.26V となる。
【0269】このように、各フレーム毎(すなわち、各
座標検出期間毎)に交流化信号froのレベルを反転させ
て、座標検出期間に各画素に印加される電圧方向を反転
させるのみならず各画素に印加される平均電圧の極性
(絶対値は同じ)をも反転させるのである。
【0270】その結果、座標検出を繰り返すことによっ
て各画素に対する電極間電圧平均値Vdcは略“0V"に
なって液晶の電気分解が防止され、電気分解に伴う液晶
の劣化は避けられるのである。
【0271】ところが、上述のように、上記交流化信号
froのレベル反転によって液晶に印加される電圧方向を
反転させると、図17(a),図17(b)に示すように、コ
モン電極走査信号yおよびセグメント電極走査信号xに
おける非走査電圧のレベルに対する走査パルス電圧のレ
ベルの高低関係が座標検出期間毎に反転することにな
る。その結果、図18に示すように、座標検出期間1と
座標検出期間2とにおいて電子ペン11の先端位置が同
じであっても、電子ペン11の先端電極から出力される
誘導電圧信号Vpの極性は反転するのである。
【0272】この上記電子ペン11からの誘導電圧信号
Vpの極性反転は次のような問題を齎す。
【0273】一つには、図1に示すように電子ペン11
にオペレーショナル・アンプ12が内蔵されている場合
には、オペレーショナル・アンプ12の両極性の増幅特
性を一致させるために双極性の電源電圧を必要とする。
そのために、電子ペン11に電圧を供給するためのリー
ド線が増える。
【0274】また、仮に電子ペン11の構造を簡素化し
て、本体側のx座標検出回路8およびy座標検出回路9
にオペレーショナル・アンプを設置するにしても、やは
り極性の異なる電源を必要とするのである。
【0275】また、仮に両極性の電源を用意して両極性
を増幅したとしても、電子ペン11の先端座標を極性の
異なる出力電圧に基づいて算出しなければならず、x座
標検出回路8およびy座標検出回路9が複雑になる。
【0276】また、上記第1実施例において説明したよ
うに、上記電子ペン11からの誘導電圧信号を増幅する
前に全波整流して極性を揃えるにしても、誘導電圧信号
の電圧は僅か30mV程度であり、ダイオードの特性か
らこのような操作は困難である。
【0277】さらには、上記オペレーショナル・アンプ
12の特性等によって、電子ペン11の位置が同じにも
かかわらず、交流化信号froのレベル反転に応じて電子
ペン11の先端位置のx座標およびy座標が異なる場合
が生ずる。
【0278】そこで、第3例においては、上記電子ペン
11からの誘導電圧信号の極性の反転を防止ることによ
って上述の種々の問題を解決するものである。すなわ
ち、第3例における表示一体型タブレット装置は上記第
3の目的を達成するための表示一体型タブレット装置で
ある。
【0279】[第9実施例]上述のように、上記電子ペン
11からの誘導電圧信号の極性が反転しないようにする
には、各座標検出期間毎に交流化信号froのレベルを反
転することなく液晶の電気分解を防止する必要がある。
そのためには、総ての座標検出期間における上記電極間
電圧平均値Vdcを“0V"にしておけばよいのである。
【0280】そこで、本実施例においては、他に電源回
路を設けることなく、座標検出期間における電極間電圧
平均値Vdcを“0V"にするのである。
【0281】図19は、本実施例の表示一体型タブレッ
ト装置におけるコモン駆動回路2およびセグメント駆動
回路3のアナログスイッチ系のブロック図である。図1
9に従って本実施例の表示一体型タブレット装置につい
て説明するに先立って、本実施例における座標検出期間
にコモン電極Yおよびセグメント電極Xに入力されるコ
モン電極走査信号yおよびセグメント電極走査信号xに
ついて説明する。
【0282】上記座標検出期間での上記電極間電圧平均
値Vdcは、上述のように式(1)によって与えられる。
【0283】ここで、本実施例においても、400本の
コモン電極Yと640本のセグメント電極Xの夫々を1
ブロック16本としてブロック単位で走査するものとす
る。また、その際に、コモン電極Yには、非走査電圧が
“Vc1"であって走査パルスのパルス幅が“Ta"で電圧
が“Vc2"であるコモン電極走査信号yを入力する。一
方、セグメント電極Xには、非走査電圧が“Vs1"であ
って走査パルスのパルス幅が“Tb"で電圧が“Vs1"で
あるセグメント電極走査信号xを入力する。
【0284】そうすると、上記電極間電圧平均値Vdcは
式(1)より次のように求められる。
【0285】 Vdc=[24Ta(Vc1−Vs1)+Ta(Vc2−Vs1) +39Tb(Vc1−Vs1)+Tb(Vc1−Vs2)]/(25Ta+40Tb) …(2) したがって、式(2)におけるTa,Tb,Vc1,Vs1,Vc2お
よびVs2の値を適当に組み合わせることによって、電極
間電圧平均値Vdcを“0"にすることができるのであ
る。
【0286】尚、その際における電圧の制約は、座標検
出期間において両電極間の電圧が液晶表示電圧を越えな
いようにするために、座標検出期間における両電極間の
電圧を│V5−V2│および│V3−V0│を越えない範囲
で選ぶとする。但し、バイアス電圧V0,V2,V3,V5
値は夫々は第1実施例の場合と同じ値である。
【0287】上記式(2)において、電極間電圧平均値V
dcの絶対値を大きくする最大の要因は,コモン電極走査
信号yの非走査電圧Vc1とセグメント電極走査信号xの
非走査電圧Vs1との差(Vc1−Vs1)の値である。このこ
とは、式(2)における(Vc1−Vs1)の項の係数が大きい
ことからも頷ける。
【0288】したがって、上記電極間電圧平均値Vdcを
小さくする最も基本的且つ効果的な方法は、コモン電極
走査信号yの非走査電圧Vc1(すなわち、基準電圧)とセ
グメント電極走査信号xの非走査電圧Vs1(すなわち、
基準電圧)とを同じにすることである。
【0289】例えば、上記式(2)において、Ta=Tbと
すると式(3)が得られる。
【0290】 Vdc=[64(Vc1−Vs1)+(Vc2−Vs2)]/65 …(3) さらに、Vc1=Vs1とすると式(4)が得られる。
【0291】 Vdc=(Vc2−Vs2)/65 …(4) ここで、例えば上記コモン走査信号yの走査パルスの電
圧(つまり、上記走査電圧)Vc2を“23.5V"とする
一方、セグメント走査信号xの走査電圧Vs2を“11.
5V"とする。そうすると、式(4)より電極間電圧平均
値Vdcは、 Vdc=12/65=0.18 となり、無視できる範囲内の値となる。
【0292】ところが、Vc1≠Vs1の場合には、例えば
(Vc1−Vs1)=2.0,Vc2=23.5V,Vs2=11.
5Vとすると、電極間電圧平均値Vdcの値は“1.99"
となって無視できない値となるのである。
【0293】図20は、第1実施例の表示一体型タブレ
ット装置における電源回路5からのバイアス電源をその
まま利用し、Ta=Tb,Vc1=Vs1=V2(=3.4V),
Vc2=Vs2=V5(=26.9V)とすることによって、上
記電極間電圧平均値Vdcの値を“0"にした場合におけ
るコモン電極走査信号y,セグメント電極走査信号xお
よび上記両電極間電圧の波形を示す。
【0294】図20より、上記コモン電極走査信号yお
よびセグメント電極走査信号xにおける走査パルスの波
高値は(V5−V2)となる。ここで、走査パルスの波高値
が高い程電子ペン11からの高い誘起電圧を得ることが
できるので有利である。ところが、走査パルス波高値を
上記バイアス電源を利用し得る最高値(V5−V0)とする
と液晶表示電圧を越えてしまい、コントラストの悪い画
面となってしまうのである。
【0295】以上のことから、上述の方法が、上記座標
検出のための特別な電源を必要とせずに電極間電圧平均
値Vdcの値を“0"にし、且つ高い誘起電圧を得ること
ができるので、最も簡単で確実な方法である。
【0296】そこで、図19に示す表示一体型タブレッ
ト装置におけるアナログスイッチ系では、上述の方法を
実施するために図1に示す表示一体型タブレット装置に
おけるコモン駆動回路2およびセグメント駆動回路3の
アナログスイッチ系(図15参照)に以下のような工夫を
行っている。
【0297】すなわち、本実施例の表示一体型タブレッ
ト装置におけるアナログスイッチ系は、図15に示す表
示一体型タブレット装置におけるアナログスイッチ系の
構成に電源制御回路33を加えるのである。尚、図19
においては、図15と同じ構成部分については図15と
同じ番号を付して、その説明を省略する。
【0298】上記電源制御回路33は、コモン駆動回路
2のトランスファーゲートG32の入力端子に接続された
トランスファーゲート並列対G41/G42と、トランスフ
ァーゲートG34の入力端子に接続されたトランスファー
ゲート並列対G43/G44と、セグメント駆動回路3のト
ランスファーゲートG22の入力端子に接続されたトラン
スファーゲート並列対G45/G46と、トランスファーゲ
ートG24の入力端子に接続されたトランスファーゲート
並列対G47/G48と、コモン駆動回路2のインバータ3
4およびセグメント駆動回路3のインバータ35に接続
されたオアゲート36と、このオアゲート36の一方の
入力端子と各トランスファーゲートG41,G43,G45,G
47のゲート端子との間に介設されたインバータ37から
概略構成されている。
【0299】上記電源制御回路33のオアゲート36に
おけるインバータ37が接続されている方の入力端子に
はモード制御信号Dを入力する一方、他方の入力端子に
は上記交流化信号froを入力する。また、トランスファ
ーゲートG42,G48の入力端子にはバイアス電源V2を入
力し、トランスファーゲートG44,G46の入力端子には
バイアス電源V5を入力する。
【0300】尚、この場合には、トランスファーゲート
44,G48は実質的には不必要である。
【0301】上記モード制御信号Dは例えば制御回路1
0から出力され、座標検出期間にはレベルが“H"であ
り、表示期間にはレベルが“L"の信号である。その結
果、オアゲート36は、表示期間においては交流化信号
froをそのまま出力する一方、座標検出期間においては
常にレベル“H"の信号を出力する。
【0302】上記構成のコモン駆動回路2,セグメント
駆動回路3および電源制御回路33において、上記トラ
ンスファーゲート並列対G41/G42は、表示期間にはト
ランスファーゲートG41によってバイアス電源V1を選
択する一方、座標検出期間にはトランスファーゲートG
42によってバイアス電源V2を選択してコモン駆動回路
2のトランスファーゲートG32に送出する。
【0303】以下同様に、トランスファーゲート並列対
43/G44は、表示期間および座標検出期間のいずれの
場合にもバイアス電源V5を選択してコモン駆動回路2
のトランスファーゲートG34に送出する。また、トラン
スファーゲート並列対G45/G46,G47/G48は夫々、表
示期間にはバイアス電源V0,V2を選択する一方、座標
検出期間にはバイアス電源V5,V2を選択して、セグメ
ント駆動回路3のトランスファーゲートG22,G24に送
出する。
【0304】その結果、上記表示期間においては、コモ
ン駆動回路2は図15の説明と同様に動作して、バイア
ス電源V0,V1,V4,V5を用いて図32に示すようなコ
モン電極駆動信号a〜hを生成する。一方、セグメント
駆動回路3は図15の説明と同様に動作して、バイアス
電源V0,V2,V3,V5を用いて図32に示すようなセグ
メント電極駆動信号A,Bを生成するのである。
【0305】また、上記座標検出期間においては上述の
ようにオアゲート36からの出力は“H"のみとなるか
ら、コモン駆動回路2はトランスファーゲートG31,G
33を閉鎖して、バイアス電源V2,V5のみを用いて図2
0(a)に示すようなコモン電極走査信号yを生成する。
一方、セグメント駆動回路3はトランスファーゲートG
21,G23を閉鎖して、バイアス電源V2,V5のみを用いて
図20(b)に示すようなセグメント電極走査信号xを生
成するのである。
【0306】その結果、上記座標検出期間においては、
夫々の基準電圧が同じ“V2"であって波高値が同じ
“(V5−V2)"である走査パルスを有するコモン電極走
査信号yおよびセグメント電極走査信号xが生成される
のである。
【0307】図20(c)は、上記コモン電極Yに図20
(a)に示すようなコモン電極走査信号yを入力する一
方、セグメント電極Xに図20(b)に示すようなセグメ
ント電極走査信号xを入力した場合における上記両電極
間電圧を示す。
【0308】この場合における両電極間電圧波形は基準
電圧“0V"を境界として対称な波形を成しているので
電極間電圧平均値Vdcは“0V"となり、液晶の電気分
解が防止され、電気分解に伴う液晶の劣化は避けられる
である。
【0309】また、図20(a)および図20(b)から分か
るように、本実施例における座標検出期間においては、
コモン電極走査信号yおよびセグメント電極走査信号x
における基準電圧レベルに対する走査電圧レベルの高低
関係は反転しないのである。したがって、図21に示す
ように、座標検出期間1と座標検出期間2とにおいて電
子ペン11からの誘導電圧信号Vpの極性も反転しない
のである。
【0310】このように、本実施例における表示一体型
タブレット装置は、図1に示す表示一体型タブレット装
置に上記電源制御回路33を設けることによって、電子
ペン11からの誘導電圧信号Vpの極性が反転しないよ
うにできる。したがって、上述のような誘導電圧信号V
pの極性反転に伴う問題は総て解決できるのである。
【0311】上記実施例においては電源制御回路33を
コモン駆動回路2およびセグメント駆動回路3と別途構
成しているが、同一チップ上に構成してもよい。
【0312】また、上記電源制御回路33を上記電源回
路5の一部として構成してもよい。その場合には、コモ
ン駆動回路2およびセグメント駆動回路3と電源回路5
とを結ぶ回路構成は図1に示す表示一体型タブレット装
置の回路構成をそのまま使用できる。
【0313】また、本実施例におけるアナログスイッチ
系の構成は図19の構成に限定されるものではない。
【0314】[第10実施例]本実施例は、上記第8実施
例のごとく、複雑な回路構成である上記電源制御回路3
3(図19参照)を設けたり他の電源回路を設けることな
く、第1実施例の表示一体型タブレット装置における電
源回路5からのバイアス電源をそのまま利用して、Ta
=Tb,Vc1=Vs1=V2(=3.4V),Vc2=Vs2=V5
(=26.9V)とする他の実施例である。
【0315】図22および図23は、本実施例の表示一
体型タブレット装置のブロック図であり、表示制御回路
4,電源回路5,検出制御回路6および切り替え回路7は
図23に分割して記載してある。この表示一体型タブレ
ット装置の構成は、図1に示す表示一体型タブレット装
置の構成と以下の2点において大きく異なる。
【0316】すなわち、第1に、液晶パネル1の液晶に
印加する電圧方向を反転させるための交流化信号froは
FR信号発生回路41によって生成する。
【0317】第2に、上記コモン駆動回路2に入力する
バイアス電源を切り替え選択するスイッチ42を設け
る。
【0318】他の構成については大略同じであるので、
図1と同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0319】上記FR信号発生回路41は制御回路10
からのモード切替信号modeによって切り替え制御され
る。そして、第1モードである表示期間においては、切
り替え回路7からのクロック信号cp1oによって分周して
レベル“H",“L"が反転する交流化信号froを生成す
る。一方、第2モードである座標検出期間においては交
流化信号froのレベルを例えば“H"に固定する。
【0320】こうして、上記座標検出期間における交流
化信号froのレベル反転を停止することによって、電子
ペン11の先端電極に誘起する電圧の極性反転を防止す
るのである。尚、座標検出期間における交流化信号fro
のレベルは“L"に固定しても何等差し支えない。
【0321】上記スイッチ42は、制御回路10からの
モード切替信号modeによって切り替え制御される。そし
て、第1モードである表示期間においては、図1の表示
一体型タブレット装置の場合と同様に、コモン駆動回路
2の入力端子V1に電源回路5からのバイアス電源V1
入力する。一方、第2モードである座標検出期間におい
ては、上記バイアス電源V1の代わりにバイアス電源V2
をコモン駆動回路2を入力端子V1に入力する。
【0322】こうして、上記座標検出期間におけるコモ
ン電極走査信号yの基準電圧をセグメント電極走査信号
xの基準電圧と同じ電圧“V2"に変更するのである。
【0323】上述のように、他の構成については図1に
示す表示一体型タブレット装置と大略同じであるが、上
記交流化信号froをFR信号発生回路41によって生成
するようにした関係上、コモン駆動回路2,セグメント
駆動回路3,検出制御回路6および切り替え回路7の座
標検出時における動作が図1の場合と若干異なる。
【0324】すなわち、上記検出制御回路6において
は、交流化信号froの生成の必要がなくなった為に当然
のごとく交流化信号frdを出力しない。また、データ信
号D0d〜D3dをも出力しない。それに代わって、座標検
出期間におけるセグメント駆動回路3の動作をコモン駆
動回路2と同じシリアル動作にするためのシフトデータ
sxdを出力する。
【0325】これを受けて、上記切り替え回路7は、交
流化信号froに代わってシフトデータsxoを出力する。
【0326】また、上記セグメント駆動回路3にはシフ
トデータ入力端子DIO1Xおよびモード切替信号入力
端子MODEを設ける。そして、上記シフトデータ入力
端子DIO1Xには切り替え回路7からのシフトデータs
xoを入力し、モード切替信号入力端子MODEには制御
回路10からのモード切替信号modeを入力するのであ
る。
【0327】上記構成の表示一体型タブレット装置は次
のように動作して座標検出を実施する。
【0328】先ず、上記制御回路10からのモード切替
信号modeによってFR信号発生回路41,スイッチ42
及びセグメント駆動回路3が第2モードに切り替えられ
る。そうすると、上記FR信号発生回路41は、交流化
信号froのレベルを“H"に固定する。また、スイッチ4
2は電源回路5からのバイアス電源“V2"側を選択す
る。
【0329】そうした後、上記コモン駆動回路2は、図
15で説明したように動作してコモン電極Yを順次選択
してコモン電極走査信号yを入力する。その際に、上述
のようにトランスファーゲートG32に入力されるバイア
ス電源は“V2"であり、交流化信号froのレベルは“H"
である。したがって、コモン電極Yに入力されるコモン
電極走査信号yの上記走査電圧は“V5"となり基準電圧
は“V2"となる。
【0330】一方、上記セグメント駆動回路3は、上記
第2モードに切り替えられることによって、コモン駆動
回路2の動作と同様のシフトデータsxoに基づくシリア
ル出力動作に切り替えられる。
【0331】すなわち、上記切り替え回路7の出力端子
CP1Oから出力されるクロック信号cp1oが入力端子L
Pに入力されると、この入力されたクロック信号cp1oに
同期して、切り替え回路7の出力端子SXOから出力さ
れたシフトデータsxoのパルスが入力端子DIO1Xから
シフトレジスタ(図示せず)に取り込まれる。そして、
このシフトレジスタによってクロック信号cp1oに同期し
てシフトされたシフトデータsxoのパルス位置に対応す
る出力端子01〜040から、対応するセグメント電極
走査信号x1〜x40の走査パルスが順次出力される。
【0332】その際に、上記セグメント電極走査信号x
の走査パルスの電圧(走査電圧)はバイアス電源V5に基
づいて生成し、基準電圧はバイアス電源V2に基づいて
生成する。
【0333】上記スイッチ42に印加される電圧は高々
バイアス電源V2(=3.4V)であり電流も少ないのでご
く耐圧の低い素子でよく、図19におけるトランスファ
ーゲートG41,G42のように構成すればよい。また、こ
のスイッチ42はコモン駆動回路2あるいは電源回路5
と同一チップに形成してもよい。
【0334】上記第9実施例の変形例として種々考えら
れるが、その代表的なものを次に上げる。
【0335】[第10−1実施例]本実施例においては、
上記コモン駆動回路2およびセグメント駆動回路3の出
力ドライバとして、図15に示すようなトランスファー
ゲート群からなるアナログスイッチ系ではなく図24に
示すようにトランジスタ群からなるアナログスイッチ系
で構成する。
【0336】その際に、上記コモン駆動回路2側の出力
ドライバはバイアス電源V2を加えた5種類の電圧を出
力可能にしておくのである。
【0337】[第10−2実施例]本実施例においては、
上記コモン駆動回路2およびセグメント駆動回路3にバ
イアス電源を供給する電源回路5の構成を図25に示す
ようにする。
【0338】すなわち、バイアス電源V1の出力系にス
イッチ43(上記スイッチ42に相当)を設けるのであ
る。そして、このスイッチ43を上記制御回路10から
のモード信号modeで切り替えることによって、第2モー
ド(座標検出時)にはバイアス電源V1の出力端子からバ
イアス電源V2を出力するようにするのである。
【0339】この場合に、上記セグメント駆動回路3は
バイアス電源V0,V2,V3,V5を用いてセグメント電極
走査信号xを生成するので、バイアス電源V1の出力端
子からの電圧が変化してもセグメント駆動回路3の動作
は何等影響を受けない。
【0340】[第11実施例]上記第8実施例および第
9実施例においては、上述の電極間電圧平均値Vdcを
“0”にする為に、Ta=Tb,Vc1=Vs1=V2(=3.
4V),Vc2=Vs2=V5(=26.9V)としている。し
かしながら、種々の他の条件によっては上記とは異なる
バイアス電源の組み合わせによってコモン電極走査信号
yおよびセグメント電極走査信号xを生成する必要があ
る。
【0341】例えば、上記電子ペン11を液晶パネル1
上においた場合に、接触面側(すなわち、上側)の電極
(上記各実施例においてはセグメント電極X)の走査時
に電子ペン11の先端電極に誘起する電圧の波高値は反
対側の電極(上記各実施例においてはコモン電極Y)の
走査時に誘起する電圧の波高値よりも著しく高い値を呈
する。そのために、コモン電極走査時用とセグメント電
極走査時用の別々のアンプおよびコンパレータが必要と
なる。
【0342】このような問題を避けるために、上記第5
実施例においては下側に位置する電極(第5実施例にお
いてはコモン電極Y)に印加する走査パルスの波高値V
dを高くするのである。
【0343】ところが、こうした場合には、上記第8実
施例において図20(c)に示すような両極間電圧波形の
基準電圧“0V"を境界とした対称性が破れることな
り、電極間電圧平均値Vdcは“0"から外れるのであ
る。
【0344】そこで、本実施例においては、具体的な説
明は避けるが、上記非走査電圧Vc1,Vs1の値を上記電
源回路5からのバイアス電源V0〜V5の中からVc1≠V
s1であって電極間電圧平均値Vdcを“0"にするように
適宜に選択するのである。
【0345】その際に、上記バイアス電源V0〜V5の中
に条件を満たすような電圧がない場合には、上記電源回
路5以外に適当な電圧を別途用意する。そして、設定し
た非走査電圧Vc1,Vs1は上記電源制御回路33におけ
るトランスファーゲートG42,G48に入力し、走査電圧
Vc2,Vs2はトランスファーゲートG44,G46に入力する
のである。
【0346】こうすることによって、コモン電極走査時
とセグメント電極走査時とに上記電子ペン11の先端電
極に誘起される電圧の波高値を同じにし、且つ、電極間
電圧平均値Vdcを“0"にできるのである。
【0347】[第12実施例]本実施例においては、下
側に位置する電極に印加する走査パルスの波高値Vdを
高くしつつ電極間電圧平均値Vdcを“0"にするため
に、コモン電極走査信号yの走査パスルのパルス幅Ta
とセグメント電極走査信号xの走査パスルのパルス幅T
bとを変えるのである。
【0348】上記式(2)において、Vc1=Vs1,Vdc=
0とすると式(5)が得られる。
【0349】 Ta=Tb(Vs2−Vc1)/(Vc2−Vs1) …(5) ここで、Vc1=Vs1=0Vとすると、式(5)は Ta=Tb・Vs2/Vc2 …(6) となる。
【0350】したがって、図26に示すように、上側に
在るセグメント電極Xに対するセグメント電極走査信号
xの走査パスルの波高値“Vs2"が下側に在るコモン電
極Yに対するコモン電極走査信号yの走査パスルの波高
値“Vc2"の1/Kであれば、セグメント電極走査信号x
の走査パスルのパルス幅“Tb"をコモン電極走査信号y
の走査パスルのパルス幅“Ta"のK倍にすることによっ
て、電極間電圧平均値Vdcを“0"にできるのである。
【0351】尚、上記実施例においてはVc1=Vs1=0
Vとしているが、単にVc1=Vs1の関係を満たしていれ
ば上記効果は得られる。
【0352】[第13実施例]本実施例においては、下
側に位置する電極に印加する走査パルスの波高値Vdを
高くしつつ電極間電圧平均値Vdcを“0"にするため
に、コモン電極走査信号yあるいはセグメント電極走査
信号xのいずれか一方における座標検出期間の終端部に
おける座標検出に寄与しない箇所に波高値(Vc3−Vc
1),パルス幅Tfのパルスを挿入するのである。
【0353】こうして、両電極Y,Xの走査時における
電極間電圧平均値Vdcが“0"とならずに負の場合には
コモン電極走査信号yに、また正の場合にはセグメント
電極走査信号xに上記パルスを挿入することによって電
極間電圧平均値Vdcを“0"に修正するのである。
【0354】図27は、上記コモン電極走査信号yに上
記パルスを挿入した例を示す。
【0355】尚、図27においては、上記パルスを座標
検出期間の終端部に挿入しているが座標検出期間中にお
ける座標検出に寄与しない箇所であればどこでもよく、
座標検出期間の前端部やy座標検出期間TD1yとx座標
検出期間TD1xとの境界に挿入しても差し支えない。
【0356】その際に、上記パルスは座標検出に寄与し
ない箇所に挿入されるので、そのパルス幅Tfや波高値
(Vc3−Vc1)を自由に設定して電極間電圧平均値Vdcを
正しく“0"にできるのである。
【0357】[第14実施例]この実施例は、上記第3
実施例あるいは第7実施例における電極走査信号の走査
期間に高周波電圧信号Vfy,Vfxを挿入する場合に、こ
の第3例を適応した例である。
【0358】図28は、上記高周波電圧信号Vfy,Vfx
として上記正弦波信号を用いた場合の例を示す。図28
(a)および図28(b)に示すように、上記走査期間に挿入
する正弦波信号の周期は、コモン電極走査信号yにおけ
る走査期間“Ta"およびセグメント電極走査信号xにお
ける走査期間“Tb"より短くなっている。また、コモン
電極走査信号yおよびセグメント電極走査信号xにおけ
る基準電圧は同じ電圧“V8"に設定してある。
【0359】こうすることによって、図28(c)に示す
ように、両電極間電圧の直流成分の値は“0"となり、
電極間電圧平均値Vdcを大略“0"にすることができる
のである。
【0360】本実施例における実際の構成としては、図
1に示す表示一体型タブレット装置の構成に上記電源制
御回路33(図19参照)と高周波電源回路21(図12
参照)を加えた構成である。そして、高周波電源回路2
1から出力される正弦波信号Vfyを電源制御回路33の
トランスファゲートG44に入力する一方、正弦波信号V
fxをトランスファゲートG46に入力する。さらに、電源
制御回路33のトランスファゲートG42,G48には同じ
電圧“V8"の直流電圧信号を入力するのである。
【0361】こうして、上記モード制御信号Dによって
開閉が制御されるトランスファゲートG41〜G48を介し
て、座標検出期間に正弦波信号Vfy,Vfxおよび直流電
圧信号をコモン電極Yあるいはセグメント電極Xに印加
するのである。
【0362】尚、上記基準電圧は直流電圧が望ましいが
特に直流電圧に限定するものではない。用はコモン電極
走査信号yおよびセグメント電極走査信号xの基準電圧
が略等しければよいのである。
【0363】上記実施例においては、上記電極走査信号
x,yの走査期間に挿入する高周波電圧信号Vfy,Vfxと
して正弦波信号を用いているが矩形波信号でもよい。そ
の場合には、正弦波信号の場合のように特別な高周波電
源を設ける必要がなく、上記アナロクスイッチ系にゲー
ト回路を追加するだけで実現できる。
【0364】上述のように、本実施例では、電極走査信
号x,yの走査期間に高周波電圧信号Vfy,Vfxを挿入し
ているので、液晶に印加される直流電圧の印加方向の反
転がない。したがって、電子ペン11の先端電極に誘起
した電圧を周波数“fy",“fx"の成分のみを通過でき
るフィルタを通過することによって、図29に示すよう
な極性反転のない誘起電圧信号Vpを得ることができ
る。但し、図29は上記高周波電圧信号Vfy,Vfxとし
て矩形波信号を用いた場合の誘起電圧信号Vpである。
【0365】こうして得られた誘起電圧信号Vpを整流
することによって、図21に示すような信号に変換して
電子ペン11先端座標を求めるのである。
【0366】本実施例のように、電極走査信号の走査期
間に高周波電圧信号Vfy,Vfxを挿入した場合には、上
記第3実施例において説明したように、コモン電極Yや
セグメント電極Xと電子ペン11との間のインピーダン
スが小さくなるので大きな誘起電圧が得られる。また、
電極走査信号の走査期間に挿入された高周波電圧信号の
周波数成分のみを検出できるので、電子ペン11の摩擦
によるノイズや外部からのノイズの成分を除去できる等
の効果をも得ることができる。
【0367】上述の第3例の説明に用いた図では、内容
を分かり易くするために表示期間後直ちに座標検出期間
に入るようになっている。ところが、実際には制御回路
10における制御タイミングに応じて表示期間と座標検
出期間との間には準備期間が挿入される。この準備期間
長が短い場合にはこの期間を無視してもよいが、長い場
合には上記電極間電圧平均値Vdcを求める場合にはこの
準備期間の電圧も考慮に入れねばならない。
【0368】
【発明の効果】本発明によれば、コンパクトで低コスト
な表示一体型タブレット装置が得られるのみならず、座
標検出時に座標検出を高精度に安定して行うことがで
き、信頼性の高い表示一体型タブレット装置を提供する
ことができる。また、本発明によれば、表示効率の良好
な表示画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1例に係る表示一体型タブレット
装置における一実施例のブロック図である。
【図2】表示期間と座標検出期間とのタイミングチャー
トである。
【図3】図2におけるx座標検出期間に出力されるセグ
メント電極走査信号およびy座標検出期間に出力される
コモン電極走査信号の一例を示す図である。
【図4】交流化信号の波形の一例を示す図である。
【図5】交流化信号のレベル反転時点における走査信号
の波形変化の説明図である。
【図6】交流化信号のレベル反転周期の説明図である。
【図7】複数電極を一度に走査する際におけるセグメン
ト電極走査信号およびコモン電極走査信号の説明図であ
る。
【図8】電極走査を1本単位で実施することによって複
数電極を一度に走査したと同じ効果を得る際におけるコ
モン電極走査信号の説明図である。
【図9】走査期間に高周波数の矩形波を挿入したセグメ
ント電極走査信号およびコモン電極走査信号の説明図で
ある。
【図10】走査期間に高周波数の正弦波を挿入したセグ
メント電極走査信号の説明図である。
【図11】表示期間に電極走査を実施する際におけるコ
モン電極駆動信号の一例を示す図である。
【図12】この発明の第2例に係る表示一体型タブレッ
ト装置における一実施例のブロック図である。
【図13】x座標検出とy座標検出とを同時に実施する
際のセグメント電極走査信号およびコモン電極走査信号
のタイミングチャートである。
【図14】x座標検出とy座標検出とを同時に実施する
際の図13とは異なるセグメント電極走査信号およびコ
モン電極走査信号のタイミングチャートである。
【図15】図1に示す表示一体型タブレット装置におけ
るコモン駆動回路およびセグメント駆動回路のアナログ
スイッチ系の具体例を示す図である。
【図16】図15に示すアナログスイッチ系を有する表
示一体型タブレット装置によって生成される駆動信号お
よび走査信号のタイミングチャートである。
【図17】図16における表示期間を省略した図であ
る。
【図18】図17に示すコモン電極走査信号およびセグ
メント電極走査信号に基づいて電子ペンから出力される
誘導電圧信号の説明図である。
【図19】この発明の第3例に係る表示一体型タブレッ
ト装置におけるコモン駆動回路およびセグメント駆動回
路のアナログスイッチ系の一例を示す図である。
【図20】図19に示す表示一体型タブレット装置によ
って生成されるコモン電極走査信号,セグメント電極走
査信号および両電極間電圧の説明図である。
【図21】図20に示すコモン電極走査信号およびセグ
メント電極走査信号に基づいて電子ペンから出力される
誘起電圧信号の説明図である。
【図22】第3例に係る表示一体型タブレット装置にお
ける図19とは異なる表示一体型タブレット装置のブロ
ック図である。
【図23】図22に続く表示一体型タブレット装置のブ
ロック図である。
【図24】図22および図23とは異なる実施例におけ
るコモン駆動回路およびセグメント駆動回路のアナログ
スイッチ系の構成図である。
【図25】図22,図23および図24とは異なる実施
例における電源回路の構成図である。
【図26】走査パルスの波高値およびパルス幅を操作し
て電極間電圧平均値Vdcを“0"にするコモン電極走査
信号,セグメント電極走査信号および両電極間電圧の説
明図である。
【図27】走査信号における座標検出に寄与しない区間
にパルスを挿入して電極間電圧平均値Vdcを“0"にす
るコモン電極走査信号,セグメント電極走査信号および
両電極間電圧の説明図である。
【図28】走査期間に高周波電圧信号が挿入され且つ電
極間電圧平均値Vdcを“0"にするコモン電極走査信号,
セグメント電極走査信号および両電極間電圧の説明図で
ある。
【図29】図28に示すコモン電極走査信号およびセグ
メント電極走査信号に基づいて電子ペンから出力される
誘導電圧信号の説明図である。
【図30】デューティタイプ液晶表示装置のブロック図
である。
【図31】図30に示すコモン駆動回路の端子の詳細図
である。
【図32】図30に示すデューティタイプ液晶表示装置
におけるコモン電極駆動信号およびセグメント電極駆動
信号のタイミングチャートである。
【図33】図32に示すコモン電極駆動信号およびセグ
メント電極駆動信号に基づく表示画像の説明図である。
【図34】図30に示すデューティタイプ液晶表示装置
における交流化信号のレベル反転周期の説明図である。
【図35】静電誘導タブレットおよびその駆動部のブロ
ック図である。
【図36】図35に示す駆動部によって生成される列電
極走査信号および行電極走査信号の一例を示す図であ
る。
【図37】図35における電子ペンから出力される信号
波形の説明図である。
【符号の説明】
1…液晶パネル、 2…コモン駆動
回路、3…セグメント駆動回路、 4…表示
制御回路、5…電源回路、 6…
検出制御回路、7…切り替え回路、
8…x座標検出回路、9…y座標検出回路、
10…制御回路、11…電子ペン、
12…オペレーショナル・アンプ、21…高周波
電源回路、 22,23…BPF、33…
電源制御回路、 41…FR信号発生回
路、42,43…スイッチ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ互いに異なる方向に沿って配列
    された複数の第1電極及び複数の第2電極を有し、第1
    電極と第2電極とが交差する箇所に対応した画素を有す
    る表示パネルと、 第1電極及び第2電極と容量結合され、上記表示パネル
    表面の位置を指示する指示手段と、 第1電極を駆動する第1電極駆動手段と、 第2電極を駆動する第2電極駆動手段と、 第1電極駆動手段と第2電極駆動手段とを制御して各画
    素に対応した電圧を第1電極及び第2電極に印加して所
    望画像を表示する表示期間を設定する表示制御手段と、 第1電極駆動手段を制御して第1電極に順次走査電圧を
    印加する第1走査期間と第1走査期間に続いて第2電極
    駆動手段を制御して第2電極に順次走査電圧を印加する
    第2走査期間とを設定すると共に、走査開始からの時間
    を計時する検出制御手段と、 上記指示手段と上記検出制御手段で印加された走査電圧
    との容量結合により上記指示手段に誘起された誘導電圧
    と上記検出制御手段で計時された時間とに基づいて上記
    指示手段の座標検出を行う座標検出手段と、 上記表示制御手段と上記検出制御手段とを交互に切り替
    え制御する切替制御手段と、 上記座標検出手段を制御して、第1走査期間に上記指示
    手段に誘起された誘導電圧のみを有効にする一方、第2
    走査期間に上記指示手段に誘起された誘導電圧のみを有
    効にする制御手段とを備えたことを特徴とする表示一体
    型タブレット装置。
  2. 【請求項2】 それぞれ互いに異なる方向に沿って配列
    された複数の第1電極及び複数の第2電極を有し、第1
    電極と第2電極とが交差する箇所に対応した画素を有す
    る表示パネルと、 第1電極及び第2電極と容量結合され、上記表示パネル
    表面の位置を指示する指示手段と、 第1電極を駆動する第1電極駆動手段と、 第2電極を駆動する第2電極駆動手段と、 第1電極駆動手段と第2電極駆動手段とを制御して各画
    素に対応した電圧を第1電極及び第2電極に印加して所
    望画像を表示する表示期間を設定する表示制御手段と、 第1電極駆動手段と第2電極駆動手段とを制御して第1
    電極または第2電極に順次走査電圧を第1の周波数で印
    加する走査期間を設定すると共に、走査開始からの時間
    を第2の周波数で計時する検出制御手段と、 上記指示手段と上記検出制御手段で印加された走査電圧
    との容量結合により上記指示手段に誘起された誘導電圧
    と上記検出制御手段で計時された時間とに基づいて上記
    指示手段の座標検出を行う座標検出手段と、 上記表示制御手段と上記検出制御手段とを交互に切り替
    え制御する切替制御手段とを備え、 第2の周波数は第1の周波数より高い値に設定している
    ことを特徴とする表示一体型タブレット装置。
  3. 【請求項3】 それぞれ互いに異なる方向に沿って所定
    間隔で配列された複数の第1電極及び複数の第2電極を
    有し、第1電極と第2電極とが交差する箇所に対応した
    画素を有する表示パネルと、 第1電極及び第2電極と容量結合され、上記表示パネル
    表面の位置を指示する指示手段と、 第1電極を駆動する第1電極駆動手段と、 第2電極を駆動する第2電極駆動手段と、 第1電極駆動手段と第2電極駆動手段とを制御して各画
    素に対応した電圧を第1電極及び第2電極に印加して所
    望画像を表示する表示期間を設定する表示制御手段と、 第1電極駆動手段を制御して第1電極に順次走査電圧を
    印加するのと並行して第2電極駆動手段を制御して第2
    電極に順次走査電圧を印加する走査期間を設定すると共
    に、走査開始からの時間を計時する検出制御手段と、 上記走査期間の各走査電圧に高周波成分を重畳する高周
    波発生制御手段と、上記指示手段と上記検出制御手段で
    印加された走査電圧との容量結合により上記指示手段に
    誘起された高周波成分を含む誘導電圧と上記検出制御手
    段で計時された時間とに基づいて上記指示手段の座標検
    出を行う座標検出手段と、 上記表示制御手段と上記検出制御手段とを交互に切り替
    え制御する切替制御手段とを備え、 上記高周波発生制御手段は、上記走査期間に第1電極に
    印加する走査電圧に重畳する高周波成分の第1周波数と
    第2電極に印加する走査電圧に重畳する高周波成分の第
    2周波数とが異なるように設定し、上記座標検出手段
    は、第1周波数と第2周波数とを上記指示手段に誘起さ
    れた誘導電圧から分離抽出する抽出手段を有し、抽出さ
    れた高周波成分と上記検出制御手段で計時された印加タ
    イミングとに基づいて上記指示手段の座標検出を行うこ
    とを特徴とする表示一体型タブレット装置。
  4. 【請求項4】 第1周波数と第2周波数とが互いに奇数
    倍の周波数以外に設定されていることを特徴とする請求
    項3に記載の表示一体型タブレット装置。
  5. 【請求項5】 それぞれ互いに異なる方向に沿って配列
    された複数の第1電極及び複数の第2電極を有し、第1
    電極と第2電極とが交差する箇所に対応した画素を有す
    る表示パネルと、 第1電極及び第2電極と容量結合され、上記表示パネル
    表面の位置を指示する指示手段と、 第1電極を駆動する第1電極駆動手段と、 第2電極を駆動する第2電極駆動手段と、 第1電極駆動手段と第2電極駆動手段とを制御して各画
    素に対応した電圧を第1電極及び第2電極に印加して所
    望画像を表示する表示期間を設定する表示制御手段と、 第1電極駆動手段と第2電極駆動手段とを制御して第1
    電極または第2電極に順次走査電圧を印加する走査期間
    を設定すると共に、走査開始からの時間を計時する検出
    制御手段と、 上記指示手段と上記検出制御手段で印加された走査電圧
    との容量結合により上記指示手段に誘起された誘導電圧
    と上記検出制御手段で計時された時間とに基づいて上記
    指示手段の座標検出を行う座標検出手段と、 上記表示制御手段と上記検出制御手段とを交互に切り替
    え制御する切替制御手段と、 上記検出制御手段は、第1電極または第2電極の複数本
    の電極ごとに同時に走査電圧を印加することを特徴とす
    る表示一体型タブレット装置。
  6. 【請求項6】 上記表示パネルが液晶表示パネルである
    ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求
    項4、または請求項5に記載の表示一体型タブレット装
    置。
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