JPH09203914A - 光位相共役を用いた光ファイバ通信システム - Google Patents

光位相共役を用いた光ファイバ通信システム

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JPH09203914A
JPH09203914A JP8128730A JP12873096A JPH09203914A JP H09203914 A JPH09203914 A JP H09203914A JP 8128730 A JP8128730 A JP 8128730A JP 12873096 A JP12873096 A JP 12873096A JP H09203914 A JPH09203914 A JP H09203914A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は光位相共役を用いた光ファイバ通信
システムに関し、偏波状態にかかわらず最適な受信状態
を維持することを主目的とする。 【解決手段】 実質的に直線偏波である信号光を出力す
る光送信機2と、位相共役光発生器6と、受信機4と、
光送信機2及び位相共役光発生器6間に敷設される偏波
保持ファイバからなる第1の光ファイバSMF1と、位
相共役光発生器6及び光受信器4間に敷設される第2の
光ファイバとを用い、各ファイバ内における信号光の周
波数等のパラメータを適当に設定して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光位相共役を用い
た光ファイバ通信システムに関する。非線形光学を適用
することにより、従来の光技術では得られなかった新し
い機能の達成や特性の改善が可能となる。特に、光位相
共役を用いると、伝送路内での位相ゆらぎや波長分散の
補償が可能となる。
【0002】
【従来の技術】従来の光通信システムは、線型の光学特
性を有する光コンポーネントを用いて構築されており、
シンプルではあるが、特性や機能に制限がある。最近の
光通信システムの分野においては、数百kmから数千k
mにも及ぶ無中継システム或いは光増幅中継システムが
実現されつつあり、しかもその伝送速度は数Gb/sか
ら10Gb/s以上にも及ぶ高速なものである。
【0003】こうしたシステムにおいては、多くの解決
すべき問題があるが、その中でもファイバの波長分散の
影響は最も重大で且つ深刻な問題の1つである。上述の
システムでは、波長分散等による影響を受け伝送特性が
劣化し、ひいては伝送速度や伝送距離に制限を受ける。
【0004】波長分散に対する従来の対策は、第1にフ
ァイバの分散自体をできるだけ小さくすることに中心が
あった。その結果、伝送用中心波長である1.3μm,
1.55μmで分散が0になるファイバが実現されてい
る。
【0005】また、波長分散の影響を受けにくい光変調
器の検討も進んでおり、LiNbO 3 を用いた変調器等
が開発されている。更に、送信信号光に予め逆のチャー
ピングを与えておき、伝送路の波長分散により補償する
方法や、受信機において光学的或いは電気的に分散補償
を行う研究が進んでいる。
【0006】このように、波長分散に対する対策につい
ては、問題の深刻さを反映してか、送信機、伝送路、受
信機のすべてにおいて研究が進められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】信号光が強度変調或い
は振幅変調されてなる光パルス(複数の光パルスからな
るパルス列を含む)である場合、波長分散以外の原因に
よってパルス波形が歪むことがある。このような例とし
ては、(1)波長分散と光カー効果の相乗効果による波
形歪み、(2)光増幅多中継伝送における光アンプのA
SE(Amplified SpontaneousEmisson)雑音の累積によ
るランダムな位相揺らぎによる波形歪み、等が顕著なも
のとして考えられる。本発明は、これらのうち特に
(1)の波形歪みに対処するためのものである。
【0008】今、光パルスが分散媒質中を伝搬する場合
を考える。チャープしていないパルスが分散媒質を透過
する際、正常分散媒質(∂2 β/∂ω2 >0)の場合に
は、パルスの立ち上がりにおいて低周波側にシフトし、
立ち下がりにおいて高周波側にシフトする。
【0009】一方、異常分散媒質(∂2 β/∂ω2
0)の場合には、パルスの立ち上がりにおいて高周波側
にシフトし、立ち下がりにおいて低周波側にシフトす
る。ここで、βは伝搬定数、ωは光の角周波数を表す。
【0010】そして、正常分散媒質においては波長が長
いほど群速度が速く、異常分散媒質においては波長が短
いほど群速度が速いため、いずれの場合にもパルス幅は
広がることになる。
【0011】一方、光の強度が大きい場合には、光カー
効果によって屈折率が
【0012】
【数1】
【0013】だけ変化する。ここに、n2 は非線形屈折
率と呼ばれる量であり、シリカファイバの場合にはその
値は約3.2×10-20 2 /Wである。光パルスが非
線形媒質中で光カー効果を受けると、
【0014】
【数2】
【0015】だけスペクトルが拡散(チャープ)する。
ここにΔzは相互作用長である。この現象は、一般に自
己位相変調(Self-phase modulation:SPM)と称され
る。このSPMにより光パルスの立ち上がりにおいては
低周波側にシフトし、立ち下がりにおいては高周波側に
シフトする。このSPMによるチャーピングのために分
散の影響がより顕著になり、その結果、パルスの歪みが
より著しくなる。そのため、光パルスが分散媒質中で光
カー効果を受けると、正常分散媒質の場合には、パルス
が分散だけの場合よりもさらに拡散するが、異常分散媒
質の場合にはパルス圧縮が起きる。
【0016】従って、上記の波長分散の効果を考え合わ
せると、正常分散媒質の場合には大きなパルス拡散が発
生し、異常分散媒質の場合には波長分散によるパルス拡
散とSPMによるパルス圧縮のうち大きいほうの効果が
表れる。これら2つの効果をバランスさせたものが光ソ
リトンである。
【0017】一般に異常分散媒質においてSPMによる
パルス圧縮を加えたほうが高い信号SNを保持できて都
合がよいように考えがちであるが、最近光アンプを用い
て高いレベルの光パワーで伝送できるようになったこと
と、分散シフトファイバの開発により比較的小さな波長
分散値が実現できるようになったことにより、一概にパ
ルス圧縮を加えた方がよいともいえなくなってきた。
【0018】つまり、パルス圧縮効果が大きくなりすぎ
て大きな波形歪みが発生するのである。特に、NRZパ
ルスの場合には、パルスの立ち上がり、立ち下がり部分
において集中的にパルス圧縮が起こるため、急激な波形
変化や、極端な場合には、立ち下がり部分が立ち上がり
部分を追い抜き、パルスが3つに分裂するようなことも
起こる。また、長距離光増幅多中継伝送の場合には、信
号光を励起光として光アンプの自然放出光との間で4光
波混合が生じ、その影響が甚大になるという問題もあ
る。
【0019】よって、本発明の目的は、波長分散と光カ
ー効果の相乗効果による波形歪みを抑えた光ファイバ通
信システムを提供することにある。本発明の他の目的
は、本発明システムにおいて偏波変動にかかわらず最適
な受信状態を維持することにある。
【0020】本発明の更に他の目的は、本発明システム
における監視制御を最適化することにある。本発明の別
の目的は、本発明システムを波長分割多重(WDM)に
適合させることにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の側面によ
ると、実質的に直線偏波である信号光を伝送する偏波保
持ファイバからなる第1の光ファイバと、該第1の光フ
ァイバから供給された上記信号光を受け、該信号光に対
応する位相共役光を発生する位相共役光発生器と、該位
相共役光発生器から供給された上記位相共役光を受け、
該位相共役光を伝送する第2の光ファイバとを備え、上
記第1及び第2の光ファイバがそれぞれ同数に分割され
たときに、各分割区間のうち上記位相共役光発生器から
順に数えたときに対応する区間の波長分散の平均値は同
符号で且つ各分割区間の長さにほぼ反比例する値に設定
されると共に、各分割区間における光周波数、信号光強
度及び非線形屈折率の積の平均値は各分割区間の長さに
ほぼ反比例するように設定される光ファイバ通信システ
ムが提供される。
【0022】本発明の第2の側面によると、信号光を伝
送する第1の光ファイバと、該第1の光ファイバから供
給された上記信号光を受け、該信号光に対応する位相共
役光発生器と、該位相共役光発生器から供給された上記
位相共役光を受け、上記位相共役光を伝送する第2の光
ファイバとを備え、上記第1及び第2の光ファイバがそ
れぞれ同数に分割されたときに、各分割区間のうち上記
位相共役光発生器から順に数えたときに対応する区間の
波長分散の平均値は同符号で且つ各分割区間の長さにほ
ぼ反比例する値に設定されると共に、各分割区間におけ
る光周波数、信号光強度及び非線形屈折率の積の平均値
は各分割区間の長さにほぼ反比例するように設定され、
上記位相共役光発生器は、上記信号光が供給される非線
形光学媒質と、それぞれ実質的に直線偏波である第1及
び第2のポンプ光を出力する第1及び第2のポンプ光源
と、該第1及び第2のポンプ光を偏波面が互いに直交す
るように合成して上記非線形光学媒質へ供給する偏波カ
プラとを含む光ファイバ通信システムが提供される。
【0023】本発明の第3の側面によると、伝送情報に
基づいて変調された信号光を送出する光送信機と、該信
号光を伝送する第1の光ファイバと、該第1の光ファイ
バから供給された上記信号光を受け、該信号光に対応す
る位相共役光を発生する位相共役光発生器と、該位相共
役光発生器から供給された上記位相共役光を受け、該位
相共役光を伝送する第2の光ファイバと、該第2の光フ
ァイバから供給された上記位相共役光を受け、該位相共
役光に基づく復調を行って上記伝送情報を再生する光受
信機とを備え、上記第1及び第2の光ファイバがそれぞ
れ同数に分割されたときに、各分割区間のうち上記位相
共役光発生器から順に数えたときに対応する区間の波長
分散の平均値は同符号で且つ各分割区間の長さにほぼ反
比例する値に設定されると共に、各分割区間における光
周波数、信号光強度及び非線形屈折率の積の平均値は各
分割区間の長さにほぼ反比例するように設定され、上記
位相共役光発生器は、上記信号光が供給される非線形光
学媒質と、ポンプ光を出力するポンプ光源と、該ポンプ
光を上記非線形光学媒質へ供給する光学手段とを含み、
上記光受信機における上記伝送情報の再生の品質を示す
パラメータをモニタリングする手段と、該パラメータが
最適な値になるように上記信号光及び上記ポンプ光の少
なくともいずれか一方の波長及びパワーの少なくとも一
方を制御するフィードバック手段とを更に備えた光ファ
イバ通信システムが提供される。
【0024】本発明の第4の側面によると、互いに異な
る波長の複数の信号光をそれぞれ送出する複数の光送信
機と、該複数の信号光を伝送する第1の光ファイバと、
該第1の光ファイバから供給された上記複数の信号光を
それぞれ受け、該複数の信号光の少なくとも1つに対応
する位相共役光を発生する複数の位相共役光発生器と、
該各位相共役光発生器から出力される当該位相共役光を
それぞれ透過させる複数の光フィルタと、該各光フィル
タからの当該位相共役光をそれぞれ伝送する複数の第2
の光ファイバと、該各第2の光ファイバからの当該位相
共役光を受ける複数の光受信機とを備え、上記第1の光
ファイバと上記各第2の光ファイバとが同数に分割され
たときに、各分割区間のうち上記位相共役光発生器から
順に数えたときに対応する区間の波長分散の平均値は同
符号で且つ各分割区間の長さにほぼ反比例する値に設定
されると共に、各分割区間における光周波数、信号光強
度及び非線形屈折率の積の平均値は各分割区間の長さに
ほぼ反比例するように設定される光ファイバ通信システ
ムが提供される。
【0025】本発明の第5の側面によると、信号光を伝
送する第1の光ファイバと、該第1の光ファイバから供
給された上記信号光を受け、該信号光に対応する位相共
役光を発生する位相共役光発生器と、該位相共役光発生
器から供給された上記位相共役光を受け、該位相共役光
を伝送する第2の光ファイバと、上記第1の光ファイ
バ、上記位相共役光発生器及び上記第2の光ファイバを
含む光路上に設けられる分散補償器とを備え、上記第1
及び第2の光ファイバがそれぞれ同数に分割されたとき
に、各分割区間のうち上記位相共役光発生器から順に数
えたときに対応する区間の波長分散の平均値は同符号で
且つ各分割区間の長さにほぼ反比例する値に設定される
と共に、各分割区間における光周波数、信号光強度及び
非線形屈折率の積の平均値は各分割区間の長さのほぼ反
比例するように設定される光ファイバ通信システムが提
供される。
【0026】本発明によると、光ファイバ通信システム
を上述のように構成したので、波長分散と光カー効果の
相乗効果による波形歪みを補償することができるように
なるという作用が生じる。尚、高速システムに適用する
ために、以下の説明では光ファイバがシングルモードフ
ァイバであるとする。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に沿って詳細に説明する。図1は本発明の光ファイバ
通信システムの基本構成を示す図である。送信機2は、
伝送データに基づく変調を行って信号光を生成し、この
信号光ES は、プローブ光として第1の光ファイバSM
F1(長さL1 ,分散D1 ,非線形屈折率n 21)で伝送
された後、全伝送路の途中にある位相共役光発生器(Ph
ase conjugator:PC) 6に入力する。
【0028】位相共役光発生器6でポンプ光E0 を用い
て信号光Esは位相共役光EC に変換され、これを第2
の光ファイバSMF2(長さL2 ,分散D2 ,非線形屈
折率n22)で受信機4まで伝送する。
【0029】受信機4では、位相共役光を受光器で受
け、信号検出がなされる。信号検出は、例えば、位相共
役光を帯域フィルタで抽出した後の光直接検波や光ヘテ
ロダイン検波によってなされる。これにより、伝送デー
タが再生される。
【0030】尚、ここで用いられる光ファイバは例えば
シリカファイバであり、光通信において一般的に用いら
れている1.3μm零分散ファイバや1.55μm分散
シフトファイバ等がその代表例である。また、信号光は
周波数の異なる複数の光源からの出力信号光の周波数多
重信号光でもよい。
【0031】位相共役光発生器6は、2次又は3次の非
線形光学媒質と、この媒質に信号光及びポンプ光を供給
する手段とを有する。2次の非線形光学媒質が用いられ
ている場合は、パラメトリック効果により、また、3次
の非線形光学媒質が用いられている場合には、縮退型或
いは非縮退型の四光波混合により位相共役光が発生す
る。
【0032】3次の非線形光学媒質としては例えばシリ
カ光ファイバを用いることができ、この場合、4光波混
合におけるポンプ光の波長を上記ファイバの零分散波長
にほぼ一致させておくことにより、良好な位相共役光の
発生が可能になる。
【0033】図2は位相共役光発生器の例を示すブロッ
ク図である。この位相共役光発生器は、非線形光学媒質
としての光ファイバ121と、ポンプ光源としてのレー
ザダイオード122と、信号光及びポンプ光を加え合わ
せて光ファイバ121に供給する光学手段としての光カ
プラ123とを備えている。
【0034】光ファイバ121は望ましくはシングルモ
ードファイバである。この場合において、信号光の波長
と励起光の波長をわずかに異ならせて非縮退型の四光波
混合を生じさせるときには、光ファイバ121の零分散
を与える波長がポンプ光の波長(レーザダイオード12
2の発振波長)に一致するようにしておく。
【0035】光カプラ123は、4つのポート123
A,123B,123C及び123Dを有している。ポ
ート123Aには図1の第1の光ファイバSMF1が接
続され、ポート123Bにはレーザダイオード122が
接続され、ポート123Cには光ファイバ121の第1
端が接続され、ポート123Dはデッドエンドにされて
いる。光ファイバ121の第2端は、図1の第2の光フ
ァイバSMFに接続される。
【0036】尚、本願明細書において「接続」という語
は、動作的な接続を意味し、光学的に直接接続される場
合を含み、更に、光フィルタや光アイソレータ等の光学
要素を介して接続される場合や偏光状態を適当に調整し
た上で接続される場合を含む。
【0037】光カプラ123は、ポート123A及び1
23Bに供給された光をポート123Cから出力するよ
うに機能し、この光カプラ123としては、例えば、フ
ァイバ融着型のもの、ハーフミラー、光合波器、偏光ビ
ームスプリッタ等が使用される。
【0038】この構成によると、光カプラ123のポー
ト123Aに供給された信号光とポート123Bに供給
されたポンプ光とを加え合わせて非線形光学媒質である
光ファイバ121に供給することができるので、四光波
混合により信号光を位相共役光で変換することができ
る。
【0039】図3は位相共役光発生器の他の例を示すブ
ロック図である。この位相共役光発生器は、図2の例と
対比して、レーザダイオード122と光カプラ123の
ポート123Bとの間に偏光スクランブラ(偏波スクラ
ンブラ)124を設けている点で特徴付けられる。
【0040】一般に、シングルモードファイバの偏波モ
ードには、偏波面が互いに直交する2つの偏波モードが
存在し、各種の外乱の影響によりこれら2つの偏波モー
ドが結合して、結果として、ファイバの第1端に供給さ
れる光の偏波状態はこのファイバの第2端から出力され
る光の偏波状態に一致しない。従って、伝送路としてシ
ングルモードファイバが用いられている場合には、位相
共役光発生器に供給される信号光の偏波状態は、環境変
化等によって時間と共に変動する。
【0041】一方、位相共役光発生器における信号光か
ら位相共役光への変換効率は、位相共役光発生器に供給
される信号光の偏波状態とポンプ光の偏波状態との関係
に依存する。
【0042】図3の例によると、レーザダイオード12
2からのポンプ光を偏光スクランブラ124を介して信
号光と合流させるようにしているので、供給される信号
光の偏波状態が時間と共に変動する場合であっても、各
種光デバイスの安定動作を実現することができる。
【0043】偏光スクランブラ124は、1/2波長板
及び1/4波長板の組み合わせやLiNbO3 位相変調
器等を用いて通常通り構成され、例えば、レーザダイオ
ード122から出力されるポンプ光がほぼ直線偏光であ
る場合には、その偏波面を回転するように機能する。
【0044】図3に図示された例では、レーザダイオー
ド122から出力されるポンプ光に対して偏光スクラン
ブラ124を作用させているが、光カプラ123のポー
ト123Aと図1の第1の光ファイバSMF1との間あ
るいは送信機に偏光スクランブラを配置して信号光に対
して偏光スクランブラが作用するようにしてもよい。
【0045】次に、本発明の原理を説明する。光ファイ
バ伝送における信号光E(x,y,z,t)=F(x,
y)φ(z,t)exp〔i(ωt−kz)〕の伝搬
は、一般に以下の非線形波動方程式によって記述可能で
ある。ここに、F(x,y)は横方向のモード分布、φ
(z,t)は光の複素包絡線を表し、このφ(z,t)
は光の周波数ωに比べて十分にゆっくり変化すると仮定
する。
【0046】
【数3】
【0047】ここに、T=t−β1 z(β1 は伝搬定
数)、αはファイバの損失、β2 はファイバの波長分散
を表し、
【0048】
【数4】
【0049】は、ファイバ内の光カー効果の係数を表
す。ここに、n2 とAeff はそれぞれファイバの非線形
屈折率と有効コア断面積を表す。cは真空中の光速であ
る。ここでは1次分散までを考慮し、それより高次の分
散は省略した。また、α,β2 ,γはzの関数であると
し、それぞれα(z),β2 (z),γ(z)と表され
るものとする。さらに、位相共役光発生器の位置を原点
(z=0)とする。ここで、以下の規格化関数を導入す
る。
【0050】
【数5】
【0051】ここに、
【0052】
【数6】
【0053】は、振幅を表し、α(z)>0の場合は伝
送路が損失を持ち、α(z)<0の場合は利得を持つこ
とをそれぞれ表す。A(z)≡A(0)は損失無しの場
合を表す。また、A(z)2 =P(z)は光パワーに相
当する。(5),(6)式を(3)式に代入すると、次
の発展方程式が得られる。
【0054】
【数7】
【0055】ここで以下の変換を行う。
【0056】
【数8】
【0057】その結果、(7)式は以下のように変換で
きる。
【0058】
【数9】
【0059】ここで、sgn[β2 ]≡±1は、β2
0,即ち正常分散の場合には+1を、β2 <0,即ち異
常分散の場合には−1をそれぞれとる。(9)式が成り
立てばその複素共役も成り立ち、次の式が得られる。
【0060】
【数10】
【0061】複素共役光u* はuに対する発展方程式と
同じ発展方程式に従う。ただし、その際の伝搬方向は反
転する。この動作はまさしく位相共役光発生器の動作で
ある。透過型の位相共役光発生器においては上記のこと
はGVD(群速度分散)とSPMによる位相シフトを反
転させることと等価である。
【0062】ここで図4のシステムを考える。長距離伝
送においては伝送路損失を光増幅中継して補償する。図
1の光ファイバSMF1及びSMF2にそれぞれ対応す
る伝送路I(長さL1 )と伝送路II(長さL2 )の間
に位相共役光発生器を配置する。
【0063】規格化座標(ζ軸)において、位相共役光
発生器は中点ζ=0に置き、受信機はζ=ζ0 に置く。
伝送路I内(−ζ0 <ζ<0)においては、u(ζ)は
発展方程式(9)に従う。位相共役光発生器によりu
(0)は位相共役光u* (0)に変換される。u
* (ζ)は伝送路II内(0<ζ<ζ0 )を発展方程式
(10)に従って伝搬する。
【0064】このときζ軸上の位相共役光発生器の位置
(ζ=0)に関して対称な位置にある任意の2点−ζ,
ζにおける規格化距離dζ内において、(9)式の右辺
第一、二項の係数が等しくなるように各パラメータの値
を設定すれば、−ζにおけるu* はζにおけるuの位相
共役光となる。即ち、次の2式が条件となる。
【0065】
【数11】
【0066】(11)式は伝送路I,IIの分散の符号
が等しい必要性を示しており、これは分散補償の条件と
一致する。ファイバ内では、γ>0,A(z)2 >0で
あることを考慮すると、上記条件は次のようにまとめる
ことができる。
【0067】
【数12】
【0068】伝送路I内の(−ζ)におけるGVDとS
PMによる位相シフトは位相共役光発生器により符号が
反転する。従って、この位相シフトによる波形歪みは伝
送路II内の(ζ)における位相シフトによる歪みにより
補償される。このように小区間毎に上記のような設定に
よる補償を繰り返していけば、全長に渡る補償が可能と
なる。
【0069】次に、上記の補償条件をz座標で記述す
る。(13)式より、
【0070】
【数13】
【0071】を得る。即ち、各区間内での非線形定数と
光パワーの積に対する波長分散の比を等しくすることが
条件となる。ここで、−z1 ,z2 は次の式を満足させ
る2点である。
【0072】
【数14】
【0073】(14),(15)式より(16),(1
7)式が得られる。
【0074】
【数15】
【0075】dz1 ,dz2 はそれぞれ−z1 ,z2
おける小区間の長さであり、各区間長は当該区間内の分
散に反比例するかあるいは非線形定数と光パワーの積に
反比例する。ここで、分散β2 と分散パラメータDの関
係、D=−(2πc/λ2 )β 2 を考慮すれば、(1
6),(17)式より以下の関係が得られる。Dはzの
関数であり、D(z)とも表される。
【0076】
【数16】
【0077】分散及び非線形効果についていずれも位相
共役光発生器に関して対称な二つの位置の一方における
増加分と他方の減少分とが等しいことが補償の条件であ
ることがわかる。
【0078】(18),(19)式は、補償のための必
要条件であり、対応する各小区間での総分散量と光カー
効果の総量が等しくなることを示している。ここで
(4)式とI=P/Aeff が光強度を表すことを考慮す
ると、伝送路Iと伝送路IIの各小区間の分散値、非線
形屈折率及び光強度の積を区間の長さに反比例するよう
に設定し、且つその比が等しくなるように設定すれば補
償可能であることを示している。
【0079】特にα,D及びγが一定であり且つパワー
の変動が小さい場合には(18),(19)式を積分す
れば、
【0080】
【数17】
【0081】ここで、損失を補償するための利得を与え
る方法について考えてみる。第1には、伝送路として分
布定数的な利得媒質を用いることが挙げられる。例え
ば、ラマン増幅器やEr3+イオンを希薄にドープしたド
ープファイバ増幅器等が考えられる。
【0082】本発明では、光カー効果と分散値の比を制
御するようにしている。位相共役光発生器に関して等価
的に対称の位置において同じ値の光カー効果と分散の比
を与えることにより、完全な補償を実現することができ
る。
【0083】伝送路に沿ってこの比を大きくするために
は、分散を徐々に小さくしていくか、光カー効果を徐々
に大きくしていけばよい。分散の値を変化させること
は、ファイバの設計により可能である。例えば、分散シ
フトファイバ(DSF)の零分散波長を変化させること
や、ファイバのコアとクラッドの比屈折率差やコア径を
変えることにより上述の比を変化させることができる。
【0084】一方、光カー効果を変化させることは、非
線型屈折率を変化させたり光強度を変化させることによ
り可能となる。即ち、損失、非線形屈折率、モードフィ
ールト径及び分散から選択される少なくとも一つのファ
イバパラメータを連続的に変化させることにより、本発
明に適用可能な光ファイバを製造することができる。こ
こでは、光強度を変化させる方法について考える。
【0085】例えば、損失のある伝送路に沿って光強度
を大きくするためには、損失がさほど変化しない範囲で
有効コア断面積Aeff を次第に小さくしていけばよい。
例えば、モードフィールド径(MFD)が半分になれば
光強度は約4倍になる。
【0086】もっと大きな損失に対しては更にMFDを
小さくしなければならないが、あまりMFDを小さくす
ると損失が増えてしまい効果が出ない。現実的なMFD
の最小値はせいぜい2〜3μmというところである。
【0087】1.3μm零分散SMFのMFDが約10
μm、1.55μmDSFのMFDが約8μmであるこ
とを考慮すると、MFDだけで対応可能な損失はSMF
で約7dB、DSFでは約6dBということになる。
【0088】更に大きな損失がある場合でも、コア径を
小さくすることの効果と、分散の値を小さくすることの
効果を組み合わせて本発明を実施すればよい。例えば、
分散の値を半分にすることができれば更に3dBの損失
がある場合でも(14)式を満足する分布を実現するこ
とができる。
【0089】図5は本発明の第1実施形態を示す図であ
る。ここでは、位相共役光発生器6を挟んで各伝送路の
対称な位置z1j,z2j((15)式で定義されている)
にある微小区間1j(長さΔz1j),2j(長さΔ
2j)の各パラメータを、
【0090】
【数18】
【0091】となるように設定する。D1j,ω1 ,n
21j , 〈I1j〉はそれぞれ区間1jにおける分散パラメ
ータ、光周波数、非線形屈折率、平均強度であり、
2j,ω2 ,n22j , 〈I2j〉はそれぞれ区間2jにお
ける分散パラメータ、光周波数、非線形屈折率、平均強
度である。
【0092】具体的な例を説明する。今、光ファイバS
MF1の分散がD1 =−30ps/nm/kmで一定で
あり、光ファイバSMF2の分散がD2 =−0.3ps
/nm/kmで一定であるとする。このとき、(20)
式より、L1 /L2 =D2 /D1 =1/100となる。
【0093】従って、例えば光ファイバSMF2の全長
をL2 =50kmとすると、L1 =500mとなる。こ
のことは、500mのファイバにより予め波形を歪ませ
ておくことにより、50kmの歪みのない伝送が可能に
なることを示している。
【0094】或いは、ファイバパラメータの異なる複数
のファイバを、(22),(23)式を満足するように
縦列に配置し、各ファイバをスプライスして接続しても
よい。
【0095】図6は本発明の第2実施形態を示す図であ
る。ここでは、光アンプを使った多中継伝送に本発明を
適用した場合を示している。今、光ファイバSMF2が
伝送路であるとして、その途中に(N−1)個の光アン
プA−1,・・・,A−(N−1)を間隔l2 で中継し
て全長L2 =Nl2 の光増幅中継伝送を行う。このと
き、図6に示されるように、光ファイバSMF1につい
ても中継数と同じようにN等分し、各区間の距離を
1 、全長をL1 とする。
【0096】このとき、L1 とL2 の比(l1 とl2
比)は、各ファイバの分散の逆数に比例するから、L1
=(D2 /D1 )L2 (l1 =(D2 /D1 )l2 )と
する。また、光カー効果については、位相共役光発生器
6に関して対応する区間内の対応する各微小区間におい
て(23)式が成り立つようにしておく。
【0097】例えば、上述の分散値の場合には、中継区
間50kmの伝送において、光ファイバSMF1を50
0m毎に区切って上記設定を行うことになる。従って、
例えば光ファイバSMF1として500m毎に40分割
した全長20kmのファイバを用いれば、位相共役光発
生器6の後50km毎の39中継による全長2000k
mの伝送が可能となる。
【0098】この場合、光ファイバSMF1の長さ50
0mの各区間に対応する光ファイバSMF2の各区間の
長さが異なることは言うまでもない。対応する区間は
(15)式で定義されており、光ファイバSMF1の区
間のうち大きな分散の区間は光ファイバSMF2におけ
るより長い区間をカバーする。
【0099】ここでは分割を等間隔に行っているが、対
応する区間毎に(22),(23)式が成り立てばよい
から、特に等間隔である必要はない。特に、光ファイバ
SMF1については損失を補償する光増幅器が設けられ
ていないので、現実的な分散やパワーでは条件を満たす
ことが困難になることもある。こうした場合には、L 1
を等間隔に分割せずに、損失によって強度が小さくなる
につれL1 を大きくしていくことなどにより、分散やパ
ワーについての要求を緩和することができる。
【0100】また、光ファイバSMF2についても分散
を一定にせず、例えば各中継区間を分割してパワーの高
い部分では比較的分散を大きくし、パワーが小さい部分
では比較的分散を小さくすることにより、等価的に損失
の効果を小さくすることができる。こうした方法によ
り、光ファイバSMF1における分散やパワーについて
の要求を緩和することが可能である。
【0101】こうした方法における分割は細かければ細
かいほど有効であることはいうまでもないが、実際には
数分割程度でも十分有効である。必要な分割数は伝送速
度と伝送距離によって決まる。
【0102】又、図6の実施形態では、光ファイバSM
F2を光増幅中継伝送しているが、光ファイバSMF1
を光増幅中継伝送した後同様の方法により光ファイバS
MF2にて補償してもよい。その例を図7に示す。
【0103】図7は本発明の第3実施形態を示す図であ
る。ここでは、位相共役光発生器6の前後で中継数を同
じにしておき、位相共役光発生器6に関して対称な区間
において(22),(23)式が成り立つように設定す
る。具体的には、第1の光ファイバSMF1の途中には
N個の光増幅器A1−1,・・・,A1−Nが設けられ
ており、第2の光ファイバSMF2の途中には同じくN
個の光増幅器A2−1,・・・,A2−Nが設けられて
いる。
【0104】この実施形態ではL1 を長くすることがで
きるので、これに対応してL2 も長くなり、長距離伝送
が可能になる。その際、前述のように光ファイバSMF
2における分散を一定にせず、例えば各中継区間を分割
してパワーの高い部分では比較的分散を大きくし、パワ
ーの小さい部分では比較的分散を小さくすることによ
り、等価的に損失の効果を小さくすることができる。
【0105】図8は本発明の第4実施形態を示す図であ
る。ここでは、平均強度近似を用いた伝送において、分
散と光カー効果も伝送路内で一定でない場合についての
応用が示されている。まず、分散パラメータの平均値に
ついて、
【0106】
【数19】
【0107】が成り立つようにし、更に非線型屈折率と
光強度の積の平均値について、
【0108】
【数20】
【0109】が成り立つように設定する。これによりお
およその補償が可能となる。補償の残留分については、
図8に示されるように、光ファイバSMF2と受信機4
との間に設けられた長さL3 の第3の光ファイバSMF
3の分散D3 とこの中の光カー効果n233 を適当に調
節することにより、ほぼ完全な補償が可能になる。
【0110】図9は本発明の第5実施形態を示す図であ
る。この実施形態は、図8の第4実施形態を光増幅多中
継伝送系に適用したものである。この場合、位相共役光
発生器6の前後に複数の中継器を設け、位相共役光発生
器6に関して対応する区間において(22),(23)
式が成り立つように設定すればよいし、より大雑把に
は、特願平5−221856号に示されるように、全長
における平均値において上式が成り立つように設定して
もある程度の補償は可能である。さらに補償の程度をよ
くするためには、図8の第4実施形態におけるのと同様
にして第3の光ファイバSMF3を用い、その分散D3
と光カー効果n233 を調節すればよい。
【0111】ところで、実際の長距離伝送システムにお
いては、周囲環境により分散値に揺らぎが生じる。特
に、温度変動による分散値の変動の影響は大きく、これ
は特に零分散付近の小さな分散値に設定したシステムの
場合に顕著である。
【0112】零分散付近の分散値は、信号光の波長を変
えることにより2次分散の傾斜(約0.08ps/nm
2 /km)に従って変えることが可能である。一方、四
光波混合を用いて位相共役光を発生させるシステムにお
いては、位相共役光の角周波数をωC ,ポンプ光の角周
波数をωP ,信号光の角周波数をωS とすると、ωC
2ωP −ωS の関係があるから、ωS またはωP を変え
ることによりωC を変えることが可能である。
【0113】このように、送信機においてωS を調整す
るか、図示しない端局から送られる制御信号により位相
共役光発生器6においてωP を調整することにより、分
散の変動に合わせて常時最適な伝送を行うことができ
る。
【0114】図10は光ファイバSMF1及びSMF2
のそれぞれの零分散波長ω10,ω20に対する信号光、ポ
ンプ光及び位相共役光の周波数配置を示す図である。も
しも、2つのファイバの分散曲線が環境の変化により同
じ方向にシフトしたとすると(図の鎖線参照)、ωS
ωC を同じ方向にシフトさせるのがよいが、ωS の変化
に対してωC は反対方向にシフトするので、ωS を変化
させつつωPをωS と同じ方向に同じだけ変化させるの
がよい。図10のような最も単純な場合には、ωS とω
P を同じ方向に同じ大きさ(Δω)だけシフトすればよ
い(ω C +Δω=2(ωP +Δω)−(ωS +Δ
ω))。現実には、分散の変動は単純なものではないの
で、状況に合わせて適宜補正することになる。実際に
は、端局において受信波形をモニターする等しながらω
S とωP の微調整を行って最適状態を得る。
【0115】図11は本発明の第6実施形態を示す図で
ある。この実施形態は基本的には平均強度を用いたもの
であるが、光アンプ間のパワーの変化(低下)の影響を
緩和するために、図7に示した分散の制御を行うもので
ある。
【0116】具体的には、各中継区間を数分割し、伝送
方向に向かって次第に分散値を小さくしていくものであ
る。一例を図12に示す。ここでは、伝送路の平均分散
をD1 =−30ps/nm/km,D2 =−0.30p
s/nm/kmに設定する場合において、各中継区間を
3分割し、伝送方向に向かって−0.35,−0.3
0,−0.25ps/nm/kmになるように設定した
例を示している。
【0117】このとき、中継区間が例えば51kmであ
れば、17km毎に分割することになり、分散の傾斜は
約−0.04dB/km程度になる。従って、例えばフ
ァイバの損失が−0.20dB/kmであれば、(2
3)式で表される比の変化を約−0.16dB/kmに
低下することが可能となる。
【0118】これにより、より損失の小さな状態と等価
な状態を実現することができる。従って、光アンプの中
継区間を拡大することが可能である。また、同じ中継間
隔でも、歪みの補償効果を向上させることができる。
【0119】図13は本発明の第7実施形態を示す図で
ある。この実施形態は、本発明を光増幅多中継伝送系に
適用した場合に、光ファイバSMF1内において非線形
効果と分散の比が一定になるようにしたものである。
【0120】即ち、光ファイバSMF1を複数の区間に
分割し、各区間jにおける分散値D 1jΔz1jの値の総和
が光ファイバSMF2の総波長分散に一致するように
し、且つ、各区間jにおける非線形効果と分散の比(∝
21Sj/D1j)の値を一定に設定する。一方、光ファ
イバSMF2では平均値近似を用いた光増幅多中継伝送
を行う。光ファイバSMF1内での非線形効果の総量を
光ファイバSMF2における非線形効果の平均値の総量
に一致させるものである。光ファイバSMF2について
も、光ファイバSMF1と同じように設定してもよい。
【0121】損失によるISjの低下を、D1jを次第に小
さくすることで補償することができるので、非線形効果
と分散の比を一定にすることができる。また、区間の長
さΔz1jを損失に反比例する形で長くすることにより、
各区間での分散値を一定にすることができる。即ち、n
21SjΔz1jが一定になるようにし、且つ、D1jΔz 1j
が一定になるようにするのである。
【0122】この実施形態では、光ファイバSMF1の
分割数を光ファイバSMF2における中継数と同じにし
ているが、このような平均値近似においては、実用上
は、光ファイバSMF1の分割数を光ファイバ2の中継
数よりも少なくしても効果が得られる。即ち、同数の分
割におけるいくつかの分割毎の平均値で代用するもので
ある。この際の効果は、伝送速度と伝送距離に依存す
る。
【0123】図14は本発明の第8実施形態を示す図で
ある。この実施形態では、位相共役光発生器6から出力
された光を光カプラ8或いはそれに代わる図示しない光
スイッチにより2分岐し、一方の分岐光は光ファイバS
MF2(長さL2 )により受信機4(#1)に伝送し、
他方の分岐光は光ファイバSMF3(長さL3 )により
受信機4(#2)に伝送する。
【0124】光ファイバSMF2には光増幅器A2−
1,2,・・・,N2 が設けられており、光ファイバS
MF3には光増幅器A3−1,2,・・・,N3 が設け
られている。
【0125】この実施形態のように、本発明を伝送路の
分岐について応用した場合にも、非線形光学媒質6から
の光を分岐して各受信機4(#1,#2)までの距離に
見合った分散と光強度により伝送可能である。
【0126】図15は本発明の第9実施形態を示す図で
ある。この実施形態では、波長多重伝送において複数の
第3のファイバを用いて追加補償を行っている。図にお
いて、10(#1,#2,・・・,#N)は光ファイバ
SMF2により伝送された位相共役光についてチャネル
選択を行う光学フィルタを示している。各光学フィルタ
10(#1,#2・・・,#N)から出力された光は、
それぞれ補償用の光ファイバSMF3−1,2,・・
・,Nを介して受信機4(#1,#2,・・・,#N)
に伝送される。
【0127】Nチャンネルの波長多重信号光ES1
S2,・・・,ESN(周波数:ωS1,ω S2,・・・,ω
SN)を光ファイバSMF1により伝送した後、位相共役
光発生器6によりNチャンネルの波長多重位相共役光E
C1,EC2,・・・,ECN(周波数:ωC1,ωC2,・・
・,ωCN)に変換し、光ファイバSMF2により伝送
後、各受信機により受信する。
【0128】このとき、光ファイバSMF1、SMF2
での各チャンネルの分散は図16のようになっている。
位相共役光発生器を用いた分散補償においては、位相共
役光発生器の前後で分散の符号が同一である必要がある
から、零分散に対して、図16のような周波数配置にな
る。図に示された例では、正常分散から正常分散への変
換になっている。この場合、光ファイバSMF1では第
1チャネルに対する分散の絶対値が最小値であるのに対
して、光ファイバSMF2においては第Nチャネルに対
する分散の絶対値が最小値になっている。
【0129】従って原理的には、全チャネルに対して同
時に完全な分散補償を行うことは困難である。図15の
第9実施形態は、このような場合に対して、光ファイバ
SMF2の出力を分岐した後各チャネルについて周波数
選択を行い、その後各チャネル毎の残留補償量に見合っ
た第3のファイバSMF3−1,2,・・・,Nを用い
て追加補償を行っているものである。
【0130】図17に示される本発明の第10実施形態
は、全チャネルを等しく理想的に補償するためのもので
ある。ここでは、各チャネル毎に信号光を別々のファイ
バSMF11,12,・・・,1Nで伝送し、その際、
異なる分散に見合う強度(I 11,I12,I1N)で伝送す
る。光ファイバSMF1の出力光を各チャネル毎の位相
共役光発生器6(#1),(#2)・・・,(#N)或
いは全チャネルを一括して図示しない1つの位相共役光
発生器で位相共役光に変換し、これらを共通の光ファイ
バSMF2で伝送して図15の第9実施形態におけるの
と同じようにして受信する。
【0131】但し、複数の信号光或いは位相共役光を合
波する光マルチプレクサの図示は省略されている。ここ
では第3の光ファイバSMF3は不要である。尚、この
際の各チャネルの分散と非線形効果の設定は、これまで
に述べたいずれの方法によってもよい。
【0132】ところで、位相共役光発生器は偏光依存性
を持つため、信号光の偏光状態により変換効率が異な
り、それによりシステム特性が不安定となる。また、位
相共役光発生器や光増幅器に用いられる光部品には偏光
依存性のあるものが多く、これらを多段接続したときに
信号レベルが不安定となる。
【0133】これを抑えるためには、偏波ダイバーシテ
ィ或いは偏波能動制御を適用するか、信号光或いはポン
プ光について偏波スクランブルを行えばよい。特に、送
信機において信号光の偏波スクランブルを行う方法は、
構成が簡単である上、現在長距離伝送において問題とな
っている各種の偏波依存性の影響を除去する上からも有
望である。
【0134】図18は本発明の第11実施形態を示す図
である。この光ファイバ通信システムは、図6の第2実
施形態と対比して、第1の光ファイバSMF1として偏
波保持ファイバ(PMF)を用いている点で特徴付けら
れる。
【0135】送信機2は実質的に直線偏波である信号光
を出力する。一般に偏波保持ファイバは少なくとも1つ
の主軸を有しており、この主軸に平行な偏波面を有する
直線偏光を、その偏波面を維持して伝送可能である。
【0136】送信機2からの信号光は、その偏波面が第
1の光ファイバSMF1の主軸に平行になるように第1
の光ファイバSMF1へ供給される。第1の光ファイバ
SMF1と位相共役光発生器6は、第1の光ファイバS
MF1から出力される信号光の偏波面が位相共役光発生
器6におけるポンプ光の偏波面に一致するように互いに
接続される。
【0137】波長分散と光カー効果の相乗効果による波
形歪みを補償するための条件については、図6の第2実
施形態におけるのと同じであるからその説明を省略す
る。4光波混合(FWM)や光パラメトリック増幅によ
り生成される位相共役光の生成効率は、入力信号光及び
ポンプ光の偏波状態に依存する。本実施形態において
は、位相共役光発生器6へ入力する信号光の偏波状態が
定まっているので、位相共役光発生器6において安定且
つ高効率で位相共役光を発生させることができる。
【0138】望ましくは、送信機2、第1の光ファイバ
SMF1及び位相共役光発生器6は送信局内に配置さ
れ、第2の光ファイバSMF2は伝送路として用いら
れ、受信機4は受信局内に配置される。
【0139】図19は本発明の第12実施形態を示す図
である。この実施形態では、(N−1)個の光増幅器A
−1,・・・,A−(N−1)は第1の光ファイバSM
F1の途中に設けられ、位相共役光発生器6と受信機4
は第2の光ファイバSMF2により接続されている。
【0140】第1の光ファイバSMF1は偏波保持ファ
イバからなり、便宜上ここでは各ファイバ区間の主軸方
向が一致しているものとする。そして、各光増幅器A−
1,・・・,A−(N−1)の信号光出力側には、それ
ぞれ偏光子12−1,・・・,12−(N−1)が設け
られている。各偏光子の偏光主軸は各光増幅器から出力
される信号光の偏波面にほぼ平行になるように設定され
る。即ち、各偏光子の偏光主軸は各ファイバ区間の主軸
にほぼ平行になるように配置されている。
【0141】望ましくは、送信機2は送信局内に配置さ
れ、第1の光ファイバSMF1は伝送路として用いら
れ、位相共役光発生器6、第2の光ファイバSMF2及
び受信機4は受信局内に配置されている。
【0142】偏波保持ファイバからなる第1の光ファイ
バSMF1を伝送路として用いる場合、その長さは通常
10km以上になるので、第1の光ファイバSMF1の
入力端に実質直線偏波である信号光を供給したとして
も、第1の光ファイバSMF1の出力端においては信号
光の直線偏波状態が崩れる可能性がある。そこで、この
実施形態では、各光増幅器の信号光出力側において信号
光の偏波状態を改善しているのである。従って、偏光子
12−1,・・・,12−(N−1)はそれぞれ光増幅
器A−1,・・・,A−(N−1)の信号光入力側に設
けられていてもよい。また、偏光子は全ての光増幅器に
付加される必要はない。
【0143】この実施形態においても、図18の第11
実施形態におけるのと同様に、偏波変動に係わらず最適
な受信状態を維持することが可能になる。図20は位相
共役光発生器の更に他の例を示す図である。この位相共
役光発生器は、図2の位相共役光発生器と対比して、ポ
ンプ光源として2つのレーザダイオード122A及び1
22Bを有している点で特徴付けられる。
【0144】レーザダイオード122A及び122Bは
それぞれ実質的に直線偏波である第1及び第2のポンプ
光を出力する。第1及び第2のポンプ光はこれらの偏波
面が互いに直交するように偏波カプラ125により合成
され、光カプラ123を介して非線形光学媒質である光
ファイバ121へ供給される。
【0145】望ましくは、第1及び第2のポンプ光は互
いに異なる光周波数を有しており、これらの差は信号光
の伝送速度に対応する周波数と等しいかそれよりも大き
く設定される。また望ましくは、第1及び第2のポンプ
光はほぼ同振幅である。
【0146】この位相共役光発生器の構成によると、非
線形光学媒質である光ファイバ121内において常に位
相共役光が発生するので、信号光の偏波変動に係わらず
最適な受信状態を維持することができる。
【0147】図21は本発明の第13実施形態を示す図
である。光送信機2、第1の光ファイバSMF1及び位
相共役光発生器6は、送信局STに含まれる。第2の光
ファイバSMF2は伝送路として用いられ、受信機4は
受信局RTに含まれる。
【0148】受信局RTは、光受信機4における伝送情
報の再生の品質を示すパラメータをモニタリングするモ
ニタ回路14を更に含む。モニタ回路14はモニタ信号
を出力する。
【0149】送信局STは制御器(フィードバック手
段)16を更に含む。制御器16は、モニタ回路14か
らのモニタ信号を受け、モニタ回路14においてモニタ
リングされたパラメータが最適な値になるように光送信
機2における信号光の波長若しくはパワー又は位相共役
光発生器6におけるポンプ光の波長若しくはパワーをフ
ィードバック制御する。
【0150】例えば、信号光及び/又はポンプ光の波長
の制御により、伝送路の分散が最適な値に維持され、信
号光及び/又はポンプ光のパワーの制御により、分散と
光カー効果の相乗効果による波形歪みが適切に補償され
る。
【0151】図22は本発明の第14実施形態を示す図
である。光送信機2は送信局STに含まれ、第1の光フ
ァイバSMF1が伝送路として用いられる。受信局RT
は、位相共役光発生器6、第2の光ファイバSMF2、
光受信機4及びモニタ回路14を含む。
【0152】制御器16は、制御対象が位相共役光発生
器6におけるポンプ光の波長又はパワーである場合に
は、受信局RTに含まれ、制御対象が光送信機2におけ
る信号光の波長又はパワーである場合には、送信局ST
に含まれる。
【0153】尚、図21又は図22のシステムにおい
て、モニタ回路14から制御器16へ供給するモニタ信
号の伝送は、このシステムの伝送路によることができ
る。例えば双方向伝送を行って、逆方向の信号光に低速
の監視信号を重畳等するとよい。
【0154】次に、本発明を波長分割多重(WDM)に
適合させる場合において図16により説明した問題を解
決するいくつかの実施形態を説明する。図23は本発明
の第15実施形態を示す図である。送信機2(#1,#
2,・・・,#N)は互いに異なる波長(光周波数)の
信号光ES1,ES2,・・・,E SNを出力する。これらの
信号光の光周波数はωS1,ωS2, ・・・,ωSNである。
【0155】これらの信号光は複数の第1の光ファイバ
SMF11,SMF12,・・・,SMF1Nによって
伝送され、スターカプラ等からなる光マルチ/デマルチ
プレクサ18によって加え合わされると共に分岐され
る。
【0156】分岐された信号光はそれぞれ位相共役光発
生器6(#1,#2・・・,#M)へ供給される。位相
共役光発生器6(#1,#2・・・,#M)は供給され
た複数の信号光の少なくとも1つに対応する位相共役光
を発生する。発生した位相共役光はそれぞれ光フィルタ
20(#1,#2・・・,#M)を透過した後複数の第
2の光ファイバSMF21,SMF22,・・・,SM
F2Mによってそれぞれ光受信機4(#1,#2・・
・,#M)へ伝送される。
【0157】複数の第2の光ファイバによって伝送され
る位相共役光は、E′C1,E′C2,・・・,E′CMで示
されている。第1の光ファイバSMF1j(j=1,
2,・・・,N)のそれぞれの長さはL1j、分散は
1j、非線形係数はγ1jであり、各信号光のパワーはP
1jであるとする。また、第2の光ファイバSMF2k
(k=1,2,・・・,M)のそれぞれの長さはL2k
分散はD2k、非線形係数はγ2kであり、各位相共役光の
パワーはP2kであるとする。
【0158】このとき、次の2つの条件が満足されるよ
うに各パラメータが設定される。 D1j1j=D2k2k=(一定) γ1j1j/D1j=γ2k2k/D2k=(一定) 尚、ここでの一定という意味には、各ファイバ内の任意
の区間における平均値が一定であるということが含まれ
る。
【0159】ここで、各第2の光ファイバSMF2kに
よる波形歪みの補償は、光フィルタ20(#k)の帯域
を通過する位相共役光に対して最適化されるように設定
されている。また、位相共役光発生器6(#k)と光フ
ィルタ20(#k)の組み合わせによって抽出されるチ
ャネルE′Ckは、信号光の任意の1チャネル又はその近
傍の光フィルタの帯域に含まれる複数のチャネルの位相
共役光である。
【0160】各光フィルタを透過するチャネルは、位相
共役光発生器におけるポンプ光の波長制御及び/又は光
フィルタの透過波長の制御により任意に設定可能であ
る。このシステムは、例えば、第2の光ファイバが伝送
路として用いられている場合には分配システムとして機
能し、第2の光ファイバが受信局或いは中継器内にある
場合にはチャンネル交換(クロッシング)システムとし
て機能する。
【0161】図24は本発明の第16実施形態を示す図
である。このシステムは、図23の第15実施形態と対
比して、複数の光送信機2(#1,#2,・・・,#
N)に対して共通の第1の光ファイバSMF1が用いら
れている点で特徴付けられる。
【0162】この変更に伴い、第1の光ファイバSMF
1の入力端は光マルチプレクサ22を介して各光送信機
2(#j)に接続され、出力端は光デマルチプレクサ2
4を介して各位相共役光発生器6(#k)に接続され
る。
【0163】この共通の第1の光ファイバSMF1にお
ける分散は全チャネルに対してほぼ一定になるようにさ
れている。例えば、第1の光ファイバSMF1として
は、分散の大きな分散シフトファイバ、1.55μm帯
の信号光に対する1.3μm帯零分散ファイバ、1.3
μm帯の信号光に対する1.55μm帯零分散ファイバ
を用いることにより、上述の条件を満足することができ
る。
【0164】このような共通の第1の光ファイバSMF
1に対して、各第2の光ファイバSMF2kが本発明の
条件を満足することにより、各チャネルについて最適な
受信状態を得ることができる。
【0165】図25は本発明の第17実施形態を示す図
である。ここでは、第1の光ファイバとして、比較的大
きな分散のN個の光ファイバSMF11′,SMF1
2,・・・,SMF1N′と比較的小さな分散の共通の
光ファイバSMF1′とを組み合わせたものが用いられ
ている。
【0166】光ファイバSMF11′,SMF12′,
・・・,SMF1N′と光ファイバSMF1′とは光マ
ルチプレクサ22によって接続されており、光ファイバ
SMF1′と各位相共役光発生器6(#k)とは光デマ
ルチプレクサによって接続されている。
【0167】このシステムにおいても、第1の光ファイ
バと第2の光ファイバについて所定の条件を満足させる
ことによって、各チャネルについて波形歪みを良好に補
償することができ、最適な受信状態を得ることができ
る。
【0168】図26はチャネルセレクタの一例を示す図
である。ここでは、チャネルセレクタ26は、各光送信
機2(#j)に付随して設けられている。チャネルセレ
クタ26は、光送信機2(#j)からのデータに基づき
制御信号を発生する。チャネルセレクタ26からの制御
信号はコントローラ28へ供給される。
【0169】コントローラ28は、供給された制御信号
に基づき、所望のチャネルの信号光を選択するために、
位相共役光発生器6(#k)におけるポンプ光の波長及
び光フィルタ20(#k)の特性の少なくとも一方を制
御する。
【0170】図27はチャネルセレクタの他の例を示す
図である。ここではチャネルセレクタ26は各光受信機
4(#k)に付随して設けられており、チャネルセレク
タ26は光受信機4(#k)からのデータに基づき制御
信号を発生する。
【0171】コントローラ28は、チャネルセレクタ2
6から供給された制御信号に基づき、所望チャネルの信
号光を選択するために、位相共役光発生器6(#k)に
おけるポンプ光の波長及び光フィルタ20(#k)の特
性の少なくとも一方を制御する。
【0172】次に、本発明の有効性を確認するために実
施した実証実験の結果について説明する。図28を参照
すると、実証実験で用いられたシステムのブロック図が
示されている。このシステムは実質的に図11の第6実
施形態に対応している。
【0173】送信機(Transmitter)は図1
1の送信機2に対応し、ファイバ補償器(Fiber
compensator)は図11の第1の光ファイバ
SMF1に対応し、位相共役光発生器(Phase c
onjugator)は図11の位相共役光発生器6に
対応し、分散シフトファイバ(DSF−1,2,・・
・,46)及びエルビウムドープファイバ増幅器(ED
FA1,2,・・・,45)は図11の第2の光ファイ
バSMF2に対応し、受信機(Receiver)は図
11の受信機4に対応している。
【0174】送信機における光源としては、3電極λ/
4シフト型のDFB−LD(分布帰還型レーザダイオー
ド)が二つ用いられた。時分割多重された20Gb/s
の信号光ES (波長λS =1551nm)が、約40p
sのパルス幅(FWHM)を有する10Gb/sの2チ
ャネルのRZ信号を時分割多重することによって生成さ
れた。
【0175】10Gb/sのRZパルスを生成するため
に、第1のLiNbO3 変調器(LN−1)を用いて1
0−GHzの正弦波によりES を強度変調し、次いで第
2のLiNbO3 変調器(LN−2)を用いて10Gb
/sのNRZデータ信号(PN:223−1)によって強
度変調を行った。
【0176】変調されたES はパワーP1 で二段のDD
−DCF1,2に入力され、これにより波形が予め補償
された。ここで、「DD−DCF」は分散漸減型の分散
補償ファイバ(dispersion−decreas
ing dispersion−compensati
ng fiber:DD−DCF)を表している。
【0177】DD−DCFの各々は5本のDCFを互い
にスプライスして構成される。DD−DCFの各々の損
失は0.46dB/kmであり、DCFの各々のモード
フィールド径は約4μmに設定された。
【0178】(14)式の条件を近似的に満足するため
に、分散パラメータD1 はDCFの各々における平均光
パワーの減少に従って減少すべきである。そのために、
5本のDCFの各々の長さ及びD1 は、表に示されるよ
うに設定された。
【0179】
【表1】
【0180】DD−DCFの各々の長さは13.7km
であり、各々の総分散は−662.8ps/nmであっ
た。
【0181】なお、DD−DCFの各々に入力する光の
パワーをP1 に設定するために、二つの光増幅器がカス
ケード接続された。次いで、位相共役光発生器が、20
kmのDSFにおける波長λP =1554nmのポンプ
光EP を用いた非縮退型のフォワードFWMによって、
予め補償された(歪を与えられた)ES をこれと同方向
に伝搬する位相共役光EC (波長λ C =1557nm)
に変換した。ES からEC への変換効率は−12dBで
あった。
【0182】次いで、位相共役光EC は、カスケード接
続された46本のDSF(0.21dB/km損失)及
びこれらの間に設けられる45個のEDFA(各々の雑
音指数は約6dB)からなる3036kmの伝送路へ供
給された。
【0183】この伝送路のλC における平均分散はマイ
ナス0.44ps/nm/kmであった。従って、二段
のDD−DCFにおける総分散と上記伝送路における総
分散との間の差は約10ps/mであった。
【0184】各DSFの長さは66kmであり、各DS
Fへの光入力パワーP2 は+6dBmに設定された。P
1 の最適値は上述の条件では+16dBmであった。D
D−DCFの非線形定数γ1 は約18.0W-1km-1
あると見積もられた。
【0185】誘導ブリユアン散乱(SBS)を抑圧する
ために、ES 及びEP はそれぞれ500−kHz及び1
50−kHzの正弦波信号により周波数変調された。受
信機では、第3のLiNbO3 変調器(LN−3)及び
フェイズロックループ(PLL)を用いることによって
C は時分割デマルチプレキシングされ、ビットエラー
レート(BER)が測定された。
【0186】比較のため、一つのDD−DCF及び23
本のDSFを用いた1518kmの伝送実験も行われ
た。図29に測定されたBERの特性を示す。3036
kmの伝送の後であっても、10-9より小さいBERで
信号の検出を行うことができた。10-9のBERにおけ
る4.8dBのパワーペナルティは、EDFAの雑音等
の理論値からのS/N劣化によるものであった。この実
験ではλC は各EDFAにおけるゲインピークを与える
波長λG ≒1558.5nmから1.5nmほど離調し
ていた。もしλC をλG に一致させることができれば、
より高いS/N特性を得ることができる。1518km
の伝送実験では、ペナルティは約1.2dBであった。
【0187】図30の(a)〜(e)に3036km伝
送実験における検出された波形の変化の様子を示す。
(a)は送信機の出力波形、(b)は位相共役光発生器
の出力波形、(c)は1518km伝送後の波形、
(d)は2706km伝送後の波形、(e)は3036
km伝送後の波形をそれぞれ示している。予めひずめら
れた波形がEC の伝搬に伴って次第に改善されているこ
とが判る。(e)における波形歪みの残留は、不完全な
補償条件によるものであった。即ち、この実証実験で
は、EDFAの間隔(DSFの長さ;66km)が(γ
2 2 -1で定義される非線形長よりも十分に短くない
ことにより、波形の改善が完全でなかったものである。
【0188】従って、本発明では、光増幅器を複数用い
る場合には、これらの間隔を非線形長よりも短く設定す
ることが望ましい。また、DD−DCFにおけるDCF
の分割数を実験における5よりも大きくすることによっ
て、補償を更に改善することができる。
【0189】図31の(A)、(B)及び(C)を参照
すると、図28のシステムにおける光パワーP、分散β
2 及び非線形効果γP/β2 のダイヤグラムが示されて
いる。位相共役光発生器の位置が原点Oである。
【0190】図面の明瞭さを確保するために、距離を示
す各横軸の尺度が原点の左側と右側とで異なっている点
に留意されたい。図31の(C)から、非線形効果γP
/β2 が位相共役光発生器の上流側及び下流側で実質的
に一定の同じ値となっており、本発明が限定的に適用さ
れていることがわかる。
【0191】図32を参照すると、図1の基本構成に分
散補償器(DC)30が付加された構成が示されてい
る。図示された例では、分散補償器30は第2の光ファ
イバSMF2の途中に挿入されているが、この例に限定
されることなく、分散補償器30は、第1の光ファイバ
SMF1、位相共役光発生器6及び第2の光ファイバS
MF2を含む光路上に設けられていればよい。
【0192】図33の(A)及び(B)を参照して、分
散補償器30を付加したことによる伝送距離の拡大を説
明する。図33の(A)及び(B)の各々において、横
軸は距離を表し、縦軸は分散パラメータの距離に関する
積分(−∫Ddz)を表している。
【0193】本発明が限定的に適用される場合、第1の
光ファイバSMF1の総分散と第2の光ファイバSMF
2の総分散は、図33の(A)に示されるように実質的
に等しい。
【0194】分散補償器30の分散値の符号は、第1及
び第2の光ファイバの分散値の符号と逆に設定される。
従って、図32に示されるように分散補償器30が第2
の光ファイバSMF2の途中、例えば中点に設けられる
場合には、図33の(B)に示されるように、第2の光
ファイバSMF2の距離L2 はL2 ′に拡大される。
【0195】分散補償器30としては、分散補償ファイ
バを用いることができる。第1及び第2の光ファイバS
MF1及びSMF2が正常分散値を有しており、信号光
の波長が1.55μm帯にある場合には、分散補償器3
0としては、波長1.3μmの近傍で零分散を与える分
散補償ファイバであることが望ましい。
【0196】今、分散補償ファイバの単位長さ当たりの
分散が−D3 、長さがl3 であるとし、分散補償の程度
を表す値m=D3 3 /D2 2 (0≦m<1)を導入
する。この場合、第2の光ファイバSMF2の総分散は
2 2 −D3 3 である。
【0197】第1の光ファイバSMF1の総分散はD1
1 であり、分散補償の条件はD11 =D2 2 =D
2 2 ′−D3 3 であるから、L2 ′は次式で与えら
れる。
【0198】 L2 ′=L2 (1+m)=D1 1 (1+m)/D2 非線形効果についても同時に補償する場合には、第1の
光ファイバSMF1への光入力パワーP1 ′を実質的に
1 (1+m)に等しくしておくとよい。
【0199】分散補償器30の分散値の最適化及び第1
の光ファイバSMF1への入力光パワーの最適化は、例
えば、受信機4における伝送情報の再生品質が最良にな
るようにして行うことができる。
【0200】分散補償器30として、図示はしないが複
数の分散補償器30jを用いることができる。各分散補
償器30jは伝送路(SMF1,2)の分散値と逆符号
の分散値−D3j(jは自然数)を有している。この場
合、L2 ′は次式で 与えられる。
【0201】L2 ′=L2 (1+Σmj )=D1
1 (1+Σmj )/D2 ここで、mj =D3j3j/D2 2 であり、l3jは分散
補償器30jの各々の長さである。
【0202】前述の実証実験の結果から明らかなよう
に、第1の光ファイバSMF1においてのみ補償条件を
満足していれば、第2の光ファイバSMF2の分散が一
定であっても補償が可能である。この場合に第2の光フ
ァイバSMF2における光増幅器の中継間隔を非線形長
よりも短く設定しておくことによって良好な補償が可能
になることは前述した通りである。
【0203】図32の構成は、この原理に基づいて分散
補償器30により補償可能な伝送距離を長くしたもので
ある。図32の構成による効果は特に海底伝送のような
数千キロメートルにも及ぶ長距離伝送において顕著であ
る。その理由を説明する。
【0204】位相共役光発生器を用いた補償において
は、その前後のファイバ内の波形歪みを同じにする必要
がある。このため、最も波形がひずんでいるのは、位相
共役光発生器の直前及び直後においてである。従って、
位相共役光発生器においては最もスペクトルが広がった
状態になっている。
【0205】一方、位相共役光発生器及び光増幅器から
は雑音が付加され、この雑音によるS/N劣化はスペク
トルが広いほど大きい。従って位相共役光発生器の直前
及び直後でのスペクトル広がりが少なくなるようにシス
テムを設計することは、伝送距離を延ばす上で非常に有
効である。
【0206】この意味において、伝送路の分散値を小さ
くすることは有効である。例えば、図32の構成におい
て、送信機2、第1の光ファイバSMF1及び位相共役
光発生器6が送信局に設けられ、第2の光ファイバSM
F2が伝送路として使用される場合には、m=0.5と
しておく。つまり、分散補償器30により伝送路分散の
半分を補償するのである。これにより、同じ長さの伝送
路を補償するのに要するDD−DCFの分散値、或いは
数を削減可能である。
【0207】この場合、L2 ′=2×L2 となり、分散
補償器30を用いない場合におけるものの2倍の長さの
伝送路を同じ第1の光ファイバSMF1で補償すること
ができることになる。逆言すれば、同じ長さの伝送路の
補償に要する第1の光ファイバSMF1の長さが半分に
なるので、波形歪みを半減することができる。また、D
D−DCFの数も少なくすることができる。
【0208】図34を参照すると、ファイバグレーティ
ングFGを用いた分散補償器の構成が示されている。図
34の分散補償器は図32の分散補償器30として用い
ることができる。
【0209】光パルスの両縁の波長がそれぞれλ1 及び
λ2 である光パルスが光サーキュレータOCを通ってフ
ァイバグレーティングFGへ供給される。ファイバグレ
ーティングFGのグレーティングピッチは予め定められ
た分布を有しており、波長λ 1 の光は光サーキュレータ
OCに比較的近い位置でブラッグ反射され、波長λ2
光は比較的遠い位置でブラッグ反射される。これにより
光パルスの圧縮が行われ、ファイバグレーティングから
のブラッグ反射光を光サーキュレータOCを介して取り
出すことによって、分散補償を行うことができる。
【0210】図32の分散補償器30を例えば図6の第
2実施形態のように第2の光ファイバSMF2の途中に
光増幅器A−j(jは自然数)が設けられているシステ
ムに適用する場合には、分散補償器30を光増幅器A−
jの直前に配置するのが望ましい。これは、分散補償器
30が分散補償ファイバである場合に分散補償ファイバ
への入力光パワーが小さいほど分散補償ファイバにおけ
る非線形効果を小さくすることができるからである。
【0211】図15の第9実施形態に分散補償器30を
適用する場合には、分散補償器30は、光ファイバSM
F1、光ファイバSMF2又は光ファイバSMF3−
1,2,・・・,Nの途中に設けられる。
【0212】図17の第10実施形態に分散補償器30
を適用する場合には、分散補償器30は、光ファイバS
MF11,12,・・・,1N又は光ファイバSMF2
の途中に設けられる。
【0213】図18の第11実施形態又は図19の第1
2実施形態に分散補償器30を適用する場合には、分散
補償器30は偏波保持ファイバSMF1(PMF)又は
光ファイバSMF2の途中に設けられる。
【0214】図23の第15実施形態に分散補償器30
を適用する場合には、分散補償器30は、光ファイバS
MF11,12,・・・,1N又は光ファイバSMF2
1,22,・・・,2Nの途中に設けられる。
【0215】図24の第16実施形態に分散補償器30
を適用する場合には、分散補償器30は、光ファイバS
MF1又は光ファイバSMF21,22,・・・,2N
の途中に設けられる。
【0216】図25の第17実施形態に分散補償器30
を適用する場合には、分散補償器30は、光ファイバS
MF11′,12′,・・・,1N′又は光ファイバS
MF21,22,・・・,2Mの途中に設けられる。
【0217】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
波長分散と光カー効果の相乗効果による波形歪みを補償
することができる光ファイバ通信システムの提供が可能
になるという効果が生じる。
【0218】特に本発明の第1又は第2の側面による
と、光ファイバ通信システムにおいて偏波変動に係わら
ず最適な受信状態を維持することが可能になるという効
果が生じる。
【0219】また、本発明の第3の側面によると、光フ
ァイバ通信システムにおける監視制御を最適化すること
が可能になるという効果が生じる。更に、本発明の第4
の側面によると、光ファイバ通信システムを波長分割多
重(WDM)に良好に適合させることが可能になるとい
う効果が生じる。
【0220】本発明の第5の側面によると、分散補償器
を用いることにより伝送距離を拡大することができるよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示す図である。
【図2】位相共役光発生器の例を示すブロック図であ
る。
【図3】位相共役光発生器の他の例を示すブロック図で
ある。
【図4】本発明の原理説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態を示す光ファイバ通信シ
ステムの構成図である。
【図6】本発明の第2実施形態を示す光ファイバ通信シ
ステムの構成図である。
【図7】本発明の第3実施形態を示す光ファイバ通信シ
ステムの構成図である。
【図8】本発明の第4実施形態を示す光ファイバ通信シ
ステムの構成図である。
【図9】本発明の第5実施形態を示す光ファイバ通信シ
ステムの構成図である。
【図10】2つのファイバの零分散波長に対する各光の
周波数配置を示す図である。
【図11】本発明の第6実施形態を示す光ファイバ通信
システムの構成図である。
【図12】平均強度の方法において分散を制御する例を
示す図である。
【図13】本発明の第7実施形態を示す光ファイバ通信
システムの構成図である。
【図14】本発明の第8実施形態を示す光ファイバ通信
システムの構成図である。
【図15】本発明の第9実施形態を示す光ファイバ通信
システムの構成図である。
【図16】本発明の第9実施形態における周波数配置を
示す図である。
【図17】本発明の第10実施形態を示す光ファイバ通
信システムの構成図である。
【図18】本発明の第11実施形態を示す光ファイバ通
信システムの構成図である。
【図19】本発明の第12実施形態を示す光ファイバ通
信システムの構成図である。
【図20】位相共役光発生器の更に他の例を示すブロッ
ク図である。
【図21】本発明の第13実施形態を示す光ファイバ通
信システムの構成図である。
【図22】本発明の第14実施形態を示す光ファイバ通
信システムの構成図である。
【図23】本発明の第15実施形態を示す光ファイバ通
信システムの構成図である。
【図24】本発明の第16実施形態を示す光ファイバ通
信システムの構成図である。
【図25】本発明の第17実施形態を示す光ファイバ通
信システムの構成図である。
【図26】チャネルセレクタの例を示す図である。
【図27】チャネルセレクタの他の例を示す図である。
【図28】実証実験で用いたシステムのブロック図であ
る。
【図29】図28のシステムにおけるBER(ビットエ
ラーレート)特性を示す図である。
【図30】図28のシステムにおける波形の変化を示す
図である。
【図31】図28のシステムにおけるパワー等のダイヤ
グラムを示す図である。
【図32】分散補償器を付加した構成を示す図である。
【図33】図32における伝送距離の拡大を説明するた
めの図である。
【図34】ファイバグレーティングを用いた分散補償器
を示す図である。
【符号の説明】
2 送信機 4 受信機 6 位相共役光発生器

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に直線偏波である信号光を伝送す
    る偏波保持ファイバからなる第1の光ファイバと、 該第1の光ファイバから供給された上記信号光を受け、
    該信号光に対応する位相共役光を発生する位相共役光発
    生器と、 該位相共役光発生器から供給された上記位相共役光を受
    け、該位相共役光を伝送する第2の光ファイバとを備
    え、 上記第1及び第2の光ファイバがそれぞれ同数に分割さ
    れたときに、各分割区間のうち上記位相共役光発生器か
    ら順に数えたときに対応する区間の波長分散の平均値は
    同符号で且つ各分割区間の長さにほぼ反比例する値に設
    定されると共に、各分割区間における光周波数、信号光
    強度及び非線形屈折率の積の平均値は各分割区間の長さ
    にほぼ反比例するように設定される光ファイバ通信シス
    テム。
  2. 【請求項2】 上記第1の光ファイバの途中に設けられ
    る光増幅器と、 該光増幅器の信号光入力側及び信号光出力側のいずれか
    に設けられる偏光子とを更に備え、 該偏光子の偏光主軸は上記信号光の偏波面にほぼ平行で
    ある請求項1に記載の光ファイバ通信システム。
  3. 【請求項3】 上記第1の光ファイバ、上記位相共役光
    発生器及び上記第2の光ファイバを含む光路上に設けら
    れる分散補償器を更に備えた請求項1に記載の光ファイ
    バ通信システム。
  4. 【請求項4】 信号光を伝送する第1の光ファイバと、 該第1の光ファイバから供給された上記信号光を受け、
    該信号光に対応する位相共役光を発生する位相共役光発
    生器と、 該位相共役光発生器から供給された上記位相共役光を受
    け、該位相共役光を伝送する第2の光ファイバとを備
    え、 上記第1及び第2の光ファイバがそれぞれ同数に分割さ
    れたときに、各分割区間のうち上記位相共役光発生器か
    ら順に数えたときに対応する区間の波長分散の平均値は
    同符号で且つ各分割区間の長さにほぼ反比例する値に設
    定されると共に、各分割区間における光周波数、信号光
    強度及び非線形屈折率の積の平均値は各分割区間の長さ
    にほぼ反比例するように設定され、 上記位相共役光発生器は、上記信号光が供給される非線
    形光学媒質と、それぞれ実質的に直線偏波である第1及
    び第2のポンプ光を出力する第1及び第2のポンプ光源
    と、該第1及び第2のポンプ光を偏波面が互いに直交す
    るように合成して上記非線形光学媒質へ供給する偏波カ
    プラとを含む光ファイバ通信システム。
  5. 【請求項5】 上記第1及び第2のポンプ光は互いに異
    なる光周波数を有し、これらの差は上記信号光の伝送速
    度に対応する周波数よりも大きい請求項4に記載の光フ
    ァイバ通信システム。
  6. 【請求項6】 上記第1の光ファイバ、上記位相共役光
    発生器及び上記第2の光ファイバを含む光路上に設けら
    れる分散補償器を更に備えた請求項4に記載の光ファイ
    バ通信システム。
  7. 【請求項7】 伝送情報に基づいて変調された信号光を
    送出する光送信機と、 該信号光を伝送する第1の光ファイバと、 該第1の光ファイバから供給された上記信号光を受け、
    該信号光に対応する位相共役光を発生する位相共役光発
    生器と、 該位相共役光発生器から供給された上記位相共役光を受
    け、該位相共役光を伝送する第2の光ファイバと、 該第2の光ファイバから供給された上記位相共役光を受
    け、該位相共役光に基づく復調を行って上記伝送情報を
    再生する光受信機とを備え、 上記第1及び第2の光ファイバがそれぞれ同数に分割さ
    れたときに、各分割区間のうち上記位相共役光発生器か
    ら順に数えたときに対応する区間の波長分散の平均値は
    同符号で且つ各分割区間の長さにほぼ反比例する値に設
    定されると共に、各分割区間における光周波数、信号光
    強度及び非線形屈折率の積の平均値は各分割区間の長さ
    にほぼ反比例するように設定され、 上記位相共役光発生器は、上記信号光が供給される非線
    形光学媒質と、ポンプ光を出力するポンプ光源と、該ポ
    ンプ光を上記非線形光学媒質へ供給する光学手段とを含
    み、 上記光受信機における上記伝送情報の再生の品質を示す
    パラメータをモニタリングする手段と、 該パラメータが最適な値になるように上記信号光及び上
    記ポンプ光の少なくともいずれか一方の波長及びパワー
    の少なくとも一方を制御するフィードバック手段とを更
    に備えた光ファイバ通信システム。
  8. 【請求項8】 上記光送信機、上記第1の光ファイバ、
    上記位相共役光発生器及び上記フィードバック手段は送
    信局に含まれ、 上記光受信機及び上記モニタリングする手段は受信局に
    含まれる請求項7に記載の光ファイバ通信システム。
  9. 【請求項9】 上記光送信機は送信局に含まれ、 上記位相共役光発生器、上記第2の光ファイバ、上記光
    受信機及び上記モニタリング手段は受信局に含まれる請
    求項7に記載の光ファイバ通信システム。
  10. 【請求項10】 上記第1の光ファイバ、上記位相共役
    光発生器及び上記第2の光ファイバを含む光路上に設け
    られる分散補償器を更に備えた請求項7に記載の光ファ
    イバ通信システム。
  11. 【請求項11】 互いに異なる波長の複数の信号光をそ
    れぞれ送出する複数の光送信機と、 該複数の信号光を伝送する第1の光ファイバと、 該第1の光ファイバから供給された上記複数の信号光を
    それぞれ受け、該複数の信号光の少なくとも1つに対応
    する位相共役光を発生する複数の位相共役光発生器と、 該各位相共役光発生器から出力される当該位相共役光を
    それぞれ透過させる複数の光フィルタと、 該各光フィルタからの当該位相共役光をそれぞれ伝送す
    る複数の第2の光ファイバと、 該各第2の光ファイバからの当該位相共役光を受ける複
    数の光受信機とを備え、 上記第1の光ファイバと上記各第2の光ファイバとが同
    数に分割されたときに、各分割区間のうち上記位相共役
    光発生器から順に数えたときに対応する区間の波長分散
    の平均値は同符号で且つ各分割区間の長さにほぼ反比例
    する値に設定されると共に、各分割区間における光周波
    数、信号光強度及び非線形屈折率の積の平均値は各分割
    区間の長さにほぼ反比例するように設定される光ファイ
    バ通信システム。
  12. 【請求項12】 上記第1の光ファイバは上記複数の光
    送信機に対応して複数あり、 該複数の第1の光ファイバからの上記複数の信号光を加
    え合わせると共に複数に分岐して出力する手段を更に備
    えた請求項11に記載の光ファイバ通信システム。
  13. 【請求項13】 上記第1の光ファイバは上記複数の光
    送信機に対して共通であり、 該複数の光送信機からの上記複数の信号光を加え合わせ
    て上記共通の第1の光ファイバへ供給する手段を更に備
    えた請求項11に記載の光ファイバ通信システム。
  14. 【請求項14】 上記各位相共役光発生器は、上記信号
    光が供給される非線形光学媒質と、ポンプ光を出力する
    ポンプ光源と、該ポンプ光を上記非線形光学媒質へ供給
    する光学手段とを含み、 制御信号を発生するチャネルセレクタと、 該制御信号に基づき上記各ポンプ光の波長及び上記各光
    フィルタの特性の少なくとも一方を制御して所望の信号
    光を選択する手段とを更に備えた請求項11に記載の光
    ファイバ通信システム。
  15. 【請求項15】 上記チャネルセレクタは上記複数の光
    送信機に付随して複数設けられる請求項14に記載の光
    ファイバ通信システム。
  16. 【請求項16】 上記チャネルセレクタは上記複数の光
    受信機に付随して複数設けられる請求項14に記載の光
    ファイバ通信システム。
  17. 【請求項17】 上記第1の光ファイバ、上記位相共役
    光発生器及び上記第2の光ファイバを含む光路上に設け
    られる分散補償器を更に備えた請求項11に記載の光フ
    ァイバ通信システム。
  18. 【請求項18】 信号光を伝送する第1の光ファイバ
    と、 該第1の光ファイバから供給された上記信号光を受け、
    該信号光に対応する位相共役光を発生する位相共役光発
    生器と、 該位相共役光発生器から供給された上記位相共役光を受
    け、該位相共役光を伝送する第2の光ファイバと、 上記第1の光ファイバ、上記位相共役光発生器及び上記
    第2の光ファイバを含む光路上に設けられる分散補償器
    とを備え、 上記第1及び第2の光ファイバがそれぞれ同数に分割さ
    れたときに、各分割区間のうち上記位相共役光発生器か
    ら順に数えたときに対応する区間の波長分散の平均値は
    同符号で且つ各分割区間の長さにほぼ反比例する値に設
    定されると共に、各分割区間における光周波数、信号光
    強度及び非線形屈折率の積の平均値は各分割区間の長さ
    にほぼ反比例するように設定される光ファイバ通信シス
    テム。
  19. 【請求項19】 上記分散補償器は分散補償ファイバで
    ある請求項18に記載の光ファイバ通信システム。
  20. 【請求項20】 上記分散補償ファイバの分散値の符号
    は上記第1及び第2の光ファイバの分散値の符号と逆で
    ある請求項19に記載の光ファイバ通信システム。
  21. 【請求項21】 上記第1及び第2の光ファイバは正常
    分散値を有し、 上記分散補償ファイバは波長1.3μmの近傍で零分散
    を与える請求項19に記載の光ファイバ通信システム。
  22. 【請求項22】 上記分散補償器はファイバグレーティ
    ングを含む請求項18に記載の光ファイバ通信システ
    ム。
  23. 【請求項23】 上記第1の光ファイバに動作的に接続
    され伝送情報に基づいて上記信号光の変調を行う光送信
    機と、 上記第2の光ファイバに動作的に接続され上記伝送情報
    を再生する光受信機とを更に備え、 上記分散補償器の分散値は上記光受信機における上記伝
    送情報の再生品質が最良になるように設定される請求項
    18に記載の光ファイバ通信システム。
  24. 【請求項24】 上記第1の光ファイバ、上記位相共役
    光発生器及び上記第2の光ファイバを含む光路上に設け
    られる光増幅器を更に備えた請求項18に記載の光ファ
    イバ通信システム。
  25. 【請求項25】 上記光増幅器は複数あり、これらの間
    隔は上記第1及び第2の光ファイバの非線形長よりも短
    い請求項24に記載の光ファイバ通信システム。
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