JPH09202911A - 熱効率に優れたスクラップの溶解方法 - Google Patents

熱効率に優れたスクラップの溶解方法

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JPH09202911A
JPH09202911A JP1236896A JP1236896A JPH09202911A JP H09202911 A JPH09202911 A JP H09202911A JP 1236896 A JP1236896 A JP 1236896A JP 1236896 A JP1236896 A JP 1236896A JP H09202911 A JPH09202911 A JP H09202911A
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molten
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scrap
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Shinya Kitamura
信也 北村
Yuji Ogawa
雄司 小川
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

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  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、炭材の燃焼エネルギーを主な熱源と
して鉄スクラップを溶解するに際して、炭材中の炭素の
溶鉄への溶解を抑制し、炭素含有量の少ない溶鋼を得る
方法を提供する。 【解決手段】溶解炉の底部に溶鋼層とその隣接する上部
に溶融スラグ層を形成させた状態で溶融スラグ層内に炭
材と酸素含有ガスを供給して炭材を燃焼発熱させ、か
つ、溶融スラグ層上面から溶融スラグ層の厚さの0.3
5〜0.65倍に相当する位置に少なくとも1つ以上の
羽口を設けて溶融スラグ層の上部のみを選択的に撹拌す
るとともに、溶鋼層に相当する高さ位置の溶解炉壁面又
は底面部にチャンネル型誘導加熱装置を配して溶鋼に熱
を供給するスクラップの溶解方法において、スラグ層に
酸化鉄を50〜200Kg/(スクラップ・トン)供給す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭材の燃焼エネル
ギーを主な熱源としてスクラップを溶解するに際して、
スラグ中の酸化鉄の還元反応を制御することで高い着熱
効率を得るとともに、炭材中炭素の溶鉄への溶解を制御
して炭素含有量の少ない溶鉄を得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スクラップは通常電気炉で溶解される
が、多量の電力を必要とし電力コストが大きいため、エ
ネルギーコストの小さい炭材の燃焼エネルギーを如何に
有効に利用し、電気エネルギーの使用比率を下げるかが
課題である。近年、わが国においてもスクラップの発生
量が著しく増加し、鉄鋼生産のうちスクラップを原料と
するものの比率が増加してきており、より経済的で生産
性の高い溶解方法の開発が望まれている。
【0003】電気エネルギーによらないでスクラップを
溶解する方法として、例えば、転炉型の反応容器を用い
て、炭材を鉄浴の内部に吹き込みつつ鉄浴上部から酸素
ガスを吹き付けて、酸素ガスによる鉄浴中の炭素の燃焼
熱でスクラップを溶解する方法が試みられている。この
溶解方法においては、反応容器内の少量の鉄浴に上方か
らスクラップを逐次供給して溶解し、鉄浴が所定の量に
なってから出湯するが、出湯の際に一部の溶鉄を炉内に
残留させる、いわゆる残し湯方式がとがとられることが
多い。
【0004】残し湯方式の溶解方法においては、鉄浴が
冷却されて固化しないように、鉄浴中の炭素濃度を少な
くとも3%程度以上に保つ必要があり、所定の炭素濃度
の溶鋼を得るためには、別途に脱炭反応をおこなわせる
炉が必要となる。
【0005】一方、炭材の燃焼エネルギーを有効に利用
するためには、溶解炉内での二次燃焼率[排ガス中の
{%CO2/(%CO2+%CO)}×100(%)]を高める
必要があることは、すでによく知られているところであ
る。
【0006】スクラップ溶解炉で二次燃焼率を高める方
法としては、鉄浴の上部に所定量(例えば溶鉄トン当た
り350Kg以上)の溶融スラグを置き、溶融スラグ層内
に多量の炭材を懸濁させて、上吹き酸素ガスで燃焼させ
る方法がある。
【0007】この溶解方法では、溶融スラグ層内で発生
した炭材の燃焼熱を下方の鉄浴に伝達してスクラップの
溶解に有利に利用するため、鉄浴又は溶融スラグ層にガ
スを吹き込んで撹拌することが必要不可欠である。この
場合、溶融スラグ層内に懸濁した多量の炭材は溶鉄と接
触し、炭材中の炭素は溶鉄に溶解し、通常は炭素飽和状
態の溶鉄が得られる。従って、この場合も所定の炭素濃
度の溶鋼を得るには、別途に脱炭反応を行わせる炉が必
要となる。
【0008】一般に高い生産性を持って高炭素の溶鉄の
脱炭を行うには、製鋼用転炉に相当する設備が必要であ
る。したがって、炭材の燃焼エネルギーを主な熱源とし
てスクラップを溶解し所定の炭素濃度の溶鋼を得るため
には、スクラップ溶解炉の他に転炉設備を必要とし、ま
た各炉体関係設備の他に酸素供給設備や排ガス処理設備
が必要となって、多大な設備コストの負担が生ずるとい
う問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の問題点を解決するためになされたものであ
って、その目的とするところは、炭材の燃焼エネルギー
を主な熱源としてスクラップを溶解するに際して、炭材
中の炭素の溶鉄への溶解を抑制し、炭素含有量の少ない
溶鋼を得るスクラップの溶解方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スクラッ
プ溶解炉において炭素濃度が1.5%以下の溶鋼を得る
ことができれば、二次精錬炉における軽度の脱炭処理に
より容易に所定の炭素濃度の溶鋼を得ることができるこ
とから、炭材の燃焼エネルギーを主な熱源とするスクラ
ップ溶解において炭素濃度が1.5%以下の溶鋼を得る
手段について種々の検討を行った。
【0011】その結果、 1)スラグ層上部で炭材を燃焼させる 2)スラグ層上部のみを選択的に撹拌し炭材を溶鋼層へ
接近させない 3)スラグ層に適量の酸化鉄を供給し、スラグ上部で還
元せしめ、還元生成溶鉄が溶鋼層へ沈降することでスラ
グ顕熱の溶鋼への伝熱を促進する 4)溶鋼層は誘導加熱により補助加熱する ということを組み合わせることで熱効率が良い状態で炭
素濃度が1.5%以下の溶鋼が得られることを見いだし
た。本発明の要旨は、以下の各方法にある。
【0012】(1):溶解炉の底部に溶鋼層とその隣接
する上部に溶融スラグ層を形成させた状態で溶融スラグ
層内に炭材と酸素含有ガスを供給して炭材を燃焼発熱さ
せ、かつ、溶融スラグ層上面から溶融スラグ層の厚さの
0.35〜0.65倍に相当する位置に少なくとも1つ
以上の羽口を設けて溶融スラグ層の上部のみを選択的に
撹拌するとともに、溶鋼層に相当する高さ位置の溶解炉
壁面又は底面部にチャンネル型誘導加熱装置を配して溶
鋼に熱を供給するスクラップの溶解方法において、スラ
グ層に酸化鉄を50〜200Kg/(スクラップ・トン)
供給することを特徴とする熱効率に優れたスクラップの
溶解方法である。
【0013】また(2):(1)において、溶融スラグ層
にスラグに対する重量比で5〜30%の炭材が存在する
ように調節するとともに、酸素含有ガスを上吹ランスか
ら供給し、上吹ガスによりスラグ層に形成される凹み深
さLsが溶融スラグ層の厚さの0.35〜0.65倍で
あることを特徴とする熱効率に優れたスクラップの溶解
方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】図1に本発明を実施するためのス
クラップ溶解装置の例を示す。溶解炉炉体1は耐火物7
で内張りされ、炉内には底部に溶鋼層2とその上部に充
分な高さの溶融スラグ層3が形成されている。炉体側面
には撹拌用ガスを吹き込む羽口4が、炉底部には誘導加
熱装置5が設置されている。また、炉の上部より上吹ラ
ンス6が炉内に挿入される。
【0015】炭材は所定の供給速度で炉の上部より投入
されるか、又は、羽口4から撹拌用ガスとともに溶融ス
ラグ層内へ吹き込まれる。撹拌用ガスとしては窒素、空
気、CO、CO2の一種又は2種以上が用いられる。ガ
ス流量としては10〜60Nm3/Hr/tが望ましい。
【0016】酸素は炭材燃焼にバランスさせて上吹ラン
スから供給するか、又は、一部又は全部を、羽口4から
供給する。この場合、羽口4から、酸素、炭材をともに
供給するため、羽口は酸素流路、炭材と撹拌用ガスの流
路、冷却用炭化水素ガス流路を備えた3重管とすること
が必要である。また、羽口4は炉の円周方向に少なくと
も1個あれば良いが、好ましくは、撹拌の均一性から4
〜8個程度を円周上に等間隔に配置すると良い。
【0017】スクラップは炉の上部から所定の供給速度
で連続的又は間欠的に投入され、炭材の燃焼熱及び誘導
加熱により逐次溶解される。本発明の溶解方法において
は、溶融スラグ層の上部に多量の炭材を懸濁させ、これ
に酸素含有ガスを吹き付けて燃焼させることにより、二
次燃焼率を例えば50%以上の高い値とすることができ
る。
【0018】この燃焼熱をスクラップの溶解に有効に利
用するためには、まず、燃焼熱を溶融スラグに着熱さ
せ、次いで、溶融スラグから溶鋼に着熱させる必要があ
る。燃焼熱を溶融スラグに着熱させるには、ある程度ま
でスラグを撹拌する必要があるが、過度に撹拌すると溶
融スラグ層内に懸濁している炭材が溶鋼と接触し、炭素
濃度が1.5%以下の溶鋼を直接得ることができない。
このような伝熱促進と浸炭防止という相反する目的を同
時に満足するために、羽口4の位置を上面から溶融スラ
グ層の厚さの0.35〜0.65倍に相当する位置に適
正に設定して溶融スラグの上部のみを選択的に撹拌する
ことが重要である。
【0019】さらに、高い着熱効率を得るにはスラグ層
に酸化鉄を50〜200Kg/(スクラップ・トン)で供給す
ることが必須である。つまり、スラグ層に供給された酸
化鉄は、スラグ上部で炭材と接触して還元し溶融銑鉄粒
子を形成する。この還元反応は吸熱のため炭材燃焼によ
る発熱を極めて効率的に受けることができる。また、生
成した溶融銑鉄粒子が溶融スラグ層を滴下し、炭材燃焼
で加熱された溶融スラグ層の顕熱を受けた状態で溶鋼層
へ沈降するため、スラグ顕熱の溶鋼への伝熱を極めて効
率的に促進することができる。
【0020】このように酸化鉄には、還元反応による着
熱促進と生成粒子による熱媒体効果との2つの効果があ
り、着熱効率が極めて向上する。これは上部から投入さ
れたスクラップは還元生成粒子に比べて極めて大きいた
め、スラグ層内を短時間で通過、沈降しスラグ層の熱を
溶鋼層へ伝熱するための熱媒体としては作用しないのと
は対照的である。
【0021】ここで、ガスを吹き込む羽口4が、溶融ス
ラグ層上面から溶融スラグ層の厚さの0.35倍よりも
高い位置の場合には撹拌が溶融スラグ層の極めて上部に
限定されるため、炭材燃焼熱の溶鋼層への着熱効率が悪
化し、0.65倍よりも低い位置の場合には炭材が溶鋼
層に接触する機会が増えるため浸炭により溶鋼炭素濃度
が上昇する。
【0022】また、供給する酸化鉄が50kg/(スクラ
ップ・トン)よりも少ない場合には伝熱促進効果が小さく
着熱効率が低く、200kg/(スクラップ・トン)よりも多
い場合には還元による吸熱反応が大きくなり炭材原単位
が悪化する上に還元生成粒子が炭素飽和の溶銑組成とな
るため溶鋼層への浸炭量が多くなり炭素濃度が1.5%
よりも増加する。
【0023】これらの手段によりスクラップの溶解を行
う場合、生成する溶鋼の炭素濃度が1.5%以下のため
融点が高く、溶鋼層の温度は1500℃程度にする必要
がある。炭材燃焼熱のみでこれを達成しようとすると、
酸化鉄を投入して伝熱を促進させたとしても溶融スラグ
層の方が温度が高くなり、耐火物溶損が大きくなる。従
って、溶鋼層に相当する高さ位置の溶解炉壁面又は底面
部にチャンネル型誘導加熱装置を配して補助的に溶鋼に
熱を供給し、溶鋼温度と溶融スラグ層の温度を均一にす
ることが必要となる。
【0024】この場合には誘導加熱により溶鋼を直接加
熱することと、適度な撹拌が溶鋼に付与できるという特
徴がある。チャンネル型誘導加熱装置5は、例えば断面
が溝型の炉外に突出した耐火物製の溶鋼の還流路を設
け、該還流路の外周に誘導加熱用コイルを配して、還流
路内の溶鋼を加熱するとともに、還流された溶鋼により
溶鋼層が撹拌されるものである。
【0025】溶融スラグ層内(上部)に懸濁する炭材の
量は、スラグに対する重量比で5〜30%でなければな
らない。5%よりも少ない場合には酸素含有ガスと炭材
の接触が不十分となり未反応の酸素が生ずることとスラ
グ層内の伝熱媒体として炭材が少ないため着熱効率が低
下する。30%よりも多い場合には、炭材が溶鋼と接触
し浸炭しやすくなるため炭素濃度が1.5%以下の溶鋼
が製造できなくなる。
【0026】酸素含有ガスを上吹ランスから供給する場
合、上吹ガスによりスラグ層に形成される凹み深さLs
が溶融スラグ層の厚さの0.35〜0.65倍でなくて
はならない。0.35倍よりも小さい場合には、上吹ガ
スによる撹拌が溶融スラグ層の極めて上部に限定される
ため、炭材燃焼熱の溶鋼層への着熱効率が悪化し、0.
65倍よりも大きい場合には上吹ガスにより炭材が溶鋼
層近傍まで循環させられるため炭材が溶鋼層に接触する
機会が増えるため浸炭により溶鋼炭素濃度が上昇する。
【0027】ここでLs(mm)は(1)式で計算される。 Ls=7×Lh・exp(−0.78h/Lh) Lh=63×{F/(n・d)}2/3 ………(1) hはランス先端から溶融スラグ層上面までの距離(m
m)、dはランスノズル直径(mm)、nはノズル個数、
Fは上吹きガス流量(Nm3/Hr)で、溶融スラグ層上面は
比重を1 g/cm3とし、溶鋼面は比重を7 g/cm3として幾
何学的に計算して求めた。
【0028】
【実施例】容量7トンの試験転炉を改造し、炉底部にチ
ャンネル型誘導加熱装置を取り付けて、本発明のスクラ
ップ溶解法に関する試験を行った。チャンネル型誘導加
熱装置を保護するため種湯溶鋼量を約3トンとし、これ
に3〜4トンのスクラップを供給して溶解を行った。種
湯は前チャージ溶解溶鋼を残湯させるか、他の溶解炉で
溶解したものを装入した。
【0029】その後、CaO、SiO2を主成分とする
造滓剤2〜3トンを炉内に投入して溶解し、溶融スラグ
層を形成させた。溶解中のスラグ高さは約1.5mとし
た。スラグ溶解中は上吹きランスより酸素を供給し溶鋼
を脱炭させ発熱させるとともに、炉上からコークスを添
加して溶鋼の炭素濃度を一定に調整した。
【0030】ガス吹込み羽口の位置は、羽口の溶融スラ
グ上面からの距離をH、溶融スラグ層の厚さをH0とし
て、H/H0=0.2〜0.8の範囲で変更して溶融ス
ラグ内に窒素ガスを吹き込んだ。所定の高さの溶融スラ
グ層が形成されたところで、上吹きランスを所定位置ま
で上昇させ、炭材を投入し続けるとともに、スクラップ
を炉の上部から半連続的に投入して溶解を行った。炭材
は塊コークス又はブリケット状に成形した無煙炭を炉上
部から供給した。この間、鉄鉱石又はブリケット状に成
形したダストを炉上部から供給した。主な操業条件は以
下の通りである。
【0031】 スクラップの供給速度 5〜15ton/Hr 酸素ガス供給速度 500〜1500Nm3/Hr 炭材供給速度 300〜800Kg/Hr 酸化鉄供給速度 300〜3000Kg/Hr 撹拌用窒素ガス供給速度 50〜150Nm3/Hr 2次燃焼率 30〜70% 電気エネルギー 10〜50KWH/Hr。
【0032】本発明により炭素濃度1.5%以下の溶鋼
が得られる否かを明らかにするため、種湯の炭素濃度を
1.3〜1.4%とし、スクラップ溶解前後での溶鋼炭
素濃度の変化を調査した。
【0033】図2にH/H0と溶解前後の溶鋼炭素濃度
の変化(ΔC=溶解後[C]−溶解前[C])との関係
を示すが、H/H0が0.65以上ではΔCが急激に増
大している。また、図3に示すように、上吹きガスの凹
み深さとスラグ厚みとの比(Ls/H0)とΔCとの関係
を見ても、Ls/H0が0.65以上ではΔCが急激に増
大している。さらに、図4には酸化鉄添加量とΔCの関
係を示すが、200Kg/(スクラップ・トン)よりも多
いとΔCが急激に増大している。
【0034】一方、図5には酸化鉄添加量と着熱効率
({スクラップ溶解熱/(炭材燃焼熱+電気エネルギ
ー)}×100)の関係を示すが、50Kg/(スクラッ
プ・トン)よりも少ないと急激に低下している。
【0035】
【発明の効果】本発明により、炭材の燃焼エネルギーを
主な熱源としてスクラップを溶解するに際して、炭材中
の炭素の溶鉄への溶解を抑制し、炭素含有量の少ない溶
鋼を得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の模式図。
【図2】羽口位置と溶解前後での炭素濃度の変化の関係
を示す実験結果の図。
【図3】上吹きガスによる凹み深さと溶解前後での炭素
濃度の変化の関係を示す実験結果の図。
【図4】酸化鉄供給量と溶解前後での炭素濃度の変化の
関係を示す実験結果の図。
【図5】酸化鉄供給量と着熱効率との関係を示す実験結
果の図。
【符号の説明】
1:溶解炉炉体、 2:溶鋼層、 3:溶融スラグ層、
4:羽口、 5:チャンネル型誘導加熱装置、 6:
上吹きランス、 7:耐火物。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶解炉の底部に溶鋼層とその隣接する上部
    に溶融スラグ層を形成させた状態で溶融スラグ層内に炭
    材と酸素含有ガスを供給して炭材を燃焼発熱させ、か
    つ、溶融スラグ層上面から溶融スラグ層の厚さの0.3
    5〜0.65倍に相当する位置に少なくとも1つ以上の
    羽口を設けて溶融スラグ層の上部のみを選択的に撹拌す
    るとともに、溶鋼層に相当する高さ位置の溶解炉壁面又
    は底面部にチャンネル型誘導加熱装置を配して溶鋼に熱
    を供給するスクラップの溶解方法において、スラグ層に
    酸化鉄を50〜200Kg/(スクラップ・トン)供給す
    ることを特徴とする熱効率に優れたスクラップの溶解方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1において、溶融スラグ層にスラグ
    に対する重量比で5〜30%の炭材が存在するように調
    節するとともに、酸素含有ガスを上吹ランスから供給
    し、上吹ガスによりスラグ層に形成される凹み深さLs
    が溶融スラグ層の厚さの0.35〜0.65倍であるこ
    とを特徴とする熱効率に優れたスクラップの溶解方法。
JP1236896A 1996-01-29 1996-01-29 熱効率に優れたスクラップの溶解方法 Withdrawn JPH09202911A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108253786A (zh) * 2018-01-31 2018-07-06 中国恩菲工程技术有限公司 电磁浸没燃烧冶炼装置
CN112267021A (zh) * 2020-09-07 2021-01-26 钢研晟华科技股份有限公司 一种含锌尘泥与熔融钢渣协同处理的系统及方法

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Effective date: 20030401