JPH09202501A - シート分割巻取装置における巻取再開準備装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 巻取ロールの取り出し及び新たな巻芯の装着
時間を短縮でき、占有空間が小さくて済み、取り扱いが
容易で安価にする。 【解決手段】 巻取軸３から押し出された巻取ロールＲ
を貫通して支持するための受取軸１８と、複数の巻芯Ｃ
を貫通して支持することができる巻芯準備軸１９と、受
取軸１８及び巻芯準備軸１９を所要の相互間隔をおいて
巻取軸３の長手方向に平行に片持ち支持するスタンド２
０と、巻取軸３の先端前方の受け渡し位置につくことが
できる搬送台車２１と、搬送台車２１にそれぞれ垂直方
向の軸線を中心に揺動可能に、かつ互いに間隔をおいて
取り付けた複数の揺動腕２４とを備え、スタンド２０を
各揺動腕２４の反巻取軸側部分に、平行クランク機構を
構成するように枢着した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プラスチックフィル
ム、紙等の広幅帯状シートをスリッターで複数の細幅シ
ートに分割しながら、巻取軸の外周に装着した個々の筒
状の巻芯のまわりに巻き取って巻取ロールを形成し、巻
取軸を片持ち支持した状態で巻取ロールを巻取軸上から
取り出すようにしたシート分割巻取装置における巻取再
開準備装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上述のようなシート分割巻取装置
における巻取再開準備装置には、巻取軸の長手方向に進
退可能な可動台上に設けた垂直方向の軸線を中心に回転
可能な可動支持体に、巻取ロールの受取軸と巻芯準備軸
とを放射方向に水平に所定の回転角度を隔てて巻取軸と
同じ高さで片持ち支持したものがある。この装置では、
次の巻取運転に備えて巻芯準備軸の外周に新たな巻芯
を、巻取軸上と同じ配置で装着しておき、巻取ロールが
巻き上げられると、可動支持体を回転させて受取軸を巻
取軸に向き合わせ、可動台を前進させて巻取軸と受取軸
とを接続させる。そして、片持ち支持状態にある巻取軸
から巻取ロールを押し出し、受取軸に巻取ロールを、巻
芯を貫通した状態で支持させる。その後、可動台を後退
させて可動支持体を回転させて巻芯準備軸を受取軸と入
れ替え、可動台を再び前進させて巻取軸と巻芯準備軸と
を接続させる。そして巻芯を巻芯準備軸から押し出して
巻取軸に装着する。そして、この装置によれば巻取ロー
ルを受取軸で巻芯を貫通した状態で受け取るので、その
外周に傷がつかない。

【０００３】また、巻取軸の長手直角方向に伸びたレー
ル上を移動する台車上に巻取軸及び巻芯準備軸を所定の
間隔で巻取軸と同じ高さで平行に片持ち支持し、巻取ロ
ールの押し出し時には、台車を移動して受取軸と巻取軸
とを同一直線上で向き合わせ、巻取ロールを受取軸上へ
押し出すと、台車を移動して巻芯準備軸と巻取軸とを同
一直線上で向き合わせるようにしたものもある（例えば
特開平３−２６７２４８号公報参照）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の巻取
軸の長手方向にスライド可能な可動台上で可動支持体を
回転させて受取軸と巻芯準備軸とを入れ替える形式の装
置では、可動台を後退させてから受取軸と巻芯準備軸を
旋回させ、再び可動台を前進させて巻取軸と受取軸又は
巻芯準備軸とを接続させるので、受取軸と巻芯準備軸と
を入れ替えるのに時間がかかる。また可動台の摺動抵抗
が大きくなり、可動台を進退させるのに大きな駆動力が
必要になる。更に、分割される帯状シートの幅が広い場
合、受取軸と巻芯準備軸とが長くなり、それを旋回させ
るための大きな空間が必要になって装置全体が大型化す
る。

【０００５】また、上述の巻取軸の長手直角方向に伸び
たレール上を移動する台車上に、受取軸と巻芯準備軸と
を所定の間隔で巻取軸と同じ高さで平行に片持ち支持し
た形式の装置では、台車が移動するとき巻取軸の長手方
向にずれると、巻取軸の先端と受取軸又は巻芯準備軸の
先端とが干渉して、巻取軸や受取軸、巻芯準備軸を破損
する恐れがあり、それを防ぐには台車の案内精度を高め
るか、あるいは巻取軸先端と受取軸及び巻芯準備軸の先
端との隙間を大きくする必要がある。しかし台車の案内
精度を高めると装置が高価になる。また巻取軸先端と受
取軸及び巻芯準備軸の先端との隙間を大きくすると、帯
状シートを一斉に多数条に分割するため非常に幅の狭い
巻芯を必要とする場合には、巻取軸と受取軸又は巻芯準
備軸との間の巻芯の受け渡しが困難になる。更に、台車
をレール沿いに移動させて受取軸と巻芯準備軸とを入れ
替えるので、台車の移動範囲がレールを設置している場
所に限定され、シート分割巻取装置の機側に台車の移動
のための大きな空間を用意しなければならない。また巻
取ロールを載せた台車全体の重量が大きくなり、台車を
移動させるための大きな駆動力が必要である。

【０００６】特に、上述の従来装置は、小型のシート分
割巻取装置等において作業者の労力によって搬送台車の
位置決めや受取軸と巻芯準備軸との入れ替えを行う場合
に不利である。

【０００７】そこで本発明は巻取ロールの取り出し及び
新たな巻芯の装着時間を短縮でき、占有空間が小さくて
済み、取り扱いが容易で安価な、シート分割巻取装置に
おける巻取再開準備装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明では、巻取軸から
押し出された巻取ロールを貫通して支持するための受取
軸と、複数の巻芯を貫通して支持することができる巻芯
準備軸と、前記受取軸及び前記巻芯準備軸を所要の相互
間隔をおいて各々シート幅方向に平行に片持ち支持する
スタンドと、前記巻取軸の先端前方の受け渡し位置につ
くことができる搬送台車と、前記搬送台車にそれぞれ垂
直方向の軸線を中心に揺動可能に、かつ互いに間隔をお
いて取り付けた複数の揺動腕とを備え、前記スタンドを
前記各揺動腕の反巻取軸側部分に、平行クランク機構を
構成するように枢着する。このように構成るすことによ
り、スタンドを巻取軸の長手直角方向に押し引きするだ
けでスタンド上の受取軸及び巻芯準備軸はそれぞれ平行
移動する。しかも揺動腕の揺動運動により、受取軸及び
巻芯準備軸の各々の先端は巻取軸に向かって凹になる円
弧状の軌跡を描いて移動する。即ち、スタンドを移動さ
せて受取軸又は巻芯準備軸を巻取軸との接続位置から離
すとき、スタンドを移動させるに従い受取軸又は巻芯準
備軸の先端は巻取軸の長手直角方向に遠ざかると共に巻
取軸の長手方向に後退する。そして、それと同時に巻取
軸に近付く巻芯準備軸又は受取軸の先端は巻取軸に近づ
くに従い巻取軸の長手方向に前進する。したがって、受
取軸、巻芯準備軸の先端と巻取軸の先端とが個々に接
触、又は微小な隙間をおいて接近する状態で、受取軸、
巻芯準備軸を巻取軸に接続させても、受取軸と巻芯準備
軸とを入れ替えるとき、巻取軸の先端と受取軸、巻芯準
備軸の先端とが干渉する恐れがない。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明は、広幅帯状シートをスリ
ッターで複数の細幅シートに分割しながら、巻取軸の外
周に装着した個々の筒状の巻芯のまわりに巻き取って巻
取ロールを形成し、該巻取ロールを、片持ち支持状態に
ある前記巻取軸から取り出すようにしたシート分割巻取
装置における、巻取ロールの取り出し及び巻芯の装着に
適用される。そして本発明では、前記巻取軸から押し出
された巻取ロールを貫通して支持するための受取軸と、
複数の巻芯を貫通して支持することができる巻芯準備軸
と、前記受取軸及び前記巻芯準備軸を所要の相互間隔を
おいて前記巻取軸の長手方向に平行に片持ち支持するス
タンドと、前記巻取軸の先端前方の受け渡し位置につく
ことができる搬送台車と、前記搬送台車にそれぞれ垂直
方向の軸線を中心に揺動可能に、かつ互いに間隔をおい
て取り付けた複数の揺動腕とを備え、前記スタンドを前
記各揺動腕の反巻取軸側部分に、平行クランク機構を構
成するように枢着する。

【００１０】また、本発明によれば、前記巻取軸を上下
に所要の間隔をおいて２本備え、前記受取軸及び前記巻
準備軸をそれぞれ前記各巻取軸に対応するように上下２
箇所に配置すると効果的である。また、前記巻取軸先端
の端面に、内周面が傾斜したセンタ穴を設けると共に、
前記センタ穴に先端部が嵌まる受取軸心合わせ棒を、前
記先端部が該受取軸の自由端から進出することができよ
うに前記受取軸と同心にスライド可能に設け、更に前記
センタ穴に先端部が嵌まる巻芯準備軸心合わせ棒を、前
記先端部が前記巻芯準備軸の自由端から突出することが
できるように前記巻芯準備軸と同心にスライド可能に設
けるとよい。

【００１１】

【実施例】次に図面を参照して本発明の一実施例を説明
する。図１はシート分割巻取装置の概略側面図あり、シ
ート分割巻取装置１は広幅帯状シートＳ０をスリッター
２により複数条の細幅シートＳに分割しながら、その細
幅シートＳを上下に交互に振り分け、上下に所要の間隔
をおいて設けた巻取軸３の外周に装着した個々の筒状の
巻芯Ｃのまわりに巻き取って巻取ロールＲを形成する。

【００１２】上下の巻取軸３は、それぞれ各巻芯Ｃに対
しスリップ回転可能に摩擦係合して巻芯Ｃに伝達される
トルクを調節することができる公知のもので、巻取運転
中は、図示しない駆動装置により中心駆動されて回転す
ると共に、その一端が、支点軸４を中心に揺動可能な支
持腕５の自由端に取り付けてあり、巻取ロールＲの半径
の成長に応じてタッチローラ６から離れる。そして、巻
取ロールＲが巻き上がると、鎖線で示す、巻取ロールＲ
の取り外し位置につき、図２、図３に示すように支持腕
５で片持ち支持された状態になる。

【００１３】この実施例によればシート分割巻取装置１
は、巻取ロールＲの取り外し作業を省力化するために、
図２に示す係合体７ａを巻取軸３に沿って支持腕５側か
ら巻取軸３の先端側へ駆動して移動させることにより巻
取ロールＲを押し出すことができる公知の押し出し装置
７を備える。また、図４に示すように、巻取運転中に支
持腕５と一対になり巻取軸３を確実に水平に支持するた
めの可動支持腕８を備える。

【００１４】図４において、支持腕５は自由端に軸受部
５ａを持ち、可動支持腕８は自由端に、巻取軸３の先端
部に係合・離脱可能な保持装置９をもつ。巻取軸３の先
端にはセンタ穴１０が設けてあるので、保持装置９は、
先端部がセンタ穴１０に嵌まるセンタ１１を備え、セン
タ１１を流体圧シリンダ１２内のピストンに連結してセ
ンタ穴１０に進退可能にしている。また支点軸４は左右
のフレーム１３ａ、１３ｂに軸受を介して回転可能に取
り付けてあり、公知の揺動駆動機構１４により正逆両方
向に回すことができ、支持腕５の基部は支点軸４に固着
してある。また可動支持腕８の基部は支点軸４に回転可
能に取り付けてある。巻取運転中は、支点軸４に固着し
た補助腕１６の後部に取り付けてあるアクチュエータ１
７で図５に実線で示すように可動支持腕８を押し、可動
支持腕８に固着した係止体１５を補助腕１６の前部に当
てることにより、可動支持腕８を支点軸４に対し固定す
る。そして巻取ロールＲを取り外すときは可動支持腕８
をアクチュエータ１７で引き、図５に鎖線で示すように
退避させる。なお、図４の右側のフレーム１３ｂは図１
では鎖線で示してある。

【００１５】図２に示すように、シート分割巻取装置１
における巻取再開準備装置は、巻取軸３から押し出され
た巻取ロールＲを貫通して支持する受取軸１８と、次の
巻取運転で使用する複数の巻芯Ｃを貫通して支持する巻
芯準備軸１９と、受取軸１８及び巻芯準備軸１９を所要
の相互間隔をおいて平行に片持ち支持するスタンド２０
と、受取軸１８及び巻芯準備軸１９が巻取軸３の長手方
向に平行になるように巻取軸３の先端前方の受け渡し位
置につくことができる搬送台車２１とを備えている。受
取軸１８と巻芯準備軸１９の相互間隔は、それぞれが巻
取ロールＲ、新たな巻芯Ｃを支持したとき互いに干渉し
ない間隔になっている。そして図３に示すように受取軸
１８及び巻芯準備軸１９は上下の巻取軸３毎に設けてあ
る。

【００１６】搬送台車２１は、この実施例では４箇所に
車輪２１ａを備え、そのうち後側２つはキャスタとなっ
ているので、図２及び図３に示す受け渡し位置から、巻
取ロールＲを降ろすための他の任意の位置へ移動させる
ことがてきる。また巻取ロールＲを巻取軸３から押し出
すとき、その押し出し力で後退しないよう、シート分割
巻取装置１のフレーム１３ｂに連結・切り離しが容易な
連結器２２で連結して一時的に受け渡し位置に据えるこ
とができる。なお巻取ロールＲの押し出し時に搬送台車
２１が実質的に移動しなければ連結器は不要であり、ま
た必要に応じて連結器に替えて車輪にブレーキ手段を備
えてもよいし、搬送台車を床に係止する手段を備えても
よし、作業者が搬送台車を一時的に保持してもよい。

【００１７】搬送台車２１の後部には垂直方向の二つの
枢支軸２３が受取軸１８の長手直角方向に所要の間隔を
おいて固設してあり、この枢支軸２３の下部にはそれぞ
れ揺動腕２４が揺動自在に取り付けてある。この揺動腕
２４は枢支軸２３に対して反巻取軸側つまり図２、図３
における右側へ伸びている。一方、スタンド２０の基部
２０ａには上記二つの枢支軸２３と同じ間隔で垂直方向
の二つの枢支軸２５が固設してある。また揺動腕２４の
反巻取軸側の先端部にはスタンド２０側の二つの枢支軸
２５の上端部が回転自在に取り付けてある。そして各揺
動腕２４における、搬送台車２１側の枢支軸２３からス
タンド２０側の枢支軸２５までの距離はそれぞれ等しく
なっている。したがって、スタンド２０は二つの揺動腕
２４の先端部分に平行クランク機構を構成するように枢
着されている。

【００１８】図２に示すスタンド２０は受取軸１８と巻
取軸３とが接続する位置に移動しており、揺動腕２４は
巻芯準備軸１９側へ傾いている。スタンド２０を受取軸
１８側へ移動させると図６に示すように揺動腕２４は受
取軸１８側に傾き、スタンド２０は巻芯準備軸１９と巻
取軸３とが接続する位置へ移動する。

【００１９】スタンド２０には、それを受取軸１８と巻
取軸３とが接続する位置と、巻芯準備軸１９と巻取軸３
とが接続する位置とに保持するために、図７に示すよう
にホルダー２６により上下方向にスライド可能に保持し
た棒２７が備えてあり、この棒２７を受け入れる穴２８
が搬送台車２１に２箇所に設けてある。

【００２０】図２、図６に示すように巻取軸３と受取軸
１８又は巻芯準備軸１９とを接続させたとき、巻取軸３
の先端部に対して受取軸１８又は巻芯準備軸１９の先端
部が心ずれすることを防ぐために、受取軸１８にはそれ
と同心に設けた穴に受取軸心合わせ棒２９がスライド可
能に嵌めてあり、巻芯準備軸１９にはそれと同心に設け
た穴に巻芯準備軸心合わせ棒３０がスライド可能に嵌め
てある。そして受取軸心合わせ棒２９、巻芯準備軸３０
の後端部はそれを作業者が操作できるように、それぞれ
スタンド２０の後方へ突出している。また図８に示すよ
うにセンタ穴１０は傾斜した内周面１０ａをもつ。この
実施例ではセンタ穴１０は、巻取軸３の本体に軸受を介
して回転自在に取り付けた先端部材３ａの端面に形成し
てある。また受取軸心合わせ棒２９はセンタ穴１０に嵌
まるように形成した先端部２９ａをもち、巻芯準備軸心
合わせ棒３０はセンタ穴１０に嵌まるように形成した先
端部３０ａをもつ。そしてセンタ穴１０は、傾斜した内
周面１０ａによって入口が大きくなっているので、巻取
軸３に対して受取軸１８又は巻芯準備軸１９の心がずれ
ても、受取軸心合わせ棒２９又は巻芯準備軸心合わせ棒
３０の先端部を受け入れることができる。そして受取軸
心合わせ棒２９又は巻芯準備軸心合わせ棒３０を押し込
むと、その先端部２９ａ又は３０ａが、傾斜した内周面
１０ａによって中心方向へ押され、センタ穴１０に同心
に嵌まる。

【００２１】シート分割巻取装置１で巻き取った巻取ロ
ールＲを巻取軸３から取り外し、新たな巻芯Ｃを装着し
て巻取運転を再開するには、巻取ロールＲが巻き上がる
前に巻芯準備軸１９に次の巻取運転で必要な新たな巻芯
Ｃを、次の巻取運転における巻取軸３上の配置と同様な
配置で準備しておく。この実施例では細幅シートＳを上
下に振り分けるので、隣り合う巻芯Ｃの間に隙間ができ
る。そこで、巻芯Ｃを押し出すとき巻芯Ｃの相互間隔を
維持するために隣り合う巻芯Ｃ間に筒状のスペーサＤを
入れておく。

【００２２】巻取ローＲルが巻き上がると、図５に示す
可動支持腕８を鎖線の位置へ退避させ、巻取軸３が片持
ち支持された状態にすると共に、細幅シートＳから巻取
ロールＲを切り離す。また搬送台車２１を受け渡し位置
へ移動して据える。そして受取軸心合わせ棒２９を受取
軸１８内に後退させてから、図２に示すように受取軸１
８と巻取軸３を向かい合わせた後、図７に示すように棒
２７を穴２８に嵌めてスタンド２０の移動を阻止し、受
取軸心合わせ棒２９を巻取軸３側へ押し出して先端部２
８ａを巻取軸３のセンタ穴１０に嵌め、巻取軸３と受取
軸１８の芯を合わせる。このとき図２に示すように揺動
腕２４は受取軸１８側に傾いている。その後、最も支持
腕１５寄りの巻取ロールＲを受取軸１８側へ押すことで
巻取ロールＲを巻取軸３から受取軸１８上へ押し出す。

【００２３】上下の巻取軸３上の巻取ロールＲが全て受
取軸１８上へ押し出されると、受取軸心合わせ棒２９を
後方へ引いて先端部２９ａをセンタ穴１０から抜き、ス
タンド２０を手前に引く。スタンド２０を手前に引く
と、図６に示すように揺動腕２５は鎖線で示す位置から
旋回して受取軸１８側へ傾く。そして巻芯準備軸１９と
巻取軸３とを向き合わせてから棒２７を穴２８に嵌め
る。その後、巻芯準備軸心合わせ棒３０を押し、その先
端部３０ａを突出させて巻取軸３のセンタ穴１０に嵌
め、巻芯準備軸１９上の巻芯Ｃを巻取軸３へ向けて押し
出して装着する。

【００２４】上下の巻取軸３に巻芯Ｃを装着すると、搬
送台車９を受け渡し位置から他の位置へ移動させて受取
軸１８から巻取ロールＲを降ろす。そして、搬送台車９
が受け渡し位置から他の位置へ移動すると可動支持腕８
を退避位置から進出させ、片持支持状態の巻取軸３のセ
ンタ穴１０に可動支持腕８のセンタ１１を入れて巻取軸
３を両端支持した状態にし、各細幅シートＳの先端をそ
れぞれの巻芯Ｃに取り付けて巻取運転を開始する。

【００２５】なお、本発明によれば、シート分割巻取装
置は巻取軸が固定位置に配設されたものでも、巻取軸が
左右に配置されたものでも、巻取軸を１本しか備えない
ものでもよい。また巻取軸から巻取ロールを押し出す押
し出し装置を備えず、作業者が手作業で巻取ロールを巻
取軸から押し出すものであってもよい。

【００２６】

【発明の効果】本発明によれば、揺動腕にスタンドを枢
着するので、スタンドの枢着点での回転抵抗を小さくで
き、小さな力で移動するスタンドを得ることができる。
また、スタンドを巻取軸の長手直角方向に押し引きする
ことにより、受取軸及び巻芯準備軸が平行移動すると共
に、各々の先端が巻取軸側に向かって凹になる円弧状の
軌跡を描いて移動するので、巻取軸の先端と受取軸、巻
芯準備軸の先端とが接触又は微小な隙間で接近するよう
に巻取軸と、受取軸、巻芯準備軸とを接続させても、受
取軸、巻芯準備軸を移動させるとき、巻取軸と受取軸又
は巻芯準備軸とが干渉して破損する心配がない。そのた
め、搬送台車を受け渡し位置に据えた状態で受取軸と巻
芯準備軸とを交互に巻取軸に向き合わせて接続すること
ができる。それゆえ、巻取軸に対して受取軸と巻芯準備
軸との入れ替えが容易であり、その時間を短くすること
がてきる。また、スタンドを巻取軸の長手直角方向に伸
びたレールで案内する場合のように、受取軸と巻芯準備
軸の間隔より少し長いレールや、そのレールを設置する
ための大きな幅の搬送台車を必要としない。したがっ
て、巻取ロールの取り出し時間及び新たな巻芯の装着時
間を短縮でき、占有空間が小さくて済み、操作が容易で
安価な装置を提供することができる。

【００２７】また、巻取軸先端に、傾斜した内周面をも
つセンタ穴を設けると共に、センタ穴に先端部が嵌まる
受取軸心合わせ棒、巻芯準備軸心合わせ棒をそれぞれ前
記受取軸、巻芯準備軸と同心にスライド可能に設ける
と、巻取軸の先端部に対して受取軸及び巻芯準備軸の先
端部の心がずれるのを防ぐと共に、巻取軸に働く荷重を
受取軸で負担して巻取軸のたわみを少なくすることがで
きる。それゆえ、巻取軸と受取軸、巻芯準備軸間の巻取
ロール、巻芯の受け渡しを円滑に行うことができ、巻取
軸からの巻取ロールの取り出し時間、巻取軸への巻芯の
装着時間を短縮すると共に、巻取軸と受取軸、巻芯準備
軸の接続部分で巻芯が傷付けられるのを防ぐことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例におけるシート分割巻取装
置の概略側面図である。

【図２】本発明の第１実施例に係る概略平面図である。

【図３】本発明の第１実施例に係る概略立面図である。

【図４】シート分割巻取装置における巻取軸支持部分の
平面図である。

【図５】シート分割巻取装置における巻取軸支持部分の
側面図である。

【図６】巻取軸と巻芯準備軸とが接続した状態を示す平
面図である。

【図７】図２の矢印Ａの方向に見た搬送台車の概略立面
図である。

【図８】巻取軸先端付近の水平断面図である。

【符号の説明】

Ｒ 巻取ロール Ｃ 巻芯 １ シート分割巻取装置 ２ スリッター ３ 巻取軸 ４ 支点軸 ５ 支持腕 １０ センタ穴 １８ 受取軸 １９ 巻芯準備
軸 ２０ スタンド ２１ 搬送台車 ２３ 枢支軸 ２４ 揺動腕 ２５ 枢支軸 ２９ 受取軸心
合わせ棒 ３０ 巻芯準備軸心合わせ棒

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 広幅帯状シートをスリッターで複数の細
   幅シートに分割しながら、巻取軸の外周に装着した個々
   の筒状の巻芯のまわりに巻き取って巻取ロールを形成
   し、該巻取ロールを、片持ち支持状態にある前記巻取軸
   から取り出すようにしたシート分割巻取装置における巻
   取再開準備装置であって、前記巻取軸から押し出された
   巻取ロールを貫通して支持するための受取軸と、複数の
   巻芯を貫通して支持することができる巻芯準備軸と、前
   記受取軸及び前記巻芯準備軸を所要の相互間隔をおいて
   前記巻取軸の長手方向に平行に片持ち支持するスタンド
   と、前記巻取軸の先端前方の受け渡し位置につくことが
   できる搬送台車と、前記搬送台車にそれぞれ垂直方向の
   軸線を中心に揺動可能に、かつ互いに間隔をおいて取り
   付けた複数の揺動腕とを備え、前記スタンドを前記各揺
   動腕の反巻取軸側部分に、平行クランク機構を構成する
   ように枢着したことを特徴とするシート分割巻取装置に
   おける巻取再開準備装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の装置において、前記巻取
   軸を上下に所要の間隔をおいて２本備え、前記受取軸及
   び前記巻芯準備軸をそれぞれ前記各巻取軸対応するよう
   に上下２箇所に配置したシート分割巻取装置の巻取再開
   準備装置。
3. 【請求項３】 前記巻取軸先端の端面に、内周面が傾斜
   したセンタ穴を設けると共に、前記センタ穴に先端部が
   嵌まる受取軸心合わせ棒を、前記先端部が該受取軸の自
   由端から進出することができように前記受取軸と同心に
   スライド可能に設け、更に前記センタ穴に先端部が嵌ま
   る巻芯準備軸心合わせ棒を、前記先端部が前記巻芯準備
   軸の自由端から突出することができるように前記巻芯準
   備軸と同心にスライド可能に設けた請求項１又は請求項
   ２記載のシート分割巻取装置における巻取再開準備装
   置。