JP3299793B2 - 表示一体型タブレット装置 - Google Patents

表示一体型タブレット装置

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JP3299793B2
JP3299793B2 JP32054592A JP32054592A JP3299793B2 JP 3299793 B2 JP3299793 B2 JP 3299793B2 JP 32054592 A JP32054592 A JP 32054592A JP 32054592 A JP32054592 A JP 32054592A JP 3299793 B2 JP3299793 B2 JP 3299793B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、パーソナルコンピュ
ータやワードプロセッサ等に用いられる表示機能が一体
化された表示一体型タブレット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、表示部とタブレットとを積層して
一体に構成した表示部一体型タブレット装置がある。図
23はこの表示部一体型タブレット装置に用いられる静
電誘導タブレットおよびその駆動部の概略構造を示す
(例えば、特開昭60−171521号公報)。
【0003】静電誘導タブレット101は、列電極X1,
2,…,Xm(以下、任意の列電極をXと記載する)が平行
に配列されたガラス基板と行電極Y1,Y2,…,Yn(以
下、任意の行電極をYと記載する)が平行に配列された
ガラス基板とを両電極を直交させかつ対向させて、スペ
ーサ(透明性の接着剤等)を介して固定して形成されてい
る。そして、各行電極Yは行電極シフトレジスタ(図示
せず)等によって順次切り換えられる行電極スイッチン
グ回路102に接続されている。一方、各列電極Xは列
電極シフトレジスタ(図示せず)によって順次切り換え走
査される列電極スイッチング回路103に接続されてい
る。その際に、上記列電極Xおよび行電極Yは錫添加酸
化インジュウム(ITO)等によって略透明に形成されて
いる。
【0004】電子ペン105は先端電極(図示せず)を有
し、その先端電極には高周波電源106が接続されて高
周波電圧が印加される。
【0005】上記行電極スイッチング回路102および
列電極スイッチング回路103はタイミング発生回路1
04に接続されている。また、このタイミング発生回路
104にはx座標検出回路107およびy座標検出回路
108が接続されている。上記x座標検出回路107
は、タイミング発生回路104からの信号と列電極スイ
ッチング回路103からxオペレーショナル・アンプ1
10を介して入力される信号とに基づいて、電子ペン1
05の先端のx座標を検出してx座標を表すx座標信号
を出力する。同様にして、上記y座標検出回路108
は、電子ペン105の先端のy座標を表すy座標信号を
出力する。
【0006】このように構成された静電誘導タブレット
101は略85%の光透過率を有する。したがって、こ
の静電誘導タブレット101を液晶ディスプレイ上に積
層しても、静電誘導タブレット101を介して液晶ディ
スプレイの表示画面を見ることができるのである。そこ
で、上述のように、静電誘導タブレット101を液晶デ
ィスプレイ上に積層して表示部一体型タブレット装置を
構成して、液晶ディスプレイ上の座標を静電誘導タブレ
ット101と電子ペン105とによってペン入力できる
のである。
【0007】上記構成の静電誘導タブレット101およ
びその駆動部は、次のように動作する。すなわち、まず
上記タイミング発生回路104から列電極スイッチング
回路103の各スイッチを駆動する上記シフトレジスタ
にシフトデータとクロック信号が送出される。そうする
と、シフトレジスタによって図24に示すような列電極
走査信号x1,…,xmが生成され、この列電極走査信号x1,
…,xmの走査パルスによって列電極スイッチング回路1
03の各スイッチが順次駆動されてxオペレーショナル
・アンプ110側に切り換えられる。次に、同様にし
て、図24に示すような行電極走査信号y1,…,ynの走査
パルスに基づいて行電極スイッチング回路102の各ス
イッチが順次yオペレーショナル・アンプ109側に切
り換えられる。
【0008】その際に、上記静電誘導タブレット101
の表面に電子ペン105を接近させる。そうすると、電
子ペン105の先端電極と列電極Xおよび行電極Yとは
夫々浮遊容量で結合されているので、高周波電源106
から電子ペン105の先端電極に印加された高周波電圧
に起因して各列電極Xおよび各行電極Yには電圧が誘起
される。その結果、xオペレーショナル・アンプ110
およびyオペレーショナル・アンプ109からは図25
(a)に示すような電圧信号が出力される。
【0009】尚、上記xオペレーショナル・アンプ11
0あるいはyオペレーショナル・アンプ109から出力
される電圧信号の波形は、電子ペン105直下の列電極
Xあるいは行電極Yに接続されたスイッチがxオペレー
ショナル・アンプ110あるいはyオペレーショナル・ア
ンプ109側に切り換えられた際に最大値となる。ここ
で、上記xオペレーショナル・アンプ110およびyオ
ペレーショナル・アンプ109の入力側のインピーダン
スがリード線力側のインピーダンスよりも充分高く設定
されている。したがって、高い誘起電圧を得ることがで
きる。
【0010】こうして上記各列電極Xおよび各行電極Y
に誘起された誘導電圧に基づいて、以下に述べるように
して電子ペン105の先端座標を検出するのである。す
なわち、上記xオペレーショナル・アンプ110および
yオペレーショナル・アンプ109から出力された図2
5(a)に示すような波形の誘導電圧信号は、必要に応じ
て増幅した後整流されてローパスフィルタおよびアンプ
を介して、図25(b)に示すような波形の信号となって
x座標検出回路107あるいはy座標検出回路108に
入力される。
【0011】上記x座標検出回路107は、タイミング
発生回路104からのクロック信号とxオペレーショナ
ル・アンプ110からの図25(b)に示すような信号とに
基づいて、図24に示すような列電極走査信号x1,…,xm
の走査パルスに基づいて列電極スイッチング回路103
の走査が開始されてからxオペレーショナル・アンプ1
10からの信号のピークが入力されるまでの時間(図2
5(b)におけるTs)を計測する。そして、この計測値に
基づいて、電子ペン105の先端のx座標を表すx座標
信号を出力する。同様にして、上記y座標検出回路10
8は、行電極スイッチング回路102の走査が開始され
てからyオペレーショナル・アンプ109からの信号の
ピークが入力されるまでの時間を計測する。そして、こ
の計測値に基づいて電子ペン105の先端のy座標を表
すy座標信号を出力するのである。その際における時間
Tsの計測は、行電極スイッチング回路102を駆動す
るシフトレジスタまたは列電極スイッチング回路103
を駆動するシフトレジスタに印加されるクロック信号の
パルス数をカウントすることによって計測される。
【0012】上述のように、上記静電誘導タブレット1
01は、比較的構造が簡単であるにも拘わらず、高い精
度で電子ペン105の先端座標を得ることができ、小型
コンピュータ等に多く用いられている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述のような静電誘導
タブレット101と液晶ディスプレイとを積層して、静
電誘導タブレット101上における電子ペン105の先
端座標に対応する液晶ディスプレイ上の画素を表示する
ような表示部一体型タブレット装置を構成する。この表
示部一体型タブレット装置は、上記電子ペン105の先
端で静電誘導タブレット101の表面を掻いてペン入力
された文字や図形を液晶ディスプレイの表示画面に表示
することによって、恰も紙にボールペン等の筆記用具で
書く感覚で文字や図形を入力できるのである。
【0014】しかしながら、上述のような表示部一体型
タブレット装置には次のような問題がある。まず、上記
液晶ディスプレイの表示画面上を見ながら電子ペン10
5によって静電誘導タブレット101の表面を掻く場合
に、液晶ディスプレイの表示画面が見にくいという問題
がある。すなわち、上述のように、静電誘導タブレット
101の列電極Xや行電極Yはガラスやプラスチック等
の透明基板上にITO等によって略透明に形成されてい
る。ところが、こうして形成された電極の光透過率は略
85%と基板の光透過率に比較してあまり高くなく曇り
もある。また、電極は格子状に規則正しく配列されてい
る。そのために、静電誘導タブレット101の電極X1,
2,…,Xm,Y1,Y2,…,Ynは思いの外目立つのであ
る。この現象は、バックライトの無い簡易型の表示部一
体型タブレットにおいて特に顕著である。
【0015】また、上記液晶ディスプレイの表示画面上
が静電誘導タブレット101の電極X1,X2,…,Xm,
1,Y2,…,Ynによって覆われる面積が比較的大きい。
その結果、液晶ディスプレイの表示画面が暗くなり、か
つコントラストが低くなるという問題もある。
【0016】また、上記液晶ディスプレイと静電誘導タ
ブレット101とが別々に構成されているために、液晶
ディスプレイと静電誘導タブレット101とを積層して
一体に組み立てる際に、液晶ディスプレイと静電誘導タ
ブレット101との対応する位置がずれる場合がある。
この場合には、ペン入力した液晶ディスプレイ上の位置
(電子ペン105の先端によって指示した位置)とこのペ
ン入力によって液晶ディスプレイの表示画面に表示され
た画素の位置とにずれが生じてしまう。したがって、恰
も紙にボールペン等の筆記用具で書く感覚で文字や図形
を入力することができないという問題がある。
【0017】さらに、別々に形成された上記液晶ディス
プレイと静電誘導タブレット101とを一体に積層して
構成しているので、得られる表示部一体型タブレットは
大型となり重量も重くなる。したがって、需要者が望む
小型コンピュータやワードプロセッサのコンパクト化に
は大きな妨げとなるという問題もある。また、コストア
ップの要因になるという問題もある。
【0018】そこで、この発明の目的は、表示画面上の
位置をペン入力する際に表示画面上が見易く、かつ、コ
ンパクト化および低コスト化が容易な表示一体型タブレ
ット装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明の表示一体型タブレット装置は、第1電
極群と第2電極群とを有する表示パネルと,上記第1電
極群に表示用および座標検出用の電圧を印加する第1駆
動回路と,上記第2電極群に表示用および座標検出用の
電圧を印加する第2駆動回路と,上記第1電極群および
第2電極群と静電的に結合されて高周波電圧が印加され
た電極を有する座標指示手段と,上記第1電極と第2電
極とに誘起された電圧を検出する電圧検出回路を有し
て,上記電圧検出回路による検出電圧に基づく上記座標
指示手段の座標検出と上記表示パネルへの表示とを時分
割で行う表示一体型タブレット装置において、上記第1
駆動回路および第2駆動回路は,上記座標検出を行う座
標検出期間には,非走査第1電極および非走査第2電極
に同じ電圧を印加するようになっており、上記電圧検出
回路は,上記座標検出期間に,走査第1電極あるいは走査
第2電極に上記非走査第1電極および非走査第2電極と
同じ電圧を印加する電圧印加手段を有していることを特
徴としている。
【0020】また、第2の発明は、第1電極群と第2電
極群とを有する表示パネルと、上記第1電極群に表示用
および座標検出用の電圧を印加する第1駆動回路と、上
記第2電極群に表示用および座標検出用の電圧を印加す
る第2駆動回路と、上記第1電極群および第2電極群と
静電的に結合されて高周波電圧が印加された電極を有す
る座標指示手段と,上記第1電極と第2電極とに誘起さ
れた電圧を検出する電圧検出回路を有して、上記電圧検
出回路による検出電圧に基づく上記座標指示手段の座標
検出と上記表示パネルへの表示とを時分割で行う表示一
体型タブレット装置において、上記表示パネルへの表示
を行う表示期間に,上記表示パネルの液晶に印加される
電圧の印加方向反転時点を設定するための表示交流化信
号を生成する表示交流化信号生成手段と、上記座標検出
を行う座標検出期間に上記液晶に印加される電圧の印加
方向反転時点を設定すると共に,第1電極走査期間およ
び第2電極走査期間以外の時点で上記電圧の印加方向を
反転させるための検出交流化信号を生成する検出交流化
信号生成手段を備えて、上記第1駆動回路および第2駆
動回路は,上記表示期間では,上記表示交流化信号に基づ
いて上記液晶に印加される電圧の印加方向が反転するよ
うな第1電極駆動信号および第2電極駆動信号を生成す
る一方,上記座標検出期間では,上記検出交流化信号に基
づいて上記第1電極走査期間および第2電極走査期間以
外の時点で上記液晶に印加される電圧の印加方向が反転
するような第1電極走査信号および第2電極走査信号を
生成することを特徴としている。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【作用】第1の発明では、表示パネル上における座標指
示手段の座標を検出する座標検出期間において、第1駆
動回路および第2駆動回路によって第1電極あるいは第
2電極が走査されるに際して、非走査第1電極および非
走査第2電極に同じ電圧が印加される。さらに、電圧検
出回路の電圧印加手段によって、走査第1電極あるいは
走査第2電極に上記非走査第1電極および非走査第2電
極と同じ電圧が印加される。
【0038】こうして、上記座標検出期間に上記非走査
第1電極および非走査第2電極に同じ電圧を印加するこ
とによって、上記座標検出期間においても液晶に印加さ
れる平均電圧が略“0”になって上記液晶の劣化が防止
される。さらに、走査第1電極あるいは走査第2電極に
上記非走査第1電極および非走査第2電極と同じ電圧が
印加されることによって、上記第1電極あるいは第2電
極が走査される際に走査電極の電圧が非走査電圧に安定
して維持される。
【0039】また、第2の発明では、表示パネルへの表
示を行う表示期間においては、表示交流化信号生成手段
によって、上記表示パネルの液晶に印加される電圧の印
加方向反転時点を設定するための表示交流化信号が生成
される。そうすると、上記生成された表示交流化信号に
基づいて、上記第1駆動回路および第2駆動回路によっ
て、上記液晶に印加される電圧の印加方向が反転するよ
うな第1電極駆動信号及び第2電極駆動信号が生成され
る。こうして、上記表示期間においては、上記生成され
た第1電極駆動信号および第2電極駆動信号に基づいて
表示パネルの画素マトリックスに画像が表示される際
に、各画素に印加される電圧の印加方向が反転されて液
晶の電気分解による寿命低下が防止される。
【0040】一方、上記表示パネル上における座標指示
手段の座標を検出する座標検出期間においては、検出交
流化信号生成手段によって、上記液晶に印加される電圧
の印加方向反転時点を設定して、第1電極走査期間およ
び第2電極走査期間以外の時点で上記電圧の印加方向を
反転させるための検出交流化信号が生成される。そうす
ると、上記生成された検出交流化信号に基づいて、上記
第1駆動回路および第2駆動回路によって、上記液晶に
印加される電圧の印加方向が反転するように両電極が走
査される。こうして、上記座標検出期間においては、第
1電極および第2電極を走査する際に、上記液晶に印加
される電圧の印加方向が上記第1電極走査期間および第
2電極走査期間以外の時点において反転されて液晶の寿
命低下が防止される。
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【実施例】以下、この発明を図示の実施例により詳細に
説明する。 <第1例>図1は本実施例における表示一体型タブレッ
ト装置のブロック図である。この表示一体型タブレット
装置は、静電誘導タブレットの電極および駆動回路をデ
ューティータイプ液晶表示装置における液晶パネルの電
極および駆動回路で兼用することによって表示機能が一
体化されたタブレット装置を構成している。以下、本実
施例に係る表示一体型タブレット装置の説明に先立っ
て、デューティータイプ液晶表示装置について簡単に述
べる。
【0062】図10は通常のデューティータイプ液晶表
示装置のブロック図である。液晶パネル1は、複数本の
コモン電極Y1,Y2,…,Y8(以下、任意のコモン電極を
Yと記載する)が平行に配列された透明基板と複数本の
セグメント電極X1,X2,…,X40(以下、任意のセグメン
ト電極をXと記載する)が平行に配列された透明基板と
を、コモン電極Yとセグメント電極Xとが対向して直交
するようにスペーサ等を介して所定間隔で配置してい
る。そして、両透明基板間には液晶が充填されている。
こうして、上記コモン電極Yとセグメント電極Xとが交
差する領域で画素を構成するのである。つまり、この液
晶パネル1は、40ドット×8ドットの画素がマトリッ
クス状に配列されると共に、デューティータイプの駆動
方法によって駆動されるのである。
【0063】上記コモン電極Y1,Y2,…,Y8は、夫々コ
モン駆動回路2'の対応する出力端子O1,O2,…,O8
に接続されている。そして、コモン駆動回路2'の各出
力端子O1,O2,…,O8から出力されるコモン電極駆
動信号の選択パルスによってコモン電極Yをアクティブ
にして画素マトリックスの行を選択する。一方、上記セ
グメント電極X1,X2,…,X40は、夫々セグメント駆動
回路3'の対応する出力端子O1,O2,…,O40に接続
されている。そして、セグメント駆動回路3'の出力端
子O1,O2,…,O40からセグメント電極X1,X2,…,
40に表示データに応じたセグメント電極駆動信号を出
力する。そうすると、上記コモン駆動回路2'からのコ
モン電極駆動信号によって選択された画素マトリックス
の行における各画素が、セグメント駆動回路3'からの
セグメント電極駆動信号によって表示データに応じて表
示されるのである。
【0064】上記コモン駆動回路2'およびセグメント
駆動回路3'は、以下のように表示制御回路4に接続さ
れている。すなわち、表示制御回路4のシフトデータ出
力端子Sはコモン駆動回路2'のシフトデータ入力端子
DIO1に接続される。また、表示制御回路4の交流化
信号出力端子FRはコモン駆動回路2'の交流化信号入
力端子YFRおよびセグメント駆動回路3'の交流化信
号入力端子XFRに接続される。また、表示制御回路4
のクロック出力端子CP1はコモン駆動回路2'のクロ
ック入力端子YCKおよびセグメント駆動回路3'のラ
ッチパルス入力端子XLPに接続される。また、表示制
御回路4のクロック出力端子CP2はセグメント駆動回
路3'のクロック入力端子XCKに接続される。また、
表示制御回路4の表示データ出力端子D0〜D3はセグメ
ント駆動回路3'の表示データ入力端子XD0〜XD3に
接続されるのである。
【0065】電源回路5は、上記コモン駆動回路2'お
よびセグメント駆動回路3'で液晶パネル1を駆動する
駆動信号を生成する際に用いる複数レベルのバイアス電
源V0〜V5を、コモン駆動回路2'およびセグメント駆
動回路3'に供給する。本液晶表示装置においては、上
記バイアス電源V0〜V5を次のように設定する。すなわ
ち、V0=0.0V,V1=1.7V,V2=3.4V,V3=2
3.5V,V4=25.2V,V5=26.9Vである。
【0066】図11は、上記コモン駆動回路2'の詳細
なブロック図である。出力端子O1,O2,…,O8からは
コモン電極駆動信号a,b,…,hが出力されて、液晶パ
ネル1の対応するコモン電極Y1,Y2,…,Y8に入力され
る。また、入力端子V0,V1,V4,V5には、電源回路5
からのバイアス電源V0,V1,V4,V5が入力され、この
バイアス電源V0,V1,V4,V5に基づいて後に詳述する
ようにして上記コモン電極駆動信号a,b,…,hが生成
される。
【0067】上記構成のデューティータイプ液晶表示装
置は次のように動作する。図12は上記コモン電極駆動
信号a〜hおよびセグメント電極駆動信号のタイミング
チャートである。以下、図10および図11を参照し
て、図12に従ってデューティータイプ液晶表示装置の
動作を説明する。
【0068】上記表示制御回路4におけるクロック出力
端子CP1から出力されるクロック信号cp1がクロック
入力端子YCKに入力されると、この入力されたクロッ
ク信号cp1に同期して、表示制御回路4のシフトデータ
出力端子Sから出力されるシフトデータsのパルスがシ
フトデータ入力端子DIO1からシフトレジスタ35に
取り込まれる。そして、このシフトレジスタ35によっ
てシフトされたシフトデータsのパルス位置に対応する
出力端子O1〜O8から、対応するコモン電極駆動信号
a〜hの選択パルスが順次出力される。
【0069】その際に、上記コモン電極駆動信号a〜h
は、シフトレジスタ35の出力信号と交流化信号frとに
基づいてレベルシフタ36によって上記電源回路5から
供給されるバイアス電源V0〜V5のいずれかを選択する
ことによって生成され、出力ドライバを介して出力され
る。
【0070】一方、上記セグメント駆動回路3'は、上
記表示制御回路4のクロック出力端子CP2から出力さ
れるクロック信号cp2がクロック入力端子XCKに入力
されると、この入力されたクロック信号cp2に同期し
て、セグメント電極Xの指定位置をシフトする。そうす
ると、表示制御回路4の表示データ出力端子D0〜D3か
ら出力されてセグメント駆動回路3'の表示データ入力
端子XD0〜XD3に入力された表示データD0〜D3が、
レジスタにおける上記シフト位置に対応するビットに順
次取り込まれる。以下、この動作を10回繰り返して上
記レジスタに画素マトリックス1行(40画素)分の表示
データが取り込まれる。
【0071】そうした後、ラッチパルス入力端子XLP
に入力される上記クロック信号cp1に同期して上記取り
込まれた表示データD0〜D3がラッチされる。そして、
ラッチされた表示データD0〜D3に応じたセグメント電
極駆動信号が出力端子O1〜O40から対応するセグメ
ント電極Xに出力される。その際におけるセグメント電
極駆動信号は、上記電源回路5から供給されるバイアス
電源V0〜V5に基づいて、表示データD0〜D3に応じて
生成される。
【0072】このようにして、上記コモン駆動回路2'
から出力されるコモン電極駆動信号aの選択パルス(イ)
によって選択されてアクティブになったコモン電極Y1
に係る各画素が、セグメント駆動回路3'から出力され
るセグメント電極駆動信号によって表示データに応じて
表示されるのである。
【0073】以下、コモン駆動回路2'からのコモン電
極駆動信号b〜hの選択パルスに従ってコモン電極Y2,
3,…,Y8が順次選択されて1フレーム分の画像が表示
されると、再び上記シフトデータsの次のパルスがコモ
ン駆動回路2'のシフトデータ入力端子DIO1から取り
込まれる。そして、コモン駆動回路2',セグメント駆動
回路3'および表示制御回路4によって上述の動作が繰
り返されて、次のフレーム分の画像が表示される。以
下、この動作を繰り返して液晶パネル1に画像が表示さ
れるのである。
【0074】すなわち、図12における期間T1の間に
N番目フレームの画像が表示され、引き続いて期間T2
の間に(N+1)番目フレームの画像が表示される。その
際に表示される単位時間当たりのフレーム数は、フリッ
カが生じないように72フレーム/秒程度に設定する場
合が多い。
【0075】一般に、液晶パネル1のコモン電極Y1,Y
2,…,Y8とセグメント電極X1,X2,…,X40との交差領
域における液晶に電圧の印加方向が一定の電圧を印加し
続けると、その間に液晶が電気分解を起こして液晶の寿
命が短くなる。そこで、それを防ぐために、表示制御回
路4の交流化信号出力端子FRから出力されてコモン駆
動回路2'の交流化信号入力端子YFRおよびセグメン
ト駆動回路3'の交流化信号入力端子XFRに入力され
る交流化信号frのレベルに応じて、液晶に印加する電圧
の印加方向を各フレーム毎に変えるのである。上述の動
作をさらに実例を上げて詳細に説明する。
【0076】例えば、奇数番目のセグメント電極Xに入
力されるセグメント電極駆動信号Aおよび偶数番目のセ
グメント電極Xに入力されるセグメント電極駆動信号B
は、図12に示すような波形であるとする。その際に、
N番目フレームの画像と(N+1)番目フレームの画像と
は同じ画像であるとする。その結果、液晶パネル1にお
ける各画素は図13に示すように表示されるのである。
図13における○印は表示画素を示す一方、×印は非表
示画素を示す。
【0077】上述の液晶に印加される電圧の方向反転は
上記交流化信号frのレベルに応じて次のようにして実施
される。図12に示すように、交流化信号frのレベルが
“L"の場合(時間T1の場合)には、任意のコモン電極Y
をアクティブにして液晶パネル1の画素マトリックスに
おける表示行を選択するためのコモン電極駆動信号a〜
hの選択パルス電圧(以下、単に選択電圧と言う)を“V
0"にする。一方、任意のコモン電極Yを非アクティブに
するためのコモン電極駆動信号a〜hの電圧(以下、非
選択電圧と言う)は“V4"である。これに対して、交流
化信号frのレベルが“H"の場合(時間T2の場合)には、
選択電圧を“V5"にする。一方、非選択電圧を“V1"に
する。
【0078】また、交流化信号frのレベルが“L"の場
合(時間T1の場合)には、液晶パネル1の画素マトリッ
クスにおける上記選択された表示行の表示画素を表示す
るためのセグメント電極駆動信号A,Bの電圧(図12に
おけるオン電圧)を“V5"にする。一方、選択された表
示行の非表示画素を表示しないためのセグメント電極駆
動信号A,Bの電圧(図12におけるオフ電圧)を“V3"
にする。これに対して、交流化信号frのレベルが“H"
の場合(時間T2の場合)には、表示画素へのオン電圧を
“V0"にする。一方、非表示画素へのオフ電圧を“V2"
にする。
【0079】上記コモン駆動回路2'によって実施され
る上記選択電圧“V0",“V5"の切り替えおよび非選択
電圧“V4",“V1"の切り替えや、上記セグメント駆動
回路3'によって実施される表示画素への印加電圧
“V5",“V0"の切り替えおよび非表示画素への印加電
圧“V3",“V2"の切り替えは、交流化信号frのレベル
変化に同期して動作するアナログスイッチによって、上
記電源回路5からのバイアス電源V0〜V5のいずれかを
選択することによって実施される。
【0080】このように、交流化信号frのレベルの
“L"と“H"との変化に同期して、アナログスイッチに
よって、コモン電極駆動信号a〜hにおける選択電圧を
“V0"と“V5"との間で切り替えると同時に、セグメン
ト電極駆動信号A,Bにおける上記表示画素への印加電
圧を“V5"と“V0"との間で切り替えるので、表示画素
におけるコモン電極Yとセグメント電極Xとの電位差
は、交流化信号frのレベルに拘わらず(V5−V0)とな
る。これに対して、非表示画素におけるコモン電極Yと
セグメント電極Xとの電位差は、交流化信号frのレベル
が“L"の場合には(V3−V0),(V4−V3),(V5
4)のいずれかになり、いずれも表示画素におけるコモ
ン電極Yとセグメント電極Xとの電位差より低くなる。
【0081】一方、交流化信号frのレベルが“H"の場
合には(V1−V0),(V2−V1),(V5−V2)のいずれかに
なり、いずれも表示画素におけるコモン電極Yとセグメ
ント電極Xとの電位差より低くなるのである。
【0082】したがって、電位差(V5−V0)の値が液晶
表示電圧の閾値より高くなる一方、電位差(V5−V1)の
値および電位差(V4−V0)の値が上記閾値以下になるよ
うに上記バイアス電源V0〜V5の値を設定することによ
って、交流化信号frのレベルに拘わらず液晶バネル1の
表示を行なうことができるのである。また、その際にお
いて、交流化信号frのレベルの反転に応じてコモン電極
Yとセグメント電極Xとの間の電圧の印加方向が反転す
るので、液晶の寿命の低下が防止されるのである。
【0083】以上の説明においては、交流化信号frのレ
ベルをフレーム毎に反転してコモン電極駆動信号とセグ
メント電極駆動信号の電圧印加方向を反転するようにし
ている。しかしながら、液晶パネル1の画素数が多くな
り、例えば640画素×400画素のような高密度液晶
パネルの場合には、コモン電極Yとセグメント電極Xと
の間の電圧の方向を頻繁に(例えば、コモン電極Yを1
3行分選択する毎に)反転するのである。その場合に
は、コモン電極Yの総数は400本であるから、フレー
ムの切り替え周期と交流化信号frのレベル反転周期とは
図14に示すように全く同期していない。したがって、
1フィールドの画像における印加電圧の方向反転箇所は
ランダムに分散することになり、画素に印加される電圧
の印加方向反転による明度斑は全く見られないという効
果がある。
【0084】[第1実施例]次に、本実施例における表
示一体型タブレット装置の説明を行なう。図23に示す
ように、上記静電誘導タブレット101では一方向に平
行して配列された電極とその電極に直交する方向に平行
して配列された電極とが微小間隔を置いて対向してい
る。また、図10に示すように、上記デューティータイ
プ液晶表示装置の液晶パネルでも一方向に平行して配列
された電極とその電極に直交する方向に平行して配列さ
れた電極とが微小間隔を置いて対向している。そこで、
本実施例においては、その点に注目して、静電誘導タブ
レットの行/列電極とその行/列電極の駆動回路とをデ
ューティータイプ液晶表示装置の液晶パネルにおけるコ
モン/セグメント電極とそのコモン/セグメント電極の駆
動回路とで兼用することによって、表示機能が一体化さ
れた表示一体型タブレット装置を構成するのである。
【0085】図1に示すように、本実施例における表示
一体型タブレット装置は、図10に示すデューティタイ
プ液晶表示装置に検出制御回路6,切り替え回路7,x座
標検出回路8,y座標検出回路9,制御回路10および電
子ペン11を加えた構成になっている。また、液晶パネ
ル1は静電誘導タブレット機能を合わせ持ち、以下この
静電誘導タブレット機能が一体化された液晶パネル1
(すなわち、逆に言えば表示機能が一体化された静電誘
導タブレット)を単に液晶パネルと言う。
【0086】さらに、上記コモン駆動回路2にはモード
信号入力端子MODEおよびコモン電極電圧読み出し端
子G5を設ける一方、セグメント駆動回路3にはシフト
データ入力端子EIO1,モード信号入力端子MODEお
よびセグメント電極電圧読み出し端子H5を設けてい
る。そして、両モード信号入力端子MODEには制御回
路10からのモード信号modeが入力されて、コモン駆動
回路2あるいはセグメント駆動回路3の動作モードが切
り換えられる。また、コモン駆動回路2のコモン電極電
圧読み出し端子G5からの信号は、オペレーショナル・ア
ンプ13を介してy座標検出回路9に入力される。同様
に、セグメント駆動回路3のセグメント電極電圧読み出
し端子H5からの信号は、オペレーショナル・アンプ14
を介してx座標検出回路8に入力される。
【0087】上記検出制御回路6は、図23に示す静電
誘導タブレット101の駆動部におけるタイミング発生
回路104と略同様の動作をするものである。また、上
記切り替え回路7は、制御回路10の制御に基づいて、
表示制御回路4からのシフトデータs,交流化信号fr,ク
ロック信号cp1,クロック信号cp2と検出制御回路6から
のシフトデータsd,交流化信号frd,クロック信号cp1d,ク
ロック信号cp2dとを切り替え選択して、コモン駆動回路
2およびセグメント駆動回路3にシフトデータso,交流
化信号fro,クロック信号cp1o,クロック信号cp2oとして
出力する。
【0088】そうすると、上記液晶パネル1において
は、上記制御回路10からのモード信号modeによってコ
モン駆動回路2およびセグメント駆動回路3の動作モー
ドが表示モードに設定されて、且つ切り替え回路7によ
って表示制御回路4からの各信号が選択されている場合
には、コモン駆動回路2からのコモン電極駆動信号a〜
hとセグメント駆動回路3からのセグメント電極駆動信
号A,Bとに基づいて、上述のようにして画素マトリッ
クスに画像が表示される。
【0089】一方、上記制御回路10からのモード信号
modeによってコモン駆動回路2およびセグメント駆動回
路3の動作モードが後に詳述する座標検出モードに切り
替わり、且つ切り替え回路7によって検出制御回路6か
らの各信号が選択されるている場合には、後に詳述する
ようにして、高周波電源12から電子ペン11の先端電
極に印加された高周波電圧に起因してコモン電極Yおよ
びセグメント電極Xに誘起された誘導電圧信号を順次検
出するための走査が行われるのである。
【0090】上記x座標検出回路8およびy座標検出回
路9は、図23に示す静電誘導タブレット101の駆動
部におけるx座標検出回路107およびy座標検出回路
108と略同様の動作をする。すなわち、制御回路10
からのタイミング信号とセグメント電極Xあるいはコモ
ン電極Yを走査した際にオペレーショナル・アンプ13,
14から出力される信号とに基づいて電子ペン11の先
端座標を検出する。
【0091】尚、図1においては、上記表示制御回路
4,検出制御回路6,切り替え回路7および制御回路10
を各ブロックに分割して表現している。ところが、実際
の回路においては上記各回路はLSI(大規模集積回路)
化されており、上記のようなブロックには形態上厳密に
は区分できない。
【0092】図2は上記コモン駆動回路2あるいはセグ
メント駆動回路3として用いる液晶パネル1用の電極駆
動回路の詳細なブロック図である。尚、以下の電極駆動
回路の説明はセグメント駆動回路3として用いられた場
合を例に挙げて行う。
【0093】本実施例における電極駆動回路(セグメン
ト駆動回路3)の構成は、図11に示すような液晶パネ
ル駆動回路(図11における液晶パネル駆動回路はコモ
ン駆動回路2'である)とは以下の点において異なる。す
なわち、各出力端子O1〜O40に接続されているセグ
メント電極X1〜X40の電圧を順次読み取るための専用
のアナログスイッチTr5を設けて、アナログスイッチT
r5の出力を共通のセグメント電極電圧読み出し端子H5
に接続している。尚、図2におけるセグメント駆動回路
3では、用いられないバイアス電源V1,V4の入力端子
V1,V4は省略してある。
【0094】上記モード端子MODEには制御回路10
からのモード信号modeが入力され、モード信号modeのレ
ベルが“H"になるとセグメント駆動回路3の動作モー
ドは上記座標検出モードとなる。一方、モード信号mode
のレベルが“L"になるとセグメント駆動回路3の動作
モードは表示モードとなる。また、制御端子S/Cには
制御回路10からの走査モード信号scanが入力される。
【0095】上記走査モード信号scanはセグメント駆動
回路3の走査モードを制御する信号である。以下、上記
走査モードについて詳細に説明する。上記走査モード信
号scanのレベルが“H"である場合の第1の走査モード
は、表示期間中において以下のように実施される走査モ
ードである。
【0096】すなわち、表示データ入力端子XD0〜X
D3に4ビットづつシリアルに入力された表示データD0
o〜D3oがクロック入力端子XCKに入力されるクロッ
ク信号cp2oに同期して順次データラッチ回路15に送出
される。こうして、データラッチ回路15に1ライン分
(40画素分)の表示データがラッチされると、ラッチパ
ルス入力端子XLPに入力されるクロック信号cp1oに同
期して、全表示データが一斉にラインラッチ回路16を
介してレベルシフタ18に転送される。そして、上記レ
ベルシフタ18からは、アナログスイッチ制御信号s1
s4のうち転送された全表示データの内容に応じて選出さ
れた40個のアナログスイッチ制御信号(例えば、アナ
ログスイッチ制御信号s4,…)が出力される。
【0097】そうすると、上記レベルシフタ18からの
個々のアナログスイッチ制御信号が入力されたアナログ
スイッチ(例えば、アナログスイッチTr4)が“オン"と
なって、この“オン"となったアナログスイッチに対応
したバイアス電源(例えば、バイアス電源V5)が対応す
る出力端子(例えば、出力端子O1)からセグメント電極
X(例えば、セグメント電極X1)に出力される。つま
り、上記第1の走査モードは、端的に言えば電極を一括
走査するモードである。
【0098】一方、上記走査モード信号scanのレベルが
“L"である場合の第2の走査モードは、座標検出期間
中において以下のように実施される走査モードである。
【0099】すなわち、上記シフトデータ入力端子EI
O1に入力されたシフトデータsoのパルスがクロック信
号cp1oに同期してシフトレジスタ17における第1のレ
ジスタに取り込まれる。そして、次のクロック信号cp1o
に同期して、シフトレジスタ17の第1〜第40のレジ
スタに取り込まれているシフトデータso(この場合に
は、第1のレジスタのシフトデータsoは“H"であり、
第2〜第40のレジスタのシフトデータsoは“L"であ
る)が一斉にレベルシフタ18に転送される。そして、
上記レベルシフタ18からは、アナログスイッチ制御信
号s1〜s4のうちの転送されたシフトデータsoの内容に応
じたアナログスイッチ制御信号(例えば、シフトデータs
oが“H"であればアナログスイッチ制御信号s5、シフト
データsoが“L"であればアナログスイッチ制御信号s4)
が出力される。
【0100】そうすると、上記レベルシフタ18から出
力されたアナログスイッチ制御信号s5が入力されたアナ
ログスイッチTr5からは、対応するセグメント電極Xの
電圧がセグメント電極電圧読み出し端子H5に出力され
る。一方、アナログスイッチ制御信号s4が入力されたア
ナログスイッチTr4からは、バイアス電源V5が対応す
るセグメント電極Xに出力される。こうして、出力端子
O1からセグメント電極X1の電圧が読み出され、その
他の出力端子O2〜O40からセグメント電極X2〜X
40に非走査電圧V5が出力される。それと同時に、上記
シフトレジスタ17における第1のレジスタに取り込ま
れているシフトデータsoのパルスが第2のレジスタにシ
フトされる。
【0101】以下、同様にして、次のクロック信号cp1o
に同期して、出力端子O2からセグメント電極X2の電
圧を読み出し、その他の出力端子O1,O3〜O40か
らセグメント電極X1,X3〜X40に非走査電圧V5を出力
する。それと同時に、上記シフトレジスタ17における
第2のレジスタに取り込まれているシフトデータsoのパ
ルスを第3のレジスタにシフトする。こうして、セグメ
ント電極X1からセグメント電極X40まで順次走査する
のである。つまり、上記第2の走査モードは、端的に言
えば電極を逐次走査するモードである。
【0102】上述のような第1あるいは第2の走査モー
ドを実現するために、コントロール回路19によってデ
ータラッチ回路15,ラインラッチ回路16,シフトレジ
スタ17およびレベルシフタ18が次のように制御され
る。
【0103】すなわち、上記コントロール回路19に入
力されるモード信号modeのレベルが“L"となり、走査
モード信号scanのレベルが“H"となる。そうすると、
先ず上記クロック入力端子XCKに入力されるクロック
信号cp2oとラッチパルス入力端子XLPに入力されるク
ロック信号cp1oとに応じてデータラッチ回路15が制御
され、上述のようにして1ライン分の表示データが取り
込まれてラインラッチ回路16に送出される。それと同
時に、ラインラッチ回路16が制御されて1ライン分の
表示データがラッチされてレベルシフタ18に送出され
る。
【0104】そうした後、上記クロック信号cp1oに応じ
てレベルシフタ18が次のように制御される。すなわ
ち、上記交流化信号入力端子XFRに入力される交流化
信号foのレベルが“H"の場合には、ラインラッチ回路
16からの個々の表示データのレベルが“H"であれば
アナログスイッチ制御信号s1が出力される一方、個々の
表示データのレベルが“L"であればアナログスイッチ
制御信号s2が出力される。こうして、各セグメント電極
Xには表示データD0o〜D3oに応じて表示電圧V0ある
いは非表示電圧V2が印加される。
【0105】これに対して、上記交流化信号foのレベル
が“L"の場合には、上述のようにして、表示データの
レベルが“H"であればアナログスイッチ制御信号s4
出力される一方、表示データのレベルが“L"であれば
アナログスイッチ制御信号s3が出力される。こうして、
各セグメント電極Xには表示データD0o〜D3oに応じて
表示電圧V5あるいは非表示電圧V3が印加される。
【0106】こうして、上記表示モードが実施されるの
である。
【0107】一方、上記コントロール回路19に入力さ
れる上記モード信号modeのレベルが“H"となり、走査
モード信号scanのレベルが“L"となる。そうすると、
先ずラッチパルス入力端子XLPに入力されるクロック
信号cp1oに応じてシフトレジスタ17が制御され、上述
のようにしてシフトデータsoのパルス位置がシフトされ
て全レジスタ内のシフトデータsoがレベルシフタ18に
送出される。
【0108】そうした後、上記クロック信号cp1oに応じ
てレベルシフタ18が制御されて、交流化信号入力端子
XFRに入力される交流化信号froのレベル応じて、上
述のようにシフトデータsoの内容に応じたアナログスイ
ッチ制御信号s4,s5が出力される。そして、シフトデー
タsoの内容が“H"であれば対応するセグメント電極X
の電圧が読み出されてセグメント電極電圧読み出し端子
H5に出力される。また、シフトデータsoの内容が“L"
であれば非走査電圧V5が印加される。こうして、上記
座標検出モードが実施されるのである。
【0109】上述した電極駆動回路の説明は、本電極駆
動回路をセグメント駆動回路3として用いた場合を例に
行っている。しかしながら、実際には本電極駆動回路は
コモン駆動回路2としても使用される。但し、その場合
には、制御端子S/Cへの入力のレベルは常時“L"にし
て走査モードを第2の走査モードに固定しておく必要が
ある。尚、本電極駆動回路の用途は、モード信号mode及
び走査モード信号scanの組み合わせによって選択され
る。そこで、モード信号mode及び走査モード信号scanの
組み合わせによって選択される用途とその用途において
選択されるアナログスイッチおよび対応する端子とを表
1にまとめて示す。
【表1】
【0110】尚、上記座標検出期間には交流化信号fro
のレベルに関係無く同じアナログスイッチが選択される
ので、表1の座標検出の欄における交流化信号froのレ
ベルの記載は省略してある。
【0111】上記構成の表示一体型タブレット装置は次
のように動作して、画素マトリックスへの画像表示と電
子ペン11の先端座標検出とを実施する。図3は上記液
晶パネル1の画素マトリックスに画像が表示されている
表示期間と液晶パネル1のセグメント電極Xとコモン電
極Yとが走査されて高周波電圧が印加された電子ペン1
1の先端位置が検出される座標検出期間とのタイミング
チャートである。この表示一体型タブレット装置におい
ては、1フレーム期間を表示期間と座標検出期間とで形
成するのである。また、座標検出期間を必要に応じてx
座標検出期間とy座標検出期間とで形成する。こうする
ことによって、液晶パネル1における画素マトリックス
への画像の表示と、液晶パネル1である静電誘導タブレ
ットによる電子ペン11の先端座標検出とを、互いに相
手の性能を損なうことなく実施できるのである。
【0112】図3においては分かり易くするために座標
検出期間をかなり長く表現しているが、実際には表示期
間長/座標検出期間長が“10"以上になるようにしてい
る。上記表示期間と座標検出期間との切り替えは、制御
回路10の制御に基づいて、切り替え回路7を表示制御
回路4側と検出制御回路6側とに切り替えると共に、コ
モン駆動回路2およびセグメント駆動回路3の動作モー
ドを切り替えることによって実施するのである。
【0113】上記表示期間においては、上記制御回路1
0からのモード信号modeのレベルが“L"になり走査モ
ード信号scanのレベルが“H"になると、コモン駆動回
路2の制御端子S/Cへの入力レベルは“L"に固定され
ているからコモン駆動回路2およびセグメント駆動回路
3の動作モードが表示モードに設定される。また、上記
切り替え回路7は、制御回路10の制御に基づいて表示
制御回路4からのシフトデータs,交流化信号fr,クロッ
ク信号cp1,クロック信号cp2を選択して、シフトデータs
o,交流化信号fro,クロック信号cp1o,クロック信号cp2o
として出力する。
【0114】そうすると、上記コモン駆動回路2および
セグメント駆動回路3は、図2において説明したように
動作して、例えば図12に示すようなコモン電極駆動信
号a〜hおよびセグメント電極駆動信号A,Bを出力す
る。その結果、液晶パネル1の画素マトリックスの各画
素は図15に示すように表示されるのである。
【0115】次に、上記座標検出期間においては、制御
回路10からのモード信号modeのレベルが“H"となり
走査モード信号scanのレベルが“L"となる。そして、
コモン駆動回路2およびセグメント駆動回路3の動作モ
ードが座標検出モードに設定される。また、切り替え回
路7は、制御回路10の制御に基づいて検出制御回路6
からのシフトデータsd,交流化信号frd,クロック信号cp1
d,クロック信号cp2dを選択して、シフトデータao,交流
化信号fro,クロック信号cp1o,クロック信号cp2oとして
出力する。
【0116】そうすると、上記コモン駆動回路2および
セグメント駆動回路3は、図2によって説明したように
動作して、図4に示すようなコモン電極走査タイミング
あるいはセグメント電極走査タイミングでコモン電極群
あるいはセグメント電極群を走査する。尚、図4におい
ては、セグメント電極走査およびコモン電極走査におけ
る走査時間Tpをクロック信号cp1oのパルス幅よりも大
きく設定されており、近接する複数本のセグメント電極
Xが同時に走査されるようにしている。
【0117】その際に、上記セグメント駆動回路3にお
いては、上述したように走査対象のセグメント電極Xに
対応したアナログスイッチTr5(図2参照)が“オン"と
なっており、走査対象のセグメント電極Xの電圧が読み
出される。そして、この検出電圧はセグメント電極電圧
読み出し端子H5からオペレーショナル・アンプ14を介
してx座標検出回路8に入力される。同様に、上記コモ
ン駆動回路2においても走査対象のコモン電極Yの電圧
が検出されて、コモン電極電圧読み出し端子G5からオ
ペレーショナル・アンプ13を介してy座標検出回路9
に入力される。
【0118】ここで、上記電子ペン11の先端電極に
は、高周波電源12によって所定周波数の高周波電圧が
印加されている。したがって、電子ペン11の先端を液
晶パネル1の表面に近付けると、電子ペン11の先端電
極とセグメント電極Xとの間の静電容量に起因してセグ
メント電極Xに電圧が誘起される。そこで、上述のよう
にして、セグメント駆動回路3によってセグメント電極
群を走査しながらオペレーショナル・アンプ14によっ
て個々のセグメント電極Xの電圧を検出することによっ
て、図25(a)に示すように電子ペン11直下のセグメ
ント電極Xの走査時にピークとなる誘導電圧を検出でき
るのである。
【0119】こうして得られたセグメント電極群に係る
誘導電圧信号は、図25(b)に示すような波形に成型さ
れてx座標検出回路8に入力される。そして、x座標検
出回路8によって、図23に示す静電誘導タブレット1
01におけるx座標検出回路107の場合と同様にし
て、入力された誘導電圧に基づいて電子ペン11先端の
x座標が求められてx座標信号が出力される。
【0120】また、同様にして、上記コモン駆動回路2
およびオペレーショナル・アンプ13によってコモン電
極群に係る誘導電圧信号が検出され、得られたコモン電
極群に係る誘導電圧に基づいてy座標検出回路9によっ
てy座標信号が出力される。
【0121】こうして出力されたx座標信号およびy座
標信号は、必要に応じてCPU(中央処理装置)によって
処理された後に表示制御回路4に入力されて表示データ
0〜D3に変換される。したがって、表示期間におい
て、電子ペン11の先端座標を表す表示データD0〜D3
に基づく画像を液晶パネル1に表示すれば、恰も筆記用
具によって紙に書く感覚で電子ペン11によって画像を
入力できる。
【0122】上述のように、本実施例においては、液晶
パネル1,コモン駆動回路2,セグメント駆動回路3,表
示制御回路4および電源回路5で概略構成されるデュー
ティータイプ液晶表示装置に、検出制御回路6,切り替
え回路7,x座標検出回路8,y座標検出回路9,制御回
路10および電子ペン11を付加している。そして、各
フレーム期間を上記液晶パネル1の画素マトリックスに
画像を表示する表示期間と液晶パネル1上の電子ペン1
1の先端座標を検出する座標検出期間とに時分割するよ
うにしている。
【0123】上記表示期間においては、上記制御回路1
0の制御によって、コモン駆動回路2およびセグメント
駆動回路3は表示モードに設定される一方、切り替え回
路7は表示制御回路4側を選択する。そして、この選択
された表示制御回路4からの信号に基づいて切り替え回
路7から出力されるシフトデータso,交流化信号fro,ク
ロック信号cp1oおよびクロック信号cp2oに従って、コモ
ン駆動回路2およびセグメント駆動回路3が動作する。
その際に、コモン駆動回路2によって生成されたコモン
電極駆動信号a〜hが液晶パネル1のコモン電極Y1
8に入力されて、液晶パネル1の画素マトリックスの
表示列が順次選択される。一方、セグメント駆動回路3
によって表示データD0o〜D3oに基づいて生成されたセ
グメント電極駆動信号A,Bが液晶パネル1のセグメン
ト電極X1〜X40に入力されて、上記画素マトリックス
におけるコモン駆動回路2によって選択されている表示
列の画素が表示データに応じて表示される。こうして、
上記画素マトリックスは図13に示すように表示される
のである。
【0124】また、座標検出期間においては、制御回路
10の制御によって、コモン駆動回路2およびセグメン
ト駆動回路3は座標検出モードに設定される一方、切り
替え回路7は検出制御回路6側を選択する。そして、こ
の選択された検出制御回路6からの信号に基づいて切り
替え回路7から出力されるシフトデータso,交流化信号f
ro,クロック信号cp1oおよびクロック信号cp2oに従っ
て、コモン駆動回路2およびセグメント駆動回路3が動
作する。こうして、上記セグメント駆動回路3によって
セグメント電極Xが順次走査されて、走査対象のセグメ
ント電極Xの電圧が検出される。そして、電子ペン11
の先端電極に印加された高周波電圧に起因してセグメン
ト電極Xに誘起された誘導電圧が検出され、この誘導電
圧に基づいてx座標検出回路8によって電子ペン11の
先端のx座標が検出されてx座標信号が出力される。引
き続き、コモン駆動回路2によってコモン電極Yが走査
されて走査対象のコモン電極Yの誘導電圧が検出され
る。そして、検出されたコモン電極Yの誘導電圧に基づ
いて、y座標検出回路9によって電子ペン11の先端の
y座標が検出されてy座標信号が出力される。
【0125】その際に、上記セグメント電極Xとコモン
電極Yとの間の電位差を、座標検出期間における液晶表
示電圧の閾値より小さくなるようにしておくので、座標
検出期間に液晶パネル1の画素マトリックスは表示され
ないのである。こうして出力されたx座標信号およびy
座標信号は表示制御回路4によって表示データD0〜D3
に変換され、この変換された表示データD0〜D3に従っ
て切り替え回路7から出力される表示データDoo〜D3o
に基づいて、液晶パネル1の画素マトリックス上におけ
る電子ペン11の先端位置の画素が表示される。
【0126】このように、上記液晶パネル1の画素マト
リックス表示における各フレーム期間を上記表示期間と
座標検出期間とに時分割する。そして、表示期間におい
ては液晶パネル1を画像表示部として使用する一方、座
標検出期間においては液晶パネル1をタブレットとして
使用することによって、表示機能を一体化させたタブレ
ットを構成するのである。
【0127】したがって、本実施例によれば、タブレッ
トの行/列電極の低光透過率による表示部の表示画面の
明るさ及びコントラストの低下、タブレットの電極配列
の規則性や表示部とタブレット部との対応箇所のずれに
よる表示部の視認性の低下、タブレットと表示部との積
層による大型化やコストアップ等の問題点を一挙に解決
できる。すなわち、本実施例の表示一体型タブレット
は、表示画面上の位置をペン入力する際に表示画面が見
易く、且つ、コンパクト化や低コスト化が容易なのであ
る。
【0128】また、上記実施例においては、コモン駆動
回路2あるいはセグメント駆動回路3を構成する電極駆
動回路はアナログスイッチTr1〜Tr5からなる双方向ア
ナログスイッチ回路を有しているので、双方向アナログ
スイッチ回路を介して各電極への電圧供給と各電極から
の電圧読み出しとを容易に実施できる。
【0129】上記実施例におけるコモン駆動回路2およ
びセグメント駆動回路3では、共通の電極電圧読み出し
端子G5,H5から直接誘導電圧を取り出している。しか
しながら、アナログスイッチTr5と電極電圧読み出し端
子G5,H5との間にオペーショナル・アンプを設けてアナ
ログスイッチTr5側から見た入力インピーダンスを高く
する一方出力インピーダンスを低くすれば、図1におけ
るオペーショナル・アンプ13,14は不要となり、配線
途上の誘導ノイズが削減できるので好ましい。
【0130】また、上記実施例においては、説明を簡単
にするためにコモン電極Yの本数は8本としセグメント
電極Xの本数を40本としているが、通常は両電極とも
数百本に及ぶ。その場合には、図2に示すような電極駆
動回路を構成するLSIをカスケードに接続すればよ
い。
【0131】また、上記実施例においては、上記電子ペ
ン11,オペレーショナル・アンプ13・14,x座標検出
回路8およびy座標検出回路9の組を1組備えている。
しかしながら、この発明はこれに限定されるものではな
い。上記電子ペン11,オペレーショナル・アンプ13・
14,x座標検出回路8およびy座標検出回路9の組を
複数組備えて、各組の電子ペンへの高周波電圧の周波数
を変えて複数の電子ペンによって独立してペン入力を実
施可能にしても何等差し支えない。その際に、各電子ペ
ンによってペン入力された文字や図形の夫々を異なる線
種(例えば、実線や点線や太線等)や異なる色で表示する
ようにすれば、異なる電子ペンによって描かれた文字や
図形を容易に区別できる。
【0132】また、上記実施例においては、入力文字や
図形の認識手段を付加することによって、ペン入力され
た文字や図形を上記認識手段によって認識し、その認識
結果を用いて各種の処理を実施することも可能である。
あるいは、指示判断手段を付加して、液晶パネル1上に
表示された種々の処理メニュー(いわゆるアイコン)のう
ち電子ペンによって指示された処理メニューの内容を判
断し、判断結果に応じた処理を実施することも可能であ
る。さらに、上記液晶パネル1に用いる液晶としてポリ
マー分散型液晶を採用すればフレキシブルなシート状タ
ブレットが形成可能であり、ノート型コンピュータの実
現が可能となる。
【0133】[第2実施例]図5は、図1とは異なる表
示一体型タブレット装置のブロック図である。尚、図1
と全く同じ要素には同じ番号を付して説明を省略する。
本実施例における表示一体型タブレット装置におけるコ
モン駆動回路2にはモード信号入力端子MODEおよび
コモン電極電圧読み出し端子G5は設けられていない。
さらに、セグメント駆動回路3にはモード信号入力端子
MODEおよびセグメント電極電圧読み出し出し端子H
5は設けられていない。
【0134】また、上記電源回路5からコモン駆動回路
2の入力端子V5にバイアス電源V5を供給するラインに
は、双方向のアナログスイッチ21を介設する。そし
て、このアナログスイッチ21の今一つの端子にはオペ
レーショナル・アンプ13の入力端子を接続する。こう
して、上記アナログスイッチ21を切り換えることによ
って、コモン駆動回路2の入力端子V5がオペレーショ
ナル・アンプ13側と電源回路5のバイアス電源V5の供
給ライン側に切り換え接続されるようになっている。ま
た、上記電源回路5からセグメント駆動回路3の入力端
子V5にバイアス電源V5を供給するラインには、双方向
のアナログスイッチ22を介設する。そして、このアナ
ログスイッチ22の今一つの端子にはオペレーショナル
・アンプ14の入力端子を接続する。こうして、アナロ
グスイッチ22を切り換えることによって、セグメント
駆動回路3の入力端子V5がオペレーショナル・アンプ1
4側と電源回路5のバイアス電源V5の供給ライン側に
切り換え接続されるようになっている。
【0135】本実施例におけるコモン駆動回路2は図1
1に示すコモン電極2'と同じ構成を有している。但
し、シフトレジスタ35にはシフトデータsoおよびクロ
ック信号cp1oが入力される一方、レベルシフタ36には
交流化信号froが入力される。
【0136】上記シフトデータ入力端子DIO1に入力
されたシフトデータsoのパルス位置がクロック信号cp1o
に同期してシフトされると共に、内蔵された総てのレジ
スタに取り込まれたシフトデータsoがレベルシフタ36
に並列に出力される。そうすると、レベルシフタ36
は、交流化信号入力端子YFRから入力される交流化信
号froのレベルとシフトレジスタ35から入力される各
シフトデータsoのレベルとに応じて、アナログスイッチ
制御信号s1〜s4のうちの一つを出力して対応するアナロ
グスイッチTr1〜Tr4を“オン"にする。このようにし
て、アナログスイッチTr1〜Tr4によって選択されたバ
イアス電源V0〜V5が対応するコモン電極Yに出力され
る。こうして、逐次走査のみが実施されるのである。
【0137】図6は、本実施例におけるセグメント駆動
回路3の詳細なブロック図である。本実施例におけるセ
グメント駆動回路3においては、図2に示すセグメント
駆動回路3におけるモード信号入力端子MODE,セグ
メント電極読み出し端子H5およびアナログスイッチTr
5を備えてはいない。
【0138】コントロール回路29にレベル“H"の走
査モード信号scanが入力されると、コントロール回路2
9によってデータラッチ回路25,ラインラッチ回路2
6およびレベルシフタ28が制御されて上記第1の走査
モードが実施される。この第1の走査モードは、表示期
間中において実施されるセグメント電極Xを一括走査す
るモードである。一方、上記コントロール回路29にレ
ベル“L"の走査モード信号scanが入力されると、コン
トロール回路29によってシフトレジスタ27およびレ
ベルシフタ28が制御されて上記第2の走査モードが実
施される。この第2の走査モードは、座標検出期間中に
おいて実施されるセグメント電極Xを逐次走査するモー
ドである。
【0139】上記構成の表示一体型タブレット装置は次
のように動作する。先ず、上記表示期間においては、制
御回路10からの走査モード信号scanのレベルが“H"
になると、コモン駆動回路2の制御端子S/Cの入力レ
ベルが“L”に固定されているので、コモン駆動回路2
の走査モードが第2の走査モード(逐次走査)に設定され
る一方、セグメント駆動回路3の走査モードが第1の走
査モード(一括走査)に設定される。そうすると、上記コ
モン駆動回路2およびセグメント駆動回路3は、第1実
施例における表示モード時と同様に動作して、表示動作
が実施される。
【0140】次に、上記座標検出期間においては、制御
回路10からの走査モード信号scanのレベルが“L"と
なってコモン駆動回路2およびセグメント駆動回路3の
走査モードが第2の走査モード(逐次走査)に設定され
る。そうすると、上記コモン駆動回路2およびセグメン
ト駆動回路3は、第1実施例における座標検出モードと
同様に動作して、走査対象セグメント電極Xあるいは走
査対象コモン電極Yに対応したアナログスイッチTr4
“オン"にすることによってコモン電極群あるいはセグ
メント電極群を走査する。
【0141】その際に、上記制御回路10からの制御信
号によってアナログスイッチ21,22は夫々オペレー
ショナル・アンプ13あるいはオペレーショナル・アンプ
14側に切り換えられており、電源回路5からのバイア
ス電源V5がコモン駆動回路2およびセグメント駆動回
路3に供給されないようになっている。したがって、上
記座標検出モード時には、走査対象セグメント電極Xの
電圧がアナログスイッチ21を介してオペレーショナル
・アンプ13に出力される。一方、走査対象コモン電極
Yの電圧がアナログスイッチ22を介してオペレーショ
ナル・アンプ14に出力されることになる。
【0142】ここで、上記電子ペン11の先端電極には
高周波電源12によって所定周波数の高周波電圧が印加
されているので、セグメント電極Xおよびコモン電極Y
に電圧が誘起される。そこで、上述のようにして、コモ
ン駆動回路2およびセグメント駆動回路3によってコモ
ン電極群およびセグメント電極群の個々の電極の電圧を
検出すると、図25(a)に示すような電子ペン11直下
の電極の走査時にピークとなる誘導電圧を検出するので
ある。
【0143】こうして得られたセグメント電極群あるい
はコモン電極群に係る誘導電圧信号に基づいて、第1実
施例の場合と同様にして電子ペン11先端の座標が求め
られて、x座標信号およびy座標信号が出力される。
【0144】図7は、図6に示すセグメント駆動回路3
とは異なる構成のセグメント駆動回路3のブロック図で
ある。図6に示すセグメント駆動回路3においては、入
力端子V0,V2,V3,V5に入力される4種類のバイアス
電圧V0,V2,V3,V5のうち、交流化信号froのレベルが
“H"の際に選択されるバイアス電圧の組は(V0,V2)の
みであり、交流化信号froのレベルが“L"の際に選択さ
れるバイアス電圧の組は(V3,V5)のみである。
【0145】そこで、図7に示すセグメント駆動回路3
においては、交流化信号froのレベル変化に応じて切り
替わるアナログスイッチ30,31を設けて、アナログ
スイッチ30の切り替え端子には同時に選択されること
のないバイアス電圧V0,V5を入力し、アナログスイッ
チ31の切り替え端子には同時に選択されることのない
バイアス電圧V2,V3を入力するのである。そして、予
め交流化信号froのレベルに応じてアナログスイッチ3
0,31を切り換えて、バイアス電圧の組み(V0,V2)あ
るいはバイアス電圧の組み(V3,V5)のいずれかを選択
してその要素の夫々をアナログスイッチTr1あるいはア
ナログスイッチTr2に送出しておき、そのバイアス電圧
の組みのいずれか一方をレベルシフタ28の出力データ
に応じてアナログスイッチTr1,Tr2を制御して選択す
るようにする。
【0146】こうすることによって、アナログスイッチ
の数を減らし、レベルシフタ28の構成を簡素化できる
のである。
【0147】図5に示す表示一体型タブレット装置で
は、アナログスイッチ21,22およびオペレーショナ
ル・アンプ13,14をコモン駆動回路2あるいはセグメ
ント駆動回路3の外部に設けている。しかしながら、こ
の発明はこれに限定されるものではない。例えば、図1
1,図6および図7に示す電極駆動回路内に組み込むこ
とによって、外部ノイズの低減化と表示一体型タブレッ
ト装置のシンプル化を図ることができる。
【0148】[第3実施例]図8は、図4に示すセグメ
ント電極走査およびコモン電極走査のタイミングとは異
なるタイミングによって、セグメント電極Xおよびコモ
ン電極Yを走査するタイミングチャートである。この場
合の走査タイミングは複数本のセグメント電極Xあるい
は複数のコモン電極Yを一括して走査する。
【0149】すなわち、図8において、上記セグメント
駆動回路3においては、a本のセグメント電極X1,X2,
…,Xaが一括して走査される。次に、a本のセグメント
電極Xa+1,Xa+2,…,X2aが一括して走査される。以下
同様にして、a本のセグメント電極Xm-a+1,…,Xmが一
括して走査されるのである。一方、コモン駆動回路2に
おいては、b本のコモン電極Y1,Y2,…,Ybが一括して
走査される。次に、b本のコモン電極Yb+1,Yb+2,…,
2bが一括して走査される。以下同様にして、b本のコ
モン電極Yn-b+1,…,Xnが一括して走査されるのであ
る。
【0150】このように、a本のセグメント電極Xおよ
びb本のコモン電極Yをまとめて走査することによっ
て、検出制御回路6から出力されるクロック信号cp1dお
よびクロック信号cp2dが各電極を1本ずつ走査する場合
と同じ周期の信号であってもセグメント電極Xの走査速
度はa倍となり、コモン電極Yの走査速度はb倍となる
のである。したがって、上記座標検出期間を短縮して表
示期間を十分に確保し、高密度液晶パネルの表示に充分
対処できるのである。
【0151】また、図4あるいは図8に示すように、複
数本のセグメント電極Xおよび複数本のコモン電極Yを
同時に走査することは、上記各実施例を実施するに際に
は重要なことである。この発明において複数本づつのセ
グメント電極Xおよびコモン電極Yを走査するのには、
次のような2つの理由がある。
【0152】・第1の理由 図1あるいは図5に示す表示一体型タブレット装置にお
ける座標検出時には、電子ペン11の先端電極に高周波
電源12から所定周波数の高周波電圧を印加した際にセ
グメント電極Xおよびコモン電極Yに誘起される誘導電
圧を、セグメント電極群及びコモン電極群を走査するこ
とによって検出している。したがって、電子ペン11の
先端座標を精度良く検出するには、1本のセグメント電
極Xあるいはコモン電極Yが走査されている時間(走査
時間)を電子ペン11の先端電極に印加される高周波電
圧の周期よりも長く設定する必要がある。
【0153】例えば、電子ペン11の先端電極に200
kHzの高周波電圧を印加した場合には、その周期は5μ
secであるから各セグメント電極Xおよびコモン電極Y
の走査時間は5μsec以上必要である。したがって、液
晶パネル1の画素数が640×480である場合には、
各電極X,Yを1本ずつ走査すると、全セグメント電極
及びコモン電極を走査するのに要する時間は(640本
+480本)×5μsec/本=5600μsec=5.
6msecにも達するのである。
【0154】この走査時間“5.6μsec"は、静電誘導
タブレット単機能の場合には全く問題にはならない時間
である。ところが、本表示一体型タブレット装置のよう
に1フレームを表示期間と座標検出期間とに時分割して
動作する場合には、仮にフレーム周波数を60Hzとす
るとフレーム周期は約16.7msecであるから検出期間
の割合が33.5%にも達する。したがって、1フレー
ム期間のうち画像表示に使用可能な時間は(16.7−
5.6)=11.1msecに過ぎず、表示画面の画質が著し
く劣化して実用上問題がある。その対策として、電子ペ
ン11の先端電極に印加される高周波電圧の周波数を高
くすればよい。ところが、高周波電圧の周波数アップに
も以下のような理由によって限度がある。
【0155】図9は、n番目のコモン電極Ynにおける
分布抵抗rおよびn番目のコモン電極Ynとそれに対向
する各セグメント電極Xとの間の分布容量Cの等価回路
である。図より、セグメント電極Xおよびコモン電極Y
はr,Cから成るローパスフィルタを形成していること
が分かる。尚、上記分布抵抗rおよび分布容量Cは1画
素当たりの抵抗および静電容量であり、その値は液晶や
セグメント電極Xまたはコモン電極Yの材質によって異
なるが例えばrは20Ω程度でありCは1pF程度であ
る。
【0156】一方、x方向への画素数は標準的な液晶パ
ネルの場合には640である。したがって、図9に示す
ように、電子ペン11がコモン駆動回路2から離れて
(図中右方)位置した場合には、電子ペン11の先端電極
とコモンYと間の静電容量Cpに起因して誘起された電
圧は、r・Cによって減衰しつつコモン駆動回路2に入
力される。しかも、高周波電源12からの高周波電圧の
周波数が高い程減衰量は大きく、極端な場合には検出不
可能なレベルにまで減衰してしまう。つまり、上記電子
ペン11が反コモン駆動回路側に位置してもコモン電極
Yに誘起された誘導電圧のレベルをある程度高く維持す
るために、高周波電源12における高周波電圧の周波数
を高くはできないのである。
【0157】・第2の理由 通常、上記液晶パネル1を構成するセグメント電極Xお
よびコモン電極Yの電極幅は0.3mm程度である。とこ
ろが、近年表示を精細にするために電極幅を更に細くす
る傾向にある。上記電極幅を細くするということは、電
子ペン11の先端電極とセグメント電極Xあるいはコモ
ン電極Yとの間の静電容量が小さくなることを意味し、
その結果セグメント電極Xあるいはコモン電極Yに誘起
される誘導電圧も低くなる。したがって、電子ペン11
先端座標の検出精度が低くなってしまうのである。
【0158】上記2つの理由によって、第4図あるいは
第8図に示すように、複数本のセグメント電極Xおよび
複数本のコモン電極Yを同時に走査するのである。例え
ば、上記640本のセグメントXと480本のコモン電
極Yを5μsec/本の走査速度で16本づつ走査する場
合、その走査期間は (640本×480本)×5μsec/16=350μsec となる。したがって、1フレーム期間(16.7msec)に
対する検出期間の割合は約2%となり、表示期間は98
%に増加して表示画質への影響は無視できるようにな
る。また、それに伴って、セグメント電極Xおよびコモ
ン電極Yに誘起される誘導電圧の値も略1桁増加する。
【0159】上述のように複数電極を同時に走査するこ
とは一見検出精度を著しく低下させるようにも思える
が、実際には全く問題ならないことを確認している。特
に、図4に示すように1クロックずつ遅れて順次1本の
電極を走査する方が高い検出精度が得られるのでより好
ましい。しかしながら、図8に示すように、複数本の電
極をまとめて走査する場合であっても、図25(b)の波
形から求めた図25(c)に示すような検出パルスの立ち
上がり時間Trと立ち下がり時間Tgとから電子ペン11
の先端座標を求めることによって充分実用に耐え得る検
出精度が得られるのである。
【0160】以下、図1および図5に示すような表示一
体型タブレット装置がその機能を十分発揮できるように
するための技術について述べる。 [第4実施例]上記各実施例における座標検出期間にお
いては、電子ペン11の先端電極とセグメント電極Xお
よびコモン電極Yとの間の静電容量を利用して電子ペン
11の先端座標を検出するようにしている。したがっ
て、セグメント電極Xおよびコモン電極Yのうち電子ペ
ン11に直接面している上側の電極(図1および図5で
はセグメント電極X)に誘起される誘導電圧の方が下側
の電極に誘起される誘導電圧よりも高い。この両誘導電
圧の比は、液晶パネル1や電子ペン11の構造や形状に
もよるが通常1/20程度である。したがって、上記上
側の電極による検出座標と下側の電極による検出座標と
を同じ精度で検出するためには何らかの対応が必要であ
る。
【0161】・第1の対応 上述のように、上側の電極の誘導電圧と下側の電極の誘
導電圧とのレベルが異なるのであるから、上側の電極の
電極電圧読み出し端子に接続されたオペレーショナル・
アンプと下側の電極の電極電圧読み出し端子に接続され
たオペレーショナル・アンプとの増幅率を変えることに
よって、同一レベルの誘導電圧を得るのである。例え
ば、図1及び図5に示す液晶パネル1ではコモン電極Y
がセグメント電極Xの下側に位置している。したがっ
て、オペレーショナル・アンプ13の増幅率をオペレー
ショナル・アンプ14の増幅率よりも大きく設定するの
である。尚、x座標検出回路8およびy座標検出回路9
において、図25(c)に示すような2値化波形によって
座標検出を行う場合には、2値化する際の基準電圧(ス
ライス電圧)を変えても同じ効果が得られる。
【0162】・第2の対応 上述のように上記セグメント電極Xおよびコモン電極Y
を複数本同時に走査する際に、下側電極の走査本数を上
側電極の走査本数よりも多く設定する。こうすることに
よって、下側電極に誘起される誘導電圧を上側電極に誘
起される誘導電圧よりも高めるのである。
【0163】・第3の対応 図3に示すように、座標検出期間をx座標検出期間とy
座標検出期間とに時分割して、上側電極と下側電極とを
異なる時間に走査する場合には、下側電極の走査期間中
に電子ペン11の先端電極に印加される高周波電圧値を
上側電極の走査期間中に印加される高周波電圧値よりも
高くする。こうして、下側電極に誘起される誘導電圧を
上側電極に誘起される誘導電圧よりも高めるのである。
【0164】・第4の対応 下側電極の電極間隔を上側電極の電極間隔よりも狭くし
て、下側電極と電子ペン11との間の静電容量を密にす
る。例えば、図1あるいは図5に示す表示一体型タブレ
ット装置の場合には、上側電極であるセグメント電極X
の間隔を50μmmにする一方、下側電極であるコモン電
極Yの間隔を30μmmにして、コモン電極Yへの誘導電
圧を高めるのである。
【0165】[第5実施例]上記液晶パネル1にタブレ
ット機能を持たせることによって、液晶パネル1の液晶
が劣化することを絶対避けなけらばならない。上記液晶
の劣化は、液晶を挟むセグメント電極Xとコモン電極Y
との間に直流電圧が印加された場合に生ずる。そこで、
表示期間においては、上述したように交流化信号froに
よって所定ライン数(例えば13ライン)毎に液晶への電
圧印加方向を反転させて液晶に印加される平均電圧が
“0"に成るようにしている。
【0166】したがって、上記座標検出期間においても
液晶に印加される平均電圧が“0"に成るようにするこ
とが望ましい。そこで、非走査セグメント電極の電圧と
非走査コモン電極とを同じにするのである。この方法
は、最も確実で簡単な方法である。この非走査電圧は直
流電圧でよく、上記バイアス電圧V0〜V5の何れか選択
すればよい。尚、上記表示期間における表示電圧あるい
は非表示電圧との絡みで非走査セグメント電極の電圧と
非走査コモン電極の電圧とを同じにできない場合には、
コモン駆動回路2あるいはセグメント駆動回路3の入力
端子V0〜V5の何れかにアナログスイッチ等を接続し、
表示期間と座標検出期間とで上記アナログスイッチを切
り換えて非走査セグメント電極の電圧と非走査コモン電
極の電圧とを同じにできるようなバイアス電圧を選択す
るようにすればよい。
【0167】また、上記セグメント電極Xおよびコモン
電極Yにおける走査電極の電圧と非走査電極の電圧を同
じにすることが望ましい。そこで、図1あるいは図5に
示すように、オペレーショナル・アンプ13およびオペ
レーショナル・アンプ14の入力側に高い抵抗を介して
電源V6,V7を接続して走査電極に非走査電圧と同じ電
圧を供給するようにする。この場合、電極電圧読み出し
端子G5,H5からの誘導電圧は交流電圧であり、低い電
圧であるから全く問題はないのである。
【0168】[第6実施例]x座標検出期間中およびy
座標検出期間中は、次の理由から交流化信号froのレベ
ルを“H"あるいは“L"に固定しておくことが望まし
い。すなわち、図5に示す表示一体型タブレット装置に
おいては、座標検出モード時にはアナログスイッチ2
1,22を切り換えて入力端子V5,V5からの電圧を読み
出してオペレーショナル・アンプ13,14に出力するよ
うにしている。ところが、図6,図7および図11に見
られるように、上記入力端子V0〜V5は交流化信号fro
のレベルに応じてアナログスイッチTr1〜Tr4,30,3
1によって切り替え選択されるようになっている。した
がって、x座標検出期間中あるいはy座標検出期間中に
交流化信号froのレベルが変わるとオペレーショナル・ア
ンプ13,14への電圧を読み出す電極の順番がシフト
レジスタ27,35のシフト順とは異なってしまい、電
子ペン11の先端座標を検出できなくなるのである。
【0169】図3においては、x座標検出期間における
交流化信号froのレベルとy座標検出期間における交流
化信号froのレベルとの組み合わせをL−Lとしている
が、H−H,H−L,L−Hの組み合わせであってもよ
い。尚、図5におけるアナログスイッチ21,22が接
続される入力端子V0〜V5は上記組み合わせに応じて設
定する必要があることは言うまでもない。
【0170】また、上記各実施例においては、図3に見
られるように表示制御回路4からの交流化信号frに基づ
いて切り替え回路7から出力される交流化信号fro(以
下、表示交流化信号と言う)の間に割り込んで、検出制
御回路6からの交流化信号frdに基づいて切り替え回路
7から出力される交流化信号frd(但し、上述のようにx
座標検出期間中およびy座標検出期間中のレベルは一
定:以下、検出交流化信号と言う)を挿入している。し
かしながら、単純に表示交流化信号中に検出交流化信号
を挿入すると、表示期間中に液晶に印加される電圧方向
の反転周期に斑が生じ、表示画面に“さざ波状の表示
斑"が現れるので好ましくない。
【0171】そこで、図3に示すように、表示交流化信
号のレベル“H"の期間が時間tfだけ経過した時点で検
出交流化信号が挿入された場合には、次フレームの表示
期間開始時における表示交流化信号のレベルを“H"と
し、その時間tbを tb=Tf−tf 但し、Tf:表示交流化信号の反転周
期 するのである。これは、上記表示期間におけるコモン駆
動回路2へのクロック信号cp1oのクロック数を所定数カ
ウントすることによって上記表示交流化信号の反転周期
fを設定することによって実現できる。例えば、カウ
ント数を“13"にすることで良好な表示結果が得られ
る。
【0172】以上は、上記デューティタイプの駆動方法
によって駆動される液晶パネル1を有する表示一体型タ
ブレット装置に関する説明である。
【0173】<第2例>次に、アクティブマトリックス
方式の液晶パネルにタブレット機能を一体的に持たせた
表示一体型タブレット装置について説明する。尚、上記
アクティブマトリックス方式による液晶パネルは種々あ
るが、以下、薄膜トランジスタ(TFT)方式による液晶
パネルを例に説明する。但し、以下の説明においては、
図1および図5に示すデューティタイブの駆動方式によ
る表示一体型タブレット装置と同じ要素には同じ番号を
付して、説明は省略する。
【0174】[第7実施例]図15は上記TFT方式に
よる液晶パネルの構造を示す部分断面図である上記TF
T方式による液晶パネル(以下、単に液晶パネルと言う)
51は対向する2枚のガラス基板52,53を有する。
そして、ガラス基板52上には、能動素子であるTFT
54,TFT54のドレイン電極に接続された画素電極
55,補助容量電極(図示せず),Y電極としてのゲートバ
スライン電極56およびX電極としてのソースバスライ
ン電極57等が形成されている。
【0175】一方、上記ガラス基板53上には透明な対
向電極58が形成され、さらにカラー表示の場合にはR
GBのカラーフィルタ59が形成されている。そして、
このガラス基板53とガラス基板52とは積層膜形成面
を内側にして数μmの間隔を有して対向しており、その
間には液晶が充填されている。
【0176】上記構造を有する液晶パネル51を表示一
体型タブレット装置用の液晶パネルとして使用する場合
には、図15に示すように、TFT54形成側のガラス
基板52側に保護板60を介して電子ペン11を位置さ
せる。その結果、観察者は通常の表示機能のみを有する
液晶パネルの場合とは逆方向から液晶パネル51を見る
ことになる。これは次の理由による。すなわち、従来の
ようにガラス基板53側から液晶パネル51を見ようと
すると、上記電子ペン11の先端電極とソースバスライ
ン電極57あるいはゲートバスライン電極56との間に
約20Ω/□の透明導電体で形成された対向電極58が
入り込むことなる。したがって、上記先端電極とソース
バスライン電極57あるいはゲートバスライン電極56
との間が静電的に遮蔽されるために、先端電極とソース
バスライン電極57あるいはゲートバスライン電極56
との間には静電的結合が生じなくなる。そのために、ソ
ースバスライン電極57およびゲートバスライン電極5
6には高周波電源12から電子ペン11の先端電極に印
加された高周波電圧に起因する誘導電圧は生じないので
ある。
【0177】また、上記液晶パネル51はそれ自信は発
光しないために背面側に配置されるバックライトによっ
て光を照射する。このバックライトとしては通常蛍光ラ
ンプが用いられる場合が多い。その場合には、液晶パネ
ル51の背後に配置された蛍光ランプおよびその点灯電
源によって発生された静電界および外部不要電界が対向
電極58によって遮蔽されるので、ソースバスライン電
極57およびゲートバスライン電極56への静電ノイズ
の侵入が防止されるのである。
【0178】尚、図15に示すように液晶パネル51を
配置する場合には照射光がTFT54のゲート部に作用
してTFT54の動作が不安定になる場合がある。そこ
で、TFT54のゲート部の表面に遮光手段を設けて背
面側からの照射による誤動作を防止する必要がある。
【0179】図16は図15に示す液晶パネル51を用
いた表示一体型タブレット装置の要部ブロック図であ
り、制御回路10,表示制御回路4,検出制御回路6,切
り替え回路7(図1および図5参照)は省略してある。ゲ
ート駆動回路61およびソース駆動回路62は、液晶パ
ネル51の駆動回路であって電子ペン11の先端座標の
検出回路としても動作する。
【0180】本表示一体型タブレット装置における座標
検出期間における動作は、ゲートバスライン電極56お
よびソースバスライン電極57を検出電極として使用
し、能動素子であるTFT54および画素電極55を座
標検出の際には使用しないのが特徴である。
【0181】すなわち、上記座標検出期間におけるゲー
トバスライン電極56の電圧は、ゲート駆動回路61の
入出力端子G1〜Gn(以下、任意の入出力端子をGと記
載する)の電圧と電子ペン11の先端電極に印加される
高周波電圧に起因してゲートバスライン電極56に誘起
される誘導電圧とによって決まる。そこで、入出力端子
Gの電圧と誘導電圧のピーク値との和の値がTFT54
の“オン"電圧よりも低くなるように高周波電源12の
出力電圧およびゲート駆動回路61へのバイアス電源が
設定される。
【0182】こうして、上記TFT54を“オフ"状態
に保持することによって、TFT54のドレイン電極に
接続された画素電極55の電圧が画素電極55と対向電
極58間の静電容量および補助容量によって保持され
て、リーク電流によって僅かに低下はするものの座標検
出期間中はほぼ維持される。その結果、表示期間の表示
状態が次フレームにおける表示期間まで維持されて表示
画質への影響は無視できるのである。
【0183】以下、上記構成の表示一体型タブレット装
置の動作を説明する。上記表示期間には、ソース駆動回
路62における全てのアナログスイッチSs1〜Ssnが端
子a側に切り替えられる。そして、表示データ走査回路
63によって取り込まれた表示データD0o〜D3oが入出
力端子S1〜Smから対応するソースバスライン電極57
に出力される。こうして、表示データD0o〜D3oに応じ
た電圧がTFT54のソース電極に印加される。
【0184】一方、上記ゲート駆動回路61側では、先
ず、全てのアナログスイッチSg1〜Sgnが一斉に端子b
側に切り替えられて、TFT54を“オフ"にするため
に電圧VGOFFが入出力端子G1〜Gnから出力される。次
に、上記シフトレジスタ64の制御の下にアナログスイ
ッチSg1〜Sgnが順次端子a側に切り替えられて走査さ
れ、TFT54を“オン"するための電圧VGONが対応す
る入出力端子Gから1ライン分のTFT54のゲート電
極に印加されてTFT54が“オン"となる。その結
果、上記対応する入出力端子Gに接続されたゲートバス
ライン電極56に係るTFT54のドレイン電極に接続
された画素電極55には表示データD0o〜D3oに応じた
電圧が印加されることなる。こうして、1ライン分の画
素が表示されるのである。
【0185】次に、上記座標検出期間について説明す
る。先ずy座標検出期間には、ゲート駆動回路61の全
てのアナログスイッチSg1〜Sgnが一斉に端子b側に切
り替えられて全てのTFT54が“オフ"にされる。次
に、上記シフトレジスタ64の出力に従ってアナログス
イッチSg1〜Sgnが順次端子c側に切り替えられて走査
される。その際に同時に走査される電極数は、第1例で
述べた理由によって複数になるようにしておく。その場
合に、各端子cは入力インピーダンスの高いオペレーシ
ョナル・アンプ65に接続されており、更に高抵抗を介
して電圧VGOFFを印加して走査されるゲートバスライン
電極56の直流電圧をTFT54が“オフ"状態を維持
するような電圧にする。
【0186】こうして、上記ゲート駆動回路61によっ
てゲートバスライン電極56が順次走査されて、電子ペ
ン11に印加された高周波電圧に起因して誘起された誘
導電圧がオペレーショナル・アンプ65に送出される。
そして、y座標検出回路66によって、第1例の場合と
同様にして電子ペン11先端のy座標が求められてy座
標信号が出力される。
【0187】次に、x座標検出期間には、上記ゲート駆
動回路61の全てのアナログスイッチSg1〜Sgnが端子
b側に切り替えられる。また、ソース駆動回路62の全
てのアナログスイッチSs1〜Ssmが端子b側に切り替え
られた後、シフトレジスタ67の出力に従ってアナログ
スイッチSs1〜Ssmが順次端子c側に切り替えられて走
査される。その際の走査電極数も複数になるようにして
おく。こうして、上記ソース駆動回路62によってソー
スバスライン電極57が順次走査されて、電子ペン11
に印加された高周波電圧に起因して誘起された誘導電圧
がオペレーショナル・アンプ68を介してx座標検出回
路69に送出される。そして、x座標検出回路69によ
って、第1例の場合と同様にして電子ペン11先端のx
座標が求められてx座標信号が出力される。
【0188】上記オペレーショナル・アンプ65,68の
入力インピーダンスは高い値に設定されているが、液晶
の電気分解による劣化を防止するために、高抵抗を介し
て対向電極58と同じ電圧を印加するようにする。ま
た、上記実施例では、x座標検出期間とy座標検出期間
を時分割してシリアルに処理する場合について説明して
いる。しかしながら、本実施例はこれに限定されるもの
ではなく、パラレルに処理するようにしても差し支えな
い。
【0189】本実施例において座標検出に使用されるゲ
ートバスライン電極56及びソースバスライン電極57
の幅は0.03mm程度であり、第1例のデューティータ
イプによる駆動方式の液晶パネル1におけるセグメント
電極Xおよびコモン電極Yの幅0.3mmよりも1桁小さ
い。したがって、本実施例における座標検出に際して
は、複数本のゲートバスライン電極56および複数本の
ソースバスライン電極57を同時に走査することが第1
例以上に必要である。その際における複数本走査は、上
記シフトレジスタ64,67に入力されるシフトデータs
oのパルス幅をシフトレジスタ64,67の転送用クロッ
クの周期よりも長くすることによって容易に実現でき
る。但し、シフトデータsoのパルスは幅の広い1パルス
で構成してもよいし、複数個の近接したパルス群で構成
してもよい。
【0190】図17は、図16におけるゲート駆動回路
61とは異なるゲート駆動回路75の要部ブロック図で
ある。双方向アナログスイッチ76は、表示期間におい
ては図のように電源VGON側に切り替えられる一方、座
標検出期間においてはオペレーショナル・アンプ65側
に切り替えられる。その結果、双方向アナログスイッチ
77は、表示期間においてはシフトレジスタ78の出力
に基づいて、TFT54を“オン"にするための出力電
圧VGONを対応する入出力端子Gへ順次出力する。一
方、座標検出期間においては、TFT54を“オフ"に
するための直流電圧VGOFFが印加されながらシフトレジ
スタ78による走査によって選択された場合には対応す
る入出力端子Gからゲートバスライン電極56の誘導電
圧を取り込む。こうして取り込まれた誘導電圧はオペレ
ーショナル・アンプ65を介してy座標検出回路66に
送出される。
【0191】また、アナログスイッチ79は、表示期間
および座標検出回路の何れの場合にも、シフトレジスタ
78による走査によって選択されない場合に、対応する
入出力端子Gからゲートバスライン電極56へTFT5
4を“オフ"にするための電圧VGOFFを送出する。
【0192】以下、第1例及び第2例の第7実施例にお
ける表示一体型タブレット装置が、その機能を充分に発
揮できるようにするための技術について述べる。
【0193】[第8実施例]上記電子ペン11の先端電
極には高周波電源12から高周波電圧が印加されてい
る。したがって、電子ペン11の先端電極が液晶パネル
1,51の周辺に置かれたアース電位の金属体に誤って
接触して高周波電源12が破損したり、他の電子回路に
接触してその電子回路を破損させたりする恐れがある。
また、電子ペン11の先端電極が人体に接触することは
危険である。したがって、電子ペン11の先端は誘電体
で覆うことが望ましい。上記各実施例においては、電子
ペン11の先端電極とセグメント電極Xあるいはコモン
電極Yやソースバスライン電極57あるいはゲートバス
ライン電極56との静電容量に基づいて座標検出を行う
のであるから、電子ペン11の先端を誘電体で覆っても
何等機能上問題はない。
【0194】[第9実施例]図18は、上記電子ペン1
1をコードレスで使用できる表示一体型タブレット装置
の概略ブロック図である。尚、図18では、コードレス
化に必要な要素のみを記載し、他は省略してある。ま
た、x方向駆動系列とy方向駆動系列とをまとめて1系
列で表現している。
【0195】上記電子ペン11の先端電極(図示せず)に
高周波電圧を印加する高周波電源12は、能動素子と電
池とを有して電子ペン11に内蔵されている。そして、
電子ペン11のグランドとこの電子ペン11を持つ人体
とは静電容量によって結合されている。そして、人体は
さらに静電容量によって直接あるいは電源トランスを介
して表示一体型タブレット系のグランドと結合されてい
る。したがって、上記高周波電源12から上記先端電極
に印加された高周波電圧に起因して、液晶パネル1,5
1のセグメント電極Xおよびコモン電極Yやソースバス
ライン電極57およびゲートバスライン電極56に誘導
電圧が発生し、電子ペン11の先端電極を検出できるの
である。
【0196】上記電子ペン11にコードが付いている場
合には、このコードを介して電子ペン11のペンタッチ
スイッチ(ペン入力中であるか否かを検出するスイッ
チ:図示せず)等からの情報を座標検出回路8,9,66,
69や制御回路10に送出できる。しかしながら、コー
ドレスの場合には上記情報伝達はできない。そこで、本
実施例においては、上述の情報を電子ペン11の先端電
極に印加される高周波電圧を所定の周波数あるいは振幅
で変調することによって送信し、座標検出回路8,9,6
6,69で復調するようにするのである。
【0197】尚、上記表示一体型タブレット装置では、
上記ペンタッチスイッチが“オン"となった場合にのみ
先端電極に高周波電圧を印加するようにして、高周波電
源12内の電池の消耗を最低限に押えるようにしてい
る。また、上記電池には特に制限がなく、太陽電池や充
電電池等でもよい。その際に、充電電池の場合には、電
子ペン11を必要に応じて表示一体型タブレット側と電
源コードで接続可能にして、放電によって電池の電圧が
低下した場合には、表示一体型タブレット側からの電源
供給によって上記先端電極への高周波電圧の印加と電池
の充電とを実施するようにできる。
【0198】[第10実施例]図19および図20は第
7実施例とは異なる表示一体型タブレット装置を示す図
である。本実施例における表示一体型タブレット装置に
おいては、電子ペン11には高周波電源ではなくオペレ
ーショナル・アンプ81を接続し、このオペレーショナ
ル・アンプ81を介して電子ペン11の先端電極から入
力される誘導電圧に基づいて座標検出回路82によって
電子ペン11先端の座標を求めて、x座標信号およびy
座標信号を出力する。
【0199】上述のように、本実施例における座標検出
期間では、ゲートバスライン電極56およびソースバス
ライン電極57に走査電圧のパルスを順次印加した際
に、電子ペン11の先端電極に誘起される誘導電圧に基
づいて電子ペン11の先端座標を検出するので、ゲート
バスライン電極56を走査する際には以下のような問題
が生ずる。すなわち、上記座標検出期間においてゲート
バスライン電極56に走査電圧を印加すると、TFT5
4のゲート電極に電圧が掛かかるためにTFT54が
“オン"となる。したがって、表示期間に画素電極55
に蓄積された表示電荷が放電されてしまい表示状態が変
化してしまうのである。
【0200】そこで、上述のような問題を解決するため
に、本実施例におけるy座標検出を表示期間に実施する
のである。そして、その際にy座標の検出精度を高める
ために、図21に示すようにゲートバスライン電極駆動
信号の選択パルスに座標検出信号となる高周波を重畳す
るのである。こうして、高周波が重畳されたゲートバス
ライン電極駆動信号によってゲートバスライン電極56
を順次駆動して液晶パネル51に画像を表示した際に電
子ペン11の先端電極に誘起された誘導電圧は、座標検
出回路82に入力される。そうすると、座標検出回路8
2は内蔵するフィルタによって高周波成分のみを通過さ
せて整流し、得られた電圧信号に基づいて電子ペン11
先端のx座標を検出する。尚、上述のような効果は、図
22に示すように、ゲートバスライン電極駆動信号の選
択パルスに高周波パルスを重畳しても得られる。
【0201】上述した動作は、ゲート駆動回路83に入
力される電源VGONとして高周波成分を含む電圧を供給
すれば容易に実現できる。
【0202】また、x座標検出はx座標検出期間におい
て以下のようにして実施する。すなわち、先ずゲート駆
動回路83の全アナログスイッチSg1〜Sgnを端子b側
に切り替えて総てのTFT54を“オフ"にする。次
に、上記ソース駆動回路62によってシフトレジスタ6
7の出力に従ってアナログスイッチSs1〜Ssmが順次端
子c側に切り替えられ、ソースバスライン電極57にソ
ースバスライン走査信号の走査パルス電圧VSONが順次
印加されて走査される。こうして、上記ソースバスライ
ン電極57に順次印加されたソースバスライン電極走査
信号に起因して電子ペン11の先端電極に誘起された誘
導電圧に基づいて座標検出回路82によって電子ペン1
1先端のx座標が検出される。
【0203】尚、本実施例におけるゲートバスライン電
極走査は表示期間に実施されるので1本のゲートバスラ
イン電極56毎の走査となるが、表示期間におけるゲー
トバスライン電極の駆動速度は遅く且つゲートバスライ
ン電極駆動信号の選択パルス電圧が高いので問題にはな
らない。また、ソースバスライン電極走査はx座標検出
期間に実施されるので複数本のソースバスライン電極5
7を同時に走査する。
【0204】以上が、アクティブマトリックス方式の液
晶パネル51を用いた表示一体型タブレット装置に関す
る説明である。
【0205】以下、第1例及び第2例における表示一体
型タブレット装置が、その機能を充分に発揮できるよう
にするための技術について述べる。
【0206】[第11実施例]一般に、液晶パネル1,
51は背後からの蛍光灯やELパネル(エレクトロルミ
ネッセンス・パネル)から成るバックライトで照射され
る。このバックライトは高周波電圧によって点灯される
ために、座標検出期間中にセグメント電極Xやコモン電
極Yに誘導電圧が発生して座標検出精度が悪くなる。特
に、上記電子ペン11の先端電極に印加される高周波電
圧に起因して下側の電極に誘導電圧を誘起させる場合に
は、誘起される誘導電圧が低いのでバックライトの点灯
電圧の影響が大きい。例えば、バックライトとして蛍光
ランプを利用した場合には、点灯電圧が数十ボルトにお
ける点灯周波数は20kHz〜40kHzである。
【0207】これを避けるためには、以下のような対策
を講ずればよい。 ・第1の対策 上記バックライトの光源およびその電源を静電遮蔽す
る。但し、バックライトからの光路も遮蔽されてしまう
場合がありこの対策には限界がある。
【0208】・第2の対策 上記バックライトの電源周波数と電子ペン11の先端電
圧に印加される高周波電源12からの高周波電圧の周波
数とを異なる周波数にする。そして、x座標検出回路8
およびy座標検出回路9に、高周波電源12の周波数の
みが通過できるフィルタを設けるのである。尚、その際
に、バックライトの電源周波数には高調波が含まれるの
で、電子ペン11への電圧周波数がバックライトの電源
周波数の奇数倍に成らないようにする必要がある。
【0209】・第3の対策 上記各実施例における表示一体型タブレット装置では、
表示期間と座標検出期間とを時分割して動作させてい
る。そして、バックライトによって照射する必要がある
のは表示期間のみである。そこで、表示期間中のみバッ
クライトを駆動して座標検出期間中はバックライトの光
源への電源電圧の印加を停止する。座標検出期間は1ms
ec以下であるから、座標検出期間にバックライトを消灯
していても表示期間開始時にバックライトの光源に電源
電圧を印加すれば直ちに光が放射される。
【0210】さらに詳細に説明すると、図4に示すよう
に、表示期間が終了してx座標検出期間が開始されるま
でに座標検出準備期間を設けている。また、同様に、y
座標検出期間が終了して表示期間が開始されるまでに表
示準備期間(図示せず)を設けている。そこで、この座標
検出準備期間および表示準備期間を利用してバックライ
トの電源を“オン/オフ"するのである。こうすることに
よって、上記表示期間および座標検出期間中にバックラ
イトの電源の“オン/オフ"が行われないために、表示期
間中における照明斑や点灯/消灯時に起きる過渡ノイズ
による座標誤検出は生じない。
【0211】[第12実施例]上記各実施例における座
標検出回路においては、図25に示すような時間Ts,T
r,Tgに基づいて電子ペン先端のx座標またはy座標を
検出するようにしている。ここで、上記時間Ts,Tr,T
gは計時用パルスのパルス数をカウントすることによっ
て計時するようにしている。そこで、上記計時用パルス
の周波数をセグメント電極Xおよびコモン電極Yの走査
信号であるクロック信号cp1oの周波数よりも高くするこ
とによって、上記時間Ts,Tr,Tgをより精度良く計時
して電子ペンの先端座標を更に正しく検出できるのであ
る。
【0212】上記各実施例においては、上記液晶パネル
1,51への画像表示はセグメント駆動回路3あるいは
ソース駆動回路62に入力される4ビットの表示データ
Do〜Doに基づいて実施するようにしている。し
かしながら、この発明はこれに限定されるものではな
く、8ビットあるいは16ビット等の表示データであっ
てもよい。
【0213】
【発明の効果】以上より明らかなように、第1の発明の
表示一体型タブレット装置では、表示パネル上における
座標指示手段の座標を検出する座標検出期間に、第1駆
動回路および第2駆動回路によって、第1電極あるいは
第2電極を走査する際に非走査第1電極および非走査第
2電極に同じ電圧を印加するので、上記表示パネルの液
晶に印加される平均電圧を略0にして上記液晶の劣化を
防止できる。
【0214】さらに、上記表示パネルの第1電極と第2
電極とに誘起された電圧を検出する電圧検出回路は電圧
印加手段を有し、この電圧印加手段によって、走査第1
電極あるいは走査第2電極に上記非走査第1電極及び非
走査第2電極と同じ電圧を印加するので、上記第1電極
あるいは第2電極が走査される際に走査電極の直流電圧
を安定に維持することができる。
【0215】また、第2の発明の表示一体型タブレット
装置は、表示パネルへの表示を行う表示期間においては
表示交流化信号生成手段によって表示交流化信号を生成
する一方、上記表示パネル上における座標指示手段の座
標を検出する座標検出期間においては、検出交流化信号
生成手段によって第1電極走査期間および第2電極走査
期間以外の時点で上記液晶に印加される電圧を反転させ
る検出交流化信号を生成し、この生成された表示交流化
信号および検出交流化信号に基づいて、上記第1駆動回
路は上記液晶に印加される電圧の印加方向が反転するよ
うな第1電極駆動信号の生成と第1電極の走査とを実行
する。また、上記第2駆動回路は上記液晶に印加される
電圧の印加方向が反転するような第2電極駆動信号の生
成と第2電極の走査とを実行する。
【0216】したがって、この発明によれば、上記座標
検出期間においても上記液晶に印加される電圧の印加方
向を上記表示期間とは独立して反転でき、液晶の電気分
解による寿命低下を防止できるのである。
【0217】
【0218】
【0219】
【0220】
【0221】
【0222】
【0223】
【0224】
【0225】
【0226】
【0227】
【0228】
【0229】
【0230】
【0231】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1例に係る表示一体型タブレット
装置における一実施例のブロック図である。
【図2】図1におけるセグメント駆動回路のブロック図
である。
【図3】表示期間と座標検出期間とのタイミングチャー
トである。
【図4】図3におけるx座標検出期間に実施される各セ
グメント電極の走査タイミングおよびy座標検出期間に
実施される各コモン電極の走査タイミングの一例を示す
図である。
【図5】図1とは異なる表示一体型タブレット装置にお
けるブロック図である。
【図6】図5におけるセグメント駆動回路のブロック図
である。
【図7】図6とは異なるセグメント駆動回路のブロック
図である。
【図8】複数電極を一度に走査する際における各セグメ
ント電極の走査タイミングおよび各コモン電極の走査タ
イミングの説明図である。
【図9】セグメント電極とコモン電極との間における分
布抵抗および分布容量の説明図である。
【図10】デューティータイプ液晶表示装置のブロック
図である。
【図11】図10におけるコモン駆動回路のブロック図
である。
【図12】図10に示すデューティータイプ液晶表示装
置におけるコモン電極駆動信号およびセグメント電極駆
動信号のタイミングチャートである。
【図13】図12に示すコモン電極駆動信号およびセグ
メント電極駆動信号に基づく表示画像の説明図である。
【図14】図10に示すデューティータイプ液晶表示装
置における交流化信号のレベル反転周期の説明図であ
る。
【図15】この発明の第2例に係る表示一体型タブレッ
ト装置におけるTFT方式による液晶パネルと電子ペン
との関係を示す図である。
【図16】図15に示す表示一体型タブレット装置の要
部ブロック図である。
【図17】図16におけるゲート駆動回路の他の例を示
すブロック図である。
【図18】電子ペンをコードレスで使用できる表示一体
型タブレット装置の概略ブロック図である。
【図19】図15とは異なる第2例に係る表示一体型タ
ブレット装置におけるTFT方式における液晶パネルと
電子ペンとの関係を示す図である。
【図20】図19に示す表示一体型タブレット装置の要
部ブロック図である。
【図21】図20に示す表示一体型タブレット装置にお
けるゲートバスライン電極駆動信号の一例を示す図であ
る。
【図22】図21とは異なるゲートバスライン電極駆動
信号を示す図である。
【図23】静電誘導タブレットおよびその駆動部のブロ
ック図である。
【図24】列電極走査信号および行電極走査信号の一例
を示す図である。
【図25】図23における電子ペンから出力される信号
波形の説明図である。
【符号の説明】
1,51…液晶パネル、 2…コモン駆動
回路、3…セグメント駆動回路、 4…表示
制御回路、5…電源回路、 6…
検出制御回路、7…切り替え回路、
8,69…x座標検出回路、9,66…y座標検出回路、
10…制御回路、11…電子ペン、
12…高周波電源、13,14,65,6
8,81…オペレーショナル・アンプ、15,25…デー
タラッチ回路、 16,26…ラインラッチ回路、
17,27…シフトレジスタ、 18,28…レ
ベルシフタ、19,29…コントロール回路、 5
4…TFT、56…ゲートバスライン電極、 5
7…ソースバスライン電極、61,75,83…ゲート駆
動回路、 62ソース駆動回路、82…座標検出回
路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 3/03 - 3/033

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1電極群と第2電極群とを有する表示
    パネルと、上記第1電極群に表示用および座標検出用の
    電圧を印加する第1駆動回路と、上記第2電極群に表示
    用および座標検出用の電圧を印加する第2駆動回路と、
    上記第1電極群および第2電極群と静電的に結合されて
    高周波電圧が印加された電極を有する座標指示手段と,
    上記第1電極と第2電極とに誘起された電圧を検出する
    電圧検出回路を有して、上記電圧検出回路による検出電
    圧に基づく上記座標指示手段の座標検出と上記表示パネ
    ルへの表示とを時分割で行う表示一体型タブレット装置
    において、 上記第1駆動回路および第2駆動回路は、上記座標検出
    を行う座標検出期間には、非走査第1電極および非走査
    第2電極に同じ電圧を印加するようになっており、 上記電圧検出回路は、上記座標検出期間に、走査第1電
    極あるいは走査第2電極に上記非走査第1電極および非
    走査第2電極と同じ電圧を印加する電圧印加手段を有し
    ていることを特徴とする表示一体型タブレット装置。
  2. 【請求項2】 第1電極群と第2電極群とを有する表示
    パネルと、上記第1電極群に表示用および座標検出用の
    電圧を印加する第1駆動回路と、上記第2電極群に表示
    用および座標検出用の電圧を印加する第2駆動回路と、
    上記第1電極群および第2電極群と静電的に結合されて
    高周波電圧が印加された電極を有する座標指示手段と,
    上記第1電極と第2電極とに誘起された電圧を検出する
    電圧検出回路を有して、上記電圧検出回路による検出電
    圧に基づく上記座標指示手段の座標検出と上記表示パネ
    ルへの表示とを時分割で行う表示一体型タブレット装置
    において、 上記表示パネルへの表示を行う表示期間に、上記表示パ
    ネルの液晶に印加される電圧の印加方向反転時点を設定
    するための表示交流化信号を生成する表示交流化信号生
    成手段と、 上記座標検出を行う座標検出期間に上記液晶に印加され
    る電圧の印加方向反転時点を設定すると共に、第1電極
    走査期間および第2電極走査期間以外の時点で上記電圧
    の印加方向を反転させるための検出交流化信号を生成す
    る検出交流化信号生成手段を備えて、 上記第1駆動回路および第2駆動回路は、上記表示期間
    では、上記表示交流化信号に基づいて上記液晶に印加さ
    れる電圧の印加方向が反転するような第1電極駆動信号
    および第2電極駆動信号を生成する一方、上記座標検出
    期間では、上記検出交流化信号に基づいて上記第1電極
    走査期間および第2電極走査期間以外の時点で上記液晶
    に印加される電圧の印加方向が反転するような第1電極
    走査信号及び第2電極走査信号を生成することを特徴と
    する表示一体型タブレット装置。
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