JPH09203339A - 空燃比制御装置及び空燃比制御方法 - Google Patents

空燃比制御装置及び空燃比制御方法

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JPH09203339A
JPH09203339A JP1295196A JP1295196A JPH09203339A JP H09203339 A JPH09203339 A JP H09203339A JP 1295196 A JP1295196 A JP 1295196A JP 1295196 A JP1295196 A JP 1295196A JP H09203339 A JPH09203339 A JP H09203339A
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fuel
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慎二 中川
Nobuo Kurihara
伸夫 栗原
Mamoru Fujieda
藤枝  護
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筒内噴射エンジンや稀薄燃焼方式のエンジン
に適用して、アイドリング時での空燃比制御が充分に安
定して得られるようにした空燃比制御装置及び空燃比制
御方法を提供すること。 【解決手段】 アイドル時か否かを判定し(STEP
1)、アイドル時には現在の噴射量信号TIと一定時間
前の噴射量信号TIOとの差の絶対値が一定の値を超え
ていないかを判定し(STEP3)、STEP3で超えて
いない間空燃比センサーにより得られる信号をサンプリ
ングし、一定時間後得られた信号の周波数解析を行う
(STEP6)。空燃比センサ信号を周波数解析し、一定
値以上のレベルのスペクトルが検出された場合、その周
波数を検出し(STEP6)、これにより補正係数fの計
算を行い(STEP8)、噴射量信号TIに、その変化を
打ち消す方向の補正係数fを加えた値を最終噴射量信号
とする(STEP9)。 【効果】 ノイズの影響を受けない安定した燃料噴射を
行うことができ、アイドル時の空燃比の変動を低減でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のアイド
リング時での空燃比制御装置に係り、特に筒内噴射方式
のエンジン又は稀薄燃焼方式のエンジンに好適な空燃比
制御装置及び空燃比制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の中で特に排ガス規制の厳しい
自動車用のエンジンでは、排気通路に酸素センサを設
け、センサ近傍の排気中に含まれる酸素を検出してエン
ジンに供給される混合気の空燃比を推定し、この推定値
に基づいてフィードバック制御を行ない、エンジンに供
給される混合気の空燃比が目標空燃比に収斂するよう
に、燃料供給量を制御しているのが通例である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、エン
ジンがアイドリング運転時での空燃比の安定化について
充分な配慮がされているとは言えず、特にエンジンのシ
リンダに取付けた燃料噴射弁により燃焼室内に燃料を直
接噴射する方式の筒内噴射エンジンや、稀薄燃焼方式エ
ンジンでは、アイドリング時に安定した空燃比制御が得
られないという問題があった。
【0004】この点について更に詳細に説明すると、以
下の通りである。まず、燃料噴射方式のエンジンでは、
燃料ポンプや燃料配管など燃料供給系から発生するノイ
ズが燃料噴射量に影響し、燃料噴射量にばらつきが発生
することがある。しかして、この場合でも、燃料噴射装
置が吸気管側に取り付けられている、いわゆる吸気管内
燃料噴射方式の従来のエンジンでは、吸気管内壁に燃料
が付着してしまう壁流の発生が不可避であり、これによ
り空燃比制御に遅れが生じるなどの問題がある反面、こ
の壁流によりノイズが平滑化され、空燃比の変動に影響
することはなかった。
【0005】また、目標空燃比をストイキ(理論空燃比)
近傍に設定した従来の空燃比制御装置では、目標空燃比
をリーン(稀薄側)に設定した稀薄燃焼方式の空燃比制御
装置に比して、燃料噴射量に対するノイズの影響度が小
さいので、同様に、このような燃料供給系でのノイズが
空燃比の変動の原因となることはなかった。
【0006】しかるに、筒内噴射エンジンでは上記した
壁流がないので、燃料噴射量に含まれているノイズがな
まされることなく、直接エンジンの空燃比変動をもたら
し、エンジンの燃焼状態に影響を及ぼし、特にアイドリ
ング時で安定した空燃比が得られなくなってしまうので
ある。
【0007】更に目標空燃比をリーン領域にした稀薄燃
焼方式のエンジンの場合、ストイキを目標空燃比とする
場合に比べてノイズの燃料噴射量に対する影響度が大き
くなるので、アイドリング時のエンジンの運転がが不安
定になってしまうのである。
【0008】本発明の目的は、筒内噴射エンジンや稀薄
燃焼方式のエンジンに適用して、アイドリング時での空
燃比制御が充分に安定して得られるようにした空燃比制
御装置及び空燃比制御方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、例えば図1
に示すように、下記a〜dの手段を設けることにより達
成される。 a)エンジンの排気通路に取り付けられて、排気中の酸
素濃度を検出することによりエンジンに供給される混合
気の空燃比を推定する空燃比検出手段。
【0010】b)エンジンのアイドリング時を検出する
アイドリング時検出手段、及び一定時間毎に燃料噴射量
信号を検出し例えば一定時間毎に前後の燃料噴射量の差
を計算し、その値の差が充分に小さければ噴射量信号が
安定していると判断する燃料噴射量信号安定時検出手
段。
【0011】c)エンジンのアイドリング時に前記空燃
比検出手段から得られる信号から燃料供給系より発生す
るノイズと思われる周波数成分を抽出し、さらにその周
波数成分のスペクトルを検出する周波数及びスペクトル
検出手段。
【0012】d)検出されたノイズの周波数成分および
スペクトルに基づきアイドリング時のエンジンへの燃料
噴射量を補正する燃料噴射量補正手段。
【0013】前記の空燃比検出手段は、排気中の酸素濃
度を検出することでエンジンの燃焼室内の空燃比を推定
する。すなわちエンジンに供給される混合気の空燃比が
理論空燃比であれば酸素と燃料が過不足なく反応するの
で、燃焼後の排気中に含まれる酸素量は極めて少なくな
る。
【0014】また、エンジンに供給される混合気の空燃
比が理論空燃比より高かった場合、すなわちリーン(稀
薄)であった場合、混合気中に含まれる酸素量は燃焼反
応に要される酸素量より多いので燃焼後、排気中に含ま
れる酸素量は理論空燃比での排気中に含まれるそれより
多い。
【0015】従って、排気中に含まれる酸素量と燃焼室
内の混合気の空燃比とは比例関係にあり、排気中に含ま
れる酸素量を検出することによってエンジンに供給され
る混合気の空燃比を推定することが可能となる。
【0016】次に、エンジンの吸気管に取り付けられて
いるスロットルバルブの開度を検出するポテンショメー
タは、該バルブの開度に応じて信号を出力するので、バ
ルブが全閉状態で出力される信号をもってアイドリング
時を判定することができる。
【0017】また、一定時間毎に燃料噴射装置に送られ
る燃料噴射信号のパルス幅を記憶しておき、例えば一定
時間前後の燃料噴射量の差を計算し、その値の差が充分
に小さければその間燃料噴射信号はほとんど変化してい
ないと判断できるので、これをもって噴射量が安定して
いると判断する。
【0018】次にノイズの周波数成分とそのスペクトル
検出手法であるが、エンジンが上述のアイドリング時検
出手段によりアイドリング時であると判定され、かつ上
述の燃料噴射量安定時期判定手段により噴射量信号が安
定していると判定された期間で、空燃比センサから得ら
れる信号を例えばFFT等を用いて周波数分析すること
によりノイズの周波数成分を検出する。ここで、FFT
とは、Fast Fourier Transform の略称で、高速フーリ
ェ変換のことである。
【0019】このノイズは燃料供給系より発生するもの
で、燃料配管における燃料の脈動等によるものであり、
例えば燃料ポンプの弁の開閉周期に従った燃料の脈動、
燃料噴射弁の噴射周期に従った燃料の脈動等、いずれも
固有の周波数帯を持つ。
【0020】燃料噴射パルス幅が一定であるといって良
いほどパルス幅の変動が充分に小さいとき、一般に流入
空気量の変動も充分に小さいので、エンジンの空燃比の
変動も充分に小さいはずであるが、このときでも、上述
の燃料供給系によって発生するノイズの影響により燃料
噴射装置から噴射される燃料量に変動が生じ、エンジン
の空燃比の変動を引き起こす。
【0021】従って、このとき空燃比センサから得られ
る信号を周波数分析することでノイズの周波数成分を抽
出することが可能となる。一般にノイズには白色雑音と
有色雑音と呼ばれるものがあり、燃料噴射系から発生す
るノイズにも白色雑音と有色雑音が混在していると考え
られる。
【0022】白色雑音は全周波数領域にわたって一定の
スペクトルを持つが、有色雑音はスペクトルに偏りが存
在する。従って白色雑音と有色雑音が混在する信号の周
波数解析を行うと、特定の周波数において強いスペクト
ルが検出されることがある。本発明では、この原理にし
たがい空燃比信号を周波数解析することにより有色雑音
の成分を抽出することにより目的を達成するようにした
ものである。
【0023】上述のノイズの周波数成分検出手段によ
り、ノイズの周波数とそのスペクトルが得られるので、
検出されたノイズとは周波数及びスペクトルが等しく、
且つ逆位相の補正係数を燃料噴射幅に加えてやる。この
結果、最終的に燃料噴射装置に送られる信号は、ノイズ
と等しい周波数、且つ逆位相で変化することになるの
で、ノイズの影響を相殺することができ、もってノイズ
を補償することが可能となる。
【0024】以上をまとめると、本発明の或る実施例で
は、エンジンのアイドリング時を検出すると、一定時間
前後の噴射量を比較し、前後の噴射量が一定の領域にあ
る間、空燃比検出手段より得られる信号の周波数解析を
行い、それぞれの周波数成分のスペクトルを得る。そし
て、或る一定値をこえるスペクトルを検知した場合、こ
の間噴射信号は変化していないことから、このスペクト
ルは燃料供給系によって発生した周期的ノイズによるも
のであると見做すことができる。
【0025】従って、図2に示すように、検出されたス
ペクトルとその周波数に応じてアイドリング時のエンジ
ンへの燃料噴射量を補正することにより、安定した空燃
比の制御が可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明による空燃比制御装
置について、図示の一実施例により詳細に説明する。図
3は本発明の一実施例が適用対象とするエンジンシステ
ムを示したもので、図示のように、外部からの空気はエ
アクリーナ1を通り、吸気マニホールド5を経てエンジ
ン12に吸入される。
【0027】エンジン12のシリンダにはインジェクタ
(燃料噴射弁)6が設けてあり、これから噴射された燃料
は、吸気マニホールド5を経て吸入された空気と混合さ
れ、エンジン12の内部で混合気を形成する。
【0028】この混合気は、点火プラグ7で発生される
火花により爆発し、その際発生するエネルギーがエンジ
ンの動力源となる。爆発後の排気は排気ポート8を経て
触媒10に送り込まれ、ここで排気は浄化され、再び外
部へと送り出される。
【0029】エンジン12に吸入される空気量はエアフ
ロセンサ2により計測され、流量信号がマイクロコンピ
ュータを内部に有するコントロールユニット11に送り
込まれ空気量に換算される。また、クランク角センサ1
3からは、クランク軸の回転角1度毎に信号が出力さ
れ、コントロールユニット11に供給されて単位時間当
たりのクランクアングルをもってエンジン12の回転数
に換算される。こうして、コントロールユニット11内
で算出される空気量と回転数によりインジェクタ6より
噴射される燃料の基本噴射量が決定される。
【0030】さらに排気中に含まれる酸素濃度は空燃比
センサ9により検出され、この信号がコントロールユニ
ット11に供給され、ユニット内でエンジン内の混合気
の空燃比が算出される。すなわち排気中に含まれる酸素
濃度と空燃比の関係は、図5に示すようになっており、
従って、酸素濃度を検出する空燃比センサ9により空燃
比を求めることができるのである。なお、この空燃比セ
ンサ9としては、上記した酸素濃度を検出する酸素セン
サに限らず、一酸化炭素の濃度を検出するCOセンサを
用いても良い。
【0031】コントロールユニット11では、算出され
た空燃比に従いエンジン内混合気の空燃比が目標空燃比
となるよう基本噴射量に逐次補正を行なう。またエンジ
ン12内に流入する空気の量を調節するスロットルバル
ブ3には開度センサとしてポテンショメータ14が設け
てあり、これからバルブの開度に応じて信号が出力され
る。このポテンショメータ14から得られる信号値はエ
ンジン12のアイドリング時、加速時の判定に用いら
れ、それに応じて燃料噴射量と点火進角に補正が加わ
る。
【0032】なお、このポテンショメータ14に代え
て、アクセルペダルの操作に応じてアイドル位置でオン
オフするスイッチを用いても良い。
【0033】ここで、4はアイドリング用のバイパス空
気通路で、スロットルバルブ3を迂回して吸入空気を通
過させ、アイドリング回転速度を制御する働きをするも
のである。
【0034】次に、この実施例による空燃比の制御手法
について、図4のフローチャートにより説明する。 (STEP1)まず、このステップ1では、アイドルSW
がオン(YES)であるかオフ(NO)であるかの判定を行う。
このアイドルSWとは、図3におけるスロットルバルブ
3に取り付けられたポテンショメータ14から出力され
る信号値に基づいて、コントロールユニット11内でオ
ン−オフされる値である。
【0035】すなわち、スロットルバルブ3が全閉状態
のとき出力されるポテンショメータ14の信号値をコン
トロールユニット11が検出した場合、スロットルバル
ブ3は全閉状態と判断、アイドルSWオンとし、本発明
の特徴である空燃比制御を開始し、アイドルSWオフの
間は、本制御は行わないものとする。
【0036】(STEP2)本発明の実施例では、空燃比
センサ9で検出される空燃比信号を周波数分析すること
により燃料噴射系のノイズを検出し、燃料噴射量を補正
することにより空燃比の安定化を図るものであるが、こ
のステップ2では、この空燃比センサの信号をサンプリ
ングする際に用いるタイマtをリセットするのである。
同時に、このときの燃料噴射量をTIOとする。
【0037】以下に説明するように、このタイマtが、
予め設定してあるサンプリング実行時間TSを以下にな
っている期間中、空燃比センサからの信号をサンプリン
グすることになる。
【0038】(STEP3)ここでは燃料噴射量の安定時
期の判定を行う。このため、各気筒の爆発毎に、つまり
クランク角センサ13から得られるリファレンス信号が
発生する毎に、コントロールユニット11が算出する燃
料噴射量TIと、ステップ2で設定した燃料噴射量TI
Oとの差を計算する。そして、この差の絶対値が、所定
の閾値δより小さければステップ4へと進み、大きけれ
ば再びステップ1に戻るのである。
【0039】すなわち、ここでは、コントロールユニッ
ト11で演算された噴射信号の変化幅がエンジン内の空
燃比の変動に影響しない範囲に収まっているか否かを判
断する部分であり、従って、閾値δはこの条件に見合っ
た値に設定しておく必要があり、ここでは、この閾値δ
が0.1msとしてある。なお、この閾値δは各々のエ
ンジンに合わせて経験的に決めても良い。
【0040】(STEP4)ステップ3でユニットの計算
する燃料噴射量にほとんど変動が無いと判断された場
合、ステップ4に進み、サンプリング実行時間TSとタ
イマtの値の大小比較を行う。そしてタイマtがサンプ
リング実行時間TS以下であればステップ5に進み、タ
イマtがサンプリング実行時間TSより大きければステ
ップP6へ進む。すなわちt<TSの間、空燃比信号の
サンプリングを行い、TS経過後、周波数解析の処理へ
と進むのである。
【0041】なお、このサンプリング実行時間TSの値
は、検出可能周波数に関係する。すなわち、検出可能と
なる最小周波数Fminは Fmin=1/TS となる。ここで、サンプリング実行時間TSとしては2
秒もあれば充分であり、このとき検出可能な最小周波数
Fminは0.5Hzとなる。
【0042】(STEP5)ここでは空燃比センサ9か
らの信号のサンプリングを行う。具体的には、空燃比セ
ンサ9からの信号をコントロールユニット11内のRA
Mに記憶するのである。
【0043】エンジンの空燃比は、燃料供給量が同じで
も、上記した燃料噴射系のノイズにより、図6に示すよ
うに、ほぼ周期的に変動している。そこで、このステッ
プ5で、この空燃比の変動を検出するためにサンプリン
グするのである。
【0044】ここで、以上のステップ1からステップ5
までの処理をまとめると以下の通りとなる。すなわち、
エンジンがアイドリング時にこの処理が実行され、サン
プリング実行時間TSの間、空燃比信号のサンプリング
を行う。またサンプリングが行われている間、コントロ
ールユニット11が算出する噴射信号に変動がないかど
うかを判断し、もし大きな変動が検出されたときには直
ちにサンプリング処理は中止する。
【0045】なお、これらステップ2からステップ5ま
での処理は、各気筒の爆発毎のタイミングで行うように
構成してあり、ステップ5でサンプリングされる値も、
1回の爆発分とする。例えばクランク角センサ13から
エンジンの回転に同期したリファレンス信号がユニット
に入力される毎に処理を行なうのである。また、このサ
ンプリング中、最も薄い空燃比、すなわち最大の空燃比
が検出された気筒の番号をコントロールユニット11内
のメモリーに記憶しておく。
【0046】次に、この後、サンプリング実行時間TS
間の空燃比信号のサンプリングが完了後、ステップ6へ
進み、空燃比信号の周波数解析を行ない、ステップ7で
ノイズの周波数成分を抽出し、これに基づいてステップ
8で補正係数の計算を行なうのであるが、この点につい
て以下に詳しく説明する。
【0047】(STEP6)ステップ5でサンプリング
した空燃比信号の周波数解析を行う。この周波数解析の
手法としては、FFTを用いるものとする。いま、エン
ジン12が4気筒エンジンで、回転数800rpmでア
イドリングしているとすると、2秒間でサンプリングさ
れる空燃比信号のデータ数は53個となる。
【0048】図7は、この周波数分析で得られた空燃比
スペクトルの一例を示したもので、このときのサンプリ
ングのインターバルはリファレンス信号のインターバル
に等しいので、37.5msとなり、従って検出可能周
波数は0.5Hzから164Hzまでであり、ステップ
は約3.2Hzとなる。
【0049】(STEP7)このステップ7では、ステッ
プ6で求められた各周波数のスペクトルの値の中で所定
の閾値(一定値)を超えるものがあるかどうかを調べる。
この閾値としては、エンジンの空燃比の変動に影響を及
ぼす程度のものとし、具体的には各エンジンの仕様に応
じて経験的に決定するのが良い。
【0050】もし一定値を超えるスペクトルが検知され
たとすれば、これは周期的ノイズによるもので、しかも
エンジン12での空燃比の変動を引き起こす程のノイズ
であると判断する。そして、このときステップ8へと進
む。一方、閾値(一定値)を超えるスペクトルが検知され
なかったときには、エンジンの空燃比に変動を及ぼすほ
どのノイズは噴射信号に混入していないと判断し、ステ
ップ8以降の処理は行わず、再びステップ1に戻るので
ある。
【0051】(STEP8)このステップ8では、ステッ
プ7で検出されたノイズによる影響を補正するための補
正係数fの算出を行う。この補正係数fは燃料噴射量に
加えられ、ノイズの影響を打ち消すように働く。すなわ
ち、ステップ7で検出された周期的ノイズは、図8の上
段の図に示す空燃比と同じ変化をしている。そこで、図
8の中段の図に示すように、このノイズの変化と等しい
周波数で且つ逆位相で変化する値を算出して補正係数f
としてやれば、この補正係数fによって、図8の下段の
図に示すように、ノイズの影響を打ち消すことができ
る。
【0052】このときのノイズの周波数はステップ8で
算出済であり、またノイズと逆位相で補正係数fを変化
させるためには、ステップ5で検出しておいた空燃比が
最大値の気筒を参考にすることにより可能になる。すな
わち、補正係数fの初期値は、その変化幅の中で最大の
値とし、補正係数fの振幅は、ステップ6において算出
されたスペクトルより求める。そして、これによる補正
は、上述の最大空燃比を示した気筒の燃料噴射から開始
させるようにするのである。
【0053】(STEP9)このステップ9では、ステッ
プ8で算出された補正係数fを燃料噴射量TIに加算
し、これを新たに燃料噴射量TI2とする。燃料噴射量
TIによる空燃比は、図8の上段の図に示したように、
ノイズにより変化しているが、この補正係数fが加算さ
れた燃料噴射量TI2は、図8の中段の図に示すよう
に、ステップ7で検出されたノイズと等しい周波数で且
つ逆位相で変化するので、燃料噴射量TI2による空燃
比は、ノイズの影響を打ち消すように変化され、図8の
下段の図に示すように、変動の無い安定した空燃比とな
る。このように最初のノイズ補正係数fを含んだ燃料噴
射信号TI2が算出されたら再びステップ1に戻り、次
の新たな補正係数fの計算を開始するのである。
【0054】この実施例では、もしも前回の補正係数f
が充分に効果を発揮した場合には、ステップ7では、エ
ンジン内の空燃比の変動を引き起こす程のノイズが検出
されなくなる。
【0055】そこで、この場合には、補正係数fは更新
されることはなく、再びステップ1に戻ることになり、
この結果、エンジンがアイドリングの間、エンジン内の
空燃比を常時サンプリングし周波数解析を行い空燃比の
変動を引き起こす程のノイズが検出されたときだけ、補
正係数fが更新されることになる。
【0056】従って、この実施例によれば、燃料供給系
によるノイズを正確に検出することができ、この結果、
空燃比の変動を充分に抑えることができるので、筒内噴
射方式のエンジン又は稀薄燃焼方式のエンジンに適用し
ても、充分にアイドル運転時での空燃比を安定化させる
ことができ、排ガスの浄化と燃費の向上を確実に得るこ
とができる。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、空燃比センサ等の空燃
比検出手段の信号を利用して、アイドル時の空燃比を適
正に制御することができるので、筒内噴射方式のエンジ
ンと稀薄燃焼方式のエンジンに適用して、充分にアイド
ル運転時での空燃比を安定化させることができ、排ガス
の浄化と燃費の向上を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空燃比制御装置の基本的構成を示
すブロック図である。
【図2】本発明による空燃比制御装置の機能ブロック図
である。
【図3】本発明による空燃比制御装置の一実施例が適用
対象とするエンジンシステムの一例を示す構成図であ
る。
【図4】本発明の一実施例の動作を示すフローチャート
である。
【図5】エンジン内の混合気の空燃比と排気中に含まれ
る酸素濃度との関係を示す特性図である。
【図6】燃料供給系に現われる周期性ノイズによる空燃
比変動の一例を示すタイミング図である。
【図7】空燃比の変動から検出されるスペクトルの説明
図である。
【図8】本発明の一実施例によるノイズ補正動作の説明
図である。
【符号の説明】
1 エアクリーナ 2 エアフロセンサ 3 スロットルバルブ 4 アイドリング用のバイパス空気通路 5 吸入マニホールド 6 インジェクタ(燃料噴射装置) 7 点火プラグ 8 排気マニホールド 9 空燃比センサ 10 触媒 11 コントロールユニット 12 エンジン 13 クランク角センサ 14 スロットルバルブ開度検出用のポテンショメータ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの排気成分から空燃比を検出す
    る空燃比検出手段を備え、該空燃比検出手段による検出
    結果に基づくフィードバック制御により、エンジンに供
    給すべき燃料量を制御する方式の空燃比制御装置におい
    て、 前記エンジンがアイドリング状態で、且つ燃料供給量が
    所定時間以上安定した運転状態にあることを条件とし
    て、このとき前記空燃比検出手段で検出された空燃比信
    号から所定の範囲の周波数成分を抽出するスペクトル検
    出手段を設け、 このスペクトル検出手段による検出結果に基づいて、ア
    イドリング時での燃料供給量を補正するように構成した
    ことを特徴とする空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の発明において、 前記空燃比検出手段が酸素センサで構成されていること
    を特徴とする空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の発明において、 前記空燃比検出手段がCOセンサで構成されていること
    を特徴とする空燃比制御装置。
  4. 【請求項4】 エンジンのアイドリング時を判断し、 エンジンがアイドリング時の燃料供給量の安定時期を判
    断し、 エンジンがアイドリング時の排気管内の空燃比を検出
    し、 検出された空燃比の変化を周波数分析してスペクトルを
    算出し、 該スペクトル中で一定値を超える周波数成分に基づいて
    補正値を算出し、 該補正値に応じて燃料供給量を制御するようにしたこと
    を特徴とする空燃比制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項4の発明において、 最新の燃料供給量と一定時間前の燃料供給量との差をと
    り、この差の値が一定値以内にあることにより、前記燃
    料供給量の安定時期を判断するようにしたことを特徴と
    する空燃比制御方法。
  6. 【請求項6】 請求項4の発明において、 前記周波数分析がFFTによる分析であることを特徴と
    する空燃比制御方法。
  7. 【請求項7】 請求項4の発明において、 前記周波数分析で検出するスペクトルの周波数帯が燃料
    ポンプの弁の開閉周期に応じて設定されていることを特
    徴とする空燃比制御方法。
  8. 【請求項8】 請求項4の発明において、 前記周波数分析で検出するスペクトルの周波数帯を燃料
    配管固有の周波数帯に応じて設定したことを特徴とする
    空燃比制御方法。
  9. 【請求項9】 請求項4の発明において、 前記周波数分析で検出するスペクトルの周波数帯を燃料
    噴射弁の噴射周期に応じて設定したことを特徴とする空
    燃比制御方法。
  10. 【請求項10】 請求項4の発明において、 前記空燃比を検出する周期を時間同期としたことを特徴
    とする請求項4に記載の筒内噴射エンジンのアイドリン
    グ時の空燃比制御方法。
  11. 【請求項11】 請求項4の発明において、 前記空燃比の検出周期をエンジンの回転周期に合わせて
    設定したことを特徴とする空燃比制御方法。
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